【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示の第1の態様によれば、水棲生物の
成長向上用の照明システムは、光を放出するように構成された少なくとも1つの発光ダイオードを備える少なくとも1つの光源であって、
水中に浸漬されるように構成された少なくとも1つの光源と、少なくとも1つの光源を駆動させるように構成された少なくとも1つの光(電気)駆動装置と、照明システム内の少なくとも1つの対象水ボリュームに関する照度データを提供するように構成された少なくとも1つの第1の光センサであって、対象水ボリュームが
水中に位置される少なくとも1つの第1の光センサと、制御装置とを備え、制御装置は、少なくとも1つの対象点に関する目標照度設定値を受信し、少なくとも1つの光センサから照度データを受信し、受信された目標照度設定値と、受信された照度データとに基づいて制御信号を決定し、決定された制御信号を少なくとも1つの光駆動装置に提供し、これにより、少なくとも1つの対象水ボリュームに目標照度の光を放出するように少なくとも1つの光源を駆動させるように適合される。
【0014】
本発明による照明システムは、有利には、海中生簀内に複数の光源又はLEDランプを備えていてよい。これは、光点のほぼ一様な分布を生み出すことを可能にする。本発明による照明システムは、浸漬されたLED源を備え、これらのLED源は、海中生簀の全体積にわたって均等に分散され得る。LED光源は、餌の可視性を改良し、摂餌中のストレスの多い状況を回避する。更に、浸漬型の照光は、効果的な摂餌を改良し(餌が無駄にならず)、上述したように魚の収穫量/均一性を改良する。LED照光の特定の利点は、発生されるわずかな量の熱が水によって容易に吸収され得ることである。また、金属ハロゲン化物ランプは、海中生簀内で、より深い位置には分散配置され得ないので、LED照光は、金属ハロゲン化物ランプに勝る利点も有する。
【0015】
目標照度は、前記少なくとも1つの光源によって放出される光のスペクトル及び/又は色に関係し得る。
【0016】
更に、目標照度は、フラックス及び/又はピーク明度など、光源の特性の他の側面にも関係し得る。
【0017】
このようにして、浸漬された第1の光センサは、有利には、照明システムにおける光源の光の特性が、フラックス、ピーク明度、及びスペクトルなどの側面に関して微調整され得るようにする。照明システムの光源は、よく定義された光束又はスペクトルを生成するように個々に調整され得る。本発明による照明システムは、光源が個々に減光又は増光されることを可能にすることができる。水中生簀内での光の勾配を生み出すことが可能であり、これは、例えば投餌中の魚の密集度を操作するのに有用となり得る。
【0018】
光源又は発光ダイオードは、海中生簀の環境内での自然光条件に応じて調整され得る。これは、水での吸収による光損失の補償を可能にすることができる。
【0019】
従って、本開示の第2の態様では、水棲生物の
成長向上用に構成された照明システムが開示される。この照明システムは、少なくとも1つの発光ダイオードを備える少なくとも1つの光源を備え、少なくとも1つの光源は、
水中に浸漬されるように構成される。この照明システムは、
水中の対象点で光を放出するように少なくとも1つの光源を駆動させるように構成された少なくとも1つの光駆動装置を備える。この照明システムは、少なくとも1つの光センサを備え、この光センサは、環境光データを提供するために、
水面よりも上に配置されるように構成され得る。環境光は、水面よりも上で感知された光とみなされる。また、この照明システムは、目標照度設定値を受信し、少なくとも1つのセンサの環境光データを受信し、受信された目標照度設定値と、環境光データとに基づいて制御信号を決定するように構成された制御装置も備える。この制御装置は、決定された制御信号を光駆動装置に提供し、これにより、少なくとも1つの対象点に目標照度の光を放出するように少なくとも1つの光源を駆動させるように構成される。
【0020】
第2の態様による照明システムは、水棲生物を含む
