特許第6351594号(P6351594)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6351594タンクにおいて耐圧テストを実施する方法及び補給装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6351594
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】タンクにおいて耐圧テストを実施する方法及び補給装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/26 20060101AFI20180625BHJP
【FI】
   G01M3/26 P
   G01M3/26 M
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-530313(P2015-530313)
(86)(22)【出願日】2013年8月27日
(65)【公表番号】特表2015-529331(P2015-529331A)
(43)【公表日】2015年10月5日
(86)【国際出願番号】EP2013002583
(87)【国際公開番号】WO2014037085
(87)【国際公開日】20140313
【審査請求日】2016年8月2日
(31)【優先権主張番号】102012017489.6
(32)【優先日】2012年9月4日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102012018109.4
(32)【優先日】2012年9月13日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】391009659
【氏名又は名称】リンデ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Linde Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ローベアト アードラー
(72)【発明者】
【氏名】マーティン プファンドル
(72)【発明者】
【氏名】マークス ラッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル シュテファン
【審査官】 安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−520977(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/016091(WO,A1)
【文献】 特表2012−517574(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0175778(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0130549(US,A1)
【文献】 特開2011−094652(JP,A)
【文献】 特開2007−092927(JP,A)
【文献】 特開2010−174951(JP,A)
【文献】 米国特許第06327898(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/00−3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク(4)において耐圧テストを実施する方法であって、
前記タンク(4)は、タンクバルブ(10)を介してタンク供給路(3)に接続されており、該タンク供給路(3)は、前記タンク供給路(3)を中断するための第1のバルブ(5)を備え、
圧力下にあるガス状の媒体の、前記タンク供給路(3)を介した前記タンク(4)への補給前の耐圧テスト時に、前記媒体の媒体流れを、第1のバルブ(5)が閉じられた状態で、前記第1のバルブ(5)を迂回するバイパス管路(7)を介してタンク(4)に向けて導き、このとき、前記媒体の媒体流れを、前記バイパス管路(7)に設けられた絞り(9)により前記バイパス管路(7)内で絞り、これにより、前記タンクバルブ(10)に作用するタンク供給路圧が前記絞り(9)の下流側でコントロールされて増加し、このとき、タンク供給路圧が前記タンク(4)内に作用するタンク圧を上回ると、前記タンクバルブ(10)が開かれ、
