(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6351668
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】無線ネットワーク発見方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 48/16 20090101AFI20180625BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20180625BHJP
【FI】
H04W48/16 110
H04W84/12
【請求項の数】9
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-152680(P2016-152680)
(22)【出願日】2016年8月3日
(62)【分割の表示】特願2015-507356(P2015-507356)の分割
【原出願日】2013年4月25日
(65)【公開番号】特開2016-192809(P2016-192809A)
(43)【公開日】2016年11月10日
【審査請求日】2016年8月5日
(31)【優先権主張番号】201210123899.7
(32)【優先日】2012年4月25日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201210213398.8
(32)【優先日】2012年4月25日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】509296306
【氏名又は名称】▲華▼▲為▼▲終▼端有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】▲樹▼ ▲貴▼明
【審査官】
望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−61110(JP,A)
【文献】
Katsuo Yunoki,Hybrid Scanning,IEEE802.11-12/0277r3,2012年 3月13日,URL,https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/12/11-12-0277-03-00ai-hybrid-scanning.pptx
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
WiFi(Wireless Fidelity)局によって実行される無線ネットワーク発見方法であって、
スキャン要求の受信後、第1の期間の間にチャネル上で検出するステップであって、第1のネットワークプローブ要求メッセージが前記第1の期間の終了後に送信されるように指定される、ステップと、
前記第1の期間の間に別の局によって送信された第2のネットワークプローブ要求メッセージを前記チャネル上で受信するステップと、
前記第1の期間が終了するとき、前記WiFi局が前記第2のネットワークプローブ要求メッセージが前記局によって要求されるネットワーク情報を有すると判定すると、前記第1のネットワークプローブ要求メッセージを送信しないステップと、
前記第2のネットワークプローブ要求メッセージを受信した後、第2の期間の間に周囲の無線ネットワークアクセスポイントによって送信されるプローブ応答メッセージを受信するのを待つステップと、
を有することを特徴とする無線ネットワーク発見方法。
【請求項2】
前記第2の期間の間、前記局が前記プローブ応答メッセージ又は無線ネットワーク発見のために使用される別のメッセージを受信するとともに、前記プローブ応答メッセージ又は無線ネットワーク発見のために使用される別のメッセージが前記局によって要求されるネットワーク情報を含むと判定する場合、
前記第2の期間が到達した後、前記第1のネットワークプローブ要求メッセージを送信しないステップをさらに有し、無線ネットワーク発見のために使用される前記別のメッセージはビーコンメッセージを含むことを特徴とする請求項1に記載の無線ネットワーク発見方法。
【請求項3】
前記第2の期間の間、前記局が前記プローブ応答メッセージを受信し、無線ネットワーク発見のために使用される別のメッセージを受信せず、かつ前記プローブ応答メッセージが前記局によって要求されるネットワーク情報を含まないと判定する場合、
前記第2の期間が到達した後、前記第1のネットワークプローブ要求メッセージを送信するステップをさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の無線ネットワーク発見方法。
【請求項4】
前記第2の期間の間、前記局が前記プローブ応答メッセージを受信せず、無線ネットワーク発見のために使用される別のメッセージを受信しない場合、
前記第2の期間が到達した後、前記第1のネットワークプローブ要求メッセージを送信するステップをさらに有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の無線ネットワーク発見方法。
