特許第6351634号(P6351634)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィの特許一覧

<>
  • 特許6351634-光学デバイス及び反射鏡を含む装置 図000002
  • 特許6351634-光学デバイス及び反射鏡を含む装置 図000003
  • 特許6351634-光学デバイス及び反射鏡を含む装置 図000004
  • 特許6351634-光学デバイス及び反射鏡を含む装置 図000005
  • 特許6351634-光学デバイス及び反射鏡を含む装置 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6351634
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】光学デバイス及び反射鏡を含む装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20180625BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20180625BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20180625BHJP
【FI】
   F21S2/00 330
   F21S2/00 340
   F21V5/04 650
   F21Y115:10
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-557557(P2015-557557)
(86)(22)【出願日】2014年2月17日
(65)【公表番号】特表2016-510494(P2016-510494A)
(43)【公表日】2016年4月7日
(86)【国際出願番号】IB2014059037
(87)【国際公開番号】WO2014128606
(87)【国際公開日】20140828
【審査請求日】2017年2月16日
(31)【優先権主張番号】61/766,254
(32)【優先日】2013年2月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】バイヤー ヨハネス ゲリット ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ドロス オリバー
【審査官】 鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−016303(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0310028(US,A1)
【文献】 特開2004−259541(JP,A)
【文献】 米国特許第01955599(US,A)
【文献】 米国特許第04700278(US,A)
【文献】 西独国特許出願公開第19915209(DE,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01427029(EP,A2)
【文献】 米国特許第04767172(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0285351(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00−19/00
F21V 1/00−15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半径方向内側ビーム形成部及び前記半径方向内側ビーム形成部を少なくとも部分的に包囲する半径方向外側部を含む光学デバイスと、
光源から反射鏡を介して前記半径方向外側部へと第1の光路が形成されるように、前記光源から直接発せられた光を前記半径方向外側部に向けて第1の方向に反射し、発せられた光は前記反射鏡の焦点から生じる前記反射鏡と、
を含む装置であって、
前記半径方向外側部は、前記第1の光路に沿って前記半径方向外側部に達した入射光が前記第1の方向と平行な方向に前記半径方向外側部を出射するように透明であり、前記光源と前記半径方向外側部との間に直接延びる第2の光路に沿って前記半径方向外側部に達した光に対しては散乱及び減衰の少なくとも一方を行い、
前記半径方向内側ビーム形成部は、前記光源によって発せられた光の一部をコリメートする、装置。
【請求項2】
