【実施例1】
【0018】
実施例1は、弾性波デバイスとして送信フィルタの例である。
図1は、実施例1に係る弾性波デバイスが用いられるデュレプクサの回路図である。
図1に示すように、アンテナ端子Antと送信端子Txとの間に送信フィルタ70が接続され、アンテナ端子Antと受信端子Rxとの間に受信フィルタ72が接続されている。送信フィルタ70は、送信端子Txから入力した信号のうち送信帯域の信号をアンテナ端子Antに出力する。受信フィルタ72は、アンテナ端子Antに入力した信号のうち受信帯域の信号を受信端子Rxに出力する。
【0019】
図2は、実施例1に係る弾性波デバイスの平面図である。
図2に示すように、送信フィルタ100において、基板10上に、複数の弾性波共振器40、配線30、32およびパッド34が形成されている。基板10は、例えばLiTaO
3基板またはLiNbO
3基板等の圧電基板である。基板10は、サファイア基板等の支持基板に圧電基板を貼り付けた基板でもよい。弾性波共振器40は、例えば弾性表面波共振器である。弾性波共振器40は、1ポート共振器であり、IDT(Interdigital Transducer)とその両側に設けられた反射器Rを有する。配線30、32およびパッド34は基板10上に形成された銅膜または金膜等の金属膜により形成される。配線30および32は、弾性波共振器40間および弾性波共振器40とパッド34との間を接続する。配線32は配線30に比べ厚い。パッド34は配線32と同じ層構造であり同じ厚さである。パッド34上にバンプ36が形成されている。バンプ36は例えば金バンプまたは銅バンプであり、例えばスタッドバンプまたはめっきバンプである。
【0020】
送信フィルタ100はラダー型フィルタである。直列共振器S1からS4は、アンテナ端子Ant(出力端子)であるパッド34と送信端子Tx(入力端子)であるパッド34との間に直列に接続されている。並列共振器P1からP3は、アンテナ端子Antと送信端子Txとの間に並列に接続されている。並列共振器P1からP3の一端はグランド端子GNDであるパッド34に接続されている。
【0021】
図3は、
図2の領域A1付近の拡大図である。
図3に示すように、弾性波共振器40は、IDTとIDTの両側に形成された反射器Rを備える。IDTは、一対の櫛型電極48を備える。櫛型電極48は複数の電極指44と電極指44が接続されたバスバー46を備える。一対の櫛型電極48は、電極指44がほぼ互い違いに配列するように対向している。配線30a(第1配線)および32a(第2配線)はそれぞれバスバー46に電気的に接続されている。
【0022】
図4は、
図3のB−B断面図である。
図4に示すように、電極指44、バスバー46および配線30aおよび32aの最下層15は、金属膜12により形成される。金属膜12は、例えばアルミニウム膜、チタン膜または銅膜である。配線30aは、最下層15、バリア層16aおよびシード層16bを備える。配線32aは、最下層15、バリア層16a、シード層16b、下層18、バリア層19および上層20を備える。バリア層16a、シード層16b、下層18、バリア層19および上層20は、例えばチタン層、銅層、銅層、パラジウム層および金層である。例えば、配線32aは、バリア層19および上層20を有していなくともよい。配線32aは上層20を有するがバリア層19を有してなくてもよい。
【0023】
配線30aおよび32aは、1または複数の層の積層膜を用いることができる。配線30aおよび32aとして主に機能する層(例えばシード層16b、下層18および上層20)としては、電気抵抗の低い金層、銅層、アルミニウム層またはこれらの複合層を用いることが好ましい。異なる材料の複数の層を有する場合、異なる材料の膜間には原子の相互拡散を抑制するバリア層を設けることが好ましい。相互拡散が生じると、強度が低下する、または抵抗が高くなってしまう。バリア層としては、例えばニッケル層、チタン層またはパラジウム層を用いる。バリア層の膜厚は拡散を抑制する観点から0.05μmから2μmである。配線30aの膜厚T1は、例えば0.1μmから0.5μmである。配線32aの膜厚T2は、例えば1μmから10μmである。配線30aと32aとの間隔D1は、例えば5μmから20μmである。配線30aおよび32aの各層は、めっき法、蒸着法またはスパッタリング法を用い形成することができる。基板10の大きさは例えば0.3mm
2から1.5mm
