特許第6351517号(P6351517)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6351517単成分現像系のための低エネルギー消費単色トナー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6351517
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】単成分現像系のための低エネルギー消費単色トナー
(51)【国際特許分類】
   G03G 9/097 20060101AFI20180625BHJP
   G03G 9/093 20060101ALI20180625BHJP
   G03G 9/087 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   G03G9/097 372
   G03G9/097 375
   G03G9/093
   G03G9/087 325
【請求項の数】17
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-17876(P2015-17876)
(22)【出願日】2015年1月30日
(65)【公開番号】特開2015-148798(P2015-148798A)
(43)【公開日】2015年8月20日
【審査請求日】2018年1月23日
(31)【優先権主張番号】14/175,957
(32)【優先日】2014年2月7日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グラジーナ・イー・クミーシク−ローリノウィクズ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ディー・ベイリー
(72)【発明者】
【氏名】モーラ・エイ・スウィーニー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ダブリュ・アサレス
(72)【発明者】
【氏名】カレン・エル・ラモーラ
【審査官】 野田 定文
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−214065(JP,A)
【文献】 特開2012−113301(JP,A)
【文献】 特開2011−008251(JP,A)
【文献】 特開2012−242492(JP,A)
【文献】 特開2012−008552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 9/00 − 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オクチルトリメトキシシランでコーティングされたアモルファスシリカから成る高帯電シリカ化合物と、
未処理シリカから成る気泡含有シリカ化合物と、
二酸化ケイ素の高密度アモルファス粒子から成るコロイド状シリカ化合物と、
非架橋のポリマー系スペーサーと、
架橋したポリマー系スペーサーと、
を含む表面添加剤パッケージを含む低エネルギー消費単色トナーであって、
トナーは、185℃の融合温度をもたらし、83/17/5部〜70/30/2部の各比率でスチレン、アクリル酸n−ブチル、およびβカルボキシエチルアクリレートモノマー単位含有する共重合体を含む、低エネルギー消費単色トナー。
【請求項2】
高帯電シリカ化合物が、表面添加剤パッケージの2重量%〜3重量%の量で存在する、請求項1に記載の低エネルギー消費単色トナー。
【請求項3】
気泡含有シリカ化合物が、表面添加剤パッケージの0.10重量%〜0.90重量%の量で存在する、請求項1に記載の低エネルギー消費単色トナー。
【請求項4】
コロイド状シリカ化合物が、表面添加剤パッケージの0.01重量%〜0.35重量%の量で存在する、請求項1に記載の低エネルギー消費単色トナー。
【請求項5】
非架橋のポリマー系スペーサーが、表面添加剤パッケージの0.25重量%〜0.85重量%の量で存在する、請求項1に記載の低エネルギー消費単色トナー。
【請求項6】
架橋したポリマー系スペーサーが、表面添加剤パッケージの0.01重量%〜0.35重量%の量で存在する、請求項1に記載の低エネルギー消費単色トナー。
【請求項7】
スチレン、アクリル酸n−ブチル、およびβ−カルボキシエチルアクリレートモノマー単位含有する共重合体を含むコアラテックスと;
オクチルトリメトキシシランでコーティングされたアモルファスシリカから成る高帯電シリカ化合物を有するシリカ混合物、非架橋のポリマー系スペーサーおよび架橋したポリマー系スペーサーを含む表面添加剤パッケージと、
を含む低エネルギー消費単色トナーであって、
非架橋のポリマー系スペーサーは、スチレンアクリレート、ポリスチレン、フッ素化メタクリレート、およびこれらの組み合わせから成る群から選択されるモノマー単位を含有する共重合体を含む、低エネルギー消費単色トナー。
【請求項8】
シリカ混合物が未処理シリカをさらに含む、請求項7に記載の低エネルギー消費単色トナー。
【請求項9】
シリカ混合物がSiOの高密度アモルファス粒子をさらに含む、請求項7に記載の低エネルギー消費単色トナー。
【請求項10】
架橋したポリマー系スペーサーは、メラミン、スチレンアクリレート、スチレンブタジエン、スチレンメタクリレート、ポリ(スチレン−アクリル酸アルキル)、ポリ(スチレン−1,3−ジエン)、ポリ(スチレン−メタクリル酸アルキル)、ポリ(スチレン−アクリル酸アルキル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−1,3−ジエン−アクリル酸)、ポリ(スチレン−メタクリル酸アルキル−アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸アルキル−アクリル酸アルキル)、ポリ(メタクリル酸アルキル−アクリル酸アリール)、ポリ(メタクリル酸アリール−アクリル酸アルキル)、ポリ(メタクリル酸アルキル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−アクリル酸アルキル−アクリロニトリル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−1,3−ジエン−アクリロニトリル−アクリル酸)、ポリ(アクリル酸アルキル−アクリロニトリル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(メチルスチレン−ブタジエン)、ポリ(メタクリル酸メチル−ブタジエン)、ポリ(メタクリル酸エチル−ブタジエン)、ポリ(メタクリル酸プロピル−ブタジエン)、ポリ(メタクリル酸ブチル−ブタジエン)、ポリ(アクリル酸メチル−ブタジエン)、ポリ(アクリル酸エチル−ブタジエン)、ポリ(アクリル酸プロピル−ブタジエン)、ポリ(アクリル酸ブチル−ブタジエン)、ポリ(スチレン−イソプレン)、ポリ(メチルスチレン−イソプレン)、ポリ(メタクリル酸メチル−イソプレン)、ポリ(メタクリル酸エチル−イソプレン)、ポリ(メタクリル酸プロピル−イソプレン)、ポリ(メタクリル酸ブチル−イソプレン)、ポリ(アクリル酸メチル−イソプレン)、ポリ(アクリル酸エチル−イソプレン)、ポリ(アクリル酸プロピル−イソプレン)、ポリ(アクリル酸ブチル−イソプレン)、ポリ(スチレン−アクリル酸プロピル)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル)、ポリ(スチレン−ブタジエン−アクリル酸)、ポリ(スチレン−ブタジエン−メタクリル酸)、ポリ(スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−メタクリル酸)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−アクリロニトリル)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−アクリロニトリル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(スチレン−イソプレン)、ポリ(スチレン−メタクリル酸ブチル)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−メタクリル酸ブチル−アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸ブチル−アクリル酸ブチル)、ポリ(メタクリル酸ブチル−アクリル酸)、ポリ(アクリロニトリル−アクリル酸ブチル−アクリル酸)、およびこれらの組み合わせから成る群から選択されるモノマー単位を含有する共重合体を含む、請求項7に記載の低エネルギー消費単色トナー。
【請求項11】
重量平均分子量(Mw)が15kpse〜65kpseであり、ガラス転移温度(Tg)が45℃〜75℃であるシェルラテックスをさらに含む、請求項7に記載の低エネルギー消費単色トナー。
【請求項12】
アラテックスと、
コアラテックスの上のシェルラテックスと、
シェルラテックスの上の表面添加剤パッケージであって、高帯電シリカ、気泡含有シリカ、コロイド状シリカ、非架橋のポリマー系スペーサー、および架橋したポリマー系スペーサーを含む表面添加剤パッケージと、
を含む低エネルギー消費単色トナーであって、
高帯電シリカは、トナーの2.0〜3.0重量%で存在し、
気泡含有シリカは、トナーの0.1〜0.75重量%で存在し、
コロイド状シリカは、トナーの0.05〜0.35重量%で存在し、
非架橋のポリマー系スペーサーは、トナーの0.25〜0.75重量%で存在し、
架橋したポリマー系スペーサーは、トナーの0.01〜0.35重量%で存在する、低エネルギー消費単色トナー。
【請求項13】
コアラテックスは、重量平均分子量(Mw)が15kpse〜60kpseであり、ガラス転移温度(Tg)が35℃〜75℃である、請求項12に記載の低エネルギー消費単色トナー。
【請求項14】
トナーのトナー粒子は、真円度が0.940〜0.975である、請求項12に記載の低エネルギー消費単色トナー。
【請求項15】
トナーは、200℃〜230℃の熱オフセット温度を示す、請求項12に記載の低エネルギー消費単色トナー。
【請求項16】
スチレン、アクリル酸n−ブチル、およびβ−カルボキシエチルアクリレートの各比率は、83/17/5部〜70/30/2部である、請求項7に記載の低エネルギー消費単色トナー。
【請求項17】
前記コアラテックス、83/17/5部〜70/30/2部の各比率でスチレン、アクリル酸n−ブチル、およびβカルボキシエチルアクリレートのモノマー単位含有する共重合体を含む、請求項12に記載の低エネルギー消費単色トナー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、例えば、単成分現像系(SCD系)で使用するためのトナー組成物に関する。さらに具体的には、本開示は、低い最低融合温度および低い光沢レベルを示す低エネルギー消費単色トナー組成物、およびこのようなトナー組成物を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスのネットワーク市場の高い要求を満足するために、高速単成分現像系(SCD系)が構築されてきた。SCD系では、光伝導体の上に静電潜像が作られ、この静電潜像にトナーが引き寄せられる。次いで、トナーを支持材料(例えば、紙片)に転写し、次いで、熱によって支持材料に融合させ、画像を作成する。印刷の要求が増すにつれて、プリンタは、高速で印刷することが必要となり、したがって、トナーは、これまでより短い時間で紙に熱/圧力によって融合しなければならない。解決策は、この問題を克服するためにもっと低い融点のトナーを使用することである。しかし、低融点のトナーは、貯蔵中に融合する傾向がある。
【0003】
高速印刷(特に、SCD系での高速印刷)に適しており、つや消し仕上げに適した光沢レベルを維持しつつ、優れた流動性、帯電性のトナーの使用量を減らすことができ、ドラムの汚染を減らすことができる改良された低エネルギー消費単色トナーが依然として必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下の詳細な説明は、本明細書の例示的な実施形態を実行する現時点で想定される最良の形態の記載である。本明細書の開示範囲は、添付の特許請求の範囲によって最もよく定義されるため、この記載は、限定する意味であると解釈されるべきではなく、単に本明細書の開示の一般的な原理を示す目的のためになされるものである。
【0005】
種々の本発明の特徴は、以下に記載され、この記載は、他の特徴とそれぞれ独立して使用されてもよく、または他の特徴と組み合わせて使用されてもよい。しかし、任意の1つの本発明の特徴は、上に記載したいずれかの問題に対処していない場合もあり、または上述のいずれかの問題にのみ対処していてもよい。さらに、上述の1つ以上の問題は、以下に記載するいずれかの特徴によって完全に対処されていなくてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概して、本明細書に開示の実施形態は、一般的に、高帯電シリカ化合物、気泡含有シリカ化合物、コロイド状シリカ化合物、ポリマー系スペーサーおよび架橋したスペーサーを含む表面添加剤パッケージを含む低エネルギー消費単色トナーを提供する。
【0007】
本明細書の開示の別の態様では、低エネルギー消費単色トナーは、重量平均分子量(Mw)が約15kpse〜約75kpseであり、ガラス転移温度(Tg)が約35℃〜約75℃であるコアラテックスと;シリカ混合物、ポリマー系スペーサーおよび架橋したスペーサーを含む表面添加剤パッケージとを含む。
【0008】
本明細書の開示の別の態様では、コアラテックスと;低エネルギー消費単色トナーは、重量平均分子量(Mw)が約15kpse〜約75kpseであり、ガラス転移温度(Tg)が約45℃〜約75℃であるシェルラテックスと;シェルラテックスの上に表面添加剤パッケージとを含み、表面添加剤パッケージは、シリカ混合物、ポリマー系スペーサーおよび架橋したスペーサーを含む。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示では、「高速印刷」という用語は、毎分あたり約35ページより多いページを走らせる印刷デバイスを指す。
【0010】
本開示では、「低エネルギー消費トナー」という用語は、印刷システムで温度が低いフューザーを使用することができる(従って、低エネルギーを消費する)トナーを指す。
【0011】
本開示では、「単色トナー」という用語は、単色、典型的には黒色のトナーを指す。
【0012】
本開示では、「熱オフセット温度」という用語は、印刷システムでの固定中にフューザーロールにトナーが顕著に付着しない最大温度を指す。
【0013】
本開示では、「ドラム汚染」という用語は、融合後に印刷システムのドラムに付着した受け入れられない量のトナーを指す。
【0014】
本開示では、「最低融合温度」という用語は、基材への受け入れられる範囲のトナーの付着が印刷システムで発生する最低温度を指す。
