特許第6351815号(P6351815)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6351815タバコ産業におけるロッド状物品装荷トレイ用ステーション、並びにロッド状物品を装荷した四壁又は五壁トレイの除荷装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6351815
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】タバコ産業におけるロッド状物品装荷トレイ用ステーション、並びにロッド状物品を装荷した四壁又は五壁トレイの除荷装置
(51)【国際特許分類】
   A24C 5/352 20060101AFI20180625BHJP
【FI】
   A24C5/352
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-175459(P2017-175459)
(22)【出願日】2017年9月13日
(65)【公開番号】特開2018-78882(P2018-78882A)
(43)【公開日】2018年5月24日
【審査請求日】2018年1月17日
(31)【優先権主張番号】16191240.7
(32)【優先日】2016年9月28日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510011101
【氏名又は名称】インターナショナル トバコ マシーネリー ポーランド エスピー.ゼット オー.オー.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ポゾルスキ
【審査官】 岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03550799(US,A)
【文献】 特開2001−139148(JP,A)
【文献】 欧州特許第01118543(EP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24C 5/352
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ産業用装置において、ロッド状物品(R)が装荷されたトレイのためのステーション(2)であって、
装荷されたトレイ(3, 13)を受け入れる受入部(2A)と、
前記装荷されたトレイ(3, 13)を収める貯蔵・搬送部(2C)と、を備え、該貯蔵・搬送部(2C)は、
・前記装荷されたトレイ(3, 13)を搬送するためのコンベア(4)と、
・第1のトレイ(3’, 13’)を、支持要素(4D)で収集される他のトレイ(3, 13)から分離するトレイ分離機構(4A)と、を含み、該トレイ分離機構(4A)は、コンベア(4)の支持要素(4D)から前記トレイ(3’, 13’)を持ち上げるためのリフティング要素
(51, 51’, 63, 63’)を有する、ステーション(2)において、
該ステーション(2)は、前記トレイ(3, 13)の側壁(3L, 3R, 13L, 13R)を支持するように構成された側部ベルト(56, 56’)を更に備え、該側部ベルト(56, 56’)は、前記支持要素(4D)から前記トレイ(3, 13)が持ち上げられ、前記支持要素(4D)にトレイ(3, 13)が収容されるときに、前記リフティング要素(51, 51’, 63, 63’)の動
作に応動することを特徴とする、ステーション(2)。
【請求項2】
請求項1に記載のステーション(2)であって、前記リフティング要素(51, 51’, 63, 63’)は、トレイ(3, 13)の底壁(3B, 13B)を支持する長手方向のバー又はプレート形状を有することを特徴とする、ステーション(2)。
【請求項3】
請求項2に記載のステーション(2)であって、前記リフティング要素(51, 51’, 63, 63’)は、旋回動作型であることを特徴とする、ステーション(2)。
【請求項4】
請求項2に記載のステーション(2)であって、前記リフティング要素(51, 51’, 63, 63’)は、直線動作型であることを特徴とする、ステーション(2)。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のステーション(2)であって、前記リフティング要素(51, 51’, 63, 63’)の動作に応動するトレイ分離機構(4A)は、前記ステーション(2)にて収集されるトレイ用のリミッタ(4B)を有することを特徴とする、ステーション(2)。
【請求項6】
