(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6351605
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムの作動方法及び電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムの制御装置
(51)【国際特許分類】
B60T 7/12 20060101AFI20180625BHJP
【FI】
B60T7/12 A
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-537202(P2015-537202)
(86)(22)【出願日】2013年10月11日
(65)【公表番号】特表2015-532240(P2015-532240A)
(43)【公表日】2015年11月9日
(86)【国際出願番号】EP2013071240
(87)【国際公開番号】WO2014060297
(87)【国際公開日】20140424
【審査請求日】2016年10月7日
(31)【優先権主張番号】12188588.3
(32)【優先日】2012年10月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】597007363
【氏名又は名称】クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr−Bremse Systeme fuer Nutzfahrzeuge GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】レヴェンテ バログ
(72)【発明者】
【氏名】ゾルターン ボルダーチュ
【審査官】
竹村 秀康
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−202743(JP,A)
【文献】
特開2012−011969(JP,A)
【文献】
特開平07−144623(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 7/12− 8/1769
B60T 8/32− 8/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(104)の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(100)の作動方法(200)において、
所定のトリガイベントの発生が検出された際に、前記電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(100)の解除動作状態から適用動作状態への移行を開始し、かつ、予め設定可能な待機時間を開始するものであって、
前記所定のトリガイベントは、前記電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(100)を手動で作動させるために設けられている作動装置(130)から独立したイベント、及び/又は、作動装置(130)が障害を起こしている場合に前記電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(100)を解除するために用いられるイベントであり、
前記車両(104)が停止しておりかつ前記予め設定可能な待機時間内に前記車両(104)内の機関が始動されない場合、前記予め設定可能な待機時間が経過した後、前記電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(100)を前記適用動作状態へ移行させ、
前記機関が始動されているか又は前記車両(104)がローリングしている場合、前記予め設定可能な待機時間をリセット及び/又は中断する、
ことを特徴とする作動方法(200)。
【請求項2】
前記所定のトリガイベントは、
・イグニションの遮断、
・前記車両(104)のキャビンドアの外部からのロック、
・イグニションロックからのキーの取り出し、
・前記車両(104)の運転席からの運転者の離席、
・シートベルトバックルの開放、
・前記車両(104)の前記機関の外部からの遮断、
・ギア位置「ニュートラル」又は「パーキング」の選択、
・前記車両(104)のキャビンドアの開放、
・前記車両(104)のタコグラフからのタコグラフ記録の取り出し、
・マスタスイッチのターンオフ、
・前記車両(104)の水平化を行うための命令、
・前記車両(104)の停止、
のうち少なくとも1つを含む、
請求項1記載の作動方法(200)。
【請求項3】
前記車両(104)が停止しているか否かを検査する、
請求項1又は2記載の作動方法(200)。
【請求項4】
前記機関が動作しているか否かを検査し、
前記機関が動作しているか又は停止している場合、前記電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(100)を前記適用動作状態へ移行させる、
請求項1から3までのいずれか1項記載の作動方法(200)。
【請求項5】
前記作動方法(200)を、
・前記車両(104)の速度の検出が不可能であること、
・前記作動方法(200)を終了させる外部命令を受信したこと、
・前記電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(100)が既に適用動作状態へ移行していることが検出されていること、