【0015】
本開示では、「つや消し仕上げ」という用語は、約0〜約30の光沢値(GGU)を指す。
【0016】
本開示は、SCD系で印刷するのに適しており、熱オフセット温度および貯蔵安定性(耐ブロッキング性)およびつや消し仕上げ性を改良した低エネルギー消費単色トナーを提供する。本開示は、低エネルギー消費単色トナーを製造するための方法も提供する。
【0017】
本発明の低エネルギー消費単色トナーは、1種類以上のモノマーを含有するラテックスを含むコアと、低融点ワックスと、カーボンブラック顔料およびシアンブルーを含む着色剤と、凝固剤と、表面添加剤パッケージとを含む粒子を含んでいてもよい。表面添加剤パッケージは、高帯電シリカ化合物、気泡含有シリカ化合物、コロイド状シリカ化合物、ポリマー系スペーサーおよび架橋したスペーサーの混合物を含んでいてもよい。
【0018】
他の実施形態では、本発明の粒子は、コア−シェル構造を有していてもよい。上のコアとともに含まれるのは、低融点ワックス、凝固剤およびキレート化剤であってもよい。シェルは、重量平均分子量(Mw)が、粒子のコア中のラテックスよりも低いか、または高く、ガラス転移温度(Tg)が高いラテックスを含んでいてもよい。
【0019】
ラテックスポリマーが、当業者の技術の範囲内にある任意の方法によって調製されてもよいが、本明細書のいくつかの実施形態では、ラテックスポリマーは、半連続型乳化重合を含む乳化重合方法によって調製されてもよい。
【0020】
この実施形態では、半連続型乳化重合を用い、界面活性剤および蒸留水が存在する状態で1種類以上のモノマーを含むモノマーエマルションを形成することによって、粒子のコアを調製することができる。モノマーエマルションの一部を所定時間加熱し、攪拌し、種となる粒子を形成する。次いで、残りのモノマーエマルションを反応器に加える。モノマーの変換を完結させるためにモノマーエマルションを攪拌し、重合したラテックスを形成する。次いで、重合したラテックスを、少なくとも1種類の着色剤、低融点ワックスおよび蒸留水とともにホモジナイザで混合する。凝固剤およびHNO溶液を含有する溶液をこの反応器に加える。
【0021】
コアが生成したら、コアの上にシェルを形成してもよい。いくつかの実施形態では、粒子のコア調製において上述のような半連続型乳化重合に従ってシェルラテックスを製造することによってシェルを調製してもよい。コアを含有する反応器に、シェルラテックスを滴下してもよい。シェルラテックスの添加が終了した後、混合物を所定時間保持し、次いで、pHを調節して成長を止める。得られた粒子スラリーを、融着温度で所定時間攪拌し、加熱し、冷却し、pHを調節してもよい。次いで、コア−シェル粒子を数回洗浄し、乾燥させてもよい。
【0022】
洗浄し、乾燥させた粒子と、表面添加剤パッケージとを混合してもよい。表面添加剤パッケージの成分は、改良されたトナーの流動特性、高いトナー電荷、電荷安定性、密度の濃い画像および低いドラム汚染を可能にするように選択される。
【0023】
本明細書の実施形態に従ってコアを形成するときに、任意のラテックス樹脂を利用してもよい。また、このような樹脂は、任意の適切なモノマーから作られてもよい。いくつかの実施形態では、コアを形成するために用いられるモノマーは、重量平均分子量(Mw)が約15kpse〜約75kpse、または約25kpse〜約55kpse、または約30kpse〜約50kpseの低分子量モノマーであってもよい。分子量は、高速型または混合床型のゲル浸透クロマトグラフィーによって測定されてもよい。
【0024】
種々の実施形態では、コアのラテックスのガラス転移温度(Tg)は、約35℃〜約75℃、または約40℃〜約70℃、または約45℃〜約55℃であってもよい。
【0025】
それに加え、コアのためのモノマーは、例えば、限定されないが、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、β−CEA、フマル酸、マレイン酸および桂皮酸を含む群から選択されるカルボン酸を含有していてもよい。
【0026】
コアラテックスポリマーエマルションを形成するときに有用であり、このようにして得られるラテックスエマルション中のラテックス粒子に有用な適切なモノマーの例としては、限定されないが、熱可塑性樹脂、例えば、ビニルモノマー、スチレンおよびポリエステルが挙げられる。
【0027】
適切な熱可塑性樹脂の例としては、スチレンメタクリレート;ポリオレフィン;スチレンアクリレート;スチレンブタジエン;架橋したスチレンポリマー;エポキシ;ポリウレタン;ホモポリマー、または2種類以上のビニルモノマーを含むコポリマーを含む、ビニル樹脂;およびジカルボン酸およびジフェノールを含むジオールのポリマー系エステル化生成物が挙げられる。
【0028】
他の適切なビニルモノマーとしては、スチレン;p−クロロスチレン;不飽和モノ−オレフィン、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレンおよびイソブチレン;飽和モノ−オレフィン、例えば、酢酸ビニル、ビニルプロピオネートおよびビニルブチレート;ビニルエステル、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルおよびメタクリル酸ブチルを含む、モノカルボン酸エステル;アクリロニトリル;メタクリロニトリル;アクリルアミド;およびこれらの混合物が挙げられる。それに加え、スチレンポリマーのポリマー、コポリマーおよびホモポリマーを含む架橋した樹脂を選択してもよい。
【0029】
例示的なポリマーとしては、ポリ−スチレンアクリレート、ポリ−スチレンブタジエン、ポリ−スチレンメタクリレート、さらに具体的には、ポリ(スチレン−アクリル酸アルキル)、ポリ(スチレン−1,3−ジエン)、ポリ(スチレン−メタクリル酸アルキル)、ポリ(スチレン−アクリル酸アルキル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−1,3−ジエン−アクリル酸)、ポリ(スチレン−メタクリル酸アルキル−アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸アルキル−アクリル酸アルキル)、ポリ(メタクリル酸アルキル−アクリル酸アリール)、ポリ(メタクリル酸アリール−アクリル酸アルキル)、ポリ(メタクリル酸アルキル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−アクリル酸アルキル−アクリロニトリル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−1,3−ジエン−アクリロニトリル−アクリル酸)、ポリ(アクリル酸アルキル−アクリロニトリル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(メチルスチレン−ブタジエン)、ポリ(メタクリル酸メチル−ブタジエン)、ポリ(メタクリル酸エチル−ブタジエン)、ポリ(メタクリル酸プロピル−ブタジエン)、ポリ(メタクリル酸ブチル−ブタジエン)、ポリ(アクリル酸メチル−ブタジエン)、ポリ(アクリル酸エチル−ブタジエン)、ポリ(アクリル酸プロピル−ブタジエン)、ポリ(アクリル酸ブチル−ブタジエン)、ポリ(スチレン−イソプレン)、ポリ(メチルスチレン−イソプレン)、ポリ(メタクリル酸メチル−イソプレン)、ポリ(メタクリル酸エチル−イソプレン)、ポリ(メタクリル酸プロピル−イソプレン)、ポリ(メタクリル酸ブチル−イソプレン)、ポリ(