(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この球面アクチュエータは、可動部材の重心がカメラのある台座側に大きく偏っている。そのため、可動部材の回転に伴って球面アクチュエータの重心が大きく変動してしまう。
【0005】
本発明の目的は、駆動に伴う重心変動を抑制する支持機構に関する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様において、支持機構は、曲面状の表面を有する第一部材と、この表面上を移動する複数のアクチュエータと、複数のアクチュエータに接続され、第一部材の周りを回転する第二部材と、を備え、第二部材は、複数の被支持体の少なくとも2つを、第一部材を挟んで互いに反対側の位置で支持可能である。
【0007】
この態様では、複数のアクチュエータは、第一部材の曲面状の表面上を移動する。複数のアクチュエータに接続された第二部材もこの表面に沿って移動し、第一部材の周りを回転する。第二部材は、複数の被支持体を支持可能であるので、第二部材により支持された複数の被支持体も、第一部材の周りを回転する。
【0008】
ここで、第二部材に支持される被支持体の少なくとも2つは、第一部材を挟んで互いに反対側に位置する。これらの被支持体は、その自重により第二部材に対して互いに反対方向の力(回転モーメント)を作用させる。
【0009】
これにより、第二部材に一つの被支持体のみが支持されている場合や複数の被支持体が同じ側のみで支持されている場合に比べて、第二部材の重心は、第二部材の回転中心に対して近づく。そのため、第二部材の駆動(第一部材周りの第二部材及び複数の被支持体の回転)に伴う支持機構の重心変動を抑制できる。
【0010】
第二部材は、第一部材を囲むリングを有するようにしてもよい。
【0011】
複数の被支持体は、リングの周方向に等間隔で支持されるようにしてもよい。
【0012】
複数の被支持体は、異なる重量の被支持体を含むようにしてもよい。
【0013】
複数の被支持体は、同一重量の被支持体を含むようにしてもよい。
【0014】
第二部材は、第一部材のヨー軸周りに回転可能であり、複数の被支持体を支持した第二部材の重心はヨー軸上に位置するようにしてもよい。
【0015】
この態様では、複数の被支持体を支持した状態で、第二部材の重心がヨー軸に対してバランスするので、第二部材を水平姿勢(水平面(地面)に平行な姿勢)に維持するのに必要なトルクを減少させることができる。また、第二部材のヨー軸周りの回転に伴って支持機構の重心が変動することも抑制できる。
【0016】
複数の被支持体は、異なる種類の被支持体を含むようにしてもよい。
【0017】
複数の被支持体は、同一種類の被支持体を含むようにしてもよい。
【0018】
複数の被支持体の少なくとも一つは、全天球カメラまたは半天球カメラであるようにしてもよい。
【0019】
複数の被支持体の少なくとも一つは錘であるようにしてもよい。
【0020】
第二部材または複数の被支持体の少なくとも一つに取り付けられる慣性センサを備えるようにしてもよい。
【0021】
他の態様において、支持機構は、曲面状の表面を有する第一部材と、この表面上を移動する複数のアクチュエータと、複数のアクチュエータに接続され、第一部材の周りを回転する第二部材と、第二部材に取り付けられた慣性センサと、を備えるようにしてもよい。
【0022】
この態様では、複数のアクチュエータは、第一部材の曲面上の表面を移動する。複数のアクチュエータに接続された第二部材もこの表面に沿って移動し、第一部材の周りを回転する。ここで、第二部材には、慣性センサが取り付けられているので、第二部材の動きを簡易な構成で検知し、第一部材の周りの姿勢や回転を制御することができる。
【0023】
慣性センサは、角速度センサまたは加速度センサであるようにしてもよい。
【0024】
慣性センサに基づいて、第二部材の位置、姿勢(ピッチ角、ロール角、ヨー角等)、角速度及び角加速度の少なくとも一つを検知するようにしてもよい。
【0025】
第一部材は、基体に接続されており、慣性センサは、第二部材と基体との相対位置または第二部材と支持機構の外部の所定の参照位置との相対位置に基づいて較正されるようにしてもよい。
【0026】
第二部材は、一つまたは複数の被支持体を支持可能であるようにしてもよい。
【0027】
慣性センサにより検知した第二部材の動きに基づいて、少なくとも一つの被支持体の姿勢が制御されるようにしてもよい。
【0028】
慣性センサは、少なくとも一つの被支持体に取り付けられているようにしてもよい。
【0029】
慣性センサは、被支持体から離間しているようにしてもよい。
【0030】
慣性センサは、被支持体の駆動中に第二部材の動きを検知するようにしてもよい。
【0031】
第一部材は、基体に接続されており、基体は、慣性センサをさらに有するようにしてもよい。
【0032】
慣性センサは、少なくとも第一部材のピッチ軸及びロール軸のいずれかに対する第二部材の姿勢角を検知するようにしてもよい。
【0033】
基体が有する慣性センサは、第一部材のヨー軸に対する第二部材または基体の姿勢角を検知するようにしてもよい。
【0034】
少なくとも第二部材の姿勢角及び基体の姿勢角を用いて、第二部材を基体に対して較正するようにしてもよい。
