(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記無線通信装置は、前記第1の設定情報と、前記第1の設定情報で無線接続が確立されることにより行われる第1の無線通信の方式とは異なる第2の無線通信の方式による、前記無線通信装置への無線接続を確立するための第3の設定情報と、を保持しており、
前記無線接続設定方法は、さらに、
前記第1の無線通信および前記第2の無線通信の方式から、前記第1の機器から受信した前記第1の無線信号に用いられた無線通信の方式を特定する特定ステップを含み、
前記確立ステップでは、前記特定ステップにおいて特定した無線通信の方式を用いて前記第1の機器への無線接続を確立し、
前記第1の送信ステップでは、特定した前記無線通信の方式を用いて前記第2の無線信号を前記第1の機器へ送信し、
前記第2の送信ステップでは、前記応答情報が認証成功を示す場合、前記第1の設定情報および前記第3の設定情報のうちで、特定した前記無線通信の方式に対応する設定情報を前記第1の機器へ送信する
請求項1に記載の無線接続設定方法。
前記応答情報が認証成功を示す場合、前記無線通信装置が保持する複数の前記第1の設定情報のうち特定した前記無線通信の方式に対応する第1の設定情報であって、当該無線通信装置の上位の無線通信装置が保持する第1の設定情報と同じ内容の第1の設定情報を前記第1の機器へ送信する
請求項2に記載の無線接続設定方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本発明の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した、無線接続のための設定方法に関し、以下の問題が生じることを見出した。
【0011】
AOSSでは、セットアップの際、APに搭載されているボタン(図示せず)と無線接続の設定が未設定の無線機器のボタンとが押されること等をきっかけに、独自の暗号技術を利用して無線機器とAPとの間で暗号鍵の交換が行われ、機器とAPとの間の無線接続の設定とセキュリティの設定とが行われる。このセットアップの初期段階において無線機器がAPと一時的に無線接続する場合、APは他のAPと共通で使われる同じ値のSSIDを無線機器に送信し、無線機器は受信したSSIDを用いて無線接続の設定およびセキュリティの設定を行うことにより、セットアップを行う。
【0012】
また、無線機器は、このセットアップによってAPにより自動的に生成されるSSIDをAPから受信し、受信したSSIDを設定する。無線機器は、通常動作時には、このSSIDを使ってAPに無線接続し、データ通信を行う。
【0013】
WPSでは、セットアップの際、APに搭載されているボタンと無線接続の設定が未設定の無線機器のボタンとが押されること、あるいは、未設定の無線機器のPIN(Personal Identification Number)コードがAPに設定されること、等をきっかけに、機器はAPにより自動的に生成されたSSIDおよび暗号化キーを受信し、受信したSSIDおよび暗号化キーを設定する。無線機器は、通常動作時には、このSSIDおよび暗号化キーを使ってAPに無線接続し、データ通信を行う。
【0014】
特許文献1に示す技術は、無線通信のAPとして通常動作する場合に用いる第1アクセスポイント識別子に装置の識別に用いられる識別子を付与した第2アクセスポイント識別子を生成し、ステーション(以降、「STA」という。)機能を実行する情報通信機器からAPの探索要求を受信したとき、該第2アクセスポイント識別子を前記探索要求の応答として送信する処理をコンピュータに実行させる。
【0015】
また、特許文献2に示す技術は、無線通信を行う装置間で共有される接続情報を記憶し、接続情報に基づいて無線通信を行う第1の無線通信部と、接続情報を音声および/または画像の接続情報パターンに変換する第1の制御部と、接続情報パターンを出力する出力部とを含む出力装置と、音声および/または画像を入力する入力部と、入力された音声および/または画像を解析する。更に、入力された音声および/または画像が接続情報パターンである可能性があると判定すると、接続情報パターンを接続情報候補に再変換する第2の制御部と、接続情報候補に基づいて無線通信を試みる第2の無線通信部とを含む入力装置とを有する。
【0016】
しかしながら、接続設定したい機器の電源が投入された状態での動作、あるいは、接続設定したい機器の無線リソースが利用可能であることを前提としているため、未設定の機器の電源が投入されていない場合やユーザが無線機能を使用するサービス(例:録画コンテンツの別の部屋での視聴)を利用中には接続設定できない可能性があるという課題を有している。
【0017】
また、未設定機器に表示機能や入力機能が十分に備わっていないような機器(例えば白物家電機器)である場合、接続設定時には未設定機器の入力手段を操作することが前提となっているため、機器を購入するごとに未設定機器の入力操作が必要になりユーザに負担をかける可能性があるという課題を有している。
【0018】
このような問題を解決するために、本発明の一態様に係る無線接続設定方法は、機器と無線通信装置との間の無線接続を確立するために、前記無線通信装置が実行する無線接続設定方法であって、前記無線通信装置への無線接続を確立するための第1の設定情報を保持していない第1の機器から送信された第1の無線信号であって、前記第1の機器への無線接続を確立するための第2の設定情報を含む第1の無線信号を受信する第1の受信ステップと、前記第1の設定情報を保持している第2の機器から、前記第1の機器の認証に用いる認証情報であって、前記第1の機器に固有に対応付けられている認証情報を受信する第2の受信ステップと、前記第2の受信ステップにおいて受信した前記第1の機器の前記認証情報を保持する第1の保持ステップと、前記第1の受信ステップにおいて受信された前記第1の無線信号に含まれる前記第2の設定情報を用いて、前記第1の機器への無線接続を確立する確立ステップと、前記確立ステップにおいて確立した無線接続において、前記認証情報を含む第2の無線信号を前記第1の機器へ送信する第1の送信ステップと、前記第1の送信ステップにおいて送信した前記第2の無線信号に含まれる前記認証情報に対する応答情報を含む第3の無線信号を前記第1の機器から前記無線接続において受信する第3の受信ステップと、前記応答情報が認証成功を示す場合、前記第1の設定情報を前記第1の機器へ前記無線接続において送信する第2の送信ステップと、を含む。
【0019】
これによれば、第1の機器とは異なる第2の機器から第1の機器の認証に用いる認証情報を無線通信装置に保持することができるようになる。これにより、例えば第1の機器が入力手段を豊富に備えていないような機器(例えば白物家電機器)である場合、第1の機器から認証情報を直接入力することなく、無線通信装置と第1の機器の認証接続を行うことが可能となる。このため、無線通信装置と第1の機器との無線接続の設定を簡単に行うことができる。
【0020】
例えば、前記無線通信装置は、前記第1の設定情報と、前記第1の設定情報で無線接続が確立されることにより行われる第1の無線通信の方式とは異なる第2の無線通信の方式による、前記無線通信装置への無線接続を確立するための第3の設定情報と、を保持しており、前記無線接続設定方法は、さらに、前記第1の無線通信および前記第2の無線通信の方式から、前記第1の機器から受信した前記第1の無線信号に用いられた無線通信の方式を特定する特定ステップを含み、前記確立ステップでは、前記特定ステップにおいて特定した無線通信の方式を用いて前記第1の機器への無線接続を確立し、前記第1の送信ステップでは、特定した前記無線通信の方式を用いて前記第2の無線信号を前記第1の機器へ送信し、前記第2の送信ステップでは、前記応答情報が認証成功を示す場合、前記第1の設定情報および前記第3の設定情報のうちで、特定した前記無線通信の方式に対応する設定情報を前記第1の機器へ送信してもよい。
【0021】
例えば、前記応答情報が認証成功を示す場合、前記無線通信装置が保持する複数の前記第1の設定情報のうち特定した前記無線通信の方式に対応する第1の設定情報であって、当該無線通信装置の上位の無線通信装置が保持する第1の設定情報と同じ内容の第1の設定情報を前記第1の機器へ送信してもよい。
【0022】
例えば、前記第2の機器は、ユーザから前記認証情報を含む入力を受け付ける入力部と、表示部とを有し、前記第2の受信ステップでは、前記入力部より受付けられた前記入力に含まれる前記認証情報を受信してもよい。
【0023】
例えば、さらに、前記第2の機器の前記表示部へユーザインターフェース(UI)画面を表示させるための表示情報を前記第2の機器へ送信する第3の送信ステップを含み、前記認証情報は、前記第2の機器の前記表示部に表示させた前記UI画面を介して入力された情報であってもよい。
【0024】
例えば、前記第1の受信ステップにおいて受信した前記第1の無線信号は、さらに、前記第1の機器を特定する機器特定情報を含み、前記無線接続設定方法は、さらに、前記機器特定情報に関連する関連情報をサーバーから取得する取得ステップと、前記機器特定情報と、前記取得ステップにおいて取得した前記関連情報とを前記無線通信装置に保持する第2の保持ステップと、を含み、前記第3の送信ステップでは、前記機器特定情報と、前記関連情報とを含む情報を前記表示情報として前記第2の機器へ送信してもよい。
【0025】
例えば、前記第2の受信ステップでは、さらに、前記第1の機器との認証を行う予定時刻に関する時間情報を受信し、前記確立ステップでは、前記時間情報に基づき、当該時間情報に対応する第1の機器が提供する前記第2の設定情報を用いた、前記第1の機器への無線接続を確立してもよい。
【0026】
例えば、さらに、前記無線通信装置が提供する前記第1の設定情報を用いて前記無線接続を行っているか否かを検出する検出ステップを含み、前記検出ステップにおいて前記第1の設定情報を用いて前記無線接続を行なっていないと検出した場合、当該第1の機器が提供する前記第1の設定情報を用いて、前記第1の機器への前記無線接続が可能な状態に切り替えてもよい。
【0027】
例えば、前記第1の受信ステップでは、さらに、前記第1の設定情報を保持している宅内の第3の機器からの第4の無線信号を受信し、前記第2の機器の前記表示部に前記UI画面を表示中に、前記第1の機器が宅内または宅外のいずれに位置するのかを判断するための指標となる情報を要求する入力が前記UI画面を介してなされると、所定の条件を満足する第3の機器に関する情報を含むUI画面を前記第2の機器の前記表示部に表示させてもよい。
【0028】
例えば、前記無線通信装置は、前記第3の機器の情報および前記第1の機器の情報を保持し、前記第3の機器の情報および前記第1の機器の情報は、それぞれ機種の情報を含み、前記所定の条件は、前記第1の機器の機種と同じであることであるとしてもよい。
【0029】
例えば、前記無線通信装置は、前記第3の機器の情報および前記第1の機器の情報を保持し、前記第3の機器の情報および前記第1の機器の情報はそれぞれから送信される無線信号の電波強度の情報を含み、前記所定の条件は、前記第1の機器の前記第1の無線信号の電波強度と同程度であることであるとしてもよい。
【0030】
例えば、さらに、前記第1の機器が宅内に位置するのか、または宅外に位置するのかを判定する判定ステップを含み、前記第3の送信ステップでは、前記判定ステップにおいて前記宅外に位置すると判定した第1の機器の情報を、前記判定ステップにおいて前記宅内に位置すると判定した第1の機器と異なるように表示させる情報を前記表示情報として送信してもよい。
【0031】
例えば、前記判定ステップでは、前記無線通信装置に対応する認証情報が保持されている第1の機器を前記宅内に位置すると判定してもよい。
【0032】
例えば、前記判定ステップでは、前記第3の機器と機種が異なる第1の機器を前記宅内に位置すると判定してもよい。
【0033】
例えば、前記判定ステップは、前記第3の機器の電源を投入している時間が類似する第1の機器を前記宅内に位置すると判定してもよい。
【0034】
例えば、前記判定ステップでは、電源を投入してから所定の時間が経過していない第1の機器を前記宅内に位置すると判定してもよい。
【0035】
また、例えば、無線通信装置であって、前記無線通信装置への無線接続を確立するための第1の設定情報を保持していない第1の機器から送信された第1の無線信号であって、前記第1の機器への無線接続を確立するための第2の設定情報を含む第1の無線信号を受信する第1の受信部と、前記第1の設定情報を保持している第2の機器から、前記第1の機器の認証に用いる情報であって、前記第1の機器に固有に対応付けられている認証情報を受信する第2の受信部と、前記第2の受信部が受信した前記第1の機器の前記認証情報を保持する保持部と、前記第1の受信部において受信された前記第1の無線信号に含まれる前記第2の設定情報を用いて、前記第1の機器への無線接続を確立する確立部と、前記確立部が確立した無線接続において、前記認証情報を含む前記第2の無線信号を前記第1の機器へ送信する第1の送信部と、前記第1の送信部が送信した前記第2の無線信号に含まれる前記認証情報に対する応答情報を含む第3の無線信号を前記第1の機器から前記無線接続において受信する第3の受信部と、前記応答情報が認証成功を示す場合、前記第1の設定情報を前記第1の機器へ前記無線接続において送信する設定情報送信部と、を備える無線通信装置として実現してもよい。
【0036】
例えば、認証情報の入力画面における表示方法であって、無線通信装置への無線接続を確立するための第1の設定情報を用いて前記無線通信装置への無線接続を確立する確立ステップと、前記第1の設定情報を保持していない第1の機器の認証に用いる情報であって、前記第1の機器に固有に対応付けられている認証情報を入力するためのUI画面を表示するために用いるUI情報を要求することにより、当該UI情報を前記無線通信装置から受信する受信ステップと、前記受信ステップにおいて受信した前記UI情報に基づき前記UI画面を表示する表示ステップと、前記UI画面を介して入力された認証情報を送信する送信ステップと、を含み、前記表示ステップでは、前記UI画面を表示中に前記第1の機器が宅内または宅外のいずれに位置するのかを判定するための指標となる情報の要求を受信した場合、前記第1の設定情報を保持している前記第3の機器のうち所定の条件を満足するものに関する情報を含むUI画面を表示する表示方法として実現してもよい。
【0037】
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0038】
以下、本発明の一態様に係る無線接続設定方法、無線通信装置および表示方法について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0039】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0040】
(実施の形態1)
始めに、本発明の一態様に係る無線接続設定システムの実施行為のうち、使用行為についての形態を説明する。
【0041】
図1は、本発明に係る無線接続設定システムの使用行為についての形態の一例を示す図である。
【0042】
無線接続設定システム1は、宅外サーバー101(クラウド101と称す)と、表示機器102と、宅内サーバー103と、機器104、105、106とを備える。
【0043】
宅外サーバー101(クラウド101と称す)は、例えば宅外のネットワークを介してユーザにインターネットサービスを提供する。宅外のネットワークは、有線のネットワークおよび無線のネットワークの一方または両方を含む。
【0044】
表示機器102は、宅内サーバー103とホームネットワーク(図示せず)を介して無線接続が既になされている。表示機器102と宅内サーバー103との間のホームネットワーク(図示せず)は、有線のネットワークであってもよいし、無線のネットワークであってもよい。以降、ホームネットワークは、宅内サーバー103により提供されるネットワークのことを指す。表示機器102は、画像を表示する表示部と、当該表示された画像に対しての入力を受け付ける入力部との両方の機能を有するタッチパネル102aを備える。なお、表示機器102は、表示部と入力部との両方の機能を有しているタッチパネル102aが採用されていなくてもよく、入力部は例えば、物理的な入力ボタンであってもよいし、キーボード、マウスなどの入力装置であってもよい。
【0045】
宅内サーバー103は、無線通信の親機に対応する無線通信装置(以降、「親機」という。)の一例である。親機は、宅内サーバー103に限定される必要はなく、中継器、ルータ装置などであってもよい。
【0046】
表示機器102は、宅内サーバー103に指示を出して宅内サーバー103の子機に対応する無線通信装置(以降、「子機」という。)の一例である機器104、105、106を制御する装置である。機器106は、宅内サーバー103と所定の無線通信の方式を用いたホームネットワークによる無線接続が既になされている。機器104、105のそれぞれは、宅内サーバー103が提供する、所定の無線通信の方式を利用したホームネットワークに対する、新たな無線接続をこれから行なおうとするものである。宅内サーバー103により提供されるホームネットワークに利用する無線通信の方式には、例えばWiFi(Wireless Fidelity)、Zigbee(登録商標)、特小(特別小電力無線)などがある。宅内サーバー103は、第1の無線通信の方式と、第1の無線通信の方式とは異なる第2の無線通信の方式とで、ホームネットワークを提供することが可能である。つまり、宅内サーバー103は、互いに異なる複数の無線通信の方式を用いて、ホームネットワークを提供することが可能である。また、宅内サーバー103が利用できる複数の無線通信の方式のうちのいずれか1つは、宅内サーバー103と機器104、105が送信するビーコン信号に用いる無線通信の方式と共通する。
【0047】
図1で示す機器104、105、106は、それぞれ、エアコン、電子レンジ、冷蔵庫であり、宅内にある3台のいわゆる白物家電機器を例にとったが、無線機能を搭載した機器であれば機器の種類や数は問わない。
【0048】
図2は、宅内サーバーが提供する無線のホームネットワークへの接続設定が未だなされていない(未設定ともいう)機器104、機器105をそれぞれ認証するための認証情報を、表示機器102のタッチパネル102aに表示されるユーザインターフェース(以降、「UI」という。)画面110を介して入力するときの一例を示す図である。
【0049】
表示機器102にUI画面110を表示させるために、事前に、宅内サーバー103は、表示機器102のタッチパネル102aへUI画面110を表示させるための表示情報を生成し、生成した表示情報を表示機器102へ送信する。本例は、表示機器102のタッチパネル102aが宅内サーバー103から取得した機器一覧として機器104、機器105、機器106の情報を示している。宅内サーバー103は、WPS等で接続設定されており、宅内サーバー103とWPS等を用いて無線接続を行うための設定情報201を保有している。機器104は機器認証のための認証情報であるPINコード203を保持している。機器105は機器認証のための認証情報であるPINコード204を保有している。機器106は機器認証のための認証情報であるPINコード205を保有している。
【0050】
宅内サーバー103は、自身が提供する無線のホームネットワークに無線接続するための設定情報201を保持している。設定情報は、例えば無線通信の方式に対応するホームネットワークのネットワークIDを含む。例えば、宅内サーバー103が、WiFi、特小、Zigbee(登録商標)のそれぞれの無線通信の方式に対応する場合を考える。
【0051】
この場合、宅内サーバー103は、WiFiを利用するときのホームネットワークのネットワークIDを含む設定情報、特小を利用するときのホームネットワークのネットワークIDを含む設定情報、Zigbee(登録商標)を利用するときホームネットワークのネットワークIDを含む設定情報の3つを保持することになる。つまり、宅内サーバー103は、互いに異なる複数の無線通信の方式に対応する、互いに異なる複数の設定情報を保持している。
【0052】
このとき、設定情報は、複数のネットワークIDにそれぞれ対応する複数のパスワードもあわせて含んでいれば、ネットワークIDに対応するホームネットワークを利用して無線通信を行うとき、このパスワードを利用した暗号化通信を行うことも可能となる。
【0053】
また、WiFiを利用するときのホームネットワークのネットワークIDは、SSID(Service Set IDentifier)とも言われる。
【0054】
また、特小またはZigbee(登録商標)を利用するときのホームネットワークのネットワークIDは、PANIDとも言われる。
【0055】
宅内サーバー103は、例えば無線通信を利用したホームネットワークを介して機器106と接続するとき、利用させる無線通信の方式に対応する設定情報201をコピーし、設定情報201をコピーすることにより得られた設定情報202を機器106に保持させる。これにより宅内サーバー103と機器106とには、ともに同じネットワークIDを含む設定情報が保持されることになる。
【0056】
機器106は、設定情報202に含まれるネットワークIDに対応する無線通信のホームネットワーク上でのIPアドレスが割り当てられ、当該ホームネットワーク上でIPプロトコルに基づく通信が可能となる。
【0057】
図2に示す例では、機器106は、例えばWPS等で宅内サーバー103と所定の無線通信の方式を用いて無線接続を行うための接続設定が完了しており、当該無線通信の方式に対応する設定情報202を保有している状態を示している。
【0058】
宅内サーバー103は、無線通信を利用してビーコン信号を送信することができる。宅内サーバー103から送信されるビーコン信号には、例えば宅内サーバー103に固有に割り当てられたMACアドレスが含まれている。
【0059】
未設定の機器104および機器105は、それぞれ宅内サーバー103からのビーコン信号を受信し、受信したビーコン信号に含まれる宅内サーバー103のMACアドレス(Media Access Control Address)を保持しておく。
【0060】
機器104および機器105は、宅内サーバー103が提供する、無線通信を利用したホームネットワークへの接続設定が未だなされていない。従って、宅内サーバー103が予め保持している設定情報に含まれるネットワークIDに対応する無線通信のホームネットワーク上でのIPアドレスは、機器104、機器105には、割り当てられていない。
【0061】
しかしながら、機器104および機器105は、それぞれ無線通信を利用してビーコン信号を定期的に送信することができる。例えば機器104から送信されるビーコン信号には、機器104に固有に割り当てられたアドレス情報であるMACアドレス、機器104の品番に関する情報(または機器104の品番を示す情報)、機器104との無線接続のための設定情報などが含まれている。なお、ビーコン信号に含まれる機器104の品番に関する情報は、機器104を特定する機器特定情報であれば品番に関する情報でなくてもよく、メーカー、ベンダー、型番、製品種別、製造年月日、製造場所などの情報やこれらの情報の組み合わせなどであってもよい。
【0062】
また、例えば、機器105から送信されるビーコン信号には、機器105に固有に割り当てられたアドレス情報であるMACアドレス、機器105の品番に関する情報、機器105との無線接続のための設定情報などが含まれている。
