特許第6351881号(P6351881)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6351881複数のLEDからの光を組み合わせた発光装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6351881
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】複数のLEDからの光を組み合わせた発光装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20180625BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20180625BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20180625BHJP
【FI】
   F21S2/00 340
   F21V8/00 310
   F21Y115:10
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-561816(P2017-561816)
(86)(22)【出願日】2016年5月26日
(86)【国際出願番号】EP2016061894
(87)【国際公開番号】WO2016193113
(87)【国際公開日】20161208
【審査請求日】2017年11月28日
(31)【優先権主張番号】15169874.3
(32)【優先日】2015年5月29日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】コルネリセン ヒューゴ ジョアン
(72)【発明者】
【氏名】モス バリー
【審査官】 杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−88410(JP,A)
【文献】 特表2012−506119(JP,A)
【文献】 特表2007−535149(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 8/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各LEDがLED出力面を含み、動作時に前記LED出力面から光を放射する、複数のLEDと、
前記複数のLEDによって放射された光が、導光体入力面で導光素子に入射されるように、前記複数のLEDの各LEDの前記LED出力面に隣接して配置される前記導光体入力面を含む前記導光素子であって、前記導光素子は、導光体出力面をさらに含み、前記導光体入力面で前記導光素子に入射された光は、さらに前記導光体出力面に導かれ、前記導光体出力面から放射される、導光素子と、
透明材料で形成され、前記導光体出力面に隣接して配置された第1の表面部分を含む、コリメート素子であって、前記導光素子の前記導光体出力面から放射され前記第1の表面部分で前記コリメート素子に入射された光をコリメートする、コリメート素子と
を含む、発光装置であって、
前記発光装置は、少なくとも前記導光素子を少なくとも部分的に囲むように配置された第1の反射素子をさらに含み、
前記コリメート素子は、第2の表面部分を含み、前記第1の反射素子は、前記導光素子から漏出する光の少なくとも一部を反射して戻し、この光の少なくとも一部は、前記第2の表面部分で前記コリメート素子に入射される、
発光装置。
【請求項2】
前記導光体入力面の面積は、前記導光体出力面の面積よりも大きい、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記導光素子は少なくとも2つの導光体入力面を含み、前記少なくとも2つの導光体入力面の各々は、前記複数のLEDによって放射された光が、前記少なくとも2つの導光体入力面で前記導光素子に入射されるように、前記複数のLEDの少なくとも1つのLEDの前記LED出力面に隣接して配置され、前記2つの導光体入力面の各々で前記導光素子に入射された光は、さらに、前記導光体出力面に導かれ、前記導光体出力面から放射される、請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記少なくとも2つの導光体入力面の面積の合計は、前記導光体出力面の面積よりも大きい、請求項2に記載の発光装置。
【請求項5】
前記第1の反射素子は、前記複数のLEDの少なくとも1つ及び前記コリメート素子を少なくとも部分的に囲むように、さらに配置される、請求項1乃至4の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項6】
