(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6351726
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】LTEとの適応TTI共存のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H04W 72/04 20090101AFI20180625BHJP
【FI】
H04W72/04 131
H04W72/04 132
H04W72/04 136
【請求項の数】22
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-543006(P2016-543006)
(86)(22)【出願日】2014年12月29日
(65)【公表番号】特表2017-510108(P2017-510108A)
(43)【公表日】2017年4月6日
(86)【国際出願番号】CN2014095352
(87)【国際公開番号】WO2015096821
(87)【国際公開日】20150702
【審査請求日】2016年8月23日
(31)【優先権主張番号】61/921,168
(32)【優先日】2013年12月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/582,951
(32)【優先日】2014年12月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】ケルヴィン・カー・キン・アウ
(72)【発明者】
【氏名】リチン・ザン
(72)【発明者】
【氏名】ジアンレイ・マ
【審査官】
▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】
特表2009−506679(JP,A)
【文献】
特開2007−300510(JP,A)
【文献】
NTT DoCoMo,Physical Channel Structures for Evolved UTRA[online], 3GPP TSG-RAN WG1#41 R1-050464,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_41/Docs/R1-050464.zip>,2005年 5月13日,Pages 1-13
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
適応送信時間間隔(TTI)共存メカニズムのための方法であって、前記方法は、
ネットワークコントローラにより、第1の帯域幅においてロング・ターム・エボリューション(LTE) TTIを割り振るステップであって、前記第1の帯域幅は使用可能なシステム帯域幅よりも小さく、前記使用可能なシステム帯域幅の中央においてキャリア周波数を中心とする、ステップと、
前記第1の帯域幅の外の前記使用可能なシステム帯域幅において適応TTIを割り振るステップと、
前記第1の帯域幅の外の前記使用可能なシステム帯域幅における適応TTIの前記割り振りを記述する適応TTI帯域幅パーティショニング情報を生成するステップと、
前記適応TTI帯域幅パーティショニング情報を適応TTI対応の端末にブロードキャストするステップとを備える、方法。
【請求項2】
前記第1の帯域幅をLTEシステム情報メッセージでブロードキャストするステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記適応TTI帯域幅パーティショニング情報は、適応TTIに非対応の端末のデフォルトのTTI長さを含む複数のTTI長さを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記LTE TTIおよび適応TTIは、同一キャリア上の使用可能なシステム帯域幅において割り振られる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
LTE制御およびデータチャネルを前記第1の帯域幅内のリソースにマップするステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記LTE制御およびデータチャネルは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)および拡張PDCCH(ePDCCH)のうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の帯域幅における変更をシステム情報変更手順またはページングメッセージを介してLTE端末に伝達するステップをさらに備える、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記適応TTI対応の端末は、第5世代(5G)無線通信端末である、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記適応TTI帯域幅パーティショニング情報をブロードキャストするステップは、前記適応TTI帯域幅パーティショニング情報を、1つまたは複数の無線フレームの間隔で上位レイヤ信号伝達を介して第5世代(5G)無線通信端末に伝達するステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記LTE TTIは、ネットワークおよびトラフィックの必要に従って、時間の経過に伴って動的な方法で前記第1の帯域幅において割り振られる請求項1に記載の方法。
【請求項11】
適応送信時間間隔(TTI)共存メカニズムをサポートするネットワークコンポーネントであって、前記ネットワークコンポーネントは、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサにより実行するプログラミングを格納する非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体とを備え、前記プログラミングは、
第1の帯域幅においてロング・ターム・エボリューション(LTE) TTIを割り振るための命令であって、前記第1の帯域幅は使用可能なシステム帯域幅よりも小さく、前記使用可能なシステム帯域幅の中央においてキャリア周波数を中心とする、命令と、
前記第1の帯域幅をLTEシステム情報メッセージでブロードキャストするための命令と、
前記第1の帯域幅の外の前記使用可能なシステム帯域幅において適応TTIを割り振るための命令と、
前記第1の帯域幅の外の前記使用可能なシステム帯域幅における適応TTIの前記割り振りを記述する適応TTI帯域幅パーティショニング情報を生成するための命令と、
適応TTI帯域幅パーティショニング情報を適応TTI対応の端末にブロードキャストするための命令とを含む、ネットワークコンポーネント。
【請求項12】
前記プログラミングは、LTE制御およびデータチャネルを前記第1の帯域幅内のリソースにマップするためのさらなる命令を含む、請求項11に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項13】
適応送信時間間隔(TTI)共存メカニズムのための方法であって、
ネットワークコントローラにより、適応TTIに非対応の端末に対して、時分割多重(TDM)方式に従って第1の時間間隔においてロング・ターム・エボリューション(LTE) TTIを割り振るステップと、