前記バイパス管路(7)は、第2のバルブ(8)を用いて遮断可能であり、該第2のバルブ(8)は、前記絞り(9)の上流側で前記バイパス管路(7)に設けられていることを特徴とする、タンク(4)において耐圧テストを実施する方法。
【請求項2】
圧テストを実施するために、前記第1のバルブ(5)が閉じられた状態で、前記第2のバルブ(8)を開き、前記媒体の媒体流れを、前記バイパス管路(7)を介して前記タンク(4)に向けて導く、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記バイパス管路(7)内の媒体流れを、タンク供給路圧が前記第2のバルブ(8)が開かれた後で予め設定された期間以内にタンク圧に達するように絞る、請求項記載の方法。
【請求項4】
前記タンク(4)の前記タンクバルブ(10)がタンク供給路圧の増加により押し開けられると、前記バイパス管路(7)を、第2のバルブ(8)を用いて遮断する、請求項又は記載の方法。
【請求項5】
補給前に、前記第1のバルブ(5)の上流側で、予め設定された最高圧がタンク供給路(3)内に形成される、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
タンク供給路圧を測定し、前記タンクバルブ(10)が開かれた後に前記タンク供給路(3)内に生じるタンク供給路圧をタンク圧として決定する、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
求項1からまでのいずれか1項記載の方法において使用するための、圧力下にあるガス状の媒体をタンク(4)に補給する補給装置であって、
前記補給装置は、タンク供給路(3)を備え、該タンク供給路(3)は、該タンク供給路(3)を遮断するための第1のバルブ(5)を有し、前記タンク供給路(3)は、第1のバルブ(5)の下流側で、媒体を補給すべきタンク(4)に接続されるように構成されている、補給装置において、
第2のバルブ(8)と絞り(9)とを備える、前記第1のバルブ(5)を迂回するバイパス管路(7)が設けられており、前記絞り(9)は、前記第1のバルブ(5)が閉じられて前記第2のバルブ(8)が開かれた状態で、前記バイパス管路(7)を通る媒体の媒体流れを、前記タンク供給路(3)に生じるタンク供給路圧が前記絞り(9)の下流側でコントロールされて増加するように絞
前記絞り(9)は、前記第2のバルブ(8)の下流側で前記バイパス管路(7)に配置されていることを特徴とする、補給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンクにおいて耐圧テストを実施する方法、並びに、請求項8の上位概念に記載の、圧力下にあるガス状の、特に水素の態様をした媒体をタンクに補給する補給装置に関する。
【0002】
燃料としてガス状の水素が補給される車両は、特別に構成された補給(充填)装置を必要とする。この補給装置は、比較的高い圧力下にある水素(例えば700bar)を(車両)タンク又はその他の水素タンクに導く。通常、そのような補給ステーションは、液状の水素を含む貯蔵部を備える、又は、水素パイプライン又は水素貯蔵部を形成することができる別の設備に直接に接続されている。水素は補給のために気相で存在すべきであるので、補給ステーションは、通常、ガスバッファ貯蔵部を備える。ガスバッファ貯蔵部は、前述の(液体水素)貯蔵部から供給されるものであって、ガス状の水素を蓄える。
【0003】
水素タンク(車両タンク)に水素を補給する際に環境に対する安全性を保証する(爆発の可能性)ために、かつ補給プロセスの規格を作るために、とりわけ複数の自動車メーカーから成るコンソーシアムがSAE J2601規格に合意した。この規格は、とりわけ補給プロセスの安全性に関する境界及び性能要求を設定している。SAE J2601は、水素駆動式の車両が3分以内に700barに補給され、このときにタンクの温度が85℃の温度を超えて増加しないように計画している。
【0004】
更に、SAE J2601規格によれば、タンクの補給前に、とりわけ補給ステーションのタンク供給路が補給すべきタンクに正しく接続されたことを保証するために、耐圧テスト及びリークテストが行われる。
