特許第6351566号(P6351566)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6351566
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】オイル供給構造
(51)【国際特許分類】
   F16H 57/04 20100101AFI20180625BHJP
   F16H 61/00 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   F16H57/04 J
   F16H61/00
   F16H57/04 H
   F16H57/04 K
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-254049(P2015-254049)
(22)【出願日】2015年12月25日
(65)【公開番号】特開2017-116041(P2017-116041A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2017年11月24日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129643
【弁理士】
【氏名又は名称】皆川 祐一
(72)【発明者】
【氏名】嶋本 雅夫
(72)【発明者】
【氏名】松本 恭太
(72)【発明者】
【氏名】檀上 弥輝
【審査官】 高橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−190164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 57/04
F16H 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルクコンバータおよび自動変速機を含むユニットに適用されるオイル供給構造であって、
前記自動変速機のインプットシャフトが中空軸として形成され、その一方側の端部が前記トルクコンバータ内に挿入され、
前記インプットシャフトに対して前記一方側と反対側に離間して、オイルポンプが配置され、
前記オイルポンプの駆動軸が前記インプットシャフト内に挿入され、
前記オイルポンプのポンプハウジングに、前記インプットシャフトと前記駆動軸との間にオイルを供給するための供給油路が形成され
前記駆動軸には、軸心油路が形成され、
前記軸心油路は、前記駆動軸の前記ポンプハウジング側の端で開放されて、前記供給油路と連通し、前記駆動軸の前記ポンプハウジング側の端とその反対側の端との間の途中部分で閉塞している、オイル供給構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルクコンバータおよび自動変速機を含むユニットに適用されるオイル供給構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動変速機が搭載された車両では、エンジンからの駆動力がトルクコンバータを介して自動変速機に入力され、自動変速機で変速された駆動力が駆動輪に伝達される。自動変速機には、たとえば、無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)や有段式の自動変速機(AT:Automatic Transmission)などが広く用いられる。
【0003】
自動変速機では、回転要素を制動するためのブレーキや回転要素と別の回転要素とを連結するためのクラッチなどが多く使用されている。ブレーキやクラッチ、トルクコンバータには、その作動のためのオイルを供給する必要がある。また、ブレーキおよびクラッチは、回転要素間の差回転を吸収しなければならず、その差回転の吸収による焼き付きなどを防止するために、潤滑のためのオイルの供給を必要とする。そのため、自動変速機では、オイルポンプで発生した油圧がバルブボディで調圧されて、その調圧された油圧がバルブボディから油路を通してオイルの供給を必要とする各部に供給される。
【0004】
図2は、従来の自動変速機101のインプットシャフト102の近傍の構成を示す断面図である。なお、図2では、図面の視認性向上のため、ハッチングの付与が省略されている。
【0005】
自動変速機101のインプットシャフト102の一端部は、トルクコンバータ103内に挿入されている。インプットシャフト102の一端部とトルクコンバータ103のフロントカバー104との間には、インプットシャフト102の回転軸線方向に間隔が空けられている。トルクコンバータ103のポンプインペラ105は、フロントカバー104に対して自動変速機101側に位置し、フロントカバー104と結合して、インプットシャフト102まわりに回転可能かつフロントカバー104と一体回転可能に設けられている。フロントカバー104とポンプインペラ105との間に、トルクコンバータ103のタービンランナ106が設けられている。タービンランナ106は、インプットシャフト102に一体回転可能に支持されている。また、フロントカバー104とタービンランナ106との間には、ロックアップクラッチ107が設けられている。ロックアップクラッチ107は、ロックアップクラッチ107とフロントカバー104との間の解放側油室108とロックアップクラッチ107を挟んでその反対側の係合側油室109との間の油圧差により係合/解放される。
【0006】