前記半径方向外側部は、前記第2の光路に沿って前記半径方向外側部に達した光を、当該光の少なくとも一部を複数の方向に分割することによって、散乱させる構造体を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記半径方向外側部は、前記第2の光路に沿って前記半径方向外側部に達した光の少なくとも一部に対して、前記光学デバイスと、前記光学デバイスの屈折率とは異なる屈折率を有する周囲空気との間の少なくとも2つの境界面を示し、前記境界面の第1の境界面は、前記境界面の第2の境界面に対して角度が付けられている、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記半径方向外側部は、前記第2の光路に沿って前記半径方向外側部に達した光の前記少なくとも一部に対して、少なくとも前記第1及び前記第2の境界面と、前記半径方向外側部と周囲空気との間の第3の境界面とを示す、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第3の境界面は、前記第1の境界面及び前記第2の境界面の各々に対して角度が付けられている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記半径方向外側部は、前記第1の光路に沿って前記半径方向外側部に達した光の少なくとも一部に対して、前記光学デバイスと、前記光学デバイスの屈折率とは異なる屈折率を有する周囲空気との間の2つの境界面を示し、前記2つの境界面の各々は互いに平行である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記半径方向外側部は、前記半径方向外側部の第1の主面から延在し半径方向に間隔を空けた複数の突起を示す、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記半径方向外側部は、半径方向に間隔を空け前記反射鏡の光軸上を中心として同心円状の輪を形成する複数の環状突起を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
各突起は、半径方向内側方向に面する半径方向内側側面及び半径方向外側方向に面する半径方向外側側面を示し、前記突起は、前記第2の光路に沿って前記半径方向外側部に達した光が前記内側側面及び前記外側側面の少なくとも一方と作用するように配置される、請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記突起の前記半径方向内側側面と前記第2の光路との角度は、前記半径方向内側側面と前記第1の方向との角度よりも大きく、前記突起の前記半径方向外側側面と前記第2の光路との角度は、前記半径方向外側側面と前記第1の方向との角度よりも大きい、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記突起は、前記第2の光路に沿って前記半径方向外側部に達した光の第1の部分が、前記突起の前記半径方向内側側面において前記突起内へと屈折され、前記突起の前記半径方向外側側面において透過されるように形成される、請求項9又は10に記載の装置。
【請求項12】
前記突起は、前記第2の光路に沿って前記半径方向外側部に達した光の第2の部分が、前記突起の前記半径方向内側側面において前記突起内へと屈折され、前記反射鏡から離れる方向に前記半径方向外側部から透過される又は前記突起内で前記反射鏡に向かう方向に内面反射されるように形成される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記突起は、前記第2の光路に沿って前記半径方向外側部に達した光の第3の部分が、前記半径方向外側側面によって内面反射され、その後に前記反射鏡から離れる方向に前記半径方向外側部によって透過されるように配置される、請求項乃至12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記反射鏡は、反射光をコリメートする、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
光源を更に含み、前記光源は、前記半径方向内側ビーム形成部及び前記反射鏡に向けて光を発する、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明概念は、光学デバイス及び反射鏡を含む装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのタイプの光源(例えば、LED、白熱光源、蛍光光源)は、発散光ビームを発する。光源によるビーム出力のピーク強度を向上させる及び/又は所望のプロファイルを有するビームを提供する為に、集束レンズがランプの出射孔に配置され得る。レンズは、レンズの光軸に沿って、光源からの光の少なくとも一部を集光及び集束し得る。単レンズ光学素子を備えたコンパクトなランプ設計を可能にする集束レンズのタイプの1つは、フレネルレンズである。しかしながら、レンズの光軸から遠く離れるにつれて、レンズの集光効率が悪くなり得る。これは、特にフレネルレンズに当てはまり得る及び集束レンズ一般にも当てはまり得る。