(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第一実施例)
以下、図面を参照して、本発明の第1実施例に係るカバー付きヘアーアイロンブラシ1について説明する。
【0020】
図1は第1実施例のカバー付きヘアーアイロンブラシ1の概略斜視図であり、
図2は
図1のA−A線で切断した断面図であり、
図3は
図1のヘアーアイロンブラシ2の概略斜視図であり、
図4は
図3のヘアーアイロンブラシ2の正面図であり、
図5は
図3のヘアーアイロンブラシ2の平面図であり、
図6は
図4のB−B線で切断した断面図であり、
図7は
図3のヘアーアイロンブラシ2を展開した展開図であり、
図8は
図7の加熱部5の背面図であり、
図9における(A)は第1実施例の制御部65による外周面状ヒータ52aおよび中央面状ヒータ52bへ同じタイミングで通電させるパルス制御動作を示す概略説明図であり、(B)は第1実施例の制御部65による外周面状ヒータ52aおよび中央面状ヒータ52bへ別々のタイミングで通電させるパルス制御動作を示す概略説明図である。
なお、カバー付きヘアーアイロンブラシ1の幅方向をX軸、カバー付きヘアーアイロンブラシ1の厚み方向をY軸、カバー付きヘアーアイロンブラシ1の長手方向をZ軸とする。
【0021】
図1および2に示すように、引用符号1は、本実施例のカバー付きヘアーアイロンブラシである。カバー付きヘアーアイロンブラシ1は、ヘアーアイロンブラシ2と、ヘアーアイロンブラシ2の先端側を覆うカバー部7と、を備える。
【0022】
図1および2に示すように、カバー部7は、例えば樹脂材料などからなり、カップ形状をしており、ヘアーアイロンブラシ2の先端側から挿脱自在に形成されている。カバー部7の閉塞端部の内側には、後述の遮断スイッチ41aを押圧する押圧突起71が形成されている。
【0023】
図3乃至6に示すように、本実施例のヘアーアイロンブラシ2は、熱を与えながら髪を梳かすブラシ部3と、ブラシ部3に連接し、施術者が把持する把持部6と、を備える。
【0024】
図3乃至6に示すように、ブラシ部3は、把持部6に連接し、髪を梳かす多数のブラシ毛42b、43a、43b、44a、44bが立設されたブラシ基台4と、多数のブラシ毛42b、43a、43b、44a、44bの基部を覆うようにブラシ基台4に固定され、髪に熱を与える加熱部5と、を有する。
【0025】
図7に示すように、ブラシ基台4は、把持部6に連接し、上下端部を円弧状に湾曲させ、中央を窪ませたブラシ基台本体41と、ブラシ基台本体41の窪みを覆うようにブラシ基台本体41の上下端部に固定される基台カバー部42と、基台カバー部42の表側に固定され、多数のブラシ毛43a、43bを立設させたブラシベース部43と、基台カバー部42に固定され、異なる種類のブラシ毛44a、44bを組み合わせたブラシ毛組体44と、を有する。
【0026】
図2および6に示すように、ブラシ基台本体41の先端側には、押圧突起71で押圧され、加熱部5への通電を遮断する遮断スイッチ41aが設けられている。ブラシ基台本体41は、例えば樹脂材料などからなる。このブラシ基台本体41の裏面側は、
図5に示すように内側に凹んだ形状をしており、ブラシ基台本体41を回した際に、ブラシ基台本体41に頭皮が当たらないように形成されている。
【0027】
図7に示すように、基台カバー部42の表側には、円弧状に湾曲し、加熱部5からの熱を反射する(加熱部5の熱の透過を禁止する)湾曲反射板42a(反射板)が固定されている。基台カバー部42の両側端部には、互いに離間するように延びる多数のブラシ毛42bが形成されている。基台カバー部42は、例えば樹脂材料などからなり、湾曲反射板42aは、反射面が鏡面加工され、鏡面効果による輻射効果が高くなるように形成されており、材料は例えばアルミなどからなる。ブラシ毛42bは、髪をつかむ機能を有し、この先端には髪を引掛けて抜けにくくする先球部45が形成されている。
【0028】
なお、湾曲反射板42aの裏面側に断熱手段(不図示)を位置させても良い。この構成により、加熱部5からの伝熱を抑制し、シート保持部51の方へ加熱部5の熱を集中させることができる。
【0029】
図7に示すように、ブラシベース部43は、多数のブラシ毛43a、43bをブラシ部3の長手方向(Z軸方向)に立設し、これを幅方向(X軸方向)に複数並べたものである。幅方向における多数のブラシ毛43aの間には、ブラシ毛組体44を挿通し、縦長に延びる長孔43cが形成されている。ブラシベース部43およびブラシ毛43a、43bは、例えば樹脂材料などからなる。ブラシ毛43aは、髪を梳かす機能を有し、この先端には髪を引掛けて抜けにくくする先球部45が形成されている。ブラシ毛43bは、髪を梳かす機能の他に頭皮を刺激する機能を有し、ブラシ毛43aよりも太い径で形成されており、頭皮を刺激する際にブラシ毛43bが倒れないように形成されている。
【0030】