水面(水の外側)での環境自然光条件(例えば強度及び/又はスペクトル)の測定を可能にする。この時、水棲生物がさらされる合計の光に対する環境光の寄与が、少なくとも1つの光源から放出される光を制御する際に考慮され得る。その結果、表面での条件と同じ光条件が
水中全体にわたって適用され得て、これにより、魚は、空間全体にわたって同じ餌可視性を有し、これは、成長プロセスに有益である。1つ又は複数の異なる深さでの環境光の寄与を考慮に入れるために、制御装置内部でモデルが適用され得る。
【0021】
様々な用途が想定され得る。例えば、水面よりも上で光センサによって感知される光強度及び/又はスペクトルに従って、浸漬された少なくとも1つの光源から放出される光を制御することによって、環境光の昼夜リズムが追従され得る。浸漬された光源の深さでの環境光の寄与は、水面よりも上で光センサによって感知される光とは異なる。従って、この影響を考慮に入れるために、前の段落で言及されたモデルが適用され得る。
【0022】
本開示の第2の態様は、本開示の第1の態様に組み合わされることも、組み合わされないこともある。
【0023】
両方の態様が組み合わされる場合、本開示の第3の態様による水棲生物の
成長向上用の照明システムが得られる。第3の態様による照明システムは、光を放出するように構成された少なくとも1つの発光ダイオードを含む少なくとも1つの光源を備え、光源は、
水中に浸漬されるように構成される。また、この照明システムは、少なくとも1つの光源を駆動させるように構成された少なくとも1つの光駆動装置も備える。この照明システムは、
水中に位置された対象点で照度データを提供するために、
水中に浸漬されるように構成された少なくとも1つの第1の光センサを備える。また、この照明システムは、少なくとも1つの第2の光センサも備え、第2の光センサは、環境光データを提供するために、
水面よりも上に配置されるように構成され得る。目標照度設定値を受信し、少なくとも1つの第1のセンサから照度データを受信し、少なくとも1つの第2のセンサから環境光データを受信し、受信された目標照度設定値と、少なくとも1つの第1のセンサからの照度データと、少なくとも1つの第2のセンサからの環境光データとに基づいて制御信号を決定するように構成された制御装置が提供される。この制御装置は、決定された制御信号を光駆動装置に提供し、これにより、少なくとも1つの対象点に目標照度の光を放出するように少なくとも1つの光源を駆動させるように構成される。
【0024】
本発明の第3の態様は、第1のセンサによって、水中で、光(強度及び/又はスペクトル)、特に環境光の寄与の実測を可能にする。従って、モデルが適用される必要はなく、水条件の変化(例えば、水の不透明度や、水の流れの変化)が考慮され得る。環境光条件及び/又は水の光学パラメータの変化は、どちらも、光源に適合された駆動パラメータに変換される。また、本発明の第3の態様は、
水面での光条件に対する、
水中での光条件の相対制御を可能にする。例えば、表面での光条件と、対象点での
水中での光条件との勾配が制御又は設定され得る。環境光データは、
水中に位置される対象点で目標照度設定値を設定するための入力として使用され得る。
【0025】
様々な実施形態が、本開示の第1、第2、及び/又は第3の態様に関して想定されている。
【0026】
一実施形態では、照明システムは、少なくとも1つの餌分注装置を備えていてよい。摂餌を刺激するように、餌分注、及び光源によって放出される光の制御が制御装置によって調整され得る。
【0027】
一実施形態では、少なくとも1つの第1の光センサは、少なくとも1つの光源と一体化され得る。
【0028】
一実施形態では、照明システムは、少なくとも1つの光源のうちの少なくとも1つを備える少なくとも1つのハウジングを更に備えていてよく、ハウジングは、
水中に浸漬されるように構成される。
【0029】
別の実施形態では、少なくとも1つのハウジングは、少なくとも1つの光駆動装置のうちの少なくとも1つを更に備える。
【0030】
一実施形態では、照明システムは、入力デバイスを更に備えていてよく、目標照度設定値が入力デバイスから受信され得る。上述したように、代替として又は追加として、