適応TTI対応の前記端末に対して、適応TTIをTDM方式の第2の時間間隔において割り振るステップであって、前記第1の時間間隔および前記第2の時間間隔は、時間の経過に伴って相互に切り替わるステップとを備える方法。
【請求項14】
前記第1の時間間隔内の前記LTE TTIは前記適応TTI対応の端末に透過的であり、前記第2の時間間隔内の前記適応TTIは前記適応TTIに非対応の端末に透過的である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の時間間隔は、ネットワークおよびトラフィックの必要に従って、時間の経過に伴って動的な方法で決定された期間を有する、請求項13または請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記LTE TTIおよび適応TTIは、前記適応TTIに非対応の端末に第1の時間間隔を事前定義するステップと、前記適応TTI対応の端末に第2の時間間隔を事前定義するステップとを含む半静的な方式で割り振られる、請求項13または請求項14に記載の方法。
【請求項17】
適応送信時間間隔(TTI)共存メカニズムをサポートするネットワークコンポーネントであって、前記ネットワークコンポーネントは、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサにより実行するプログラミングを格納する非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体であり、前記プログラミングは、
適応TTIに非対応の端末に対して、時分割多重(TDM)方式に従って第1の時間間隔においてロング・ターム・エボリューション(LTE) TTIを割り振るための命令と、
適応TTI対応の端末に対して、適応TTIを前記TDM方式の第2の時間間隔において割り振るための命令とを含み、前記第1の時間間隔および前記第2の時間間隔は、時間の経過に伴って相互に切り替わる非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体とを備える、ネットワークコンポーネント。
【請求項18】
前記第1の時間間隔内の前記LTE TTIは前記適応TTI対応の端末に透過的であり、前記第2の時間間隔内の前記適応TTIは前記適応TTIに非対応の端末に透過的である、請求項17に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項19】
適応送信時間間隔(TTI)共存メカニズムのための方法であって、前記方法は、
適応TTIに非対応のユーザ機器(UE)によって、ロング・ターム・エボリューション(LTE)システムメッセージで、LTE TTIに割り振られた第1の帯域幅の指示を受信するステップであって、前記第1の帯域幅は、キャリア周波数を中心とする使用可能なシステム帯域幅よりも小さい、ステップと、
前記第1の帯域幅内のリソースにマップされたLTE制御チャネルを無分別にデコードするステップとを備え、
前記使用可能なシステム帯域幅は、適応TTI対応のUEに対して適応TTIを、前記第1の帯域幅の外にさらに割り振られる、方法。
【請求項20】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサにより実行するプログラミングを格納する非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体とを備えたユーザ機器(UE)であって、前記プログラミングは、
ロング・ターム・エボリューション(LTE)システムメッセージで、LTE TTIに割り振られた第1の帯域幅の指示を受信するための命令であって、前記第1の帯域幅は、キャリア周波数を中心とする使用可能なシステム帯域幅よりも小さい、命令と、
前記第1の帯域幅内のリソースにマップされたLTE制御チャネルを無分別にデコードするための命令であって、前記UEは適応TTIに非対応である、命令とを含み、
前記使用可能なシステム帯域幅は、適応TTI対応のUEに対して適応TTIを、前記第1の帯域幅の外にさらに割り振られる、UE。
【請求項21】
適応送信時間間隔(TTI)共存メカニズムのための方法であって、
適応TTI対応のユーザ機器(UE)により、キャリア周波数を中心とする使用可能なシステム帯域幅における適応TTIの割り振りを備える適応TTI帯域幅パーティショニング情報を受信するステップであって、前記適応TTIは、使用可能なシステム帯域幅よりも小さくかつキャリア周波数を中心とする第1の帯域幅の外の使用可能なシステム帯域幅において割り振られ、前記第1の帯域幅は、適応TTIに非対応のUEに対してロング・ターム・エボリューション(LTE) TTIを割り振られる、ステップと、
前記第1の帯域幅の外の前記適応TTIにおいてリソースにマップされた制御およびデータチャネルをデコードするステップとを備える、方法。
【請求項22】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサにより実行するプログラミングを格納する非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体とを備えたユーザ機器(UE)であって、前記プログラミングは、
キャリア周波数を中心とする使用可能なシステム帯域幅における適応TTIの割り振りを備える適応TTI帯域幅パーティショニング情報を受信するための命令であって、適応TTIは、使用可能なシステム帯域幅よりも小さくかつキャリア周波数を中心とする第1の帯域幅の外の使用可能なシステム帯域幅において割り振られ、前記第1の帯域幅は、適応TTIに非対応のUEに対してロング・ターム・エボリューション(LTE) TTIを割り振られる、命令と、
前記第1の帯域幅の外の前記適応TTIにおいてリソースにマップされた制御およびデータチャネルをデコードするための命令であって、前記UEは適応TTI対応のUEである、命令とを含む、UE。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照により全体が複製されているかのように本明細書に組み込まれる、2013年12月27日に出願した「System and Method for Adaptive TTI Coexistence with LTE」と題する米国特許仮出願第61/912,168号明細書、および2014年12月24日に出願した「System and Method for Adaptive TTI Coexistence with LTE」と題する米国特許通常出願第14/582,951号明細書の利点を主張するものである。
【0002】
