特許第6351618号(P6351618)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6351618
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】測定用チップ
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/06 20060101AFI20180625BHJP
【FI】
   G01R1/06 D
【請求項の数】8
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-550005(P2015-550005)
(86)(22)【出願日】2013年12月12日
(65)【公表番号】特表2016-508221(P2016-508221A)
(43)【公表日】2016年3月17日
(86)【国際出願番号】EP2013003757
(87)【国際公開番号】WO2014101984
(87)【国際公開日】20140703
【審査請求日】2016年10月13日
(31)【優先権主張番号】202012012412.9
(32)【優先日】2012年12月28日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506333314
【氏名又は名称】ローゼンベルガー ホーフフレクベンツテクニーク ゲーエムベーハー ウント ツェーオー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100072718
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 史旺
(74)【代理人】
【識別番号】100116001
【弁理士】
【氏名又は名称】森 俊秀
(72)【発明者】
【氏名】ロラント ノイハウザー
【審査官】 續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−194765(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0152689(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0313659(US,A1)
【文献】 特開2001−041975(JP,A)
【文献】 特開平11−258270(JP,A)
【文献】 特開2011−196821(JP,A)
【文献】 特開昭63−065638(JP,A)
【文献】 米国特許第04849689(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体(1)と、前記基体(1)に接続される少なくとも2つの測定用導体(4)と、少なくとも2つの接続用導体とを備え、第1の接続用導体は第1の測定用導体(4)に導電的に接続され、第2の接続用導体は第2の測定用導体(4)に導電的に接続される測定用チップであって、前記少なくとも2つの測定用導体(4)は支持要素に締結され、前記支持要素は着脱自在な締結手段によって前記基体(1)に交換可能に締結され、前記基体(1)は、同軸導体を受容する受容開口(9)が設けられ、前記同軸導体の外側導体(11)が前記受容開口に入れられると前記基体に電気的に接続され、前記基体(1)の前端は、測定用ユニットを受容するように働く凹部(3)が形成され、前記凹部(3)のところまで段付き受容開口を通って延在する前記同軸導体の内側導体は、前記外側導体(11)によってもはや包囲されていない区分において、誘電体としての空気によって前記基体から絶縁される測定用チップ。
【請求項2】
前記締結手段はねじ接続を備えることを特徴とする請求項1に記載の測定用チップ。
【請求項3】
前記測定用導体(4)は回路基板(5)に固定されることを特徴とする請求項1または2に記載の測定用チップ。
【請求項4】
接続経路各々における前記測定用導体(4)と前記接続用導体との電気的接続はばね接触タブを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の測定用チップ。
【請求項5】
前記回路基板は前記ばね接触タブによって前記基体(1)および/または前記接続用導体に接触することを特徴とする請求項3および4に記載の測定用チップ。
【請求項6】
前記ばね接触タブは前記基体(1)および/または前記接続用導体に固定されて前記回路基板(5)の接触領域(6)に接触することを特徴とする請求項5に記載の測定用チップ。
【請求項7】