【請求項5】
前記別の局によって送信されるメッセージが、前記第2のネットワークプローブ要求メッセージであることを、前記局によって、別の局によって送信されるメッセージの物理層フレームヘッダ内で伝送される指示情報に従って判定するステップをさらに有し、前記指示情報は、現在のメッセージが前記第2のネットワークプローブ要求メッセージであることを示すために使用されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の無線ネットワーク発見方法。
【請求項6】
スキャン要求の受信後、第1の期間の間に現在のチャネルを検出し、第1のプローブ要求が、前記第1の期間が終了した後に送信されるように指定され、別の局によって送信された第2のネットワークプローブ要求メッセージが前記現在のチャネル上で受信されるとき、メッセージ遅延モジュールをトリガするように構成される検出モジュールを具備し、
前記メッセージ遅延モジュールが、
前記第2のネットワークプローブ要求メッセージが前記局によって要求されるネットワーク情報を含むか否かを判定するように構成される第1のメッセージ判定サブモジュールと、
前記第1のメッセージ判定サブモジュールが前記第2のネットワークプローブ要求メッセージが前記局によって要求されたネットワーク情報を含むと判定するとき、前記第1の期間が終了すると、前記第1のネットワークプローブ要求メッセージを送信せず、前記第2のネットワークプローブ要求メッセージを受信した後、周囲の無線ネットワークアクセスポイントによって送信されるプローブ応答メッセージを受信するのを待つように構成されるプローブ応答メッセージ待機サブモジュールと
を具備することを特徴とする局。
【請求項7】
第2の期間の間、前記プローブ応答メッセージ又は無線ネットワーク発見のために使用される別のメッセージが受信される場合、前記プローブ応答メッセージ又は無線ネットワーク発見のために使用される前記別のメッセージが、前記局によって要求されるネットワーク情報を含むか否かを判定するように構成される第2のメッセージ判定サブモジュールであって、無線ネットワーク発見のために使用される前記別のメッセージは、ビーコンメッセージを含む、第2のメッセージ判定サブモジュールと、
前記プローブ応答メッセージ又は無線ネットワーク発見のために使用される前記別のメッセージが前記局によって要求される前記ネットワーク情報を含むとき、プリセット期間が到達した後、前記第1のネットワークプローブ要求メッセージを送信しないように構成されるメッセージ取り消しサブモジュールと
をさらに具備することを特徴とする請求項6に記載の局。
【請求項8】
第2の期間の間、前記プローブ応答メッセージが受信され、無線ネットワーク発見のために使用される別のメッセージが受信されず、かつ前記プローブ応答メッセージが前記局によって要求される前記ネットワーク情報識別子を含まないと判定される場合、前記第2の期間が到達した後、前記第1のネットワークプローブ要求メッセージを送信するように構成されるメッセージ送信モジュールをさらに具備することを特徴とする請求項6又は7に記載の局。
【請求項9】
前記メッセージ送信モジュールはさらに、
前記第2の期間の間、前記プローブ応答メッセージが受信されず、無線ネットワーク発見のために使用される前記別のメッセージが受信されない場合、前記第2の期間が到達した後、前記第1のネットワークプローブ要求メッセージを送信するように構成されることを特徴とする請求項8に記載の局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信技術の分野、特に、無線ネットワーク発見方法及び装置に関する。
【0002】
本願の特許請求の範囲は、2012年4月25日に中国特許庁に出願された中国特許出願No. 201210123899.7と、2012年4月25日に中国特許庁に出願された中国特許出願No. 201210213398.8の優先権を主張するとともに、その全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
既存のWiFi(Wireless Fidelity)技術における応用シナリオのために、多数のWiFi STAs(station:局)が同時にWiFi AP(access point:アクセスポイント)のカバレージ領域に入り、対応するSTA及びAPがコネクションを確立する前に、STAがまず、WiFiネットワークに対応するWiFi APが周囲に存在することを判定し、これらのWiFi APからSTAの要求に合うWiFi APを選択する必要があり、その後対応するWiFi APが属するWiFiネットワークに接続するプロセスを実行する。
【0004】