本発明は、無線通信に関し、詳細な実施形態において、ロング・ターム・エボリューション(LTE)との適応送信時間間隔(TTI)共存のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ロング・ターム・エボリューション(LTE)のような無線通信システムにおいて、フレーム構造の基本パラメータの1つは、送信時間間隔(TTI)である。TTIは、無線リンクレイヤ上での送信のための上位レイヤからのデータのフレームへのカプセル化に関連するパラメータである。TTIは、無線リンク上の送信の期間を示し、上位ネットワークレイヤから無線リンクレイヤへと受け渡されるデータブロックのサイズに関連する。1つのそのようなブロックを送信するために必要とされる時間の長さが、TTIを決定する。無線ネットワーキングの第5世代(5G)システムへの移行に伴って、TTIの使用を含む、既存のLTEシステムと新しい5Gシステムの共存を確実にすることが必要となっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態によれば、適応送信時間間隔(TTI)共存のメカニズムのための方法は、ネットワークコントローラにより、第1の帯域幅においてロング・ターム・エボリューション(LTE) TTIを割り振るステップを含む。第1の帯域幅は、使用可能なシステム帯域幅よりも小さく、使用可能なシステム帯域幅の中央においてキャリア周波数を中心としている。方法は、第1の帯域幅の外の使用可能なシステム帯域幅に適応TTIを割り振り、適応TTI帯域幅パーティショニング情報を適応TTI対応の端末にブロードキャストするステップをさらに含む。
【0005】
もう1つの実施形態によれば、適応TTI共存のメカニズムをサポートするネットワークコンポーネントは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサにより実行するプログラミングを格納する非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体とを備える。プログラミングは、第1の帯域幅においてLTE TTIを割り振るための命令を含み、第1の帯域幅は使用可能なシステム帯域幅よりも小さく、使用可能なシステム帯域幅の中央においてキャリア周波数を中心としている。プログラミングは、LTEシステム情報メッセージで第1の帯域幅をブロードキャストし、第1の帯域幅の外の使用可能なシステム帯域幅に適応TTIを割り振り、適応TTI帯域幅パーティショニング情報を適応TTI対応の端末にブロードキャストするためのさらなる命令を含む。
【0006】
もう1つの実施形態によれば、適応TTI共存のメカニズムのための方法は、適応TTIに非対応の端末のネットワークコントローラにより、時分割多重(TDM)方式に従い第1の時間間隔においてLTE TTIを割り振り、適応TTI対応の端末に対して、TDM方式の第2の時間間隔において適応TTIを割り振るステップを含む。第1の時間間隔および第2の時間間隔は、時間の経過に伴って相互に連続的に切り替わる。
【0007】
もう1つの実施形態によれば、適応TTI共存のメカニズムをサポートするネットワークコンポーネントは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサにより実行するプログラミングを格納する非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体とを備える。プログラミングは、適応TTIに非対応の端末に対して、TDM方式に従い第1の時間間隔においてLTE TTIを割り振り、適応TTI対応の端末に対して、TDM方式の第2の時間間隔において適応TTIを割り振るための命令を含む。第1の時間間隔および第2の時間間隔は、時間の経過に伴って相互に連続的に切り替わる。
【0008】
もう1つの実施形態によれば、適応TTI共存のメカニズムのための方法は、既存のキャリアにおいて、適応TTIをサポートする1つまたは複数のニューキャリアに端末を向けるために使用される適応TTIパラメータを信号伝達し、適応TTIをサポートするために1つまたは複数のニューキャリアを割り振るステップを含む。方法は、1つまたは複数のニューキャリアにおいて、詳細な適応TTIパラメータを適応TTI対応の端末に信号伝達するステップをさらに含む。
【0009】
もう1つの実施形態によれば、適応TTI共存のメカニズムをサポートするネットワークコンポーネントは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサにより実行するプログラミングを格納する非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体とを備える。プログラミングは、既存のキャリアにおいて、適応TTIをサポートする1つまたは複数のニューキャリアに端末を向けるために使用される適応TTIパラメータを信号伝達し、適応TTIをサポートするために1つまたは複数のニューキャリアを割り振り、1つまたは複数のニューキャリアにおいて、詳細な適応TTIパラメータを適応TTI対応の端末に信号伝達するための命令を含む。
【0010】
もう1つの実施形態によれば、適応TTI共存のメカニズムのための方法は、適応TTIに非対応のユーザ機器(UE)により、LTEシステムメッセージでLTE TTIに割り振られている第1の帯域幅の指示を受信するステップを含む。第1の帯域幅は、キャリア周波数を中心とする使用可能なシステム帯域幅よりも小さい。方法は、第1の帯域幅内のリソースにマップされたLTE制御およびデータチャネルを無分別にデコードするステップをさらに含み、使用可能なシステム帯域幅は、第1の帯域幅の外の、適応TTI対応のUEに対する適応TTIがさらに割り振られる。
【0011】
もう1つの実施形態によれば、UEは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサにより実行するプログラミングを格納する非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体とを備える。プログラミングは、LTEシステムメッセージで、LTE TTIに割り振られた第1の帯域幅の指示を受信するための命令を含み、第1の帯域幅は、キャリア周波数を中心とする使用可能なシステム帯域幅よりも小さい。プログラミングは、第1の帯域幅内でリソースにマップされたLTE制御およびデータチャネルを無分別にデコードするためのさらなる命令を含み、UEは適応TTIに非対応であり、使用可能なシステム帯域幅は、第1の帯域幅の外の、適応TTI対応のUEに対する適応TTIがさらに割り振られる。
【0012】
もう1つの実施形態によれば、適応TTI共存のメカニズムのための方法は、適応TTI対応のUEにより、キャリア周波数を中心とする使用可能なシステム帯域幅における適応TTIの割り振りを含む適応TTI帯域幅パーティショニング情報を受信するステップを含み、適応TTIは、使用可能なシステム帯域幅よりも小さくかつ
キャリア周波数を中心とする第1の帯域幅の外の使用可能なシステム帯域幅において割り振られ、第1の帯域幅は、適応TTIに非対応のUEに対してLTE TTIを割り振られる。方法は、第1の帯域幅の外の適応TTIにおいてリソースにマップされた制御およびデータチャネルをデコードするステップをさらに含む。
【0013】
もう1つの実施形態によれば、UEは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサにより実行するプログラミングを格納する非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体とを備える。プログラミングは、キャリア周波数を中心とする使用可能なシステム帯域幅における適応TTIの割り振りを含む適応TTI帯域幅パーティショニング情報を受信するための命令を含み、適応TTIは、使用可能なシステム帯域幅よりも小さくかつ