【0063】
無線通信を利用したビーコン信号が届く範囲に宅内サーバー103があれば、宅内サーバー103は、未設定の機器104および機器105が宅内サーバー103と無線通信できる範囲に存在することを認識できる。
【0064】
宅内サーバー103は、例えば未設定の機器104および機器105から送信されるビーコン信号を受信する。そして、宅内サーバー103は、受信したビーコン信号の無線通信の種別を判定し、かつ、この信号に含まれるMACアドレス、品番に関する情報および設定情報を、後述する無線モード管理情報および機器管理情報に保持しておく。
【0065】
つまり、宅内サーバー103は、宅内サーバー103との無線接続のための第1の設定情報を保持していない第1の機器としての機器104(または機器105)から、当該機器104(または機器105)との無線接続のための第2の設定情報を含むビーコン信号(第1の無線信号)を受信する。そして、宅内サーバー103は、第1の無線通信および第2の無線通信の方式から、機器104(または機器105)から受信したビーコン信号(第1の無線信号)に用いられた無線通信の方式を特定する。
【0066】
このとき、例えば未設定の機器104および機器105のそれぞれから初めてビーコン信号を受信したときの日時を機器104および機器105のそれぞれの購入日時として保持するようにしてもよい。機器を購入したユーザは、機器を購入した日に電源をONにすることが多いと予想されるからである。
【0067】
このとき、宅内サーバー103は、未設定の機器104および機器105のそれぞれから受信したビーコン信号において、このビーコン信号を定期的に受信している間は、対応する機器の電源がONであることを示す情報を生成し、当該情報を保持するようにしてもよい。また、宅内サーバー103は、未設定の機器104および機器105のそれぞれからビーコン信号を受信してから一定時間経過してもビーコン信号の受信がない場合には、当該ビーコン信号に対応する機器の電源がOFFであることを示す情報を生成し、当該情報を機器管理情報に保持するようにしてもよい。つまり、宅内サーバー103は、未設定の機器104および機器105のそれぞれから受信したビーコン信号を定期的に受信しているか否かに応じて、当該ビーコン信号に対応する機器の電源のON/OFFを示すON/OFF情報を生成し、生成したON/OFF情報を機器管理情報に保持していてもよい。
【0068】
また、宅内サーバー103は、機器104および機器105から受信したビーコン信号に含まれる品番号を示す情報を用いた検索を、例えばクラウド101へ依頼する。クラウド101は、例えば機器の品番号を示す情報を受け取ると、当該品番号に対応する機器の種類、当該機器に対応する関連情報などを検索し、検索結果を宅内サーバー103へ送信する。つまり、宅内サーバー103は、品番号を示す情報(機器特定情報)に関連する関連情報をクラウド101(サーバー)から取得する。
【0069】
機器に対応する関連情報とは、例えば、当該機器を示すアイコン情報を格納する格納場所を示すURL、またはアイコン画像情報などがある。
【0070】
宅内サーバー103は、受け取った機器の種類および機器に対応する関連情報を、当該機器の品番号と関連付けて、関連付けの結果をUIデータ情報として保持する。
【0071】
これにより、宅内サーバー103は、未設定の機器104および機器105の品番号に関連する関連情報をクラウド101から取得することができる。
【0072】
また、未設定の機器104および機器105が、宅内サーバー103が提供する、無線通信を利用したホームネットワークへの無線接続が完了するまでは、宅内サーバー103と未設定の機器104および機器105は、互いのMACアドレスと未設定の機器104および機器105から提供される設定情報とを利用して、無線通信を行う。
【0073】
宅内サーバー103は、設定モードと、通常モードとで動作する。設定モードは、未設定の機器104および機器105に対して接続設定を行うためのモードである。通常モードは、宅内サーバー103が提供する設定情報およびホームネットワークを利用して所定の方式の無線通信を行うモードである。宅内サーバー103は、設定モードで動作している場合、未設定の機器104から送信される設定情報を用いて、機器104との間で無線通信を行う。
【0074】
表示機器102は、宅内サーバー103が提供するホームネットワークに、設定済みの機器、および、未設定の機器の一覧を表示するためのUI画面110を取得するための要求を宅内サーバー103へ発行する。宅内サーバー103は、要求を受信した後、設定済みの機器、および、未設定の機器の品番号(機器特定情報)と、関連情報とを含む情報を表示情報として表示機器102に送信する。この後、表示機器102は、宅内サーバー103から受信した表示情報に従って、表示機器102のタッチパネル102aに接続設定済みの機器、および、未設定の機器の一覧を表示する。
【0075】
表示機器102のタッチパネル102aに表示されるUI画面110には、
図2に示すように、未設定の機器104および機器105を示すアイコン111、112と、アイコン111、112の横にPINコードを入力するための入力欄113、114が表示される。表示機器102のタッチパネル102aに対してユーザからPINコードの入力がなされて、「設定」の入力ボタン115が押されると、表示機器102から宅内サーバー103に入力されたPINコードの送信が行われる。これにより、宅内サーバー103は、表示機器102から未設定の機器104および機器105の認証に用いるPINコード(認証情報)を受信する。PINコードは、例えば機器ごとに異なる値が割り当てられた情報である。PINコードは、機器のメモリ、ハードディスクなどのストレージに予め格納されている。また、PINコードは、例えば機器を購入したときに付随する保証書などに記載されており、購入者は、PINコードを入力する場合に保証書を参照して入力することになる。つまり、機器104、105、106が有している認証情報(PINコード)は、それぞれの機器に固有に対応付けられている情報である。この認証情報は、機器を特定できればよいため、PINコードに限らずに、QRコード(登録商標)、バーコード、画像などであってもよい。
【0076】
例えば、表示機器102のUI画面110において、エアコンに対応する機器104のPINコードを入力する入力欄113にPINコードの入力がなされ、「設定」の入力ボタン115が押された場合を考える。
【0077】
宅内サーバー103は、エアコンに対応する機器104のPINコードの送信を表示機器102から受信すると、機器104に対応する情報と関連付けて受け取ったPINコードを機器管理情報に保持する。
【0078】
宅内サーバー103は、所定のタイミングで認証を行う。認証のタイミングは、認証の対象となる機器について、PINコードを機器管理情報に保持した後に、対象となる機器の電源がONしたことを宅内サーバー103が検出したときとしてもよい。
【0079】
または、認証のタイミングは、認証の対象となる機器について、PINコードの入力時において、PINコードの入力とともに、入力された予定時刻に到達したときとしてもよい。この場合は、表示機器102のタッチパネル102aにUI画面110として、PINコードの入力欄とともに、認証を行う予定時刻を入力するための入力欄が表示されることになり、これらの入力欄に入力された情報が宅内サーバー103に送信される。そして、宅内サーバー103は、受信した情報を用いて、当該情報に含まれる予定時刻に到達したタイミングで、当該情報に含まれるPINコードにより認証を行う。
【0080】
または、認証のタイミングは、無線通信装置(つまり宅内サーバー103)が提供する設定情報を用いて設定済みの機器と通信を行なっていないと判断したときとしてもよい。
【0081】
宅内サーバー103は、認証を行う前に、認証の対象となる機器から送信されるビーコン信号から、認証の対象となる機器が提供する無線通信の設定情報を予め取り出しておく。そして、宅内サーバー103は、認証を行うときにこの設定情報を用いて対象となる機器と通信する。このようにすることにより、宅内サーバー103と認証の対象となる機器(この例では機器104)との間で無線通信が行われ、宅内サーバー103は、認証の対象となる機器へ認証情報の送信を行うことが可能となる。
【0082】
宅内サーバー103は、未設定の機器104とPINコードを用いた認証を行う。この場合、宅内サーバー103は、機器104から受信したビーコン信号から特定した無線通信の方式を用いて、表示機器102から受信した、機器104に対応するPINコードを含むビーコン信号(第2の無線信号)を機器104へ送信する。宅内サーバー103は、機器104に対応するMACアドレスを用いて、ビーコン信号を機器104へ送信する。
【0083】
機器104は、宅内サーバー103から送られるビーコン信号に含まれるPINコードと自身が保持する認証情報であるPINコードとが一致するか否かを判断する。機器104は、受信したPINコードと認証情報として保持しているPINコードとが一致すると判断した場合、認証が成功したことを示す応答情報をビーコン信号(第3の無線信号)に含めて宅内サーバー103へ送信する。また、機器104は、受信したPINコードと認証情報として保持しているPINコードとが一致しないと判断した場合、認証が失敗したことを示す応答情報をビーコン信号(第3の無線信号)に含めて宅内サーバー103へ送信する。このとき、機器104は、宅内サーバー103に対応するMACアドレスを用いて、ビーコン信号(第3の無線信号)を宅内サーバー103へ送信する。
【0084】
これにより、宅内サーバー103は、ビーコン信号(第2の無線信号)に含まれるPINコード(認証情報)に対する応答情報を含むビーコン情報(第3の無線信号)を機器104から受信する。宅内サーバー103は、機器104から送信されたビーコン信号にPINコード認証が成功したことを示す応答情報が含まれる場合には、自身が提供する設定情報のうち、機器104から受信した無線信号に用いられた無線通信の方式に対応する設定情報201をコピーして、コピーした設定情報202をビーコン信号に含めて、認証が成功した機器104へ送信する。つまり、宅内サーバー103は、応答情報が認証成功を示す場合、保持している複数の無線通信の方式に対応する複数の設定情報のうち、機器104から受信した無線信号と同じ方式の無線通信の方式に対応する設定情報を、機器104へ送信する。機器104は、設定情報201がコピーされた情報を設定情報202として保持する。
【0085】
その後、宅内サーバー103は、認証の対象となる機器104が提供する設定情報を用いた無線接続から、自身が提供する設定情報のうち、機器104から受信した無線信号の種別に対応する設定情報を用いた無線接続に切り替えて、当該無線接続において機器104と無線通信を行う。
【0086】
未設定の機器104は、設定情報202を利用して、宅内サーバー103が提供する、無線を利用したホームネットワークへの無線接続を確立する。このとき、対応する無線を利用したホームネットワーク上でのIPアドレスが機器104へ付与される。また、機器104は、無線を利用したホームネットワーク上に繋がっている宅内サーバー103のIPアドレスの情報を取得できる。ホームネットワークへの無線接続が確立した後は、機器104は、ホームネットワーク上において、付与されたIPアドレスを用いて通信を行う。
【0087】
上述の説明では、エアコンに対応するPINコードを入力する入力欄113にPINコード入力がなされ「設定」の入力ボタン115が押された場合について説明をした。電子レンジに対応するPINコードを入力する入力欄114にPINコード入力がなされ「設定」の入力ボタン115が押された場合についても同様である。ただしこの場合は、電子レンジに対応するのは機器105であるため、上述の説明において機器104を機器105に置き換えて読めばよい。