アクリル酸メチル−イソプレン)、ポリ(アクリル酸エチル−イソプレン)、ポリ(アクリル酸プロピル−イソプレン)、ポリ(アクリル酸ブチル−イソプレン)、ポリ(スチレン−アクリル酸プロピル)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル)、ポリ(スチレン−ブタジエン−アクリル酸)、ポリ(スチレン−ブタジエン−メタクリル酸)、ポリ(スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−メタクリル酸)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−アクリロニトリル)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−アクリロニトリル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(スチレン−イソプレン)、ポリ(スチレン−メタクリル酸ブチル)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−メタクリル酸ブチル−アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸ブチル−アクリル酸ブチル)、ポリ(メタクリル酸ブチル−アクリル酸)、ポリ(アクリロニトリル−アクリル酸ブチル−アクリル酸)、およびこれらの組み合わせが挙げられる。ポリマーは、ブロックコポリマー、ランダムコポリマーまたは交互コポリマーであってもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、モノマーは、例えば、約83/17/5部〜約70/30/2部、または約79/21/3部〜約65/35/12部、または約75/25/3部〜約70/30/2部の比率のスチレン、アクリル酸n−ブチルおよびβ−カルボキシエチルアクリレートであってもよい。
【0031】
コアラテックス樹脂の作製中に、1種類以上の低融点ワックスを加えてもよい。特定のトナー特性(例えば、粒子の形状、融合特徴、光沢、ストリッピング性および高いオフセット温度)を向上させるために、低融点ワックスを加えてもよい。低融点ワックスは、最低融合温度を下げ、メルトインデックスフロー(MFI)を高めるのに役立ち、フューザーロールからのトナー粒子の優れた剥離性を補助するのに役立つ場合がある。いくつかの実施形態では、低融点ワックスは、融点が約80℃未満、または約47℃〜約78℃、または約76℃未満である。
【0032】
適切なワックスとしては、例えば、天然植物性ワックス、天然動物性ワックス、鉱物ワックス、合成ワックスおよび官能基化されたワックスが挙げられる。天然植物性ワックスとしては、例えば、カルナバワックス、カンデリラワックス、米ろう、木ろう、ホホバ油、和ろうおよびヤマモモろうが挙げられる。天然動物性ワックスの例としては、例えば、ミツロウ、ピューニックワックス、ラノリン、ラックワックス、シェラックワックス、鯨ろうが挙げられる。鉱物ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、微結晶性ワックス、モンタンワックス、オゾケライトワックス、セレシンワックス、ペトロラタムワックスおよび石油ワックスが挙げられる。合成ワックスとしては、例えば、Fischer−Tropschワックス;アクリレートワックス;脂肪酸アミドワックス;シリコーンワックス;ポリテトラフルオロエチレンワックス;ポリエチレンワックス;高脂肪酸と高級アルコールとから得られるエステルワックス、例えば、ステアリン酸ステアリルおよびベヘン酸ベヘニル;高級脂肪酸または一価または多価の低級アルコールとから得られるエステルワックス、例えば、ステアリン酸ブチル、オレイン酸プロピル、グリセリドモノステアレート、グリセリドジステアレートおよびペンタエリスリトールテトラベヘネート;高級脂肪酸および多価アルコールマルチマーから得られるエステルワックス、例えば、ジエチレングリコールモノステアレート、ジグリセリルジステアレート、ジプロピレングリコールジステアレートおよびトリグリセリルテトラステアレート;ソルビタン高級脂肪酸エステルワックス、例えば、ソルビタンモノステアレート;およびコレステロール高級脂肪酸エステルワックス、例えば、コレステリルステアレート;ポリプロピレンワックス;およびこれらの混合物が挙げられる。
【0033】
いくつかの実施形態では、低融点ワックスは、例えば、パラフィン(融点47℃〜65℃)、笹の葉(融点79℃〜80℃)、ヤマモモ(融点46.7℃〜48.8℃)、ミツロウ(融点61℃〜69℃)、カンデリラ(融点67℃〜69℃)、ケープベリー(融点40.5℃〜45℃)、カランダ(融点79.7℃〜84.5℃)、カルナバ(融点83℃〜86℃)、ヒマシ油(融点83℃〜88℃)および和ろう(融点48℃〜53℃)であってもよい。
【0034】
低融点ワックスは、コアの約1重量%〜約25重量%、またはコアの約3重量%〜約15重量%、またはコアの約12重量%〜約25重量%の量で存在していてもよい。いくつかの実施形態では、本開示のコアに存在する低融点ワックスの量は、高融点ワックスを用いるときにコアに用いられるワックスの量の約半分であってもよい。
【0035】
本発明のコアは、1種類以上の着色剤も含んでいてもよい。例えば、本発明で用いられる着色剤は、顔料、染料、顔料と染料の混合物、顔料混合物、染料混合物などを含んでいてもよい。着色剤は、例えば、カーボンブラック、マグネタイト、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブルー、ブラウンおよびこれらの混合物を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、適切な着色剤としては、カーボンブラック顔料およびシアンブルーが挙げられる。着色剤を、トナーに望ましい色を付与するのに十分な量で組み込んでもよい。
【0036】
画像密度を高めるために、本発明のコア粒子にカーボンブラック顔料が存在していてもよい。カーボンブラック顔料は、例えば、Cabot(登録商標)Corporation製のカーボンブラック製品、例えば、Black Pearlカーボンブラック;Regal製のカーボンブラック製品;Condutex製のカーボンブラック;Columbian Chemicals製のカーボンブラック、例えば、Raven(登録商標)カーボンブラック:Raven Bead、Raven Black、Raven CおよびRaven P−FE/B;LanXess製のカーボンブラック;Mitsubishi(登録商標)製のカーボンブラック;NiPex製のカーボンブラック;BASF(登録商標)製のカーボンブラック;Paul Uhlrich(登録商標)製のNormandy Magenta RD−2400;Paul Uhlrich(登録商標)製のPermanent Violet VT2645;BASF(登録商標)製のHeliogen Green L8730;Paul Uhlrich(登録商標)製のArgyle Green XP−111−S;Paul Uhlrich(登録商標)製のBrilliant Green Toner GR 0991;BASF(登録商標)製のLithol Scarlet D3700;Aldrich(登録商標)製のToluidine Red;Aldrich(登録商標)製のScarlet for Thermoplast NSD Red;Paul Uhlrich(登録商標)製のLithol