【0035】
複数のアクチュエータは、所定の姿勢角に基づいて第二部材を移動させるようにしてもよい。
【0036】
所定の姿勢角に基づいて複数のアクチュエータが出力するトルクを決定するようにしてもよい。
【0037】
PIDコントローラを用いてトルクを決定するようにしてもよい。
【0038】
PIDコントローラは、第二部材に設けられているようにしてもよい。
【0039】
第一部材は、基体に接続され、PIDコントローラは、基体に設けられているようにしてもよい。
【0040】
支持機構は、第一部材に接続される基体を介して移動体に接続され、PIDコントローラは、移動体に設けられているようにしてもよい。
【0041】
PIDコントローラは、慣性センサによって検知された姿勢角と所定の姿勢角との差に基づいて角速度を決定し、決定した角速度と慣性センサによって検知された角速度との差に基づいて、トルクを決定するようにしてもよい。
【0042】
複数のアクチュエータは、第一部材の表面に接触するようにしてもよい。
【0043】
第一部材の表面は球状であり、複数のアクチュエータは、表面の大円または小円に沿って等間隔で配置されているようにしてもよい。
【0044】
第一部材は、基体に対して固定されているようにしてもよい。
【0045】
第二部材は、第一部材の周りを少なくとも第一部材のロール軸、ピッチ軸またはヨー軸周りで回転するようにしてもよい。
【0046】
第一部材は、基体にモータを介して回転可能に接続されているようにしてもよい。
【0047】
第一部材または基体は、モータのロータに取り付けられているようにしてもよい。
【0048】
モータの回転角は、磁気センサを用いて検知されるようにしてもよい。
【0049】
モータは、第一部材を基体に対して第一部材のヨー軸周りに回転させるようにしてもよい。
【0050】
第二部材は、第一部材の周りを少なくとも第一部材のロール軸またはピッチ軸周りで回転するようにしてもよい。
【0051】
第二部材は、第一部材の周りをさらに第一部材のヨー軸周りで回転するようにしてもよい。
【0052】
外部の電源から支持機構へ電力が供給されるようにしてもよい。
【0053】
第一部材は、基体に接続され、基体に電源が設けられているようにしてもよい。
【0054】
支持機構は、第一部材に接続する基体を介して移動体に接続され、移動体に電源が設けられているようにしてもよい。
【0055】
支持機構は、第一部材に接続する基体を介して移動体に接続されるようにしてもよい。
【0056】
一態様において、上記いずれかの態様の支持機構と、支持機構が取り付けられた移動体とを備えるシステムを構成してもよい。
【0057】
一態様において、曲面状の表面を有する第一部材と、この表面上を移動する複数のアクチュエータと、複数のアクチュエータに接続され、慣性センサが取り付けられた第二部材と、を備える支持機構を駆動する方法であって、慣性センサを用いて第二部材の動きを検知する工程と、検知した第二部材の動きに基づいて複数のアクチュエータを駆動して、第二部材を第一部材の周りで回転させる工程と、を含む方法を構成してもよい。
【0058】
この態様では、複数のアクチュエータは、第一部材の曲面状の表面を移動する。複数のアクチュエータに接続された第二部材もこの表面に沿って移動し、第一部材の周りを回転する。ここで、第二部材には、慣性センサが取り付けられているので、第二部材の動きを簡易な構成で検知し、第一部材の周りの姿勢や回転を制御することができる。
【発明の効果】
【0059】
本発明によれば、駆動に伴う重心変動を抑制する支持機構に関する技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。以下の実施形態において説明する構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。各実施形態及びその変形例は、技術的に可能な限り、置換または組合せできる。なお、以下の説明では、同一または同様の構成には、特に断りのない限り、同一の名称を用いている。
【0062】
特許請求の範囲、明細書、図面、及び要約書には、著作権による保護の対象となる事項が含まれる。著作権者は、これらの書類の何人による複製に対しても、特許庁のファイルまたはレコードに表示される通りであれば異議を唱えない。ただし、それ以外の場合、一切の著作権を留保する。
【0063】
図1を参照して、支持機構と可動体とを備えたシステムの構成例を説明する。同図に示すように、システム1は、支持機構100と可動体101とが基体103を介して連結して構成されている。
【0064】
支持機構100は、固定子105(第一部材)、フレーム107(第二部材)及び複数のアクチュエータ109等を備える。固定子105と複数のアクチュエータ109とは、モータ組立体111を構成する。
【0065】
固定子105は、球状表面を有する球体である。変形例として、固定子105は、曲面状の表面を有する他の形状、例えば、半球体、円筒体、回転楕円体等であってもよい。
【0066】