キャリア周波数を中心とする第1の帯域幅の外の使用可能なシステム帯域幅において割り振られ、第1の帯域幅は、適応TTIに非対応のUEに対してLTE TTIを割り振られる。プログラミングは、第1の帯域幅の外の適応TTIにおいてリソースにマップされた制御およびデータチャネルをデコードするためのさらなる命令を含み、UEは適応TTI対応のUEである。
【0014】
もう1つの実施形態によれば、適応TTI共存のメカニズムのための方法は、ユーザ機器によって、既存のキャリアにおいて第1の信号伝達を受信するステップであって、第1の信号伝達は、適応TTIをサポートする1つまたは複数のニューキャリアに端末を向けるために使用される適応TTIパラメータを示す、ステップと、1つまたは複数のニューキャリアに同調するステップとを含む。方法は、1つまたは複数のニューキャリアにおいて第2の信号伝達を受信するステップであって、第2の信号伝達は詳細な適応TTIパラメータを示す、ステップをさらに含み、UEは適応TTI対応の端末である。
【0015】
さらにもう1つの実施形態によれば、UEは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサにより実行するプログラミングを格納する非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体とを備える。プログラミングは、既存のキャリアにおいて第1の信号伝達を受信するための命令を含む。第1の信号伝達は、適応TTIをサポートする1つまたは複数のニューキャリアに端末を向けるために使用される適応TTIパラメータを示す。プログラミングは、1つまたは複数のニューキャリアに同調し、1つまたは複数のニューキャリアにおいて第2の信号伝達を受信するための命令をさらに含む。第2の信号伝達は、詳細な適応TTIパラメータを示し、UEは適応TTI対応の端末である。
【0016】
上記の説明は、後段の本発明の詳細な説明がより深く理解されうるために、本発明の実施形態の特徴を広範に概説したものである。本発明の実施形態のさらなる特徴および利点は、これ以降説明されるが、本発明の特許請求の範囲の主題を形成する。当業者であれば、開示される概念および特定の実施形態が、本発明の同一の目的を実行するためのその他の構造体またはプロセスの変更または設計のための基礎として容易に活用されうることを理解するはずである。また、当業者であれば、そのような等価の構造体が、添付の特許請求の範囲に示される本発明の精神および範囲を逸脱することがないことも理解されよう。
【0017】
本開示、およびその利点をより完全に理解するために、これ以降、添付の図面と併せて以下の説明が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】適応TTIキャリア内共存メカニズムの実施形態を示す図である。
【
図2】周波数分割多重(FDM)を使用する適応TTIキャリア内共存メカニズムの実施形態を示す図である。
【
図3】適応TTIの柔軟なキャリア内共存メカニズムの実施形態を示す図である。
【
図4】時間分割多重(TDM)を使用する適応TTIのキャリア内共存メカニズムの実施形態を示す図である。
【
図5】適応TTIキャリア間共存メカニズムの実施形態を示す図である。
【
図6】ネットワーク信号伝達(NS)およびニューキャリアタイプ(NCT)を使用する適応TTIキャリア間共存メカニズムの実施形態を示す図である。
【
図7】適応TTIのためのダウンリンク共存のシナリオの実施形態を示す図である。
【
図8】適応TTIのためのアップリンク共存のシナリオの実施形態を示す図である。
【
図9】5GおよびLTEシステムの適応TTI共存のシナリオの実施形態を示す図である。
【
図10】適応TTIキャリア内共存メカニズムのための方法の実施形態を示す図である。
【
図11】FDMを使用する適応TTIキャリア内共存メカニズムのための方法の実施形態を示す図である。
【
図12】適応TTIの柔軟なキャリア内共存メカニズムのための方法の実施形態を示す図である。
【
図13】TDMを使用する適応TTIキャリア内共存メカニズムのための方法の実施形態を示す図である。
【
図14】適応TTIキャリア間共存メカニズムのための方法の実施形態を示す図である。
【
図15】適応TTIキャリア間共存メカニズムのための方法のもう1つの実施形態を示す図である。
【
図16】さまざまな実施形態を実施するために使用されうる処理システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
さまざまな図面内の対応する数表示および符号は概して、特に指示のない限り、対応する部分を参照する。図面は、実施形態の関連する態様を明確に説明するために描かれており、必ずしも縮尺に合わせて描かれているわけではない。
【0020】
現在好ましい実施形態の作成および使用について、後段において詳細に説明される。しかし、本発明が、多種多様な特定のコンテキストにおいて具現されうる多くの適用可能な発明概念をもたらすことを理解されたい。説明される特定の実施形態は、本発明を作成および使用する特定の方法を例示するものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【0021】
「System and Method for Adaptive Transmission Time Interval (TTI) Structure」と題する、2012年9月12日に出願した米国特許出願第13/611823号明細書において、5G無線ネットワーク向けの適応送信時間間隔(TTI)構造について説明されている。この発明の実施形態において、本明細書において説明される「5G」は、たとえばネットワーク内のセルに対してセルIDを有していないフューチャーセルラー無線ネットワークのような、Futurewei無線ネットワーク技術と称されている。適応TTI対応とは、5G UEが同じ帯域幅内で異なるTTI長さを使用することが可能になるという意味である。適応TTIは、多様なトラフィックタイプを収容するように、待ち時間と動的制御信号伝達オーバーヘッドのバランスを取る。適応TTIシステムは、5Gシステムにおいて異なるTTI長さを同時にサポートするフレームワークに重点を置くが、これはさまざまな条件に対して関連する制御信号伝達オーバーヘッドを適応させる機会をもたらす。既存のLTEシステムおよび新しい5Gシステムの共存の必要性を考慮に入れると、適応TTI構造は、LTEスペクトルが5Gシステムをサポートするようにリファーム(再配置)される場合のように、レガシーLTE TTI構造と共存する必要がある。5Gの場合とは異なり、LTE TTI構造においては、レガシーまたは既存のLTE UEは、指定されたTTI長さを使用することができるだけである。レガシーLTEまたはLTEという用語は、本明細書において、適応TTIメカニズム(さまざまなTTI長さを使用する機能を有していない)をサポートしないシステム(ネットワークエンドのコンポーネントおよびユーザエンドの端末)を参照するために同義的に使用される。UEおよび端末という用語は、本明細書において、無線リンクを使用してネットワークと通信する任意のユーザエンドのデバイスを参照するために同義的に使用される。UEおよび端末の例は、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、センサーデバイス、またはその他の無線通信使用可能デバイスを含む。