従って、ある点を超えると、出射孔及びレンズの拡大は、より多くの光が集められてビームになるという結果を得ることができず、従って、所望のビームプロファイル及び強度増加を得ることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明概念の一般的目的は、上述の欠点を少なくとも部分的に克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明概念のある態様によれば、この目的は、半径方向内側ビーム形成部及び半径方向内側ビーム形成部を少なくとも部分的に包囲する半径方向外側部を含む光学デバイスを含む装置によって対処される。この装置は、光源から反射鏡を介して半径方向外側部へと第1の光路が形成されるように、光源によって発せられた光を半径方向外側部に向けて第1の方向に反射するように配置された反射鏡を更に含む。半径方向外側部は、第1の光路に沿って半径方向外側部に達した入射光が第1の方向と平行な方向に半径方向外側部を出射するように透明である、並びに光源と半径方向外側部との間に直接延びる第2の光路に沿って半径方向外側部に達した光に対しては散乱及び減衰の少なくとも一方を行う。
【0005】
第1の光路に沿って半径方向外側部に達した光は、「反射光」と称される場合がある。第2の光路に沿って半径方向外側部に達した光は、「直接光」と称される場合がある。
【0006】
光学デバイスは、光源によって発せられた光の第1の部分を所望のプロファイルを有する一次ビームに形成し得る。反射鏡は、光学デバイスの少なくとも半径方向外側部に向けて反射光ビームを指向させ得る。半径方向外側部のデザインによって、半径方向外側部に入射した反射光は、実質的に再指向されること無く透過され得る。従って、ある意味では、半径方向外側部は、反射光の透明出射窓として機能することができる。これによって、反射光は、光学デバイスを通って透過される及び一次ビームの強度に寄与することができる。従って、先行技術の集束レンズと比較して、非集束出射窓がレンズの半径方向外側集束部に取って代わる。
【0007】
対照的に、半径方向外側部は、直接光を散乱及び/又は減衰する、並びにそれによって直接光がハロー、即ち、光の二次リングを一次ビームの周りに形成することを防止することができる。観察者にとっては、光の二次リングは、さもなければ、一次ビームの強度に寄与しないグレアとして認識され得る。従って、半径方向外側部は、グレアを生成する直接光が透過されることを防止しながら反射光に対して実質的に透明な出射窓として機能することによって二重機能を提供することができる。従って、この装置は、グレアが望まれない一方で比較的高い強度出力が望まれる適用において使用することが特に有利である。
【0008】
半径方向外側部は、直接光を複数の異なる方向に再指向又は分割させることによって散乱させても良い。
【0009】
ある実施形態によれば、半径方向外側部は、第2の光路に沿って半径方向外側部に達した光を、前記光の少なくとも一部を複数の方向に分割することによって、散乱させるように配置された構造体を含む。これによって、直接光を複数の方向又は「チャネル」へと分割することができる。
【0010】
ある実施形態によれば、半径方向外側部は、第2の光路に沿って半径方向外側部に達した光の一部に対して、異なる屈折率を有する2つの媒体間の少なくとも2つの境界面を示し、前記境界面の第1の境界面は、前記境界面の第2の境界面に対して角度が付けられている。直接光の一部の光線は、第1及び第2の境界面の両方において透過される、並びに、その結果ビームの最初の方向から再指向され得る。この光線はまた、第1及び/又は第2の境界面において、同様にビームの最初の方向とは異なる更なる方向へと部分的に反射され得る。
【0011】
ある実施形態によれば、半径方向外側部は、第2の光路に沿って半径方向外側部に達した光の前記一部に対して、異なる屈折率を有する2つの媒体間の少なくとも第3の境界面も示す。従って、直接光の前記部分は、透過及び屈折され得る、又はまた更なる境界面において部分的に反射され得、直接光の更なる散乱が生じ得る。第3の境界面は、第1の境界面及び第2の境界面の各々に対して角度が付けられても良い。これによって、直接光は、最初のビーム方向から更に一層強く偏向され得る。
【0012】
ある実施形態によれば、半径方向外側部は、第1の光路に沿って半径方向外側部に達した光に対して、異なる屈折率を有する2つの媒体間の2つの境界面を示し、前記2つの境界面の各々は互いに平行である。従って、反射光の少なくとも一部(有利に大部分)は、半径方向外側部によって透過され得る、及び第1の方向、即ち、反射鏡が反射光を指向させる方向と平行な方向に半径方向外側部を出射し得る。前記2つの境界面の一方は、上述の第1の境界面でも良い。
【0013】
ある実施形態によれば、半径方向外側部は、半径方向外側部の第1の主面から延在する及び第1の主面に沿って半径方向に間隔を空けた複数の突起を示す。突起は、直接光を散乱及び/又は減衰させることができる、並びに透過光に明らかに影響を与えること無く反射光を透過させることができる半径方向外側部のシンプルであるが効率的な設計を可能にする。第1の主面は、反射鏡の方に向く又は反射鏡から離れる方向に向く、のいずれかであって良い。突起は、第1の主面上で同心円状の輪として形成されても良い。環状突起は、半径方向内側ビーム形成部を中心としても良い。