フレーム107は、複数のアクチュエータ109に接続されている。フレーム107は、一つまたは複数の被支持体を支持可能である。被支持体は、フレーム107に支持される物体である。例えば、被支持体は、撮像装置(全天球カメラ、半天球カメラ、ビデオカメラ等)、センサ(画像センサ、音声センサ等)、画像出力装置もしくは音声出力装置(テレビ、スピーカ等)または通信装置及びロボットアーム等の機器でもよい。例えば、被支持体は、この機器に対して重量を釣り合わせるための錘でもよい。フレーム107は、例えばその表面上に被支持体を固定して直接支持してもよいし、フレームに接続された取付部材等を介して被支持体を間接的に支持してもよい。
【0067】
複数のアクチュエータ109は、固定子105に対する回転子として機能する。複数のアクチュエータ109は、固定子105に接触して球状表面上を移動し、フレーム107を固定子105に対して例えば3軸(ロール軸、ピッチ軸、ヨー軸)で回転させる。
【0068】
複数のアクチュエータ109は、例えば、圧電アクチュエータである。圧電アクチュエータは、電圧の印加により圧電素子が微小振動する。この微小振動により発生した超音波が固定子105の球状表面に伝達されると、摩擦力により複数のアクチュエータ109が固定子105の表面に沿って移動する。これに伴い複数のアクチュエータ109に接続されたフレーム107も固定子105に対して回転する。複数のアクチュエータ109のそれぞれに印加する電圧を制御することで、フレーム107の固定子105に対する姿勢や回転が制御できる。
【0069】
モータ組立体111は、固定子105と、複数のアクチュエータ109とから構成される。モータ組立体111は、例えば、フレーム107に直接力(例えば、超音波)を作用させるモータであり、フレーム107を基体103及び可動体101に対して一つまたは複数軸で回転させる。変形例として、モータ組立体111は、駆動力にコイルやマグネットによる電磁力を利用するモータでもよい。
【0070】
可動体101は、例えば、移動体である。移動体としては、無人航空機(Unmanned Aerial Vehicle、以下、「UAV」という。)、航空機、空中を移動する他の機器、地上を移動する車両、水上を移動する船舶、ロボット等が含まれる。変形例として、可動体101は、生体(人、動物)、生体に支持または装着されるデバイスでもよい。
【0071】
基体103は、支持機構100と可動体101とを接続する。基体103は、支持機構100と可動体101とが互いに相対移動しないように両者を接続してもよい。または、基体103は、支持機構100と可動体101とが相対移動(例えば、一つまたは複数軸で回転)するように両者を接続してもよい。変形例として、基体103を用いずに、支持機構100と可動体101とが直接連結されてもよい。
【0072】
図2を参照して、支持機構の一例を示す。
図2(A)に示すように、支持機構200は、固定子201、3つの圧電アクチュエータ203−1、203−2及び203−3(以下、まとめて「圧電アクチュエータ203」ともいう)、接続部材204、フレーム209並びにシャフト211等を備えている。
【0073】
支持機構200は、シャフト211を介して基体213に連結されている。同図中、互いに直交する3つの軸207−1、207−2及び207−3は、それぞれ、ヨー軸、ピッチ軸及びロール軸である。
【0074】
固定子201は、球状表面を有する球体であり、表面上の一点において棒状のシャフト211の一端に固定されている。シャフト211は、他端にて基体213に固定されている。
【0075】
圧電アクチュエータ203は、固定子201に接続され、固定子201の表面上(シャフト211が固定されている箇所を除く)を移動する。圧電アクチュエータ203は、固定子201の同一円周上に沿って、より具体的には、固定子201を構成する球体の小円(固定子201をその中心を含まない平面で切ったときの切断円)の周方向に沿ってそれぞれ均一に離間して配置される。ここでは、圧電アクチュエータ203は、固定子201の中心に対して互いに相対角度120度離間して配置されている。
【0076】
この小円の大きさは、
図2(B)に示すように、ピッチ軸207−2及びロール軸207−3を含む面に対する圧電アクチュエータ203の姿勢角αで規定される。姿勢角αは、例えば、0度から±85度等とすることができる。
【0077】
変形例として、圧電アクチュエータ203は、小円の周方向に沿って不均一に配置されてもよい。また、圧電アクチュエータ203は、固定子201の表面上の大円(固定子201をその中心を含む平面で切ったときの切断円)に沿って均一または不均一に配置されてもよい(この場合、
図2(B)の姿勢角αは0度になる)。また、圧電アクチュエータの数に限定はなく、例えば4つ以上としてもよい。
【0078】
圧電アクチュエータ203は、それぞれ圧電素子を備える。圧電素子には、例えば、超音波域の交流電圧が印加される。印加する電圧特性(例えば、振幅、位相差及び周波数等)を変化させることで圧電素子の伸縮が制御される。これにより圧電アクチュエータ203は、それぞれ角速度ベクトル205−1、205−2及び205−3で固定子201の表面上を移動する。
【0079】