請求項5に記載のステーション(2)であって、前記リミッタ(4B)は、旋回動作型であることを特徴とする、ステーション(2)。
【請求項7】
請求項5に記載のステーション(2)であって、前記リミッタ(4B)は、直線動作型であることを特徴とする、ステーション(2)。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のステーション(2)であって、前記側部支持ベルト(56, 56’)は、収束的に配置されることを特徴とする、ステーション(2)。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のステーション(2)であって、前記側部ベルト(56, 56’)は、相互に平行に配置されることを特徴とする、ステーション(2)。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のステーション(2)であって、前記コンベア(4)は、ベルトコンベアであることを特徴とする、ステーション(2)。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のステーション(2)であって、前記コンベア(4)は、チェーンコンベアであることを特徴とする、ステーション(2)。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載のステーション(2)であって、前記側部ベルト(56, 56’)の速度は、前記コンベア(4)の支持要素(4D)の速度と同期することを特徴とする、ステーション(2)。
【請求項13】
タバコ産業で用いられるロッド状物品(R)が装荷された四壁トレイ(3)又は、上壁(13T’)が旋回壁である五壁トレイ(13)を除荷する装置(1)であって、
装荷されたトレイのための、請求項1〜12のいずれか一項に記載のステーション(2)と、
前記装荷されたトレイ(3, 13)を転回させる転回ユニット(10)と、
該転回ユニット(10)を持ち上げるリフティングユニット(11)と、
前記装荷されたトレイ(3, 13)のための除荷ステーション(23)と、
除荷されたトレイのためのステーション(25)と、を備える装置において、
前記ステーション(2)は、前記トレイ(3, 13)の側壁(3L, 3R, 13L, 13R)を支持するように構成された側部ベルト(56, 56’)を更に備え、該側部ベルト(56, 56’)は、前記支持要素(4D)から前記トレイ(3, 13)が持ち上げられ、前記支持要素(4D)にトレイ(3, 13)が収容されるときに、前記リフティング要素(51, 51’, 63, 63’)の
動作に応動することを特徴とする、装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコ産業におけるロッド状物品装荷トレイ用ステーション、並びにロッド状物品を装荷した四壁又は五壁トレイの除荷装置を提供することである。
【背景技術】
【0002】
タバコ産業用の工場は、喫煙用の多様な物品を製造する。連続的な製造プロセスにより製造される最終製品及び半製品は、いずれもコンベア又はトレイにて移送されるロッド状物品を含み得る。タバコ産業においては、シガレット、シガリロ、シガー及びフィルタ材料ロッドを含む全ての種類のロッド状物品のためにプラスチックトレイが一般的に用いられる。プラスチックトレイは、二面の隣接壁を含まない直方体形状を有し、これらは四面壁を有するトレイである。プラスチックトレイは、剛性であり、タバコ工場内にてロッド状物品を一時的に貯蔵し、移送するために用いられる。一般には、工場外においては、フィルタロッドの移送のために、五壁トレイとして設計される段ボールトレイを用いることが多い。段ボールトレイは、より薄い壁厚を有し、剛性が低く、容易に変形可能である。五壁トレイは、トレイを開いた後、すなわち旋回壁を旋回させた後に装荷される。トレイは、装荷後に閉められ、旋回壁が初期位置に戻される。その旋回壁は、トレイを除荷する際にも旋回させる。移送用に装荷されたトレイは、その内部に収集されたロッドを保護するため、蓋により被覆される。
【0003】
例えば、始動・停止モードで作動するトレイ除荷装置であるトレイコンベアにて、通常、トレイは移送されるため、その移送方向はトレイの背壁に対して垂直である。従って、トレイの加速及び減速は、その背壁に対して垂直に作用し、トレイ底である底壁の長辺に対してトルクを生じさせる。その結果、トレイは容易に転倒しかねない。トレイにて移送される物品の長さが縮小するとトレイの転倒率は上昇する。これは、トレイの底壁の短辺の長さが物品の長さに関連するからである。通常、トレイの底壁の短辺の長さは、物品の長さよりもわずかに大きい。タバコ産業におけるロッド状最終製品及びロッド状半製品は、60 mm〜200 mm超の範囲の長さを有する。最長の長さを有する物品の場合、転倒することはないが、最短の長さを有する物品は、コンベアの設計及び速度制御において大きな問題を有する。これは、トレイの底壁から重心への距離が、その底壁からの幅よりも数倍大きいためである。トレイの移送における不安定性は、段ボールでの移送時に最も大きくなる。段ボール自体が非剛性であり、除荷のために移送され、トレイの背壁に対して垂直方向に移送されることで、トレイが転倒する確率が高くなる。