既存の使用では、WiFi STAは、APによりブロードキャストによって定期的に送信されるビーコン(Beacon)を受信することによってAPを発見するとともに、アクティブスキャンメッセージを送信することによってネットワークを発見し得る。WiFi STAが可能な限り早く周囲に存在するWiFi APを発見する必要がある場合、WiFi STAは、ネットワークプローブ要求メッセージ(Probe request)をブロードキャストするとともに、ネットワークプローブ要求メッセージ内に、1又は複数の要求されるWiFiネットワーク(すなわち、WiFi AP)の関連情報に対応する情報識別子を付加し得る。WiFi STAの隣接領域中のプローブ要求(Probe request)を受信する1又は複数のAPが、プローブ応答メッセージ(Probe response)を用いてSTAに返信するとともに、プローブ応答メッセージ内にSTAによって要求されるWiFi APの関連情報を含める。
【0005】
従来技術では、プローブ要求(Probe request)をブロードキャストするとき、各STAは、STAによってサポートされる複数のチャネルを一つ一つスキャンし、各チャネルを介してプローブ要求(Probe request)を送信し、応答のための隣接領域中の1又は複数のAPによって生成されるプローブ応答(Probe response)を受信するのを待つ。各プローブ要求は、隣接領域中の複数のAPが応答を与え、従って、複数のプローブ応答(Probe response)を生成することを引き起こすことがわかる。従って、多数のSTAがほぼ同時にネットワーク発見を実行するシナリオについて、ネットワーク発見段階では、ほとんどの場合、STAの各チャネルはネットワーク発見メッセージ、すなわち、プローブ要求(Probe request)及びプローブ応答(Probe response)を送信するために使用される。
【0006】
多数のSTAがネットワークにアクセスするのを待つ応用シナリオについて、既存のWiFiネットワーク発見メカニズムは、多数のプローブ要求/応答(Probe request/response)メッセージは、STA及びAPによって使用される通信チャネルを占有することを引き起こし、そのことがチャネルの使用効率を大幅に低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これに鑑み、本発明の実施形態は、ネットワーク発見のためのSTAによって送信される大量のネットワークプローブ要求メッセージの数を減らし、ネットワークプローブ要求メッセージのために生成されるプローブ応答メッセージの数を減らし、無線ネットワーク発見段階においてチャネルの使用効率を向上させるための無線ネットワーク発見方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態は、局がアクセスポイントに第1のネットワークプローブ要求メッセージを送信する前に、現在のチャネルを検出するステップと、局が、現在のチャネル上で、別の局によって送信された第2のネットワークプローブ要求メッセージを受信すると、局によって、第1のネットワークプローブ要求メッセージの送信を遅らせる、又は局によって、第1のネットワークプローブ要求メッセージの送信を取り消すステップとを含む無線ネットワーク発見方法を提供する。
【0009】
本発明の実施形態は、さらに、第1のネットワークプローブ要求メッセージがアクセスポイントに送信される前に、現在のチャネルを検出し、別の局によって送信された第2のネットワークプローブ要求メッセージが現在のチャネル上で受信されると、メッセージ遅延モジュールをトリガするように構成される検出モジュールと、第1のネットワークプローブ要求メッセージの送信を遅らせるように構成されるメッセージ遅延モジュールと第1のネットワークプローブ要求メッセージの送信を取り消すように構成されるメッセージ取り消しサブモジュールとを具備する局を提供する。
【0010】
従来技術と比べ、本発明の実施形態では、局が無線ネットワーク発見を実行する必要があるとき、局は、チャネルを介してネットワークプローブ要求メッセージを送信することによって直接的に及び能動的に無線ネットワークを探査せず、まず現在のチャネルを検出し、別の局によって送信されたネットワークプローブ要求メッセージが、その現在のチャネル上で受信されるか否かを判定し、別の局によって送信されたネットワークプローブ要求メッセージが、現在のチャネル上で受信されることを発見すると、局は、ネットワークプローブ要求メッセージの送信を遅らせることによって、ネットワーク発見のために局によって送信するネットワークプローブ要求メッセージの数を減らし、それにより、ネットワークプローブ要求メッセージによって生成されるプローブ応答メッセージの数が減少するとともにチャネルの使用効率が向上する。
【0011】
本発明の実施形態における技術的解決策を記載するために、以下に、本発明の実施形態又は従来技術を説明するための添付の図面を導入する。以下の説明における添付の図面は、単に本発明のいくつかの実施形態を示すに過ぎず、本分野の通常の技術を有する者は、創造的努力なくこれらの添付図面から別の図面を導き出すことができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態による無線ネットワーク発見方法の概略のフロ―チャートである。