・ADR車両においてADRメインスイッチ信号の受信が不可能であること、
・前記作動方法(200)を非作動状態にするための、記憶された制御パラメータが検出されたこと、
のうち少なくとも1つのイベントが検出された場合に終了する、
請求項1から4までのいずれか1項記載の作動方法(200)。
【請求項6】
前記電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(100)の前記解除動作状態から前記適用動作状態への移行を開始し、
前記電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(100)の故障、及び、付加的なトリガイベントの発生が検出された場合に、予め設定可能な付加的な待機時間を開始し、
ただし、前記付加的なトリガイベントは、前記電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(100)を手動で作動させるために設けられている作動装置(130)から独立したイベントである、
請求項1から5までのいずれか1項記載の作動方法(200)。
【請求項7】
前記付加的なトリガイベントは、
・所定の閾値を下回る車速が検出されたこと、
・機関が動作していないことが識別されたこと、
・ギア位置「ニュートラル」又は「パーキング」が選択されていること、
・前記電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムを適用するための外部命令が受信されたこと、
・前記車両の運転者が運転席から離席していること、
のうち少なくとも1つのイベントを含む、
請求項6記載の作動方法(200)。
【請求項8】
前記予め設定可能な付加的な待機時間の開始から終了までの間に前記付加的なトリガイベントが検出された場合、前記予め設定可能な付加的な待機時間が経過した後、前記電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(100)を前記適用動作状態へ移行させる、
請求項6又は7記載の作動方法(200)。
【請求項9】
前記車両(104)のブレーキペダルが操作されている場合、前記予め設定可能な付加的な待機時間が経過する前に、前記電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(100)を前記適用動作状態へ移行させる、
請求項1から8までのいずれか1項記載の作動方法(200)。
【請求項10】
前記車両(104)のアクセルペダルが操作されている場合、前記予め設定可能な付加的な待機時間をリセット及び/又は中断する、
請求項1から9までのいずれか1項記載の作動方法(200)。
【請求項11】
車両(104)の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(100)の制御装置(112)であって、
前記制御装置(112)は、請求項1から10までのいずれか1項記載の作動方法(200)を実行するように構成されている、
ことを特徴とする制御装置(112)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムの作動方法に関する。
【0002】
本発明は、さらに、車両の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム用の制御装置に関する。この制御装置は、本発明の方法を実施するように設計されている。
【0003】
車両、例えば多用途車は、通常、車両の走行動作中の制動に用いられる常用ブレーキと駐車状態において制動力を適用して車両の安全を保持するために常用ブレーキから独立に用いられるパーキングブレーキシステムとを有する。常用ブレーキとパーキングブレーキシステムとは、概念的に、車両のブレーキシステムと称される。近年の車両においては、常用ブレーキ並びにパーキングブレーキシステムは電気的に操作されるものが多い。従って、例えば、作動装置によって生成された電気信号が、常用ブレーキ及び/又はパーキングブレーキシステムの制御装置に伝送される。なお、ここで動作制御とは、特には、常用ブレーキ及びパーキングブレーキシステムの解除及び適用である。常用ブレーキ及びパーキングブレーキシステムは、それぞれ、解除動作状態では制動力を形成せず、適用動作状態で制動力を形成する。解除されたブレーキを「開放」ブレーキ、適用されたブレーキを「閉鎖」ブレーキとも称する。
【0004】
通常、主に常用ブレーキが操作されるフェーズと主にパーキングブレーキシステムが操作されるフェーズとの間の移行乃至切り替えは、始動時又は停止時に生じる。ここで、駐車時に車両を安全な位置に停止させるために設けられている作動装置を手動で操作してパーキングブレーキシステムを適用することは、車両の運転者の責任である。
【0005】
パーキングブレーキシステムはふつう運転者によって日常的に繰り返し適用されているが、その明示的実行は、少なくとも短時間、運転者の注意を要する付加的な動作であり、偶発的に忘れられてしまうこともある。
【0006】
従って、本発明の基礎とする課題は、運転者の負荷を軽減しつつ、車両の安全性を高めることである。
【0007】
この課題は、本発明の独立請求項に記載された特徴によって解決される。
【0008】
本発明の有利な実施形態及び別の発展形態は、従属請求項から得られる。
【0009】