【0022】
本明細書において開示されるのは、適応TTIメカニズムがレガシーLTE TTIと共存できるようにするメカニズムの実施形態である。実施形態は、適応TTIが、同じキャリアにおいてレガシーTTIと共存する方式、およびニューキャリアタイプにおける共存のための方式を含む。キャリアは、ネットワークと端末との間の無線通信を交換するためにシステムにおいて定義されている周波数範囲または帯域幅である。共存のメカニズムは、5Gに向けたLTEスペクトルのリファームのような、適応TTIをサポートする5Gシステムへの既存のLTEシステムの移行パスを可能にする。LTEシステムおよび5Gシステムは各々、対応するシステムのリソースおよび機能をサポートするように構成されたユーザエンドの端末およびネットワークエンドのデバイスを含むことができる。たとえば、レガシーTTIとの適応TTIの共存により、ネットワークは、同じシステム内のレガシーLTEおよび5G端末デバイス(たとえば、複数のユーザ機器(UE))にサービスを提供することができるようになる。また共存により、ネットワークは、すべての5G端末が適応TTIをサポートするとは予想されないような、異なるカテゴリの5G端末にサービスを提供することができるようになる。たとえば、低コスト端末および特定のトラフィックタイプのみをサポートする端末(たとえば、センサーデバイスまたはマシン間通信のデバイス)は、単一のTTI長さをサポートするように構成される可能性がある。メカニズムはまた、適応TTIフレーム構造への漸進的な移行パスをもたらすことができる。メカニズムは、無線ネットワークインフラストラクチャ(たとえば、基地局(eNB)または低電力ノード(フェムトまたはピコセル)における)およびUEまたはその他の端末(エンドユーザ)デバイスにおいて実施されうる。
【0023】
適応TTI共存のための実施形態のメカニズムは、同一キャリア内(たとえば、同じ周波数帯域)内であるキャリア内構成、および/またはニューキャリアタイプとのキャリア間構成を使用することができる。そのようなシナリオにおいて、適応TTIをサポートしないレガシーまたは既存のLTE UEは、適応TTIが存在する場合に制御チャネルをデコードできない可能性があるので、新しいTTI構造を認識する必要がある。適応TTIに対応する5G UEは、たとえば関連する上位レイヤにおいて構成情報を受信してデコードすることによって、適応TTIで構成される。
【0024】
図1は、適応TTIキャリア内共存メカニズムの実施形態を示す。キャリア内共存メカニズムは、同一キャリア(周波数帯域)内のLTEおよび5Gシステムの(LTEおよび5G UEとの)共存を可能にする。たとえば、LTEおよび5GのUEは、同じキャリアを使用して同じネットワークに接続することができる。この構成は、システム内のレガシーLTE UEには透過的である(レガシーLTE UEは適応TTEを認識していない)。この構成において、LTE制御チャネルリソースマッピングは、帯域幅全体にわたり分布される。
図1に示されるように、レガシーLTE TTIは、ネットワークによって決定された帯域幅でキャリアを中心とするリソースにおいて生じる。適応TTIパーティションは、実際のシステム帯域幅にわたるリソースの残りの部分で生じる。適応TTIをサポートしない5G端末(たとえば、UEまたはその他の端末デバイス)は、デフォルトのTTI長さで構成される。このTTI長さは、適応TTIのセットに含まれてもよく、適応TTI対応の5G端末と非適応の5G端末の間で共有されてもよい。
【0025】
実施形態において、レガシーLTEシステムでは、ネットワークは、LTEシステム情報メッセージで実際の帯域幅をブロードキャストする。ネットワークは、LTE制御およびデータチャネルをこの帯域幅内のリソースにマップする。適応TTIシステムにおいて、ネットワークは、適応TTI帯域幅パーティショニング情報を5G端末にブロードキャストする。
【0026】
図2は、周波数分割多重(FDM)を使用する適応TTIキャリア内共存メカニズムの実施形態を示す。このシナリオにおいて、適応TTIおよびレガシーLTE TTIはFDMの方式で共存し、システム帯域幅は、適応TTIおよびレガシー(LTE) TTI部分に区分される。レガシーTTIパーティションは、キャリア周波数f
cを中心とする。合計システム帯域幅をB
T、およびレガシーTTI帯域幅をB
Lとすると、ネットワークは、B
Lをシステム情報メッセージでレガシー端末にアドバタイズする。FDMを使用して、B
Lは、たとえば1つまたは複数の無線フレームにわたり、時間の経過に伴って変化しうる。実施形態において、ネットワークは、レガシーUEの帯域幅内に物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)および/または拡張PDCCH(ePDCCH)を配置する。レガシーUEは、システム帯域幅B
LにわたりPDCCHおよび/またはePDCCHを無分別にデコードすることができる。
【0027】
適応TTIおよびレガシーTTIに対する帯域幅パーティショニング比率は、たとえば、5G端末の数に対するレガシーUEの数を考慮することによってなど、時間の経過に伴って調整されてもよい。レガシーシステム帯域幅の変更は、たとえばページングメッセージなど、システム情報変更手順を介してレガシー端末に伝達されてもよい。帯域幅パーティショニング情報は、たとえば、1つまたは複数の無線フレームの間隔(たとえば、10ミリ秒(ms))のように半静的に、上位レイヤ信号伝達を介して5G端末に伝達されてもよい。
【0028】
図3は、適応TTIのための柔軟なキャリア内共存メカニズムの実施形態を示す。この場合、ネットワークは、ネットワークおよびトラフィックの必要性に従ってレガシーTTIを(時間の経過に伴い)動的に割り振る。レガシーTTI期間は、適応TTIシステムにおいて定義されたTTI長さのセットに含まれてもよい。たとえば、適応TTI長さは、0.5ms、1ms、および5msであり、ここで1msのTTIはレガシーシステムと同じである。レガシーUEはまた、あらゆるレガシーTTI間隔において、アドバタイズされたシステム帯域幅B
LにわたりPDCCH/ePDCCHを監視することができる。
【0029】
このシナリオにおいて、ネットワークは、システム全体(LTEおよび5G端末を含む)を、適応TTIシステムとして扱う。ネットワークは、f
cを中心とするレガシーTTIをスケジュールして、レガシーユーザのリソースブロック(RB)および/またはRBグループ(RBG)内にPDCCHを配置することによって、レガシーTTIユーザを動的にスケジュールすることができる。ePDCCHの物理RB(PRB)のネットワーク割り当ては、レガシーTTI長さのPRBに限定されてもよい。LTE標準のもとでは、ePDCCH PRB割り当て(たとえば、無線リソース制御(RRC)信号伝達を介して)は、完全に柔軟である。分布されたePDCCHセットはまた、セット内のPRBペアに限定されてもよい。5G端末の場合、TTIは、その自身の帯域幅パーティショニングで適応TTIとして扱われてもよく、レガシーTTI長さは、適応TTI長さのサブセットである。