【0088】
(無線機器設定システムの構成)
次に、本実施の形態に係る無線接続設定システム1の詳細について説明する。
【0089】
図3は、無線接続設定システムに用いる表示機器102、宅内サーバー103、機器104の内部構成の一例を示すブロック図である。
【0090】
図3に示すように、表示機器102は、例えば、表示制御部301、入力制御部302、UI実行部303、および無線通信部304を有する。また、
図3に示すように、宅内サーバー103は、例えば、設定制御部305、UI管理部306、無線制御部307、機器管理部308、および無線通信部309を有する。また、
図3に示すように、機器104は、例えば、入力制御部310、設定状態管理部311、認証情報管理部312、無線制御部313、および無線通信部314を有する。
図3では、機器104の内部構成の一例をブロック図として示しているが、機器105、機器106の内部構成のついても、
図3に示す機器104の内部構成と同様の構成であるため、図示を省略する。
【0091】
まず表示機器102について説明をする。
【0092】
表示制御部301は、UI実行部303で実行された結果に対応するUI画面110のタッチパネル102aへの表示を制御する。入力制御部302は、タッチパネル102aに表示されたUI画面110を介して、ユーザからのタッチパネル102aへの入力を受け付け、受付けた結果をUI実行部303へ送信する。
【0093】
UI実行部303は、無線通信部304を介して宅内サーバー103のUI管理部306から取得したUIデータ情報を用いてUI画面110をタッチパネル102aに表示する。
【0094】
無線通信部304は、図示しない通信回路を制御して無線を利用したホームネットワークを介してデータを送受信する。WPSやAOSSによるデータの送受信は、無線通信部304により行われる。無線通信部304は、具体的には、UI実行部303に入力制御部302から受信した情報を宅内サーバー103に送信したり、宅内サーバー103で生成されたUI画面110を表示するための表示情報を受信したりする。
【0095】
表示制御部301、入力制御部302、UI実行部303、および無線通信部304はそれぞれ、例えばその動作を規定するプログラムとして図示しないメモリに格納されており、図示しないCPUにより実行されることにより機能する。
【0096】
次に、宅内サーバー103について説明をする。
【0097】
UI管理部306は、表示機器102で実行されるUI画面110の生成に用いるUIデータ情報をメモリ、ハードディスクといったストレージに保持する。また、UI管理部306は、表示機器102から送信された情報に含まれるユーザからの指示を示す情報(機器一覧取得、PINコード等)を受け付けて、当該ユーザからの指示を設定制御部305へ送信する。
【0098】
設定制御部305は、ユーザからの指示を示す情報を、UI管理部306から受信すると、UI管理部306に対して、当該情報に含まれる機器の名前や当該機器に対応するアイコンデータ等のUIデータの生成するための指示を出す。
【0099】
また、設定制御部305は、無線制御部307に対して、無線制御部307の動作モードに関する指示を出す。具体的には、設定制御部305は、無線制御部307を通常モード(STA)で起動させるための指示または設定モード(AP)で起動させるための指示を出す。また、設定制御部305は、WPSの実行等の指示を出す。また設定制御部305は、機器管理部308に対して機器一覧の取得等の指示を出す。
【0100】
無線制御部307は、設定制御部305からの指示を受け、無線通信部309に対してAPとして通信を行う通信モード(設定モード)、および、STAとして通信を行う通信モード(通常モード)の切り替えを行ったり、WPSの実行を行ったりする。
【0101】
機器管理部308は、設定制御部305からの指示を受け、機器104、機器105、および機器106の情報を機器管理情報に保持し、管理する。
【0102】
無線通信部309は、図示しない通信回路を制御して無線を利用したホームネットワークを介してデータを送受信する。WPSやAOSSによるデータの送受信は、無線通信部309により行われる。
【0103】
設定制御部305、UI管理部306、無線制御部307、機器管理部308、および無線通信部はそれぞれ、例えば、上述した動作を規定するプログラムが図示しないメモリに格納されており、図示しないCPUにより実行されることにより機能する。
【0104】
次に機器104について、説明をする。
【0105】
入力制御部310は、ユーザからの入力を受け付け、受付けた入力を示す情報を設定状態管理部311へ送信する。設定状態管理部311は、入力制御部310からの入力を示す情報として、電源ON等の指示を受けると、機器104が未設定の機器である場合は、無線制御部313に対してAPとして起動させるための指示を出したり、宅内サーバー103からのWPSの実行指示を受け付けて、認証情報管理部312から認証情報を取得しWPS実行指示を出したりする。
【0106】
認証情報管理部312は、機器認証のためのPINコード等の認証情報を管理する。無線制御部313は、設定状態管理部311からの指示を受け、無線通信部314に対してAPおよびSTAの切り替えを行ったり、WPSの実行を行ったりする。無線通信部314は、図示しない通信回路を制御して無線を利用したホームネットワークを介してデータを送受信する。WPSやAOSSによるデータの送受信は、無線通信部314により行われる。
【0107】
入力制御部310、設定状態管理部311、認証情報管理部312、無線制御部313、および無線通信部314はそれぞれ、例えばその動作を規定するプログラムとして図示しないメモリに格納されており、図示しないCPUにより実行されることにより機能する。
【0108】
なお、本実施形態1に係る無線接続設定システムで利用される宅内サーバー103が表示機能を保有している場合には表示機器の機能は宅内サーバーに組み込まれていてもよい。この場合、表示機器102は、必ずしも必要ないことになる。
【0109】
また、UIデータ情報は、表示機器102が保有し、宅内サーバー103内のUI管理部へ指示を送信しても良い。
【0110】
図4は、宅内サーバー103内の設定制御部305の内部構成を示すブロック図である。
図4に示すように、設定制御部305は、設定判定部3051、設定情報管理部3052、および無線モード管理部3053から構成される。
【0111】
設定判定部3051は、設定情報管理部3052が保有している設定情報を利用して接続設定可能か否かを判定する。
【0112】
また、設定判定部3051は、例えば無線モード管理部3053が保持する無線モード管理情報701(
図7参照)に基づいて、宅内サーバー103の動作モードを設定モードに切り替えてよいか否かを判断する。設定判定部3051は、この判断として、例えば通常モードにおいて宅内サーバー103が提供するホームネットワークに無線接続する機器がない場合に、設定モードの無線機能を利用可能と判断する。
【0113】
また設定判定部3051は、機器管理部308に保持された機器管理情報901(
図9参照)から取得した未設定の機器の情報に基づいて、対応する未設定の機器から提供されたネットワークIDを無線モード管理情報701から特定し、特定したネットワークIDを用いてAPとして起動(つまり設定モードで起動)し、設定情報管理部3052で管理している設定情報を使用してWPSの実行等の指示を出すかの判定を行う。
【0114】
また、設定判定部3051は、機器管理部308に保持された機器管理情報901から取得した接続設定済みの機器と通信するために無線モード管理部3053に対してSTAとして起動するか否かを判定する。
【0115】
設定情報管理部3052は、無線を利用したホームネットワークに無線接続するための設定情報を管理する。
【0116】
無線モード管理部3053は、現在動作中のモード(通常(STA)モードまたは設定(AP)モード)を後述する無線モード管理情報を用いて管理する。
【0117】
図5は、機器104内の設定状態管理部311の内部構成を示すブロック図である。
図5に示すように、設定状態管理部311は、状態判定部3111、設定情報管理部3112、および無線モード管理部3113から構成される。
【0118】
状態判定部3111は、設定情報管理部3112が宅内サーバー103から送信された設定情報を保有しているか否か判定する。状態判定部3111は、当該設定情報を保有している場合には、設定情報を利用して接続設定可能か否かを判定する。
【0119】
また状態判定部3111は、宅内サーバー103から送信された設定情報を保有しておらず、未設定であると判定した場合は、無線モード管理部3113に対して設定モードで(APとして)起動するための指示を出す。このとき、状態判定部3111は、無線モード管理部3113が管理している無線モード管理情報に基づいて、設定モード時において利用する設定情報(ネットワークID)を指定する。また状態判定部3111は、無線モード管理部3113が宅内サーバー103から設定指示を受けるとWPSの実行指示を出す。
【0120】
設定情報管理部3112は、宅内サーバー103が提供する無線ネットワークに無線接続するための設定情報(つまり、宅内サーバー103から送信された設定情報)を管理する。
【0121】
無線モード管理部3113は、機器104において、現在動作中のモード(通常(STA)モードまたは設定(AP)モード)を管理する。
【0122】
図6は、宅内サーバー103が保持する設定情報の一例を示す図である。
【0123】
設定情報601は、宅内サーバー103内の設定情報管理部3052により管理されており、宅内サーバー103が提供可能な無線通信の方式、無線通信の方式に対応するネットワークID、およびネットワークIDに対応するパスワードを含んでいる。つまり、設定情報601は、複数の異なる無線通信の方式ごとに、ネットワークIDおよびパスワードが関連づけられている。
【0124】
図7は、宅内サーバー103が保持する無線モード管理情報の一例を示す図である。
【0125】
無線モード管理情報701は、宅内サーバー103内の無線モード管理部3053により管理されている。無線モード管理情報701は、例えば宅内サーバー103における現在の動作モード(設定/通常)、動作モードの状態(起動/停止)、ネットワークID、パスワード、および、ホームネットワークへの設定状態(設定/未設定)を含んでいる。
【0126】
図8は、宅内サーバー103が保持するUIデータ情報の一例を示す図である。
【0127】
UIデータ情報801は、宅内サーバー103内のUI管理部306が管理しており、品番、機種名、およびアイコン情報を含んでいる。この例では、アイコン情報は、アイコン画像を格納するURLに関する情報を含む。宅内サーバー103は、このURLへアクセスすることにより最新のアイコン画像を取得することができる。
【0128】
図9は、宅内サーバー103が保持する機器管理情報の一例を示す図である。
【0129】
機器管理情報901は、宅内サーバー103内の機器管理部308により管理されており、機器の品番、PINコード、無線タイプ、設定状態、および電源状態を含んでいる。無線タイプとはWiFi、特小、Zigbee(登録商標)等の無線ネットワークの種類(つまり、無線通信の方式)を示している。
【0130】
図10は、機器104が保持する無線モード管理情報の一例を示す図である。
【0131】