隣接する前記導光体入力面に対してゼロとは異なる角度で前記LED出力面が延在するように、前記複数のLEDの少なくとも1つのLEDが配置される、請求項1乃至5の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記複数のLEDはキャリア上に配置され、隣接する前記導光体入力面に対してある角度で前記LED出力面が延在するように、前記複数のLEDの少なくとも1つのLEDが配置される、請求項1乃至6の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項8】
前記隣接する導光体入力面に対してゼロとは異なる角度で前記LED出力面が延在するように、前記複数のLEDの少なくとも1つのLEDが配置される態様で前記キャリアは形成される、請求項7に記載の発光装置。
【請求項9】
前記複数のLEDの少なくとも2つの隣接するLEDは、少なくとも1つの第2の反射素子によって分離される、請求項1乃至8の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項10】
前記導光素子は、光学マニホールドである、請求項3乃至9の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項11】
前記導光素子は、光学楔である、請求項1乃至9の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項12】
前記導光素子は、少なくとも1.5の屈折率を有し、前記導光体出力面の面積は、前記導光体入力面の面積の25%から64%に相当する、請求項11に記載の発光装置。
【請求項13】
前記導光素子は、1.5の屈折率を有し、前記導光体出力の面積は、前記導光体入力面の面積の25%から64%のうちの任意の何れかに相当する、請求項11又は12に記載の発光装置。
【請求項14】
前記導光素子は、1.8の屈折率を有し、前記導光体出力面の面積は、前記導光体入力面の面積の25%から49%のうちの任意の何れかに相当する、請求項11又は12に記載の発光装置。
【請求項15】
請求項1乃至14の何れか一項に記載の発光装置を含む、ランプ、照明器具、又は照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各LEDが、LED出力面を含み、動作時にLED出力面から光を放射する、複数のLEDと、複数のLEDによって放射された光が、導光体入力面で導光素子に入射されるように、複数のLEDの各LEDのLED出力面に隣接して配置される導光体入力面を含む導光素子であって、導光素子は、導光体出力面をさらに含み、導光体入力面で導光素子に入射された光は、さらに導光体出力面に導かれ、導光体出力面から放射される、導光素子とを含む、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のLED光源を含むLEDスポットが広く使用されている。しかし、このようなLEDスポットは、各光源が個別のコリメータを必要とするので、かさばってしまう。スポットの出射面の面積は限られるので、限定された数のLEDコリメータのみが適合することになる。
【0003】
可能な解決策は、出射面の面積をより効率的に満たすために、個別のLED光源を互いに非常に接近して配置し、個別のコリメータの代わりに単一のより大きなコリメータを使用することである。しかし、この解決策は、LED光源の発熱に起因する熱的制限のために、不利である。その結果、LED光源は、熱拡散の理由から、互いにある距離に配置される必要がある。これは、LED間に隙間が必要であり、それによって全光源の面積平均輝度が大幅に減少されることを意味する。
【0004】
米国特許出願公開第2008/0074752A1号明細書は、複数のLEDの光出力を1つの共通の出力に組み合わせるように、光学マニホールドを使用する形態で上記の問題に対する解決策を提供する試みを記載する。しかし、光学マニホールドの使用は、光が光学マニホールドの入力面から出力面に導かれるので、非常に大きな光の損失をもたらす。米国特許出願公開第2008/0074752A1号明細書は、内部コリメータとして各入力面から出力面に至る光学マニホールドの脚部を提供すること、及び/又は光学マニホールドの各入力面に正方形のコリメータを提供することによって、この問題の解決を試みる。しかし、この解決策は、依然として光学マニホールドからの大きな光の損失を示す。さらに、この解決策は、依然として各LED光源のための個別のコリメータを必要とし、次いで、かさばりに関する上記の問題を解決しない。さらに、各LED光源のための個別のコリメータの必要性はまた、高い製造コストをもたらす。
【0005】
