特許第6351602号(P6351602)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6351602
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】高周波吸収フィルタ
(51)【国際特許分類】
   H01P 1/22 20060101AFI20180625BHJP
   H01P 3/08 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   H01P1/22
   H01P3/08 100
【請求項の数】15
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-536767(P2015-536767)
(86)(22)【出願日】2013年8月8日
(65)【公表番号】特表2016-504779(P2016-504779A)
(43)【公表日】2016年2月12日
(86)【国際出願番号】US2013054069
(87)【国際公開番号】WO2014062280
(87)【国際公開日】20140424
【審査請求日】2016年7月29日
(31)【優先権主張番号】13/651,789
(32)【優先日】2012年10月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,アンドリュー ケー.
(72)【発明者】
【氏名】オバート,トーマス エル.
(72)【発明者】
【氏名】ソテロ,マイケル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】グリッターズ,ダリン エム.
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ケネス ダブリュー.
【審査官】 岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−185218(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/117850(WO,A1)
【文献】 特開2010−098738(JP,A)
【文献】 実開昭60−144302(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 1/00−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気信号を搬送する装置であって、
導電性材料を有するとともに、第一の端部及び前記第一の端部の反対側に配置される第二の端部を有し、前記電気信号を搬送可能に構成される導電性経路と、
前記導電性経路の長手方向の少なくとも一部に連続的に接触し、前記導電性経路の第一の端部及び第二の端部を覆うとともに、当該第一の端部及び第二の端部を超えて延出される抵抗材料とを備え、
複数の枝部を有する前記抵抗材料が無い導電性経路から放出される高周波放射線の量に対して前記導電性経路から放出される高周波放射線の量を減少させるために前記抵抗材料は、前記導電性材料の導電率よりも小さい導電率を有し、かつ、前記抵抗材料は、前記導電性経路から側方に延出する抵抗材料の複数の枝部を有することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記導電性材料又は抵抗材料は、絶縁性基板上に配置される請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記抵抗材料の端部は、前記導電性経路の第一の側部に対応する第一の端部と、前記導電性経路の第二の側部に対応する第二の端部と、を有する請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記抵抗材料は、前記第一の端部を超えた部位から前記第二の端部を超えた部位まで延出される請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記電気信号は、マイクロ波要素を含む請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記抵抗材料は、一連の分節を有するように構成されるとともに、当該各分節は、隣接する分節から離間して配置される請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記導電性経路は、前記電気信号を第一の地点から第二の地点まで搬送するように構成され、かつ、前記導電性経路は、前記第一の地点から第二の地点に向けて曲がって配置される請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記抵抗材料は、前記第一の地点から第二の地点に向けて直線的に配置される請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記抵抗材料は、複数の枝部を備え、当該複数の枝部は、前記抵抗材料の対応する一節から側方に延出される請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記抵抗材料は、平らな表面を有し、かつ、25から100オーム毎スクエアの範囲のシート抵抗値を有する請求項1に記載の装置。
【請求項11】
電気信号を搬送する方法であって、
導電性材料を有するとともに、第一の端部及び前記第一の端部の反対側に配置される第二の端部を有し、前記電気信号を搬送可能に構成される導電性経路に前記電気信号を付与し、