また、インプットシャフト102は、管状のステータシャフト111に挿通されている。ステータシャフト111の一端は、ポンプインペラ105とタービンランナ106との間まで延びており、その一端部には、トルクコンバータ103のステータ112が固定されている。ステータシャフト111の他端部には、オイルポンプ113の第1ハウジング114が固定されている。
【0007】
第1ハウジング114は、ステータシャフト111から回転径方向の外側に張り出し、回転軸線方向に厚みを有している。第1ハウジング114に対してトルクコンバータ103側には、オイルポンプ113の第2ハウジング115が設けられている。第1ハウジング114と第2ハウジング115とは、ボルト116で締結されて、その内部にポンプギヤ117を収容するポンプハウジングを構成している。ポンプギヤ117は、ステータシャフト111まわりに回転可能に設けられている。ポンプギヤ117には、ステータシャフト111に隙間118を空けて外嵌されたスリーブ119の一端部が接続されている。スリーブ119の他端部は、ポンプインペラ105に接続されている。これにより、フロントカバー104が回転し、ポンプインペラ105が回転すると、スリーブ119およびポンプギヤ117が回転し、オイルポンプ113から油圧が出力される。
【0008】
オイルポンプ113の第1ハウジング114に対して第2ハウジング115と反対側には、クラッチ121が設けられている。第1ハウジング114は、クラッチ121のピストン122との間に、ピストン122を移動(クラッチ121を係合)させるためのオイルが供給されるピストン室123を形成している。
【0009】
また、インプットシャフト102には、第1油路124および第2油路125が形成されている。第1油路124は、インプットシャフト102とステータシャフト111との間の空間126と解放側油室108とを連通している。第2油路125は、インプットシャフト102とステータシャフト111との間の空間127と連通している。空間126,127は、ブッシュ128により分離されている。
【0010】
そして、オイルポンプ113の第1ハウジング114には、隙間118および空間126とそれぞれ連通する供給油路131,132が形成されている。係合側油室109には、供給油路131から隙間118を通してオイルが供給される。解放側油室108には、供給油路132から空間126および第1油路124を通してオイルが供給される。また、第1ハウジング114には、図示されないが、ピストン室123および第2油路125にそれぞれオイルを供給する供給油路が形成されている。第2油路125を流通するオイルは、クラッチ121などに潤滑油として供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平10−103455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
このように、オイルポンプ113の第1ハウジング114には、多数の供給油路が形成されている。そのため、第1ハウジング114のサイズが大きく、また、第1ハウジング114の加工費が高くついている。
【0013】
本発明の目的は、オイルポンプのサイズおよびコストの低減を図ることができる、オイル供給構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記の目的を達成するため、本発明に係るオイル供給構造は、トルクコンバータおよび自動変速機を含むユニットに適用されるオイル供給構造であって、このオイル供給構造では、前記自動変速機のインプットシャフトが中空軸に形成され、その一方側の端部が前記トルクコンバータ内に挿入され、前記インプットシャフトに対して前記一方側と反対側に離間して、オイルポンプが配置され、前記オイルポンプの駆動軸が前記インプットシャフト内に挿入され、前記オイルポンプのポンプハウジングに、前記インプットシャフトと前記駆動軸との間にオイルを供給するための供給油路が形成されている。
【0015】
この構成によれば、トルクコンバータと自動変速機との間ではなく、自動変速機のインプットシャフトに対してトルクコンバータ側と反対側に離間して、オイルポンプが配置されている。そのため、トルクコンバータや自動変速機に備えられたクラッチの作動油および各部の潤滑のための潤滑油を供給するための多数の供給油路をオイルポンプのポンプハウジングに形成する必要をなくすことができる。
【0016】
すなわち、トルクコンバータおよび自動変速機には、オイル(作動油または潤滑油)を供給する箇所が多く、通常はそれらの下方にバルブボディが配置されるため、トルクコンバータと自動変速機の間に多数の供給油路を配設する必要がある。そのため、従来構造では、トルクコンバータと自動変速機との間にオイルポンプが配置されていたため、その多数の供給油路がオイルポンプのポンプハウジングに形成されている。本発明に係る構造では、オイルポンプが自動変速機のインプットシャフトに対してトルクコンバータ側と反対側に離間して配置されているので、トルクコンバータと自動変速機との間にオイルポンプとは別の部材を配置して、その部材に供給油路を形成することができる。これにより、多数の供給油路をオイルポンプのポンプハウジングに形成する必要をなくすことができる。
【0017】
よって、オイルポンプ(ポンプハウジング)のサイズおよびコスト(加工費)の低減を図ることができる。
【0018】