国際公開第2010/044030号明細書は、別々の領域に分離される導光体を含む照明装置を開示し、発光装置は、各領域に配置される。異なる領域は、所与の波長を有し隔壁に入射する光が部分的に透過され部分的に反射されるように構成された部分的に透明な隔壁によって分離され、これによって均一な照明が達成される。
【0006】
したがって、さらに、高品質かつ高輝度の光源に対する需要が市場においてますます増加しているので、複数の異なるLED光源からの光が組み合わされる際に最小限の光しか失われない解決策が依然として必要とされる。さらに、既存の装置のかさばりに関する問題に対する解決策の必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、この問題を解決し、複数の異なるLED光源からの光が組み合わされる際に最小限の光しか失われない発光装置を提供することであり、この装置は、構造がより小型でよりコンパクトで、製造がより安価でより容易である。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、この目的及び他の目的は、各LEDが、LED出力面を含み、動作時にLED出力面から光を放射する、複数のLEDと、複数のLEDによって放射された光が、導光体入力面で導光素子に入射されるように、複数のLEDの各LEDのLED出力面に隣接して配置される導光体入力面を含む導光素子であって、導光素子は、導光体出力面をさらに含み、導光体入力面で導光素子に入射された光は、さらに導光体出力面に導かれ、導光体出力面から放射される、導光素子と、透明材料で形成され、導光体出力面に隣接して配置された第1の表面部分を含む、コリメート素子であって、導光体出力面から放射され第1の表面部分でコリメート素子に入射された光をコリメートする、コリメート素子とを含む、発光装置であって、発光装置は、少なくとも導光素子を少なくとも部分的に囲むように配置された第1の反射素子をさらに含み、コリメート素子は、第2の表面部分を含み、第1の反射素子は、第1の反射素子によって反射されて戻された光の少なくとも一部を、第2の表面部分でコリメート素子に入射する、発光装置によって達成される。
【0009】
導光素子の導光体出力面に隣接して配置されたコリメート素子を有する発光装置を提供することによって、導光体出力面から光をコリメートするために、1つのコリメータのみが必要とされる。結局、これは、構造がはるかにコンパクトで、製造がより安価でより容易な発光装置を提供する。
【0010】
少なくとも導光素子を少なくとも部分的に囲むように配置され、反射された光を少なくとも部分的にコリメート素子に入射する、第1の反射素子を有する発光装置を提供することによって、さもなければ失われ、導光体によって導かれずコリメート素子に透過されなくなってしまう光は、第1の反射素子によって反射されて戻されるので、したがって失われない。
【0011】
透明材料で形成され、第2の表面部分を含むコリメート素子として、コリメート素子を提供することによって、前記光の少なくとも一部は、反射されて戻され、前記第2の表面部分でコリメート素子に入射され、さらに第1の反射素子を提供することによって、さもなければ導光素子から漏出することによって失われる光は、反射されてコリメート素子に戻され、コリメート素子によってコリメートされた光と共に放射された拡散背景照明に使用される。これによって、高品質の高輝度光出力を有する発光装置が提供される。
【0012】
一実施形態において、導光体入力面の面積は、導光体出力面の面積よりも大きい。
【0013】
さらに、このようにして、面積当たりの光束が増加する一方で、出射窓を通る光束が減少することが得られる。これは驚くべき予期せぬ結果であり、というのは、面積当たりの光束は一般的に光源の輝度と関連し、これは、本発明の光学設計のようには、光学設計において増加し得ないからである。結果として生じる組み合わされた光ビームの角度分布が個別の光源のものよりも広範であるという事実が説明される。これは、より多くの光束が導光体出力面を通過することを可能にするが、元の光源よりも大きな角度となる。したがって、言い換えると、導光体出力面でのビーム角度は、個別のLEDのランバートビーム角度よりも大きいという事実が説明される。
【0014】
一実施形態において、導光素子は少なくとも2つの導光体入力面を含み、少なくとも2つの導光体入力面の各々は、複数のLEDによって放射された光が、2つの導光体入力面で導光素子に入射されるように、複数のLEDの少なくとも1つのLEDのLED出力面に隣接して配置され、2つの導光体入力面の各々で導光素子に入射された光は、さらに、導光体出力面に導かれ、導光体出力面から放射される。
【0015】
