特許第6351718号(P6351718)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6351718窒化ガリウムデバイス及び集積回路において自己整合分離を製作する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6351718
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】窒化ガリウムデバイス及び集積回路において自己整合分離を製作する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20180625BHJP
   H01L 29/778 20060101ALI20180625BHJP
   H01L 29/812 20060101ALI20180625BHJP
   H01L 21/8232 20060101ALI20180625BHJP
   H01L 27/06 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   H01L29/80 H
   H01L29/80 E
   H01L27/06 F
【請求項の数】16
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-525383(P2016-525383)
(86)(22)【出願日】2014年7月2日
(65)【公表番号】特表2016-531420(P2016-531420A)
(43)【公表日】2016年10月6日
(86)【国際出願番号】US2014045246
(87)【国際公開番号】WO2015006131
(87)【国際公開日】20150115
【審査請求日】2017年3月13日
(31)【優先権主張番号】61/843,804
(32)【優先日】2013年7月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511243668
【氏名又は名称】エフィシエント パワー コンヴァーション コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ,チュンフア
(72)【発明者】
【氏名】カオ,ジャンジュン
(72)【発明者】
【氏名】リンドウ,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ビーチ,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ナカタ,アラナ
(72)【発明者】
【氏名】ストリットマター,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ザオ,グアンギュアン
(72)【発明者】
【氏名】コルリ,セシャドリ
(72)【発明者】
【氏名】マ,ヤンピン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ファン チャン
(72)【発明者】
【氏名】チアン,ミン−クン
(72)【発明者】
【氏名】カオ,ジアリ
【審査官】 杉山 芳弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−012735(JP,A)
【文献】 特開2011−082217(JP,A)
【文献】 特開2007−048863(JP,A)
【文献】 特開平01−179458(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/338
H01L 29/778
H01L 29/812
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのトランジスタデバイスを有する集積回路を形成する方法であって、当該方法は、
基板の上に緩衝層を形成するステップと、
前記緩衝層の上にGaN層を形成するステップと、
前記GaN層の上にバリア層を形成するステップと、
前記バリア層の上に誘電層を形成するステップと、
前記誘電層に前記少なくとも2つのトランジスタデバイスのそれぞれのための少なくとも1つのデバイスコンタクト開口を、前記誘電層の、前記少なくとも2つのトランジスタデバイスの間に分離コンタクト開口を形成するステップと、
前記誘電層、前記デバイスコンタクト開口及び前記分離コンタクト開口の上に金属層を形成するステップと、
ォトレジスト膜を各前記デバイスコンタクト開口の上に形成するステップと、
前記分離コンタクト開口の上に金属マスクの窓を形成するために前記金属層をエッチングするステップと、