2であり、基板10の厚さは例えば1μmから500μmである。
【0024】
図2のように、領域A1に示すように、並列共振器P2とP3との間において、並列共振器P2に電気的に接続された配線32aと並列共振器P3に電気的に接続された配線30aとが隣接して設けられている。領域A2に示すように、並列共振器P1とP2との間において、並列共振器P1に電気的に接続された配線32aと並列共振器P2に電気的に接続された配線30aとが隣接して設けられている。配線32aはグランド電位であり、配線30aグランド電位とは異なる。
【0025】
隣接する配線がともに厚い配線32の場合、配線32の間隔を狭くすると、配線間に寄生容量が生じ、弾性波デバイスの特性(例えば挿入損失)が劣化する。また、配線32の応力により配線32が短絡する可能性がある。さらに、配線32間の放電により静電気破壊が生じる可能性がある。このように、配線32の間隔を狭くすることは難しい。
【0026】
実施例1によれば、弾性波共振器40間において配線が隣接する領域A1およびA2において、電位が異なり隣接する配線30aおよび32aのうち一方の配線32aを配線30aより厚くする。これにより、厚い配線32が隣接している場合に比べ、配線32aと30aが対向する面積が小さくなる。よって、配線間の寄生容量を抑制でき、挿入損失等の特性を向上できる。また、配線30aは配線32aより応力が小さいため、配線32の応力に起因した配線32の短絡を抑制できる。さらに、配線32aと30aとの間の静電気破壊を抑制することができる。よって、配線30aと32aとの間隔D1を狭くでき、送信フィルタ100を小型化できる。例えば、間隔D1を配線30aの膜厚T1より小さくすることができる。
【0027】
また、後述するように、厚い配線32aをめっき法を用いて形成する場合、厚い配線32aの間隔が狭いと、めっきの際のマスクであるレジストパターンが適切に形成されない場合がある。この場合、配線間が短絡する、または、基板10上にレジスタが残存し、信頼性上の懸念となることがある。実施例1では、隣接する配線30aおよび32aの一方が薄い配線30aのため、レジストパターンを適切に形成できる。
【0028】
配線32aの膜厚T2と間隔D1とのアスペクト比T2/D1が2より大きくなるとレジストパターンが適切に形成されなくなる可能性が高くなる。よって、T2/D1は2以下が好ましい。また、小型化の観点からT2/D1は0.025以上が好ましい。
【0029】
隣接する配線30aおよび32aのうち、バンプ36が設けられたパッド34に直接接続する配線32aを厚くすることが好ましい。また、パンプ36が設けられたパッド34に直接接続しない配線30aを薄くすることが好ましい。バンプ36は、例えばモジュール用の基板に接合される。弾性波デバイスにおいて生じた熱はバンプ36を介して、モジュール基板に放出される。厚い配線32は薄い配線30より熱伝導性がよい。よって、パッド34に直接接続する配線32aを厚くすることで熱を効率よく放出できる。グランド端子GNDに対応するパッド34は、モジュール基板等を介し放熱性がよい。よって、配線32aが直接接続されるパッド34はグランド端子GNDに対応するパッドであることが好ましい。
【0030】
図5は、実施例1の変形例1に係る弾性波デバイスの平面図である。
図5に示すように、送信フィルタ102において、領域A1およびA2だけでなく、バンプ36が設けられたパッド34に直接接続された配線を厚い配線32とし、バンプ36に直接接続されていない配線を薄い配線30とする。例えば、弾性波共振器40間を接続する配線を薄い配線30とする。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。実施例1の変形例1においてもバンプ36から効率よく放熱できる。
【0031】
実施例1のように、異なる電位の配線が隣接する領域A1およびA2においてのみ、直接パッド34に接続されていない配線を薄い配線30とし、その他の配線を厚い配線32としてもよい。これにより、寄生容量が問題とならない配線を厚くできるため、放熱性、耐電力性を向上できる。また、実施例1の変形例1のように、領域A1およびA2以外の領域においても薄い配線30を設けてもよい。このように、少なくとも異なる電位の配線が隣接する領域A1およびA2において、一方の配線が他方より薄ければよい。
【0032】
