特許第6351662号(P6351662)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6351662経カテーテル心臓弁送達用の段階的展開装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6351662
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】経カテーテル心臓弁送達用の段階的展開装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20180625BHJP
   A61F 2/966 20130101ALN20180625BHJP
【FI】
   A61F2/24
   !A61F2/966
【請求項の数】16
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-119915(P2016-119915)
(22)【出願日】2016年6月16日
(62)【分割の表示】特願2013-529125(P2013-529125)の分割
【原出願日】2011年9月16日
(65)【公開番号】特開2016-190057(P2016-190057A)
(43)【公開日】2016年11月10日
【審査請求日】2016年6月16日
(31)【優先権主張番号】61/384,032
(32)【優先日】2010年9月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511177374
【氏名又は名称】セント・ジュード・メディカル,カーディオロジー・ディヴィジョン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(72)【発明者】
【氏名】ニッペル,ブラッドリー・シー
(72)【発明者】
【氏名】ワン,フイスン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス,ラルフ・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】デイリー,ジェイコブ・ジェイ
【審査官】 松浦 陽
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−334254(JP,A)
【文献】 特表2010−526609(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0260301(US,A1)
【文献】 米国特許第05391172(US,A)
【文献】 特開2004−130074(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/001309(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/24
A61F 2/966
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折畳み可能な人工心臓弁用の送達装置において、
操作ハンドルであって、
移動空間を内側に画定しているフレームと、
前記移動空間内において長手方向に移動可能になっているキャリッジアセンブリと、
カプラーと、
前記カプラーに対して長手方向に拘束されている、展開アクチュエータと、
を備えている、操作ハンドルと、
カテーテルアセンブリであって、
区画が周りに画定されている第1のシャフトであって、前記第1のシャフトは、前記フレームに接続されており、前記区画は、組み立てられた状態にある前記人工心臓弁を受け入れるように構成されている、第1のシャフトと、
前記キャリッジアセンブリに接続された遠位シースであって、前記人工心臓弁を前記組み立てられた状態に保持するように構成された閉状態と、前記人工心臓弁を完全に展開させるように構成された開状態との間で移動可能になっている、遠位シースと、
を備えている、カテーテルアセンブリと、を備えており、
前記カプラーは、前記カプラーが前記フレームに固定位置において接続され、前記展開アクチュエータの回転が、前記カプラーに対して長手方向に前記キャリッジアセンブリを移動させる、ロック状態と、前記カプラー、前記展開アクチュエータ及び前記キャリッジアセンブリが、前記移動空間内において長手方向に、共に移動可能になる解除状態と、を有し、前記カプラーは、前記解除状態の間に、前記キャリッジアセンブリと共に移動するために、前記キャリッジアセンブリに接続されており、
前記キャリッジアセンブリの前記移動空間内における長手方向の移動が、前記解除状態の間に、前記遠位シースを前記閉状態と前記開状態との間で移動させるようになっており、前記カプラーは、長手方向における複数の前記固定位置のいずれかを選択して前記フレームに係止することで、前記選択した固定位置で前記ロック状態とすることが可能になっている、ことを特徴とする送達装置。
【請求項2】
複数の前記固定位置のそれぞれには、ノッチが設けられ、
前記複数のノッチは、それらの1つに前記ピンが係合可能であり、前記移動空間を定める前記フレームの内側壁に設けられており、
前記ノッチは、前記キャリッジアセンブリが移動する範囲内の近位端から遠位端までの領域に長手方向に連続するように配置され、
前記ロック状態の前記カプラーは、前記フレームに係止されるために、前記ピンが選択された前記ノッチに係合することができるように、前記複数のノッチのうちの1つを選択し、前記カプラーが前記解除状態にあるときに、前記ピンは前記ノッチから外れるように構成されてことを特徴とする請求項1に記載の送達装置。
【請求項3】
記閉状態と前記開状態との間の前記遠位シースの位置に対応する前記カプラーの位置は、前記ピンが前記複数のノッチのいずれかを選択して選択された前記ノッチに係合されることにより、前記固定位置として選ばれて、前記カプラーを前記フレームに係止させることが可能になっていることを特徴とする請求項2に記載の送達装置。
【請求項4】
前記操作ハンドルは、前記キャリッジアセンブリから前記カプラーを通って延在するネジ付きロッドを備えており、
前記展開アクチュエータは、前記ネジ付きロッドに螺合されており、
前記展開アクチュエータの回転が、前記ネジ付きロッドを前記移動空間内において長手方向に移動させるようになっており、
前記展開アクチュエータの第1の方向における回転が、前記キャリッジアセンブリを前記移動空間内において長手方向の近位側に移動させるようになっており、
前記展開アクチュエータの前記第1の方向と逆の第2の方向における回転が、前記キャリッジアセンブリを前記移動空間内において長手方向の遠位側に移動させるようになっている、ことを特徴とする請求項1に記載の送達装置。
【請求項5】
前記ピンは、バネの付勢によって前記ノッチに係合するように構成され、
前記移動空間内における前記複数のノッチのいずれかにおいて、前記ピンが前記バネの付勢に対抗して前記ノッチから離脱するように構成されたラッチ機構をさらに備えている、ことを特徴とする請求項2に記載の送達装置。
【請求項6】
前記操作ハンドルは、ロック位置と解除位置とを有する再鞘入れロックをさらに備えており、
前記ロック位置にある前記再鞘入れロックは、前記キャリッジアセンブリの長手方向における移動を前記移動空間内の停止位置に制限するようになっており、
前記解除位置にある再鞘入れロックは、前記停止位置を超える前記キャリッジアセンブリの移動を可能にするようになっており、
前記停止位置への前記キャリッジアセンブリの移動は、前記遠位シースを前記閉状態と前記開状態との間の状態に移動させ、これによって、前記人工心臓弁が完全に展開されないようになっている、ことを特徴とする請求項1に記載の送達装置。
【請求項7】
前記フレームは、長孔を備えており、
前記再鞘入れロックは、前記再鞘入れロックが前記ロック位置にあるときに前記長孔内において係合されるようになっている後退可能なピンを備えており、
前記長孔内に配置された停止部材が、前記停止位置を画定するようになっている、ことを特徴とする請求項6に記載の送達装置。
【請求項8】
前記停止部材は、前記長孔内において長手方向に移動可能になっており、
これによって、前記停止部材の移動が、前記フレームに対する前記停止位置の箇所を変化させるようになっている、ことを特徴とする請求項7に記載の送達装置。
【請求項9】
前記区画は、第1の長さを有しており、前記移動空間内の前記停止位置は、前記キャリッジアセンブリの移動距離に対応しており、前記移動距離は、前記第1の長さよりも短くなっている、ことを特徴とする請求項6に記載の送達装置。
【請求項10】
前記折畳み可能な人工心臓弁は、第2の長さを有しており、前記移動距離は、前記第2の長さの約80%から約90%の間にある、ことを特徴とする請求項9に記載の送達装置。
【請求項11】
前記カテーテルアセンブリは、外側シャフトをさらに備えており、
前記外側シャフトは、前記キャリッジアセンブリを前記遠位シースに接続しており、前記第1のシャフトを少なくとも部分的に包囲している、ことを特徴とする請求項1に記載の送達装置。
【請求項12】
前記操作ハンドルは、前記第1のシャフトを前記フレームに対して近位側に移動させるように構成された機構をさらに備えている、ことを特徴とする請求項1に記載の送達装置。
【請求項13】
前記機構は、
前記第1のシャフトに接続されたネジ付きロッドであって、長手方向に延在している、ネジ付きロッドと、
前記ネジ付きロッドに螺合されたナットであって、前記フレームに対して長手方向に拘束されている、ナットと、
を備えている、ことを特徴とする請求項12に記載の送達装置。
【請求項14】
前記カテーテルアセンブリは、内側シャフトと、外側シャフトと、をさらに備えており、
前記内側シャフトは、前記キャリッジアセンブリを前記遠位シースに接続しており、
前記第1のシャフトは、前記内側シャフトを少なくとも部分的に包囲しており、
前記外側シャフトは、前記フレームを前記第1のシャフトに接続しており、前記内側シャフトを少なくとも部分的に包囲している、ことを特徴とする請求項1に記載の送達装置。