前記導電性経路の長手方向の少なくとも一部に連続的に接触し、前記導電性経路の第一の端部及び第二の端部を覆うとともに、当該第一の端部及び第二の端部を超えて延出される抵抗材料を用いて高周波放射線を吸収し、
複数の枝部を有する前記抵抗材料が無い導電性経路から放出される高周波放射線の量に対して前記導電性経路から放出される高周波放射線の量を減少させるために前記抵抗材料は、前記導電性材料の導電率よりも小さい導電率を有し、かつ、前記抵抗材料は、前記導電性経路から側方に延出する抵抗材料の複数の枝部を有することを特徴とする方法。
【請求項12】
前記抵抗材料は、一連の分節を有するように構成されるとともに、当該各分節は、隣接する分節から離間して配置される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記導電性経路は、前記電気信号を第一の地点から第二の地点まで搬送するように構成され、かつ、前記導電性経路は、前記第一の地点から第二の地点に向けて曲がって配置される請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記抵抗材料は、前記第一の地点から第二の地点に向けて直線的に配置される請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記抵抗材料は、複数の枝部を備え、当該複数の枝部は、前記抵抗材料の対応する一節から側方に延出される請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタに関し、特に、高周波(RF)及びマイクロ波の放射を吸収するフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
プリント回路基板は、電子部品を機械的に支持し、かつ、非導電性材料の基板上に積層された導電性材料のシートからエッチングすることで得られる導電性経路、通路、又は信号経路等によって、電気的に接続するために用いられる。回路基板が異なる種類の電気信号、例えば、直流電流又は長波長の信号に加えてマイクロ波信号又はミリ波信号を導電するような特定の状況が存在する。そのような状況では、短波長の信号は高周波放射線を放出し、それが干渉することで回路基板での直流電流(DC)又は長波長信号のレンダリング操作にとって扱いにくい問題となってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのため、エレクトロニクス産業では、他の信号に影響を及ぼすマイクロ波信号からの干渉を制限又は排除することができる新規な回路基板技術の発展が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第一態様は、電気信号を搬送する装置に関する。本装置は、第一の端部及び前記第一の端部の反対側に配置される第二の端部を有し、前記電気信号を搬送可能に構成される導電性経路と、前記導電性経路の長手方向の少なくとも一部に連続的に接触し、前記導電性経路の第一の端部及び第二の端部を覆うとともに、当該第一の端部及び第二の端部を超えて延出される抵抗材料とを備える。複数の枝部を有する前記抵抗材料が無い導電性経路から放出される高周波放射線の量に対して前記導電性経路から放出される高周波放射線の量を減少させるために抵抗材料は、前記導電性材料の導電率よりも小さい導電率を有し、かつ、前記抵抗材料は、前記導電性経路から側方に延出する抵抗材料の複数の枝部を有する。
【0005】
本発明の第二態様は、電気信号を搬送する方法に関する。本方法は、第一の端部及び前記第一の端部の反対側に配置される第二の端部を有し、前記電気信号を搬送する導電性材料を有する導電性経路に電気信号を付与し、前記導電性経路の長手方向の少なくとも一部に連続的に接触し、前記導電性経路の第一の端部及び第二の端部を覆うとともに、当該第一の端部及び第二の端部を超えて延出される抵抗材料を用いて高周波放射線を吸収するものであり、複数の枝部を有する前記抵抗材料が無い導電性経路から放出される高周波放射線の量に対して前記導電性経路から放出される高周波放射線の量を減少させるために前記抵抗材料は、前記導電性材料の導電率よりも小さい導電率を有し、かつ、前記抵抗材料は、前記導電性経路から側方に延出する抵抗材料の複数の枝部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明をより完全に理解するために、次の簡単な説明を参照する。これらは、添付の図面及び詳細な説明に関連し、参照符号が部材に対応して付されている。
図1】導電性材料の経路と、当該経路の端部に接触し、かつオーバーラップする抵抗材料を有する吸収フィルタを備える回路基板の代表的な実施形態を示す。
【0007】
図2】吸収フィルタの種々の実施形態を示す。
【0008】
図3】抵抗材料の枝部を複数有する吸収フィルタの実施形態を示す。
【0009】
図4】抵抗材料の枝部を複数有する吸収フィルタ及び曲がった導電性経路の実施形態を示す。
【0010】
図5】吸収フィルタを備えない導電性経路のマイクロ波信号の吸収効率を示す。
【0011】
図6】抵抗材料の枝部を複数有する吸収フィルタを備える導電性経路のマイクロ波信号の吸収効率を示す。
【0012】
図7】抵抗材料の枝部を複数有する吸収フィルタを備え、曲がって配置される導電性経路のマイクロ波信号の吸収効率を示す。
【0013】
図8】代表的な実施形態に係る信号を伝送する方法のフローチャートである。
【0014】