図6は、実施例1の変形例2に係る弾性波デバイスの平面図である。送信フィルタ104では、領域A3において、並列共振器P2とP3との間において、配線30aと32aとが隣接している。配線30aは直列共振器S3とS4との間のノードに接続されている。配線32aは直列共振器S2とS3との間に接続されている。配線30aと32aはともにパッド34に直接接続されていない。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0033】
実施例1の変形例2によれば、配線32aは配線30aより送信端子Txに対応するパッド34(信号が入力するパッド)に近い。送信端子Txに対応するパッド34に近い共振器は遠い共振器より発熱が大きい。よって、入力パッド34に近い配線を厚い配線32とする。これにより、効率的な放熱が可能となる。
【0034】
実施例1およびその変形例によれば、
図3のように、配線30aおよび32aの延伸方向は平行である。平行な配線が隣接する場合、配線間の寄生容量の増加、配線間の短絡および/または配線間の静電気破壊が生じやすい。よって、配線32aを30aより厚くする。これにより、配線間隔を狭くし、弾性波デバイスを小型化できる。
【0035】
また、配線30aは並列共振器P3(第1弾性波共振器)のバスバー46に電気的に接続され、配線32aは並列共振器P2(第2弾性波共振器)のバスバー46に電気的に接続されている。配線30aおよび32aの延伸方向は、バスバー46の延伸方向と平行である。弾性波共振器40がバスバー46を有する場合、配線30aと32aとが対向する長さが大きくなる。配線の対向長が大きいと、配線間の寄生容量の増加、配線間の短絡および/または配線間の静電気破壊が生じやすい。よって、配線32aを30aより厚くする。これにより、配線間隔を狭くし、弾性波デバイスを小型化できる。
【0036】
隣接する共振器が並列共振器である場合、対向する配線は異なる電位となる。よって、配線間の寄生容量の増加、配線間の短絡および/または配線間の静電気破壊が生じやすい。よって、配線32aを30aより厚くする。これにより、配線間隔を狭くし、弾性波デバイスを小型化できる。
【実施例2】
【0037】
実施例2は、弾性波デバイスが
図1の受信フィルタ72の例である。
図7は、実施例2に係る弾性波デバイスの平面図である。
図7に示すように、受信フィルタ106において、基板10上に弾性波共振器40および多重モード弾性波フィルタ42が形成されている。多重モード弾性波フィルタ42は二重モード弾性表面波フィルタDMS1およびDMS2である。DMS1およびDMS2は並列に接続されている、DMS1およびDMS2の入力端子は、共振器R1を介しアンテナ端子Antに接続されている。DMS1およびDMS2のグランドはグランド端子GNDに接続されている。DMS1およびDMS2の出力端子と受信端子Rxとの間には直列に直列共振器S1およびS2が接続され、並列共振器P1およびP2が並列に接続されている。直列共振器S1およびS2はそれぞれ2分割および3分割されている。並列共振器P1およびP2はそれぞれ2分割および4分割されている。
【0038】
領域A4において、共振器R1とDMS1との間、共振器R1とDMS2との間、DMS1と直列共振器S1との間、DMS2と並列共振器P1との間で、配線32bと30bが隣接している。アンテナ端子Antから受信端子Rxに信号が伝搬する配線は薄い配線30bである。グランド端子GNDに直接接続される配線は厚い配線32bである。領域A5において、並列共振器P1とP2の間において、配線30aおよび32aが隣接している。厚い配線32aはバンプ36の設けられたパッド34に直接接続されている。薄い配線30aはバンプ36の設けられたパッド34に直接接続されていない。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0039】
実施例2によれば、配線30bは、多重モード弾性波フィルタ42の入力端子および出力端子(すなわち信号端子)に電気的に接続され、配線32bは、多重モード弾性波フィルタ42のグランド端子に電気的に接続されている。多重モード弾性波フィルタ42の信号端子とグランド端子とは隣接する。よって、配線32aを30aより厚くする。これにより、配線間隔を狭くし、弾性波デバイスを小型化できる。
【0040】
図8は、実施例2の変形例1に係る弾性波デバイスの平面図である。