【0014】
各突起は、半径方向内側方向に面する半径方向内側側面及び半径方向外側方向に面する半径方向外側側面を示し、突起は、第2の光路に沿って半径方向外側部に達した光が内側側面及び外側側面の少なくとも一方と作用するように配置されても良い。従って、直接光は、突起の側面によって透過又は反射され得る。突起の側面と第2の光路の方向との角度は、前記側面と前記第1の方向との角度よりも大きくても良い。これは、側面と作用する直接光の割合が側面と作用する反射光の割合よりも大きくなることを可能にする。
【0015】
ある実施形態によれば、突起は、第2の光路に沿って半径方向外側部に達した光の第1の部分が、突起の半径方向内側側面において前記突起内へと屈折される、及び前記突起の半径方向外側側面において透過されるように形成される。突起は、第2の光路に沿って半径方向外側部に達した光の第2の部分が、突起の半径方向内側側面において前記突起内へと屈折される、及び反射鏡から離れる方向に半径方向外側部から透過される又は前記突起内で反射鏡に向かう方向に内面反射されるように更に形成されても良い。突起は、第2の光路に沿って半径方向外側部に達した光の第3の部分が、半径方向外側側面によって内面反射される、及びその後に反射鏡から離れる方向に半径方向外側部によって透過されるように更に配置されても良い。各突起は、前記第1の主面と平行な端面及び半径方向外側部の第2の主面を更に示しても良く、第2の主面は、第1の主面と反対側である。端面は、突起の半径方向内側側面と半径方向外側側面との間に延在しても良い。突起のこれらの設計は、反射光が明らかに再指向されること無く透過されることを可能にしながら、装置外で混じり合う(即ち、空間的に重なり合う)ことが無い幾つかの異なるチャネルに直接光を分割することを可能にする。
【0016】
ある実施形態によれば、前記突起は、少なくとも第1、第2及び第3の突起を含み、第1の突起は第2及び第3の突起の半径方向内側に配置される、並びに第2の突起は第3の突起の半径方向内側に配置される。ある任意選択によれば、第1の突起と第2の突起との間の半径方向間隔は、第2の突起と第3の突起との間の半径方向間隔よりも小さい、並びに第1、第2及び第3の突起の高さは等しい。ある任意選択によれば、第1の突起と第2の突起との間、及び第2の突起と第3の突起との間の半径方向間隔は等しい、第1の突起の高さは第2の突起の高さよりも大きい、並びに第2の突起の高さは第3の突起の高さよりも大きい。これらの任意選択は共に、半径方向外側部上の更に半径方向外側の光に関して入射角が増加することを考慮に入れながら、突起の設計を異ならせることを可能にする。ひいては、これは、半径方向外側部に対する材料消費を可能にする、及びその結果光学デバイスが最適化されることを可能にできる。
【0017】
この装置は、光源を更に含んでも良い。光源は、半径方向内側ビーム形成部及び反射鏡に向けて光を発するように配置されても良い。ある実施形態によれば、半径方向内側ビーム形成部は、光源によって発せられた光の一部をコリメートするように配置される。従って、ビーム形成部は、平行一次ビームを形成するように配置されても良い。また、反射鏡は、反射光をコリメートするように配置されても良い。反射鏡は、ビーム形成部によってコリメートされたビームと平行な方向に平行反射光を指向させるように配置されても良い。ある実施形態によれば、ビーム形成部は、集束レンズである。レンズは、一次光ビームを形成する為に、光源によって発せられた発散光分布の一部を集光及び集束し得る。第1の光路は、集束レンズの焦点から反射鏡を介して半径方向外側部へと延びても良い。更に、第2の光路は、集束レンズの焦点と半径方向外側部との間に直接延びても良い。
【0018】
更なる態様によれば、半径方向内側ビーム形成部及び半径方向内側部を少なくとも部分的に包囲する半径方向外側部を含む光学デバイスが提供され、半径方向内側ビーム形成部は、半径方向内側ビーム形成部の光軸に沿って光を集束させるように配置される。半径方向外側部は、第1の方向で半径方向外側部に達した入射光が第1の方向と平行な方向に半径方向外側部を出射するように透明である、並びに第1の方向とは異なる第2の方向で半径方向外側部に達した光に対しては散乱及び減衰の少なくとも一方を行う。半径方向内側ビーム形成部は、光軸に沿って光をコリメートするように配置されても良い。第1の方向は、半径方向内側ビーム形成部の光軸と平行でも良い。また、第2の方向は、半径方向内側ビーム形成部の焦点から半径方向外側部へと延びる光路と一致しても良い。本発明の光学デバイスは、上記に開示された態様との関連で記述された利点を示す装置を提供する為に、反射鏡と共に使用されても良い。上述の詳細、更なる利点及び実施形態を、この更なる態様に準用する。簡潔さの為に、上記の記述は、ここでは繰り返されない。