【
図2】本発明の実施形態による2つの局が無線ネットワーク発見を実行する応用シナリオの概略図である。
【
図3】本発明の実施形態による局の概略的な構造図である。
【
図4】
図3のメッセージ遅延モジュールの概略的な構造図である。
【
図5】本発明の実施形態による別の局の概略的な構造図である。
【
図6】本発明の実施形態によるまた別の局の概略的な構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態の添付の図面を参照して本発明の実施形態の技術的解決策を明確に完全に以下に記載する。記載する実施形態は、単に、本発明の実施形態の全てではなく一部に過ぎない。創造的努力なく本発明の実施形態に基づいて、当分野の一般的な技術をもつ人間によって得られる全ての他の実施形態は、本発明の保護範囲に含まれる。
【0014】
本発明の実施形態は、ネットワーク発見のためのSTAによって送信される大量のネットワークプローブ要求メッセージの数を減らし、ネットワークプローブ要求メッセージのために生成されるプローブ応答メッセージの数を減らし、無線ネットワーク発見段階においてチャネルの使用効率を向上させるための無線ネットワーク発見方法及び装置を提供する。
【0015】
本発明の実施形態の技術的解決策の完全理解を容易にするために、本発明の実施形態の添付の図面を参照して、本発明の実施形態における技術的解決策を明確に完全に以下に記載する。
【0016】
最初に、本発明の実施形態によって提供される無線ネットワーク発見方法を以下に記載する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態によって提供される無線ネットワーク発見方法のプロセスを示す。方法は、具体的には、以下のステップを含む。
【0018】
ステップ101:アクセスポイントに第1のネットワークプローブ要求メッセージを送信する前に、局が現在のチャネルを検出する。
【0019】
ステップ102:局が、別の局によって送信された第2のネットワークプローブ要求メッセージを、現在のチャネル上で受信すると、局によって、第1のネットワークプローブ要求メッセージの送信を遅らせる。
【0020】
第1のネットワークプローブ要求メッセージは、具体的には、現在の局によって送信されたネットワークプローブ要求メッセージを指し、第2のネットワークプローブ要求メッセージは、具体的には、別の1又は複数の局によって送信されたネットワークプローブ要求メッセージを指す。
【0021】
本発明の実施形態では、局が無線ネットワーク発見を実行する必要があるとき、局は、チャネルを介してネットワークプローブ要求メッセージを送信することによって直接的に及び能動的に無線ネットワークを探査せず、まず現在のチャネルを検出し、別の局によって送信されたネットワークプローブ要求メッセージが、その現在のチャネル上で受信されるか否かを判定し、別の局によって送信されたネットワークプローブ要求メッセージが、現在のチャネル上で受信されることを発見すると、局は、ネットワークプローブ要求メッセージの送信を遅らせることによって、ネットワーク発見のために局によって送信するネットワークプローブ要求メッセージの数を減らし、それにより、ネットワークプローブ要求メッセージによって生成されるプローブ応答メッセージの数が減少するとともにチャネルの使用効率が向上する。
【0022】
本発明の典型的な実施形態では、局が第1のネットワークプローブ要求メッセージの送信を遅らせる実施方法は、局が現在のチャネル上で、別の1又は複数の局によって送信された第2のネットワークプローブ要求メッセージを受信し、第2のネットワークプローブ要求メッセージが局によって要求されたネットワーク情報識別子を含むことを判定すると、局は、第2のネットワークプローブ要求メッセージが受信された瞬間に開始するプリセット期間の間、第1のネットワークプローブ要求メッセージを送信することを保留し、周囲の無線ネットワークアクセスポイントによって送信される第2のプローブ応答メッセージを受信するのを待つことに留意すべきである。
【0023】
プリセット期間は、周囲の無線ネットワークアクセスポイントが局によって送信されたネットワークプローブ要求メッセージを受信した後、プローブ応答メッセージをある局に送信するために周囲の無線ネットワークアクセスポイントによって要求される最も長い期間を指す。具体的な実施では、無線ネットワークアクセスポイントは、プリセット期間の値を設定し得るか、又はネットワークプローブ要求メッセージを送信する局がプリセット期間を設定するとともに、ネットワークプローブ要求内にプリセット期間に対応する値を付加し得る。
【0024】