【0030】
図4は、時間分割多重(TDM)を使用する適応TTIのためのキャリア内共存メカニズムの実施形態を示す。動的TDMを可能にするため、適応TTIおよびレガシーTTIは、ネットワークによって決定された動的方式で共存する。レガシーUEは、レガシーTTI間隔に従ってPDCCH/ePDCCHをデコードすることができる。適応TTIの時分割は、そのような時間中に制御チャネルをデコードできなくなるので、レガシーUEには透過的である。5G UEは、システムによって構成されたTTIタイミングに従って関連する適応TTI制御チャネルをデコードすることができる。特定のTTI期間中、ネットワークがレガシーTTIをスケジュールする場合、制御チャネルをデコードできなくなるので、レガシーTTIは5G UEには透過的になる。しかし、システムで構成された長いTTIがある場合、レガシーUEによって遅延が生じる可能性がある。
【0031】
半静的TDMの場合、切替え間隔または切替えパターンは、LTEシステムおよび5Gシステムの両方に対して定義されてもよい。たとえば、適応TTIフレームとレガシーTTIフレームとの間の切替え間隔は、短くし過ぎるべきではない。そうでなければ、適応TTIの利点が低減する可能性がある。たとえば、システムがレガシーTTIに切り替わって戻る前に、いくつかの長いTTIしかない場合がある。システムがレガシーモードにある間に、切替え間隔が長くなり、5G端末の遅延に敏感なパケットがある場合、5G端末はレガシーTTI期間内にサービスを提供されてもよい。同様の手法は、レガシー端末に対して実施されてもよい。
【0032】
図5は、非スタンドアロンキャリアと称される、ニューキャリアタイプにおいて共存をもたらす、適応TTIキャリア間共存メカニズムの実施形態を示す。非スタンドアロンキャリアは、適応TTIおよびLTE TTIのいずれも可能にする。レガシーLTEキャリアは、5G端末をニューキャリアに向けるために必要な適応TTIパラメータの信号伝達を提供する。好ましくは、レガシーLTEキャリアのすべての適応TTIパラメータの信号伝達は、オーバーヘッドを軽減するために回避される。次いで、5G端末は、パラメータを使用して非スタンドアロンキャリアに同調する(検索する)ことができる。非スタンドアロンキャリアは、5G端末に、詳細な適応TTIパラメータの信号伝達および適用されるキャリア内共存メカニズムを提供する。
【0033】
キャリア間共存のためのもう1つの実施形態において、適応TTIシステムは、後方互換キャリア(BCT)と称される、ニューキャリアタイプ(NCT)としてレガシーTTIシステムと共存することができる。NCTに共通であるかまたは同じ帯域幅共存となりうる、適応TTIの構成の場合、適応TTIサポートの機能交換は、ネットワークと端末との間で確立されてもよい。ネットワークと端末との間の適応TTIサポートの機能交換は、端末の機能を識別できるようにする。そのようなものとして、ネットワークは、適応TTI対応の端末を追加のTTI長さで(たとえば、トラフィックタイプ、チャネル条件などに基づいて)構成することができる。すべての5G端末が、適応TTIをサポートするものと見込まれるわけではない。たとえば、低コスト端末および/または特定のトラフィックタイプしかサポートしない端末は、適応TTIをサポートしない場合もある。機能交換は、UEとネットワークとの間のRRC信号伝達、および/または、たとえばネットワークからのシステム情報ブロック(SIB
)を使用するブロードキャスト信号伝達のような、任意の適切な信号伝達方式を使用して確立されてもよい。
【0034】
システムのサポートされるTTIは、標準において定義済みのTTI長さのセット(たとえば、0.5ms、1ms、5ms)を含むことができるが、明示的な信号伝達は要求されない。あるいは、システムのサポートされるTTIは、サポートされるTTI長さの定義済みの最大数を含むことができるが、TTI長さの値は(たとえば、ソフトウェアアップデートを介して)変更されてもよい。TTI長さは、ユニキャスト/マルチキャスト制御信号伝達を介して端末に対して(たとえば、トラフィック、チャネル条件などに基づいて端末固有で)構成されてもよい。帯域幅パーティショニング情報は、ブロードキャスト制御信号伝達を介して送信されてもよい。ネットワーク信号伝達(NS)およびNCTとの共存のための手順は、適応TTIをサポートするNCTへのリダイレクト、およびNCTにおけるキャリア内共存メカニズムを含むことができる。
【0035】
図6は、NSおよびNCTを使用する適応TTIキャリア間共存メカニズムの実施形態を示す。メカニズムはBCT手順およびNS-NCT手順を含む。BCTにおけるオーバーヘッドを軽減するため、BCTのネットワーク手順は、適応TTIをサポートするニューキャリアを端末が見つけるために必要なパラメータを、ネットワークが提供することを含む。ネットワークは、適応TTIをサポートするニューキャリアを信号伝達する。第1のオプションにおいて、ネットワークは、5Gアクセス手順の一環として、ユニキャスト/マルチキャスト制御信号伝達を介して、適応TTIをサポートするニューキャリアを端末に信号伝達する。これは、適応TTIをサポートする端末の数が少ない場合に適用可能となりうる。第2のオプションにおいて、ネットワークは、適応TTIのサポート、および適応TTIをサポートするニューキャリアをブロードキャストする。これは、適応TTIをサポートする端末の数が多い場合にさらに適切となりうる。
【0036】
NS-NCTのネットワーク手順は、ネットワークが、適応TTI構成のための詳細なパラメータを5G UEに提供することを含む。ネットワークは、(たとえば、帯域幅パーティショニングのための)適応TTIパラメータをブロードキャストする。NS-NCTの手順において、ネットワークは、TTI長さを端末にユニキャスト/マルチキャストすることができる。5G端末の手順は、端末が、システムにおける適応TTIのサポート、およびこれをサポートするニューキャリアに関する情報を取得することを含む。次いで、端末は、NS-NCTに同調して、適応TTIシステムパラメータを取得する。
【0037】
図7は、ダウンリンクに対する5GおよびLTE共存のシナリオの実施形態を示す。シナリオは、キャリア周波数f
c付近の帯域幅部分に割り振られたレガシーTTIを示す。適応TTIは、キャリア周波数の両側のこの帯域幅部分の外部に割り振られる。
図8は、アップリングに対する5GおよびLTE共存のシナリオの実施形態を示す。ダウンリンクの場合と同様に、アップリンク共存のシナリオは、キャリア周波数f
c付近の帯域幅部分に割り振られたレガシーTTIを示す。適応TTIは、キャリア周波数の少なくとも一方の側のこの帯域幅部分の外部に割り振られる。加えて、ガードサブキャリアは、たとえばさまざまなリソース割り振りの問題に応じて、2つの部分の間で使用されてもよい。
【0038】
図9は、5GおよびLTEシステムのための適応TTI共存のシナリオの実施形態を示す。これに沿って、5GおよびLTEシステムが共存する場合、一部の5G制御チャネルはシステム帯域幅のLTEパーティションに存在することがある。したがって、LTEシステムは、5G端末が5G制御チャネルを取得できるようにするため、これらのリソースでデータまたは制御をスケジュールすることを回避する必要がある。
【0039】