水面よりも上に配置された第2の光センサからの環境光データが、照度設定値を設定するための入力として使用され得る。
【0031】
一実施形態では、第1、第2、及び/又は第3の開示される態様による照明システムは、少なくとも1つの対象点に関する温度データを提供するように構成された少なくとも1つの温度センサを更に備えていてよく、制御装置が、少なくとも1つの温度センサから温度データを受信し、(照度設定値、少なくとも1つの第1のセンサからの照度データ、及び/又は少なくとも1つの第2のセンサからの環境光データに加えて)受信された温度データにも基づいて制御信号を決定し、決定された制御信号を少なくとも1つの光駆動装置に提供し、これにより、少なくとも1つの対象点に目標照度の光を放出するように少なくとも1つの光源を駆動させるように更に適合され得る。
【0032】
このようにして、浸漬型のLED照光が、温度センサと組み合わされる。これは、海中生簀内で適正な温度の場所にいるように魚を制御できる可能性を開く。
【0033】
温度センサは、光源の位置と光束出力又は他の光学特性(スペクトルなど)とを調整するソフトウェア又は制御装置に接続され得る。温度センサは、光源とは別個でよく、又は光源用の電流を搬送するケーブルに組み込まれてもよい。
【0034】
一実施形態では、少なくとも1つの温度センサは、前記少なくとも1つの光源と一体化され得る。温度センサは、光源用の電流を搬送するケーブルに組み込まれ得る。
【0035】
一実施形態では、この照明システムは、
水中での少なくとも1つの光源の浸漬深さを調節するように構成された少なくとも1つの位置アクチュエータを更に備えていてよく、浸漬深さが、
水面と少なくとも1つの光源との間の垂直距離に関連付けられてよく、制御装置が、少なくとも1つの光源に関する目標位置設定値を受信し、少なくとも1つの光源に関する現行位置データを決定し、受信された位置設定値と、決定された現行位置データとに基づいて制御信号を決定し、決定された制御信号を少なくとも1つの位置アクチュエータに提供し、これにより、少なくとも1つの光源を
水中の目標位置に位置決めするように更に適合され得る。
【0036】
これは、光源が、
水中での浸漬深さを変えることができるという利点を有する。これは、海中生簀内で適正な温度の場所に魚を留めることができる可能性を開く。
【0037】
一実施形態では、位置アクチュエータは、
水中での少なくとも1つの光源の位置を側方に調節するように更に構成され得る。この実施形態は、特定の側方位置、例えば餌分注装置の位置に対する少なくとも1つの光源の位置決めを容易にする。
【0038】
一実施形態では、照明システムは、複数の光源を備え、各光源が、
水中で異なる浸漬深さに配置される。各光源が、1つ又は複数の光駆動装置によって駆動される時に光を放出するように構成された1つ又は複数の発光ダイオードを備える。この照明システムは、複数の光源の1つ又は複数に対して配置された複数の光センサを備え、複数の光センサが、それぞれに関連付けられる対象点に関する照度データを提供する。各光源の目標照度設定値を受信し、複数の第1のセンサから照度データを受信し、少なくとも1つの第2のセンサから環境光データを受信し、受信された目標照度設定値と、複数の第1のセンサからの照度データと、少なくとも1つの第2のセンサからの環境光データとに基づいて制御信号を決定するように構成された制御装置が提供される。この制御装置は、決定された制御信号を1つ又は複数の光駆動装置に提供し、これにより、複数の光源それぞれに関連付けられる目標照度設定値に対応する目標照度の光を少なくとも1つの対象点に放出するように光源を駆動させるように構成される。特に、各光源は、光源内部又は光源の近傍に配置された独自の関連の第1の光センサを有していてよく、これにより、第1の光センサに関連付けられる対象点での適切な光測定を行うことができ、また、対象点に関連付けられる照度設定値に従って光を放出する。
【0039】