【0004】
五壁段ボールトレイを除荷する装置は、欧州特許第1118543号明細書、国際公開第2015033264号明細書に開示されている。欧州特許第1118543号明細書は、タバコ産業におけるロッド状物品を含む、閉口した段ボールトレイを自動的に開口させる装置であって、開口セグメント、吸引装置、段ボールトレイ供給部用の装置、段ボールトレイの開口セグメントの吸引及び開口用の装置を開示している。国際公開第2015033264号明細書は、トレイ除荷ステーション方向にトレイを移送し、トレイ除去ステーションからトレイを集荷するコンベアユニットを備えるロッド状物品を除荷する装置を開示している。該コンベアユニットは、段ボールトレイの可動蓋を転回及びロックするユニットを備える。
【0005】
四壁トレイを除荷する装置は、欧州特許第1086628号明細書に開示されている。欧州特許第1086628号明細書は、タバコ産業におけるロッド状物品により装荷されたトレイを連続的に除荷する装置を開示する。該装置は、供給ステーションにおいてフレーム内に配置された後、装荷したトレイは除荷ステーションに向けて移送され、該ステーションにて除荷される。トレイを除荷した後、トレイは供給ステーションに戻される。供給ステーションにおいて、後続の装荷トレイがフレームに移送されると、直接又は間接的にフレームに配置された除荷トレイを取り除く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第1118543号明細書
【特許文献2】国際公開第2015033264号明細書
【特許文献3】欧州特許第1086628号明細書
【特許文献4】ポーランド特許出願公開第417941号明細書
【発明の概要】
【0007】
本発明は、タバコ産業用装置において、ロッド状物品が装荷されたトレイのためのステーションを提供する。このステーションは、装荷されたトレイを受け入れる受入部と、装荷されたトレイを収める貯蔵・搬送部と、を備える。貯蔵・搬送部は、装荷されたトレイを搬送するためのコンベアと、第1のトレイを、支持要素で収集される他のトレイから分離するトレイ分離機構と、を含む。トレイ分離機構は、コンベアの支持要素からトレイを持ち上げるためのリフティング要素を有する。本発明に係るステーションは、トレイの側壁を支持するように構成された側部ベルトを更に備え、該側部ベルトは、支持要素からトレイが持ち上げられ、支持要素にトレイが収容されるときに、リフティング要素の動作に応動することを更なる特徴とする。
【0008】
本発明に係るステーションにおいて、リフティング要素は、トレイの底壁を支持する長手方向のバー又はプレート形状を有することを特徴とする。
【0009】
本発明に係るステーションにおいて、リフティング要素は、旋回動作型であることを特徴とする。
【0010】
本発明に係るステーションにおいて、リフティング要素の動作に応動するトレイ分離機構は、ステーションにて収集されるトレイ用のリミッタを有することを更なる特徴とする。
【0011】
本発明に係るステーションにおいて、リミッタは、旋回動作型であることを更なる特徴とする。
【0012】
本発明に係るステーションにおいて、リミッタは、直線動作型であることを更なる特徴とする。
【0013】
本発明に係るステーションにおいて、側部支持ベルトは、収束的に配置されることを更なる特徴とする。
【0014】
本発明に係るステーションにおいて、側部ベルトは、相互に平行に配置されることを更なる特徴とする。
【0015】
本発明に係るステーションにおいて、コンベアは、ベルトコンベアであることを更なる特徴とする。
【0016】
本発明に係るステーションにおいて、コンベアは、チェーンコンベアであることを更なる特徴とする。
【0017】
本発明に係るステーションにおいて、側部ベルトの速度は、コンベアの支持要素の速度と同期することを更なる特徴とする。
【0018】