圧電アクチュエータ203を駆動するための電力は、支持機構200の内部の電源(例えば、フレーム209に搭載したバッテリ等)から供給してもよいし、支持機構200の外部の電源(例えば基体213または基体213が接続される可動体のバッテリ等)からケーブルやワイヤまたは無線で供給してもよい。この電力は、支持機構200の他の部材または支持機構200に接続された他の構成を駆動するためにも用いることができる。
【0080】
接続部材204は、例えば、薄厚平板状の弾性部材であり、圧電アクチュエータ203それぞれをフレーム209の周方向に沿って接続する。このとき、接続部材204は、圧電アクチュエータ203を固定子201の中心方向に対して一方向に偏るような力を加えて、固定子201に予め負荷を付与してもよい。この場合、圧電アクチュエータ203が固定子201から外れてしまうことが抑制される。接続部材204は、フレーム209と一体成形されていてもよいし、フレーム209とは別体で接着、溶着または固定手段(ねじや、釘、ピン等)で接続されていてもよい。変形例として、フレーム209と接続部材204とを、互いに取り外し可能に接続してもよい。
【0081】
フレーム209は、リング状であり、固定子201の外周面を囲むように配置されている。フレーム209のリングの半径は、圧電アクチュエータ203が配置される固定子201の小円または大円の半径よりも少なくとも大きく、フレーム209の固定子201周りの回転の障害にならない大きさである。
【0082】
変形例として、フレーム209は、固定子201の外周の一部を覆うような平板状(例えば、
図5のフレーム503を参照)や多角形等の他の形状であってもよい。フレーム209は、点対称又は軸対称の形状でもよいし、非対称の形状でもよい。
【0083】
フレーム209は、圧電アクチュエータ203の固定子201上の移動により、角速度ベクトル205−1、205−2及び205−3の合力からなる角速度ベクトルを有する。これにより、フレーム209は、固定子201に対して3軸(ヨー軸207−1、ピッチ軸207−2及びロール軸207−3)周りに所定の可動域で回転する。変形例として、フレーム209は、3つの軸のいずれか2軸または1軸周りのみで回転するようにしてもよい。
【0084】
フレーム209は、一つまたは複数の被支持体を支持することができる。
図2(A)に示す例では、フレーム209の表面上に一つの被支持体206が固定されている。被支持体206は、フレーム209の動きに連動して固定子201に対して回転する。
【0085】
変形例として、フレーム209は、被支持体206をフレーム209の内部に収容してもよい。また、フレーム209は、取付部材を用いて被支持体をフレーム209の上方、側方または下方等に間接的に支持してもよい。このような取付部材は、フレーム209と一体成形されていてもよいし、フレーム209に接着、溶着または固定手段(ねじや、釘、ピン等)等で接続されていてもよい。また、フレーム209は、例えば被支持体206をワイヤで吊り下げる等して、被支持体206をフレーム209に対して相対移動可能に支持してもよい。また、フレーム209は、被支持体206をフレーム209に対して取り外し可能に支持してもよい。
【0086】
シャフト211は、例えば、ヨー軸207−1方向に伸びる棒状部材である。シャフト211は、一端で固定子201に固定され、他端で基体213に固定される。すなわち、シャフト211は、固定子201と基体213とを互いに相対移動できないように連結する。シャフト211の形状や大きさには特に限定はない。変形例として、シャフト211を用いずに、固定子201と基体213とを直接連結してもよい。
【0087】
基体213は、可動体(例えば、移動体や生体)や静止体(例えば、建築物)等の他の物体に接続可能である。基体213は、他の物体の表面(例えば、移動体の筐体内側または外側表面)に接続されてもよい。基体213は、他の物体の一部(例えば、移動体の筐体の一部)を構成してもよい。基体213は、他の物体に対して相対移動できないように固定されてもよいし、相対移動できるように接続されてもよい。基体は、他の物体に対して、取り外し可能に接続されてもよい。基体213は、接続する他の物体からの振動が支持機構200に伝達されるのを抑制するために、ダンパ等の衝撃吸収機構を備えてもよい。
【0088】
図3を参照して、支持機構の他の例を示す。
図3に示す支持機構300は、固定子315が基体303に対してヨー軸301周りで回転可能である点で、
図2で説明した支持機構200とは異なる。
【0089】
支持機構300のその余の構成(固定子315、圧電アクチュエータ311、フレーム313)は、支持機構200の対応する構成(固定子201、圧電アクチュエータ203、フレーム209)と同一または同様の構成をとることができる。なお、
図3においては、フレーム313に3つの被支持体309が支持された様子が示されているが、被支持体309の配置及び数はこれに限定されるものではない。
【0090】
図3に示すように、シャフト307は、一端で固定子315に固定され、他端でモータ305のロータ(回転子)に固定されている。モータ305の筐体(固定子)は、シャフト307に接続されている。モータ305は、例えば、DCサーボモータであり、ヨー軸301周りで所望の方向(時計周りまたは反時計周り)で回転する。モータ305は、例えば、エンコーダやポテンショメータを有しており、その回転角や回転速度が検知可能である。