【0019】
本発明は、クレームに記載された特徴の全ての可能な組み合わせに関することに留意されたい。
【0020】
これより、特に断りのない限り同様の参照符号が全体を通して同様の要素を指す、本発明の実施形態を示す添付の図面を参照して、本発明のこれら及び他の態様がより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1の実施形態によるランプの概略図である。
図2図1のランプの一部の詳細図である。
図3図2におけるランプの一部の詳細図である。
図4図1におけるランプの一部に関するレイトレースを概略的に示す。
図5】第2の実施形態によるランプの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の現在好適な実施形態が示される添付の図面を参照して、これより、本発明概念の態様が、より完全に以下に説明される。但し、本発明は、多くの異なる形態で具体化することができる、及び本明細書に記載された実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、徹底さ及び完全性の為に提供される、並びに当業者に対して本発明の要旨を完全に伝える。
【0023】
図1は、第1の実施形態によるランプ1の概略断面図である。ランプ1は、光源2、集束反射鏡6及び光学デバイス8を含む装置4を含む。図示された実施形態において見られるように、反射鏡6は、放物面反射鏡でも良い。放物面反射鏡を使用する利点は、それが球面収差を最小限に抑え得る点である。しかしながら、代替実施形態では、反射鏡6は、球面鏡等の任意のタイプの集束反射鏡でも良い。球面鏡を使用する利点は、それが比較的製造が簡単となり得る点である。光学デバイス8は、集束レンズの形の半径方向内側ビーム形成部10を更に含む。図示された実施形態において見られるように、レンズ10は、フレネルレンズでも良い。フレネルレンズは、ランプ1のコンパクトな単レンズ設計を可能にする。しかしながら、代替実施形態では、レンズ10は、代わりに両凸又は平凸球面レンズ等の集束球面レンズでも良い。光源2、反射鏡6及びレンズ10は、反射鏡6及びレンズ10の光軸を表す共通軸「A」に沿って配置される。従って、反射鏡6の光軸は、レンズ10の光軸と同軸である。つまり、反射鏡6の光軸は、レンズ10の光軸と一致する。反射鏡6及びレンズ10は、それらそれぞれの焦点が一致するように更に配置される。
【0024】
光学デバイス8は、以下により詳細に説明される、光学的に透明な半径方向外側部12を更に含む。半径方向外側部12は、半径方向外側部12の環状部分を形成する及び半径方向にレンズ10を包囲する。この実施形態では、半径方向は、軸Aに対して垂直である。
【0025】
光源2は、複数の方向に光を発するように配置される。光源2は、例えば、軸Aに沿った発散ビームを発しても良い。光源2は、反射鏡6及びレンズ10それぞれの焦点に配置される。光源2は、例えば、LED、白熱光源、蛍光光源、又はHID光源等を含んでも良い。一部の実施形態では、光源2は、複数の上記光源を含んでも良い。理解を容易にする為に、光源2は点光源であると仮定される。但し、実際には、光源2は、幅のある面に亘って光を発しても良い。
【0026】
光源2によって発せられた光の第1の部分は、レンズ10の受光面に直接向かって進む。レンズ10は、レンズ10の光出射面から光軸Aに沿って平行光ビームが発せられるように、光源2によって発せられた光の第1の部分を集束させるように配置される。レンズ10によって形成された光ビームは、一次光ビーム(図1において「F」で表される近軸光線束によって示される)を形成する。レンズ10によってコリメートされる集束光の実際の比率は、使用されるレンズのタイプ及びどの程度正確にそれが設計されたかによって決まり得ることに留意されたい。しかしながら、集束光Fの少なくとも一部を有利にコリメートすることができる。
【0027】
光源2によって発せられた光の第2の部分は、光源2から反射鏡6に直接向かって進む。反射鏡6は、光源2によって発せられた光を、光学デバイス8に向かって及び半径方向外側部12を通って進む平行光ビームへと反射及び集束させるように配置される。従って、光の第2の部分は、光源2から反射鏡6を介して半径方向外側部12へと延びる真っ直ぐではない光路に沿って進む。光源2によって発せられた及び反射鏡6によって半径方向外側部12に向けて反射された光は、以下において、「反射光」(図1において「R」で表される近軸光線束によって示される)と称される。反射光Rは、反射鏡6と半径方向外側部12との間に延びる直線光路と平行である第1の方向と称される方向に進む。反射鏡6によってコリメートされる反射光Rの実際の比率は、使用される反射鏡のタイプ及びどの程度正確にそれが設計されたかによって決まり得ることに留意されたい。しかしながら、反射光Rの少なくとも一部を有利にコリメートすることができる。
【0028】