本発明は、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムの作動方法を基礎としている。この方法では、所定のトリガイベントの発生が検出された際に、解除動作状態から適用動作状態への移行が開始され、かつ、予め設定可能な待機時間が開始される。上記所定のトリガイベントは、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムを手動で作動させるために設けられている作動装置から独立したイベント、及び/又は、作動装置が障害を起こした場合に電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムを解除するために用いられるイベントである。このようにすれば、パーキングブレーキシステムの作動装置の手動操作から独立にパーキングブレーキシステムを適用することができる。従って、運転者がパーキングブレーキシステムの手動操作を故意にスキップしたり気付かずに忘れたりしても、車両の安全性への悪影響は生じず、例えば車両がブレーキ無しの状態で駐車されることはない。駐車時にパーキングブレーキシステムの手動適用を意図的にスキップできることにより、車両の運転者の負荷が軽減され、車両運転時の快適性が向上する。こうした車両は特には牽引車両であるか又は牽引車両を含む。
【0010】
これに関連して、上記所定のトリガイベントは、
・イグニションの遮断、
・車両のキャビンドアの外部からのロック、
・イグニションロックからのキーの取り出し、
・車両の運転席からの運転者の離席、
・シートベルトバックルの開放、
・車両の機関の外部からの遮断、
・ギア位置「ニュートラル」又は「パーキング」の選択、
・車両のキャビンドアの開放、
・車両のタコグラフからのタコグラフ記録の取り出し、
・マスタスイッチのターンオフ、
・車両の水平化を行うための命令、
・車両の停止、
のうち少なくとも1つを含む。
【0011】
上記各イベントは、個々のトリガイベントの一部分であっても、又は、それぞれ任意に組み合わせたものであってもよい。マスタスイッチとは、例えば、イグニションスイッチから独立した、手動操作可能な、車両エレクトロニクスを作動させる又は非作動状態にするスイッチである。キャビンのドアロックは、例えば、キー及び/又はリモートコントローラを用いて行うことができる。また、機関の外部からの遮断は、車両外部からの外部信号の受信、例えばリモートコントローラを介して車両へ送信された所定の信号の受信を含む。
【0012】
さらに、有利な実施形態によれば、車両が停止しているか否かが検査される。車両が停止しているか否かを検査することにより、走行中のパーキングブレーキシステムの意図しない適用が回避される。当該検査は、例えば常用ブレーキのアンチロックブレーキシステムの一部である回転数センサを用いて行われる。
【0013】
有利には、機関が動作しているか否かが検査され、機関が動作しているか又は停止している場合、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムが適用動作状態へ移行される。このようにすれば、運転者が例えば機関の動作中に常用ブレーキを用いて車両を停止させた場合に直ちにパーキングブレーキシステムが適用され、車両を自動的に安全状態へ移行できる。これに代えて、機関が停止された時点で車両を自動的に安全状態へ移行させてもよい。こうした手段により、特に都市交通の状況又は交通渋滞時に、運転者の負担が軽減される。
【0014】
有利な別の実施形態によれば、本発明の作動方法は、
・車両104の速度の検出が不可能であること、
・本発明の作動方法200を終了させる外部命令を受信したこと、
・電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム100が既に適用動作状態へ移行していることが検出されていること、
・ADR車両においてADRメインスイッチ信号の受信が不可能であること、
・本発明の作動方法200を非作動状態にするための、記憶された制御パラメータが検出されたこと、
のうち少なくとも1つのイベントが検出された場合に終了される。
【0015】
上記各イベントは、本発明の方法の終了の識別子として、単独でも又は任意に組み合わせても用いられる。このようにすれば、生じる結果が予測可能となること、又は、車両の状態変化が制御された状況のもとでしか発生しなくなることが保証される。なお、ADRとは、"European Agreement concerning the International Carriage of dangerous goods by road"の略号である。つまり、危険物を輸送する車両には、ADR信号によって安全装置の操作性及び/又は車両の正常状態及び/又は輸送されている危険物の適正状態を表す付加的な安全装置が設けられる。
【0016】
有利な別の実施形態によれば、車両が停止しておりかつ予め設定可能な待機時間内に機関が始動されない場合、予め設定可能な待機時間が経過した後、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムが適用動作状態へ移行される。このようにすれば、パーキングブレーキシステムは車両が駐車された時点で確実に適用されるようになる。
【0017】
これに関連して、有利な実施形態によれば、機関が始動されているか又は車両がローリングしている場合、予め設定可能な待機時間がリセット及び/又は中断される。当該待機時間のリセットにより、意図された車両状態が誤解されたり、パーキングブレーキシステムが非制御状態で適用されたりすることが回避される。
【0018】