一実施形態では、制御装置は、水棲生物の種及び発達段階の少なくとも一方にも応じて制御信号を決定するように構成される。例えば光に対する魚の感受性は、種及び/又は発達段階に応じて顕著に変化することが分かっている。特定の光受容細胞が、魚の目と松果体の両方に存在し、これらの細胞は、魚の成長と共に進化する。従って、魚は、発達中に異なる光強度及び/又は波長を必要とすることがある。更に、同じ発展段階において、魚は、日照時間(日周活動)及び季節によって影響を及ぼされる。例えば、鮭は、様々な摂餌挙動を有し、秋から冬にかけては食欲が低下し、冬の終わり頃から急速に食欲が増す。食欲の行動指標の季節変化は、日照時間、及び日照時間の変化に起因する。
【0040】
既に上述したように、照明システムの様々な用途が想定されている。用途は、特に、光強度及び/又はスペクトル特性の制御に関係し得る。例えば、魚の成熟は、適切な時間に適切な光強度及び/又は光の色を提供することによって防止され得る。また、少なくとも投餌中に適切な光の強度及び色を適用することによって、餌の可視性が改良され得る。餌の可視性の改良は、魚の成長の向上と、ストレスレベルの減少とをもたらすことができる。
【0041】
第3の開示される態様の一実施形態では、制御装置は、少なくとも1つの第1の光センサと少なくとも1つの第2の光センサとによって感知される1つまたは複数の対象点での光強度の和を、ある期間にわたって実質的に一定に保つように、及び/又は
水中の深さ方向で実質的に一定に保つように、制御信号を決定する。この用途は、環境光の変化に関係なく、
水中で一定の光強度を保つことを可能にする。
【0042】
第2及び/又は第3の開示される態様の別の実施形態では、
水面よりも上に配置された1つ又は複数の第2の光センサ、及び/又は
水中に配置された1つ又は複数の第1の光センサによって感知されるスペクトルをマッピングするために、1つ又は複数の光源から放出される光を制御するように制御信号が決定される。従って、光の強度だけでなく、環境光のスペクトル特性も水中に反映され得る。これに従って、水中での日の出及び日没のシミュレーションが可能にされる。
【0043】
1つ又は複数の第1の光センサから受信された照度データ及び/又は1つ又は複数の第2の光センサから受信された環境光データに応じて1つ又は複数の光駆動装置に関する制御信号を決定するために、制御装置に高度な照明方式がプログラムされ得る。
【0044】
例えば、照明方式は、少なくとも1日から2週間、好ましくは少なくとも2日から2週間の期間にわたって、少なくとも1つの光源から放出される光の光強度レベルを第1の光強度レベルから第2の光強度レベルに(例えば、連続的に又は段階的に)増加させることを含むことができる。第1の光強度レベルは、第2の光強度レベルのせいぜい10〜100分の1でよい。環境光は時間にわたって大きく変化するので、照明方式に従って光強度レベルを増加させることを可能にする制御信号を決定するために、環境光データが利用され得る。
【0045】
別の例は、第1の期間中には第1のレートで、第2の期間中には第2のレートで光強度レベルを増加させることを含み、第1のレートが第2のレートよりも低い。この照明方式の利点は、より低い第1のレートが最初に適用され得て、魚の視感度レベルに達した後に、第2の期間中に第2の(より高い)レートが適用され得ることである。第1の期間と第2の期間は、連続する期間でよい。環境光の変化及び/又は水の光学特性の変化によって照明方式を擾乱しないように、制御装置は、第1の光センサ及び/又は第2の光センサによって感知される光の影響の補償を可能にする制御信号を決定することができる。
【0046】
また、本開示は、水棲生物の
成長向上用の装置、及び上で定義された照明システムを使用するための方法に関する。
【0047】
従って、本発明の第4の態様によれば、水棲生物の
成長向上用の装置であって、第1、第2、又は第3の態様による照明システムを備える装置が、水中生簀と組み合わせて開示され、ここで、照明システムが、水中生簀を照明するように構成されてよく、少なくとも1つの対象点が、水中生簀内部に位置されてよい。
【0048】
本開示の第5の態様によれば、水棲生物の