前記金属層をエッチングするステップの一部として、前記バリア層及び前記GaN層の一部をエッチングして、前記金属マスクの窓と分離コンタクト開口とが重なる分離領域を形成するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記金属層をエッチングするステップは、Clプラズマ、BClプラズマ及びArプラズマのうちの少なくとも1つを含むプラズマを用いる金属エッチングを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも2つのトランジスタデバイスのそれぞれのための前記デバイスコンタクト開口はそれぞれのゲートコンタクトを定義する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記デバイスコンタクト開口は、前記少なくとも2つのトランジスタデバイスのそれぞれのための一対のデバイスコンタクト開口を含み、該一対のデバイスコンタクト開口はそれぞれのドレインオーミックコンタクト及びソースオーミックコンタクトを定義する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記GaN層はドープされておらず、0.5μm〜10μmの厚さを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記バリア層はドープされておらず、50オングストローム〜300オングストロームの厚さを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記バリア層はAlGaNを含み、該AlGaNのAl組成比が10%〜35%である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
トランジスタデバイスを形成する方法であって、当該方法は、
基板の上に緩衝層を形成するステップと、
前記緩衝層の上にGaN層を形成するステップと、
前記GaN層の上にバリア層を形成するステップと、
前記バリア層の上に誘電層を形成するステップと、
前記誘電層に少なくとも1つのデバイスコンタクト開口と、分離コンタクト開口とを形成するステップと、
前記誘電層、前記少なくとも1つのデバイスコンタクト開口及び前記分離コンタクト開口の上に金属層を形成するステップと、
ォトレジスト膜を前記少なくとも1つのデバイスコンタクト開口の上に形成するステップと、
前記分離コンタクト開口の上に金属マスクの窓を形成するために前記金属層をエッチングするステップと、
前記金属層をエッチングするステップの一部として、前記バリア層及び前記GaN層の一部をエッチングして、前記金属マスクの窓と分離コンタクト開口とが重なる分離領域を形成するステップと、
を含む方法。
【請求項9】
前記分離コンタクト開口は前記金属マスクの窓よりも幅広である、請求項1又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記金属マスクの窓は前記分離コンタクト開口よりも幅広である、請求項1又は8に記載の方法。
【請求項11】
前記誘電層に少なくとも1つのデバイスコンタクト開口と分離コンタクト開口とを形成するステップは、前記誘電層をエッチングして前記バリア層を露出することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記フォトレジスト膜を剥離するステップをさらに含む、請求項1又は8に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つのデバイスコンタクト開口は、前記トランジスタデバイスのためのゲートコンタクトを定義する、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのデバイスコンタクト開口は、前記トランジスタデバイスのためのドレインオーミックコンタクト及びソースオーミックコンタクトをそれぞれ定義する一対のデバイスコンタクト開口を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記フォトレジストは、前記金属層のエッチングのためのエッチストップとして機能する、請求項4又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記金属層をエッチングするステップは、各トランジスタデバイスのドレインオーミックコンタクトとソースオーミックコンタクトとの間にそれぞれの金属空間を定義することを含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンハンスメントモード窒化ガリウム(GaN)ヘテロ接合電界効果トランジスタ(HFET)の分野に関する。具体的には、本発明は、エンハンスメントモードGaNデバイス及び集積回路のよりコスト効率の良い製作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