加えて、本発明の別の典型的な実施形態では、局によって第1のネットワークプローブ要求メッセージの遅延の後、方法は、さらに別の局によって送信された第2のネットワークプローブ要求メッセージが受信された瞬間に開始するプリセット期間の間に、局が周囲の無線ネットワークアクセスポイントによって送信された第2のプローブ応答メッセージ、又は無線ネットワーク発見のために使用される他のメッセージを受信し、第2のプローブ応答メッセージ又は無線ネットワーク発見のために使用される他のメッセージが、局によって要求されるネットワーク情報を含む場合、プリセット期間が到達した後、第1のネットワークプローブ要求メッセージを送信しないステップであって、無線ネットワーク発見のために使用されるメッセージは、周囲の無線ネットワークアクセスポイントによって送信され、基地局によって要求される無線ネットワーク情報を伝送するメッセージを含み、このタイプのメッセージは、ビーコンメッセージ(beacon)及び同類のものを含む、ステップを含む。
【0025】
確かに、本発明の技術的解決策の具体的な実施では、局がネットワークプローブ要求メッセージを送信する必要がある応用シナリオがまだ存在し得る。これらの応用シナリオについての例は、以下である:プリセット期間の間、別の局によって送信されるとともに局によって受信された1又は複数の第2のネットワークプローブ要求メッセージが、局によって要求されるネットワーク情報識別子を含まないと局が判定し、かつ無線ネットワーク発見のために使用される別のメッセージを受信しない場合、プリセット期間が到達した後、局は、依然として第1のネットワークプローブ要求メッセージを送信する必要がある。
【0026】
加えて、プリセット期間の間、局が周囲の無線ネットワークアクセスポイントによって送信された第2のネットワークプローブ応答メッセージを受信せず、かつ無線ネットワーク発見のために使用されるメッセージを受信しない場合、プリセット期間が到達した後、局は、依然として第1のネットワークプローブ要求メッセージを送信する必要がある。
【0027】
本発明の上述の実施形態では、ネットワークプローブ要求メッセージを送信する前に、ネットワーク発見を実行する必要のある局は、別の局によって送信されるネットワークプローブ要求メッセージがチャネル上に存在するか否かを検出する必要がある。既存の仕様では、局は、受信した物理層フレームの各々を解析し、物理層レイヤフレームに含まれるMAC(Media Access Control)層フレームを取得し、現在のMAC層フレームが、MAC層フレームのヘッダ内のフレームタイプ情報に従ってネットワークプローブ要求メッセージであるか否かを判定する必要がある。しかしながら、既存の実施方法は、局がより多くの電力を消費することを引き起こす。非ネットワークプローブ要求メッセージについて局によって実行される解析動作を減らすために、本発明の実施形態は、以下の解決策を提供する:局は、局によって送信されるメッセージの物理層フレームのヘッダに、指示情報を付加し、ここで、指示情報は、現在のメッセージがネットワークプローブ要求メッセージであることを示すために使用される。具体的には、指示情報は、物理層フレームのデータ部分がMAC層プローブ要求(Probe request)を含むか否かを示すために使用される。実際の適用では、指示情報は、物理層フレームのヘッダの1又は複数のビットを占有し、判定された値は、物理層フレームのデータ部分がMAC層プローブ要求(Probe request)を含むか否かを示すために使用される。このようにして、局は、各物理層フレームのフレームヘッダ部分を解析するのみが必要であり、その後、物理層フレームがフレームヘッダに含まれる指示情報に従ってプローブ要求(Probe request)を含むか否かを知り得、それによって、物理層フレームに含まれるMAC層フレームのコンテンツタイプを取得するために、物理層フレームのデータ部分をさらに解析する動作を回避し、局の電力消費を減らす。確かに、物理層フレームのデータ部分が、物理層フレームのフレームヘッダ内の指示情報に従って、MAC層プローブ要求フレーム(Probe request)を含むことを局が判定した後、局がプローブ要求フレーム(Probe request)内に含まれる要求情報コンテンツを取得する必要がある場合、局は、MAC層フレーム内に含まれる要求情報を取得するために、物理層フレームのデータ部分を依然としてさらに解析する必要がある。
【0028】
本発明の技術的解決策の理解を容易にするために、具体例を使用することによって、詳細に全ての解決策にわたって以下に記載される。
【0029】
図2は、2つの局が無線ネットワーク発見を実行する応用シナリオの概略図を示す。APはアクセスポイントであり、STA1及びSTA2はAPのカバレージ領域内でネットワーク発見を実行する2つの局である。可能な限り早くAPに対応するWiFiネットワークを発見するために、STA1は、WiFiネットワーク上でアクティブスキャニングを実行するためにトリガされる。具体的なプロセスは、以下の通りである:局管理エンティティ(SME)は、スキャン要求メッセージ(scan request)を使用することによって、ネットワークプローブ要求メッセージ Probe requestを送信するためにMAC層をトリガし、局管理エンティティは、MAC層がネットワークプローブ要求メッセージを送信する前に、プローブ遅延(Probe delay)によって指定される期間の間、待つ必要があることを示すために、スキャン要求(Scan request)メッセージ内にプローブ遅延(Probe delay)パラメータをMAC層に付加する。加えて、WiFi仕様におけるチャネルコネクションメカニズムによれば、メッセージを送信するためのチャネルを使用する前に、各STAはまず、チャネルがアイドル状態か否かを検出する必要があり、チャネルがアイドル状態であることが分かった場合、バックオフ(back-off)タイムウィンドウを開始し、チャネルが依然アイドル状態である場合、バックオフタイムウィンドウが終了すると、プローブ要求(Probe request)を送信する。