図8に示すように、受信フィルタ108において、アンテナ端子Antと受信端子Rxとの間に共振器R2、DMS3およびDMS4が直列に接続されている。DMS3は、IDT11からIDT13および反射器Rを備える。IDT11から13は弾性波の伝搬方向に配列されている。DMS4は、IDT21からIDT23および反射器Rを備える。
【0041】
DMS3のIDT12の一端は共振器R2を介しアンテナ端子Antに接続されている。IDT12の他端はグランド端子GNDに接続されている。IDT11およびIDT13の一端はグランド端子GNDに接続されている。IDT11およびIDT13の他端は配線30cを介しDMS4のIDT21および23の一端にそれぞれ接続されている。IDT21および23の他端はグランド端子に接続されている。IDT22の一端はグランド端子に接続されている。IDT22の他端は受信端子Rxに接続されている。その他の構成は実施例2と同じであり説明を省略する。
【0042】
領域A6においては、DMS3とDMS4の間に配線30cと32cが隣接して設けられている。配線32cは配線30cの上を交差する。配線30cと32cとの間は誘電体層が設けられている。配線30cと32cとの間は空隙でもよい。配線32cはバンプ36が設けられたパッド34に直接接続されている。配線30cはパッド34に直接接続されていない。このように、薄い配線30cと厚い配線32cとを交差させることにより、弾性波デバイスを小型化できる。2つの配線を容易に交差させるためには、厚い配線32cの一部が薄い配線30c上を交差することが好ましい。
【0043】
DMS3(第1多重モード弾性波フィルタ)とDMS4(第2多重モード弾性波フィルタ)との信号端子を接続する場合、信号端子を接続する配線とグランド配線とを交差させることにより、弾性波デバイスを小型化できる。よって、配線30cは、DMS3信号端子とDMS4の信号端子とを接続し、配線32cは、DMS3およびDMS4の少なくとも一方のグランド端子に接続されていることが好ましい。
【0044】
図1に示したデュプレクサの送信フィルタ70および受信フィルタ72の少なくとも一方に、実施例1およびその変形例の送信フィルタまたは実施例2およびその変形例の受信フィルタを用いることができる。
【0045】
図9(a)から
図10(d)は、実施例1、2およびその変形例に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図である。
図9(a)に示すように、基板10上に金属膜12を形成する。基板10は、例えばタンタル酸リチウム基板またはニオブ酸リチウム基板等の圧電基板である。金属膜12は、例えばアルミニウム膜またはチタン膜である。金属膜12は、例えばスパッタリング法およびエッチング法を用い形成する。金属膜12により、弾性波共振器40が形成される。金属膜12の膜厚は例えば100nmから500nmである。金属膜12は、銅膜または金膜等でもよい。金属膜12により配線30および32の最下層15および配線30cが形成される。
【0046】
図9(b)に示すように、弾性波共振器40および配線30c上に保護膜14を形成する。保護膜14は例えば膜厚が20nmの酸化シリコン膜である。保護膜14は、例えばスパッタリング法およびエッチング法を用い形成する。
図9(c)に示すように、配線30cを覆うように誘電体膜17を形成する。誘電体膜17は例えば絶縁体であり樹脂である。
【0047】
図9(d)に示すように、配線32および配線30aを形成する領域に開口52が形成されるように、基板10上にマスク層50を形成する。マスク層50は、例えばフォトレジストであり、フォトリソグラフィ法を用い形成する。マスク層50の膜厚は、フォトリソグラフィ法において所望の解像度を得られるように設定し、かつ後述するシード層16のリフトオフを行なうため2μm以上が好ましい。マスク層50は、後のベークに耐えることができる程度の耐熱性を有することが好ましい。
【0048】
図10(a)に示すように、マスク層50を覆うように、基板10上にシード層16を全面に形成する。シード層16は、例えば基板10側から膜厚が0.2μmのチタン膜および膜厚が0.15μmの金膜である。シード層16は、例えば蒸着法を用い形成する。シード層16は、基板10側から膜厚が0.1μmのチタン膜および膜厚が0.3μmの銅膜でもよい。シード層16は、スパッタリング法を用い形成してもよいが、リフトオフ法を用いるため蒸着法を用い形成することが好ましい。シード層16の基板10側の膜は、金属膜12との密着性を向上させる密着膜およびバリア層である。金属膜12がアルミニウム膜のとき、密着膜は例えばチタン膜である。シード層16の上側の膜はめっきのシードとして機能し、めっき層と同じ材料であることが好ましい。