【0091】
固定子315は、モータ305により、基体303に対してヨー軸周りで回転する。すなわち、フレーム313の基体303に対する回転は、固定子315の基体303に対するヨー軸周りの回転(回転1)と、フレーム313の固定子315に対する回転(回転2)とを合せたものになる。
【0092】
フレーム313の固定子315に対する回転(回転2)をロール軸及びピッチ軸の2軸周りの回転にしてもよい。この場合でも、固定子315の基体303に対するヨー軸周りの回転(回転1)により、フレーム313は、基体303に対してヨー軸、ロール軸及びピッチ軸の3軸周りで回転可能である。
【0093】
フレーム313の固定子315に対する回転(回転2)をロール軸、ピッチ軸及びヨー軸の3軸周りの回転としてもよい。この場合、ヨー軸周りの大きな動きをモータ305に担わせ、ヨー軸周りの微小な動きを圧電アクチュエータ311に担わせるようにしてもよい。
【0094】
図4を参照して、支持機構が複数の被支持体を支持する際の支持位置について説明する。
図4(A)は、重量が同一の3つの被支持体を支持する場合の一例であり、
図4(B)は、重量が異なる2つの被支持体を支持する場合の一例である。いずれの例においても、フレームは、複数の被支持体の少なくとも2つを、回転子を挟んで互いに反対側の位置で支持する。すなわち、被支持体の一方と被支持体の他方との相対角度(回転子の中心から一方の被支持体401−1に延びる半直線と、回転子の中心から他方の被支持体に延びる半直線とがなす角度)が90度より大きくなる。
【0095】
図4(A)に示すように、3つの被支持体401−1、401−2、401−3(以下、「被支持体401」ともいう。)は、重量が同一であり、固定子408に対して互いに反対側に位置する。より具体的には、被支持体401は、リング状のフレーム407の周方向に互いに等間隔(相対角度120度)で、かつ、3つの圧電アクチュエータ410−1、410−2、410−3(以下、「圧電アクチュエータ410」ともいう。)の中間に位置する。
【0096】
これにより、被支持体401を支持した状態のフレーム407(被支持体401及び圧電アクチュエータ410等のフレーム407とともに回転する物体を含む)の重心405が、ヨー軸403上に位置する。すなわち、フレーム407は、ヨー軸403に対して重量がバランスする。
【0097】
これにより、フレーム407を水平姿勢に維持するのに必要なトルクを減少させることができる。また、フレーム407のヨー軸403周りの回転に伴って支持機構の重心が変動することも抑制できる。
【0098】
フレーム407の重心405は、フレーム407に一つの被支持体のみが支持されている場合や複数の被支持体が固定子408の同じ側のみで支持されている場合に比べて、回転中心Oに近くなっている(回転中心Oと一致してもよい)。そのため、その余の回転軸(ピッチ軸又はロール軸)に対して姿勢を維持する際のトルクも減少する。また、フレーム407のこれらの回転軸周りの回転に伴って支持機構の重心が変動することも抑制できる。
【0099】
この支持機構を例えばUAVに取り付けて例えばカメラ等の撮像装置を支持するようにしてもよい。この場合、例えば、カメラを水平方向(水平面(地面)に対し平行な方向)に維持したまま撮像をしても、フレーム407を水平姿勢に維持するのに必要なトルクが少なくてすむ。すなわちカメラの水平姿勢を維持するために圧電アクチュエータ410に印加する電力を小さくできる。また、撮像対象に向けてカメラを水平方向で回転させても、フレーム407のヨー軸403周りの回転に伴う重心変動が抑制できるので、航行中のUAVのバランスが崩れることを抑制できる。
【0100】
図4(B)は、互いに重量の異なる2つの被支持体を支持する場合の例である。被支持体411と413とは、それぞれフレーム409の周方向に沿って配置され、互いに対向するように(相対角度180度の対称位置)位置する。より具体的には、被支持体411は、フレーム409の周方向で、圧電アクチュエータ410−1と410−3との中間に位置する。被支持体413は、圧電アクチュエータ410−2に対向してフレーム409の半径方向外側に位置する。フレーム409(被支持体411、413、3つの圧電アクチュエータ410−1、410−2、410−3等ともに回転する物体を含む)の重心は、少なくとも一つの回転軸(例えば、ヨー軸)上に位置する。
【0101】
被支持体のフレーム上の位置は、被支持体の総数、各被支持体の大きさ、重さ、形状等に応じて適宜変更できる。例えば、支持機構またはフレームがヨー軸に対して対称形の場合、複数の被支持体の重量がヨー軸においてバランスするように(それぞれのヨー軸に対する回転モーメントが互いに打ち消し合うように)、被支持体を配置してもよい。例えば、同じ重さの複数の被支持体を支持する場合は、これらの被支持体をヨー軸周りに均等に配置する。一方、異なる重さの複数の被支持体を支持する場合は、(ヨー軸に対するそれぞれの回転モーメントが互いに打ち消されるように)重い被支持体をヨー軸のより近くに配置し、軽い被支持体をヨー軸のより遠くに配置する。これにより、被支持体を支持したフレームのヨー軸に対する重量がバランスする(重心がヨー軸上に位置する)。
【0102】