【請求項15】
前記カテーテルアセンブリは、内側シャフトをさらに備えており、
前記内側シャフトは、前記キャリッジアセンブリを前記遠位シースに接続しており、前記第1のシャフトは、少なくとも、前記内側シャフトを部分的に包囲しており、
前記操作ハンドルは、前記内側シャフトを前記キャリッジアセンブリに対して近位側に移動させるように構成された機構をさらに備えている、ことを特徴とする請求項1に記載の送達装置。
【請求項16】
前記機構は、
前記内側シャフトに接続されたネジ付きロッドであって、長手方向に延在している、ネジ付きロッドと、
前記ネジ付きロッドに螺合されたナットであって、前記キャリッジアセンブリに対して長手方向に拘束されている、ナットと、
を備えている、ことを特徴とする請求項15に記載の送達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2010年9月17日に出願された「経カテーテル心臓弁送達用の段階的展開装置および方法」と題する米国仮特許出願第61/384,032号の利得を主張するものであり、その開示内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、人工心臓弁置換に関し、さらに詳細には、折畳み可能な人工心臓弁の経カテーテル送達用の装置、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
比較的小さい周方向寸法に折畳み可能になっている人工心臓弁は、折畳み可能になっていない弁よりも低侵襲的に患者内に送達されることが可能である。例えば、折畳み可能な弁は、管状送達装置、例えば、カテーテル、トロカール、腹腔鏡器具、などを介して、患者内に送達されるようになっている。この折畳み性によって、より侵襲的な手順、例えば、全開胸手術、すなわち、全心臓切開手術の必要性を回避することができる。
【0004】
折畳み可能な人工心臓弁は、典型的には、ステントに取り付けられた弁構造体の形態を取っている。弁構造体が一般的に取付けられるステントとして、2種類のステント、すなわち、自己拡張型ステントおよびバルーン拡張型ステントが挙げられる。このような弁を送達装置、最終的に、患者内に配置するために、該弁は、まず、その周方向寸法を縮小するために折畳みまたは圧着されねばならない。
【0005】
折畳み可能な人工弁が患者内の所望の移植部位(例えば、人工弁によって置換されるべき患者の心臓弁の弁輪またはその近く)に達したとき、該人工弁は、送達装置から展開または離脱され、十分な作用寸法に再拡張されることになる。バルーン拡張型弁の場合、これは、一般的に、弁の全体を離脱させ、その適切な位置を確定し、次いで、弁ステント内に配置されたバルーンを拡張させることになる。一方、自己拡張型弁の場合、ステントは、弁を覆っているシースが引き出されるにつれて、自動的に拡張することになる。
【0006】
自己拡張型大動脈弁用の従来の送達システムでは、例えば、送達システムが展開のために位置決めされた後、典型的には、弁の大動脈端をシース内に残しながら、弁の弁輪端が最初に鞘出しされ、かつ拡張されるようになっている。いったん弁の弁輪端が拡張されたなら、弁が患者の大動脈弁輪内に再位置決めされる必要があるかどうかが判断されることになる。これを行うには、(外科医または介入循環器専門医のような)ユーザーは、典型的には、弁の弁輪端を再鞘入れし、これによって、折畳まれた状態にある弁を再位置決めすることができる。弁が再位置決めされた後、外科医は、再び、弁を離脱させることができる。
【0007】
いったん自己拡張型弁が完全に展開されたなら、該弁は、折畳まれた状態にある弁を収容していたシースの直径よりも大きい直径に拡張するので、弁の再鞘入れは、不可能であり、最良の場合でも、厄介である。ユーザーが部分的に展開した弁を再鞘入れすることができるようにするには、弁の一部が、シースの内側に折畳まれた状態で残っている必要がある。
【0008】
折畳み可能な人工心臓弁送達プロセスに対して種々の改良がなされてきているにもかかわらず、従来の送達装置、送達システム、および送達方法は、いくつかの欠点を有している。例えば、自己拡張型弁用の従来の送達装置では、部分的な展開中にシース内に残っている弁の程度を制御することが困難であり、ユーザーは、弁の弁輪端が患者の弁輪の最適な位置にあることを確認する前に、不注意によって弁を完全に展開させてしまい、これによって、弁を再鞘入れしかつ再位置決めする機会を逸する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、折畳み可能な人工心臓弁、特に、自己拡張型人工心臓弁の経カテーテル送達用の装置、システム、および方法のさらなる改良が必要とされている。他の利点のなかでも、とりわけ、本発明は、これらの要求の1つまたは複数に対処するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
折畳み可能な人工心臓弁用の送達装置および折畳み可能な人工心臓弁を患者内に送達する方法が、開示されている。
【0011】
折畳み可能な人工心臓弁用の送達装置は、操作ハンドルを備えている。操作ハンドルは、移動空間を内側に画定しているフレームと、移動空間内において長手方向に移動可能になっているキャリッジアセンブリと、カプラーであって、カプラーがフレームに固定位置において接続されるロック状態と、カプラーが移動空間内において長手方向に移動可能になる解除状態とを有しており、キャリッジアセンブリと共に移動するために、キャリッジアセンブリに操作可能に接続されている、カプラーと、を備えている。該送達装置は、カテーテルアセンブリも備えている。カテーテルアセンブリは、区画が周りに画定されている第1のシャフトであって、第1のシャフトは、フレームまたはキャリッジアセンブリの1つに操作可能に接続されており、区画は、組み立てられた状態にある弁を受け入れるように構成されている、第1のシャフトと、キャリッジアセンブリに操作可能に接続された遠位シースであって、弁を組み立てられた状態に保持するように構成された閉状態と、弁を完全に展開させるように構成された開状態との間で移動可能になっている、遠位シースと、を備えている。該送達装置において、キャリッジアセンブリの移動空間内における長手方向の移動が、遠位シースを閉状態と開状態との間で移動させるようになっている。
【0012】
カプラーは、長手方向における複数の固定位置のいずれかにおいて、フレームに選択的に係止可能になっていてもよい。カプラーは、離脱可能なピンを備えていてもよく、フレームは、複数の固定位置にあるノッチを有していてもよく、ピンは、カプラーをフレームに係止するために、ノッチの1つに係合可能になっていてもよい。カプラーは、閉状態と開状態との間の遠位シースの位置に対応する位置において、フレームに選択的に係止可能になっていてもよい。操作ハンドルは、キャリッジアセンブリからカプラーを通って延在するネジ付きロッドと、ネジ付きロッドに螺合された展開アクチュエータであって、カプラーに対して長手方向に拘束されている、展開アクチュエータと、をさらに備えていてもよく、展開アクチュエータの回転が、キャリッジアセンブリを移動空間内において長手方向に移動させるようになっていてもよい。展開アクチュエータの第1の方向における回転が、キャリッジアセンブリを移動空間内において長手方向の近位側に移動させるようになっておいてもよく、展開アクチュエータの第1の方向と逆の第2の方向における回転が、キャリッジアセンブリを移動空間内において長手方向の遠位側に移動させるようになっていてもよい。
【0013】
該送達装置は、移動空間内における複数の長手方向位置のいずれかにおいて、カプラーをフレームに離脱可能に固定するように構成されたラッチ機構をさらに備えていてもよい。 操作ハンドルは、ロック位置と解除位置とを有する再鞘入れロックをさらに備えていてもよく、ロック位置にある再鞘入れロックは、キャリッジアセンブリの長手方向における移動を移動空間内の停止位置に制限するようになっていてもよく、解除位置にある再鞘入れロックは、停止位置を超えるキャリッジアセンブリの移動を可能にするようになっていてもよく、停止位置へのキャリッジアセンブリの移動は、遠位シースを閉位置と開位置との間の状態に移動させ、これによって、弁が完全に展開されないようになっていてもよい。フレームは、長孔を備えていてもよく、再鞘入れロックは、再鞘入れロックがロック位置にあるときに長孔内において係合されるようになっている後退可能なピンを備えていてもよく、長孔内に配置された停止部材が、停止位置を画定するようになっていてもよい。停止部材は、長孔内において長手方向に移動可能になっており、これによって、停止部材の移動が、フレームに対する停止位置の箇所を変化させるようになっていてもよい。
【0014】
区画は、第1の長さを有し、移動空間内の停止位置は、キャリッジアセンブリの移動距離に対応し、移動距離は、第1の距離よりも短くなるようになっていてもよい。折畳み可能な人工弁は、第2の長さを有し、移動距離は、第2の長さの約80%から約90%の間にあるようになっていてもよい。第1のシャフトは、フレームに操作可能に接続されていてもよく、カテーテルアセンブリは、外側シャフトをさらに備えていてもよく、外側シャフトは、キャリッジアセンブリを遠位シースに接続し、第1のシャフトを少なくとも部分的に包囲するようになっていてもよい。第1のシャフトは、フレームに操作可能に接続されていてもよく、操作ハンドルは、第1のシャフトをフレームに対して近位側に移動させるように構成された機構をさらに備えていてもよい。該機構は、第1のシャフトに操作可能に接続されたネジ付きロッドであって、長手方向に延在している、ネジ付きロッドと、ネジ付きロッドに螺合されたナットであって、フレームに対して長手方向に拘束されている、ナットと、を備えていてもよい。
【0015】