【0030】
本実施形態では、STA1は、局管理エンティティを使用することによって時点t1(time point t1)でスキャン要求(Scan request)を開始すると仮定する。ここで、スキャン要求(Scan request)内で伝送されるプローブ遅延(Probe delay)パラメータによって指定される期間、及びバックオフの期間は全体でt3-t1であり、バックオフの期間は、プローブ遅延パラメータによって指定される期間と比較して無視され得る。すなわち、STA1は、時点t3でプローブ要求(Probe request)を送信する。加えて、プローブ要求(Probe request)を送信するとき、STAは一般にプローブ要求(Probe request)内でSTAによって要求される1又は複数のネットワーク情報識別子を付加する。
【0031】
STAによって送信された大量のプローブ要求(Probe request)メッセージの数を減らすとともに、ネットワーク発見段階でプローブ要求メッセージによって引き起こされる多くのプローブ応答(probe response)の数を減らすために、応用シナリオでは、チャネル検出の時間期間(t3-t1)の間に、アクティブネットワークスキャニングを実行するSTA1が、別のSTA(例えば、STA2)によって送信されるプローブ要求(Probe request)を受信する場合(この期間の間、ネットワーク発見に使用され得る他のメッセージが受信されないと仮定する)、
図2に示されるように、STA1は、時点t2でSTA2によって送信されるプローブ要求(Probe request)を受信すると仮定すると、STA1は、さらにプローブ要求(Probe request)メッセージを解析し、STA2によって要求されるとともにプローブ要求メッセージ内で伝送される情報を取得し、STA2によって要求されるネットワーク情報識別子がSTA1によって要求されるネットワーク情報識別子を含むか否かを判定し、STA2によって要求されるネットワーク情報識別子がSTA1によって要求されるネットワーク情報識別子を含む場合、STA1は、プローブ要求(Probe request)メッセージの送信を遅らせるとともに、STA2への応答としてAPによって送信されるプローブ応答(Probe response)メッセージを受信するのを待ち、STA2によって要求されるネットワーク情報識別子がSTA1によって要求されるネットワーク情報識別子を含まない場合、STA1は、時点t3の前までプローブ要求(Probe request)メッセージを送信し続ける必要がある。この実施形態では、時点t4で、STA1は、STA2への応答としてAPによって送信されるプローブ応答(Probe response)メッセージを受信すると仮定し、このようにして、STA1によって送信されたプローブ要求(Probe request)メッセージの数と、ネットワーク発見段階でのプローブ要求メッセージのためにSTA1へAPによって送信されるプローブ応答(probe response)の数とを減少させることができる。既存のメカニズムによれば、STAによって送信されるプローブ要求(probe request)に対し、APは応答を与え、プリセット期間の間にプローブ応答(probe response)を送信する必要があり、この実施形態では、プリセット期間は、t5-t2である。従って、応答として(t5の前に)プローブ応答(probe response)を送信するためにAPによって指定される期間の間、STA1は、STA2への応答としてAPによって送信されたプローブ応答を受信せず、ネットワーク発見のために使用され得る別のメッセージ(アクセスポイントAPによって周期的にブロードキャストされるビーコン(Beacon)メッセージ、又はAPによって能動的に送信される又は別のSTAへの応答としてAPによって送信されるプローブ応答(probe response)メッセージ等)を受信しない場合、STA1は依然としてプローブ要求(Probe request)を送信するためのチャネルのために競争する必要がある。
【0032】