窒化ガリウム(GaN)半導体デバイスは、それらが有する大量の電流を運搬する能力や高電圧に対応する能力からパワー半導体デバイスにとってますます望ましいものとなっている。これらのデバイスは、概して高パワー/高周波用途向けに開発されてきた。これらの種類の用途のために製作されたデバイスは、ヘテロ接合/ヘテロ構造電界効果トランジスタ(HFET)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)又は変調ドープ電界効果トランジスタ(MODFET)と様々に呼ばれる、高い電子移動度を呈する一般的なデバイス構造に基づくものである。
【0003】
GaN HFETデバイスは、少なくとも2つの窒化物層を有する窒化物半導体を含む。半導体上又は緩衝層上に形成された異なる材料は、これらの層に異なるバンドギャップをもたらす。隣接する窒化物層における異なる材料は、2つの層の接点(junction)の近傍、具体的にはバンドギャップが狭い方の層に導電性の2次元電子ガス(2DEG)領域の一因となる分極(polarization)も引き起こす。
【0004】
分極を引き起こす窒化物層は、電荷がデバイスを流れることができるようにする2DEGが含まれるように、GaNの層に隣接したAlGaNのバリア層を通常含む。このバリア層はドープされていてもよいしドープされていなくてもよい。2DEG領域は、ゼロゲートバイアスにあるゲートの下に存在するため、殆どの窒化物デバイスは通常オンであるか又はデプレッションモードデバイスである。ゼロ印加ゲートバイアスにあるゲートの下で2DEG領域が枯渇する(即ち、除去される)と、デバイスはエンハンスメントモードデバイスになり得る。エンハンスメントモードデバイスは通常オフであり、それらがもたらす追加の安全性から及び単純で低コストの駆動回路でそれらをより容易に制御できるため望ましい。エンハンスメントモードデバイスでは、電流を伝導するためにゲートに印加される正のバイアスが必要になる。
【0005】
GaNデバイス及び集積回路では、選ばれた領域で2DEGを取り除くために分離(isolation)が一般的に用いられる。分離は、寄生容量、例えばゲートドレイン間容量やドレインソース間容量を低減する。図1は、2つのデバイス10及び20を有する例示的な集積回路を示す。この集積回路では、2DEGを意図的に取り除いて寄生容量を最小限に抑えるためにデバイス10内に分離領域12が、デバイス20内に分離領域22が設けられている。デバイスの特定の領域に置かれた分離は電界を低減することもできる。
【0006】
GaN集積回路では、各デバイスのために異なる参照電位を可能にするために分離が用いられる。例えば、図1では、デバイス10のソースとデバイス20のソースとが異なる電位となるように、分離領域24がデバイス10及びデバイス20を電気的に分離する。デバイス10及び20内の分離領域12及び22は、2DEGが望ましくないところでそれを取り除き、それによって寄生容量が低減され、場合によっては電界がより高い領域が取り除かれる。
【0007】
図2は、デバイス30及びデバイス40を有すると共に分離を有する別の例示的な集積回路を示す。デバイス30は、ドレイン31、ゲート32及びソース33を含む。同様に、デバイス40は、ドレイン41、ゲート42及びソース43を含む。分離領域50は、デバイス30のソース33とデバイス40のソース43とが異なる電位となるようにデバイス30とデバイス40とを電気的に分離する。2DEGが望ましくないところでそれを取り除くためにデバイス30は分離領域34を含み、デバイス40は分離領域44を含む。2DEGが取り除かれることによって、寄生容量が低減され、場合によっては電界がより高い領域が取り除かれる。
【0008】
従来の製造方法では、隣接するデバイス30と40との間に分離領域50を製作し、デバイス30及びデバイス40内に分離領域34及び44を製作するために、導電層及び2DEGがエッチング又はイオン注入によって取り除かれる。図3A及び図3Bは、図2の線AA’の断面を示す。分離領域50a、50bはそれぞれ前記のエッチング及びイオン注入によって形成されている。
【0009】
図3A及び図3Bに示すように、分離領域50a及び50bは、第1のデバイス30のソース33と第2のデバイス40のソース43との間の最大電圧差を決定する長さLISOを有する。GaNベースの材料では、耐圧(breakdown voltage)はLISOに比例し、1μmにつき50〜200Vであり得る。
【0010】
従来、分離領域50は専用のマスクを用いて製作されている。図4A及び図4Bに示すように、エッチング又はイオン注入60を用いて分離領域50を製作する際、ウエハの上にパターンフォトレジスト62を形成するために専用の分離マスクが用いられる。デバイス30及びデバイス40のデバイス領域がパターンフォトレジスト62で覆われる一方、分離領域50c、50dが露出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