更に、本発明の目的は、タバコ産業で用いられるロッド状物品が装荷された四壁トレイ又は、上壁が旋回壁である五壁トレイを除荷する装置を提供することである。該装置は、装荷されたトレイのためのステーションと、装荷されたトレイを転回させる転回ユニットと、該転回ユニットを持ち上げるリフティングユニットと、装荷されたトレイのための除荷ステーションと、除荷されたトレイのためのステーションと、を備える。本発明に係る装置において、ステーションは、トレイの側壁を支持するように構成された側部ベルトを更に備え、該側部ベルトは、支持要素からトレイが持ち上げられ、支持要素にトレイが収容されるときに、リフティング要素の動作に応動することを更なる特徴とする。
【0019】
本発明に係る装置は、トレイの安全な移送を可能にし、トレイの転倒を最小化させることで、物品の流出により、トレイ除荷装置が停止する頻度を最小化させることができる。更に、通常、浅いトレイの転倒により流出した物品を廃棄することで生じていた製造ロスを最小化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら本発明について更に詳述する。
【0021】
図1】物品を装荷した四壁トレイ(第2状態)の前面側透視図である。
図2】物品を装荷した五壁トレイ(第1状態)の前面側透視図である。
図2a】物品を装荷した五壁トレイ(第1状態)が第2状態にある際の背面側透視図である。
図2b】物品を装荷した五壁トレイ(第1状態)が第2状態にある際の前面側透視図である。
図3】ロッド状物品用トレイを除荷するための装置の側面図である。
図4】コンベアの支持要素に全てのトレイを配置した状態における装荷トレイステーションの側面図である。
図5】コンベアの支持要素に第1トレイを配置し、他のトレイを持ち上げた状態における装荷トレイステーションの側面図である。
図6】各側部ベルトを別個のモータで駆動する装荷トレイステーションの上面図である。
図7】側部ベルトを1つのモータで駆動する、装荷されたトレイ用のステーションの上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を、図1に簡略形態として示す四壁トレイ3、及び図2に示す五壁トレイ13を参照しながら詳述する。トレイ3, 13は、共に右上位置にて物品を装荷した状態にある。すなわち、装荷されたトレイ3, 13は、図3に示すように、当該トレイを空にするための除荷装置1における装荷トレイステーション2に配置された状態にある。図1及び図2に示すトレイ3, 13における装荷空間は、トレイ3, 13の底部に配置される例示的なロッド状物品Rを数個のみ示し、斜線により示す。このような右上位置おいて装荷されたトレイ3, 13は、作業者により、装荷トレイステーションに配置される。作業者は、トレイ内部を作業者自身に向けた状態で、トレイ3, 13の側壁を保持する。上部、底部、側部、前方、後方は、図1及び図2に示すトレイの位置を示し、各トレイ3, 13の前面、左側面及び上面は視認可能な状態となっている。四壁トレイ3は底壁3B、背壁3A、2つの側壁である左側壁3L及び右側壁3Rを備える。側部とは、トレイの3の開放前面3Gを作業者に向けた状態で、充填されたトレイステーションに充填されたトレイを搬入する作業者により目視可能なトレイ3の位置を示す。トレイ3に対する装荷及び除荷工程は、開放面3Tを通じて行われる。四壁トレイは、通常は複数回用として構成される十分な剛性のプラスチック又は他の適切な材料から形成することができる。
【0023】
五壁トレイ13は、底壁13B、背壁13A、2つの側壁である左側壁13L及び右側壁13Rを備える。五壁トレイ13は、ヒンジ止めされた上壁13T’を備え、該上壁は、端部13Eに沿って接合するトレイ13の背壁13Aに対して自己整合するように配置される。上壁13T’は、2つの旋回ラグ、左旋回ラグ13FL及び右旋回13FRを備える。これらのラグは、移送のために、対応する側壁13L及び13Rのスロット内に挿入される。装荷された五壁トレイ13を、装荷トレイステーションに配置した後、作業者が上壁13T’を持ち上げることで、旋回ラグ13FL及び13FRが壁13L及び13Rから引出され、側壁13L及び13Rの外面に緩やかに吊り下がる状態となる。図2a及び図2bは、五壁トレイ13における空にするサイクルの後の段階を示す。上壁13T’が旋回することで、五壁トレイ13の上方開放面13Tを通じて五壁トレイが除荷可能となる。五壁トレイ13への装荷は、上面13Tを通じて行うこともできる。四壁トレイ3と同様に、作業者は、五壁トレイ13を保持した状態で、開放面13Gを作業者自身に向けながら、五壁トレイ13を装荷トレイステーションに配置する。五壁トレイ13は、通常、四壁トレイよりも剛性が低く、一回使用として構成される段ボール又は他の安価な材料で形成することができる。
【0024】