Rubine Toner;BASF(登録商標)製のLithol Scarlet 4440およびNBD 3700;Dominion Color(登録商標)製のBon Red C;Paul Uhlrich(登録商標)製のRoyal Brilliant Red RD−8192;Ciba Geigy(登録商標)製のOracet Pink RF;BASF(登録商標)製のPaliogen Red 3340および3871K;BASF(登録商標)製のLithol Fast Scarlet L4300;BASF(登録商標)製のHeliogen Blue D6840、D7080、K7090、K6910およびL7020;BASF(登録商標)製のSudan Blue OS;BASF(登録商標)製のNeopen Blue FF4012;American Hoechst(登録商標)製のPV Fast Blue B2G01;Ciba Geigy(登録商標)製のIrgalite Blue BCA;BASF(登録商標)製のPaliogen Blue 6470;Matheson、Coleman and Bell製のSudan II、IIIおよびIV;Aldrich(登録商標)製のSudan Orange;BASF(登録商標)製のSudan Orange 220;BASF(登録商標)製のPaliogen Orange 3040;Paul Uhlrich(登録商標)製のOrtho Orange OR 2673;BASF(登録商標)製のPaliogen Yellow 152および1560;BASF(登録商標)製のLithol Fast Yellow 0991K;BASF(登録商標)製のPaliotol Yellow 1840;Hoechst(登録商標)製のNovaperm Yellow FGL;Paul Uhlrich(登録商標)製のPermanerit Yellow YE 0305;BASF(登録商標)製のLumogen Yellow D0790;BASF(登録商標)製のSuco−Gelb 1250;BASF(登録商標)製のSuco−Yellow D1355;BASF(登録商標)製のSuco Fast Yellow D1165、D1355およびD1351;Hoechst(登録商標)製のHostaperm Pink E;BASF(登録商標)製のFanal Pink D4830;DuPont(登録商標)製のCinquasia Magenta;BASF(登録商標)製のPaliogen Black L9984 9;およびBASF(登録商標)製のPigment Black K801が挙げられる。
【0037】
カーボンブラックは、本開示のコア中に、例えば、コアの約1重量%〜約8重量%、またはコアの約2重量%〜約6重量%、またはコアの約3重量%〜約5重量%の量で存在していてもよい。
【0038】
シアンブルーは、トナーの色合いを向上させてもよく、さらに、粒子に電荷を加えるのに役立つ場合がある。シアンブルーは、本開示の粒子中に、例えば、コアの約0.25重量%〜約3.25重量%、またはコアの約0.5重量%〜約2.75重量%、またはコアの約0.75重量%〜約1.75重量%の量で存在していてもよい。
【0039】
凝固剤を本発明のコアに加え、トナー中のイオン架橋を調節してもよい。いくつかの実施形態では、イオン性架橋凝固剤をコアに加える。イオン性架橋凝固剤を、コアラテックス、ワックスおよび着色剤を凝集させる前に加えてもよい。適切なイオン性架橋凝固剤としては、例えば、アルミニウム系凝固剤、例えば、ポリフッ化アルミニウムおよびポリ塩化アルミニウム(PAC)を含むポリハロゲン化アルミニウム;ポリケイ酸アルミニウム、例えば、ポリアルミニウムスルホシリケート(PASS);ポリ水酸化アルミニウム;ポリリン酸アルミニウム;硫酸アルミニウムなどが挙げられる。他の適切な凝固剤としては、チタン酸テトラアルキル、ジアルキルスズ酸化物、テトラアルキルスズ酸化物の水酸化物、ジアルキルスズ酸化物の水酸化物、アルミニウムアルコキシド、アルキル亜鉛、ジアルキル亜鉛、酸化亜鉛、酸化第一スズ、ジブチルスズ酸化物、ジブチルスズ酸化物の水酸化物、テトラアルキルスズなどが挙げられる。
【0040】
いくつかの実施形態では、凝固剤は、ポリ塩化アルミニウムであってもよい。
【0041】
イオン性架橋凝固剤は、コア粒子中に、約0.08pph〜約0.28pph、または約0.10pph〜約0.20pph、または約0.13pph〜約0.17pphの量で存在していてもよい。
【0042】
本発明のあらかじめ融着させた粒子に、イオン架橋の量を減らし、メルトフローを高くし、最低融合温度を下げるためにキレート化剤を加えてもよい。適切なキレート化剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、グルコナール、ヒドロキシル−2,2’イミノジコハク酸(HIDS)、ジカルボキシルメチルグルタミン酸(GLDA)、メチルグリシジル二酢酸(MGDA)、ヒドロキシジエチルイミノ二酢酸(HIDA)、グルコン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、ニトロトリアセテート塩、フミン酸、フルボ酸;EDTA塩、例えば、EDTAのアルカリ金属塩、酒石酸、グルコン酸、シュウ酸、ポリアクリレート、糖アクリレート、クエン酸、ポリアスパラギン酸、ジエチレントリアミン五酢酸塩、3−ヒドロキシ−4−ピリジノン、ドーパミン、ユーカリ、イミノジコハク酸、エチレンジアミン二コハク酸塩、多糖、エチレンジニトリロ四酢酸ナトリウム、チアミンピロホスフェート、ファルネシルピロホスフェート、2−アミノエチルピロホスフェート、ヒドロキシルエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸およびこれらの混合物が挙げられるだろう。
【0043】
キレート化剤は、コア粒子中、コアの約0.05重量%〜約1.00重量%、またはコアの約0.24重量%〜約0.84重量%、またはコアの約0.44重量%〜約0.64重量%の量で存在していてもよい。
【0044】
1種類、2種類、またはそれより多種類の界面活性剤を使用し、本開示のコアラテックスを形成してもよい。界面活性剤は、コアの約0.01重量%〜約5重量%、またはコアの約0.75重量%〜約4重量%、またはコアの約1重量%〜約3重量%の量で存在していてもよい。
【0045】
適切なアニオン系界面活性剤としては、サルフェートおよびスルホネート;ドデシル硫酸ナトリウム(SDS);ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム;ドデシルナフタレン硫酸ナトリウム;ジアルキルベンゼンアルキルサルフェートおよびスルホネート;酸、例えば、Aldrichから入手可能なアビエチン酸;第一工業製薬株式会社から得られるNEOGEN R(商標)およびNEOGEN SC(商標);これらの組み合わせなどが挙げられる。他の適切なアニオン系界面活性剤としては、DOWFAX(商標)2A1、Dow Chemical Company製のアルキルジフェニルオキシドジスルホネート、および/またはテイカ株式会社(日本)製のTAYCA POWER BN2060(分枝鎖ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである)が挙げられる。これらの界面活性剤と任意の上述のアニオン界面活性剤の組み合わせを使用してもよい。
【0046】