複数の被支持体の種類は、同一でも互いに異なっていてもよい。例えば、被支持体の少なくとも一つは、撮像装置(全天球カメラ、半天球カメラ、ビデオカメラ等)、センサ(画像センサ、音声センサ等)、画像出力装置もしくは音声出力装置(テレビ、スピーカ等)または通信装置及びロボットアーム等の機器でもよい。例えば、被支持体の少なくとも1つは、この機器に対して重量を釣り合わせるための錘でもよい。錘は、フレームに別途取り付けられてもよいし、フレームに一体成形されてもよい。
【0103】
図5を参照して、慣性センサを備える支持機構の一例を示す。同図に示すように、支持機構500は、慣性センサ501、平板状のフレーム503、球状の固定子505、棒状のシャフト507、被支持体509、複数の圧電アクチュエータ511等を備えている。支持機構500は、慣性センサ501を備えている点を除いては、例えば、
図1から
図3で説明した支持機構100、支持機構200または支持機構300と同一または同様の構成にすることができる。
【0104】
慣性センサ501は、対象の加速度、角速度又は角加速度を検出するためのセンサ(Inertial Measurement Unit:IMU)であり、例えば、センサの3軸に対し3つの角速度センサ(ジャイロセンサ)と3つの加速度センサを取り付けたセンサ群である。変形例として、慣性センサ501は、角速度センサや加速度センサの誤差を補正するための地磁気センサ、傾斜センサ及びGPS等を含んでもよい。慣性センサ501は、一つでも複数でもよい。
【0105】
慣性センサ501は、平板状のフレーム503の表面上に固定されている。フレーム503に支持される被支持体509は、例えば、カメラのように撮像対象に応じてその位置や姿勢が制御されるものであってもよい。被支持体509が、制御装置を備える場合、慣性センサ501は、被支持体509の制御装置に電気的に接続されてもよい。
【0106】
フレーム503が固定子505の周りを回転すると、慣性センサ501及び被支持体509も固定子505の周りを回転する。すなわち、慣性センサ501の動きは、フレーム503及び被支持体509の動きに連動する。ここで、慣性センサ501とフレーム503及び被支持体509との位置関係は既知である。そのため、慣性センサ501は、フレーム503及び被支持体509の動き(例えば、位置、姿勢、角速度、角加速度等)を検知できる。すなわち、動きの検知に、例えばエンコーダ等の複雑な構成は不要になる。検知した動きは、フレーム503及び被支持体509の位置や姿勢の制御に用いられる。
【0107】
慣性センサ501は、フレーム503に一体成形されていてもよいし、例えば、接着、溶着、固定手段(ねじや、釘、ピン等)で取り外しできないように接続されていてもよい。慣性センサ501のフレーム503における位置や数は、適宜設定可能である。例えば、動きを検知する対象となる被支持体509上またはその近傍に慣性センサ501を取り付けてもよい。
【0108】
変形例として、慣性センサ501は、フレーム503に取り外し可能に接続されてもよい。また、慣性センサ501は、フレーム503にダンパ等の他の部材を介して間接的に接続されてもよい。
【0109】
図6及び
図7を参照して、このような慣性センサを用いた支持機構の較正(初期化)方法を説明する。
図6に示すように、支持機構600は、球状の固定子602に複数の圧電アクチュエータ604を介して回転可能に接続されたフレーム605を備える。フレーム605には、慣性センサ609が固定されるとともに、一つまたは複数の被支持体610が支持されている。
【0110】
支持機構600は、固定子602に接続されたシャフト606を介して、基体603に接続されている。基体603は、センサ607を備える。フレーム605は、固定子602及び基体603に対して、3軸(ヨー軸601−1、ピッチ軸601−2及びロール軸601−3)周りで回転する。支持機構600は、例えば、
図5で示した支持機構500と同一または同様の構成とすることができる。
【0111】
慣性センサ609は、例えば、加速度センサと角速度センサに加えて、地磁気センサを備えてもよい。この場合、慣性センサ609は、フレーム605のピッチ軸601−2及びロール軸601−3に対する姿勢角を加速度センサと角速度センサで検知し、フレーム605のヨー軸601−1に対する姿勢角は地磁気センサ(例えばコンパス)で検知してもよい。
【0112】
センサ607は、基体603の位置または姿勢を検知するセンサである。センサ607は、例えば慣性センサであり、加速度センサ、角速度センサ及び地磁気センサを備えてもよい。例えば、センサ607は、基体603のヨー軸601−1に対する姿勢角を、地磁気センサ(例えばコンパス)で検知してもよい。
【0113】
センサ607は、基体603に固定されている。センサ607は、基体603に一体成形されていてもよいし、例えば、接着、溶着または固定手段(ねじや、釘、ピン等)で取り外しできないように接続されていてもよい。
【0114】
変形例として、基体603が例えば可動体に固定され、基体603と可動体の動きが連動する場合、センサ607を基体603ではなく可動体に設け、センサ607で可動体の位置または姿勢を検知するようにしてもよい。
【0115】