後述する除荷装置1のトレイ3, 13は、トレイ除荷装置であり、四壁トレイ3及び五壁トレイ13を共に除荷する構成を有する。便宜上、駆動機構を示さず、簡略化して図3に示すトレイ除荷装置1に含まれるユニットにおいて、装置1の本体の外形は破線により示す。トレイ除荷装置1はトレイステーション2を備え、装荷した四壁トレイ3及び五壁トレイ13は、それらを除荷するために、操縦者により装荷したトレイステーション2に配置される。トレイ3, 13は第1装荷トレイ3’, 13’として、装荷トレイステーション2からリフティングユニット6に供給され、複数のトレイ3, 13は装荷トレイステーション2に収集される(図4)。図6に示すように、装荷トレイ3, 13を持ち上げるリフティングユニット6は、マルチパート支持部7A, 7B, 7C, 7Dを備えていてもよく、これら支持部はトレイ除荷装置1の前方部1Aに向かって下降する構成を有し得る。リフティングユニット6によるトレイ3, 13の持ち上げは、電気駆動又は空圧駆動装置を用いた任意の直線動作機構手段により行うことができる。リフティングユニット6は、転回ユニット10が装荷トレイ3, 13を把持し得る高さまで、装荷トレイ3, 13を持ち上げる。装荷トレイの除荷ステーション23にて装荷トレイ3, 13を除荷する前に、装荷トレイ3, 13を転回させるために転回ユニット10を設けることができる。転回ユニット10は、リフティングユニット11の摺動部11Aにて、回転軸12Aを備える回転シャフト12に取り付けられる。トレイ3, 13の除荷サイクル中、トレイ3, 13は持ち上げられ、転回し、回転軸12Aから離れるように移送される。トレイ除荷装置1は、その前方部1Aに装荷トレイ除荷ステーション23を備え、該ステーション23下には、トレイ3, 13から除荷されたロッド状物品Rを収容するコンベア24が配置される。トレイ除荷装置1の後方部1Bには、除荷トレイステーション25が配置される。トレイ除荷装置1は、本願出願人のポーランド特許出願公開第417941号明細書に詳述されている。図3は、トレイ除荷装置1の独立したユニットに連結される制御部40を備えるトレイ除荷装置1を示す。
【0025】
図4及び図5に示す装荷トレイステーション2は、受入部2A及び移送部2Bを備え、該受入部2Aには操縦者がトレイ3, 13を配置し、任意の集荷ユニットにより該移送部2Bからトレイ3, 13を集荷する。図4及び図5に示す実施形態において、集荷ユニットは、トレイ除荷装置1のリフティングユニット6を備える任意のトレイコンベアであってもよい。受入部2Aと装荷トレイステーション2の移送部2Bとの間に貯蔵・搬送部2Cを配置する。貯蔵・搬送部2Cは、2つの支持要素4Dを有するコンベア4、例えば平面状の支持面を有するベルト又はチェーンを備える(図6)。トレイ3, 13は、平面状の支持面を有する任意の支持要素を用いて移送され得る。コンベア4は、トレイ3, 13の移送中にトレイが相互に隣接し、あるいは、独立して移送されるような構成を有する。装荷トレイステーション2は、該ステーション2に沿って移送されるトレイ3, 13の2面に配置される側部ガイド4Cを備え得る。側部ガイド4Cは、送り方向、すなわち、受入部2Aを有する後方部から移送部2Bを有する前方部に向かって、収束的に配置される。側部ガイド4Cの収束は、例えばトレイ3, 13の剛性などトレイ3, 13の種類によって調整することができる。更に、貯蔵・搬送部2Cはトレイ分離機構4Aを備え、当該実施形態において、第1トレイ3’, 13’は、コンベア4にて収集されるトレイから分離される。トレイ分離機構4Aは、レバー52, 53の接合部51A, 51Bを用いて取り付けられるリフティング要素51を有する。該レバー52, 53は、接合部52A, 53Aに枢動可能に取り付けられる。レバー52, 53の旋回動作は、リミッタ4Bの動作と機械的に応動する。該リミッタ4Bは、自己整合し、四節リンク機構55又は他の機構により軸54に取り付けられる。トレイ分離機構4Aは、アクチュエータにより駆動する。リフティング要素51及びリミッタ4Dは、いずれも旋回動作型であるが、例えば独立したアクチュエータにより動くような、直線動作型とすることもできる。トレイ3, 13の側壁3L, 3R, 13L, 13Rを支持するように構成される支持機構4Eは、トレイ分離機構4Aと連結される。支持機構4Eは、トレイ3, 13の側壁3L, 3R, 13L, 13Rと接触し続ける2本の側部ベルト56を備え、該側部ベルト56はローラ57, 58周りを包囲する。図示する実施形態において、ローラ57は、モータ60により駆動する。支持機構4Eは、例えば図6にて破線で示されているブラケット59により、リフティング要素51と機械的に連結される。