第1のシャフトは、キャリッジアセンブリに操作可能に接続されていてもよく、カテーテルアセンブリは、外側シャフトをさらに備えていてもよく、外側シャフトは、フレームを区画に接続し、第1のシャフトを少なくとも部分的に包囲するようになっていてもよい。第1のシャフトは、キャリッジアセンブリに操作可能に接続されていてもよく、操作ハンドルは、第1のシャフトをキャリッジアセンブリに対して近位側に移動させるように構成された機構をさらに備えていてもよい。該機構は、第1のシャフトに操作可能に接続されたネジ付きロッドであって、長手方向に延在している、ネジ付きロッドと、ネジ付きロッドに螺合されたナットであって、キャリッジアセンブリに対して長手方向に拘束されている、ナットと、を備えていてもよい。
【0016】
折畳み可能な人工心臓弁を患者内に送達する方法は、カテーテルアセンブリおよび操作ハンドルを有する送達装置を準備するステップであって、カテーテルアセンブリは、組み立てられた状態にある弁 を受け入れるように構成された区画を備えており、操作ハンドルは、移動空間を内側に画定しているフレームと、移動空間内において長手方向に移動可能になっているキャリッジアセンブリと、キャリッジアセンブリと共に移動するために、キャリッジアセンブリに操作可能に接続されたカプラーと、を備えている、ステップを含んでいる。また、該方法は、弁をカテーテルアセンブリの区画内に装填するステップであって、区画および弁は、カテーテルアセンブリの遠位シースによって覆われるようになっている、ステップと、カテーテルアセンブリを患者内に挿入するステップと、弁を患者内の目標箇所に位置決めするステップと、操作ハンドルのキャリッジアセンブリを移動空間の第1の部分に沿って第1の長手方向に移動させることによって、弁を部分的に展開させるステップと、操作ハンドルのカプラーを直進運動させ、キャリッジアセンブリを移動空間の第2の部分に沿って第1の長手方向に継続的に移動させることによって、弁を完全に展開させるステップと、を含んでいる。
【0017】
操作ハンドルは、キャリッジアセンブリからカプラー内を通って延在するネジ付きロッドと、ネジ付きロッドに螺合された展開アクチュエータであって、カプラーに対して長手方向に拘束されている、展開アクチュエータと、をさらに備えていてもよく、部分展開ステップは、展開アクチュエータを回転させることを含んでいてもよい。操作ハンドルは、ロック位置および解除位置を有する再鞘入れロックをさらに備えていてもよく、ロック位置にある再鞘入れロックは、キャリッジアセンブリの長手方向の移動を移動空間内の停止位置に制限するようになっていてもよく、解除位置にある再鞘入れロックは、停止位置を超えるキャリッジアセンブリの移動を可能にするようになっていてもよい。該方法は、移動空間内の停止位置を設定するために、再鞘入れロックの長手方向における位置を調整することをさらに含んでいてもよい。該方法は、キャリッジアセンブリを第1の長手方向と逆の第2の長手方向に移動させることによって、弁を再鞘入れすることをさらに含んでいてもよい。
【0018】
カテーテルアセンブリは、区画が周りに画定されている第1のシャフトと、キャリッジアセンブリを遠位シースに接続しており、第1のシャフトを少なくとも部分的に包囲している、外側シャフトと、をさらに備えていてもよく、第1のシャフトは、フレームに操作可能に接続されていてもよく、遠位シースは、キャリッジアセンブリに操作可能に接続されていてもよく、弁を部分的に展開させるステップおよび弁を完全に展開させるステップは、各々、外側シャフトをフレームに対して近位側に移動させることを含んでいてもよい。カテーテルアセンブリは、区画が周りに画定されている第1のシャフトをさらに備えていてもよく、第1のシャフトは、フレームに操作可能に接続されていてもよく、遠位シースは、キャリッジアセンブリに操作可能に接続されていてもよく、再鞘入れステップは、第1のシャフトをフレームおよび遠位シースに対して近位側に移動させることを含んでいてもよい。
【0019】
操作ハンドルは、第1のシャフトに操作可能に接続されたネジ付きロッドであって、長手方向に延在している、ネジ付きロッドと、ネジ付きロッドに螺合されたナットであって、フレームに対して長手方向に拘束されている、ナットと、をさらに備えていてもよく、第1のシャフトを移動させるステップは、ナットをネジ付きロッドの周りに回転させることを含んでいてもよい。操作ハンドルは、ロック位置および解除位置を有する再鞘入れロックをさらに備えていてもよく、ロック位置にある再鞘入れロックは、キャリッジアセンブリの長手方向における移動を移動空間内の停止位置に制限するようになっていてもよく、解除位置にある再鞘入れロックは、停止位置を超えるキャリッジアセンブリの移動を可能にするようになっていてもよく、第1のシャフトを移動させるステップは、再鞘入れロックがロック位置にある状態で行われるようになっていてもよい。
【0020】
カテーテルアセンブリは、区画が周りに画定されている第1のシャフトと、フレームを区画に接続しており、第1のシャフトを少なくとも部分的に包囲している、外側シャフトと、をさらに備えていてもよく、第1のシャフトおよび遠位シースは、キャリッジアセンブリに操作可能に接続されていてもよく、弁を部分的に展開させるステップおよび弁を完全に展開させるステップは、各々、第1のシャフトをフレームに対して遠位側に移動させることを含んでいてもよい。カテーテルアセンブリは、区画が周りに画定されている第1のシャフトをさらに備えていてもよく、第1のシャフトおよび遠位シースは、キャリッジアセンブリに操作可能に接続されていてもよく、再鞘入ステップは、第1のシャフトをキャリッジアセンブリに対して近位側に移動させることを含んでいてもよい。
【0021】
操作ハンドルは、第1のシャフトに操作可能に接続されたネジ付きロッドであって、長手方向に延在している、ネジ付きロッドと、ネジ付きロッドに螺合されたナットであって、キャリッジアセンブリに対して長手方向に拘束されている、ナットと、をさらに備えていてもよく、第1のシャフトを移動させるステップは、ナットをネジ付きロッドの周りに回転させることを含んでいてもよい。操作ハンドルは、ロック位置および解除位置を有する再鞘入れロックをさらに備えていてもよく、ロック位置にある再鞘入れロックは、キャリッジアセンブリの長手方向における移動を移動空間内の停止位置に制限するようになっていてもよく、解除位置にある再鞘入れロックは、停止位置を超えるキャリッジアセンブリの移動を可能にするようになっていてもよく、第1のシャフトを移動させるステップは、再鞘入れロックがロック位置にある状態で行われるようになっていてもよい。患者内の目標箇所は、患者の自然大動脈弁輪であるとよい。送達装置の遠位シースは、患者の大腿動脈を通して挿入されるようになっていてもよい。送達装置の遠位シースは、患者の心臓の心尖を通して挿入されるようになっていてもよい。
【0022】
以下、添付の図面を参照して、本発明の種々の実施形態について説明する。これらの図面は、本発明のいくつかの実施形態のみを示しており、本発明の範囲を制限すると見なされるべきではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】経大腿カテーテルアセンブリの遠位部分の側面図と共に示されている、折畳み可能な人工心臓弁用の経大腿送達装置のための操作ハンドルの斜視図である。
図2図1のハンドルの一部の拡大底面図である。
図3】内部を示すために一部が除去されている、図1のハンドルの他の部分の拡大側面図である。
図4】経心尖カテーテルアセンブリの遠位部分の側面図と共に示されている、折畳み可能な人工心臓弁用の経心尖送達装置のための操作ハンドルの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書に用いられる「近位側」および「遠位側」という用語は、開示されている送達装置を用いるユーザーを基準にしている。「近位側」は、ユーザーに比較的近い側として理解されたい。また、「遠位側」は、ユーザーから比較的遠い側として理解されたい。
【0025】
以下、本発明の構造および機能を説明するために、図1,2を参照すると、折畳み可能な人工心臓弁(または他の形式の自己拡張型折畳み可能なステント)用の例示的な経大腿送達装置10は、心臓弁を目標箇所に送達し、該心臓弁を目標箇所において展開するためのカテーテルアセンブリ16と、カテーテルアセンブリからの弁の展開を制御するための操作ハンドル20とを有している。送達装置10は、近位端12から遠位チップ14に延在している。カテーテルアセンブリ16は、(図示されていない)折畳み可能な人工心臓弁を区画23内に受け入れるように構成されている。区画23は、内側シャフト26の周りに画定されており、遠位シース24によって覆われているようになっている。
【0026】
内側シャフト26は、操作ハンドル20内を通って、送達装置の遠位チップ14に延在している。内側シャフト26は、リテーナ25を備えている。リテーナ25は、遠位チップ14から離間した箇所において内側シャフト26に固設されており、折畳み可能な人工弁を区画23内に保持するように構成されている。
【0027】
遠位シース24は、内側シャフト26を包囲しており、区画23を選択的に覆うかまたは露出させるように、内側シャフトに対して摺動可能になっている。遠位シース24の近位端は、外側シャフト22に固設されており、外側シャフト22の近位端は、以下に述べるように、操作ハンドル20に接続されている。遠位シース24の遠位端27は、遠位シースが区画23を完全に覆っているとき、遠位チップ14に当接しており、区画23が少なくとも部分的に露出したとき、遠位チップ14から離間するようになっている。
【0028】
操作ハンドル20は、ユーザーが外側シャフト22を内側シャフト26に対して近位側または遠位側に選択的に摺動させ、これによって、区画23を遠位シース24から露出させるかまたは遠位シース24によって覆うことを可能にすることによって、区画23内に配置された人工弁の展開を制御するように構成されている。内側シャフト26の近位端は、操作ハンドル20の外側フレーム30に操作可能に連結されている(ただし、以下に述べるように、フレームに対する内側シャフトの長手方向位置は、調整可能になっている)。外側シャフト22の近位端は、操作ハンドルのキャッリッジアセンブリ40に固設されている。キャリッジアセンブリ40は、フレームの長軸に沿って摺動可能になっている。従って、ユーザーは、キャリッジアセンブリをフレームに対して摺動させることによって、外側シャフトを内側シャフトに対して選択的に摺動させることができる。