図7に示すように、ブラシ毛組体44は、例えば樹脂材料などからなるブラシ毛44aと、例えばナイロン(ポリアミド合成繊維)毛ブラシや豚毛ブラシなどの異なる材料のブラシ毛44bとを組み合わせたものである。ブラシ毛44aは髪を梳かす機能を有し、この先端には髪を引掛けて抜けにくくする先球部45が形成されている。ブラシ毛44bは髪をつかむ機能を有し、ブラシ毛44aよりも短い長さであり、かつブラシ毛44aに比べて間隔が広く形成されている。このように、異なる材料のブラシ毛44a、44bを組み合わせることで、滑らかな感触で髪を梳かすことができる。
【0031】
図3および7に示すように、加熱部5は、湾曲反射板42aを覆うようにブラシベース部43で固定され、後述のバッテリー61からの通電により発熱するものである。加熱部5は、
図8に示すように、シート保持部51に面状ヒータ52(ヒータ)を一体成型したものであり、例えば2重成型により一体成型したものなどである。面状ヒータ52は、シート保持部51の裏面側に密着されている。
【0032】
シート保持部51は、熱を保持するシート状のものであり、熱伝導率が低く熱が逃げにくい材料であるシリコーンなどのゴム材料からなる。シート保持部51には、ブラシ毛43a、43bを挿通する多数の挿通孔51aが形成されており、面状ヒータ52および挿通孔51aの形成位置を避けて、縦長の長孔51bも形成されている。この長孔51bは、ブラシ毛組体44が挿通可能な大きさで形成されている。
【0033】
面状ヒータ52は、例えばポリエーテルイミドで絶縁されたフィルムヒータなどであり、後述のバッテリー61からの通電で発熱するものである。面状ヒータ52は、厚みが例えば約0.3mmと薄く、幅が1.0mm〜2.0mmと細い線状の導電路をシート保持部51の外周領域および中央領域に分けて配索したものである。面状ヒータ52は、厚みを薄く幅も細い線状の導電路を配索することで、面状ヒータ52に通電する電力を極力少なくして、バッテリー容量が少ない後述のバッテリー61でも加熱部5の発熱温度を160℃まで上昇させることができる。面状ヒータ52は、屈曲可能であり、引っ張り、曲げ、摩耗に優れた耐久性に優れたものである。
【0034】
この面状ヒータ52には、面状ヒータ52の発熱温度を検出する温度検出部(温度検出手段)53が一体成型されている。温度検出部53は、例えばNTCサーミスタなどの温度上昇に伴う抵抗値の減少を利用して温度を検出するものである。
【0035】
図8に示すように、面状ヒータ52は、シート保持部51の外周領域に配索された外周面状ヒータ52a(ヒータ)と、シート保持部51の中央領域のみに配索された中央面状ヒータ52b(ヒータ)とで構成されている。中央面状ヒータ52bは、外周面状ヒータ52aよりも高い温度で発熱するように制御されており、加熱部5の中央から外周に向かって、徐々に温度を下げて、髪に熱を与え、髪をよりカールやウェーブさせやすくするように形成されている。
【0036】
外周面状ヒータ52aと中央面状ヒータ52bとで構成する場合には、温度検出部53を中央面状ヒータ52bのみに一体成型するものとしても良い。中央面状ヒータ52bは外周面状ヒータ52aに比べて高い発熱温度で制御されているため、この高い中央面状ヒータ52bの発熱温度のみを検出すれば、面状ヒータ52の発熱面が必要以上に高くなり、髪が傷むことを防止することができる。また、この構成により、外周面状ヒータ52aと中央面状ヒータ52bのそれぞれに温度検出部53を設ける必要がないため、加熱部5を製造する製造コストも低減することができる。
【0037】
図3、4および6に示すように、把持部6は、例えば樹脂材料などからなり、施術者が握りやすいように略円筒形状で形成されている。把持部6は、バッテリー61と、バッテリー61を収容する収容部62とを有する。また、把持部6は、加熱部5の動作状態を表示する表示部63と、施術者の操作入力を受付け、加熱部5の発熱温度を設定する操作部64(温度設定部)と、操作部64の設定温度および温度検出部53の検出温度に応じて、加熱部5の発熱温度および表示部63の表示状態を制御する制御部65と、を有する。
【0038】
把持部6の裏面側には、収容部62内にバッテリー61を収容可能とするために取外し可能な蓋部62aが形成されている。
【0039】
バッテリー61は、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル・カドミウム電池、ニッケル水素電池、鉛電池などの畜電池や、アルカリ電池、マンガン電池、ニッケル電池などの電池などである。このバッテリー61は、少なくともバッテリー容量を3.6V、2900mAhとするものである。
【0040】
表示部63は、把持部6の表側に形成されており、例えばLED、パネルLEDなどである。表示部63は、加熱部5の動作中に点灯するように形成されている。この表示部63の点灯は、例えば、操作部64で設定される設定温度に応じて、点灯色を変えるようにしても良い。
【0041】