前記基体(1)および/または前記接続用導体に接触する前記接触領域(6)は前記支持要素の第1の側に配置され、前記測定用導体は前記支持要素の第2の側に配置されることを特徴とする請求項6に記載の測定用チップ。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の測定用チップを構成するシステムであって、いくつかの測定用ユニットが配設され、前記測定用ユニット各々が前記測定用導体(4)と前記支持要素とを備え、前記測定用ユニット全てが前記締結手段によって前記基体(1)に装着されうることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定用チップと、そのような測定用チップを可変に構成するシステムとに関する。
【背景技術】
【0002】
測定用チップは例えば回路基板の機能および電気的特性を検査するために用いられ、そのために測定用チップは接続接触子を介して適切な測定装置に接続される。
【0003】
この一般的なタイプの測定用チップはこのために、支持機能を持つ少なくとも1つの基体を備え、その基体には、一般に空間に自由に突出する接触フィンガーの形態である少なくとも2つの測定用導体が装着される。測定用導体は、基体に同じく装着される接続接触子に直接または間接に電気的に接続される。
【0004】
そのような測定用チップは例えば特許文献1から知られている。この場合において測定用導体は、1つまたは2つの絶縁部に、同一面に整列して確りと接続される。この確りとした接続は、一般に実用上は接着によってなされる。測定用導体と絶縁部(複数)とからなるユニットは、基体の凹部に配置されて基体に確りと接続される。この確りとした接続は、一般に実用上は半田付けまたは溶接によってなされる。
【0005】
回路基板の電子回路を検査するために、測定用チップは回路基板に、測定用導体が回路基板の導体トレースに所定箇所において接触するように配置される。
【0006】
既知の測定用チップは、測定用導体の個数および配置、ならびに測定用導体の接続接触子との電気的接続に関して、特定の測定タスクに合わせて構成される。具体的には、異なる測定タスク向けの測定用チップは特に、測定用導体の個数、測定用導体間距離(所謂「ピッチ」)、ならびに個々の測定用導体の信号伝送用接続接触子または接地用接続接触子のいずれかへの接続の点で異なる。例えば3つの同一面の測定用導体を持つ測定用チップが広範に使用されるが、その場合外側測定用導体は、導電性の基体を介して接地用接続接触子に接続され、中央測定用導体は、信号伝送用接続接触子に接続される。測定用チップのこの設計は「GSG」とも呼ばれ、「G」は「Ground(接地)」を表し、「S」は「Signal(信号)」を表す。2つの接触フィンガーを持つ測定用チップにおいて、可能な構成の両方、すなわち、「GS」および「SG」の両方が広範に使用される。
【0007】
一般的なタイプの測定用チップの既知の構造は、測定タスク各々に対して完全な測定用チップが提供されることを必要とする。また、測定用導体が磨耗した場合、測定用導体のみの交換が不可能である、または不釣合いに時間がかかるため、測定用チップ全体の交換が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第2409166号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この技術水準から出発して、本発明は、一般的なタイプの測定用チップの使用に関連するコストを削減するという課題に基づくものであった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、独立請求項1による測定用チップによって、また、付加的な独立請求項8によるそのような測定用チップを構成するシステムによって解決される。その有利な態様は、従属請求項の主題であり、以下の本発明の説明で解説される。
【0011】
本発明によれば、一般的なタイプの測定用チップは(少なくとも)1つの基体と、基体に接続される少なくとも2つの測定用導体と、少なくとも2つの接続用導体とを備え、第1の接続用導体は第1の測定用導体に導電的に導通し、第2の接続用導体は第2の測定用導体に導電的に導通する。本発明によれば、そのような一般的なタイプの測定用チップはさらに、測定用導体が支持要素に締結され、支持要素が着脱自在な締結手段によって基体に交換可能に締結されるという点において展開される。
【0012】