【0029】
止血弁28は、内側シャフト26と外側シャフト22の近位端との間にシールをもたらすように構成された内部ガスケットを備えている。キャリッジアセンブリ40内のガスケット調整ホイール42は、このシールの強さを調整するように構成されている。例えば、止血弁28内のガスケットは、内側シャフト26の周りに配置されたOリングの形態にあってもよいし、またはOリングと外側シャフト22の内面との間に配置されていてもよい。シールの強さが不十分なとき、Oリングと内側シャフト26の外面との間および/またはOリングと外側シャフト22の内面との間に隙間が生じる可能性がある。この隙間をなくすため、ユーザーは、ガスケット調整ホイール42を回転させ、Oリングに内側シャフト26の長手方向に沿って圧縮力を加え、これによって、Oリングを長手方向に圧縮し、Oリングを半径方向に拡張させることができる。半径方向に拡張したOリングは、Oリングと内側シャフト26の外面または外側シャフト22の内面との間の隙間を満たし、これによって、これらの間に液密シールをもたらすことができる。
【0030】
フレーム30は、1対のサイドレール31を備えている。これらのサイドレール31は、近位端12において、近位端部材32によって互いに接合されており、遠位端において、遠位端部材33によって互いに接合されている。サイドレール31、端部材32、および端部材33は、協働して、フレーム30に細長の空間34を画定している。この細長空間34内において、キャリッジアセンブリ40が移動することになる。細長空間34は、好ましくは、キャリッジアセンブリ40が、送達されるべき人工弁の予想長さと少なくとも同程度の距離(例えば、少なくとも約50mm)にわたって、移動することが可能になるようになっており、これによって、遠位シース24は、人工弁の周りから十分に後退することができる。端部材33の拡大孔35は、以下に述べるように、キャリッジアセンブリ40の遠位端から延在するネジ付きロッド36を自在にかつ摺動可能に受け入れるように寸法決めされている。拡大孔35は、滑らかな内面を有しており、ネジ付きロッド36の外径よりもいくらか大きい内径を有している(拡大孔内に位置するネジ付きロッドの縦断面が、図2に示されている)。
【0031】
キャリッジアセンブリ40は、本体41と、フレーム30の長軸に沿って本体41から遠位側に延在するネジ付きロッド36とを備えている。ネジ付きロッド36は、好ましくは、細長空間34内におけるキャリッジアセンブリ40の予想される最大移動距離(例えば、少なくとも約50mm)よりも長くなっている。従って、ネジ付きロッド36は、人工弁の展開中に、拡大孔35から完全に引き出されないことになる。
【0032】
カプラー60は、上部材61および底部材62を備えている。部材61,62は、それらの間に長手方向に延在する1対の溝70を画定するように、互いに接合されている。これらの溝70は、フレーム30のサイドレール31を摺動可能に受け入れるように、寸法決めされ、かつ形作られている。カプラー60の把持および移動を容易にするために、カプラー60の側面66は、垂直方向に延在する隆起67を備えているとよい。上部材61および底部材62は、中心孔71およびポケット72をさらに画定している。中心孔71は、上部材61と底部材62との間に長手方向に延在しており、ネジ付きロッド36を自在にかつ摺動可能に受け入れるように、寸法決めされている。ポケット72は、ネジ付きロッドに螺合している展開アクチュエータ21を受け入れるために、上部材61および底部材62内に垂直方向に延在している。ポケット72は、展開アクチュエータ21を最小クリアンスで受け入れるように、寸法決めされ、かつ形作られている。従って、展開アクチュエータは、ネジ付きロッド36の周りに回転するとき、カプラー60に対して実質的に固定されて保持されている。すなわち、一方向(ネジ付きロッド36のネジ山の方位に依存して、時計方向または反時計方向のいずれか)における展開アクチュエータ21の回転によって、ネジ付きロッド36は、中心孔71内において近位側に移動し、同時にキャリッジアセンブリ40を細長空間34内において近位側に押し出すことになる。同様に、反対方向における展開アクチュエータ21の回転によって、ネジ付きロッド36は、中心孔71内において遠位側に移動し、同時にキャリッジアセンブリを細長空間34内において遠位側に引っ張ることになる。
【0033】
カプラー60は、その互いに反対側の側面66に配置された1対の係止部材80を備えているとよい。各係止部材80は、カプラー60の側面66から端面68に向かって横方向内方に延在するソケット73内に摺動可能に受け入れられるようになっている。係止部材80は、係止部材の内端とソケット73の端面68との間に配置されたバネ81によって、側面66から横方向外方に付勢されている。各係止部材80から上方に延在するピン83は、各サイドレール31の内面39に形成された複数のノッチ37の1つに選択的に係合するように、寸法決めされている。ノッチ37内へのピン83の係合によって、カプラー60および展開アクチュエータ21は、フレーム30に係止され、これによって、展開アクチュエータは、空間34内において直進移動することなく、両方向に回転することが可能になる。バネ81の付勢に対して両方の係止部材80を同時に押し込むことによって、ピン83がノッチ37との係合から離脱し、これによって、カプラー60および展開アクチュエータ21が解放され、フレーム30に対して長手方向に移動さすることが可能になる。
【0034】
展開アクチュエータ21をフレーム30に対して長手方向において拘束することができる機能によって、以下にさらに詳細に説明するように、弁展開操作中のキャリッジアセンブリ40の空間34内における近位側への移動および再鞘入れ操作中のキャリッジアセンブリ40の空間34内における遠位側への移動の両方を注意深く制御する能力が、ユーザーにもたらされることになる。展開アクチュエータ21をフレーム30に対して長手方向に自在に移動させることができる機能によって、展開アクチュエータによって得られる機械的な利点に頼ることなく、キャリッジアセンブリ40を空間34内において近位側または遠位側に全体的に移動させることができる。ただし、このような移動は、容易に制御することができず、むしろユーザーの「感触」に依存することになる。
【0035】
キャリッジアセンブリ40は、再鞘入れロックを備えているとよい。この再鞘入れロックは、外側フレーム30内におけるキャリッジアセンブリの長手方向の移動を制限し、これによって、ユーザーが意図されないときに人工弁の展開を完了させてしまうことを防ぐように、構成されている。再鞘入れロックは、制御部材50を備えている。制御部材50は、長孔46内において、(図1に示されている)遠位位置と(図示されていない)近位位置との間で、長手方向に摺動可能になっている。
【0036】
制御部材50は、キャリッジアセンブリ40の本体41の開口48内に横方向に突出するピン51に操作可能に連結されている。キャリッジアセンブリ40が(図1に示されている)その初期位置にあるとき、開口48は、フレーム30のサイドレール31の長手方向に延在する長孔38の遠位端38’と真っ直ぐに並んでいてもよいし、または長孔の他の位置と真っ直ぐに並んでいてもよい(例えば、図2では、該開口は、長孔の中心近くの位置と真っ直ぐに並んでいる)。制御部材50が(図1に示されている)その最遠位位置にあるとき、ピン51は、開口48を通って長孔38内に延出している。このような状態では、キャリッジアセンブリ40は、フレーム30内において、キャリッジアセンブリの遠位端がカプラー60に接触する初期位置と、ピン51が停止部材52に接触する位置との間で、長手方向に移動することができる。なお、停止部材52は、以下に説明するように、長孔内において長手方向に調整可能になっている。初期位置において、ピン51は、長孔38の遠位端38’に接触していてもよいし、または遠位端38’から所定距離だけ離間していてもよい。制御部材50を近位側に移動させることによって、ピン51は、もはや長孔38内に係合されなくなるまで、横方向内方に移動することになる。従って、この動作によって、キャリッジアセンブリ40は、解放され、フレーム30に対して近位側にさらに移動し、これによって、人工弁を区画23から完全に展開させることが可能になる。
【0037】
制御部材50をここに記載されているピン51に操作可能に連結させるために、ピンの横方向後退を制御するのに有効な本質的にどのような機構が用いられてもよいが、使用可能な例示的なカムに基づく機構が、2010年8月24日に出願された同時係属中の米国特許出願第61/376,425号においてより詳細に検討されている、この開示内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【0038】
停止部材52によって制限される前にキャリッジアセンブリ40が移動することができる初期距離D1は、調整可能である。すなわち、停止部材52は、サイドレールの長手方向に延在する長孔54内に延在するネジ53によって、フレーム30のサイドレール31に固定されている。ネジ53を緩めることによって、停止部材52を長孔38内において所望の位置に向かって近位側または遠位側に摺動させ、該所望の位置において、ネジ53を再び締め付け、停止部材を適所に係止するようになっている。
【0039】
キャリッジアセンブリ40が停止部材52によって制限される前に移動することができる初期距離D1は、展開されることになる特定の人工弁の構造に依存している。好ましくは、キャリッジアセンブリ40の初期移動距離D1は、圧着された弁長さよりも約3mmから約5mm短くなっている。代替的に、キャリッジアセンブリ40の初期移動距離D1は、約40mmから約45mmになっていてもよい。これは、例示的な50mm弁の長さの約80%から約90%である。他の構成では、キャリッジアセンブリ40が移動することができる初期距離D1は、人工弁および/または区画23の長さのある百分率、例えば、50%,60%,70%,75%,85%,または95%として決定されてもよい。