【0005】
前述の耐圧テストでは、タンク内の圧力が求められる。これは、タンクバルブ(通常、逆止弁)により保護されている該当するタンクを開くために、補給ステーションの側で短い圧力衝撃を介して行われる。続いて、タンク供給路内で生じる圧力(この場合その圧力はタンク内の圧力に等しい)は、タンク内で、所定時間(約5〜20秒の待機期間)にわたって測定され、これにより、例えばタンク供給路内もしくはタンクとの接続部内の漏れのような問題を示唆する考慮すべき圧力低下が起こらないことが保証される(リークテスト)。
【0006】
耐圧テスト及びリークテストに用いられる圧力衝撃は、通常、直接にガスバッファ貯蔵部から、比較的迅速なバルブの開放によりもたらされ、これは、高い質量流量を生じさせ、この場合、そこから大きな圧力ピークが生じ得るので、管路又はタンク供給路に設けられた、例えば圧力発信器、温度計、通流量測定機器、バルブ及びランプ調整器のような後続の要素は、完全にこの圧力(約800bar〜850bar)に曝される。更に、この種の直接にガスバッファ貯蔵部からもたらされる圧力衝撃では、実際の補給プロセスの開始時(前述の待機期間後)に、多くの場合後続の要素に更なる圧力ピークが生じる。この圧力ピークは、管路の部分における圧力下にある残りの容量に起因する。管路及びタンク供給路におけるこのような負荷変化(圧力ピーク)は、後続の要素のより早期の損耗ひいてはこの要素の故障頻度の増加及び耐用期間の短縮をもたらす。
【0007】
更に、圧力衝撃の時点では、通常、未だ温度、圧力又は圧力低下(漏れ)に関する遮断が働いていないので、圧力衝撃時に、最も不都合な場合、タンクの過熱、過充填や漏れがあるタンクの部分的な充填が生じる恐れもある。
【0008】
従って、そこから出発して、本発明の根底を成す課題は、冒頭で述べられたような方法並びに装置を改良して、前述の負荷が低減されているものを提供することである。
【0009】
この課題は、請求項1の特徴部に記載の構成を有する、(水素)タンクにおいて耐圧テストを実施する方法により解決される。
【0010】
それによると、タンクは、タンクバルブを介してタンク供給路に接続されており、タンク供給路は、タンク供給路を中断するための第1のバルブを備え、圧力下にあるガス状の媒体(例えば水素)をタンクに補給する前の耐圧テスト時に、タンク供給路を介して、媒体の(ガス状の)媒体流れ(例えば水素の流れ)が、第1のバルブが閉じられた状態で、第1のバルブを迂回するバイパス管路を介してタンクに向けて導かれ、このとき、媒体の流れは、バイパス管路内で絞られるので、タンクバルブに作用するタンク供給路圧が、圧力ピークもしくは圧力衝撃を回避するようにコントロールされて、つまり圧力ピークを形成することなくゆっくりと(特に予め設定された期間以内に)増加し、特に、タンク供給路圧がタンク内に作用するタンク圧を上回って、タンクバルブが開くまで増加する。
【0011】
ゆえに好適には、絞りは、好ましくは高い圧力損失を引き起こし、これにより、媒体(例えば水素)の僅かな質量の通流だけが可能であり、後続の要素に対する圧力衝撃は低減される。
【0012】
好適には、これに続いて、タンクバルブの開放後に、タンク内に作用するタンク圧は、目下のタンク供給路圧により推測される(タンクバルブの開放後の圧力補整によりタンク供給路圧はタンク圧に一致する)。
【0013】
上述のタンクは、特に車両を駆動するための燃料として用いられるガス状の水素を貯蔵する車両のタンクである。
【0014】
好適には、ガス状の物質の流れは、バイパス管路に設けられた絞りにより、つまり特にバイパス管路横断面の狭窄により絞られるので、タンクもしくはタンクバルブに作用するタンク供給路圧が、絞りの下流側で、上述の圧力ピークもしくは圧力衝撃を回避するためにコントロールされて、増加する(上記参照)。
【0015】
好適には、バイパス管路は、第2のバルブにより遮断可能であり、第2のバルブは、好適には絞りの上流側でバイパス管路に設けられており、この場合、耐圧テストを実施するために、第1のバルブが閉じられた状態で第2のバルブが開かれ、各媒体の流れは、バイパス管路及びバイパス管路の絞りを介してタンクに向けて導かれ、この場合、好適には媒体の流れは、タンク供給路圧が予め設定された期間(特に10秒)以内にタンク圧に達するように絞られる。