支持要素を基体に交換可能に装着することにより、例えば、測定用チップを異なる測定タスクに適合させるために、あるいは、例えば測定用チップが損傷または磨耗した場合に測定用チップを同等な測定用チップに交換するためにかなりの労力をかけることなく、(少なくとも)支持要素と、支持要素に装着される測定用導体とを備える測定用ユニットを交換することが可能となる。したがって、接続接触子を持つ基体は、異なる測定タスクに適合した異なる測定用チップの装着に使用されうる。また、単に測定用導体が磨耗または損傷したというだけで、接続接触子を持つ基体を交換する必要もない。
【0013】
支持要素による測定用導体の基体への固定は、測定用導体の一般に非常にデリケートな寸法により(原則的に可能ではあるが)複雑になりうる締結手段の測定用導体との係合が必要ないということを意味する。さらに、測定用チップの機能に関与する、測定用導体の厳密な相対的位置決めが、測定用ユニットの基体への装着に先立って有利に発生しうるため、これは測定用チップの製造を簡略化しうる。
【0014】
したがって、本発明による、とりわけ測定用導体の構成に関して変更されうる、測定用チップを構成するシステムは、各々が測定用導体と支持要素とを備えるいくつかの測定用ユニットを備え、測定用ユニット全てが締結手段によって測定用チップの(1つの)基体に装着されうる。それによって測定用ユニットは、導体の個数および/または配置が異なってもよい。しかし、それらは同一であってもよく、この場合は単に、磨耗または損傷による交換の目的に役立つ。
【0015】
接続用導体は、好ましくは、(少なくとも)1つの内側導体と、内側導体を包囲し、(少なくとも)1つの誘電体によって内側導体から電気的に絶縁される(少なくとも)1つの外側導体とを持つ同軸導体の形態に設計される。このような同軸導体は無線周波数信号の伝送、また高周波数領域での伝送にも有利に適している。これは、好ましくは内側導体が信号導体として働き、外側導体が接地導体である場合に特に該当する。特に好ましくは、測定用チップの同軸導体が(端部区分において)同軸プラグコネクタとして設計され、それが、特に、相手方プラグコネクタが装備される同軸ケーブルまたは剛性の同軸導体によって、測定用チップの測定装置への単純かつ迅速な接続を可能にする。
【0016】
さらに好ましくは、測定用導体が支持要素を越えて、また好ましくは基体も越えて突出して、空間に自由に突出するそれらの先端において、検査対象の電子素子の測定箇所に接触する接触箇所を形成してもよい。これは、導電性材料、特に金属(複数)で好ましくは形成される測定用導体を、検査対象の素子の測定箇所に接触したときに弾性的に撓ませて、確りとした接触を保証する。
【0017】
さらに、有利には、締結手段が(少なくとも)1つのねじ接続を備えてもよく、それは、固定した恒久的な機械的接続(相応に良好な電気的接触を持つ)と、単純かつ迅速な交換可能性との両方が、ねじ接続によって実現されうるからである。しかし、勿論、任意の他の締結手段、例えばスナップロック接続も使用されうる。
【0018】
また、好ましくは、測定用導体が回路基板に固定されてもよい。とりわけこのことは、一方における支持要素または回路基板と測定用導体とからなるユニットと、他方における基体および/または接続用導体との接触が、回路基板によって(すなわち回路基板の導体トレースによって)形成される接触領域を介して実現されることを可能にする。これは、基体および/または接続用導体と、測定用導体との直接の接触を回避させる。これは、単純な手段で、また、異なる測定用導体構成で、標準化された接続インターフェースが実現されることを可能にするため、特に有利である。
【0019】
また、好ましくは、支持要素と測定用導体とを備える測定用ユニットが交換可能であるにもかかわらず再現可能に良好な伝送特性を達成するために、接続経路各々における測定用導体と接続用導体との電気的接続が、ばね撓みから生じる接触圧力で相手方接触要素に接触する少なくとも1つのばね接触タブ、すなわちばね装着接触要素を備えてもよい。これは、劣った伝送特性につながる、測定用ユニットの基体への交換可能な装着の結果としてのありうる位置決め公差を防止する。
【0020】
好ましくは、ばね接触タブが、基体および/または接続用導体に一体化され、または、これらに固定されてもよい。これは、測定用ユニットの相手方接触要素が単純に、特に、回路基板の形態に設計される支持要素の導体トレースの区分として設計されうるということを意味する。
【0021】
本発明による測定用チップのさらに好ましい態様において、基体および/または同軸導体に接触するために設けられる接触箇所が支持要素の第1の側に配置され、測定用導体が、好ましくは第1の側と反対側の支持要素の第2の側に配置される。これは、接触箇所とともに測定用導体が、可能な限り基体の縁部に配置されて、基体の検査対象の電子素子との接触が望ましくない故に制限される測定用チップの自由移動性を比較的大きく許容することを可能にする。