操作部64は、把持部6の表側に形成されており、加熱部5の設定温度を多段階(例えば、90℃、140℃、160℃)に設定可能に形成されている。操作部64は、施術者からの操作入力に基づいて、設定温度を設定し、この設定温度情報を制御部65へ送信する。また、操作部64は、施術者の操作入力に基づいて、電源のオン、オフ情報を制御部65へ送信する。
【0042】
図6に示すように、制御部65は、例えばCPU(Central Processing Unit)などを搭載した制御基板などであり、加熱部5、バッテリー61、表示部63および操作部64などと電気的に接続されている。制御部65は、操作部64の設定温度および温度検出部53の検出温度に応じて、表示部63の点灯を制御するとともに、バッテリー61から加熱部5への通電動作を制御する。
【0043】
ここで、制御部65は、バッテリー61から加熱部5への通電動作を、パルス制御により行うと良い。すなわち、制御部65は、バッテリー61から加熱部5(外周面状ヒータ52aおよび中央面状ヒータ52b)への通電動作を、例えば、
図9(A)に示すような、1ミリ秒間とする1周期あたりのデューティ比を50%とし、5.8Aの電流をオンオフさせる同じタイミングのパルス制御で行うと良い。
【0044】
次に、このパルス制御の効果について説明する。出願人は、この効果を立証する上で、動作時間の確認試験および発熱温度の確認試験を行った。これらの確認試験で用いたバッテリー61は、バッテリー容量を3.6V、2,900mAhとするポータブル機器用リチウム電池を満充電させたものとした。
【0045】
<動作時間の確認試験>
動作時間の確認試験では、満充電させたバッテリー61の放電時間を、2.9Aの電流で常時放電させた場合(常時放電)と、1ミリ秒間に5.8Aの電流のオンオフを繰り返す放電とさせたパルス制御の場合(パルス制御)とで計測した。その結果を表1に示す。
【0047】
表1から分かるように、パルス制御を行った場合(パルス制御)では、常時放電の場合と比べて、バッテリー61の放電時間が約1.2倍に延びることが確認できた。
【0048】
<発熱温度の確認試験>
発熱温度の確認試験では、本実施例のヘアーアイロンブラシ2において、常時通電した場合(常時通電)と、1ミリ秒間にオンオフを繰り返す通電とするパルス制御の場合(パルス制御)とにおいて、加熱部5の最大発熱温度および動作時間を計測した。その結果を表2に示す。
【0050】
表2から分かるように、加熱部5の最大発熱温度に関しては、常時通電およびパルス制御の場合ともに160℃〜200℃まで上昇した。しかし、加熱部5の動作時間に関しては、常時通電した場合には20分であるのに対して、パルス制御をした場合には35分まで延びることが確認できた。
【0051】
すなわち、パルス制御を行った場合は、加熱部5の発熱温度を常時通電した場合とほぼ同等の温度まで上昇できるにも関わらず、加熱部5の動作時間を、常時通電した場合の1.75倍まで長くできることが確認できた。
【0052】
上記確認試験の結果から明らかなように、制御部65が、バッテリー61から加熱部5への通電をパルス制御により行うことで、常時通電する場合に比べて、バッテリー容量の減少を抑え、動作時間をより長くすることができる。
【0053】
また、制御部65がバッテリー61から加熱部5への通電動作を行う際に、外周面状ヒータ52aと中央面状ヒータ52bとのパルス制御を位相をずらして行っても良い。
【0054】
具体的には、
図9(b)に示すように、制御部65は、バッテリー61から外周面状ヒータ52aおよび中央面状ヒータ52bへの通電動作に関して、5.8Aの電流を一周期あたり1ミリ秒でオンオフさせるパルス制御とし、外周面状ヒータ52aおよび中央面状ヒータ52bのパルス制御の位相をずらして行うと良い。すなわち、制御部65は、バッテリー61から外周面状ヒータ52aへの通電動作を
図9(b)の上段に示すようなタイミングとし、バッテリー61から中央面状ヒータ52bへの通電動作を
図9(b)の下段に示すようなタイミング(外周面状ヒータ52aから位相がずれたタイミング)とすると良い。
【0055】
このようにバッテリー61から外周面状ヒータ52aおよび中央面状ヒータ52bの通電を位相をずらしたパルス制御により行うことで、シート保持部51への供給熱量が過剰となることを防ぎ、バッテリー61の消費電力を抑え、バッテリー61の容量もより少なくすることができる。
【0056】
また、シート保持部51に対して十分な熱量を与えた状態として、シート保持部51を髪のカールやウェーブさせるための十分な温度に保持させることができる。
【0057】
本実施例のヘアーアイロンブラシ2は、厚みの薄い導電路で形成された面状ヒータ52を発熱させ、かつ長孔51bにより発熱面となるシート保持部51の面積を必要最低限の大きさとすることで、少ないバッテリー容量とするバッテリー61からの通電においても、加熱部5の発熱温度を160℃まで上昇させることができる。
【0058】