上記のさまざまな実施形態において、帯域幅パーティショニング情報は、ブロードキャスト制御信号伝達を介して送信されてもよい。効果的なLTE TTI帯域幅は、LTEシステム情報メッセージで送信されてもよい。実際のシステム帯域幅は、適応TTIシステムにおいて送信されてもよい。システムは、適応TTIおよび非適応TTIの帯域幅パーティショ
ニン
グ情報の定期的またはイベント駆動型信号伝達を使用することができる。
【0040】
さらに、さまざまな実施形態において、ダウンリンク(DL)およびアップリンク(UL)に対するレガシーシステムセル帯域幅は、LTE DLセル帯域幅を含むことができるが、これはブロードキャストチャネル(BCH)のマスター情報ブロック(MIB)を介して取得されてもよい。MIBは、RBの単位のDL帯域幅(たとえば、6、15、25、50、75、100)、物理ハイブリッド自動再送要求(ARQ)インジケータチャネル(PHICH)構成(いくつのPHICHグループ、ひいてはリソースがTTI内にあるかを決定する)、およびシステムフレーム番号(無線フレーム番号)を含むことができる。BCHは、各無線フレームのサブフレーム#0の第2スロットの最初の4つの直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにおいて生じ、40msの周期性で、4回繰り返されてもよい(たとえば、10msごとに繰り返される)。DL BWがMIBから決定された後、UEはPDCCHおよび物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)のデコーディングを開始することができる。LTE ULセル帯域幅について、SIB2は、PDSCHで送信されてもよいが、これはULセル帯域幅、RAパラメータ、およびUL電源制御に関連するパラメータを含むことができる。さらに、システム情報変更は、(たとえば、RRCアイドルおよびRRC接続済み状態で)ページング手順を介してレガシーUEに伝達されてもよい。
【0041】
図10は、適応TTIキャリア内共存メカニズムのための方法の実施形態を示す。ステップ1010において、ネットワーク(たとえば、ネットワークコントローラ)は、LTE帯域幅をLTEシステム情報メッセージでブロードキャストする。LTE帯域幅は、上記で説明されるように、実際のシステム帯域幅よりも小さい。ステップ1020において、ネットワークは、たとえば任意の適切な信号伝達またはメッセージングを介して、LTE制御およびデータチャネルをこの帯域幅内のリソースにマップする。LTE制御チャネルリソースマッピングは、帯域幅全体にわたり分布される。レガシーLTE TTIは、ネットワークによって決定された帯域幅のキャリア周波数を中心とするリソースにおいて生じる。ステップ1030において、適応TTIシステムの場合、ネットワークは、適応TTI帯域幅パーティショニング情報を5G端末にブロードキャストする。この構成は、システム内のレガシーLTE UEに透過的である。適応TTIパーティションは、実際のシステム帯域幅にわたるLTE UEに割り当てられていない残りのリソースで生じる。適応TTIをサポートしない任意の5G端末は、デフォルトのTTI長さで構成されてもよく、これは適応TTIのセットに含まれてもよい。
【0042】
図11は、FDMを使用する適応TTIキャリア内共存メカニズムのための方法の実施形態を示す。ステップ1110において、ネットワーク(たとえば、ネットワークコントローラ)は、システム帯域幅を、FDMを使用して適応TTIおよびレガシー(LTE) TTI部分に区分する。レガシーTTIパーティションは、キャリア周波数f
cを中心としてもよい。ネットワークは、PDCCH/ePDCCHをレガシーUEの帯域幅に入れることができ、これはレガシーシステム帯域幅B
LにわたりPDCCH/ePDCCHを無分別にデコードすることができる。ステップ1120において、ネットワークは、レガシーシステム帯域幅B
Lを、システム情報メッセージでレガシー端末にアドバタイズする。ステップ1130において、ネットワークは、帯域幅パーティショニング情報を、たとえば、1つまたは複数の無線フレームの間隔(たとえば、10ミリ秒(ms))のような半静的に、上位レイヤ信号伝達を介して5G端末に伝達する。ステップ1140において、ネットワークは、適応TTIおよびレガシーTTIに対する帯域幅パーティショニング比率を、たとえば、5G端末の数に対するレガシーUEの数を考慮することによってなど、時間の経過に伴って調整する。ステップ1150において、ネットワークは、調整されたレガシーシステム帯域幅を、たとえばページングメッセージなど、システム情報変更手順を介してレガシー端末に伝達する。
【0043】
図12は、適応TTIの柔軟なキャリア内共存メカニズムのための方法の実施形態を示す。このシナリオにおいて、ネットワークは、システム全体(LTEおよび5G端末を含む)を、適応TTIシステムとして扱う。ステップ1210において、ネットワークは、キャリア周波数f
cを中心とするレガシーTTIをスケジュールして、レガシーユーザのRBまたはRBG内にPDCCHを配置することによって、レガシーTTIユーザを、たとえば必要に応じて動的な方式でスケジュールする。ePDCCHのPRBのネットワーク割り当ては、レガシーTTI長さのPRBに限定されてもよい。ステップ1220において、ネットワークは、5G端末の適応TTIのパーティションを決定して信号伝達し、ここでレガシーTTI長さは適応TTI長さのサブセットである。ステップ1330において、レガシーUEはまた、あらゆるレガシーTTI間隔において、アドバタイズされたシステム帯域幅B
LにわたりPDCCH/ePDCCHを監視する。
【0044】
図13は、TDMを使用する適応TTIキャリア内共存メカニズムのための方法の実施形態を示す。ステップ1310において、ネットワークは、TDMを使用して時間単位の適応TTIおよびレガシーTTI分布を決定する。これは、必要に応じて時間と共に変化する動的方式で行われてもよい。あるいは、半静的TDMを使用して、ネットワークは、5Gシステムの適応TTIとLTEシステムのレガシーTTIとの間の切替え間隔または切替えパターンを定義する。ステップ1320において、レガシーUEは、レガシーTTI間隔に従ってPDCCH/ePDCCHをデコードする。ステップ1330において、5G UEは、システムによって構成されたTTIタイミングに従って関連する適応TTI制御チャネルをデコードすることができる。特定のTTI期間中、ネットワークがレガシーTTIをスケジュールする場合、制御チャネルをデコードできなくなるので、レガシーTTIは5G UEには透過的になる。適応TTIの時分割は、そのような時間中に制御チャネルをデコードできなくなるので、レガシーUEには透過的である。
【0045】
図14は、ニューキャリア(非スタンドアロンキャリア)を導入することによって適応TTIおよびLTE TTIの共存をもたらす、適応TTIキャリア間共存メカニズムのための方法の実施形態を示す。ステップ1410において、ネットワークは、5G UEをニュー(非スタンドアロン)キャリアに向けるために必要な適応TTIパラメータに関する情報を、LTEキャリア上で、UEに信号伝達する。信号伝達は、5Gを向けるために必要なパラメータのみを含み、これはLTEキャリア上の信号伝達オーバーヘッドを低減する。ステップ1420において、5G UEは、この情報を使用して非スタンドアロンキャリアを見つける。ステップ1430において、5Gは、非スタンドアロンキャリアに向けられ、適応TTIに関するさらに詳細な情報を受信する。この情報は、ネットワークによってサポートされる適応TTIおよびキャリア内共存メカニズムのさらに多くまたは詳細なパラメータを含む。