そのうえ、インプットシャフトが中空軸に形成されて、オイルポンプの駆動軸がインプットシャフト内に挿入されることにより、インプットシャフトと駆動軸との間の隙間を油路として利用することができる。そのインプットシャフトと駆動軸との間の油路にオイルを供給するための供給油路がポンプハウジングに形成されることにより、少なくとも1箇所にオイルを供給するための供給油路をトルクコンバータと自動変速機との間に配置される部材に形成する必要をなくすことができる。その結果、オイルポンプのみならず、ユニット全体としてのサイズおよびコストの低減を図ることができる。
【0019】
オイルポンプの駆動軸は、トルクコンバータのフロントカバーに連結されていてもよい。これにより、駆動源からトルクコンバータに入力されるトルクをフロントカバーを介して駆動軸に伝達することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、オイルポンプのサイズおよびコストの低減を図ることができ、オイルポンプのみならず、ユニット全体としてのサイズおよびコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係るオイル供給構造を示す断面図である。
図2】従来のオイル供給構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0023】
<構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るオイル供給構造1を示す断面図である。なお、図1では、図面の視認性向上のため、ハッチングの付与が省略されている。
【0024】
オイル供給構造1は、トルクコンバータ2および自動変速機3を含むユニットに適用される。
【0025】
トルクコンバータ2は、フロントカバー11、ポンプインペラ12、タービンランナ13、ロックアップクラッチ14およびステータ15を備えている。
【0026】
フロントカバー11は、回転軸線を中心に略円板状に延び、その外周端部が自動変速機3側(図1における左側。以下、「左側」という。)に屈曲した形状をなしている。フロントカバー11の中心部は、自動変速機3側と反対側(図1における右側。以下、「右側」という。)に膨出している。この膨出した部分には、駆動源(たとえば、エンジン)からのトルクが入力される。
【0027】
ポンプインペラ12は、フロントカバー11の左側に配置されている。ポンプインペラ12の外周端部は、フロントカバー11の外周端部に接続され、回転軸線を中心にフロントカバー11と一体回転可能に設けられている。
【0028】
タービンランナ13は、フロントカバー11とポンプインペラ12との間に配置されて、回転軸線を中心に回転可能に設けられている。
【0029】
ロックアップクラッチ14は、フロントカバー11とタービンランナ13との間に配置されている。ロックアップクラッチ14は、ロックアップクラッチ14とフロントカバー11との間の解放側油室16とロックアップクラッチ14とポンプインペラ12との間の係合側油室17との間の油圧差により係合/解放される。
【0030】
ステータ15は、ポンプインペラ12とタービンランナ13との間に配置されて、ユニットケース4に対して固定的に設けられている。
【0031】
自動変速機3は、インプットシャフト21およびクラッチ22を備えている。
【0032】
インプットシャフト21は、中空軸に形成され、回転軸線上を延びている。インプットシャフト21の右側端部は、トルクコンバータ2内に挿入されて、トルクコンバータ2のタービンランナ13とスプライン嵌合している。これにより、タービンランナ13およびインプットシャフト21は、一体回転可能に設けられている。
【0033】
インプットシャフト21の外周は、略円筒状のステータシャフト23に取り囲まれている。インプットシャフト21とステータシャフト23との間には、隙間24が設けられている。ステータシャフト23の右側端部は、トルクコンバータ2内に挿入されている。トルクコンバータ2のステータ15は、ステータシャフト23の右側端部に支持されている。ステータシャフト23とタービンランナ13との間には、間隔が空けられており、インプットシャフト21とステータシャフト23との間の隙間24は、ステータシャフト23とタービンランナ13との間を介して係合側油室17と連通している。
【0034】
クラッチ22は、クラッチドラム25およびクラッチハブ26を備えている。クラッチドラム25は、インプットシャフト21と一体回転可能に設けられ、インプットシャフト21から回転径方向の外側に張り出している。クラッチハブ26は、インプットシャフト21にベアリング27を介して支持されたギヤ28と一体に形成されている。
【0035】
クラッチドラム25とクラッチハブ26との間には、それぞれ複数のクラッチ板29,30が設けられている。複数のクラッチ板(クラッチプレート)29は、クラッチドラム25に支持され、回転軸線方向に間隔を空けて配置されている。また、複数のクラッチ板(クラッチディスク)30は、クラッチハブ26に支持され、クラッチ板29と回転軸線方向に交互に並ぶように配置されている。
【0036】
クラッチドラム25の内側には、ピストン31が回転軸線方向に移動自在に配置されている。クラッチドラム25とピストン31との間には、ピストン室32が形成されている。
【0037】
インプットシャフト21の左側には、オイルポンプ5が配置されている。オイルポンプ5は、ポンプハウジング41、ポンプ駆動軸42およびポンプギヤ43を備えている。
【0038】
ポンプハウジング41は、ユニットケース4に取り付けられている。
【0039】