側部ベルト56, 56’は、ベルト4Dの動作に応動して、上下運動を生じさせる。図6に示すように、各側部ベルト56, 56’は、分離モータ60により駆動され、ベルト56, 56’とベルト4Dの速度は同じであり、側部ベルト56, 56’の動作はベルト4Dの動作と同期することで、各トレイ3, 13を4点にて保持し、貯蔵・移送部2Cに沿って安定的に移送することができる。また、機構4Eは、アクチュエータ66, 66’により移送される2つの支持要素65, 65’を備え得る。なお、図4及び図5はアクチュエータ66, 66’を図示していない。支持要素65, 65’は、リフティング要素51, 51’にて持ち上げられるトレイ3, 13の位置を安定化させ、ステーション2の移送部2B方向にトレイ3, 13が転倒することを防ぐようトレイ3, 13を支持するために用いられる。支持要素65, 65’は、アクチュエータ66, 66’と共に静止状態であってもよいし、トレイ56, 56’及び上下に動作するリフティング要素51, 51’に従って動いてもよい。図7は、1個のモータ60及び歯付ベルト61, 62を用いる側部ベルト56, 56’の駆動機構の一実施形態を示す。駆動機構は、装荷トレイステーション2の下に配置し得る。側部ベルト56, 56’は、送り方向、すなわち、受入部2Aを有する後方部から移送部2Bを有する前方部に向かって、収束的に配置することができる。側部ベルト56, 56’の収束は、例えばトレイ3, 13の剛性などトレイ3, 13の種類によって調整することができ、トレイ3, 13のリフティング中、側部ベルト56, 56’はトレイ3, 13と接触した状態を保つ。貯蔵・移送部2Cにて収集されたトレイを持ち上げるためのリフティング要素51, 51’は、図4図6に示す実施形態において、棒状の形状を有する。図7に示す代替的な手段として、リフティング要素63, 63’は、平面形状を有し、ベルト4Dの外部に配置される。支持機構4Eは、ブラケット64, 64’により支持することができる。
【0026】
装置1の操作中、操縦者は、ベルト4Dの受入部2A及び側部ベルト56, 56’間における除荷のためにトレイ3, 13を配置する。トレイ3, 13は、リミッタ4B又は装荷トレイステーション2に予め配置された他のトレイに到達するまで移送部2Bに向かって、T方向に移送されるよう配置される。トレイ3, 13は、トレイの底壁の4点又は2点、並びにトレイの各側壁の各1点にて保持されることで、例えば60 mmの長さを有する短いロッド状物品Rを、移送中に流出させることなく、トレイにて収集することができる。図4は、コンベア4にて収集される全てのトレイ3, 13を、リミッタを用いて停止させた状態を示す。図5は、第1トレイ3’, 13’を移送部2Bに移送する間、他の全てのトレイ3, 13が持ち上げられることで、その底壁3B, 13Bが駆動要素4Dと接触することのない状態を示す。全ての装荷トレイ3, 13のうちステーション2に配置される第1装荷トレイ3’, 13’は、コンベア4のベルト4Dから移送部2Bに向けて移送される第1装荷トレイ3’, 13’除く、全ての装荷トレイ3, 13がリフティング要素51によりコンベア4から持ち上げられた後に装荷される。第1装荷トレイ3’, 13’が移送部2Bに移送されると、ベルト4Dは停止し、トレイ分離機構4Aのリフティング要素51, 51’は下降し、予め持ち上げられたトレイ3, 13は、分離機構4のベルト4Dに配置され、リミッタ4Bは持ち上げられる。ベルト4D及び側部ベルト56 ,56’を再始動させる。装荷トレイステーション2は、調整可能な支持要素5を備えていてもよい。支持要素5の位置の調整は、リフティングユニット6により集荷又は持ち上げることができる位置にて装荷トレイ3’, 13’を停止可能とする必要がある。トレイ3’, 13’が支持要素5に対して隣接するように押されると、ベルト4Dのスイッチは切られる。例示する実施形態のように、トレイ3’, 13’は、ガイド8にて上下運動を生じさせるリフティングユニット6に含まれる要素7A, 7B, 7C, 7Dを備えるマルチパート支持部7により持ち上げられる。
【0027】
例示する実施形態において、トレイ3, 13は、装荷トレイステーション2の受入部2Aに手動で配置される。トレイ3, 13は、装荷トレイステーション2に手動で配置することもできるし、例えばコンベア、操縦者又はロボットなどの任意の供給手段により配置することもできる。装荷トレイは、コンベア4又はリフティングユニット6により収容することができる。
図1
図2
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7