【0016】
例えばタンクが完全に40.2g/lの密度の水素により充填されていて、これが室温で約700barの圧力に相当していて、絞りの下流側でタンク供給路により形成される容積が1lである場合、絞りは、媒体の流れ(水素の流れ)を好適には4.1g/sに絞る。なぜならばこの場合、タンク供給路圧が10秒で700bar以上に増加し、これによりタンクバルブが開かれることが保証されているからである。
【0017】
更に、好適には、タンクのタンクバルブが増加するタンク供給路圧により開かれると、つまりタンク供給路圧が水素タンク内にこれまでに作用するタンク圧を上回ると、バイパス管路は、第2のバルブにより中断される。
【0018】
好適には、第1のバルブ及び第2のバルブは、空圧式に制御される。
【0019】
好適には、補給前に、つまり特に耐圧テスト中、第1のバルブの上流側で、タンク供給路内に特に875barの予め設定された最高圧が形成される。
【0020】
この最高圧は、決定的に、タンクステーションのガスバッファ貯蔵器から提供される圧力(媒体もしくは水素)に関して特定され、この最高圧は、タンクの開放ひいてはタンク圧の検出を確実に保証するために、最高の推定タンク圧を上回るように測定される。
【0021】
タンク圧を特定するために、更に好適には、タンク供給路圧が記録され、この場合、タンクバルブの開放後にタンク供給路内に生じる媒体もしくは水素のタンク供給路圧がタンク圧として求められる。
【0022】
耐圧テストの実施後でタンクの実際の補給(圧力ランプの経過)前に、好適には、所定期間(好適には5秒〜25秒)が待機されるので、タンク供給路内のタンク供給路圧の場合により生じる圧力低下に基づいて、タンクへの接続部において場合により生じる漏れが検出可能である(リークテスト)。好適には、漏れがない場合、実際の補給プロセスが導入される(開始値として求められたタンク圧を起点とする圧力ランプの経過)。
【0023】
更に、本発明による課題は、請求項8の特徴部に記載の構成を有する、特に水素の態様をした、圧力下にあるガス状の媒体をタンクに補給する補給装置により解決される。
【0024】
それによれば、補給装置(補給ステーション)は、タンク供給路を遮断するための第1のバルブを有するタンク供給路を備え、この場合、タンク供給路は、第1のバルブの下流側で、補給すべきタンクのタンクバルブに流れを導くように接続するように構成されている。更に、補給装置は、第2のバルブと絞り(例えばバイパス路横断面の狭窄部)とを有する、第1のバルブを迂回するバイパス路を備え、この場合、絞りは、タンクの補給前に、第1のバルブが閉じられて第2のバルブが開かれた状態で、第1のバルブを介して、バイパス路を介して案内される媒体の(ガス状の)媒体流れ(水素の流れ)を絞り、これにより、タンク供給路内に生じるタンク供給路圧が絞りの下流側でコントロールされて、つまり比較的ゆっくりと(特に予め設定された期間にわたって)増加する(上記参照)。
【0025】
バイパス管路は、タンク供給路を迂回するために相応に2つの端部を有し、この場合、第1の端部は、第1のバルブの上流側で、第2の端部は、第1のバルブの下流側で、流れを導くようにタンク供給路に接続されている。
【0026】
好適には、絞りは、第2のバルブの下流側でバイパス路に配置されている。
【0027】
結果として、本発明は、ガス状の水素(及び圧力下にあるガス状の別の媒体)をタンクに補給する補給装置に設けられたガスを案内する構成要素の負荷の最小化、並びに、急激な圧縮に基づく温度上昇の回避による圧力保持テスト時の故障頻度の最少化を可能にする。更に、特に圧力衝撃により補給されるガス量が最小限に減らされるので、タンクが完全に補給された状態で実際にもはやタンクへの質量流れが生じない。
【0028】
本発明の更なる詳細及び利点を、図面に基づいて、実施の形態の以下の図面の記載により説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明による補給装置の概略図である。
図2】先行技術に基づいて行われた耐圧テスト及びリークテストにおけるタンク供給路内の時間的な圧力経過を示す図である。
【0030】