無線モード管理情報1001は、機器104内の無線モード管理部3113により管理されており、動作モード(設定/通常)、動作モードの状態(起動/停止)、設定情報(ネットワークIDおよびパスワード)を含んでいる。この設定情報は、宅内サーバー103が提供する無線を利用したホームネットワークに機器104が無線接続できない間、利用される。
【0132】
図7、
図10において、ネットワークIDとして、対応する機器の品番の前に「CLMSTA−」を付けた文字列が設定されているが、これに限定をされる必要はなくネットワークIDと機器との関連付けが特定できる文字列であれば何でもよい。
【0133】
以下に
図11、
図12、および
図13のフローチャートを用いて無線接続設定システム1において宅内サーバー103が提供するホームネットワークへの未設定の機器104の接続設定を行う処理の詳細について説明する。具体的には、接続設定は、表示機器102からの指示により宅内サーバー103が保有している設定情報を未設定の機器104、機器105などにコピーすることで行われる。
【0134】
図11は、無線接続設定システム1を構成する表示機器102、宅内サーバー103、機器104の具体的な動作の一例を示すフローチャートである。
図11において、表示機器102と宅内サーバー103との間では、ホームネットワークへの接続設定が既になされているものとする。また、表示機器102および宅内サーバー103には、それぞれホームネットワークにおいて利用するIPアドレスが与えられており、表示機器102および宅内サーバー103はIPアドレスを用いて相互に通信を行う。
【0135】
また、
図11に示す処理を開始する時点において、機器104は、ホームネットワークへの接続設定処理がまだ完了していない未設定の機器である。宅内サーバー103および機器104には例えばMACアドレスなどの固有のアドレスが予め割り当てられており、接続設定が完了するまでは、MACアドレスを用いて相互に通信を行う。宅内サーバー103からの送信に用いる無線信号の種別は、機器104から送信される無線信号の種別と同じものである。つまり、宅内サーバー103は、機器104から送信される無線信号の種別を特定し、特定した無線信号と同じ種別の無線信号を用いて機器104への送信を行う。
【0136】
宅内サーバー103および機器104は、MACアドレスを用いて相互に通信を行うとき、必要な情報をビーコン信号に含めて通信する。
【0137】
また、接続設定が完了すると、宅内サーバー103が提供するホームネットワークに接続する場合に用いるIPアドレスが機器104に与えられるので、接続設定が完了した後は、機器104および宅内サーバー103の間ではIPアドレスを用いた通信が行なわれる。
【0138】
まず、表示機器102で行われる処理のフローについて説明する。
【0139】
ユーザが表示機器102のタッチパネル102aを操作して設定メニューの起動が指示(S1101)された場合、入力制御部302はUI実行部303へ設定メニューの起動指示を送る。
【0140】
起動指示を受けたUI実行部303は、無線通信部304を介して宅内サーバー103からUIデータ情報801からアイコン情報を取得し、かつ、機器管理情報901から機器の設定状態に関する情報の取得を要求する(S1102)。これにより、UI実行部303は、アイコン情報および設定状態に関する情報を取得し、取得したアイコン情報および設定状態に関する情報に基づいてUI画面110の生成を実行し、表示制御部301へ実行結果としての表示情報を送る。つまり、表示機器102のUI実行部303は、UI画面110を生成するために必要な情報(アイコン情報および設定状態に関する情報)を取得するためのUI取得要求を宅内サーバー103に送信する。このとき、機器の設定状態に基づいて、未設定に機器に対してはPINを入力させるための情報を未設定の機器のアイコン情報と対応付けて表示し、設定済みの機器に対しては設定済みであることを示す情報を設定済みの機器のアイコン情報と対応付けて表示する。
【0141】
ユーザが未設定の機器104に対するPINコードの入力欄113にPINコードを入力すると、入力制御部302はUI実行部303に入力されたPINコードを示す情報を送る。PINコードを示す情報を受け取ったUI実行部303は、無線通信部304を利用して宅内サーバー103へ、PINコードを示す情報を送信するとともに、当該PINコードでの機器104のPIN登録を指示(要求)する。そして、宅内サーバー103は、受け取った情報により示されるPINコードを機器管理情報901に登録する(S1103)。
【0142】
宅内サーバー103は、PIN登録を行うと、ユーザにPIN登録が完了したことを示す登録完了を通知する。その後、表示機器102は、宅内サーバー103から送信される設定完了結果の受信の有無を監視する(S1104)。表示機器102は、宅内サーバー103から設定完了結果を受け取ると、ユーザに設定完了結果を通知する。そして、表示機器102は、ユーザからの指示を受け取った場合、設定メニューを終了する(S1105)。なお、表示機器102は、予め定められた時間が経過した場合に、設定メニューを終了してもよい。
【0143】
次に、宅内サーバー103で行われる処理のフローについて説明する。
【0144】
宅内サーバー103は、機器管理部308を利用して、所定のタイミング(例えば定期的)で未設定の機器および設定済みの機器を検索し、無線モード管理情報701および機器管理情報901を更新する(S1106)。UI管理部306は、表示機器102からのUI取得要求(S1102)を受けると、無線通信部309を介して表示機器102に最新のUIデータ情報、および、機器管理情報901に含まれる対応する機器の設定状態を示す情報を送信する。
【0145】
その後、UI管理部306は、表示機器102からのPIN登録(S1103)を示す指示を受けると、機器管理部308と設定制御部305内の設定判定部3051とへ当該指示を送信する。
【0146】
機器管理部308は、PINコードを登録することで機器管理情報901を更新し(S1107)、設定制御部305内の設定判定部3051は、登録したPINコードを利用して機器104と無線設定処理を行う(S1108)。無線設定処理(S1108)の詳細は
図12で説明する。無線設定処理が完了すると、機器管理部308は機器管理情報901をさらに更新する(S1109)。
【0147】
最後に、機器104で行われる処理のフローについて説明する。
【0148】
機器104では、電源をONにされると設定状態管理部311内の状態判定部3111は、設定情報管理部3112に宅内サーバー103から送信された設定情報が保持されているか否か(つまり設定済みか否か)を確認する(S1110)。機器104は、設定済だと判定された場合(S1110でYes)、特に何もしないで終了する。機器104では、設定済ではないと判定された場合(S1110でNo)、状態判定部3111は、無線モード管理部3113に対して設定モードで動作するよう指示を出す。これにより、無線モード管理部3113は、無線制御部313に対して、無線モード管理部3113が保有する無線モード管理情報1001のネットワークIDを指定することにより、無線制御部313がAPとして動作するように指示を出す。そして、機器104の無線通信部314は、無線モード管理情報1001に保持されたネットワークIDおよびパスワードを含む設定情報をビーコン信号に含めて宅内サーバー103へ送信する(S1111)。機器104の無線制御部313は、宅内サーバー103からの指示を受けて、無線設定処理を行う(S1108)。
【0149】
図12は、
図11における無線設定処理(S1108)の詳細に関するフローチャートである。
【0150】
まず、宅内サーバー103で行われる処理のフローについて説明する。
【0151】
宅内サーバー103の設定判定部3051は、設定が可能になるまで待つ(S1201)。なお、ステップS1201の設定時間待機処理の詳細は、
図13で説明する。ステップS1201により設定可能になると、設定判定部3051は、無線モード管理部3053に対して機器管理部308から取得した機器管理情報において、設定状態が未設定であり、かつ、電源がONである機器(以降、「対象機器」という。)に対して設定モードに切り替えるよう指示を出す。
【0152】
無線モード管理部3053は、無線制御部307に対して、無線モード管理情報701から対象機器のネットワークIDおよびパスワードを取得して、対象機器と無線接続するように指示を出す(S1202)。無線接続が完了した後、無線モード管理部3053は、無線制御部307に対してPINコード認証を開始するように指示を出す(S1203)。このとき、
図11のS1103でPINコードが入力された後であるため、機器管理情報901には、対象機器のPINコードが反映されている。このため、無線制御部307は、機器管理情報901を用いて、対象機器に対応するPINコードを対象機器へ送信する。
【0153】
宅内サーバー103の無線モード管理部3053は、機器104からPINコード認証の結果(応答情報)を受け取ると、当該結果が認証成功を示すか否かを判定する(S1204)。当該結果が認証成功を示す場合(S1204でYes)、無線モード管理部3053は、無線制御部307に対して、設定情報管理部3052が管理している設定情報601のうち、対象機器から受信したビーコン信号の無線通信の方式に該当する設定情報をコピーして、コピーした設定情報を送信するよう指示を出す。指示を受けた無線制御部307は、無線通信部309を利用して機器104に設定情報を送信する(S1205)。
【0154】
設定情報が送信されるとすると、設定判定部3051は、他に未設定の機器であって、電源ONである対象機器があれば、対象機器の数だけステップS1202からステップS1205の処理を繰り返す。つまり、ステップS1202からステップS1205の処理は、1台の対象機器に対して行われる。全ての処理が完了すると、設定判定部3051は、無線モード管理部3053に対して、動作モードを設定モード(AP)から通常モード(STA)に切り替えて起動するよう指示を出す(S1206)。
【0155】
次に、機器104で行われる処理のフローについて説明する。
【0156】
状態判定部3111は、無線モード管理部3113が無線モード管理情報1001の設定モード時に使用されるネットワークIDを宅内サーバー103から受信するまで待機する(S1207)。無線モード管理情報1001の設定モード時のネットワークIDを宅内サーバー103から受信すると、状態判定部3111は、無線制御部313に対してPIN認証の開始指示を出して、宅内サーバー103からPINコードを受信するまで待機する(S1208)。状態判定部3111は、宅内サーバー103からPINコードを受信すると、受信したPINコードと、認証情報管理部312が管理している認証情報(PINコード)とが一致しているか否かを判断する認証を行う(S1209)。そして、状態判定部3111は、無線通信部314を利用して宅内サーバー103へ認証結果を送信する(S1210)。受信したPINコードと管理しているPINコードとが一致した場合(つまり、認証成功の場合)、状態判定部3111は、宅内サーバー103から機器104の無線通信の方式に応じた設定情報を受信するのを待機し、受信した後に接続設定処理を行う(S1211)。状態判定部3111は、接続設定処理が終わると、宅内サーバー103に対して接続処理の結果を送信する(S1212)。
【0157】
図13は、
図12における設定時間待機処理(S1201)の詳細に関するフローチャートである。
【0158】