有利には、別の実施形態として、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムの解除動作状態から適用動作状態への移行が開始され、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムの故障、及び、付加的なトリガイベントの発生が検出された場合に、予め設定可能な付加的な待機時間を開始できる。ここでの付加的なトリガイベントとは、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムを手動で作動させるために設けられている作動装置から独立したイベントである。このようにすれば、パーキングブレーキシステムの手動の作動装置が故障した場合にも、パーキングブレーキシステムの適用によって安全に車両を駐車できる。というのは、故障は、特に、パーキングブレーキシステムの手動作動装置に影響したり、及び/又は、作動装置と本発明を実行する制御装置との接続に干渉したりするからである。予め設定可能な付加的な待機時間は、例えば工場でプリセット可能であり、システムパラメータとして記憶可能である。当該システムパラメータは車両のメンテナンス中に電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムの制御装置において修正可能である。
【0019】
これに関連して、有利な実施形態によれば、上記付加的なトリガイベントは、
・所定の閾値を下回る車速が検出されたこと、
・機関が動作していないことが識別されたこと、
・ギア位置「ニュートラル」又は「パーキング」が選択されていること、
・電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムを適用するための外部命令が受信されたこと、
・車両の運転者が運転席から離席していること、
のうち少なくとも1つのイベントを含む。
【0020】
上記付加的なトリガイベントは、個々のトリガイベントの一部分であっても、又は、それぞれを任意に組み合わせたものであってもよい。
【0021】
また、有利な実施形態では、予め設定可能な付加的な待機時間の開始から終了までの間に付加的なトリガイベントが検出された場合、予め設定可能な付加的な待機時間が経過した後、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムが適用動作状態へ移行される。このようにすれば、車両の運転者が実際の意図によって安全に車両を駐車できることが保証される。
【0022】
有利には、別の実施形態として、車両のブレーキペダルが操作されている場合、予め設定可能な付加的な待機時間が経過する前に、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムが適用動作状態へ移行される。このようにすれば、故障時に、常用ブレーキに割り当てられているブレーキペダルの操作が、パーキングブレーキシステムに割り当てられている作動装置の手動操作によって置換される。これは特に、作動装置の故障が検出された場合に有利である。
【0023】
さらに、有利な別の実施形態では、車両のアクセルペダルが操作されている場合、予め設定可能な付加的な待機時間がリセット及び/又は中断される。このようにすれば、故障時に運転者が高い信頼性をもってパーキングブレーキシステムの自動適用に介入でき、実際の意図によってパーキングブレーキシステムを適用できることが保証される。
【0024】
以下に、本発明を、有利な実施例に則して図を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図2】本発明の変更された方法のフローチャートである。
【
図3】電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムの回路図である。
【0026】
以下では、同じ参照番号は同じ部分又は同等の部分を示している。以下に示されるトリガイベント、状態、及び、関連する状況は、車両内に設けられたセンサによって定期的に検出される。
【0027】
図1には、本発明の方法のフローチャートが示されている。
図1に示されている方法200は、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムを解除動作状態から適用動作状態へ移行させるための方法である。方法200は例えば、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムの制御装置によって実行される。方法200は、ステップ201で開始される。ステップ201では、例えば、方法200を実行するために要求される種々の条件が検査される。例えば、方法200の実行又は開始を阻止するシステムパラメータがセットされているか否かが検査される。また、可能であれば、検出すべき故障又は検出可能な故障の検査も実行される。故障が検出された場合、例えば、
図2に示されている変更された方法が開始される。さらに、故障が除去されるまで方法200の実行を阻止するシステムパラメータが設定されてもよい。ステップ201で方法200が開始された後、ステップ202では、所定のトリガイベントが発生しているか否かが検査される。所定のトリガイベントとは、例えば、
・イグニションの遮断、
・車両104のキャビンドアの外部からのロック、
・イグニションロックからのキーの取り出し、
・車両104の運転席からの運転者の離席、
・シートベルトバックルの開放、