一実施形態において、導光素子の少なくとも2つの導光体入力面の面積の合計は、導光体出力面の面積よりも大きい。これによって、上記のものと同一の又は類似の利点を有する発光装置が提供される。
【0016】
一実施形態において、第1の反射素子は、複数のLEDの少なくとも1つ及びコリメート素子を少なくとも部分的に囲むように、さらに配置される。これによって、複数の異なるLED光源からの光が導光素子内で組み合わされる際の光の損失は、さらに最小化されるか、又は完全に回避される。
【0017】
一実施形態において、隣接する導光体入力面に対してある角度でLED出力面が延在するように、複数のLEDの少なくとも1つのLEDは配置される。
【0018】
一実施形態において、複数のLEDはキャリア上に配置され、隣接する導光体入力面に対してゼロとは異なる角度でLED出力面が延在するように、複数のLEDの少なくとも1つのLEDは配置される。
【0019】
これらの2つの実施形態のいずれも、複数のLEDによって放射された光の完全な組み合わせを依然として得ながら、導光素子の長さが減少される、発光装置を提供する。結局、これは、さらによりコンパクトな発光装置を結果として生じる。キャリア上にLEDを配置することは、よりロバストな発光装置をさらに提供する。
【0020】
一実施形態において、LEDは、半田付けによってキャリア上に配置される。これによって、及び、特に、半田付けによって隣接する導光体入力面に対してゼロとは異なる角度でLED出力面が延在するようにLEDが配置される場合、LEDは、発光装置から放射された光の改善されたコリメーションを得るために、非常に簡単で直接的な態様でコリメート素子の焦点面に配置される。
【0021】
一実施形態において、隣接する導光体入力面に対してゼロとは異なる角度でLED出力面が延在するように、複数のLEDの少なくとも1つのLEDが配置される態様で、キャリアは形成される。これによって、発光装置は、隣接する導光体入力面に対してある角度、ゼロとは異なる角度でLED出力面が延在するように、LEDの配置が提供され、これは特に簡単で費用対効果の高い態様で得られる。
【0022】
一実施形態において、複数のLEDの少なくとも2つの隣接するLEDは、少なくとも1つの第2の反射素子によって分離される。
【0023】
一実施形態において、少なくとも1つの第2の反射素子は、コリメート素子の焦点面の下方に位置されたLEDの周囲に取り付けられる。
【0024】
これによって、放射された光の、コリメート素子の焦点への移送が得られ、結局、発光装置から放射された光のコリメーションの程度を改善する。さらに、LED間の必要なギャップの大きさが、このようにしてさらに減少され、したがってさらによりコンパクトな発光装置を提供する。
【0025】
第2の反射素子は、例えば、反射鏡のような鏡であるが、白色拡散反射鏡でもあり得る。
【0026】
導光素子は、光学マニホールド又は代替的に光学楔である。
【0027】
導光素子が光学楔である一実施形態において、導光素子は、少なくとも1.5の屈折率を有し、導光体出力面の面積は、導光体入力面の面積の25%から64%に相当する。
【0028】
導光素子が光学楔である一実施形態において、導光素子は、1.5の屈折率を有し、導光体出力の面積は、導光体入力面の面積の25%から64%のうちの任意の何れかに相当する。
【0029】
導光素子が光学楔である一実施形態において、導光素子は、1.8の屈折率を有し、導光体出力面の面積は、導光体入力面の面積の25%から49%のうちの任意の何れかに相当する。
【0030】
光が楔型(テーパ状)の導光体に入射された場合、側面ファセットからいくらかの光束が漏出することはよく知られていることに留意されたい。すなわち、全反射によって最初に伝搬する光は、傾斜した非平行な側壁によって再指向され、最終的に導光体の側壁から逃げる。したがって、導光体出力面に到達する光束は、導光体出力面の面積が減少する場合、減少する。
【0031】
しかしながら、出射光束が導光体出力面にどのように依存するかを注意深く考察することによって、本発明者らは、1.5の屈折率を有する導光体(図10A)については図10に、1.8の屈折率を有する導光体(図11A)については図11に示される驚くべき効果を発見した。図10及び図11において、出射光束(図10C及び図11C)及び光束/出力表面積比(図10B及び図11B)はそれぞれ、様々な光源反射率及び楔型形状に対する出射面積の関数としてプロットされる。光束は、実際に、出射面積と共に減少するが、最初は全く直線的ではないことが示される。
【0032】
その結果、1.5の屈折率を有する導光体につき、導光体出力表面積が導光体入力表面積の30%‐64%になるように選択される場合、光束/面積は、入力値の最大145%‐127%まで、特に、導光体出力表面積が導光体入力表面積の49%になるように選択される場合、入力値の最大145%まで、増加する。これは、導光素子の少なくとも10mmまでの全ての長さにわたって当てはまることが示される。