これにより、本実施例のヘアーアイロンブラシ2は、バッテリー61のバッテリー容量を少なくしても十分な加熱部5の発熱温度を確保することができるため、バッテリー61の大きさをコンパクトにし、バッテリー61の重量も軽くすることができる。すなわち、本実施例のヘアーアイロンブラシ2は、バッテリー61をコンパクトかつ軽量化することで、ヘアーアイロンブラシ2全体もコンパクトかつ軽量化し、ヘアーアイロンブラシ2の携帯性を向上させることができる。
【0059】
本実施例のヘアーアイロンブラシ2は、外周面状ヒータ52aおよび中央面状ヒータ52bを、複数カ所に分けてシート保持部51に配索することで、加熱部5からの熱を髪にむらなく与え、施術者の意図する髪のカールやウェーブを形成することができる。
【0060】
本実施例のヘアーアイロンブラシ2は、少ないバッテリー容量とするバッテリー61でもパルス制御により動作時間を30分以上まで延ばすことができるため、一般的に髪をカールさせる際に必要な時間である15分を十分に確保することができる。
【0061】
本実施例のヘアーアイロンブラシ2は、両側端部に多数のブラシ毛42bを立設させた基台カバー部42と、多数のブラシ毛43a、43bを立設させたブラシベース部43と、異なる種類のブラシ毛44a、44bを組み合わせたブラシ毛組体44と、を一体的に組み合わせることで、ブラシ毛を約180°以上の範囲で立設させて、ブラシ毛42b、43a、43b、44a、44bで円滑に髪を梳かすことができる。
【0062】
また、本実施例のカバー付きヘアーアイロンブラシ1は、カバー部7をブラシ基台4に挿入することで、多数のブラシ毛43a、43bおよび加熱部5を覆って保護するとともに、押圧突起71で遮断スイッチ41aを動作させることで、加熱部5の誤動作を防止することができる。
【0063】
さらに、本実施例では、遮断スイッチ41aは、機械式スイッチによる直接的に回路を遮断するものを使用しているが、これに限定されるものではなく、制御部65により間接的に回路を遮断するもの、例えばMCUによる判断を加えた上で遮断させる方法としてよい。
【0064】
次に、本実施例のヘアーアイロンブラシ2の組み付け作業について説明する。初期条件として、収容部62内にはバッテリー61が収容されており、基台カバー部42には湾曲反射板42aが固定されているものとする。また、ブラシベース部43には多数のブラシ毛43a、43bが立設されており、ブラシ毛組体44にも複数種類のブラシ毛44a、44bが組み合わされたものとする。
【0065】
図10は、
図1に示すヘアーアイロンブラシ2の組み付け作業を示す作業フローチャートである。
【0066】
図10に示すように、作業者は、基台カバー部42の表側にブラシベース部43を固定する(STEP11、12)。基台カバー部42とブラシベース部43を固定すると、作業者は、ブラシベース部43に立設された多数のブラシ毛43a、43bを挿通孔51aに挿通させながら、加熱部5をブラシベース部43の表面を覆うように固定する(STEP13)。
【0067】
加熱部5をブラシベース部43に固定した後は、作業者は、長孔43c、51bにブラシ毛組体44を挿通させて、基台カバー部42にブラシ毛組体44を固定する(STEP14)。
【0068】
そして、作業者は、ブラシ毛組体44、加熱部5およびブラシベース部43が一体的に固定された基台カバー部42で、ブラシ基台本体41の窪みを覆うように固定し(STEP15)、ヘアーアイロンブラシ2の組み付け作業を終了する(STEP16)。
【0069】
この際、加熱部5におけるシート保持部51の外周縁を、ブラシ基台本体41に嵌め込んで固定する。このように固定することで、施術者が髪を梳かす際にブラシ部3の表側に位置するシート保持部51が浮き上がることを防止することができる。
【0070】
本実施例のヘアーアイロンブラシ2は、ブラシ部3として、ブラシ毛組体44、加熱部5、ブラシベース部43、基台カバー部42およびブラシ基台本体41と、わずか5つの部品で構成することで、組み付け作業を簡素化することができる。
【0071】
本実施例のヘアーアイロンブラシ2は、加熱部5の表側に熱伝導性の低いシート保持部51を位置させることで、髪に過剰な熱が加わることを防止することができる。
【0072】
本実施例のヘアーアイロンブラシ2は、加熱部5として保温性に優れたシート保持部51に面状ヒータ52を一体成型し、かつ面状ヒータ52をシート保持部51と湾曲反射板42aで挟むように位置させることで、面状ヒータ52から発熱する熱量を効率良くシート保持部51に蓄熱させて、バッテリー61から加熱部5への通電量を減らすことで、バッテリー容量を減らし、重量を軽くして、大きさもコンパクトにすることができる。
【0073】
特に、フィルムヒータとシリコーンとを2重成型したものを加熱部5とすることで、バッテリー61として容量3.6V、2900mAhの単三電池一本としても、加熱部5の発熱温度を160℃まで上昇させることができる。