設定判定部3051は、機器管理部308から機器管理情報901を取得して、取得した機器管理情報901にPINコードが登録されている未設定の機器があるか否かを判定する(S1301)。設定判定部3051は、PINコードが登録されている未設定の機器があると判定した場合(S1301でYes)、当該未設定の機器の電源がONであるか否か判定する(S1302)。設定判定部3051は、未設定の機器の電源がONであると判定した場合(S1302でYes)、無線モード管理部3053から接続設定の用途に無線機能が利用可能か否かを判定する(S1303)。設定判定部3051は、接続設定の用途に無線機能が利用可能であると判定した場合(S1303でYes)、設定時間待機処理を解除して、
図12のS1202以降の処理を開始する。設定判定部3051は、未設定の機器のPINコードが登録されていないと判定した場合(S1301でNo)、未設定の機器の電源がONでないと判定した場合(S1302でNo)、または、接続設定の用途に無線機能が利用可能で無いと判定した場合(S1303でNo)は、ステップS1301に戻る。つまり、設定判定部3051は、ステップS1301〜S1303での判定が全てYesになるまで、設定時間待機を継続する。
【0159】
このようにして、機器のPINコードを登録した時点で機器の電源が投入されていない場合やユーザが無線機能を使用するサービス(例:録画コンテンツの別の部屋での視聴)を利用中の場合には、宅内サーバー103の動作モードが設定モードに、切り替わらない。このような場合であっても、宅内サーバー103の設定判定部3051は、
図13の設定時間帯期処理を行うため、時間差で接続設定できるだけでなく、未設定機器は電源を投入した後、ユーザが無線機能を使用するサービスを利用しなくなったときに、接続設定を開始することが可能になる。
【0160】
また、宅内サーバー103に表示機能が備わっていない場合であっても表示機器102を利用して、機器の情報を入力できる。このため、ユーザの接続設定に対する入力の負担を軽減できる。
【0161】
図14は、
図11おけるステップS1103において、表示機器102のUI画面から入力されたPINコードを登録する場合、表示機器102のタッチパネル102aに表示されるUI画面120の一例(つまり、
図2のUI画面110とは別のUI画面の一例)を示す図である。
【0162】
図14のUI画面120では、ユーザは、表示機器102のUI画面120に表示されるソフトウェアキーボード(図示せず)等を用いてPINコードを入力する。このとき必要に応じて購入日時などの機器に関する情報を入力するための入力欄(図示せず)が表示され、当該入力欄に入力された情報を宅内サーバー103の機器管理情報901に追加して管理できるように構成してもよい。
【0163】
表示機器102のタッチパネル102aに表示されるUI画面120は、宅内サーバー103のUI管理部306により生成された表示情報が表示機器102のUI実行部303により実行されることによりタッチパネル102aに表示される。表示情報は、UIデータ情報に基づいて宅内サーバー103において生成される情報である。UIデータ情報は、例えば、宅内サーバー103が、未設定の機器から送信されるビーコン信号に含まれる品番号をもとにクラウド101へ照会することで、エアコン、電子レンジ、冷蔵庫などの機器の種類に関する情報、および、機器に対応するアイコンの情報を取得することにより生成した情報である。
【0164】
UI画面120には、
図14に示すように、未設定の機器104および機器105を示すアイコン121、122と、アイコン121、122の横にPINコードを入力するための入力欄124、125とが表示される。また、UI画面120には、さらに、設定済みの機器106に関する情報123が表示される。つまり、設定済みの機器106に関する情報123は、具体的には、設定済みの機器106の、アイコン、機器の種類に関する情報、および、設定済みであることを示す情報を含む情報である。UI画面120には、さらに、入力欄124、125への入力を確定させるための「設定」の入力ボタン126が表示される。
【0165】
図15は、
図11におけるステップS1103において、品番/PIN登録時に表示機器102の表示画面に表示されるUI画面140の一例を示す図である。つまり、
図15は、未設定の機器の品番を指定して、当該機器に対応するPINコードを入力するためのUI画面140である。
【0166】
図15のUI画面140では、品番を入力するための入力欄141と、PINコードを入力するための入力欄142と、入力欄141、142への入力を確定させるための「設定」の入力ボタン143とが表示される。ユーザは、表示機器102のUI画面140に別途表示されるソフトキーボード(図示せず)等により品番およびPINコードを入力することができる。
【0167】
この例では、ステップS1103により、PIN登録とともに品番登録がなされる。
【0168】
このUI画面140を用いる場合、UI管理部306は、表示機器102からの品番/PIN登録の要求を受ける(S1103)と、UIデータ情報801に品番号を格納するとともに、品番号に対応する機器の種別、および、機器に関連する情報をクラウド101から取得して、取得した機器の種別および機器に関する情報をUIデータ情報801に格納する。その後、UI管理部306は、取得した機器の種別および機器に関する情報を、機器管理部308と設定制御部305内の設定判定部3051とへ通知する。このように構成をすれば、未設定の機器から送信されるビーコン信号に品番号を含める必要はなくなる。
【0169】
図16は、
図11おけるステップS1103において、表示機器102のタッチパネル102aに表示されるUI画面150からPINコードを入力する場合、表示機器102のUI画面の他の一例を示す図である。
図16に示す例では、表示機器102は、最新のUIデータ情報と、機器管理情報901に含まれる対応する機器の設定状態に関する情報とに加え、機器管理情報901に含まれる対応する機器の電源の状態に関する情報をさらに受け取る。つまり、
図16に示すUI画面150では、
図15に示すUI画面120に表示させる情報に加え、機器の電源状態を示す情報127、128が表示される。UI画面150に表示されるその他の情報は、UI画面120に表示される情報と同じであるため、説明を省略する。
【0170】
例えば、ステップS1106において、未設定の機器を検出したものの、その後ステップS1103を行うまでの間に、検出した機器の電源が落とされる場合などがある。
図16では、このような場合について、ユーザが視覚的に理解できるように機器の電源がONであるか否かに関する情報(つまり、電源の状態に関する情報127、128)を機器ごとに表示している。これにより、接続設定する未設定の機器の電源が投入されていない場合、当該機器の電源投入をユーザに促すことが可能となる。
【0171】
上述の構成においては、接続設定において、未設定の機器から、認証が成功した旨の情報を受け取ると、宅内サーバー103は、自身が提供する設定情報のうち、未設定の機器が送信する無線信号の種別に応じた設定情報をコピーして、未設定の機器へ送るような構成としていた。
【0172】
宅内サーバー103の親機として、宅内サーバー103の上位の無線通信装置(例えば、図示しない、中継装置、またはルータ装置など)が宅内に配置されている場合、宅内サーバー103は、自身の親機としての無線通信装置から送信された設定情報(つまり、上位の無線通信装置への無線接続を確立するための設定情報)を保持している。
【0173】
従って、宅内サーバー103は、自身への無線接続を確立するための設定情報を未設定の機器に送信しなくてもよい。例えば、宅内サーバー103は、未設定の機器から、認証が成功した旨の応答情報を受け取ったとき、自身が保持する設定情報のうち、宅内サーバー103の親機から受け取った設定情報を、認証が成功した旨の応答情報を宅内サーバー103に送信した未設定の機器へ送信してもよい。これにより、未設定の機器は、上位の無線通信装置への無線接続を確立するための設定情報を用いて、上位の無線通信装置(例えば、中継装置、またはルータ装置など)との無線接続を確立することが可能となる。
【0174】
(実施の形態2)
実施の形態2について説明する。実施の形態2では、実施の形態1のように、宅内サーバー103が周辺状況を把握して接続設定の開始を判断する構成とは異なり、ユーザが接続設定の開始時間を積極的に指定する構成である。
【0175】
図17は、
図13における設定時間待機処理(S1301)を拡張した詳細に関するフローチャートである。
【0176】
設定判定部3051は、機器管理部308から機器管理情報901を取得して、取得した機器管理情報901に設定開始時間が指定されているか否かを判定する(S1701)。設定判定部3051は、設定開始時間が指定されていると判定した場合(S1701でYes)、指定されている設定開始時間まで待つ(S1702)。設定判定部3051は、設定開始時間が指定されていないと判定した場合(S1701でNo)または指定されている設定開始時間を経過した場合(S1702の後)、
図13で説明したステップS1301〜S1303を行う。なお、ステップS1301〜ステップS1303の処理は、
図13で説明したものと同じであるため、説明を省略する。
【0177】
このようにして、ユーザに設定開始時間を指定させることで、ユーザが無線機能を使用するサービス(例:録画コンテンツの別の部屋での視聴)を利用していない時間帯を使って接続設定できる。
【0178】
図18は、
図12おけるステップS1203において、表示機器102のUI画面から入力されたPINコードを示す情報を機器へ送信する場合、表示機器102のタッチパネル102aに表示されるUI画面151の一例を示す図である。
図18に示す例では、表示機器102は、
図14に示すUI画面120に表示される情報に加え、設定開始時間を入力するための入力欄129、130を表示して、ユーザに接続設定を開始する時刻である設定開始時間を指定できるUI画面151を表示する。
【0179】
図19は、機器管理情報の他の一例を示す図である。
【0180】
図19に示す機器管理情報901aは、
図9に示す機器管理情報901と比較すると、更に設定時間を含んでいる点において異なる。
図19に示す機器管理情報901aの設定時間は、
図18のUI画面151の設定開始時間を入力するための入力欄129、130において、ユーザにより入力された時刻が登録される。また、設定時間は、接続設定を開始する時刻がわかれば良いため、例えば
図18のUI画面151においてPINコードおよび設定開始時間が入力されて「設定」の入力ボタン126が押された時刻からの相対時間であってもよい。つまり、設定時間は、時間間隔を示す情報であってもよく、具体的には、1時間、2時間などの情報であってもよい。
【0181】
(実施の形態3)
実施の形態3について説明する。実施の形態3では、実施の形態1および2のように、宅内サーバー103が、APとして動作する未設定の機器104、105に無線接続して自身が保有する設定情報をコピーする構成とは異なり、宅内サーバー103がAPとして動作して、WPS/AOSS等の既存の仕組みを利用して接続情報を未設定の機器104、105にコピーする場合について述べる。
【0182】
図20は、無線モード管理情報の他の一例を示す図である。
【0183】
図20に示す無線モード管理情報701aは、
図7に示す無線モード管理情報701と比較すると、無線モード管理情報701aのネットワークIDとパスワードとが宅内サーバー103がAPとして動作する際のものである点が異なる。つまり、宅内サーバー103が接続設定を実施する際に、自身がAPとして動作してネットワークIDを未設定機器に通知することで、宅内サーバー103および未設定の機器104、105ともにWPS/AOSSを開始して設定情報をコピーする。
【0184】