上述のプロセスにおいて、チャネル検出の期間の間(t3-t1)、STA1は、ネットワーク発見のために使用され得る別のメッセージ(アクセスポイントAPによって周期的にブロードキャストされるビーコン(Beacon)メッセージ、又はAPによって能動的に送信される又は別のSTAへの応答としてAPによって送信されるプローブ応答(probe response)メッセージ等)を受信しないことを仮定しているが、チャネル検出の期間の間、ネットワーク発見のために使用され得る別のメッセージ、例えばアクセスポイントAPによって周期的にブロードキャストされるビーコン(Beacon)メッセージ、又はAPによって能動的に送信される又は別のSTAへの応答としてAPによって送信されるプローブ応答(probe response)メッセージ等が受信される場合、かつメッセージがSTA1によって要求されるネットワーク情報を含むことと判定される、すなわち、要求に合うWiFiネットワークが発見される場合、STA1はプローブ要求(Probe request)の送信を取り消し得ることに留意すべきである。
【0033】
上述の応用シナリオにおいて、他のSTAによって送信された複数のプローブ要求(Probe request)が、時点t3の前に受信される場合、これらのプローブ要求(Probe request)を解析した後、STAによって要求される複数のネットワーク情報識別子を取得し、複数のプローブ要求(Probe request)内で伝送されるネットワーク情報識別子の結合がSTA1によって要求されたネットワーク情報識別子を含むことを、STA1が分かった場合、STA1はまた、プローブ要求メッセージの送信を遅らせ得、これらのSTAへの応答としてAPによって送信されたプローブ応答(Probe response)のために待つことに留意すべきである。STA1が時点t2でSTA2のプローブ要求(Probe request)を受信した後、t5の前に、STA1がSTA2への応答としてAPによって送信されたプローブ応答(Probe response)を受信しないが、別のSTA(STA2ではない)へAPによって送信された1又は複数のプローブ応答(Probe response)を受信し、かつ1又は複数のプローブ応答(Probe response)がSTA1によって要求されたネットワーク情報を含む場合、STA1はプローブ要求(Probe request)メッセージの送信を取り消すことにも留意すべきである。
【0034】
確かに、上述の応用シナリオでは、チャネル検出の期間の間(t3-t1)、STA1がSTA2のプローブ要求(Probe request)を受信せず、かつネットワーク発見のために使用され得る別のメッセージを受信しない場合、STA1は依然として時点t3の前にプローブ要求(Probe request)を送信する必要がある。加えて、チャネル検出の期間の間(t3-t1)、STA1は、STA2のプローブ要求(Probe request)を受信しないが、ネットワーク発見のために使用され得る別のメッセージを受信し、別のメッセージがSTA1によって要求されるネットワーク情報を含む場合、STA1はプローブ要求(Probe request)の送信を取り消すか、そうでなければ、STA1は時点t3の前にプローブ要求(Probe request)を依然として送信する必要がある。
【0035】
上述の実施形態では、局が無線ネットワーク発見を実行する必要があるとき、局は、チャネルを介してネットワークプローブ要求メッセージを送信することによって直接的に及び能動的に無線ネットワークを探査せず、まず現在のチャネルを検出し、別の局によって送信されたネットワークプローブ要求メッセージが、その現在のチャネル上で受信されるか否かを判定し、別の局によって送信されたネットワークプローブ要求メッセージが、現在のチャネル上で受信されることを発見すると、局は、ネットワークプローブ要求メッセージの送信を遅延することによって、ネットワーク発見のために局によって送信するネットワークプローブ要求メッセージの数を減らし、それにより、ネットワークプローブ要求メッセージによって生成されるプローブ応答メッセージの数が減少するとともにチャネルの使用効率が向上する。
【0036】
上述の方法の実施形態に対応して、本発明は、局の実施形態をさらに提供する。
図3に示されるように、局は、具体的に、第1のネットワークプローブ要求メッセージがアクセスポイントに送信される前に、現在のチャネルを検出し、別の局によって送信された第2のネットワークプローブ要求メッセージが現在のチャネル上で受信されると、メッセージ遅延モジュール302をトリガするように構成される検出モジュール301と、第1のネットワークプローブ要求メッセージの送信を遅らせるように構成されるメッセージ遅延モジュール302とを具備する。
【0037】
この実施形態では、局が無線ネットワーク発見を実行する必要があるとき、局は、チャネルを介してネットワークプローブ要求メッセージを送信することによって直接的に及び能動的に無線ネットワークを探査せず、まず現在のチャネルを検出し、別の局によって送信されたネットワークプローブ要求メッセージが、その現在のチャネル上で受信されるか否かを判定し、別の局によって送信されたネットワークプローブ要求メッセージが、現在のチャネル上で受信されることを発見すると、局は、ネットワークプローブ要求メッセージの送信を遅らせることによって、ネットワーク発見のために局によって送信するネットワークプローブ要求メッセージの数を減らし、それにより、ネットワークプローブ要求メッセージによって生成されるプローブ応答メッセージの数が減少するとともにチャネルの使用効率が向上する。