分離領域50を形成する従来の製造方法は、例えばフォトリソグラフィ、エッチング又はイオン注入、フォトレジストの剥離及びウエハのクリーニングを含むいくつかの工程段階を含む。イオン注入分離には、注入したイオン種を活性化するために熱アニールが追加で必要になり得る。専用の分離マスク及びその関連工程段階は製作コストを増加させる。
【0012】
従って、上記のデメリットや追加の工程段階が回避される自己整合分離(self-aligned isolation)部位を有する分離領域を形成するGaN半導体デバイスの製造方法に対して強く感じられる(strong felt)ニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
下記で説明する実施形態は、自己整合分離領域を形成するGaN半導体デバイスの製造方法を提供することによって上述した課題及び他の課題に対処する。
【0014】
上記の方法は、基板、緩衝層、GaN層及びバリア層を含むEPI構造を提供することを含む。誘電層がバリア層の上に形成され、オーミックコンタクト及びコンタクト開口(contact opening)のために誘電層に開口が形成される。その後、誘電層の上に金属層が形成され、各オーミックコンタクト開口の上にフォトレジスト膜が堆積される。その後、金属層をエッチングしてコンタクト開口の上に金属マスクの窓(metal mask window)を形成し、誘電層内のコンタクト開口によって露出された部分でバリア層及びGaN層をエッチングする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本開示の特徴、目的及び利点は、図面と併せて下記の詳細な説明から一層明らかとなる。図面では同様の参照符号は対応する要素を特定する。図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。図面全体を通して、同様の構造又は機能の要素を、例示を目的として同様の参照符号で表している。図面は、本明細書に記載の様々な実施形態の説明を促進することを意図したものにすぎない。図面には、本明細書に開示の教示の全ての態様が記載されておらず、特許請求の範囲を限定しない。
図1図1は、対応する分離領域をそれぞれが有する隣接した2つのデバイスを有する従来のGaN集積回路の上面図を概略的に示す。
図2図2は、対応する分離領域をそれぞれが有する隣接した2つのデバイスを有する別の従来のGaN集積回路の上面図を概略的に示す。
図3A図3Aは、活性層をエッチング除去することにより形成された従来の分離領域の断面図を示す。
図3B図3Bは、活性層にイオンを注入することにより形成された従来の分離領域の断面図を示す。
図4A図4Aは、専用のマスクを用いてエッチングにより形成された従来の分離領域の断面図を示す。
図4B図4Bは、専用のマスクを用いてイオン注入により形成された従来の分離領域の断面図を示す。
図5図5は、本発明の例示的な実施形態に係る自己整合分離領域を製作するフローチャートを示す。
図6A図6Aは、本発明の一実施形態に係る例示的な工程段階を示す。
図6B図6Bは、本発明の一実施形態に係る例示的な工程段階を示す。
図6C図6Cは、本発明の一実施形態に係る例示的な工程段階を示す。
図6D図6Dは、本発明の一実施形態に係る例示的な工程段階を示す。
図6E図6Eは、本発明の一実施形態に係る例示的な工程段階を示す。
図6F図6Fは、本発明の一実施形態に係る例示的な工程段階を示す。
図6G図6Gは、本発明の一実施形態に係る例示的な工程段階を示す。
図7A図7Aは、本発明の例示的な実施形態の、金属マスクの窓に自己整合した形成分離領域の上面図を示す。
図7B図7Bは、本発明の例示的な実施形態の、金属マスクの窓に自己整合した形成分離領域の断面図を示す。
図7C図7Cは、本発明の例示的な実施形態の、コンタクト開口に自己整合した形成分離領域の上面図を示す。
図7D図7Dは、本発明の例示的な実施形態の、コンタクト開口に自己整合した形成分離領域の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
下記の詳細な説明では、特定の実施形態に言及する。この詳細な説明は、本教示の好ましい態様を実施するために当業者にさらなる詳細を教示することを意図したものにすぎず、特許請求の範囲を限定することを意図していない。従って、下記の詳細な説明で開示する特徴の組み合わせは、本教示を最も広い意味で実施するのに必要でない場合があり、それらは本教示の特定の代表例を説明するために教示されているにすぎない。なお、他の実施形態が用いられ得ると共に、様々な構造的、論理的及び電気的な変更が加えられ得ることが分かる。