・車両104の機関の外部からの遮断、
・ギア位置「ニュートラル」又は「パーキング」の選択、
・車両104のキャビンドアの開放、
・車両104のタコグラフからのタコグラフ記録の取り出し、
・マスタスイッチのターンオフ、
・車両104の水平化を行うための命令、
のうちいずれかを含む。
【0028】
トリガイベントが存在しない場合(ステップ202がノーである場合)、方法200はステップ201へ戻ってリスタートされる。トリガイベントが存在する場合(ステップ202がイエスである場合)、予め設定可能な待機時間が開始され、プロセスはステップ204へ移行して続行される。ステップ204では、車両が停止しているか否かが検査される。車両が停止していない場合(ステップ204がノーの場合)、方法200はステップ201へ戻ってリスタートされる。車両が停止している場合(ステップ204がイエスの場合)、プロセスはステップ206へ移行して続行される。ステップ206では、車両機関、特に車両を駆動するエンジンが動作していないかどうかが検査される。機関が動作している場合(ステップ206がノーの場合)、プロセスはステップ208へ移行して続行される。機関が動作していない場合(ステップ206がイエスの場合)、プロセスはステップ210へ移行して続行される。ステップ208では、パーキングブレーキシステムが適用される。また、パーキングブレーキシステムの適用を表す相応の情報信号をステップ208で出力してもよい。当該情報信号は光信号であっても音響信号であってもよく、特には、トーン信号、信号灯の変化、及び/又は、オンボードコンピュータのディスプレイに表示されるパーキングブレーキシステムの適用を表す記述情報などである。ステップ210では、予め設定可能な待機時間が経過したか否かが検査される。ステップ210で経過が検査される予め設定可能な待機時間とは、例えば検出されたトリガイベントへの応答としてステップ202で開始されていたものである。ステップ212では、ステップ208と同様に、まずパーキングブレーキシステムが適用される。当該待機時間が経過している場合(ステップ210がイエスの場合)、プロセスはステップ212へ移行して続行される。この場合、ステップ208と同様に、相応の情報信号を出力することもできる。ステップ208,212でパーキングブレーキシステムがそれぞれ適用されると、方法200はステップ220へ移行する。ステップ220では、方法200が適正に終了される。
【0029】
予め設定可能な待機時間が経過していない場合(ステップ210がノーの場合)、方法200はステップ214へ移行して続行される。ステップ214では、機関が遮断されているか否かが検査される。機関が遮断されていない場合(ステップ214がノーの場合)、プロセスはステップ216へ移行して続行される。機関が遮断されている場合(ステップ214がイエスの場合)、プロセスはステップ218へ移行して続行される。ステップ216では、再び車両が停止しているか否かが検査される。車両が停止している場合(ステップ216がイエスの場合)、プロセスは再びステップ210へ移行して、再び待機時間の経過が検査される。車両が停止していない場合(ステップ216がノーの場合)、プロセスはステップ218へ移行して続行される。ステップ218では、予め設定可能な待機時間がリセットされる。必要に応じて、待機時間又は残待機時間を、例えば、光学的に車内のオンボードコンピュータのディスプレイ上で、又は、音響的に種々の音響信号によって、運転者に対して表示できる。
【0030】
電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムにおける故障、特に、パーキングブレーキシステムの作動装置の故障、及び/又は、パーキングブレーキシステムの作動装置と制御装置とのインタフェースの故障が検出された場合には、次に説明する変更された方法が開始される。故障の検出は、例えば、
図1の方法200の実行前の開始フェーズ201において要求される前提条件として行うことができる。
【0031】
図2には、変更された方法が示されている。
図2の変更された方法300は、ステップ301で開始される。当該プロセスはステップ301からまずステップ302へ移行する。ステップ302では、パーキングブレーキシステムの故障が検出されたか否かが検査される。故障は、特には、パーキングブレーキシステムの制御部の故障、すなわち、手動作動装置の故障、及び/又は、作動装置と制御装置とのインタフェースの故障である。故障が検出されなかった場合(ステップ302がノーの場合)、変更された方法300はステップ301へ戻ってリスタートされる。パーキングブレーキシステムの故障が検出された場合(ステップ302がイエスの場合)、プロセスはステップ304へ移行して続行される。
【0032】
ステップ304では、付加的なトリガイベントが生じたか否かが検査される。付加的なトリガイベントが生じていない場合(ステップ304がノーの場合)、プロセスはステップ306へ移行して続行される。付加的なトリガイベントが生じている場合(ステップ304がイエスの場合)、予め設定可能な付加的な待機時間が開始又は続行され、プロセスはステップ308へ移行して続行される。ステップ306では、ステップ302で開始された予め設定可能な付加的な待機時間がリセットされる。ステップ306が完了すると、変更された方法300はステップ301へ戻ってリスタートされる。ステップ308では、アクセルペダルが操作されたか否かが検査される。アクセルペダルが操作されている場合(ステップ308がイエスの場合)、プロセスはステップ306へ移行して続行される。アクセルペダルが操作されていない場合(ステップ308がノーの場合)、プロセスはステップ310へ移行して続行される。ステップ310では、ブレーキペダルが操作されているか否かが検査される。