【0033】
1.8の屈折率を有する導光体につき、この効果は、導光体入力表面積の36%の導光体出力表面積で、光束/面積が最大200%を示すので、さらにより重要であることが示されている。
【0034】
本発明はさらに、本発明による発光装置を含む、ランプ、照明器具、又は照明システムに関し、以下の用途の1つ以上に使用される:デジタル投影、自動車照明、舞台照明、店舗照明、家庭照明、アクセント照明、スポット照明、劇場照明、光ファイバ照明、ディスプレイシステム、警告照明システム、医療照明アプリケーション、装飾照明アプリケーション。
【0035】
本発明は、特許請求の範囲に記載された特徴の全ての可能な組み合わせに関することに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本発明のこの態様及び他の態様は、本発明の実施形態を示す添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【0037】
図1】本発明による発光装置の第1の実施形態の概略断面図を示す。
図2A-2C】図1による3つのLEDの光を組み合わせる3つの異なる発光装置の概略図を示す。図2Aでは、導光体出力面の面積は、LED表面積に等しく、よって、3つの導光体入力面の面積の和に等しい。図2Bでは、導光体出力面の面積は、LED表面積の2/3に等しく、よって、3つの導光体入力面の面積の和の2/3に等しい。図2Cでは、導光体出力面の面積は、LED表面積の1/2に等しく、よって、3つの導光体入力面の面積の和の1/2に等しい。
図3A-3C】図2A図2B図2Cにそれぞれ示される発光装置の各導光素子の導光体出力面での照度分布を示す。
図4A-4C】図2A図2B図2Cにそれぞれ示される発光装置によって放射される光の遠視野強度分布を示す。
図5】本発明による発光装置の第2の実施形態の概略斜視図を示す。
図6-8】本発明の発光装置の複数のLEDをキャリア上に配置する3つの異なる方法を示す。
図9】本発明による発光装置の第3の実施形態の概略断面図を示し、導光素子は光学楔である。
図10A図9による発光装置の屈折率が1.5である例示的な光学楔を示す。
図10B図10Aの光学楔の様々な光源反射率に対する導光体出力表面積の関数としての光束/出力表面積比を示す。
図10C図10Aの光学楔の様々な光源反射率に対する導光体出力表面積の関数としての出射光束を示す。
図11A図9による発光装置の屈折率が1.8である例示的な光学楔を示す。
図11B図11Aの光学楔の様々な光源反射率に対する導光体出力表面積の関数としての光束/出力表面積比を示す。
図11C図11Aの光学楔の様々な光源反射率に対する導光体出力表面積の関数としての出射光束を示す。
【0038】
図に示されるように、レイヤ及び領域のサイズは、説明のために誇張されており、よって、本発明の実施形態の一般的な構造を例示するために提供される。同様の参照符号は、全体を通して同様の要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態が詳細に説明され、本発明の現在好ましい実施形態が示される。しかし、本発明は、多くの異なる形態で実施され、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、完全性及び網羅性のために提供され、本発明の範囲を当業者に完全に伝える。
【0040】
ここで図1を参照すると、本発明の第1の実施形態による発光装置1が示される。発光装置1は、複数のLED2を含む。図示の実施形態において、複数のLED2は、3つのLED21、22、及び23を含む。代替的に、複数のLEDは、2つのLED又は4つ以上のLEDを含んでもよい。
【0041】
LED21、22、23は各々、動作時に特定のスペクトル分布で光を放射する。LEDは、同じスペクトル分布を有する光を放射する。代替的に、LEDは、異なるスペクトル分布を有する光を放射してもよい。
【0042】
複数のLED2の各LED21、22、23は、LED出力面124、125、126をそれぞれ含む。動作時にそれぞれのLED21、22、23によって放射された光は、それぞれのLED出力面124、125、126から放射される。
【0043】
複数のLEDは、プリント回路基板又は適切な基板のような、キャリア9上に任意に配置される。
【0044】