【0038】
本発明の典型的な実施形態では、
図4に示されるように、メッセージ遅延モジュール302は、第2のネットワークプローブ要求メッセージが局によって要求されるネットワーク情報識別子を含むか否かを判定するように構成される第1のメッセージ判定サブモジュール3021と、第1のメッセージ判定サブモジュール3021が、第2のネットワークプローブ要求メッセージが局によって要求された情報を含むと判定するとき、第2のネットワークプローブ要求メッセージが受信された瞬間に開始するプリセット期間の間、第1のネットワークプローブ要求メッセージを送信することを保留し、周囲の無線ネットワークアクセスポイントによって送信される第2のプローブ応答メッセージを受信するのを待つように構成されるプローブ応答メッセージ待機サブモジュール3022とを具備する。
【0039】
本発明の他の典型的な実施形態では、
図5に示されるように、装置はさらに、プリセット期間の間、第2のプローブ応答メッセージ又は無線ネットワーク発見のために使用される別のメッセージが受信される場合、第2のプローブ応答メッセージ又は無線ネットワーク発見のために使用される別のメッセージが、局によって要求されるネットワーク情報を含むか否かを判定するように構成される第2のメッセージ判定サブモジュールであって、無線ネットワーク発見のために使用されるメッセージは、ビーコンメッセージを含む、第2のメッセージ判定サブモジュール3031と、第2のプローブ応答メッセージ又は無線ネットワーク発見のために使用される別のメッセージが局によって要求されるネットワーク情報を含むとき、プリセット期間が到達した後、第1のネットワークプローブ要求メッセージを送信しないように構成されるメッセージ取り消しサブモジュール3032とを具備する。
【0040】
別の局の実施形態では、
図6に示されるように、装置は、具体的にはさらに、プリセット期間の間、第2のプローブ応答メッセージが受信され、無線ネットワーク発見のために使用されるメッセージが受信されず、第2のネットワークプローブ要求メッセージが局によって要求されるネットワーク情報識別子を含まないと判定される場合、プリセット期間が到達した後、第1のネットワークプローブ要求メッセージを送信するように構成されるメッセージ送信モジュール304を具備する。
【0041】
その上、メッセージ送信モジュールがさらに、プリセット期間の間、第2のプローブ応答メッセージが受信されず、無線ネットワーク発見のために使用されるメッセージが受信されない場合、プリセット期間が到達した後、第1のネットワークプローブ要求メッセージを送信するように構成される。
【0042】
装置の実施形態は、基本的に方法の実施形態に対応し、従って簡潔に記載されている。関連する内容について、方法の実施形態の記載が参照され得る。記載された装置の実施形態は単なる例に過ぎない。個別の部品として記載されたユニットは、物理的に別々であってもなくともよく、ユニットとして示された部品は物理ユニットであってもなくてもよく、すなわち、一か所に位置していてもよいし、複数のネットワークユニット上に分散していてもよい。モジュールの一部又は全部は、実施形態の解決策の目的を達成するために実際的な要求に応じて選択され得る。本分野の通常の技術を有する者は、創造的努力なく解決策を理解し実施し得るだろう。本分野の通常の技術を有する者は、本実施形態の方法のプロセスの全部又は一部は、関連するハードウェアに指示をするコンピュータプログラムによって実施され得ることを理解し得る。上述のプログラムは、コンピュータ可読記録媒体に格納され得る。プログラムが実行されると、本実施形態における方法のプロセスが実行される。記録媒体は、磁気ディスク、光ディスク、読み出し専用メモリ(Read-Only-Memory, ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory, RAM)等を含む。
【0043】
開示された実施形態の上述の記載に従って、当業者は、本発明を実施又は使用することができる。これらの実施形態に基づいて作られる種々の変形が当業者には明らかであり、本明細書中に定義される一般原則は、本発明の実施形態の精神又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態において実施され得る。従って、本発明の実施形態は、本明細書中に示される実施形態に制限されることはないが、原則に矛盾しない最大範囲及び本明細書中に開示される新しい特徴に準ずる。
【符号の説明】
【0044】
301 検出モジュール
302 メッセージ遅延モジュール
3021 第1のメッセージ判定サブモジュール
3022 プローブ応答メッセージ待機サブモジュール
3031 第2のメッセージ判定サブモジュール
3032 メッセージ取り消しサブモジュール
304 メッセージ送信モジュール