【0033】
ブレーキペダルが操作されている場合(ステップ310がイエスの場合)、プロセスはステップ312へ移行して続行される。ブレーキペダルが操作されていない場合(ステップ310がノーの場合)、プロセスはステップ314へ移行して続行される。ステップ312では、パーキングブレーキシステムが適用される。また、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムの適用を車両の運転者に表示する相応の光信号及び/又は音響信号を出力してもよい。当該信号は、例えば、トーン信号、信号灯の変化、及び/又は、オンボードコンピュータのディスプレイに表示されるパーキングブレーキシステムの適用を表す記述情報(メッセージ)などである。ステップ312に続いて、方法300はステップ318で終了される。
【0034】
ブレーキペダルが操作されていない場合(ステップ310がノーの場合)には、ステップ314で、付加的な待機時間が既に経過したか否かを検査することもできる。付加的な待機時間が経過していない場合(ステップ314がノーの場合)、変更された方法300はステップ301へ戻ってリスタートされる。付加的な待機時間が経過している場合(ステップ314がイエスの場合)には、プロセスはステップ316へ移行して続行される。ステップ316では、ステップ312と同様にパーキングブレーキシステムが適用され、相応の信号が出力される。ステップ316の後、方法300はステップ318で終了される。必要に応じて、待機時間又は残待機時間を、例えば、光学的に車内のオンボードコンピュータのディスプレイ上で、又は、音響的に種々の音響信号によって、運転者に対して表示できる。
【0035】
図2の変更された方法300は、例えば、
図1から知られる方法200を基礎として、例えば周期的に、又は、方法200のステップ201での必要な前提条件の検査が不充分だった場合に、ステップ301から開始することもできる。
図2の変更された方法300のリスタート前に、
図1の方法200のステップ201を周期的に実行して、変更された方法300と基本的な方法200との切り替えを行ってもよい。
【0036】
図3は、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムの回路図の例を示している。図示された、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム100は、逆止弁10を介して(図示されていない)圧縮空気処理システムに接続される。圧縮空気を電磁式供給弁14に供給するための選択的なフィルタユニット12がこの逆止弁10に続いており、この電磁式供給弁は2/2方向制御弁として設計されている。電磁式供給弁14の出力側には、供給線路部分16と選択的な絞り18とを介して、制御弁装置22の第1のワーキングコネクション20が接続されうる。制御弁装置22は、空気制御式3/2方向制御弁として設計可能である。制御弁装置22の第2のワーキングコネクション24は、被牽引車両制御モジュール30の制御入力側26に接続可能である。これにより、被牽引車両連結部の供給接続部34及び制御接続部36を操作可能である。
【0037】
被牽引車両制御分岐線42,44は、セレクトローバルブの入力側に接続される。セレクトローバルブの出力側は、制御弁装置22の制御入力側50に、制御線路48を介して接続され、従って、セレクトローバルブ46は、自身の出力側、すなわち、制御線路48内に、低い方の入力圧力、すなわち、2つの被牽引車両制御分岐線42,44からの低い方の圧力が加えられるように操作される。制御線路48は、さらに、リレー制御線路52とシャトル弁54とを介してリレー弁58のリレー制御入力側56に接続される。リレー弁58には、電磁式供給弁14の上流位置から圧縮空気がリレー供給線路60を介して供給される。リレー出力側線路62は、分岐線64,66につながる。これらの分岐線には、(図示されていない)スプリング式ブレーキシリンダが接続可能である。さらに、常用ブレーキ線路68がシャトル弁54に接続される。
【0038】
制御及び排出弁装置72のポート74は、制御弁装置22のベントポート70に接続可能である。制御及び排出弁装置72の別のポート76には、フィルタユニット12と電磁式供給弁14との間の位置から圧縮空気が供給される。さらに、2/2方向制御弁として設計されている電磁式排出弁78が設けられ、これが供給線路部分16と接続されている。さらに、制御弁装置22の第2のワーキングコネクション24並びにリレー出力側線路62での圧力を検出する圧力センサ80,82が設けられる。圧力センサ80は、例えば、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム100のシフト圧力を測定する。電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム100の供給圧力は、例えば、(図示されていない)逆止弁10とフィルタユニット12との間の圧力センサによって検出される。
【0039】