適切な非イオン系界面活性剤の例としては、例えば、メタロース、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ジアルキルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール;IGEPAL CA−210(商標)、IGEPAL CA−520(商標)、IGEPAL CA−720(商標)、IGEPAL CO−890(商標)、IGEPAL CO−720(商標)、IGEPAL CO−290(商標)、IGEPAL CA−210(商標)、ANTAROX 890(商標)、およびANTAROX 897(商標)を含むRhane−Poulencから入手可能な非イオン系界面活性剤が挙げられる。適切な非イオン系界面活性剤の他の例としては、SYNPERONIC PE/F 108を含むSYNPERONIC PE/F(登録商標)から市販されるものを含む、ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドのブロックコポリマーが挙げられる。
【0047】
本明細書の粒子のシェルは、コアを調製するために用いられるのと同じ方法によって調製されるラテックスを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、シェルのラテックスは、コアのラテックスよりも重量平均分子量(Mw)が小さいか、または大きく、ガラス転移点(Tg)が高くてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、シェルラテックスのTgは、約45℃〜約75℃、または約55℃〜約65℃、または約58℃〜約62℃であってもよい。いくつかの実施形態では、シェルラテックスのMwは、約15kpse〜約60kpse、または約20kpse〜約55kpse、または約30kpse〜約50kpseであってもよい。
【0049】
シェルラテックスの有用な成分としては、例えば、ポリマー、凝集剤、キレート化剤、界面活性剤が挙げられるだろう。特定の成分の例およびそれぞれの量は、コアラテックスの場合と同じであってもよい。
【0050】
当業者の技術の範囲内にある任意の方法を使用し、例えば、コアセルベーション、浸漬、層形成または塗工によってシェルでコアを包み込んでもよい。凝集したコア粒子を包み込むのは、例えば、いくつかの実施形態では、約80℃〜約99℃、または約88℃〜約98℃、または約90℃〜約96℃の高温まで加熱しつつ行ってもよい。約1分〜約5時間、または約5分〜約3時間、または約15分〜約2.5時間かけてシェルの形成を行ってもよい。トナー粒子の望ましい最終粒径が達成されるまで、シェルラテックスをコアに塗布してもよい。
【0051】
表面添加剤パッケージは、高帯電シリカ化合物、気泡含有シリカ化合物およびコロイド状シリカ化合物;ポリマー系スペーサー;および架橋したスペーサーを含むシリカ混合物を含んでいてもよい。
【0052】
表面添加剤パッケージ中の高帯電シリカ化合物は、トナー組成物の電荷を高め、トナーの流動性を高めてもよい。「高帯電」という用語は、トナーの負電荷を増やすことができるシリカ粒子の表面処理を指す。ある処理は、特に、温かい高湿領域で、他の処理よりももっと負に大きく帯電する。いくつかの実施形態では、高帯電シリカ化合物は、例えば、シランでコーティングされたアモルファスシリカ(SiO)、例えば、オクチルトリメトキシシラン;Degussa−Huls製のAEROSIL(登録商標)380、AEROSIL(登録商標)RY50、AEROSIL(登録商標)RY50LおよびAEROSIL(登録商標)R 812;Nippon Aerosil製のAEROSIL(登録商標)NY50、Cabot(登録商標)製のTG−5182;およびWacker製のH05TDであってもよい。
【0053】
高帯電シリカ化合物を疎水化してもよい。シリカ化合物の表面を疎水化することによって、トナーの流動性および帯電特性を高めてもよい。シラン化合物、例えば、ヘキサメチルジシラザンまたはジメチルジクロロシラン;またはシリコーン油、例えば、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、フッ素で修飾されたシリコーン油、アルキルで修飾されたシリコーン油、またはエポキシで修飾されたシリコーン油を用い、当業者によって通常使用される湿式法または乾式法によって、高帯電シリカ化合物を疎水化してもよい。疎水化された帯電シリカ化合物は、例えば、NIPPON AEROSIL Co.,Ltd.製の市販のAEROSIL(登録商標)RY−50およびAEROSIL(登録商標)NA50H;およびCabot Corporation製のTG820FおよびTG5182であってもよい。
【0054】
高帯電シリカ化合物は、平均粒径が約30nm〜約60nm、または約35nm〜約55nm、または約40nm〜約50nmであってもよい。
【0055】
高帯電シリカ化合物の量は、例えば、表面添加剤パッケージの約1重量%〜約4重量%、または表面添加剤パッケージの約1.5重量%〜約3.8重量%、または表面添加剤パッケージの約2.0重量%〜約2.6重量%であってもよい。
【0056】
表面添加剤パッケージ中の気泡含有シリカ化合物は、トナー組成物の流動性および気泡の量を増やしてもよい。気泡含有シリカ化合物は、例えば、未処理シリカ;HMDSコーティングされたシリカ、例えば、Nippon製のAerosil RX50、Cabot(登録商標)製のTG−5110およびDegussa Huls製のNAX50であってもよい。
【0057】
気泡含有シリカ化合物は、平均粒径が約30nm〜約60nm、または約35nm〜約55nm、または約40nm〜約50nmであってもよい。
【0058】
気泡含有シリカ化合物の量は、例えば、表面添加剤パッケージの約0.10重量%〜約1.5重量%、または表面添加剤パッケージの約0.25重量%〜約1.0重量%、または表面添加剤パッケージの約0.35重量%〜約0.75重量%であってもよい。
【0059】
表面添加剤パッケージ中のコロイド状シリカ化合物は、トナー組成物の耐久性を高め、濁りを減らすだろう。
【0060】
コロイド状シリカは、SiOのアモルファス粒子の密度を上げることができる。コロイド状シリカ化合物は、例えば、ShinEtsu Chemical Co.LTDによって販売されるX−24−9163Aコロイド状シリカ、Nissan Chemical Industriesによって販売されるSNOWTEX(登録商標)、Cabot Corporationによって販売されるTG−C110(登録商標)およびDegussaによって販売されるAEROSIL R972(登録商標)であってもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、コロイド状シリカ化合物は、平均粒径が約90nm〜約180nm、または約100nm〜約170nm、または約120nm〜約160nmである非常に大きなシリカ粒子を含んでいてもよい。
【0062】
コロイド状シリカ化合物の量は、例えば、表面添加剤パッケージの約0.01重量%〜約0.35重量%、または表面添加剤パッケージの約0.05重量%〜約0.25%重量、または表面添加剤パッケージの約0.10重量%〜約0.25重量%であってもよい。
【0063】
表面添加剤パッケージ中のポリマー系スペーサーは、トナー粒子が現像ロールに貼り付くのを防ぎ、それによって、印刷欠陥の発生(例えば、画像に対するゴースト発生、白い帯および低いトナー密度)を減らしてもよい。ポリマー系スペーサーを、トナー粒子表面に接続し、小さな表面添加剤パッケージ成分(例えば、高帯電シリカ化合物)を、粒子表面に埋め込まれる傾向を有し得る接触力から保護するためのスペーサー型障壁として作用してもよい。