発光装置1は、3つの導光体入力面31、32、33を含む導光要素3をさらに含む。各導光体入力面31、32、33は、前記複数のLED2によって放射された光が、導光体入力面31、32、33で導光素子3に入射されるように、前記複数のLED2の各LED21、22、23のLED出力面124、125、126にそれぞれ隣接して配置される。導光素子3は、導光体出力面34をさらに含む。導光体入力面31、32、33で導光素子3に入射される光は、導光体出力面34に導かれ、導光体出力面34から放射される。このように、複数のLED2の各LED21、22、23からの光は、1つの共通の出力を形成するように導光素子3を通って導かれながら組み合わされる。
【0045】
実施形態とは無関係に、LED21、22、23は、LED出力面124、125、126及び導光体入力面31、32、33が、図1に示されるようなエアギャップによって、又は適切な光学的に透明な材料によって分離されるように、配置されてもよい。さらに、実施形態とは無関係に、LED21、22、23は、代替的に、図5に示されるように、LED出力面124、125、126を導光体入力面31、32、33と物理的及び/又は光学的に接触して配置され、前記複数のLED2によって放射された前記光が導光体入力面31、32、33で導光素子3に直接入射されてもよい。
【0046】
さらに、図1に示される実施形態におけるLED21、22、23は、LED出力面124、125、126及び導光体入力面31、32、33が互いに平行に延在するように配置されてもよい。代替的に、及び実施形態とは無関係に、複数のLED2の少なくとも1つのLED21、22、23は、そのLED出力面が、隣接する導光体入力面に対してゼロとは異なる角度で延在するように配置されてもよい。
【0047】
図1の実施形態において、導光素子3は、3つの脚部を含む光学マニホールドであり、1つの脚部は、導光体入力面31、32、33の各々から導光体出力面34まで延在する。すなわち、導光素子3は、各LED21、22、23に対して1つずつ、3つの脚部を含む光学マニホールドである。
【0048】
一般的に、導光素子は、以下でさらに説明されるような、任意の可能な数の脚部を含む。導光素子3が光学マニホールドである実施形態において、導光素子3は、複数のLEDのLEDの数に等しいかそれより少ない数の脚部を含む。
【0049】
実施形態とは無関係に、導光体入力面31、32、33の断面形状は、LEDによって放射される光を最も効率的に捕捉するように、LED21、22、23のLED出力面124、125、126の形状に適合するように提供されてもよい。したがって、導光素子3の残りの部分は、丸みを帯びた又は矩形のような、任意の所望の断面形状を有してもよい。
【0050】
図1に示される実施形態において、導光体入力面31、32、33の面積の合計は、導光素子3の導光体出力面34の面積に等しい。
【0051】
発光装置1は、透明材料で形成され導光素子3の導光体出力面34に隣接して配置された、コリメート素子4をさらに含む。コリメート素子4は、導光体出力面34から放射された光をコリメートする。コリメート素子4は、全反射(TIR)、屈折、又はそれらの組み合わせによって光をコリメートするコリメート素子である。コリメート素子4は、さらに、誘電性透明材料で形成されてもよい。
【0052】
コリメート素子は、導光素子3の導光体出力面34に隣接して配置された第1の表面部分41を含む。コリメート素子4は、導光体出力面34から放射され第1の表面部分41でコリメート素子4に入射された光を、コリメートする。コリメート素子4は、コリメートされた光が発光装置1から放射される出射窓15をさらに含む。コリメート素子4は、第1の表面部分41と出射窓15との間に延びる少なくとも部分的に円周状の表面部分である第2の表面部分42をさらに含む。
【0053】
実施形態とは無関係に、コリメート素子4及び導光素子3は、図1に示されるように、コリメート素子の入力窓8が導光体出力面34と物理的及び/又は光学的に接触して配置されてもよい。さらに、実施形態とは無関係に、コリメート素子4及び導光素子3は、代替的に、入力窓8及び導光体出力面34がエアギャップによって又は適切な光学的に透明な材料によって分離されるように配置されてもよい。
【0054】
発光装置1は、少なくとも導光素子1を少なくとも部分的に囲むように配置された第1の反射素子5をさらに含む。第1の反射素子5は、光を反射して前記発光装置1に戻すことに適する。第1の反射素子5によって反射されて発光装置1に戻された光の少なくとも一部は、第2の表面部分42でコリメート素子4に入射される。
【0055】
図1に示される実施形態において、第1の反射素子5は、コリメート素子4の出射窓15を除いて、発光装置1の全てを囲むように配置される。代替的に、第1の反射素子5は、発光装置1を部分的に囲むように配置され、例えば、存在する場合には、導光素子3、コリメート素子4、複数のLED2及び/又はキャリア9、の少なくとも1つを、部分的に又は完全に囲むように配置されてもよい。