【0049】
図10(b)に示すように、配線32を形成する領域に開口56が形成されるように、シード層16上にマスク層54を形成する。配線30aとなるシード層16上にはマスク層54を形成する。マスク層54は、例えば膜厚が7μmのフォトレジスト膜であり、フォトリソグラフィ法を用い形成する。マスク層54の膜厚は、シード層16の段差を被覆し、かつめっき層22より厚くなるように設定し、例えば、5μmから20μmである。
【0050】
図10(c)に示すように、開口56にめっき層22を形成する。めっき層22は、基板側から下層18、バリア層(不図示)および上層20を含む。下層18は例えば膜厚が3μmの銅層である。バリア層は、例えば膜厚が0.3μmのパラジウム層である。上層20は、例えば膜厚が1μmの金層である。めっき層22は、シード層16から電流を供給し、電解めっき法を用い形成する。下層18は、厚膜化が可能であり、電気抵抗率が低くかつ非磁性である材料が好ましい。このため、下層18は、銅層または金層が好ましい。下層18の膜厚は配線30および32の低抵抗化のため例えば1μm以上が好ましい。めっき層22上にスタッドバンプを形成する場合、上層20は金層であることが好ましい。バリア層は、下層18と上層20との加熱または経時変化にともなう相互拡散を抑制する。下層18が銅層、上層20が金層の場合、バリア層は、膜厚が0.2μm程度のパラジウム層またはニッケル層が好ましい。上層20は、無電解めっき法を用い形成することもできる。この場合、上層20の膜厚は例えば0.4μmである。また、バリア層および上層20を蒸着法を用い形成することもできる。この場合、バリア層は例えば膜厚が0.2μmのチタン層、上層20は、膜厚が0.4μmの金層である。
【0051】
図10(d)に示すように、マスク層50および54を例えば有機溶剤を用い除去する。このとき、マスク層50および54の間に形成されたシード層16がリフトオフされる。シード層16のリフトオフのため、有機溶剤を高圧で噴射してもよい。また、有機溶剤中で超音波洗浄してもよい。これにより、金属膜12、シード層16およびめっき層22から配線32および32aが形成される。シード層16およびめっき層22から配線32cが形成される。金属膜12およびシード層16から配線30aが形成される。金属膜12から配線30cが形成される。領域A7においては、厚い配線32aと薄い配線30aが形成される。領域A8において、薄い配線30cと厚い配線32cが形成される。
【0052】
図9(a)のように、基板10上に、弾性波共振器40、配線30a、30c、32および32aとなる領域に金属膜12を形成する。
図9(b)のように、配線30a、32、32aおよび32cとなる領域内の金属膜12上が開口52(第1開口)となり、配線30cとなる領域が開口52とならないマスク層50(第1マスク層)を形成する。
図10(a)のように、開口52内の金属膜12に接触し、マスク層50を覆うようにシード層16を形成する。
図10(b)のように、シード層16上に、配線32、32aおよび32cとなる領域が開口56(第2開口)となるマスク層54(第2マスク層)を形成する。
図10(c)のように、シード層16から給電することにより、開口56内のシード層16上にめっき層22を形成する。
図10(d)のように、マスク層50およびマスク層54を除去することにより、開口52以外のシード層16をリフトオフする。これにより、薄い配線30aおよび30cと厚い配線32、32aおよび32cを形成することができる。
【0053】
実施例1、2およびその変形例においては、弾性波共振器として、弾性表面波共振器を例に説明したが、弾性波共振器は、弾性境界波共振器、ラブ波共振器、または圧電薄膜共振器でもよい。また、弾性波デバイスの例としてラダー型フィルタを用いた送信フィルタ、DMSフィルタを用いた受信フィルタを説明したが、その他の弾性波デバイスでもよい。
【0054】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。