【0074】
また、本実施例のヘアーアイロンブラシ2は、湾曲反射板42aの裏面側において、空間または断熱機能を有した断熱手段(不図示)を形成することで、湾曲反射板42aの裏面側へ放射される伝熱(例えば、熱伝導、対流熱伝達、熱輻射などの熱)を抑制し、より湾曲反射板42aの表側に位置するシート保持部51の方向へ加熱部5の熱を集中させることができる。
【0075】
さらに、湾曲反射板42aの表面側において、ブラシベース部43との間に断熱機能を有した断熱手段(不図示)を形成することで、加熱部5から湾曲反射板42aの表面側への伝熱を抑制し、シート保持部51の方向へ加熱部5の熱を集中させることができる。
【0076】
次に、本実施例のカバー付きヘアーアイロンブラシ1の発熱動作について説明する。初期条件として、カバー部7がヘアーアイロンブラシ2から外れているものとする。
【0077】
図11は
図1に示すヘアーアイロンブラシ2の発熱動作を示す制御フローチャートである。
【0078】
図11に示すように、制御部65は、施術者が操作部64を操作して、操作部64から電源のオン情報を取得した否かを判定する(STEP21、22)。施術者が操作部64を操作すると、電源のオン情報を取得し(STEP22YES)、制御部65は、遮断スイッチ41aがオフされているか否かを判定する(STEP23)。
【0079】
より具体的には、カバー部7がヘアーアイロンブラシ2の先端から外れており、押圧突起71で遮断スイッチ41aが押圧されていない場合には(
図3、6)、制御部65は、遮断スイッチ41aがオフされていると判定する(STEP23YES)。
【0080】
一方、カバー部7がヘアーアイロンブラシ2の先端を覆うように挿入されている場合(
図1、2)には、制御部65は、遮断スイッチ41aがオンされていると判定し(STEP23NO)、再度遮断スイッチ41aがオフされているか否かを判定する(STEP23)。
【0081】
制御部65が遮断スイッチもオフされていると判定すると(STEP23YES)、制御部65は、操作部64で設定された設定温度情報を取得し、表示部63を点灯させる(STEP24)。制御部65は、温度検出部53からも検出温度情報を取得し(STEP25)、検出温度が設定温度以上か否かを判定する(STEP26)。
【0082】
施術者による操作部64の操作がない場合には、制御部65は、電源のオン情報がないと判定して(STEP22NO)、再度電源のオン情報があるか否かを判定する(STEP22)。
【0083】
制御部65が、検出温度が設定温度よりも低いと判定した場合には(STEP26NO)、バッテリー61から加熱部5(面状ヒータ52)に通電する(STEP27)。制御部65は、再度温度検出部53の検出温度情報を取得し(STEP25)、検出温度が設定温度以上か否かを再度判定する(STEP26)。
【0084】
制御部65は、検出温度が設定温度以上と判定した場合には(STEP26YES)、制御部65は、バッテリー61から加熱部5への通電を停止させて(STEP28)、操作部64から電源のオフ情報を取得したか否かを判定する(STEP29)。施術者がヘアーアイロンブラシ2を引き続き使用している場合には、操作部64から電源のオフ情報の取得がないため、制御部65は、操作部64で電源オフの入力がなされていないと判定し(STEP29NO)、再度温度検出部53において検出温度情報を取得し、検出温度が設定温度以上か否かを判定する(STEP25、26)。
【0085】
施術者が操作部64を操作して電源オフにすると、制御部65は、操作部64から電源のオフ情報を取得し(STEP30YES)、表示部63を消灯させ、ヘアーアイロンブラシ2の発熱動作を終了する(STEP30、31)。
【0086】
本実施例のヘアーアイロンブラシ2は、施術者の操作に合わせて所望の温度に加熱部5を発熱させることができるため、施術者の意図に合わせて髪のカールやウェーブを形成することができる。
【0087】
また、本実施例のヘアーアイロンブラシ2は、操作部64において多段階の発熱温度(例えば、90℃、140℃、160℃)を設定可能に形成することで、施術者の意図に合わせて、加熱部5の発熱温度を多段階に切り替えることができ、施術者の意図に合わせて、髪に熱を与えることができる。
【0088】
次に、本実施例のヘアーアイロンブラシ2で髪を施術する際の各ブラシ毛42b、43a、43b、44a、44bの動作および効果について説明する。ヘアーアイロンブラシ2には、主に、髪を梳かすブラッシングと、髪をカールやウェーブさせるカーリングの2つの使用形態があるため、各使用形態に分けて説明する。
【0089】
ブラッシングの使用形態では、主に髪はブラシ毛43a、43b、44a、44bで梳かされ、カーリングの使用形態では、主に髪はブラシ毛42b、43a、43b、44a、44bで梳かされる。また、ブラッシングおよびカーリングの各使用形態ともに、施術者が操作部64を操作して加熱部5を発熱させた状態とする。