ポンプ駆動軸42は、回転軸線に沿って延び、インプットシャフト21内に挿通されている。ポンプ駆動軸42の右端部は、トルクコンバータ2のフロントカバー11に直結されている。インプットシャフト21の内周面とポンプ駆動軸42の外周面との間には、隙間44が形成されている。隙間44の左端は、インプットシャフト21の内周面とポンプ駆動軸42の外周面との間に介在されたシール45により閉鎖され、その右端は、開放されている。これにより、隙間44は、ロックアップクラッチ14とフロントカバー11との間の解放側油室16と連通している。
【0040】
ポンプギヤ43は、ポンプハウジング41内に収容され、ポンプ駆動軸42と一体回転可能に設けられている。トルクコンバータ2のフロントカバー11が回転すると、ポンプ駆動軸42が回転し、ポンプ駆動軸42と一体にポンプギヤ43が回転することにより、オイルポンプ5から油圧が出力される。
【0041】
そして、ポンプハウジング41には、バルブボディ(図示せず)からオイルが供給される供給油路46が形成されている。ポンプ駆動軸42には、軸心油路47が形成されている。軸心油路47は、ポンプ駆動軸42の左端で開放されており、供給油路46と連通している。また、軸心油路47は、ポンプ駆動軸42に形成された接続油路48を介して、インプットシャフト21とポンプ駆動軸42との間の隙間44と連通している。
【0042】
また、トルクコンバータ2とクラッチ22との間には、リテーナ51が設けられている。リテーナ51は、ユニットケース4とステータシャフト23との間に架設され、ステータシャフト23をユニットケース4に対して固定的に保持している。リテーナ51には、バルブボディ(図示せず)からオイルが供給される供給油路52が形成されている。また、ステータシャフト23には、供給油路52と連通する連通油路53が形成されている。連通油路53は、ステータシャフト23の左端で開放され、インプットシャフト21とクラッチ22のクラッチドラム25との間を介して、クラッチ22内のピストン31の左側の空間と連通している。さらに、ステータシャフト23には、分配油路54,55が形成されている。連通油路53は、分配油路54を介して、クラッチ22のピストン室32と連通し、分配油路55を介して、インプットシャフト21とステータシャフト23との間の隙間24と連通している。
【0043】
オイルポンプ5で発生した油圧は、バルブボディで調圧されて、バルブボディから各供給油路46,52に供給される。
【0044】
供給油路46を油圧により流通するオイルは、軸心油路47および接続油路48を通して、インプットシャフト21とポンプ駆動軸42との間の隙間44に供給され、その隙間44を通して、トルクコンバータ2の解放側油室16に作動油として供給される。
【0045】
供給油路52を油圧により流通するオイルは、連通油路53およびインプットシャフト21とクラッチ22のクラッチドラム25と間を通して、クラッチ22内に潤滑油として供給される。また、供給油路52を油圧により流通するオイルは、連通油路53および分配油路54を通して、クラッチ22のピストン室32に作動油として供給される。さらに、供給油路52を油圧により流通するオイルは、連通油路53、分配油路55およびインプットシャフト21とステータシャフト23との間の隙間24を通して、トルクコンバータ2の係合側油室17に作動油として供給される。
【0046】
<作用効果>
以上のように、オイル供給構造1では、トルクコンバータ2と自動変速機3との間ではなく、自動変速機3のインプットシャフト21に対してトルクコンバータ2側と反対側に離間して、オイルポンプ5が配置されている。そのため、トルクコンバータ2や自動変速機3に備えられたクラッチ22の作動油および各部の潤滑のための潤滑油を供給するための供給油路52、連通油路53,分配油路54,55などを含む多数の供給油路をオイルポンプ5のポンプハウジング41に形成する必要をなくすことができる。
【0047】
よって、オイルポンプ5(ポンプハウジング41)のサイズおよびコスト(加工費)の低減を図ることができる。
【0048】
また、インプットシャフト21が中空軸に形成されて、オイルポンプ5のポンプ駆動軸42がインプットシャフト21内に挿入されることにより、インプットシャフト21とポンプ駆動軸42との間の隙間44が油路として利用される。その隙間44からなる油路にオイルを供給するための供給油路46がポンプハウジング41に形成されることにより、少なくとも1箇所にオイルを供給するための供給油路46をトルクコンバータ2と自動変速機3との間に配置されるリテーナ51に形成する必要をなくすことができる。その結果、オイルポンプ5のみならず、ユニット全体としてのサイズおよびコストの低減を図ることができる。
【0049】
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
【0050】
たとえば、ポンプ駆動軸42がトルクコンバータ2のフロントカバー11に直結されているとしたが、ポンプ駆動軸42の右端がインプットシャフト21の途中部に位置し、インプットシャフト21内に、ポンプ駆動軸42とフロントカバー11とを連結する連結シャフトが設けられてもよい。この場合、インプットシャフト21と連結シャフトとの間に隙間が設けられ、インプットシャフト21とポンプ駆動軸42との間の隙間44は、インプットシャフト21と連結シャフトとの間の隙間を介して、トルクコンバータ2の解放側油室16と連通される。
【0051】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 オイル供給構造
2 トルクコンバータ
3 自動変速機
5 オイルポンプ
21 インプットシャフト
41 ポンプハウジング
42 ポンプ駆動軸
46 供給油路
図1
図2