【0017】
本発明は、コンタクト開口又は金属マスクの窓に自己整合した分離領域を有するエンハスメントモードGaN HFETデバイスを形成するための方法である。当該方法は専用の分離マスク及び関連する工程段階を必要としないため、製造コストが抑えられて有利である。
【0018】
図5は、本発明の第1の実施形態に係る、分離領域を有するGaN HFETを製造するための方法のフローチャートを示す。先ず、ステップ510で、as−grownのEPI構造が形成される。下記でより詳細に説明するように、EPI構造は基板、緩衝層、窒化ガリウム(GaN)層13及びAlGaNバリア層を含む。ステップ515では、誘電層をEPIの表面に堆積する。なお、堆積は、原子層成長法又はプラズマ化学気相成長法等の任意の従来の堆積技術を用いて行うことができるのが分かる。あるいは、EPI成長の最後に誘電層を成長させることもできる。
【0019】
次に、ステップ520では、コンタクトマスクを誘電層の上に堆積すると共に、エッチングを行って誘電層内に窓を定義する。その窓の場所にアクティブデバイスのためにオーミックコンタクトが形成され、分離領域が形成されることになる。エッチングの後、ステップ525でコンタクト金属がブランケット堆積(blanket deposited)され、金属マスクが行われる。金属マスクは、金属線(metal line)及び金属空間(metal space)がアクティブデバイスのために提供される場所及び分離領域のための開口領域が形成されることになる場所を定義する。
【0020】
最後に、ステップ530で、金属エッチングを行って、金属マスクが開口領域を有する金属をエッチング除去し、分離領域が形成されることになる導電層をエッチング除去する。ステップ530における金属オーバーエッチング(metal over etching)の間、アクティブデバイス領域内の導電層又は金属マスクでエッチングがストップする。それとは対照的に、金属マスクの開口領域及びコンタクトマスク内の開口窓の双方の領域では、金属オーバーエッチングが続けられて導電層がエッチング除去され分離領域が形成される。ドレインオーミックコンタクト及びソースオーミックコンタクトを形成するのにコンタクト金属マスク及び金属エッチングを用いることができる。あるいは、ゲートコンタクトを形成するためにコンタクト金属マスク及び金属エッチングを用いることができる。その結果として得られるGaN HFETはコンタクト開口又は金属マスクの窓に自己整合した分離領域を含む。
【0021】
図6A図6Gは、コンタクト開口又は金属マスクの窓に自己整合した分離領域を有するエンハンスメントモードGaN HFETデバイスを形成するための選ばれた工程段階の断面図を示す。図面における断面図は概してウエハの表面に垂直な面に沿ったものであり、図面全体を通して同様の参照符号を同様の特徴のために一貫して用いている。なお、断面図は、図5に関して上述した方法ステップに概ね対応する。
【0022】
図6Aは、開始時のEPI構造100を示す。EPI構造100は、下から上の順番に、ケイ素、炭化ケイ素、GaN及びサファイア等の基板111と、緩衝層112と、通常ドープされておらず、その厚さが好ましくは0.5〜10μmであるGaN層113と、通常ドープされておらず、その厚さが好ましくは50オングストローム〜300オングストロームであり、Al組成が好ましくは10%〜35%であるAlGaNバリア層114とを含む。当業者であれば分かるように、EPI構造100の各層は従来の堆積技術を用いて基板111の上に堆積されるか、あるいは形成される。
【0023】
図6Bは、誘電層をEPI構造100に堆積した後の(即ち、図5のステップ515)、結果として得られたGaN構造101aを示す。図示のように、誘電層115はEPI構造100のAlGaNバリア層114の上に堆積される。誘電層115は窒化ケイ素(Si)であることが好ましい。誘電材料115を堆積した後、コンタクトマスク及びエッチング(即ち、図5のステップ520)を行ってデバイス102のためのコンタクト116及びデバイス104のためのコンタクト117が形成されることになる領域を定義する。下記でより詳細に説明するように、分離領域はコンタクト開口118に形成される。
【0024】
図6Cは、金属層119の堆積後の、結果として得られたGaN構造101bを示す(即ち、図5のステップ525)。金属層119は、例えばチタン(Ti)、アルミニウム(Al)及びモリブデン(Mo)を重ねたもので構成可能な金属膜であることが好ましい。図示のように、金属層119が誘電層115の上に堆積され、コンタクト116及び117のための開口に加えてコンタクト開口118内にも堆積される。
【0025】