本例では同時に1つのネットワークIDに対応した無線ネットワークのみ起動可能にしているが、無線装置によっては複数のネットワークIDに対応した複数の無線ネットワークを起動しても良い。また、設定モードの際に機器毎に別のIDを割り当てているが、1つのIDのみ割り当てても良い。
【0185】
図21は、無線モード管理情報の他の一例を示す図である。
【0186】
図21に示す無線モード管理情報1001aは、
図10に示す無線モード管理情報1001と比較すると、ネットワークIDとパスワードに通知用と受信用がある点が異なる。通知用のネットワークIDは、実施の形態1および実施の形態2と同様に機器が未設定の場合に機器104がAPとして動作して宅内サーバーに通知するためのネットワークIDである。一方で、受信用のネットワークIDは、宅内サーバーから通知され、未設定機器が接続設定処理としてWPS/AOSSを開始するか否かの判定に利用する。
【0187】
このようにして、宅内サーバーがAPとして動作してWPS/AOSS等の既存の仕組みを利用して接続情報をコピーすることで、既存のWPS/AOSSのセキュリティのメカニズムを利用可能になるため、設定情報の漏洩を軽減できる。
【0188】
(実施の形態4)
実施の形態4について説明する。
【0189】
図22は、宅内サーバー103内のUI管理部306の内部構成の一例を示すブロック図である。
図22に示すように、UI管理部306は、例えば制御部3061、UIデータ管理部3062、宅内機器判定部3063を有する。
【0190】
制御部3061は、表示機器102からの指示を受けて設定制御部305に通知したり、UIデータ管理部3062にUIデータの生成およびUIデータの取得等の指示を出したりする。
【0191】
UIデータ管理部3062は、制御部3061からの指示で機器管理部308から機器管理情報901を取得して機器の情報を更新したり、機器管理部308から機器管理情報901に記載の機器が利用ユーザの機器か否かを取得して機器の情報を更新したりすることで、UIデータを生成する。
【0192】
宅内機器判定部3063は、UIデータ管理部3062からの指示で、機器管理部308を用いて機器管理情報901に記載の機器が利用ユーザの機器か否かを判定する。
【0193】
ここで、実施の形態1の
図14に示すようなUI画面120の構成では、宅内サーバー103が未設定の機器としてエアコンおよび冷蔵庫があることを表示しているが、これらの未設定の機器であるエアコンおよび冷蔵庫が宅内に位置する機器(第3の機器)であるか、宅外に位置する機器であるかは、よくわからない。
【0194】
そこで、未設定の機器として表示される機器が、宅内にあるのか、宅外にあるのかを示す指標となるような情報を、あわせて表示することを考える。
【0195】
図23の上図に示すUI画面152では、
図14に示すUI画面120に加えて、「全機器表示」の入力ボタン133が表示される。このUI画面152では、例えばタッチパネル102a上に表示された「全機器表示」の入力ボタン133が選択(操作)されると、
図23の下図に示すUI画面153ように未設定の機器に加え、設定済みの機器に関する情報123が合わせて表示される。
【0196】
例えば、冷蔵庫のような機器は、各家庭に1台あるようなものである。
【0197】
従って、例えば表示機器102を操作するユーザの宅内に冷蔵庫が1台しか配置されておらず、かつ、この冷蔵庫に関して設定済みであるのであれば、PINコードが入力できるように示された冷蔵庫については、宅外に位置する冷蔵庫だとユーザは簡単に理解できる。
【0198】
上述の表示を行うための処理について説明をする。
【0199】
まず、表示機器102において、UI取得要求を宅内サーバー103へ送信し、受け取った表示情報に基づいてタッチパネル102aに表示される内容が、
図23の上図であるとする。このとき「全機器表示」の入力ボタン133が選択(操作)されると、宅内サーバー103へ全機器(未設定の機器および設定済みの機器)に対応するUI取得要求が送信される。
【0200】
宅内サーバー103は、上述のUI取得要求を受け取ると、宅内サーバー103が管理する機器管理情報901における「設定状態」が設定済みの機器のうち、「設定状態」が未設定の機器の機種と同一のものがあるか否かを判断する。この判断は、宅内サーバー103が管理するUIデータ情報801の「機種名」に基づいて判断すればよい。
【0201】
宅内サーバー103は、例えば、同一の機種が冷蔵庫であると判定した場合には、UIデータ情報801、機器管理情報901に基づいて、対応する設定済みの機器(この例では冷蔵庫)の、機器の種別およびアイコンに関する情報を表示機器102へ送る。表示機器102は、受け取った情報に基づいて、未設定の機器に加え、設定済みの機器の、機器の種別、およびアイコンを表示する。このときの表示機器102に表示されるUI画面153が
図23の下図に対応する。
【0202】
上述のような処理では、「全機器表示」の入力ボタン133を選択(操作)すると、宅内サーバー103へ全機器に対応するUI取得要求が送信される。上述では、宅内サーバー103から設定済みの機器(この例では冷蔵庫)の、機器の種別およびアイコンに関する情報を表示機器102へ送る構成について、説明をしたがこれに限定をされる必要はない。
【0203】
例えば、表示機器102において、UI取得要求を宅内サーバー103へ送信したときに受け取った表示情報にUIデータ情報801および機器管理情報901が含まれており、表示機器102側で上述の判断を行うプログラムを表示機器102で実行するようにしてもよい。このとき、表示機器102へ送信される表示情報は、当該表示情報に含まれる機器管理情報901におけるPINコードを示す情報が認証情報であるため、秘匿性の観点からPINコードを示す情報が除かれた機器管理情報901が含まれるようにしてもよい。
【0204】
また、表示機器102は、
図23の下図で示されるUI画面153のように、例えばタッチパネル102aに表示された「戻る」の入力ボタン134が選択(操作)されると、
図23の上図で示されるUI画面152に切り替える。表示機器102は、
図23の上図で示されるUI画面152から、例えば
図23の下図で示されるUI画面153に切り替えるとき、
図23の上図のUI画面152を示す情報を一時的にメモリに格納しておき、その後「戻る」の入力ボタン134を選択(操作)すると、メモリに格納した情報を取り出して表示するようにすればよい。
【0205】
図24は、表示機器102のUI画面からPINコードを登録する場合、表示機器102のタッチパネル102aに表示されるUI画面の一例を示す図である。
【0206】
図24の上図に示すUI画面154では、
図14に示すUI画面120に加えて、「詳細」の入力ボタン135、136が表示される。このUI画面154では、例えばタッチパネル102a上に表示された「詳細」の入力ボタン135が選択(操作)されると、
図24の下図に示すUI画面155のように未設定の機器から送信される無線信号の電波強度に近い電波強度の無線信号を送信した設定済みの機器に関する詳細情報137を表示するように切り替わる。
【0207】
図24の上図において、PINコードが入力できるように示されたエアコンに対応する「詳細」の入力ボタン135を選択(操作)すると、エアコンの最も近くに位置する設定済みの機器として電子レンジが該当し、該当した機器である、電子レンジのアイコン、電子レンジの購入日、電子レンジを電源投入した最新の日時などを示す詳細情報137を表示する例を示している。
【0208】
上述の表示を行うための処理について説明をする。
【0209】
宅内サーバー103の無線通信部309は、例えば未設定の機器および設定済みの機器のそれぞれから送信される無線信号を受信したとき、その電波強度を測定し、測定結果を例えば、機器管理情報901に記録する。
【0210】
次に、「詳細」の入力ボタンが選択(操作)されると、宅内サーバー103は、選択された「詳細」の入力ボタンに対応する機器の電波強度を機器管理情報901から特定する。そして、宅内サーバー103は、特定した機器の電波強度と近い値を有する、設定済みの機器が在るか否かを調べる。具体的には、例えば電波強度の数値範囲を予め複数設定されており、複数の数値範囲の内で今回対象となる機器の電波強度を含む数値範囲について、当該数値範囲に含まれる電波強度を有する設定済みの機器が在るか否かを調べてもよい。
【0211】
例えば、
図24の上図の例では、未設定のエアコンに対応する「詳細」の入力ボタン135が選択(操作)されたとき、宅内サーバー103は、未設定のエアコンからの無線信号の電波強度を特定する。次に宅内サーバー103は、予め定めた複数の数値範囲の中から、未設定のエアコンからの無線信号の電波強度を含む数値範囲を特定する。次にこの数値範囲に含まれる電波強度を有する設定済みの機器を特定する。この設定済みの機器として、例えば電子レンジが相当すると判定した場合、宅内サーバー103は、例えば、電子レンジの電源を投入した時間、および、エアコンの購入日時を取得する。電子レンジの電源を投入した時間、および、エアコンの購入日時は、例えば、機器管理情報901から取得する。
【0212】
また、例えば、今回対象となる機器の電波強度を基準とした所定の電波強度の数値範囲に含まれる電波強度を有する設定済みの機器が在るか否かを調べてもよい。
【0213】
宅内サーバー103は、取得した設定済みの機器に関する情報を表示機器102へ送り、表示機器102では受け取った情報に基づいて対象となる機器の近くに位置する設定済みの機器に関する詳細情報137を表示する(
図24の下図)。
【0214】
このように構成することにより、対象となる機器の近くに位置する設定済みの機器の情報を表示することができ、表示機器102を操作するユーザーは、対象となる機器の近くに位置する設定済みの機器との空間的な位置関係を把握していれば、対象となる機器が宅内に位置するのか宅外に位置するのかを容易に判断できる。
【0215】
なお、表示機器102は、
図24の下図に示されるUI画面155のように、例えばタッチパネル102aに表示された「戻る」の入力ボタン138が選択(操作)されると、
図24の上図で示されるUI画面154に切り替える。表示機器102は、
図24の上図で示されるUI画面154から、例えば
図24の下図で示されるUI画面155に切り替えるとき、
図24の上図のUI画面154を示す情報を一時的にメモリに格納しておき、その後「戻る」の入力ボタン138を選択(操作)すると、メモリに格納した情報を取り出して表示するようにすればよい。
【0216】
本実施の形態4ではユーザが表示機器102のタッチパネル102aに表示されるUI画面154を操作することにより、認証情報であるPINコードを入力できるように示された機器が宅内に位置する機器か宅外に位置する機器かを示す指標となる情報を表示するUI画面155に切り替える。このため、表示機器102のユーザは、指標となる情報に基づいて対象となる機器が宅内に位置する機器か宅外に位置する機器かを容易に判別することができる。
【0217】
(実施の形態5)
実施の形態5について説明する。
【0218】
上述の実施の形態4では、ユーザが表示機器102のタッチパネル102aに表示されるUI画面154を操作することにより対象となる機器が宅内に位置する機器か宅外に位置する機器かを示す指標となる情報に基づいて、対象となる機器が宅内に位置する機器か宅外に位置する機器かを判断できるよUI画面155に切り替える構成について説明をした。
【0219】
実施の形態5では、宅内サーバー103が検出した未設定の機器について、宅外に位置する機器か宅外に位置する機器かを積極的に判断するようにしたことを特徴とする。
【0220】
図25は、実施の形態5における無線接続設定システムの動作の一例を示すフローチャートである。図において、