【0064】
ポリマー系スペーサーは、例えば、ポリマー、例えば、ポリスチレン;フルオロカーボン;ポリウレタン;高分子量ポリメチレン、高分子量ポリエチレンおよび高分子量ポリプロピレンを含むポリオレフィン;アクリレート、メタクリレート、メタクリル酸メチルを含むポリエステル;およびこれらの組み合わせであってもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、ポリマー系スペーサーは、ポリメタクリル酸メチル、スチレンアクリレート、ポリスチレン、フッ素化メタクリレート、フッ素化ポリメタクリル酸メチル、およびこれらの組み合わせであってもよい。
【0066】
ある実施形態では、ポリマー系スペーサーに表面処理を行ってもよい。このような処理としては、ポリマー系スペーサー表面に対する、例えば、ケイ素;亜鉛;シリコーン油;ポリジメチルシロキサンおよびオクタメチルシクロテトラシロキサンを含むシロキサン;γ−アミノトリ−メトキシシランおよびジメチルジクロロシラン(DDS)を含むシラン;ヘキサメチルジシラザン(HMDS)を含むシラザン;ジメチルオクタデシル−3−トリメトキシ(シリル)プロピルアンモニウムクロリド;金属、例えば、鉄、亜鉛、アルミニウム、マグネシウムを含む金属サリチル酸塩、およびこれらの組み合わせの塗布が挙げられる。
【0067】
ポリマー系スペーサーは、平均粒径が、約200nm〜約600nm、または約250nm〜約550nm、または約300nm〜約500nmであってもよい。
【0068】
ポリマー系スペーサーの量は、例えば、表面添加剤パッケージの約0.25重量%〜約1.25重量%、または表面添加剤パッケージの約0.35重量%〜約0.85重量%、または表面添加剤パッケージの約0.40重量%〜約0.75重量%であってもよい。
【0069】
表面添加剤パッケージ中の架橋したスペーサーは、トナー組成物を印刷システムを通って移動させるため、また、トナー粒子が現像ロールに貼り付くのを防ぐための担体として作用してもよい。
【0070】
架橋したスペーサーは、例えば、メラミン;スチレンアクリレート;スチレンブタジエン;スチレンメタクリレート、例えば、ポリ(スチレン−アクリル酸アルキル)、ポリ(スチレン−1,3−ジエン)、ポリ(スチレン−メタクリル酸アルキル)、ポリ(スチレン−アクリル酸アルキル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−1,3−ジエン−アクリル酸)、ポリ(スチレン−メタクリル酸アルキル−アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸アルキル−アクリル酸アルキル)、ポリ(メタクリル酸アルキル−アクリル酸アリール)、ポリ(メタクリル酸アリール−アクリル酸アルキル)、ポリ(メタクリル酸アルキル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−アクリル酸アルキル−アクリロニトリル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−1,3−ジエン−アクリロニトリル−アクリル酸)、ポリ(アクリル酸アルキル−アクリロニトリル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(メチルスチレン−ブタジエン)、ポリ(メタクリル酸メチル−ブタジエン)、ポリ(メタクリル酸エチル−ブタジエン)、ポリ(メタクリル酸プロピル−ブタジエン)、ポリ(メタクリル酸ブチル−ブタジエン)、ポリ(アクリル酸メチル−ブタジエン)、ポリ(アクリル酸エチル−ブタジエン)、ポリ(アクリル酸プロピル−ブタジエン)、ポリ(アクリル酸ブチル−ブタジエン)、ポリ(スチレン−イソプレン)、ポリ(メチルスチレン−イソプレン)、ポリ(メタクリル酸メチル−イソプレン)、ポリ(メタクリル酸エチル−イソプレン)、ポリ(メタクリル酸プロピル−イソプレン)、ポリ(メタクリル酸ブチル−イソプレン)、ポリ(アクリル酸メチル−イソプレン)、ポリ(アクリル酸エチル−イソプレン)、ポリ(アクリル酸プロピル−イソプレン)、ポリ(アクリル酸ブチル−イソプレン)、ポリ(スチレン−アクリル酸プロピル)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル)、ポリ(スチレン−ブタジエン−アクリル酸)、ポリ(スチレン−ブタジエン−メタクリル酸)、ポリ(スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−メタクリル酸)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−アクリロニトリル)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−アクリロニトリル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(スチレン−イソプレン)、ポリ(スチレン−メタクリル酸ブチル)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−メタクリル酸ブチル−アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸ブチル−アクリル酸ブチル)、ポリ(メタクリル酸ブチル−アクリル酸)、ポリ(アクリロニトリル−アクリル酸ブチル−アクリル酸)、およびこれらの組み合わせであってもよい。ポリマーは、ブロックコポリマー、ランダムコポリマーまたは交互コポリマーであってもよい。
【0071】
架橋したスペーサーは、平均粒径が、約200nm〜約800nm、または約250nm〜約700nm、または約300nm〜約600nmであってもよい。
【0072】
架橋したスペーサーの量は、例えば、表面添加剤パッケージの約0.01重量%〜約0.75重量%、または表面添加剤パッケージの約0.05重量%〜約0.55重量%、または表面添加剤パッケージの約0.07重量%〜約0.25重量%であってもよい。
【0073】
表面添加剤パッケージは、ブレンドまたは混合を含め、当業者の技術の範囲内にある任意の方法に従って、トナー粒子と、高帯電シリカ化合物、気泡含有シリカ化合物、コロイド状シリカ化合物、ポリマー系スペーサーおよび架橋したスペーサーとを混合することによって調製されてもよい。
【0074】
混合、回転または浸漬を含む当業者の技術の範囲内にある任意の方法に従って、粒子と表面添加剤パッケージとを混合することによって、トナー組成物を調製してもよい。
【0075】
以下の実施例は、本開示の例示的な一実施形態を示す。この実施例は、低エネルギー消費単色粒子のいくつかの調製方法の1つを示すためにのみ例示することが意図されており、本開示の範囲を限定することは意図していない。さらに、部およびパーセントは、特に指示のない限り、重量基準である。
【0076】
約29重量部のスチレン、約9.8重量部のアクリル酸n−ブチル、約1.17重量部のβ−カルボキシエチルアクリレート(Beta CEA)、約0.20重量部の1−ドデカンチオールのモノマー混合物を、約0.77重量部のDOWFAX(商標)2A1(Dow Chemicalによって販売されるアルキルジフェニルオキシドジスルホネート界面活性剤)および約18.5重量部の蒸留水の水溶液と、約20℃〜約25℃の温度で、毎分約500回(rpm)で攪拌することによって、モノマーの水エマルションを調製した。