【0022】
本発明を、図面に示す例示的な実施形態を参照して以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明による測定用チップの第1の斜視図である。
図2図1による測定用チップの第2の斜視図である。
図3図1および2による測定用チップの縦断面図である。
図4図1乃至3による測定用チップの一部の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面に示される測定用チップは、基体1を備える。これは例えば真鍮から形成されうる。基体1は後端に3つの取付開口2を有し、それによって測定用チップは図示されていない構造、例えばロボットアームに固定されうる。基体の前端には、測定用ユニットを受容するように働く凹部3が形成される。
【0025】
測定用ユニットは、この例示的な実施形態において、所定の相互間距離で配置され、回路基板5の下面に確りと装着される金属製のいくつかの同一面の測定用導体4を備える。測定用導体4は互いに電気的に絶縁される。測定用導体4は半田付けによって定位置に固定される。3つの測定用導体4は各々、回路基板5の導体トレース(図示せず)を介して回路基板5の上面の接触領域6に電気的に接続される。回路基板5は、ねじ8を受容するように働く、支持板に形成される2つの貫通開口7も有し、それによって測定用ユニットは基体1に交換可能に装着される、または装着されうる。このために、ねじ8は基体1の対応するねじ穴に螺合される。
【0026】
基体1は、同軸導体を受容するように働く受容開口9も有する。同軸導体は、内側導体10と、内側導体10から離間して配置される外側導体11とを備える。同軸導体の一区分において、電気絶縁性材料からなる支持体12は、内側導体10と外側導体11との相対位置を固定する。残りの区分では空気が誘電体として働く。同軸導体はプラグ側端部において(同軸)コネクタを形成する。これは相手方同軸プラグコネクタを受容するように働き、相手方同軸プラグコネクタは例えば同軸ケーブル(図示せず)の一端に配置されうるものであり、それを介して測定用チップは図示されていない測定装置に電気的に接続されうる。
【0027】
同軸導体の外側導体11は、基体1に直接接触するため、基体1に電気的に接続される。凹部3のところまで段付き受容開口を通って延在する内側導体10は、外側導体11によってもはや包囲されていない区分において、誘電体としての空気によって基体1から絶縁される。
【0028】
凹部3の領域において、内側導体10は、回路基板5の接触領域6の最も中央の部分に直接接触する。対照的に、2つの外側の接触領域6は基体1に直接接触し、それにより、図示されていない別の実施形態では、ばね接触タブを介して接触がなされてもよく、ばね接触タブは、公差から生じる回路基板5と基体1との相対位置の偏差がある場合でも確りとした接触を保証するために、基体1に有利に接続される。内側導体10は、内側導体10に好ましくは固定される1つ以上のばね接触タブによっても中央の接触領域6に接触しうる。
【0029】
中央の測定用導体4、中央の接触領域6、これらを接続する回路基板5の導体トレースならびに同軸導体の内側導体10は、測定用チップが電子素子の検査に使用されている場合に信号経路の一部を形成する。対照的に、外側の測定用導体4、外側の接触領域6、これらを接続する回路基板5の導体トレース、基体1ならびに同軸導体の外側導体11は接地接続される。図面に示される測定用チップの測定用導体はしたがって所謂「GSG」構成に設計される。
【0030】
測定用導体4は、回路基板5を越えて、したがって基体1も越えて突出し、その結果空間に自由に突出する。これは、検査対象の素子の所定測定箇所に個々に接触したときに測定用導体4が個々に弾性的に撓みうるということを意味する。これが、測定用チップの位置が電子素子に対して少しねじれている場合でも、測定用導体4全ての測定箇所とのより確りとした接触を確実にする。
【0031】
本発明による測定用チップの設計は、測定用ユニットを、同一または異なる測定用ユニットと単純かつ迅速に交換することを可能にする。これは例えば、新たな測定タスク向けに測定用導体4の異なる構成が必要である場合、または、測定用導体4が磨耗したために測定用ユニットを交換しなければならない場合に実用的でありうる。同軸導体とともに基体1は引き続き使用されうる。
【0032】
測定用ユニットの交換可能性は、設けられる測定用ユニット全ての回路基板5が、基体1および同軸導体からなる同一のユニットとの組み合わせを保証するために、同一に配置される貫通開口7および接触領域6(これらが必要とされる限り)を有することで保証される。
図1
図2
図3
図4