【0040】
図3を参照すると、フレーム30の近位端部材32は、細長空間34の近位端を画定する内側フレーム壁90と、送達装置10の近位端12の近位端12を画定する外側フレーム壁91とを有している。近位端部材32は、中心孔92を備えている。中心孔92は、内側フレーム壁90と外側フレーム壁91との間に長手方向に延在しており、ネジ付きロッド94を自在にかつ摺動可能に受け入れるように寸法決めされている。ポケット93が、ネジ付きロッド94に螺合しているシャフト調整ナット99を受け入れるために、近位端部材32内に垂直方向に延在している。ポケット93は、シャフト調整ナット99を最小クリアランスで受け入れるように、寸法決めされ、かつ形作られている。その結果、シャフト調整ナットは、ネジ付きロッド94の周りに回転したとき、フレーム30に対して実質的に固定して保持されることになる。従って、一方向(ネジ付きロッド94のネジ山の方位に依存して、時計方向または反時計方向のいずれか)におけるシャフト調整ナット99の回転によって、ネジ付きロッド94は、中心孔92内において近位側に移動し、反対方向におけるシャフト調整ナット99の回転によって、ネジ付きロッド94は、中心孔92内において遠位側に移動することになる。
【0041】
ネジ付きロッド94は、該ネジ付きロッド内を長手方向に延在する内部孔95を有している。孔95の遠位部分96は、内側シャフト26の外径と等しいかまたはいくらか大きい内径を有している。孔95の近位部分97は、内側シャフト26の近位端に固定されたハブ19と等しいかまたはいくらか大きい内径を有している。内側シャフト26の周りに延在する環状リブ29が、孔95の遠位部分96に形成された環状溝98内に捕捉されており、内側シャフト26をネジ付きロッド94に長手方向において固定している。その結果、ネジ付きロッド94がシャフト調整ナット99の回転時に長手方向に移動すると、それに付随して、内側シャフト26が長手方向に移動することになる。
【0042】
以下、人工弁を展開させるための本発明の操作について説明する。送達装置10に折畳み可能な人工弁を装填するために、ユーザーは、遠位シース24を後退させ、区画23を露出させ、弁を内側シャフト26の周りに配置し、弁の近位端をリテーナ25に連結させ、弁を圧縮または圧着させ、遠位シース24を区画を覆うように摺動させ、これによって、弁を圧縮状態で保持することになる。この開始状態では、ハンドル20は、キャリッジアセンブリ40がフレーム30内のその最遠位位置にある初期状態にあり、再鞘入れロックは、完全な展開を防ぐためにそのロック位置にあり、カプラー60は、フレーム内においてその最遠位位置にある。
【0043】
操作ハンドル20を用いて(圧縮され、区画23内に挿入され、かつ遠位シース24によって覆われた)人工弁を展開させるために、ユーザーは、展開アクチュエータ21を回転させ、キャリッジアセンブリ40をフレーム30の細長空間34内において近位側に摺動させるとよい。遠位シース24が外側シース22に固設されており、外側シャフト22がキャリッジアセンブリ40に固設されており、その一方(前述したように、フレーム30に対する内側シャフト26の長手方向位置は、調整可能になっているが)内側シャフト26がフレーム30に固定されているので、キャリッジアセンブリをフレームに対して近位側に摺動させることによって、遠位シースは、区画23から近位側に後退し、これによって、区画内に配置された弁が露出し、該弁の展開が開始されることになる。
【0044】
ユーザーは、係止部材80を単に互いに向かって内方に押し込み、カプラー60のロックを解除し、同時にこのカプラーをフレーム30内において近位側に引っ張ることによって、展開アクチュエータ21を用いることなく、展開プロセスを開始してもよいことを理解されたい。カプラー60がフレーム30内において近位側に引っ張られると、カプラー60がネジ付きロッド36および展開アクチュエータ21を介してキャリッジアセンブリ40に連結されていることによって、キャリッジアセンブリが、付随的に近位側に移動することになる。このような動作は、外側シャフト22および遠位シース24に作用する摩擦力に打ち勝つために、かなりの引張力を必要とする。この理由から、遠位シース24の後退を開始するための展開アクチュエータの使用は、好ましい。何故なら、このように使用によって、前述の摩擦力に打ち勝つための機械的利点をユーザーにもたらし、これによって、展開プロセスのさらに良好な制御をユーザーにもたらすからである。
【0045】
遠位シース24が区画23から部分的に後退した後、組織を含む人工弁の部分が完全に露出され、これによって、弁と遠位シースとの間に作用する摩擦力が著しく低減されることになる。この時点で、ユーザーは、係止部材80を互いに向かって押し込みながら、カプラー60およびキャリッジアセンブリ40をフレーム30内において近位側に引っ張ることによって、展開アクチュエータ21を用いることなく、展開プロセスを継続させると好ましい。ユーザーは、キャリッジアセンブリ40を近位側に移動させるために展開アクチュエータ21を用いないので、機械的利点を得られないが、係止部材80を押し込みながら展開プロセスを継続することによって、このようなプロセスをより迅速に完了させることができる。
【0046】
いずれにしても、再鞘入れロックがロック位置にあるので、キャリッジアセンブリ40の近位側への移動は、ピン55が停止部材52に接触するまでしか継続させることができない。この時点で、遠位シース24は、区画23から完全に引き出されておらず、人工弁は、完全に展開されていない。
【0047】
展開手順がこの区切りの箇所に達したとき、ユーザーは、弁の位置を評価し、弁の弁輪が患者の大動脈弁輪に対して適切に位置合せされているかどうかを判断することができる。もし再位置決めが望ましいなら、ユーザーは、展開アクチュエータ21を展開に用いた方向と反対の方向に回転させことによって、弁を再鞘入れするとよい。このような回転によって、ネジ付きロッド36は、キャリッジアセンブリ40が図1,2に示されている開始状態に達するまで、展開アクチュエータ21によって遠位側に前進し、これによって、遠位シース24を区画23および部分的に展開した弁を覆うように遠位側に移動させ、弁の拡張した部分を再び折り畳むことになる。弁が再鞘入れされた状態で、ユーザーは、送達装置10を再位置決めし、展開手順を再び開始することができる。
【0048】
もし展開中に、カプラー60がフレーム30の遠位端部材33から近位側に移動されていたなら、ユーザーは、係止部材80を単に互いに向かって内方に押し込み、カプラー60のロックを解除し、同時にカプラーをフレーム30内において遠位側に押し出すことによって、展開アクチュエータ21を用いることなく、弁を部分的または完全に再鞘入れしてもよいことを理解されたい。カプラー60がフレーム30内において遠位側に押し出されると、カプラーがキャリッジアセンブリに連結されていることによって、キャリッジアセンブリが、付随的に遠位側に移動することになる。このような動作は、外側シャフト22および遠位シース24に作用する摩擦力および弁のステント部分を拡張している弾性力に打ち勝つために、かなりの押出力を必要とする。この理由から、遠位シース24を区画23を再び覆うように移動させるための展開アクチュエータ21の使用は、好ましい。何故なら、このような使用によって、前述の力に打ち勝つための機械的利点がユーザーにもたらされるからである。
【0049】
もし展開中に、ユーザーが弁を部分的に展開し、次いで、弁を再鞘入れしたなら、外側シャフト22および/または内側シャフト26は、一時的または恒久的に変形し、その結果、それらの遠位端が、互いに対して長手方向にずれる可能性がある。再鞘入れ中、前述の摩擦力は、例えば、内側シャフトと外側シャフトの間の約3mmから10mmの全長にわたって、外側シャフト22を長手方向に圧縮し、内側シャフト26を長手方向に引っ張る傾向にある。これらの構成要素のこのような永久変形によって、遠位シース24は、区画23を完全に覆うことができず、遠位シースの遠位端27は、遠位チップ14に当接するのに十分なだけ延出しない可能性がある。
【0050】
遠位チップ14および遠位シース24の相対的な長手方向位置を調整するために、ユーザーは、シャフト調整ナット99を回転させ、ネジ付きロッド94およびそこに固設された内側シャフト26をフレーム30に対して近位側に摺動させるとよい。遠位シース24が外側シャフト22に接続されており、外側シャフト22が内側キャリッジ40に接続されており、従って、フレーム30に対して固定されており、その一方、遠位チップ14が内側シャフト26に接続されているので、内側シャフトをフレームに対して近位側に摺動させることによって、遠位チップが遠位シースに対して近位側に摺動することになる。これは、遠位チップが遠位シースの遠位端27に当接し、区画が完全に覆われるまで、継続されるとよい。
【0051】
いったん弁が大動脈弁輪に対して適切に位置決めされたなら、ユーザーは、展開プロセスを完了させるとよい。これを行うために、ユーザーは、再鞘入れロックの制御部材50をロック位置から解除位置に摺動させ、これによって、ピン51を後退させるとよい。その結果、キャリッジアセンブリ40は、解放され、停止部材52を超えて近位側に移動することができる。ユーザーは、展開アクチュエータ21を回転させることによって、または係止部材80を互いに対して内方に押し込みながら、カプラー60を掴んでフレーム30内において近位側に引っ張ることによって、キャリッジアセンブリ40を近位側に摺動させ、弁の展開を継続的に行うことができる。弁が鞘出しされると、弁のステント部分が自己拡張し、リテーナ25から脱係合し、これによって、弁をカテーテルアセンブリ16から離脱させることができる。
【0052】