【0046】
図15は、NCTを使用して適応TTIおよびLTE TTIの共存をもたらす、適応TTIキャリア間共存メカニズムのための方法のもう1つの実施形態を示す。ステップ1510において、ネットワークは、5G UEが、適応TTIをサポートするニューキャリアを検索できるようにする必要な適応TTIパラメータに関する情報を、BCTを使用してUEに信号伝達する。信号伝達は、BCTのオーバーヘッドを低減するために必要なパラメータのみを含む。ステップ1520において、5G UEは、この情報を使用してNCTに同調する。ステップ1530において、5Gは、NS-NCTを使用して、適応TTIのさらに詳細なパラメータを受信する。
【0047】
図16は、さまざまな実施形態および上記のアルゴリズムを実施するために使用されうる処理システム1600を示すブロック図である。たとえば、処理システム1600は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップ、またはデスクトップコンピュータのような、UEの一部であってもよい。システムはまた、基地局、WiFiアクセスポイントのような、UEにサービスを提供するネットワークエンティティまたはコンポーネントの一部であってもよい。処理システムはまた、基地局のような、ネットワークコンポーネントの一部であってもよい。特定のデバイスは、示されているコンポーネントの全部、またはコンポーネントのサブセットのみを使用することができ、統合のレベルはデバイスごとに異なってもよい。さらに、デバイスは、多重処理ユニット、プロセッサ、メモリ、送信機、受信機などのような、コンポーネントの複数のインスタンスを含むことができる。処理システム1600は、スピーカー、マイクロフォン、マウス、タッチスクリーン、キーパッド、キーボード、プリンタ、ディスプレイなどのような、1つまたは複数の入力/出力デバイスを装備された処理ユニット1601を備えることができる。処理ユニット1601は、バスに接続された中央演算処理装置(CPU)1610、メモリ1620、大容量ストレージデバイス1630、ビデオアダプタ1640、およびI/Oインターフェイス1660を含むことができる。バスは、メモリーバスまたはメモリーコントローラ、周辺バス、ビデオバスなどを含む任意のタイプの複数のバスアーキテクチャの1つまたは複数であってもよい。
【0048】
CPU1610は、任意のタイプの電子データプロセッサを備えることができる。メモリ1620は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、その組合わせなどのような、任意のタイプのシステムメモリを備えることができる。実施形態において、メモリ1620は、ブートアップ時に使用するROM、ならびにプログラムの実行中に使用するプログラムおよびデータストレージ用DRAMを含むことができる。実施形態において、メモリ1620は、非一時的である。大容量ストレージデバイス1630は、データ、プログラム、およびその他の情報を格納し、データ、プログラム、およびその他の情報をバスを介してアクセス可能にするように構成された任意のタイプのストレージデバイスを備えることができる。大容量ストレージデバイス1630は、たとえば、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ、磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブなどのうちの1つまたは複数を備えることができる。
【0049】
ビデオアダプタ1640およびI/Oインターフェイス1660は、外部入力および出力デバイスを処理ユニットに結合するためのインターフェイスを提供する。図示されているように、入力および出力デバイスの例は、ビデオアダプタ1640に結合されたディスプレイ1690、およびI/Oインターフェイス1660に結合されたマウス/キーボード/プリンタ1670の任意の組合わせを含む。その他のデバイスは、処理ユニット1601に結合されてもよく、追加の、またはより少ないインターフェイスカードが使用されてもよい。たとえば、シリアルインターフェイスカード(図示せず)は、プリンタにシリアルインターフェイスを提供するために使用されてもよい。
【0050】
処理ユニット1601はまた、イーサネット(登録商標)ケーブルのような有線リンク、および/またはノードもしくは1つまたは複数のネットワーク1680にアクセスするための無線リンクを備えることができる1つまたは複数のネットワークインターフェイス1650を含む。ネットワークインターフェイス1650は、処理ユニット1601が、ネットワーク1680を介してリモートユニットと通信できるようにする。たとえば、ネットワークインターフェイス1650は、1つまたは複数の送信機/送信アンテナおよび1つまたは複数の受信機/受信アンテナを介して無線通信を提供することができる。実施形態において、処理ユニット1601は、その他の処理ユニット、インターネット、リモートストレージ施設などのようなリモートデバイスとのデータ処理および通信のためにローカルエリアネットワークまたはワイドエリアネットワークに結合される。
【0051】
いくつかの実施形態が本開示において提供されてきたが、開示されるシステムおよび方法が、本開示の精神および範囲を逸脱することなく、多くのその他の特定の形態で実施されうることを理解されたい。本発明の例は、限定的ではなく例示的なものとみなされるべきであり、意図が本明細書において示される詳細に限定されることはない。たとえば、さまざまな要素またはコンポーネントは、別のシステムに結合もしくは統合されてもよいか、または特定の特徴が省略されるか、もしくは実施されなくてもよい。
【0052】
加えて、さまざまな実施形態において別々または個々のものとして説明され示されている技法、システム、サブシステム、および方法は、本開示の範囲を逸脱することなく、その他のシステム、モジュール、技法、または方法と結合または統合されてもよい。相互に結合もしくは直接結合されるか、または通信するものとして示されるかまたは説明されているその他の項目は、電気的、機械的、ないしは別の方法のいずれによっても、一部のインターフェイス、デバイス、または中間コンポーネントを通じて間接的に結合されるか、または通信することができる。変更、置換、および代替のその他の例は、当業者により確認可能であり、本明細書において開示される精神および範囲を逸脱することなく行われてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1600 処理システム
1601 処理ユニット
1610 中央演算処理装置(CPU)
1620 メモリ
1630 大容量ストレージデバイス
1640 ビデオアダプタ
1650 ネットワークインターフェイス
1660 I/Oインターフェイス
1670 マウス/キーボード/プリンタ
1680 ネットワーク
1690 ディスプレイ