【0056】
第1の反射素子5は、適切な金属のような、反射性材料で形成され、及び/又は、取り付けられた状態で発光装置1の内部に面する表面に反射性コーティング又はミラーコーティングが提供される。
【0057】

ここで、 図2A図2B及び図2Cを参照すると、非限定的な一例として、3つのLEDの光を各々組み合わせる3つの異なる光学マニホールドが示される。光学マニホールドの導光体出力面34は、それぞれ、導光体入力面31、32、33の合計と等しいか(図2A)、2/3と等しいか(図2B)、1/2と等しく(図2C)になるように選択される。
【0058】
図3A図3B、及び図3Cは、図2A図2B及び図2Cにそれぞれ示される発光装置の各導光素子の導光体出力面での照度分布を示す。光線追跡分析から、その結果が、図3A図3B、及び図3Cにそれぞれ示され、導光体出力面34を通る光束は、この特定の例においては75lm(図3A)から58lm(図3B)へと、また44lm(図3C)へと減少するが、面積当たりの光束は、25lm/mmから約30lm/mmまで約20%増加する。これは驚くべき予期せぬ結果であり、というのは、一般的に面積当たりの光束は光源の輝度と関連し、これは、これらのように、光学設計においては増加し得ないからである。
【0059】
図4A図4B及び図4Cにそれぞれ示されるように、結果として生じる光ビームの角度分布が個別の光源のものよりも広範であるという事実が説明され、図2A図2B及び図2Cにそれぞれ示される発光装置によって放射される光の遠視野(光度)プロファイルが示される(垂直及び水平、図2A、2B、2C参照)。元のランバートプロファイル(“円形”)は、サイドローブ(“耳”)を有するプロファイルに移行することが明確にわかる。これは、より多くの光束が出射窓を通過することを可能にするが、元の光源よりも大きな角度となる。
【0060】
導光体出力面34を通る光束の減少は、マニホールドの側壁から漏出する光束によって引き起こされる。この光は失われないが、裏側から透明なTIRコリメート素子を通って透過され得る、というのは、これは、透明な誘電性材料から形成され、コリメート素子4によって出力されるコリメートされた構成要素8に加えて、システムの最終的な光出力における拡散構成要素7として機能するからである。これは、図1において矢印によって示される。
【0061】
ここで図5を参照すると、本発明による発光装置100の第2の実施形態が示され、簡略化のためにコリメート素子及び反射素子が省略される。発光装置100は、図1に関連して上記のものと以下の点でのみ異なる。
【0062】
発光装置100は、9個のLEDを含み、そのうちの6個、すなわちLED21、22、23、24、25、及び26が可視である。
【0063】
導光素子3は、9個のLEDの各々に1つずつ、9個の導光体入力面を含む。
【0064】
9個の導光体入力面の面積の合計は、導光体出力面34の面積よりも大きい。
【0065】
最終的に、9個のLEDは、9つの導光体入力面のそれぞれ1つと物理的及び光学的に接触するそれぞれのLED出力面と共に配置される。
【0066】
ここで図6図7、及び図8を参照すると、電気的接続又は温度管理を犠牲にすることなく、個別のLED間のギャップを減少するように、キャリア9上にLED21、22、23、24、及び25を取り付ける異なる態様が説明される。これらの可能性は、ギャップをさらに減少するために光学マニホールドの形態の導光素子3の使用と任意に組み合わされる。LED間のギャップが減少されるので、マニホールドはよりコンパクトにされる。
【0067】
図6は、半田付けによってキャリア9上に取り付けられた3つのLED21、22、及び23の断面を示す。キャリア9は平坦である。中心に配置されたLED22は、キャリア上に平坦に取り付けられる。残りの2つのLED21、23は、それらのそれぞれのLED出力面がキャリア9に対してゼロとは異なる角度で延在するように、半田付け10及び11によってそれぞれキャリア9上に取り付けられ、よって、本発明による発光装置に配置された場合、隣接する導光体入力面に対してゼロとは異なる(したがって平行ではない)角度で配置される。さらに、及び任意に、LED21、22、23は、少なくとも1つの‐図6においては例として2つの‐第2の反射素子12、13によって分離される。
【0068】