図9】代表的な実施形態に係る吸収フィルタを製造する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の装置及び方法に関する一つ又は複数の実施形態の詳細な説明は以下に示されるが、これらは例示として示されるものであり、図面の参照に限定されるものではない。
【0016】
回路基板の代表的な実施形態の斜視図である図1に示されるように、回路基板2は、電気信号3を、第一の地点4から第二の地点5まで伝送又は搬送するように構成される。電気信号は、導電性材料7の経路6を通じて搬送される。一つ又は複数の実施形態では、電気信号3は、マイクロ波信号等、信号を搬送する際にRF放射線を放出する高周波(RF)信号、直流電流(DC)又は低周波信号を含む。「マイクロ波信号」とは、約1mmから約1mまでの範囲の波長を有する信号であり、約0.3GHzから約300GHzに相当する信号を示すものであるが、本発明ではその範囲を超える信号を含むものとする。吸収フィルタ10は、回路基板2上に配置される。吸収フィルタ10は、RF信号が伝送される間に放出されるRF放射線を吸収する。RF放射線を吸収するために、吸収フィルタ10は、経路6が第一の地点4から第二の地点5まで延出される際に、導電性材料7の経路6に接触し、かつ、経路6の二つの端部又は側部(第一の端部11及び第二の端部12)をオーバーラップする(つまり、覆うとともに、それを超えて延出される)抵抗材料9を備えている。RF信号が経路6を通過する際に、電流密度の大きさは経路6の端部の外側で最大となるが、対照的にDC信号電流は経路6内で均等に分布される。外側の端部を抵抗材料9でオーバーラップすることで、RF放射線は抵抗材料9に吸収されることで弱められる。つまり、RF放射線は抵抗材料9内に電流を誘導し、その電流のエネルギーが抵抗材料9の抵抗によって熱として拡散されるのである。これにより、同じ経路6内を通過するDC信号又は低周波信号がRF放射線の影響を受けることがなくなる。図1に示す実施形態では、抵抗材料9は、絶縁性基板13上に配置され、その抵抗材料9の上に導電性材料7が配置されている。
【0017】
電気信号3を搬送する導電性材料7は、これらに限定されるものではないが例えば銅、銀、金等の高い導電性を有する(低損失の)金属である。抵抗材料9は、その抵抗率によってRF誘導電流を熱として拡散されるものであり、導電性材料7の導電率よりも低い導電率を有する(言い換えれば、導電性材料7の抵抗率よりも大きい抵抗率を有する)。一つ又は複数の実施形態では、抵抗材料9は、吸収フィルタ10として利用するために、これに限定されるものではないが例えば25から100オーム毎スクエア(Ω/Sq)の範囲内の所定のシート抵抗を有する抵抗性金属のような抵抗層又はシートを用いて所望の形状に製造される。
【0018】
以下、吸収フィルタ10の種々の実施形態の平面図である図2を用いて説明する。第一の導電性経路21は、DC又は低周波信号20を搬送する。第二の導電性経路22、第三の導電性経路23及び第四の導電性経路24は、RF信号25を搬送する。吸収フィルタ10の実施形態27では、抵抗材料は、抵抗材料9が二つの端部14・15をオーバーラップするように、第二の経路22に接触するように配置される。この実施形態では、導電性経路22及び抵抗材料9は、地点18から地点19に向けて直線的に配置されている。吸収フィルタ10の実施形態28では、抵抗材料9は、一連の枝部又は分節17に配置される。各分節17は隣接する分節17と離間するように設けられている。さらに、各分節17は、端部14・15をオーバーラップするように配置される。吸収フィルタ10の実施形態29では、導電性経路24は地点16から地点26に向けて折り返すように曲がって配置される。曲がるように配置することで異なった複数の節点A・B・C・Dが生成される。対応する節点間で生成されるより高い電位(位相差)は、抵抗材料9によって弱まるRF放射線を発生させる。例えば、節点AからB及び/又は節点CからDである。「曲がる」とは、信号の入力点から出力点まで真っすぐの経路ではない導電性経路を示している。一つ又は複数の実施形態では、曲がった導電性経路は、信号の入力点から出力点まで方向又は道筋に関して正方形、長方形又は曲線の周期変動を有する。導電性経路22・23・24からRF信号25によって放出されるRF放射線は、対応する吸収フィルタ10によって吸収されることにより、第一の導電性経路21によって搬送されるDC又は低周波信号20への干渉が防止され又は制限される。別実施形態では、DC又は低周波信号20は、導電性経路22・23・24の何れかによって搬送される。また、これらの経路上で誘導されるRF信号は、対応する吸収フィルタ10によって吸収され、信号20への干渉が防止又は制限される。
【0019】
以下、吸収フィルタ10の別実施形態の平面図である図3を用いて説明する。図3に示す実施形態では、複数の独立した抵抗材料9が導電性経路30のエッジ31・32を超えて覆うように配置される。複数の枝部33、つまり、抵抗材料9によって構成される複数の枝が抵抗材料9の各部位から、つまり、経路30から側方に向けて延出される。抵抗性の枝部33は、各枝が抵抗材料9の他側の部位に対向する枝を有するように周期的に配置される。一つ又は複数の実施形態では、抵抗性の枝部33は図3に示すようにファン形状を有するものであるが、抵抗材料9から延出された形状であれば他の形状でも良い。
【0020】
以下、吸収フィルタ10の他の実施形態の平面図である図4を用いて説明する。図4に示す実施形態は、図3に示す実施形態と類似であるが、導電性経路30が第一の地点41から第二の地点42に向けて曲がっている点で異なる。本実施形態では、抵抗材料9は一部材であり、曲がった導電性経路30の全てのエッジをオーバーラップしている。他の実施形態では、導電性経路30は一定の幅を有した直線形状であり、抵抗材料9の経路が、抵抗材料9が導電性経路30のエッジ31・32をオーバーラップするように曲がって配置される。
