【実施例】
【0027】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これにより本発明の範囲が限定されるものではない。なお、配合量は特に断りのない限り質量%である。
【0028】
まず、実施例等に用いる植物抽出物の調製方法を示す。
【0029】
[ホッカイトウキ抽出物]
乾燥させたホッカイトウキの根を細切した。続いて10重量倍量の95容量%エタノール水溶液に2週間浸漬した。ろ過後ろ液を採取し、溶媒を留去したエキス末を得た。収率は0.5質量%であった。かかるエキス末を0.25質量%の濃度となるよう99容量%エタノール水溶液で希釈して、ホッカイトウキ抽出物とした。
【0030】
[ローマカミツレ抽出物]
乾燥させたローマカミツレの花を、10重量倍量の95容量%エタノール水溶液に24時間浸漬した。ろ過後ろ液を採取し、溶媒を留去したエキス末を得た。かかるエキス末を0.5質量%の濃度となるよう99容量%エタノール水溶液で希釈して、ローマカミツレ抽出物とした。
【0031】
[シャクヤク抽出物]
乾燥させたシャクヤク根を細切し、10重量倍量の50容量%エタノール水溶液に2週間浸漬した。ろ過後ろ液を採取し、溶媒を留去したエキス末を得た。かかるエキス末を50質量%1,3ブチレングリコール水溶液に0.5質量%の濃度となるよう50質量%1,3ブチレングリコール水溶液で希釈して、シャクヤク抽出物とした。
【0032】
[チョウジ抽出物]
乾燥させたチョウジのつぼみを細切し、50容量%エタノール水溶液に2週間浸漬した。ろ過後ろ液を採取し、チョウジ抽出物とした。チョウジ抽出物中のチョウジエキス純分は3.16質量%であった。
【0033】
[シロバナルーピン抽出物]
シロバナルーピン抽出物としてEXPANSCIENCE LABORATOIRES社製COLLAGENEERを使用した。
【0034】
[植物エキス混合物]
ホッカイトウキ抽出物25質量部、ローマカミツレ抽出物1質量部、シャクヤク抽出物100質量部、チョウジ抽出物5質量部、及びシロバナルーピン抽出物10質量部を混合し、植物エキス混合物とした。
【0035】
[コラーゲン混合物]
アセチルヒドロキシプロリン1250質量部、グリシン25質量部、コラーゲン由来ジペプチド125質量部、コラーゲン由来トリペプチド25質量部、重量平均分子量30万の水溶性コラーゲン0.15質量部を混合し、精製水で全量が2600質量部となるよう混合し、コラーゲン混合物とした。
【0036】
[コラーゲン産生促進作用]
ヒト新生児由来皮膚線維芽細胞を5×10
5個/ウェルとなるように6ウェルプレートに播種し、0.5%のFBSを含有するDMEM培地にて一晩培養した。植物エキス混合物、コラーゲン混合物、またはその両方を表2に示す量添加した培地に交換し、37℃、5% CO
2インキュベーター内で24時間培養した。採取した細胞から、市販のRNA抽出キット(Quick Gene RNA Cultured Cell HC Kit S)を使用してRNAを抽出し、cDNA合成後に下記のプライマーを使用してサイバーグリーン法によるリアルタイムPCRにより遺伝子発現を確認した。なお内部標準としてGAPDHを使用した。プライマー情報を表1に、測定結果を表2に示す。測定結果は、植物エキす混合物及びコラーゲン混合物を添加しなかった場合の遺伝子発現量を1とした場合の相対値で示した。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
表2に示した通り、植物エキス混合物、コラーゲン混合物をそれぞれ添加することにより、コラーゲン産生遺伝子の発現量が有意に増加した。このことにより植物エキス混合物は高いコラーゲン産生促進効果を発揮することが示された。また植物エキス混合物とコラーゲン混合物を併用して用いることにより、単独添加の場合と比較して、それぞれ2分の1量しか添加していないにもかかわらず、コラーゲン産生遺伝子の発現量が有意に向上しており、植物エキス混合物とコラーゲン混合物を併用して用いることにより、コラーゲン産生促進効果が相乗的に向上していることが示された。
【0040】
[実施例3]乳液
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)メチルフェニルポリシロキサン 4.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)モノステアリン酸ポリオキシエチレン
ソルビタン(20E.O.) 1.3
(6)モノステアリン酸ソルビタン 1.0
(7)グリセリン 4.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)カルボキシビニルポリマー 0.15
(10)精製水 100とする残部
(11)アルギニン(1質量%水溶液) 20.0
(12)植物エキス混合物 0.5
(13)コラーゲン混合物 0.5
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。冷却後40℃にて、(11)〜(13)を順次加え、均一に混合する。
【0041】
[実施例4]化粧水
(1)エタノール 15.0(質量%)
(2)ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油 0.3
(3)香料 0.1
(4)精製水 100とする残部
(5)クエン酸 0.02
(6)クエン酸ナトリウム 0.1
(7)グリセリン 1.0
(8)ヒドロキシエチルセルロース 0.1
(9)植物エキス混合物 0.1
(10)コラーゲン混合物 0.4
製法:(1)に(2)および(3)を溶解する。さらに(4)〜(10)を順次添加した後、十分に攪拌し、均一に混合する。
【0042】
[実施例5]クリーム
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)ステアリン酸 2.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)セタノール 3.6
(6)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(7)グリセリン 10.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)アルギニン(20質量%水溶液) 15.0
(10)精製水 100とする残部
(11)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 15.0
(12)植物エキス混合物 0.4
(13)コラーゲン混合物 0.1
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。(11)を添加して攪拌後、冷却し40℃にて(12)、(13)を加え、均一に混合する。
【0043】
[実施例6]美容液
(1)精製水 100とする残部(質量%)
(2)グリセリン 10.0
(3)ショ糖脂肪酸エステル 1.3
(4)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 17.5
(5)アルギン酸ナトリウム(1質量%水溶液) 15.0
(6)モノラウリン酸ポリグリセリル 1.0
(7)マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 3.0
(8)N−ラウロイル−L−グルタミン酸
ジ(フィトステリル−2−オクチルドデシル) 2.0
(9)硬化パーム油 2.0
(10)スクワラン(オリーブ由来) 1.0
(11)ベヘニルアルコール 0.75
(12)ミツロウ 1.0
(13)ホホバ油 1.0
(14)1,3−ブチレングリコール 10.0
(15)L−アルギニン(10質量%水溶液) 2.0
(16)植物エキス混合物 0.4
製法:(1)〜(6)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(7)〜(14)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。次いで、上記水相成分に油相成分を添加して予備乳化を行った後、ホモミキサーにて均一に乳化する。冷却後50℃にて(15)を、40℃にて(16)を加え、均一に混合する。
【0044】
[実施例7]水性ジェル
(1)カルボキシビニルポリマー 0.5(質量%)
(2)精製水 100とする残部
(3)水酸化ナトリウム(10質量%水溶液) 0.5
(4)グリセリン 10.0
(5)1,3−ブチレングリコール 10.0
(6)エタノール 10.0
(7)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(8)香料 0.1
(9)コラーゲン混合物 0.5
(10)ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 1.0
製法:(1)を(2)に加え、均一に攪拌した後、(3)を加える。均一に攪拌した後、(4)に予め溶解した(5)を加える。均一に攪拌した後、予め混合しておいた(6)〜(10)を加え、均一に攪拌混合する。