次に、図6Dは金属マスクを行った後のGaN構造101cを示す。金属マスクは、フォトレジスト膜120と、アクティブデバイス102及び104内の金属線121と、アクティブデバイス102及び104内の金属空間122とを定義する。また、2つのアクティブデバイス102及び104の間の分離領域のために金属マスクの窓123が形成される。金属マスクの窓123の寸法は、図6Bに図示するコンタクト開口118よりも幅広であることが好ましい。
【0026】
図6Eは、金属エッチングが構造の表面上の金属層119を除去した後の、フォトレジスト120が形成されていないGaN構造101dを示す。この例示的な実施形態では、金属エッチングがClプラズマ、BClプラズマ及びArプラズマを用いることが好ましい。図6Dに同様に示すように、2つのデバイス102及び104の間の分離領域が形成されることになる金属マスクの窓123が設けられており、金属マスクの窓123はコンタクト開口118よりも幅広であることが好ましい。
【0027】
図6Fは金属オーバーエッチングで導電層が除去された後のGaN構造101eを示す。金属オーバーエッチの間、金属エッチングは金属線121内のフォトレジスト120でストップする。エッチングは金属空間122内の誘電層115で及びコンタクト開口118の外側の金属線121でもストップする。この例示的な実施形態では、金属マスクの窓123とコンタクト開口118とが重なる領域でのみ金属オーバーエッチングが続けられてAlGaNバリア114がエッチング除去されGaN層113内がエッチングされる。GaN層113内へのエッチングは2DEGを除去して分離エリアを形成する。
【0028】
上述したように、この例示的な実施形態では、金属マスクの窓123はコンタクト開口118よりも大きく、これにより2つのデバイス102及び104の間の分離領域が好適に図5のステップ520で形成され、図6Bに図示するコンタクト開口118と同じ大きさになる。そのため、2つのデバイス102及び104の間の分離領域はコンタクト開口118に自己整合し、図6Fに示す構造101eが得られる。なお、代替的な実施形態では、コンタクト開口118は金属マスクの窓123よりも大きく、その結果、分離領域が金属マスクの窓123に自己整合する。
【0029】
図6Gは、従来の技術を用いてフォトレジスト120を剥離した後の最終的なGaN構造101fを示す。2つのデバイス102及び104の間の分離領域106は金属オーバーエッチングで形成されている。図示のように、デバイス102は一対のオーミックコンタクト116a、116b(即ちドレインコンタクト及びソースコンタクト)を含み、デバイス104は同様に一対のオーミックコンタクト117a、117b(即ちドレインコンタクト及びソースコンタクト)を含む。本明細書で説明の製造方法は専用のマスク及び関連する段階工程なしに分離領域を定義するため、製作コストが大幅に抑えられ有利である。
【0030】
図7A図7Dは、金属マスクの窓とコンタクト開口とが重なる自己整合分離構造の概略断面を示す。具体的には、図7A図7Bは、コンタクト開口が金属マスクの窓よりも大きい本発明の一実施形態の上面図及び断面図をそれぞれ示す。図7Aに示すように、金属マスクの開口201はコンタクト開口202よりも大きい。その結果、分離領域は図7Bに示す概略断面に図示するようにコンタクト開口202に好適に自己整合する。なお、この実施形態は前で説明した本発明の工程段階を用いて実施できるのが分かる。
【0031】
図7C図7Dは、コンタクト開口が金属マスクの窓よりも小さい本発明の別の実施形態の上面図及び断面図をそれぞれ示す。図7Cに示すように、金属マスクの窓301はコンタクト開口302よりも小さい。その結果、分離領域は図7Dに示す概略断面に図示するように金属マスクの窓301に自己整合する。
【0032】
最後に、図5及び図6A図6Gに関して上述した前記の製造方法を、2つ以上のトランジスタデバイスを有する集積回路を製造するためのものとして説明したが、本明細書で説明の製造方法はディスクリートトランジスタデバイス等を製作するのに実施することも可能であると考えられる。具体的には、1つの適用例として、トランジスタのゲートパッド等の下に分離領域を形成するのに本願開示の製造技術を適用することができる。別の例は、当業者であれば分かるように本発明の製造方法を用いてシングルデバイス内に分離メサを形成することである。
【0033】
上記の説明及び図面は、本明細書で説明した特徴及び利点を実現する特定の実施形態を示すだけのものと解釈すべきある。特定のプロセス条件の変更及び置換がなされることがある。従って、本発明の実施形態は、上記の説明及び図面によって限定されると解釈すべきでない。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図7A
図7B
図7C
図7D