【0021】
RF放射線の吸収効率を評価するために、吸収フィルタ10の異なる実施形態を解析した。参照として、吸収フィルタ10を有しない第一の導電性経路21でRF信号を搬送して解析した。その結果が図5に示される。図3に示す実施形態の吸収フィルタ10を解析した結果が図6に示される。図4に示す実施形態の吸収フィルタ10を解析した結果が図7に示される。図6及び図7は、放出されたRF放射線の量が吸収フィルタ10によって80%以上低減されている。図5から図7の縦軸は、RFパワーの吸収効率を示し、値が1の場合は損失なく伝送又は反射されたことを示す。
【0022】
図8は、電気信号を搬送する方法80のフローチャートである。ブロック81では、第一の端部及び第二の端部を有し、前記電気信号を搬送する導電性材料を有する導電性経路に電気信号を付与する。ブロック82では、少なくとも前記導電性経路の一部に接触し、当該導電性経路の端部を覆うとともにその端部を超えて延出される抵抗材料を用いて高周波放射線を吸収する。前記抵抗材料は、導電性材料の導電率よりも小さい導電率を有する。方法80は、上述した吸収フィルタ10の種々の実施形態(導電性経路を曲げる実施形態を含む)を用いて高周波放射線を吸収することも可能である。
【0023】
図9は、電気信号を搬送する装置を製造する方法90のフローチャートである。ブロック91では、導電性材料層をエッチングして、前記電気信号を搬送し、第一の端部及び第二の端部を有する導電性材料を有する導電性経路を形成する。ブロック92では、抵抗材料層をエッチングして、少なくとも前記導電性経路の一部に接触し、当該導電性経路の端部を覆うとともにその端部を超えて延出される所望形状の抵抗材料を形成する。前記抵抗材料は、導電性材料の導電率よりも小さい導電率を有する。方法90は、導電性材料層をエッチングし、抵抗材料層をエッチングして、上述した種々の吸収フィルタ(導電性経路を曲げる実施形態を含む)を製造しても良い。
【0024】
導電性経路7及び抵抗材料9は、「未加工」として、つまり、回路基板2内に未処理で埋め込まれた層として設けても良い。導電性経路は、半導体回路及び部品を製造する技術を用いて、導電性経路7の層から所望の形状(曲がった導電性経路を含む)にエッチングすることが可能である。同様に、抵抗材料9を用いた吸収フィルタ10の要素は、抵抗材料9の層から所望の形状(抵抗性の枝部を含む)にエッチングすることが可能である。吸収フィルタを製造することに用いるだけでなく、抵抗材料二つの導電性パッド間でエッチングすることで、所望の抵抗値を有した抵抗器を形成することができる。さらに、これらの製造技術は、コスト効果が高く、マイクロ波信号がDC又は低周波信号に干渉することがなく、かつ、回路基板上に存在するように、回路基板上にマイクロ波回路を製造する方法も提供することができる。
【0025】
一つ又は複数の実施形態では、導電性経路は、DC信号をトランジスタ等の能動電子機器に搬送し、バイアスを掛けるために用いても良い。吸収フィルタは、DCバイアス電圧及び電流に干渉し得る任意のRF放射線又はエネルギーを吸収して弱めるために導電性経路(曲がっているものを含む)に適用しても良い。この場合、吸収フィルタは、不安定な操作又は能動電子機器の障害を防止することができる。
【0026】
一つ又は複数の実施形態では、導電性経路及び吸収フィルタは、トランジスタ等の電子機器に調和するインピーダンスに適った四分の一波を生成する。本実施形態では、DC信号は最も抵抗値の低い経路である導電性経路を通過し、その一方で、導電性経路の端部を通過するRF放射線は吸収フィルタ内の抵抗材料によって弱められることから、DC信号のロスがない。
【0027】
実施形態の要素は、単数形によって表現されている。これは、単数又は複数の要素を意味することを意図しているものである。「備える」及び「有する」という表現は、例示した要素の他に追加的な要素を包含することを意図している。少なくとも二つの例示を伴う場合の「又は」という表現は、任意の例示又はそれらの例示の組み合わせを意味することを意図している。「第一」、「第二」、「第三」及び「第四」という表現は、要素を区別するために用いられるものであり、特別な順序を示すものではない。
【0028】
本明細書で示されるフローチャートはあくまで実施例である。本発明の思想から逸脱することなく記載されているこれらのチャート又はステップ(操作)に対して、多くの変形例が存在する。例えば、ステップを異なる順序で実行したり、ステップが追加されたり、削除されたり修正されたりする。これらの変形例の全ては請求の範囲に記載される発明の一部として理解される。
【0029】
本発明は、好ましい実施形態を参照して説明されているが、本発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の変形が可能であること、並びに、同等物を要素に代替することは当業者に寄って理解されるものである。さらに、本発明の範囲を逸脱しない範囲で、本発明の示唆に特定の状況又は材料を適用するために多くの修正を行うことも可能である。従って、本発明は、本発明を実施するための最良の形態として記載された特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明は添付の請求の範囲の範囲内の全ての実施形態を含むものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9