成長向上用の照明システムにおいて光を制御するための方法が得られ、照明システムは、光を放出するように構成された少なくとも1つの発光ダイオードを備える少なくとも1つの光源であって、
水中に浸漬される少なくとも1つの光源と、少なくとも1つの光源を駆動させるように構成された少なくとも1つの光駆動装置と、照明システム内で少なくとも1つの対象点に関する照度データを提供するように構成された少なくとも1つの第1の光センサであって、対象点が
水中に位置される少なくとも1つの第1の光センサと、制御装置とを備え、方法は、少なくとも1つの対象点に関する目標照度設定値を受信するステップと、少なくとも1つの光センサから照度データを受信するステップと、受信された目標照度設定値と、受信された照度データとに基づいて制御信号を決定するステップと、決定された制御信号を少なくとも1つの光駆動装置に提供し、これにより、少なくとも1つの対象点に目標照度の光を放出するように少なくとも1つの光源を駆動させるステップとを含む。
【0049】
本開示の第6の態様は、
水中で水棲生物を
成長向上させるための方法に関し、環境光データが、
水面よりも上に配置された少なくとも1つの第2の光センサから取得され、方法は、
水中の対象点に関する目標照度設定値と、環境光データとに基づいて、少なくとも1つの光源を駆動させるための制御信号を決定し、これにより、少なくとも1つの対象点に目標照度の光を放出するように光源を駆動させるステップを含む。
【0050】
本開示の第6の態様は、本開示の第5の態様に組み合わされることも、組み合わされないこともある。
【0051】
両方の態様が組み合わされる場合、本開示の第7の態様は、
水中で水棲生物を
成長向上させるための方法であって、照度データが、
水中に位置された少なくとも1つの対象点で少なくとも1つの第1のセンサから取得され、環境光データが、
水面よりも上に配置された少なくとも1つの第2のセンサから取得される方法に関する。
水中の対象点に関する目標照度設定値と、少なくとも1つの第1のセンサからの照度データと、少なくとも1つの第2のセンサからの環境光データとに基づいて、少なくとも1つの光源を駆動させるための制御信号が決定され、これにより、少なくとも1つの対象点に目標照度の光を放出するように少なくとも1つの光源を駆動させる。環境光データは、照度設定値を設定するための入力として使用され得る。
【0052】
様々な実施形態が、本開示の第5、第6、及び/又は第7の態様に関して想定されている。
【0053】
一実施形態では、システムは、少なくとも1つの対象点に関する温度データを提供するように構成された少なくとも1つの温度センサを更に備えていてよく、方法は、少なくとも1つの温度センサから温度データを受信するステップと、(照度設定値、少なくとも1つの第1のセンサからの照度データ、及び/又は少なくとも1つの第2のセンサからの環境光データに加えて)受信された温度データにも基づいて制御信号を決定するステップと、決定された制御信号を少なくとも1つの光駆動装置に提供し、これにより、少なくとも1つの対象点に目標照度の光を放出するように少なくとも1つの光源を駆動させるステップとを更に含む。
【0054】
別の実施形態では、システムは、
水中での少なくとも1つの光源の浸漬深さを調節するように構成された少なくとも1つの位置アクチュエータを更に備え、浸漬深さが、
水面と少なくとも1つの光源との間の垂直距離に関連付けられ、方法は、少なくとも1つの光源に関する目標位置設定値を受信するステップと、少なくとも1つの光源に関する現行位置データを決定するステップと、受信された位置設定値と、決定された現行位置データとにも基づいて制御信号を決定するステップと、決定された制御信号を少なくとも1つの位置アクチュエータに提供し、これにより、少なくとも1つの光源を
水中の目標位置に位置決めするステップとを更に含む。
【0055】
第6及び/又は第7の開示される態様の一実施形態では、システムは、