図1は、補給装置(補給ステーション)の概略図を示している。補給装置は、ランプバルブ1を備え、ランプバルブ1は、ランプ調整装置により調整される。ランプバルブ1の下流側に冷熱機2(「Alu Coldfill」)が配置されており、冷熱機2は、ランプバルブ1を通して流れる水素の流れ(例えばガスバッファ貯蔵器から到来する)を特に−40℃に調温する。冷熱機2に、流れを導くようにタンク供給路3が接続しており、タンク供給路3は、冷熱機の下流側に、ハンドバルブ6が続く、第1の、特に空圧式のバルブ5を備える。第1のバルブ5及び第2のハンドバルブ6を迂回するように、バイパス管路7が配置されており、バイパス管路7は、流れを導くようにタンク供給路3に接続されている。バイパス管路7は、絞り9が続く、第2の、特に空圧式のバルブ8を備える。絞り9下流側で、通流量測定機器13が、タンク供給路3に配置されている。通流量測定機器13の下流側で、排出管路15が、タンク供給路3から分岐している。排出管路15は、安全バルブ14を介して、排出装置に接続されている。排出装置は、余剰の水素(もしくは余剰の媒体)を確実に周囲環境に送り出すため(例えばタンク供給路3内の過圧を解消するため)に用いられる。排出管路15の分岐部の下流側で、タンク供給路3は、更に、安全面の理由から、引っ張られると開く(例えば乗用車が連結されたホースを伴って走り去るとき)分離継手12、並びに後続の、タンク4(水素タンク4)に接続可能なタンク継手を有するタンクホース11を備える。タンク4は、タンク4を閉じるためのタンクバルブ10(逆止弁)により保護されている。
【0031】
図2は、耐圧テスト及びリークテストを実施する際の時間的な圧力経過、並びに従来慣用の補給ステーションにおける規格SAE J2601による先行技術に基づく実際の補給プロセスの開始を示している。この場合、圧力衝撃が、補給前に、直接ガスバッファ貯蔵器から与えられる(約850bar)。タンク供給路(タンク供給路を介してタンクが補給される)内の圧力は、これに応じて、タンクに補給するための圧力ランプの経過(増加する圧力カーブ、右向き)前に、明確なピークP1,P2を有する。圧力ピークP1,P2は、ガスバッファ貯蔵部から到来する水素によるタンク供給路の加圧に起因する。
【0032】
これに対して、耐圧テストを実施する本発明による方法の実施に際して、圧力下にあるガス状の水素をタンク4に補給するために第1のバルブ5を開く前に、先ず第2のバルブ8が開かれ、この場合、それに続いて絞り9により、下流側で絞り9に続くタンク供給路3の延在部分における水素の流れが絞られるので、タンク供給路3内のタンク供給路圧力が比較的ゆっくりと、つまり目立った圧力ピークを回避しつつコントロールされて(特に単調に)増加する。この場合、タンク供給路圧は、タンク4内に作用するタンク圧よりも大きくなるまで増加する。これにより、タンクバルブ10は、開かれもしくは押し開けられ、タンク4とタンク供給路3との間の圧力補整が行われる。その時点で、タンク圧は、タンク供給路内で測定されるタンク供給路圧として想定される(耐圧テスト)。絞りの相応の設計により、タンク圧へのタンク供給路内のタンク供給路圧の増加が、予め設定された期間以内に行われる。概して、絞りは、相応に調節可能に構成してよい。
【0033】
そうして求められたタンク圧が特定の期間にわたって(5秒〜25秒の範囲で)一定に維持されると、タンク4に対する密な接続を推測することができる。リークテストが良好な結果の場合、これに続いて、開始値としてのタンク圧から出発して相応の圧力ランプが経過することにより、実際の補給プロセス(例えばSAE J2601に基づく)が、第1のバルブ5並びにランプバルブ1を介して行われる。この場合、タンク供給路内のタンク供給路圧もしくはタンク内のタンク圧は、前述の開始値から出発して、ガス状の水素をタンクに補給することによって、ほぼ線形に増加する。
【符号の説明】
【0034】
1 ランプバルブ
2 冷熱機(Alu Coldfill)
3 タンク供給路
4 タンク
5 第1の(空圧式の)バルブ
6 ハンドバルブ
7 バイパス管路
8 第2の(空圧式の)バルブ
9 絞り
10 タンクバルブ
11 タンク継手を備えるタンクホース
12 分離継手
13 通流量測定機器
14 安全バルブ
15 排出管路
P1,P2 圧力ピーク
図1
図2