図4を参照すると、折畳み可能な人工心臓弁(または他の形式の自己拡張型折畳み可能なステント)用の例示的な経心尖送達装置110は、心臓弁を目標箇所に送達し、該心臓弁を目標箇所において展開させるためのカテーテルアセンブリ116と、カテーテルアセンブリからの弁の展開を制御するための操作ハンドル120とを備えている。送達装置110は、近位端112から遠位チップ114に延在している。カテーテルアセンブリ116は、折畳み可能な人工心臓弁(図示せず)を区画123に受け入れるように構成されている。区画123は、管状支持シャフト121の周りに画定されており、遠位シース124によって覆われるようになっている。
【0053】
支持シャフト121は、1対の互いに離間したリテーナ125,127間に延在している。リテーナ125,127は、支持シャフト121に固設されており、区画123の両端を画定している。折畳み可能な人工弁は、区画123のリテーナ125,127間において支持シャフト121の周りに組み込まれるようになっている。
【0054】
遠位シース124は、支持シャフト121を包囲しており、区画123を選択的に覆うかまたは露出させるように、支持シャフトに対して摺動可能になっている。遠位シース124は、その遠位端が遠位チップ114に固設されており、その近位端が、図4に示されているように、遠位シースが区画を完全に覆っているとき、リテーナ127に当接するようになっている。区画123が少なくとも部分的に露出したとき、遠位シース124の近位端129は、リテーナ127から離間することになる。
【0055】
送達装置は、外側シャフト122をさらに備えている。外側シャフト122の近位端は、操作ハンドル120に接続されており、外側シャフト22の遠位端は、リテーナ127に接続されている、内側シャフト126が、操作ハンドル120および支持シャフト121を通って、遠位チップ114に延在している。従って、遠位シース124が遠位チップ114に接続されていることによって、内側シャフト126は、遠位シースの近位方向および遠位方向の移動を制御することができる。
【0056】
操作ハンドル120は、ユーザーが、内側シャフト126およびそこに取り付けられた遠位シース124を支持シャフト121に対して遠位側または近位側に選択的に摺動させ、これによって、区画123を遠位シースから露出させるかまたは遠位シースによって覆うことを可能にすることによって、区画123内に配置された人工弁の展開を制御するように構成されている。外側シャフト122の近位端は、操作ハンドル120の外側フレーム130に接続されており、内側シャフト126の近位端は、操作ハンドルのキャリッジアセンブリ140に接続されている。キャリッジアセンブリ140は、フレームの長軸に沿って摺動可能になっている(ただし、キャリッジアセンブリに対する内側シャフトの長手方向位置は、以下に述べるように、調整可能になっている)。従って、ユーザーは、キャリッジアセンブリをフレームに対して摺動させることによって、内側シャフトを外側シャフトに対して選択的に摺動させることができる。止血弁128が、内側シャフト126と外側シャフト122の近位端との間にシールをもたらすように構成された内部ガスケットを備えている。このシールの強さは、前述の調整ホイール42と実質的に同様に機能するガスケット調整ホイール142によって調整されるようになっている。
【0057】
フレーム130は、1対のサイドレール131を備えている.これらのサイドレール131は、その近位端112において、端部材132によって互いに接合されており、その遠位端において、端部材133によって互いに接合されている。サイドレール131、端部材132、および端部材133は、協働して、フレーム130に細長空間134を画定しており、この細長空間134内において、キャリッジアセンブリ140が移動するようになっている。近位端132の拡大孔135は、以下に説明するように、キャリッジアセンブリ140の近位端から延在する(図4に示されていない)ネジ付きロッドを自在にかつ摺動可能に受け入れるように、寸法決めされている。キャリッジアセンブリ140は、本体141と、本体141からフレーム130の長軸に沿って近位側に延在するネジ付きロッドとを備えている。
【0058】
カプラー160は、図1,2を参照して前述したカプラー60と全く同じように構成されているとよい。カプラー160に含まれている係止部材180は、前述の係止部材80と同じ構造および機能を有しているとよい。すなわち、係止部材180は、各々、カプラー160をフレーム130に対して長手方向の固定位置に係止するために、各サイドレール131の内面139に形成されたノッチ137と協働するピン(図示せず)を備えているとよい。しかし、カプラー160は、キャリッジアセンブリ140の近位側および近位端部材132の遠位側において、サイドレール131に摺動可能に係合されている。カプラー160のポケット172内に配置された展開アクチュータ121は、キャリッジアセンブリ140から延在するネジ付きロッドに螺合している。一方向(キャリッジアセンブリ140のネジ付きロッドのネジ山の方位に依存して、時計方向または反時計方向のいずれか)における展開アクチュエータ121の回転によって、ネジ付きロッドは、カプラー160の中心孔171内において近位側に移動し、同時にキャリッジアセンブリ140を近位端部材132に向かって近位側に引っ張ることになる。同様に、反対方向における展開アクチュエータ121の回転によって、キャリッジアセンブリ140のネジ付きロッドは、中心孔171内において遠位側に移動し、同時にキャリッジアセンブリを細長空間134内において遠位側に押し出すことになる。
【0059】
操作ハンドル120は、ユーザーが不注意によって区画123内に配置された弁の展開を完了させてしまうのを防ぐために、再鞘入れロック機構も備えているとよい。再鞘入れロック機構は、再鞘入れロック部材155を備えているとよい。再鞘入れロック部材155は、キャリッジアセンブリ140の遠位方向の移動の経路を妨げるために、フレーム130のサイドレール131を通って細長空間134内に突出している。従って、再鞘入れロック部材155は、弁の完全な展開が行なわれる前にキャリッジアセンブリ140が移動することができる初期距離を画定している。再鞘入れロック部材155は、該ロック部材を空間134内にもはや突出し得なくなるのに十分な量だけ後退させることによって、解除位置に移動させることができる。再鞘入れロック部材155が解除位置にある状態では、キャリッジアセンブリ140は、遠位側に継続的に移動することができ、これによって、弁を完全に展開させることができる。任意選択的に、ロック部材155は、フレーム130から完全に取外し可能かつ廃棄可能になるように設計されていてもよい。代替的に、図1,2を参照して説明した再鞘入れロック機構、または適切な構成を有する任意の他の再鞘入れロック機構が、再鞘入れロック部材155に代わって、操作ハンドル120内に組み入れられてもよい。
【0060】
キャリッジアセンブリ140は、長手方向孔192を有している。この孔192は、キャリッジアセンブリ140内に部分的に延在しており、ネジ付きロッド194を自在にかつ摺動可能に受け入れるように寸法決めされている。ポケット193が、ネジ付きロッド194に螺合しているシャフト調整ナット199を受け入れるために、キャリッジアセンブリ140内に垂直方向に延在している。ポケット193は、シャフト調整ナット199を最小クリアランスで受け入れるように寸法決めされ、かつ形作られている。その結果、シャフト調整ナットは、ネジ付きロッド194の周りに回転したとき、フレーム130に対して実質的に固定して保持されている。従って、一方向(ネジ付きロッド194のネジ山の方位に依存して、時計方向または反時計方向のいずれか)におけるシャフト調整ナット199の回転によって、ネジ付きロッド194は、孔192内において近位側に移動し、反対方向におけるシャフト調整ナット199の回転によって、ネジ付きロッド194は、孔192内において遠位側に移動することになる。ネジ付きロッド194は、該ロッド194内を長手方向に延在する内部孔を有している。この孔は、内側シャフト126の近位端を受け入れるように寸法決めされている。ネジ付きロッド194への内側シャフト126の取付け部は、前述したネジ付きロッド94への内側シャフト26の取付け部と同様の構造を備えている。
【0061】
人工弁を区画123から展開させるための操作ハンドル120の操作は、図1−3を参照して前述した操作ハンドル20の操作と同様である。ユーザーは、展開アクチュエータ121を回転させ、キャリッジアセンブリ140をフレーム130の細長空間134内において遠位側に摺動させ、これによって、遠位シース124を区画123に対して遠位側に押し出し、区画内に配置された弁を露出させ、該弁の展開を開始させることになる。
【0062】
遠位シース124の移動が区画123を部分的に露出させた後、ユーザーは、係止部材180を互いに向かって内方に押し込み、カプラー160のロックを解除し、同時にカプラーをフレーム130内において遠位側に押し出すことによって、展開アクチュエータ121を用いることなく、展開プロセスを継続させてもよい。カプラー160がフレーム130内において遠位側に押し出されると、カプラーがネジ付きロッド(図示せず)および展開アクチュエータ121によってキャリッジアセンブリ140に連結されていることによって、キャリッジアセンブリおよびそれと共に遠位シース124が、遠位側に付随的に移動することになる。操作ハンドル20を参照して前述した展開プロセスと同様、係止部材180を押し込みながら展開プロセスを行うことによって、このようなプロセスをより迅速に完了させることができる。
【0063】
再鞘入れロック部材155がロック位置にあるので、キャリッジアセンブリ140の遠位側の移動は、キャリッジアセンブリの遠位端がロック部材に接触するまでしか継続されないことになる。この区切りの箇所において、遠位シース124は、区画123から完全に引き出されておらず、人工弁は、完全に展開されていない。従って、もしユーザーが弁を完全な展開の前に再鞘入れおよび再位置決めすることを望むなら、キャリッジアセンブリ140がカプラー160に接触するまで、展開アクチュエータ121を展開に用いた方向と反対の方向に回転させることによって、再鞘入れおよび再位置決めを行うことができる。