【0090】
(ブラッシングの使用形態)
施術者は、ヘアーアイロンブラシ2のブラシ毛43a(
図5中の左側)を最初に髪に当てて髪を梳かす。髪は、ブラシ毛43a、ブラシ毛44a(
図5の中央左側)、ブラシ毛43bで順に梳かされる。ブラシ毛43bで髪を梳かす際には、ブラシ毛43bが頭皮に当り、頭皮を刺激し、髪が完全にブラシ毛43bを通過するまで頭皮を刺激し続ける。
【0091】
髪がブラシ毛43bで梳かされると、ブラシ毛43a(
図5の中央右側)を通り、ブラシ毛44bで梳かされる。髪がブラシ毛44bで梳かされると、ブラシ毛44bが髪をつかみシート保持部51へ引き寄せて、髪をシート保持部51に接触させて、髪に熱を与える。
【0092】
髪に熱が加わると、髪につやが生じる。シート保持部51に接触した髪は、ブラシ毛43a(
図5の右端側)でさらに梳かされて、ブラッシングが終了する。
【0093】
本実施例のヘアーアイロンブラシ2は、髪に熱を与えながら、多数のブラシ毛43a、43b、44a、44bで梳かすことで、髪につやを与えながら髪を十分に梳かすことができる。
【0094】
また、本実施例のヘアーアイロンブラシ2は、髪をつかむブラシ毛44bが短くかつ間隔(Z軸方向の間隔)を広く形成することで、髪を効率良くシート保持部51(加熱部5の熱を保持するもの)へ近づけて、髪に熱を与えることができる。
【0095】
(カーリングの使用形態)
施術者は、ヘアーアイロンブラシ2の側端を最初に髪に当てて梳かす。髪はブラシ毛42bでつかまれ、ブラシ毛43a(
図5の左端側)、ブラシ毛44aで順に梳かされる。ブラシ毛44aで梳かされると、ブラシ毛44bでつかまれ、シート保持部51の方へ引き寄せられて、髪に熱が与えられる。
【0096】
シート保持部51で髪に熱が加えられると、ブラシ毛43a(
図5の中央左側)、43b、43a(
図5の中央右側)で髪が梳かされ、ブラシ毛44bで再度髪がつかまれる。髪がブラシ毛44bでつかまれると、シート保持部51の方へ引き寄せられて、髪に熱が与えられる。髪に熱が加えられた後に、髪はブラシ毛43a、42bで順に梳かされ、カーリングが終了する。
【0097】
本実施例のヘアーアイロンブラシ2は、シート保持部51により十分に髪を熱した後に、ブラシ毛43a、43b、44aで梳かしながら冷やすことで、容易に髪の形状が形づくり、カールやウェーブを形成することができる。
【0098】
また、本実施例のヘアーアイロンブラシ2は、
図5に示すようにブラシ毛42b、43a、44a、44b、43a、43bを180°以上の領域で立設することで、ブラシ毛42b、43a、44a、44b、43a、43bで簡単に髪を梳かすことができる。
【0099】
さらに、本実施例のヘアーアイロンブラシ2は、
図5に示すように、ブラシ毛42b、43a、44a、44b、43a、43bを形成したヘアーアイロンブラシ2の表面を緩いカーブの半円弧状で形成することで、髪をヘアーアイロンブラシ2の表面に当接しやすくし、シート保持部51の熱を髪に与えやすくすることができる。
【0100】
(第2実施例)
第2実施例のヘアーアイロンブラシ2’は、第1実施例のブラシ部3および加熱部5の構成のみが異なるため、異なる構成のみを説明し、同一の構成に関しては同一符号を付し、ここでの説明を省略する。
【0101】
図12は、第2実施例のヘアーアイロンブラシ2’の正面図である。
【0102】
図12に示すように、ブラシ部3’は、把持部6に連接し、髪を梳かす多数のブラシ毛43a’、43b’が立設されたブラシ基台4’と、多数のブラシ毛43a’、43b’の基部を覆うようにブラシ基台4’に固定され、髪に熱を与える加熱部5’と、を有する。
【0103】
図12に示すように、ブラシ基台4’は、把持部6に連接し、上下端部を円弧状に湾曲させ、中央を窪ませたブラシ基台本体41と、ブラシ基台本体41の窪みを覆うようにブラシ基台本体41の上下端部に固定される基台カバー部42と、基台カバー部42の表側に固定され、多数のブラシ毛43a’、43b’を立設させたブラシベース部43’と、を有する。
【0104】
ブラシ基台本体41および基台カバー部42は、第1実施例のブラシ基台本体41および基台カバー部42の構成と同じであるため、ここでの説明を省略する。
【0105】
図12に示すように、ブラシベース部43’は、湾曲反射板42aを覆うように固定され、多数のブラシ毛43a’、43b’をブラシ部3’の長手方向(Z軸方向)に立設し、異なる種類のブラシ毛43a’、43b’を幅方向(X軸方向)に複数形成したものである。ブラシベース部43’は、例えば樹脂材料などからなり、ブラシ毛43a’、43b’は、樹脂材料からなる樹脂ブラシと、ナイロン毛ブラシや豚毛ブラシなどを組み合わせたものからなる。
【0106】
ブラシベース部43’に立設された多数のブラシ毛43a’、43b’を異なる材料で形成することで、滑らかな感触で髪を梳かすことができる。
【0107】