半径方向外側部12は、反射光Rが再指向される又は明らかに減衰されること無く、半径方向外側部12によって透過されるように、反射光Rに対して透明であるように配置される。従って、反射光Rの透過された部分は、集束光Fによって形成された一次光ビームの強度に寄与することができる。共に反射光R及び集束光Fは、連続する一次光ビームを形成することができる。
【0029】
光源2によって発せられた光の第3の部分は、光源2から光学デバイス8の半径方向外側部12に直接向かって進む。従って、光の第3の部分は、光源2と半径方向外側部12との間に直接延びる直線光路に沿って進む。光の第3の部分は、「直接光」(図1において「D」で表される光線束によって示される)と称される。直接光Dを形成する光線束の(候補)光線が半径方向外側部12に向かって進む方向は、第2の方向と称される場合がある。半径方向外側部12は、直接光Dに対して散乱又は減衰の少なくとも一方を行うように配置される。従って、直接経路に沿って半径方向外側部12を通って透過された光の強度は、半径方向外側部12に入射した直接光Dの強度よりも明らかに低くなり得る。従って、ランプ1の外側で、直接光Dの強度を有利に低下させることができ、一次ビームの外側で光の二次リング(即ち、グレア)の形成を回避することができる。
【0030】
任意の透明素子がそうであるように、半径方向外側部12は、反射光Rも僅かに減衰させ得る。しかしながら本実施形態では、半径方向外側部12による直接光Dの減衰は、半径方向外側部12による反射光Rの減衰を有利に明らかに超える。つまり、半径方向外側部12は、反射光Rを第1の量だけ減衰させ得る及び直接光Dを第2の量だけ減衰させ得るが、減衰の第2の量は、減衰の第1の量を超える。
【0031】
図1において光線束Dによって概略的に示されるように、直接光Dは、半径方向外側部12上の異なる半径方向位置に入射し得る、及びその結果、僅かに異なる方向から到着し得る。しかしながら、束Dにおける全ての光線は、光源2と半径方向外側部12上の各点との間に直接延びる光路に沿って半径方向外側部12に達する。
【0032】
明瞭さの為に、集束光線F及び反射光線Rは、軸Aの右手側にのみ示され、一方、直接光線Dは、図1において軸Aの左手側に示される。しかしながら、実際には、集束光F、反射光R及び直接光Dは、軸Aに対して回転対称分布で存在し得る。
【0033】
図2は、半径方向外側部12をより詳細に示す詳細図である。半径方向外側部12は、半径方向に間隔を空けた、一般に14で参照される複数の環状突起を含む構造体を示す。各突起14は、軸Aに沿って、反射鏡6から離れる方向及びレンズ10を半径方向に包囲するようにレンズ10に対して周方向に延在する。突起14は、半径方向外側部12の主面22上に配置され軸A上を中心として同心円状の輪を面22上に形成する。面22は、光学デバイス8の光出射面を形成する。半径方向内側突起16(及び更なる突起14の各々も)は、レンズ10に向かって半径方向内側方向に面する半径方向内側側又は側方面16aとレンズ10から離れる半径方向外側方向に面する半径方向外側側又は側方面16bを提供する。突起14は、入射した直接光Dが突起14の内側側面及び外側側面の少なくとも一方において反射される及び/又は透過されるような高さ、幅及び間隔を示す。
【0034】
図3を参照して、この構造体を設計する為に使用され得るレイトレーシング手順がこれより説明される。以下では、突起14が光学デバイス8の光出射面に配置されることが仮定されるが、代わりに、光学デバイスの反対側の光入射面側の面20上に突起を配置することも可能である。その場合、これより説明されるものと類似のやり方で構造体を設計することができる。第1の光線が光源2から点P0までトレースされる。第1の光線は、半径方向外側部12の面20において半径方向外側部12に入射する。第1の光線は、半径方向外側部12内へと屈折されて、点P1において半径方向外側部12から出射する。従って、トレースされた第1の光線は、半径方向外側部12に達する直接光Dの半径方向に最も内側の光線を示す。P0の内側の半径方向位置上で光学デバイス8に入射した光線は、代わりにレンズ10によって屈折される。点P1において出射する際に、第1の光線は、もう一度屈折されて面22から所定の距離hにある点P2にそれが達するまでトレースされる。距離hは、面22上の突起16の高さを定義する。点P2と、レンズ10の半径方向外縁(即ち、点P1)との半径方向距離は、半径方向内側面16aの基点の(半径方向)位置、即ち点P4を決定する。図示された実施形態によれば、半径方向内側面16aは、第1の方向(即ち、反射光Rの方向)に平行して延在する。突起16の半径方向寸法(即ち、幅w)を決定する為に、P3における屈折後に光線がP4を通過するような第2の光線が、光源2から点P3までトレースされる。光線は、高さhに到達し、それによって点P5を定義するまで、P4において屈折無しに伸びる。点P2と点P5との半径方向距離は、半径方向外側面16bの基点の(半径方向)位置、即ち、点P6を決定する。図示された実施形態によれば、半径方向外側面16bは、第1の方向(即ち、反射光Rの方向)に平行して延在する。