図7を参照して、支持機構600の較正(初期化)手順を説明する。較正は、例えば支持機構600、被支持体610、基体603または可動体等に設けられた制御装置によって行うことができる。制御装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と半導体メモリなどの記憶媒体とから構成され、記憶媒体に記憶されたプログラムを実行し、各種の機能を実現する。
【0116】
ステップ701において、フレーム605のピッチ軸601−2及びロール軸601−3に対する姿勢角が慣性センサ609により検出される。
【0117】
ステップ703において、制御装置は、ステップ701で検出した姿勢角に基づいて、フレーム605を、ピッチ軸601−2及びロール軸601−3周りで参照位置まで回転させる。参照位置は、例えば、支持機構600の外部の所定位置(例えば、地面(水平)のような固定位置)としてもよいし、基体603の主平面としてもよい。変形例として、ステップ703は、ステップ707と同時またはステップ707の後に行ってもよい。
【0118】
ステップ705において、フレーム605のヨー軸601−1に対する姿勢角が慣性センサ609の例えば地磁気センサにより検出される。また、基体603のヨー軸601−1に対する姿勢角が慣性センサ609の例えば地磁気センサを用いて検出される。
【0119】
ステップ707において、制御装置は、ステップ705で検出したフレーム605及び基体603それぞれのヨー軸601−1に対する姿勢角に基づいて、フレーム605をヨー軸601−1周りで参照位置まで回転させる。参照位置は、基体603が可動体に取り付けられる場合、例えば、可動体の進行方向としてもよい。固定子602が基体603に対してヨー軸周りで回転可能に接続されている場合は、制御装置は、固定子602を基体603に対して回転させてもよい。
【0120】
図8を参照して、このような慣性センサを用いて、フィードバック制御により圧電アクチュエータの出力(トルク)を決定する方法について説明する。フィードバック制御は、P制御、PD制御、PI制御、PID制御またはこれらの組み合わせを含むことができる。ここではPID制御を用いた例で説明する。
【0121】
図8に示すとおり、フィードバックループ800は、制御装置802、センサ804(例えば、慣性センサ)、アクチュエータ806(例えば、圧電アクチュエータ)及びフレーム808等を備える。ここで、センサ804、アクチュエータ806及びフレーム808は、例えば、
図5の支持機構500または
図6の支持機構600の対応する構成(慣性センサ501及び609、圧電アクチュエータ511及び604、フレーム503及び605)と同一または同様の構成とすることができる。
【0122】
制御装置802は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と半導体メモリなどの記憶媒体とから構成される。制御装置802は、記憶媒体に記憶されたプログラムを実行し、各種の機能を実現する。制御装置802は、支持機構のフレーム(例えば、
図5の支持機構500のフレーム503や
図6の支持機構600のフレーム605等)、基体(例えば、
図6の基体603等)及び基体が接続される可動体等の一部または全部に設けられている。
【0123】
制御装置802には、目標(所定)の姿勢角810が入力される。姿勢角810は、例えば、フレームまたは被支持体の所望の姿勢(ロール角、ピッチ角、ヨー角)である。また、制御装置802には、センサ804からフレーム808の姿勢角812が入力される。姿勢角812は、例えば、センサ804の角速度センサ(ジャイロセンサ)で検出したフレーム808の現在または直近の角速度を積分することで算出される。
【0124】
制御装置802は、姿勢角810と姿勢角812との差分814を算出し、第一PIDコントローラ816に入力する。第一PIDコントローラ816から出力される角速度818は、フレーム808を所望の姿勢にするための角速度である。
【0125】
制御装置802には、センサ804から、フレーム808の角速度820が入力される。角速度820は、例えば、センサ804の角速度センサ(ジャイロセンサ)で検出したフレーム808の現在または直近の角速度である。
【0126】
制御装置802は、角速度818と角速度820との差分822を算出し、第二PIDコントローラ824に入力する。第二PIDコントローラから出力されるトルク826は、フレーム808を所望の姿勢にするためにアクチュエータ806が出力すべきトルクである。
【0127】
制御装置802は、トルク826を出力するようにアクチュエータ806に指令を送る。指令を受けたアクチュエータ806は、支持機構の固定子にトルク826を加えて固定子上を移動する。これにより、フレーム808は、所望の姿勢に向けて回転される。
【0128】
図9を参照して、支持機構の制御方法について説明する。この制御方法は、
図1から
図8を用いて説明した支持機構及びその変形例のいずれにも適用可能である。支持機構の制御は、例えば、
図8で説明した制御装置802を用いて行ってもよいし、別の制御装置を用いてもよい。
【0129】
ステップ901において、支持機構のフレームを回転させるに先立ち、制御装置は、支持機構の較正(初期化)を行う。制御装置は、例えば、