図7及び図8は、個別のLED間のギャップが減少されるか、又は完全に排除されるように、複数のLED2を取り付ける別の態様を、断面図及び上面図でそれぞれ示す。この実施形態において、LEDが半田付けされているキャリア9は、いくつかの傾斜部分91、92、93、及び94が得られるように、折り畳まれる。さらに、傾斜部分91、92、93、及び94に取り付けられたLED21、23、24、及び25は、それらのそれぞれのLED出力面が傾斜部分91、92、93、及び94、よってキャリア9に対して、ゼロとは異なる角度で延在するように、取り付けられる。図7及び図8に示されるようにLEDを取り付けることは、コリメート素子の焦点面14にLEDを取り付けることを可能にする。任意に、少なくとも1つの第2の反射素子12は、その又はそれらのLED、本明細書ではLED22の周囲に取り付けられ、これは、放射された光を所望の面に移送するため、焦点面14の下方に位置する。
【0069】
少なくとも1つの第2の反射素子12、13は、実施形態とは無関係に、例えば、反射鏡、又は白色拡散反射鏡のような、反射シールド又はミラー素子でもよい。
【0070】
ここで図9を参照すると、本発明による発光装置101の第3の実施形態が示される。発光装置101は、図1に関連して上記のものと以下の点でのみ異なる。
【0071】
導光素子3は、光学楔としても知られる、楔型又はテーパ状の透明光学素子として提供されており、複数のLED2に共通の1つの導光体入力面31のみ有し、この例においては2つのLED21及び22を含む。このような導光素子3は、例えば、円錐又はピラミッドの錐台として形成される。
【0072】
したがって、図9に示される導光素子3は、複数のLED2によって放射された光が導光体入力面31で導光素子3に入射されるように、複数のLED2の各LED21、22のLED出力面24、25に隣接して配置された1つの導光体入力面31を含む。
【0073】
導光素子3は、導光体出力面34をさらに含み、導光体入力面1で導光素子3に入射された光は、さらに導光体出力面34に導かれ導光体出力面34から出射される。
【0074】
さらに、導光体入力面31の面積は、この実施形態において、導光体出力面34の面積よりも大きい。
【0075】
このような導光素子3は、光束/単位面積比を増加するために使用される。光が楔型(テーパ状)の導光体に入射された場合、側面ファセットからいくらかの光束が漏出することはよく知られている。すなわち、全反射によって最初に伝搬する光は、導光体入力面31と導光体出力面34との間に延びる傾斜した非平行な側壁によって再指向され、最終的に導光素子3の側壁から逃げる。したがって、導光素子3の側壁から逃げる光は、反射素子によって反射されて発光装置に戻される。
【0076】
図9に示されるタイプの2つの例示的な発光装置の効果の測定が、図10及び図11にそれぞれ示されており、上記で詳細に説明されている。
【0077】
当業者であれば、本発明は決して上記の好ましい実施形態に限定されないことを理解する。逆に、添付の特許請求の範囲の範囲内で多くの変更及び変形が可能である。
【0078】
追加的に、開示された実施形態に対する変形は、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の研究から、請求された発明を実施する際の当業者によって理解され、達成され得る。特許請求の範囲において、「含む(comprising)」という単語は他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外しない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの測定された組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。
【要約】
各LED21、22、23が、LED出力面24、25、26を含み、動作時に前記LED出力面から光を放射する、複数のLED2と、前記複数のLEDによって放射された光が、導光体入力面で導光素子に入射されるように、前記複数のLEDの各LEDのLED出力面に隣接して配置される導光体入力面31を含む導光素子3であって、前記導光素子は、導光体出力面34をさらに含み、前記導光体入力面で導光素子に入射された光は、さらに前記導光体出力面に導かれ、前記導光体出力面から放射される、導光素子3と、透明材料で形成され、前記導光体出力面に隣接して配置された第1の表面部分41を含む、コリメート素子4であって、前記導光体出力面から放射され前記第1の表面部分で前記コリメート素子に入射された光をコリメートする、コリメート素子4とを含む、発光装置1、101であって、発光装置は、少なくとも前記導光素子を少なくとも部分的に囲むように配置された第1の反射素子5をさらに含み、前記コリメート素子は、第2の表面部分42を含み、第1の反射素子は、第1の反射素子によって反射されて戻された光の少なくとも一部を、前記第2の表面部分で前記コリメート素子に入射する、発光装置1、101である。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C