【0077】
約0.06重量部のDOWFAX(商標)2A1および約36重量部の蒸留水を、約200rpmのステンレスインペラ、熱電対温度プローブ、窒素出口を有する水冷凝縮器、窒素注入口、内部冷却能、約83℃に設定した熱水循環浴を取り付けた8リットルのジャケット付きガラス反応器に投入し、温度を約75℃まで上げつつ、約30分間脱気した。
【0078】
次いで、約1.2重量部の上述のモノマーエマルションをこの反応器に加え、約75℃で約10分攪拌した。約0.78重量部の過硫酸アンモニウムを約2.7重量部の蒸留水に溶かした開始剤溶液を調製し、約20分かけて上の反応器に加えた。攪拌をさらに約20分間続け、種となる粒子を作製した。次いで、残りのモノマーエマルションを約190分かけて上の反応器に供給した。加えた後、ラテックスを同じ温度で約3時間攪拌し、モノマーの変換を完結させた。半連続型乳化重合のプロセスによって作られたラテックスから、150nm〜250nmのラテックス粒径が得られた。
【0079】
2リットルのジャケット付き実験用ガラス反応器に、ラテックス合成実施例に記載したような半連続型乳化重合のプロセスによって調製した約378重量部のコアラテックス、約65重量部のRegal 330顔料分散物、約22重量部のシアンブルー顔料15:3顔料分散物、約184重量部のパラフィンワックス分散物および約760重量部の蒸留水を加えた。ホモジナイザによって、約4000rpmで約2〜3分、これらの成分を混合した。均質化を続けつつ、約30重量部の0.02M HNO溶液中の約4.4重量部のポリ(塩化アルミニウム)の別個の混合物を反応器に滴下した。ポリ(塩化アルミニウム)混合物を加えた後、得られた粘性スラリーを約20℃、約4000rpmで約20分間、さらに均質化した。この時点で、ホモジナイザをはずし、ステンレスインペラを取り換え、反応器の内容物の温度を約54.7℃まで上げつつ、約350rpmから約300rpmで連続的に攪拌した。約6.9ミクロンのコア粒径を達成するまで、バッチをこの温度に維持した。
【0080】
以下のプロセスによって、コアにシェルを加えた。約300rpmで連続的に攪拌しつつ、乳化重合の実施例に記載したような半連続型乳化重合のプロセスによって調製した約240重量部のシェルラテックスを、粒径が約6.9ミクロンのコア粒子を含む反応器に、約10分かけて滴下した。ラテックスを完全に加え終わった後、得られた粒子スラリーを約30分攪拌し、この時点で、約6.25部のエチレンジアミン四酢酸の四ナトリウム塩および十分な量の1モル濃度のNaOHをスラリーに加え、スラリーのpHを約5.7に調節した。pHを調節した後、攪拌速度をさらに10分間かけて約160rpmまで下げた。10分終了時に、浴温を約98℃まで調節し、スラリーを約96℃まで加熱した。温度を上げている間、十分な量の0.3M HNO溶液を約80℃で加えることによって、スラリーのpHを約5.3に調節した。次いで、スラリーの温度を約96.1℃まで上げ、融着を完了させるため、96.1℃に約260分維持した。この時点で、十分な量の1モル濃度のNaOHを粒子スラリーに加え、pHを約6.9に調節し、スラリーをすぐに約63℃まで冷却した。63℃に達したら、粒子スラリーを、十分な量の1モル濃度のNaOHを加えて再びpH調節し、pH8.8を得て、その後、すぐに約30℃〜35℃まで冷却した。この時点で、低エネルギー消費単色粒子を数回洗浄し、乾燥させた。
【0081】
得られた粒子は、平均直径が7.42μm、GSDvが1.182、GSDnが1.21および真円度が0.959であった。粒子のガラス転移温度Tgは、47℃であった。
【0082】
表Iおよび表IIは、コントロールと比較した本開示の低エネルギー消費単色粒子(配合物1)を示す。表からわかるように、粒子は、粒径および形状が非常に似ている。表面ワックスは、室温より高い(50℃および75℃)ことが示されている。このことから、改良された最低融合性および改良された剥離性を与えることが示される。90℃になったら、両粒子は、匹敵する表面ワックス量を示す。BETは、改良された洗浄性のために最適化された粒子形状であるコントロールと似ている。125℃および5kgでのメルトフローインデックス(MFI)は、コントロールより高く、良好な流動性および融合性を可能にする。材料のTgは、コントロールと似ており、良好な抗ブロッキング特性を可能にする。分子量は低く、これも融合したときに改良されたレオロジー特徴を導く。
【表I】
【表II】
【0083】
表IIIは、本明細書の実施形態の表面添加剤パッケージにおける一般的なブレンドの添加剤量を示す。
【表III】
【0084】
トナー粒子を、Henshelブレンダー中、3000rpmで合計25分間、表面添加剤パッケージ(高帯電シリカ、気泡含有シリカ、コロイド状シリカ、ポリマー系スペーサーおよびポリマー系の架橋したスペーサー)とブレンドした。ブレンドしたら、トナーを保持量150gmでSCDカートリッジに入れた。熱オフセット試験のために、標準的なXerox 4200紙およびFX P紙の上で印刷物を作成した。
【0085】
配合物1は、40,000個の印刷物で試験したとき、コントロールサンプルと同等またはもっと良好な結果であった。
【0086】
本開示のコア−シェル構造のトナーは、平均粒径が、約5ミクロン〜約10ミクロン、または約6ミクロン〜約9ミクロン、または約7ミクロン〜約8ミクロンであってもよい。
【0087】
コア−シェル構造において、本開示のトナー粒子は、真円度が、約0.940〜約0.975、または約0.950〜約0.970、または約0.955〜約0.965であってもよい。真円度が1.000とは、完全に円形の球を示す。真円度は、例えば、Sysmex FPIA 2100型または3000型の分析機を用いて測定されてもよい。
【0088】
本開示のトナーは、50℃で48時間凝集を示さないという優れた抗ブロッキング試験結果を有するトナーを与える。
【0089】
本開示のトナーは、例えば、約200℃〜約230℃、または約200℃〜約220℃、または約205℃〜約215℃の熱オフセット温度を示すだろう。
【0090】
本開示のトナーは、Hosakawa Powder Flow Testerによって測定した流動性を有していてもよく、または例えば、約25重量%〜約55重量%、または約30重量%〜約50重量%、または約35重量%〜約45重量%であってもよい。
【0091】
トナーは、最低融合温度(MFT)で測定した光沢が、BYK 75度のマイクロ光沢測定機で測定したとき、約0光沢単位〜約30光沢単位、または約5光沢単位〜約25光沢単位、または約10光沢単位〜約20光沢単位であってもよい。「光沢単位」は、普通紙(例えば、Xerox 90gsm COLOR XPRESSIONS+紙またはXerox 4200紙)で測定したときのガードナー光沢単位(ggu)を指す。
【0092】
さらに、本明細書の実施形態のトナーは、トナーの使用量を例えば約0.75mg/cmまで減らすことができる。本発明のトナーを用いて、フューザー温度は、本発明のトナー粒子が存在しない状態での約195℃と比較して、約185℃まで下がるだろう。
【0093】
種々の上に開示した特徴および機能の改変物またはその代替物、および他の特徴および機能の改変物またはその代替物が、望ましくは多くの他の異なるシステムまたは用途に組み込まれてもよいことが理解されるだろう。種々の現時点でわかっていないか、または予想されていない代替物、改変、変形または改良も、当業者によって後でなされてもよく、これらも以下の特許請求の範囲に包含される。