水中の異なる深さに配置された複数の光源を備える。各光源が、1つ又は複数の光駆動装置によって駆動される時に光を放出するように構成された1つ又は複数の発光ダイオードを備える。この照明システムは、複数の光源の1つ又は複数に対して配置された複数の第1の光センサを備え、複数の第1の光センサが、それぞれに関連付けられる対象点に関する照度データを提供する。この方法は、複数の光源それぞれに関する目標照度設定値を受信するステップと、複数の第1のセンサから照度データを受信し、少なくとも1つの第2のセンサから環境光データを受信するステップとを含む。この方法は、受信された目標照度設定値と、複数の第1のセンサからの照度データと、少なくとも1つの第2のセンサからの環境光データとに基づいて制御信号を決定するステップと、決定された制御信号を1つ又は複数の光駆動装置に提供し、これにより、複数の光源それぞれに関連付けられる目標照度設定値に対応する目標照度の光を少なくとも1つの対象点に放出するように複数の光源それぞれを駆動させるステップとを更に含む。特に、各光源は、光源内部又は光源の近傍に配置された独自の関連の第1の光センサを有していてよく、これにより、第1の光センサに関連付けられる対象点での適切な光測定を行い、また、対象点に関連付けられる照度設定値に従って光を放出することができる。
【0056】
一実施形態では、この方法は、水棲生物の種及び発達段階の少なくとも一方にも応じて制御信号を決定するステップを含む。上述したように、例えば光に対する魚の感受性は、種及び/又は発達段階に応じて顕著に変化することが分かっている。
【0057】
第7の開示される態様の一実施形態では、方法は、少なくとも1つの第1の光センサと少なくとも1つの第2の光センサとによって感知される光強度の和を、ある期間にわたって実質的に一定に保つように、及び/又は
水中の深さ方向で実質的に一定に保つように、制御信号を決定するステップを含む。この用途は、環境光の変化に関係なく、
水中で一定の光強度を保つことを可能にする。
【0058】
第6及び/又は第7の開示される態様の別の実施形態では、
水面よりも上に配置された1つ又は複数の第2の光センサ、及び/又は
水中に配置された1つ又は複数の第1の光センサによって感知されるスペクトルをマッピングするために、1つ又は複数の光源から放出される光を制御するように制御信号が決定される。従って、光の強度だけでなく、環境光のスペクトル特性も水中に反映され得る。それに従って、水中での日の出及び日没のシミュレーションが可能にされる。
【0059】
第6及び/又は第7の開示される態様の別の実施形態では、この方法は、照明方式を使用するステップを含み、ここで、少なくとも1日から2週間、好ましくは少なくとも2日から2週間の期間にわたって、少なくとも1つの光源から放出される光の光強度レベルが第1の光強度レベルから第2の光強度レベルに(例えば、連続的に又は段階的に)増加される。第1の光強度レベルは、第2の光強度レベルのせいぜい10〜100分の1でよい。環境光は時間にわたって大きく変化するので、この方法は、照明方式に従って光強度レベルを増加させることを可能にする制御信号を決定するために、環境光データを使用することを含む。
【0060】
第6及び/又は第7の態様の別の実施形態では、方法は、第1の期間中には第1のレートで、第2の期間中には第2のレートで光強度レベルが増加され、第1のレートが第2のレートよりも低い照明方式を使用するステップを含む。この照明方式の利点は、より低い第1のレートが最初に適用され得て、魚の視感度レベルに達した後に、第2の期間中に第2の(より高い)レートが適用され得ることである。第1の期間と第2の期間は、連続する期間でよい。環境光の変化及び/又は水の光学特性の変化によって照明方式を擾乱しないように、この方法は、第1の光センサ及び/又は第2の光センサによって感知される任意の光効果の補償を可能にする制御信号を決定するステップを含む。
【0061】
本発明は、上に記載された特徴の全ての可能な組合せに関することに留意されたい。従って、上に開示された態様の1つの全ての特徴及び利点が、他の開示された態様の任意のものにも同様に当てはまる。
【0062】
本発明の特定の特徴及び利点を含めた本発明の様々な側面は、以下の詳細な説明及び添付図面から容易に理解されよう。