図12に示すように、加熱部5’は、湾曲反射板42aを覆うようにブラシベース部43’(ブラシ基台4’)に隣接され、バッテリー61からの通電により発熱するものである。加熱部5’は、湾曲反射板42aを覆うように固定されたシート保持部51’と、シート保持部51’に固定され、ブラシ部3’の長手方向(Z軸方向)に延びる複数のリブ状ヒータ54(ヒータ)と、リブ状ヒータ54に固定され、リブ状ヒータ54の発熱温度を検出する温度検出部(不図示)と、を有する。
【0108】
シート保持部51’は、ゴム材料をシート状にしたものであり、ブラシ毛43a’、43b’を挿通する多数の挿通孔51a’が形成されている。リブ状ヒータ54は、ブラシ部3’の幅方向におけるブラシ毛43a’、43b’の間に位置しており、例えば基板にフィルムヒータの導電路を構成したもの、セラミックヒータまたはPTC(Positive Temperature Coefficient:正温度係数)ヒータなどである。温度検出部は、例えばNTCサーミスタなどの温度上昇に伴う抵抗値の減少を利用して温度を検出するものである。
【0109】
本実施例のヘアーアイロンブラシ2’は、リブ状ヒータ54を表側に固定することで、リブ状ヒータ54の発熱温度を抑えた状態でも、髪を梳かす際に髪をカールやウェーブさせるのに必要な熱を髪に与えることができ、ヘアーアイロンブラシ2’内に収容されるバッテリー61を少ない容量として、バッテリー61をコンパクトにすることができる。
【0110】
すなわち、本実施例のヘアーアイロンブラシ2’は、バッテリー61をコンパクトにすることで、全体の大きさをコンパクトにし、軽量化することができる。
【0111】
本実施例のヘアーアイロンブラシ2’におけるリブ状ヒータ54を、シート保持部51’の表側に隣接して固定されるものとして説明したが、特にこれに限定されるものではなく、シート保持部51’の裏面側などに隣接して固定されていれば良い。また、本実施例のヘアーアイロンブラシ2’におけるリブ状ヒータ54は、シート保持部51’の内部に固定されているものであっても良い。
【0112】
(他の実施例)
第1実施例の制御部65は、バッテリー61から外周面状ヒータ52aおよび中央面状ヒータ52bへの電力の通電を同じように制御するものとして説明したが、特にこれに限られるものではなく、バッテリー61から外周面状ヒータ52aおよび中央面状ヒータ52bへの電力の通電を別個独立して制御しても良い。
【0113】
具体的には、外周面状ヒータ52aおよび中央面状ヒータ52bのそれぞれに温度検出部53を設けるとともに、外周面状ヒータ52aのみの発熱、中央面状ヒータ52bのみの発熱、および外周面状ヒータ52aと中央面状ヒータ52bの両方の発熱とを、操作部64で選択可能に形成することで、制御部65が、施術者の操作部64への操作入力に基づいて、外周面状ヒータ52aおよび中央面状ヒータ52bの少なくともいずれかを施術者の所望の温度に制御するようにしても良い。
【0114】
この構成により、施術者は、髪のカールやウェーブに合わせて、加熱部52の発熱領域を選択することで、シート保持部51中の必要な領域のみを発熱させることで、バッテリー61から加熱部52への通電量をより減らし、バッテリー61の容量をより少なくすることができる。
【0115】
第1実施例の面状ヒータ52として、外周領域に配索した外周面状ヒータ52aと中央領域に配索した中央面状ヒータ52bとからなるものとして説明したが、特にこれに限られるものではなく、面状ヒータ52を幅方向(X軸方向)に複数分割した領域毎に分けて、複数の面状分割ヒータ(ヒータ)(不図示)を配索するようにしても良い。
【0116】
この構成により、制御部65が、幅方向に並ぶ複数の面状分割ヒータの通電を制御して、幅方向における面状分割ヒータの発熱領域を変更可能に形成することで、髪のカールやウェーブさせるための必要最低限の発熱領域として、バッテリー61から面状分割ヒータへの通電を必要最低限に抑えることができる。
【0117】
また、このように幅方向に分割した複数の面状分割ヒータで構成した場合には、各面状分割ヒータに温度検出部(不図示)を設けても良い。この構成により、各面状分割ヒータの発熱温度も制御することで、より施術者の意図に合ったカールやウェーブを形成することができる。
【0118】
第1実施例のヘアーアイロンブラシ2における加熱部5を外周面状ヒータ52aおよび中央面状ヒータ52bからなるものとして説明したが、これに限られるものではなく、シート保持部51を複数の領域に分けて配索した複数のヒータにより構成しても良い。
【0119】
第1実施例のヘアーアイロンブラシ2において制御部65がバッテリー61から加熱部5への通電動作をパルス制御した場合に関して、1ミリ秒間とする1周期あたりのデューティ比を50%とし、5.8Aの電流をオンオフさせるものとして説明したが、特にこれに限られるものではなく、任意の時間における任意のデューティ比で任意の電流をオンオフさせるものであれば良い。