図12と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。
【0221】
まず、表示機器102で行われる処理のフローについて説明する。
【0222】
ユーザが表示機器102を操作して設定メニュー起動が指示(S1101)された場合、入力制御部302は、UI実行部303へ押下されたメニューの情報を送る。UI実行部303は、無線通信部304を利用して宅内サーバー103へUI取得要求を送信する(S1102a)。UI実行部303は、宅内サーバー103からUI画面を示す表示情報を取得し、取得した表示情報を実行し、表示制御部301へ実行した表示情報から得られる画面情報を送る。ユーザがUI画面を通じて機器のPINコードを入力すると、入力制御部302は、UI実行部303に入力されたPINコードを示す情報を送る。PINコードを示す情報を受け取ったUI実行部303は、無線通信部304を利用して宅内サーバー103へ、PINコードを示す情報を送信するとともに、当該PINコードでの機器104のPIN登録の要求を行う(S1103)。なお、ステップS1104およびS1105については、
図11の説明と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0223】
次に、宅内サーバー103で行われる処理のフローについて説明する。
【0224】
宅内サーバー103は、機器管理部308を利用して、常時、未設定の機器を検索して管理している機器管理情報901を更新する(S1106a)。UI管理部306は、表示機器102からのUI取得要求(S1102)を受けると、機器管理部308から機器管理情報901を取得してユーザが保有している機器か否かの判定結果を追加してUIを更新した後に、無線通信部309を利用して表示機器102にUI画面を示す表示情報を送信する(S1501)。
【0225】
ユーザ保有機器か否かの判定処理(S1501)の詳細は、
図18で説明する。
【0226】
なお、ステップS1107〜S1109については、
図12の説明と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0227】
また、機器104の動作であるステップS1110、S1111、およびS1108については、
図12の説明と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0228】
図26は、
図25におけるユーザ機器判定処理(S1501)の一例を示すフローチャートである。
【0229】
宅内機器判定部3063は、機器管理部308から機器管理情報901を取得して、対象となる未設定の機器のPIN登録がされているか否かを判定する。この場合、宅内機器判定部3063は、対象となる未設定の機器が、機器管理情報901の「PIN」に対応する項目にPINコードが含まれる場合には、PIN登録がされていると判定し、そうでない場合は、PIN登録がされていないと判定する(S2601)。宅内機器判定部3063は、対象となる未設定の機器がPIN登録されていると判定した場合(S2601でYes)、当該未設定の機器をユーザが保有している機器であると判定する(S2606)。宅内機器判定部3063は、対象となる未設定の機器がPIN登録されていないと判定した場合(S2601でNo)、設定済みの機器の中に対象となる未設定の機器と同一の機種があるか否かを判定する(S2602)。宅内機器判定部3063は、設定済みの機器の中に未設定の機器と同一機種のものがないと判定した場合(S2602でNo)、ユーザが保有している機器であると判定する(S2606)。宅内機器判定部3063は、設定済みの機器の中に未設定の機器と同一機種のものがあると判定した場合(S2602でYes)、対象となる未設定の機器の電源ON/OFFのタイミングと設定済みの機器の電源ON/OFFのタイミングとが類似しているか否かを判定する(S2603)。宅内機器判定部3063は、未設定の機器の電源ON/OFFのタイミングと設定済みの機器の電源ON/OFFのタイミングとが類似していると判定した場合(S2603でYes)、未設定の機器をユーザが保有している機器であると判定する(S2606)。宅内機器判定部3063は、未設定の機器の電源ON/OFFのタイミングと設定済みの機器の電源ON/OFFのタイミングとが類似していないと判定した場合(S2603でNo)、未設定の機器が電源ONから所定時間経過しているか否かを判定する(S2604)。宅内機器判定部3063は、未設定の機器が電源ONから所定時間を経過していないと判定した場合(S2604でNo)、未設定の機器をユーザが保有している機器であると判定する(S2606)。また、宅内機器判定部3063は、未設定の機器が電源ONから所定時間を経過したと判定した場合(S2604でYes)、未設定の機器をユーザが保有している機器でないと判定する(S2605)。
【0230】
その後、宅内機器判定部3063は、他に未設定の機器があるか否かを判定する(S2607)。宅内機器判定部3063は、対象となる未設定の機器が他にあると判定した場合(S2607でYes)、ステップS2601からの処理を繰り返す。
【0231】
上述の例では、ステップS2604において、対象となる店邸の機器の電源がONであることを前提としているが、当該未設定の機器の電源がOFFである場合、S2604の判定ができないため、ステップS2607に進むようしてもよい。
【0232】
図27は、機器管理情報の他の一例を示す図である。
【0233】
図27に示す機器管理情報2701は、
図9に示す機器管理情報901にユーザ機器であるか否かを示す情報(「ユーザ機器」の欄)を追加した点において異なる。
図27の機器管理情報2701は、「ユーザ機器」の欄には、ステップS1501の機器判定処理を行った結果が示される。
【0234】
図27に示す機器管理情報2701の「ユーザ機器」の欄において、「○」はS1501の機器判定処理を行った結果、ユーザが保有している機器である(つまり宅内に位置する機器)と判定したことを示す。「×」は、S1501の処理を行った結果、ユーザが保有している機器でない(つまり宅内に位置する機器)と判定したことを示す。「△」は、例えばS1501の処理を行った結果、対象となる機器の電源がOFFであり、ステップS2604の判定ができなかったので、ユーザが保有している機器か否かの判定ができなかったことを示す。
【0235】
図28は、PIN登録時のUI画面の他の一例を示す図である。
【0236】
図28の(a)に示すUI画面156では、
図27に示す機器管理情報2701のうち、「設定状態」が未設定の機器のうち、「ユーザ機器」に示す情報が「○」または「△」の機器に関する機器の、種別、品番、アイコンおよびPINが登録済みであるか否かを示す情報121aを示している。
【0237】
また、PINコードの登録がまだの場合は、PINの横の四角の部分にPINコードを入力するための入力欄125が表示される。
【0238】
図28の(a)に示すUI画面156では、「設定状態」が未設定の機器のうち、「ユーザ機器」に示す情報が「○」および「△」の機器の情報を表示するように構成をしているが、「△」に対応する機器については表示しないようにしてもよい。
【0239】
このような構成を採用すれば、宅外に位置すると判定した機器を表示しなくなるので、ユーザは宅内の機器を簡単に特定することができる。
【0240】
また、「設定状態」が未設定の機器のうち、「ユーザ機器」に示す情報が「×」(つまり宅内に位置すると判定した機器)については、UI画面156に表示されなくなるので、ユーザは、宅外に位置すると判定された機器に対し、誤ってPINコードを入力するといったことを防止できる。
【0241】
図28の(b)に示すUI画面157では、「設定状態」が未設定の機器のうち、「ユーザ機器」に示す情報が「×」(つまり宅外に位置すると判定した機器)については、「設定状態」が未設定の機器のうち、「ユーザ機器」に示す情報が「○」(つまり宅内に位置すると判定した機器)とは異なる態様で表示する。
図28の(b)の例では、例えば、「ユーザ機器」に示す情報が「×」である機器が冷蔵庫であり、この冷蔵庫に関する情報(アイコン、品番、PINコードを入力する領域)を表示している領域139を他の領域とは異なる色で表示したことを特徴とする。
【0242】
このようにすれば、ユーザは、視覚的に宅外の機器か宅内の機器かを識別することができるようになる。また、
図28の(b)において、「×」である機器(この例では冷蔵庫)に対応するPINコードを入力する領域を表示しないようにしてもよい。この場合、宅外に位置すると判定した機器に対し、誤ってPINを入力するといったことを防止できる。
【0243】
このようにして、ユーザに隣の家の機器(つまり、宅外に位置する機器)を区別させるようにすることで、自分の機器を特定しやすくなる。
【0244】
(変形例)
尚、本発明を上記の実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の実施形態に限定されないのはもちろんである。
【0245】
本発明は、コンピュータを動作させるプログラムコードを含むコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0246】
また、本発明は、前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなど、に記録したものとしてもよい。
【0247】
また、本発明は、前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0248】
また、前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号を前記記録媒体に記録して移送することにより、又は前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号を前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【0249】
本発明は、上記実施の形態に記載のデータ管理装置を制御するLSIとしても実施可能である。機能ブロックは、個別に1チップ化されても良いし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0250】
ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0251】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または、汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0252】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロック及び部材の集積化を行ってもよい。このような技術には、バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0253】
保存データの移行対象たる読み書き可能な記録媒体として、上述の実施形態では、記録媒体(例えばHDDやSDカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)などの半導体メモリ)を用いたが、本発明の特徴は、記録媒体の物理的特性に依存するものではなく、本発明は、他の読み書き可能な記録媒体にも適用できる。例えば、外付けハードディスクなどにデータが記録された場合においても上述と同様の効果を奏することはもちろんのことである。
【0254】
上記実施形態、及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。