【0035】
図示された実施形態では、半径方向内側面16a及び半径方向外側面16bは面22に対して垂直であるが、代替実施形態(以下に更に説明される)では、非垂直構成も可能である。
【0036】
図3に図示されるように突起16を設計することにより、半径方向内側面16aに入射した直接光は、突起16内へと屈折され得る。屈折光の第1の部分は、突起16によって透過され半径方向外側面16bで突起16から離れ得る。屈折光の第2の部分は、光がより大きな角度へと屈折され得る突起16の上面に達し得る。あるいは、光の第2の部分は、反射鏡6に向けて戻る方向に、突起16内で内面全反射され得る。一方、突起16の底面(即ち、点P4とP6との間)を通って突起16に入射する光は、半径方向外側面16bにおいて内面全反射され得る、及び突起16の上面における第2の屈折後に軸Aに対して大角度で離れ得る。上記のレイトレーシングプロセスは、更なる突起14の位置、幅及び高さを得る為に、類似のやり方で繰り返されても良い。
【0037】
直接光Dの一部(例えば、図3においてP0とP3との間の何処かで半径方向外側部に入射する光線)に関して、面20は第1の境界面を形成する、面22は第2の境界面を形成する、半径方向内側面16aは第3の境界面を形成する、及び半径方向外側面16bは第4の境界面を形成し、第3及び第4の境界面は、第1及び第2の境界面に対して角度が付けられている。その一方で、反射光Rの一部(例えば、図3において面20、22に対して垂直な方向に進む光線)に関して、面20は第1の境界面を示す、及び面22(又は光線の軸外距離によっては、突起16の上面)は、第2の境界面を形成し、前記2つの境界面の各々は、互いに平行である。この文脈では、「境界面」は、異なる屈折率、即ち、周囲空気の屈折率及び光学デバイス8が形成された透明材料の屈折率を有する2つの媒体間の境界面として理解され得る。この様に半径方向外側部12を設計することにより、光源2からの直接光Dは、半径方向外側部12によって実質的に不変の方向に透過される代わりに、複数の異なる方向又はチャネルへと分割され得る。その一方で、反射光Rは、明らかに影響を受けること無く、半径方向外側部12によって透過され得る。
【0038】
突起16の高さhは、好ましくは、半径方向に最も内側の第1の光線が半径方向内側面16aの最上部に当たるような高さである。即ち、高さhは、半径方向に最も内側の第1の光線が突起16の半径方向内側面16aによって「捉えられる」ように選択されても良い。この原理を更なる突起14に適用することにより、第1の突起の高さhと、第1の突起と第2の隣接する突起との間の半径方向間隔との比率が、第1の突起と第2の突起との間に延在する面20の接続部分において透過された何れの直接光Dも第2の突起の半径方向内側側面に当たるような比率となり得るという結果となる。比率は、これより大きい必要はないが、設計上の理由から所望であれば、より大きくされても良い。直接光Dの一部のみの散乱又は減衰が許容される場合には、比率は、第1の突起と第2の突起との間に延在する面20の接続部分において透過された直接光Dの一部が半径方向内側面を避ける及び第2の突起を通り越して上側に進むように、より小さくても良い。
【0039】
比率に関する記述から、突起14の全て又は一部が同じ高さを有していても良い、及び隣接する突起14間の半径方向間隔が半径方向外側方向に沿って増加しても良い(図2において見られるように)ことを理解することができる。代替的又は追加的に、突起14の全て又は一部間の半径方向間隔は等しくても良いが、半径方向内側突起の高さは、半径方向外側突起の高さよりも大きい。
【0040】
図4は、半径方向外側部12の突起14が図3に関連して説明された手順に従って設計されたランプ1のレイトレースの結果を示す。簡単にする為に、ランプ1の一部のみに関する、結果として得られた光線が示される。
【0041】
平行な半径方向内側及び外側側面を有する代わりに、各突起14は、第1の方向(即ち、反射光Rの方向)に沿ってテーパー状でも良い、即ち、第1の方向に沿って減少する幅wを示しても良い。突起16を例に示すと、この任意選択によれば、半径方向内側16a及び外側面16bは、第1の方向に対して異なるゼロ以外の角度で延在しても良い。突起16は、半径方向内側16a及び外側面16bがつながって先端を形成するように高さhまで延在されても良い。半径方向内側及び外側面16a、16bが非平行であることによって、半径方向内側面16aにおいて突起に入射する及び半径方向外側面16bにおいて出射する光線は、単に平行がずれるだけでなく、更に一層強く屈折され得る。例えば、半径方向内側面及び半径方向外側面の各々は、第1の方向に対して0〜10°の範囲の角度で延在しても良い。角度をこの範囲に限定することによって、反射光Rの大部分は、半径方向内側又は外側面16a、16bによって明らかに影響を受ける(例えば、屈折される)ことがない。