図3に示されている、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム100は、さらに、(この図には示されていない)第1の制御装置と(同様に図示されていない)手動作動装置とを含むことができる。作動装置は、インタフェースを介して第1の制御装置と接続可能である。作動装置は、パーキングブレーキシステム100の手動での解除及び適用、並びに、被牽引車両テスト機能の手動での開始用に設計されている。
【0040】
図4には、車両の概略図が示されている。
図4は、牽引車両106と被牽引車両108とを含む車両104の概略図を示している。車両104は、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム100と常用ブレーキ110とを含む。ここでの電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム100は、第1の制御装置112と電気的に操作可能なバルブアレイ114とを含んでおり、この電気的に操作可能なバルブアレイ114は、第1の制御装置112によって制御される。電気的に操作可能なバルブアレイ114は、例えば、
図3に示されている回路と結合可能であっても、又は、
図3の回路と同一であってもよい。電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム100は、空気式線路120を介して、少なくとも1つのホイールブレーキ124と結合される。ここで当該ホイールブレーキ124は、牽引車両106の少なくとも1つの軸上にある。さらに、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム100は、空気式線路120を介して、空気式被牽引車両連結部122と接続可能である。空気式被牽引車両連結部122は、被牽引車両制御モジュール30又は制御接続部36と結合可能である。同様に、常用ブレーキ110は、第2の制御装置116とバルブアレイ118とを含む。さらに常用ブレーキ110は、空気式線路120を介して、少なくとも1つのホイールブレーキ124及び空気式被牽引車両連結部122とも接続可能である。この関連において、当業者には、空気式線路120が常用ブレーキ110と、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム100と、空気式被牽引車両連結部122と、ホイールブレーキ124との間の空気式の結合のみを示すことが自明である。なぜなら、例えば、少なくとも1つのホイールブレーキ124の領域内に配置されたコンビネーションシリンダは、常用ブレーキ110とパーキングブレーキシステムとに対する2つの独立したエアコネクションを含んでいるからである。これらは互いに独立して、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム100と常用ブレーキ110とに結合されている。
【0041】
被牽引車両108は、被牽引車両連結部122に、空気式に連結される。ここで空気制御圧力は、被牽引車両108の少なくとも1つの被牽引車両ホイールブレーキ128に、少なくとも1つの空気式線路126を介して伝達される。少なくとも1つの被牽引車両ホイールブレーキ128に関しては、コンビネーションシリンダを設けることもできる。これは、或る程度まで、牽引車両106の空気式線路120と同様に、少なくとも1つの空気式線路126が単純に現存する結合を表すという意味においてである。
【0042】
これまでの説明、図面並びに特許請求の範囲において開示された本発明の特徴は、個々に並びにあらゆる組み合わせにおいて、本発明を実現するのに重要である。
【符号の説明】
【0043】
10 逆止弁、 12 フィルタユニット、 14 電磁式供給弁、 16 供給線路部分、 18 絞り、 20 第1のワーキングコネクション、 22 制御弁装置、 24 第2のワーキングコネクション、 26 制御入力側、 30 被牽引車両制御モジュール、 34 供給接続部、 36 制御接続部、 42,44 被牽引車両制御分岐線、 46 セレクトローバルブ、 48 制御線路、 50 制御入力側、 52 リレー制御線路、 54 シャトル弁、 56 リレー制御入力側、 58 リレー弁、 60 リレー供給線路、 62 リレー出力側線路、 64,66 分岐線、 68 常用ブレーキ線路、 70 ベントポート、 72 制御排出弁装置、 74,76 ワーキングコネクション(ポート)、 78 電磁式排出弁、 80,82 圧力センサ、 100 パーキングブレーキシステム、 102 被牽引車両テスト機能、 104 車両、 106 牽引車両、 108 被牽引車両、 110 常用ブレーキ、 112 第1の制御装置、 114 電動バルブアレイ、 116 第2の制御装置、 118 バルブアレイ、 120,126 空気式線路、 122 被牽引車両連結部、 124 ホイールブレーキ、 128 被牽引車両ホイールブレーキ、 200 方法、 201,301 開始、 202 トリガイベントは発生したか?、 204,216 車両は停止しているか?、 206,214 機関は遮断されているか?、 208,212,312,316 パーキングブレーキを適用する、 210 待機時間は経過したか?、 218 待機時間をリセットする、 220,318 終了、 300 変更された方法、 302 パーキングブレーキシステムに故障が発生したか?、 304 付加的なトリガイベントが発生したか?、 306 付加的な待機時間をリセットする、 308 アクセルペダルは操作されたか?、 310 ブレーキペダルは操作されたか?、 314 付加的な待機時間は経過したか?