図7のステップ701から707で説明した較正方法を用いて、フレームを参照位置(例えば、水平かつ可動体の進行方向等)に対して位置合わせする。
【0130】
ステップ903において、制御装置は、フレームに設けられた慣性センサ(例えば、
図5の慣性センサ501または
図6の慣性センサ609等)を用いて、フレームの動きを検知する。
【0131】
ステップ905において、制御装置は、ステップ903で検知したフレームの動きに基づいて、例えば
図8を用いて説明したPID制御を行う。制御装置は、PID制御により決定したトルクに基づいて、圧電アクチュエータを駆動させ、フレームを所望の姿勢まで回転させる。
【0132】
図10を参照して、支持機構が取り付けられる可動体について説明する。ここでは、UAVを例に説明する。同図に示すとおり、UAV1000は、互いに所定の離間距離1010で位置する4つの回転翼1002、1004、1006及び1008を備える。UAV1000は、これらの回転翼の回転により揚力及び推進力を生じさせ、飛行する。UAV1000は、ユーザ操作によるマニュアル飛行、及び、予め設定された経路を飛行する自動飛行等が可能である。
【0133】
変形例として、UAV1000の回転翼の数は4つに限定されるものではなく、1つでもよいし、複数でもよい。また、UAV1000は、回転翼を有さずに固定翼を有してもよいし、回転翼及び固定翼の双方を有してもよい。
【0134】
図11を参照して、このようなUAVに、支持機構を取り付けた例を説明する。同図に示すとおり、UAV1100は、回転翼等の推進機構1106、センサシステム1108及び通信システム1110等を備える。UAV1100には、支持機構1102が接続されている。支持機構1102は、被支持体1104を支持可能である。
【0135】
支持機構1102及び被支持体1104は、
図1から
図9を用いて説明した支持機構お及び被支持体を適宜用いることができる。支持機構1102は、例えばUAV1100の底面中央に接続される。
【0136】
支持機構1102は、被支持体1104として例えば複数のカメラ(例えば2つ)を支持可能である。支持機構1102は、例えば、ヨー軸、ピッチ軸及びロール軸を中心にカメラを回転させ、UAV1100の航行中にカメラの姿勢を調整する。
【0137】
このとき、支持機構1102は、
図4を用いて説明したと同様に、被支持体1104(複数のカメラ)の重量を回転軸または回転中心に対してバランスさせることができる。これにより航行中にカメラの姿勢を変えても回転に伴う重心変動を抑制できる。そのため、航行中のUAV1100のバランスが崩れることを抑制できる。支持機構1102は、UAV1100の複数のカメラを支持するジンバルとして機能する。
【0138】
センサシステム1108は、UAV1100の状態を検知するための各種センサである。センサシステム1108は、例えば、GPS、運動センサ、慣性センサ、近接センサ等を用いて、UAV1100の位置、姿勢、速度、角速度または加速度等を取得する。センサシステム1108は、例えば、
図6で説明したセンサ607を含んでもよい。
【0139】
通信システム1110は、ネットワーク1116を介して、外部端末1112と一方向または双方向で通信する。外部端末1112からの通信は、例えば、UAV1110、支持機構1102及び被支持体1104の位置や姿勢を変更させるための制御指令を含んでもよい。通信システム1110からの通信は、センサシステム1108で検出したUAV1100の状態についての情報を含んでもよい。
【0140】
ネットワーク1116は、例えば、無線、WiFi、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、赤外線、ポイントツーポイント(P2P)ネットワーク、電気通信ネットワーク及びクラウド通信等の1つ以上を含む。
【0141】
外部端末1112は、UAV1100と通信する通信システム1114を有している。通信システム1114は、データをウェブサイトやサーバにアップロードまたはデータをウェブサイトからダウンロードできるように、インターネットまたは他のネットワークに接続されてもよい。
【0142】
外部端末1112は、手持ち型または装着型デバイスであってもよい。外部端末1112は、例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、コンピュータ、眼鏡、手袋、ヘルメット、マイクロホンまたはこれらの組合せで構成することができる。
【0143】
外部端末1112は、例えば、キーボード、マウス、ジョイスティック、タッチスクリーンまたはディスプレイ等のユーザインターフェースを含むことができる。外部端末1112は、例えば、UAV1100からの情報を表示する表示装置を含むことができる。
【0144】
本発明は、上記の態様に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な変更を加えて実施することができる。すなわち、上記の態様はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではなく、様々な変形例を採用することができる。