【0064】
もし展開中に、ユーザーが弁を部分的に展開し、次いで、弁を再鞘入れしたなら、外側シャフト122および/または内側シャフト126は、一時的または恒久的に変形し、その結果、それらの遠位端が、互いに対して長手方向にずれる可能性がある。これらの構成要素のこのような永久変形によって、遠位シース124は、区画123を完全に覆うことができず、これによって、遠位シースの近位端129は、リテーナ127に当接するのに十分だけ延出しない可能性がある。
【0065】
リテーナ127と遠位シース124との相対的な長手方向位置を調整するために、ユーザーは、シャフト調整ナット199を回転させ、ネジ付きロッド194およびそこに固設された内側シャフト126を内側キャリッジ140に対して近位側に摺動させるとよい。遠位シース124が内側シャフト126に接続されており、内側シャフト126が内側キャリッジ140に接続されており、従って、フレーム130に対して固定されており、その一方、リテーナ127が外側シャフト122に接続されており、外側シャフト122がフレーム130に接続されているので、内側シャフトをフレームに対して近位側に摺動させることによって、遠位シースが、リテーナ127に対して近位側に摺動することになる。これは、遠位シースの近位端129がリテーナに接触し、区画123が完全に覆われるまで、継続されるとよい。
【0066】
いったん弁が適切に位置決めされたなら、再鞘入れロック部材155を解除位置に引出し、キャリッジアセンブリ140を弁が完全に展開されるまでさらに遠位側に移動させることによって、展開操作が完了されることになる。
【0067】
ここに説明した操作ハンドルは、展開ロック機構を備えていてもよい。このような展開ロック機構は、該ロックがロック位置にあるときにキャリッジアセンブリをフレームに固定することによって、不注意による展開の開始を阻止するようになっておる。このような展開ロックは、2010年8月24日に出願された同時係属中の米国特許出願第61/376,425に図示され、かつ記載されている展開ロックと同様の構造を有しているとよい。
【0068】
操作ハンドルは、本明細書において、1つの再鞘入れロックを有するものとして説明してきたが、展開ロックの有無に関わりなく、任意の数の再鞘入れロックが用いられてもよく、その結果として、展開プロセスにおいて任意の数の段階が得られることになる。例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つ以上の再鞘入れロックが設けられてもよく、これによって、展開手順を漸増的に制御することが可能になる。このような多数の再鞘入れロックは、2010年8月24日に出願された同時係属中の米国特許出願第61/376,425号に図示され、かつ記載されている再鞘入れロックと同様の構造を有しているとよい。
【0069】
さらに詳細には、もしユーザーが、例えば、2段階の展開プロセスを望むなら、単一の再鞘入れロックが用いられるとよい。その結果、第1の展開段階において、弁の約80%から約90%の鞘出しが達成され、続いて、第2の展開段階において、弁の残りの約10%から約20%の鞘出しが達成されることになる。
【0070】
一方、もしユーザーが3段階の展開プロセスを望むなら、単一の再鞘入れロックが展開ロックと共に用いられるとよい。その結果、展開が行なわれない第1の展開段階と、例えば、弁の約80%から約90%が鞘出しされる第2の展開段階と、弁の残りの約10%から約20%が鞘出しされる第3の展開段階がもたらされることになる、
【0071】
さらに、もしユーザーが4段階の展開プロセスを望むなら、2つの再鞘入れロックが展開ロックと共に用いられるとよい。その結果、展開が行なわれない第1の展開段階と、例えば、弁の約50%が鞘出しされる第2の展開段階と、弁の約80%から約90%が鞘出しされる第3の展開段階と、弁の残りの約10%から約20%が鞘出しされる第4の展開段階がもたらされることになる。この最後のプロセスは、2つの再鞘入れロックを残し、展開ロックを省略することによって、3段階の展開プロセスに修正されてもよい。
【0072】
特定の実施形態を参照して、本発明をここに説明してきたが、これらの実施形態は、本発明の原理および応用の単なる例示にすぎないことを理解されたい。従って、例示的な実施形態に対して多くの修正がなされてもよいこと、および添付の請求項に記載されている本発明の精神および範囲から逸脱することなく、他の構成が考案されてもよいことを理解されたい。
【0073】
種々の従属請求項および該請求項に記載されている特徴は、元の請求項に記載されているのと異なる方法によって組み合わされてもよいことを理解されたい。また、個々の実施形態に関連して記載されている特徴は、記載されている実施形態の他の特徴と共有されてもよいことも理解されたい。
【0074】
なお、原出願の出願当初の特許請求の範囲は、以下の通りである。
[請求項1]
折畳み可能な人工心臓弁用の送達装置において、
操作ハンドルであって、
移動空間を内側に画定しているフレームと、
前記移動空間内において長手方向に移動可能になっているキャリッジアセンブリと、
カプラーであって、前記カプラーが前記フレームに固定位置において接続されるロック状態と、前記カプラーが前記移動空間内において長手方向に移動可能になる解除状態とを有しており、前記キャリッジアセンブリと共に移動するために、前記キャリッジアセンブリに操作可能に接続されている、カプラーと、
を備えている、操作ハンドルと、
カテーテルアセンブリであって、
区画が周りに画定されている第1のシャフトであって、前記第1のシャフトは、前記フレームまたは前記キャリッジアセンブリに操作可能に接続されており、前記区画は、組み立てられた状態にある前記弁を受け入れるように構成されている、第1のシャフトと、
前記キャリッジアセンブリに操作可能に接続された遠位シースであって、前記弁を前記組み立てられた状態に保持するように構成された閉状態と、前記弁を完全に展開させるように構成された開状態との間で移動可能になっている、遠位シースと、
を備えている、カテーテルアセンブリと、
を備えており、
前記キャリッジアセンブリの前記移動空間内における長手方向の移動が、前記遠位シースを前記閉状態と前記開状態との間で移動させるようになっている、ことを特徴とする送達装置。
[請求項2]
前記カプラーは、長手方向における複数の固定位置のいずれかにおいて、前記フレームに選択的に係止可能になっている、ことを特徴とする請求項1に記載の送達装置。
[請求項3]
前記カプラーは、離脱可能なピンを備えており、
前記フレームは、複数の固定位置にあるノッチを有しており、
前記ピンは、前記カプラーを前記フレームに係止するために、前記ノッチの1つに係合可能になっている、ことを特徴とする請求項2に記載の送達装置。
[請求項4]
前記カプラーは、前記閉状態と前記開状態との間の前記遠位シースの位置に対応する位置において、前記フレームに選択的に係止可能になっている、ことを特徴とする請求項2に記載の送達装置。
[請求項5]
前記操作ハンドルは、
前記キャリッジアセンブリから前記カプラーを通って延在するネジ付きロッドと、
前記ネジ付きロッドに螺合された展開アクチュエータであって、前記カプラーに対して長手方向に拘束されている、展開アクチュエータと、
をさらに備えており、
前記展開アクチュエータの回転が、前記キャリッジアセンブリを前記移動空間内において長手方向に移動させるようになっている、ことを特徴とする請求項1に記載の送達装置。
[請求項6]
前記展開アクチュエータの第1の方向における回転が、前記キャリッジアセンブリを前記移動空間内において長手方向の近位側に移動させるようになっており、
前記展開アクチュエータの前記第1の方向と逆の第2の方向における回転が、前記キャリッジアセンブリを前記移動空間内において長手方向の遠位側に移動させるようになっている、ことを特徴とする請求項5に記載の送達装置。
[請求項7]
前記移動空間内における複数の長手方向位置のいずれかにおいて、前記カプラーを前記フレームに離脱可能に固定するように構成されたラッチ機構をさらに備えている、ことを特徴とする請求項1に記載の送達装置。
[請求項8]
前記操作ハンドルは、ロック位置と解除位置とを有する再鞘入れロックをさらに備えており、
前記ロック位置にある前記再鞘入れロックは、前記キャリッジアセンブリの長手方向における移動を前記移動空間内の停止位置に制限するようになっており、
前記解除位置にある再鞘入れロックは、前記停止位置を超える前記キャリッジアセンブリの移動を可能にするようになっており、
前記停止位置への前記キャリッジアセンブリの移動は、前記遠位シースを前記閉位置と前記開位置との間の状態に移動させ、これによって、前記弁が完全に展開されないようになっている、ことを特徴とする請求項1に記載の送達装置。
[請求項9]
前記フレームは、長孔を備えており、
前記再鞘入れロックは、前記再鞘入れロックが前記ロック位置にあるときに前記長孔内において係合されるようになっている後退可能なピンを備えており、
前記長孔内に配置された停止部材が、前記停止位置を画定するようになっている、ことを特徴とする請求項8に記載の送達装置。
[請求項10]
前記停止部材は、前記長孔内において長手方向に移動可能になっており、
これによって、前記停止部材の移動が、前記フレームに対する前記停止位置の箇所を変化させるようになっている、ことを特徴とする請求項9に記載の送達装置。
[請求項11]
前記区画は、第1の長さを有しており、前記移動空間内の前記停止位置は、前記キャリッジアセンブリの移動距離に対応しており、前記移動距離は、前記第1の距離よりも短くなっている、ことを特徴とする請求項8に記載の送達装置。
[請求項12]
前記折畳み可能な人工心臓弁は、第2の長さを有しており、前記移動距離は、前記第2の長さの約80%から約90%の間にある、ことを特徴とする請求項11に記載の送達装置。
[請求項13]
前記第1のシャフトは、前記フレームに操作可能に接続されており、
前記カテーテルアセンブリは、外側シャフトをさらに備えており、