【0120】
第1実施例のヘアーアイロンブラシ2における加熱部5として、シート保持部51の裏面側に面状ヒータ52を一体成型するものとして説明したが、特にこれに限られることはなく、シート保持部51の裏面側に面状ヒータ52を固定したものであっても良い。また、本実施例のヘアーアイロンブラシ2におけるリブ状ヒータ54は、シート保持部51内に固定、またはシート保持部51に隣接していれば良い。
【0121】
第1実施例のヘアーアイロンブラシ2におけるシート保持部51として、熱伝導率が低く熱が逃げにくい材料であるゴム材料からなるものとして説明したが、特にこれに限られることはなく、熱を保持可能な材料であれば良い。すなわち、シート保持部51として、熱の保持が可能な弾性材料、金属材料又はハイブリッド材料(弾性材料と金属材料等の異種材料を組み合わせた材料)などで形成されていても良い。
【0122】
第1実施例のヘアーアイロンブラシ2および第2実施例のヘアーアイロンブラシ2’において、加熱部5への通電をバッテリー61から直接行うものとして説明したが、特にこれに限られず、バッテリー61と加熱部5との間に蓄電通電部(例えば、コンデンサーなど)(不図示)を位置させて、蓄電通電部を介して、バッテリー61から加熱部5への通電を行うものとしても良い。
【0123】
この際、制御部65は、バッテリー61から蓄電通電部への蓄電動作および蓄電通電部から加熱部5への通電動作を別々のタイミングで行っても良い。このように、蓄電通電部への蓄電動作と加熱部5への通電動作を別々に行うことで、加熱部5への通電をより必要なタイミングかつ必要な量で供給することができ、バッテリー61が消費する電力をより少なくすることができる。
【0124】
第1実施例のブラシ毛組体44および第2実施例のブラシベース部43’を、異なる種類のブラシ毛44a、44b、43a’、43b’からなるものとして説明したが、特にこれに限られるものではなく、例えば、樹脂ブラシ、ナイロン毛ブラシ、豚毛ブラシなどのいずれかで統一した、同一材料のブラシ毛としても良い。
【0125】
同様に、第1実施例の基台カバー部42およびブラシベース部43のブラシ毛42a、43a、43bとして、樹脂ブラシとして説明したが、特にこれに限られるものではなく、例えばナイロン毛ブラシや豚毛ブラシなどとしても良い。
【0126】
第1実施例のヘアーアイロンブラシ2における温度検出部53として、面状ヒータ52に一体成型されているものとして説明したが、特にこれに限られるものではなく、面状ヒータ52に接触させて、面状ヒータ52の温度を検出することができるように形成されていても良い。
【0127】
第1実施例および第2実施例において、面状ヒータ52の温度を、温度検出部53により検出するものとして説明したが、特にこれに限られるものではなく、温度検出部53などの検出部材(不図示)を用いることなく、例えば、バッテリー61から加熱部5への通電時間により面状ヒータ52の温度を予測して検出する構成としても良い。
【0128】
第1実施例および第2実施例のヘアーアイロンブラシ2、2’として、把持部6内に収容したバッテリー61からの通電で加熱部5、5’が発熱するものとして説明したが、特にこれに限られるものではなく、バッテリー61の代わりに電源ケーブル(不図示)を設け、この電源ケーブルを商用電源のコンセント(不図示)に差し込んで、電源ケーブルから加熱部5、5’へ交流電源を供給して、加熱部5、5’を発熱させる構成としても良い。
【0129】
また、第1実施例のブラシ基台4として、把持部6に連接したブラシ基台本体41と、ブラシ基台本体41の窪みを覆い、湾曲反射板42aが固定された基台カバー部42と、多数のブラシ毛43a、43bが立設したブラシベース部43と、異なるブラシ毛44a、44bが組み合わさったブラシ毛組体44とする複数の部品からなるものとして説明したが、特にこれに限られるものではなく、ブラシ基台4を1つの部品で構成しても良い。具体的には、把持部6に連接し、円弧状に湾曲したブラシ基台4の表側に、多数のブラシ毛43a、43bを立設させるとともに、多数のブラシ毛43a、43bの基部を覆うように湾曲反射板42aを固定させる構成としても良い。
【0130】
さらに、第1実施例および第2実施例のヘアーアイロンブラシ2、2’として、把持部6内に設けた操作部64は、使用者が意図しない操作を防止する誤操作防止手段(不図示)を設けても良い。例えば、電源がオン状態で施術者が施術中に、不用意に電源がオフにならないようにする、または不用意に操作部64で設定された設定温度が変更にならないようにするために、設定温度をロックするロック機構(不図示)を設ける構成としても良い。
【0131】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく。他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替及び改質は、すべて本発明の範囲内のものである。