【0042】
当業者は、本発明が決して上記の実施形態に限定されないことを理解する。それどころか、多くの変更形態及び変形形態が添付の特許請求の範囲の範囲内で可能である。ある変形形態では、各突起14の半径方向内側面(及び場合によっては半径方向外側面も)は、光散乱面(例えば、面16a、16bが粗面化されても良い)を備えていても良い。それによって、入射した直接光Dは、更に散乱され得る。更なる変形形態では、各突起14の半径方向内側面(及び場合によっては半径方向外側面も)は、完全に又は部分的に不透明面として設けられても良い。例えば、各面は、不透明コーティングが与えられても良い。それによって、直接光Dは、阻止され得る(完全不透明面の場合)又は減衰され得る(部分的に不透明面の場合)が、反射光Rは、明らかに影響を受ける(例えば、再指向される又は減衰される)こと無く、半径方向外側部によって透過され得る。
【0043】
図5は、ランプ1に類似したランプの更なる実施形態を示す。但し、それは、突起14の代わりに、半径方向外側部112において一体化された複数の完全又は部分的不透明環状部分又は隔壁114を備えた透明半径方向外側部112を含む光学デバイス108を含む。部分114は、レンズの光軸Aを中心とした同心円状の輪を形成する。部分114の高さは、好ましくは、半径方向外側部112の厚さと等しい。突起14の高さと半径方向間隔との比率の上記記述は、部分114の高さ及び間隔に準用される。好ましくは、この比率は、光源2によって発せられた直接光Dの少なくとも大部分が部分114によって阻止される(完全不透明部分114の場合)又は減衰される(部分的不透明部分114の場合)ような比率である。部分114は、反射光Rの方向と平行な方向に延在する。従って、光源2から反射鏡6を介して半径方向外側部112へと延びる光路に沿って半径方向外側部112に達した光の大部分は、部分114によって明らかに影響を受ける(例えば、再指向される又は減衰される)こと無く、半径方向外側部によって透過され得る。
【0044】
上記では、平行光ビームをもたらす光源2、反射鏡6及びレンズ10の装置が説明されたが、本発明は、他の非コリメート装置にも適用できる。例えば、光源2は、所定量だけ発散する光ビーム(即ち、レンズ10の光軸から発散する光線束F)をレンズ10から得る為に、レンズ10の焦点距離よりも小さいレンズ10からの距離に配置されても良い。光源2は、所定量だけ発散する反射光ビーム(即ち、レンズ10の光軸に対して発散する光線束R)を得る為に、反射鏡6の焦点距離よりも小さい反射鏡6からの距離に更に配置されても良い。レンズ10によって形成される光ビームの発散量は、反射鏡6によって形成される光ビームの発散量と同じでも良い。かかる装置では、突起14に類似した突起が半径方向外側部12上に設けられても良いが、これらは、代わりに、反射光Rの入射方向(従ってこの方向は、レンズ10の軸Aに対して非平行である)に沿って延在する、並びに光源2からの直接光Dが複数の異なる方向に分割されるような幅、高さ及び間隔を示す。この様な突起は、上記で開示した手順と類似したレイトレーシング手順を使用して設計されても良い。代替的に、図5における部分114と類似した部分は、反射光Rの入射方向と平行又はほぼ平行となるように傾斜して半径方向外側部112と一体化されても良い。
【0045】
光学デバイス8、光学デバイス108、及びそれらの上記変形形態は、本発明概念の独立態様の実施形態と見なすことができる。図1及び図5を参照して、それに従って、レンズ等の半径方向内側ビーム形成部10、及び半径方向内側部10を少なくとも部分的に包囲する半径方向外側部12、112を含む光学デバイス8、108が提供され、半径方向内側ビーム形成部10は、半径方向内側ビーム形成部10の光軸Aに沿って光を集束させる、好ましくはコリメートさせるように配置される、並びに半径方向外側部12、112は、好ましくは光軸Aと平行である第1の方向に半径方向外側部12、112に達した入射光が第1の方向と平行な方向に半径方向外側部12、112を出射するように透明である、及び第1の方向とは異なる第2の方向に半径方向外側部12、112に達した光に対しては散乱及び減衰の少なくとも一方を行う。第2の方向は、半径方向内側ビーム形成部10又はレンズの焦点から半径方向外側部12、112に延びる光路と一致し得る。
【0046】
更に、開示された実施形態に対する変形形態は、図面、開示内容、及び添付の特許請求の範囲の研究から、請求項に係る発明の実施において、当業者によって理解され得る及びもたらされ得る。クレームにおいて、「含む」(「comprising」)という用語は、他の要素又はステップを排除しない、及び不定冠詞「a」又は「an」は、複数を排除しない。特定の手段が互いに異なる従属クレームに記載されているという事実だけでは、これらの手段の組み合わせを有利に使用できないことを意味しない。
図1
図2
図3
図4
図5