前記外側シャフトは、前記キャリッジアセンブリを前記遠位シースに接続しており、前記第1のシャフトを少なくとも部分的に包囲している、ことを特徴とする請求項1に記載の送達装置。
[請求項14]
前記第1のシャフトは、前記フレームに操作可能に接続されており、
前記操作ハンドルは、前記第1のシャフトを前記フレームに対して近位側に移動させるように構成された機構をさらに備えている、ことを特徴とする請求項1に記載の送達装置。
[請求項15]
前記機構は、
前記第1のシャフトに操作可能に接続されたネジ付きロッドであって、長手方向に延在している、ネジ付きロッドと、
前記ネジ付きロッドに螺合されたナットであって、前記フレームに対して長手方向に拘束されている、ナットと、
を備えている、ことを特徴とする請求項14に記載の送達装置。
[請求項16]
前記第1のシャフトは、前記キャリッジアセンブリに操作可能に接続されており、
前記カテーテルアセンブリは、外側シャフトをさらに備えており、
前記外側シャフトは、前記フレームを前記区画に接続しており、前記第1のシャフトを少なくとも部分的に包囲している、ことを特徴とする請求項1に記載の送達装置。
[請求項17]
前記第1のシャフトは、前記キャリッジアセンブリに操作可能に接続されており、
前記操作ハンドルは、前記第1のシャフトを前記キャリッジアセンブリに対して近位側に移動させるように構成された機構をさらに備えている、ことを特徴とする請求項1に記載の送達装置。
[請求項18]
前記機構は、
前記第1のシャフトに操作可能に接続されたネジ付きロッドであって、長手方向に延在している、ネジ付きロッドと、
前記ネジ付きロッドに螺合されたナットであって、前記キャリッジアセンブリに対して長手方向に拘束されている、ナットと、
を備えている、ことを特徴とする請求項17に記載の送達装置。
[請求項19]
折畳み可能な人工心臓弁を患者内に送達する方法において、
カテーテルアセンブリおよび操作ハンドルを有する送達装置を準備するステップであって、前記カテーテルアセンブリは、組み立てられた状態にある前記弁 を受け入れるように構成された区画を備えており、前記操作ハンドルは、移動空間を内側に画定しているフレームと、前記移動空間内において長手方向に移動可能になっているキャリッジアセンブリと、前記キャリッジアセンブリと共に移動するために、前記キャリッジアセンブリに操作可能に接続されたカプラーと、を備えている、ステップと、
前記弁を前記カテーテルアセンブリの前記区画内に装填するステップであって、前記区画および前記弁は、前記カテーテルアセンブリの遠位シースによって覆われるようになっている、ステップと、
前記カテーテルアセンブリを前記患者内に挿入するステップと、
前記弁を前記患者内の目標箇所に位置決めするステップと、
前記操作ハンドルの前記キャリッジアセンブリを前記移動空間の第1の部分に沿って第1の長手方向に移動させることによって、前記弁を部分的に展開させるステップと、
前記操作ハンドルの前記カプラーを直進運動させ、前記キャリッジアセンブリを前記移動空間の第2の部分に沿って前記第1の長手方向に継続的に移動させることによって、前記弁を完全に展開させるステップと、
を含んでいる、ことを特徴とする方法。
[請求項20]
前記操作ハンドルは、
前記キャリッジアセンブリから前記カプラー内を通って延在するネジ付きロッドと、
前記ネジ付きロッドに螺合された展開アクチュエータであって、前記カプラーに対して長手方向に拘束されている、展開アクチュエータと、
をさらに備えており、
前記部分展開ステップは、前記展開アクチュエータを回転させることを含んでいる、ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
[請求項21]
前記操作ハンドルは、ロック位置および解除位置を有する再鞘入れロックをさらに備えており、
前記ロック位置にある再鞘入れロックは、前記キャリッジアセンブリの長手方向の移動を前記移動空間内の停止位置に制限するようになっており、
前記解除位置にある前記再鞘入れロックは、前記停止位置を超える前記キャリッジアセンブリの移動を可能にするようになっており、
前記方法は、前記移動空間内の前記停止位置を設定するために、前記再鞘入れロックの長手方向における位置を調整することをさらに含んでいる、ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
[請求項22]
前記キャリッジアセンブリを前記第1の長手方向と逆の第2の長手方向に移動させることによって、前記弁を再鞘入れすることをさらに含んでいる、ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
[請求項23]
前記カテーテルアセンブリは、
前記区画が周りに画定されている第1のシャフトと、
前記キャリッジアセンブリを前記遠位シースに接続しており、前記第1のシャフトを少なくとも部分的に包囲している、外側シャフトと、
をさらに備えており、
前記第1のシャフトは、前記フレームに操作可能に接続されており、
前記遠位シースは、前記キャリッジアセンブリに操作可能に接続されており、
前記弁を部分的に展開させる前記ステップおよび前記弁を完全に展開させる前記ステップは、各々、前記外側シャフトを前記フレームに対して近位側に移動させることを含んでいる、ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
[請求項24]
前記カテーテルアセンブリは、前記区画が周りに画定されている第1のシャフトをさらに備えており、
前記第1のシャフトは、前記フレームに操作可能に接続されており、
前記遠位シースは、前記キャリッジアセンブリに操作可能に接続されており、
前記再鞘入れステップは、前記第1のシャフトを前記フレームおよび前記遠位シースに対して近位側に移動させることを含んでいる、ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
[請求項25]
前記操作ハンドルは、前記第1のシャフトに操作可能に接続されたネジ付きロッドであって、長手方向に延在している、ネジ付きロッドと、
前記ネジ付きロッドに螺合されたナットであって、前記フレームに対して長手方向に拘束されている、ナットと、
をさらに備えており、
前記第1のシャフトを移動させる前記ステップは、前記ナットを前記ネジ付きロッドの周りに回転させることを含んでいる、ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
[請求項26]
前記操作ハンドルは、ロック位置および解除位置を有する再鞘入れロックをさらに備えており、
前記ロック位置にある前記再鞘入れロックは、前記キャリッジアセンブリの長手方向における移動を前記移動空間内の停止位置に制限するようになっており、
前記解除位置にある再鞘入れロックは、前記停止位置を超える前記キャリッジアセンブリの移動を可能にするようになっており、
前記第1のシャフトを移動させる前記ステップは、前記再鞘入れロックが前記ロック位置にある状態で行われるようになっている、ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
[請求項27]
前記カテーテルアセンブリは、
前記区画が周りに画定されている第1のシャフトと、
前記フレームを前記区画に接続しており、前記第1のシャフトを少なくとも部分的に包囲している、外側シャフトと、
をさらに備えており、
前記第1のシャフトおよび前記遠位シースは、前記キャリッジアセンブリに操作可能に接続されており、
前記弁を部分的に展開させる前記ステップおよび前記弁を完全に展開させる前記ステップは、各々、前記第1のシャフトを前記フレームに対して遠位側に移動させることを含んでいる、ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
[請求項28]
前記カテーテルアセンブリは、前記区画が周りに画定されている第1のシャフトをさらに備えており、
前記第1のシャフトおよび前記遠位シースは、前記キャリッジアセンブリに操作可能に接続されており、
前記再鞘入ステップは、前記第1のシャフトを前記キャリッジアセンブリに対して近位側に移動させることを含んでいる、ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
[請求項29]
前記操作ハンドルは、
前記第1のシャフトに操作可能に接続されたネジ付きロッドであって、長手方向に延在している、ネジ付きロッドと、
前記ネジ付きロッドに螺合されたナットであって、前記キャリッジアセンブリに対して長手方向に拘束されている、ナットと、
をさらに備えており、
前記第1のシャフトを移動させる前記ステップは、前記ナットを前記ネジ付きロッドの周りに回転させることを含んでいる、ことを特徴とする請求項28に記載の方法。
[請求項30]
前記操作ハンドルは、ロック位置および解除位置を有する再鞘入れロックをさらに備えており、
前記ロック位置にある前記再鞘入れロックは、前記キャリッジアセンブリの長手方向における移動を前記移動空間内の停止位置に制限するようになっており、
前記解除位置にある前記再鞘入れロックは、前記停止位置を超える前記キャリッジアセンブリの移動を可能にするようになっており、
前記第1のシャフトを移動させる前記ステップは、前記再鞘入れロックが前記ロック位置にある状態で行われるようになっている、ことを特徴とする請求項28に記載の方法。
[請求項31]
前記患者内の前記目標箇所は、前記患者の自然大動脈弁輪である、ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
[請求項32]
前記送達装置の前記遠位シースが、前記患者の大腿動脈を通して挿入されるようになっている、ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
[請求項33]
前記送達装置の前記遠位シースが、前記患者の心臓の心尖を通して挿入されるようになっている、ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
図1
図2
図3
図4