特許第6351925号(P6351925)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6351925レポート作成装置およびレポート作成プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6351925
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】レポート作成装置およびレポート作成プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20180625BHJP
【FI】
   G06Q50/24
【請求項の数】6
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2012-247595(P2012-247595)
(22)【出願日】2012年11月9日
(65)【公開番号】特開2014-96055(P2014-96055A)
(43)【公開日】2014年5月22日
【審査請求日】2015年8月14日
【審判番号】不服2017-3136(P2017-3136/J1)
【審判請求日】2017年3月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】江積 剛
(72)【発明者】
【氏名】池田 智
(72)【発明者】
【氏名】杉山 真哉
【合議体】
【審判長】 佐藤 智康
【審判官】 金子 幸一
【審判官】 石川 正二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−86355(JP,A)
【文献】 特開2004−46569(JP,A)
【文献】 特開2009−223481(JP,A)
【文献】 特開2010−128655(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q50/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の疾病に関する複数種類の検査が予約された際に、当該検査を識別するための検査識別子と、検査結果のデータ種別を表すデータ種識別子とが、当該疾病の診断に用いられるレポートにおける各検査結果の配置位置に割り当てられたレイアウト情報を作成する作成部と、
前記検査が実施されるごとに、当該検査で得られた検査結果である画像データ及び計測値の少なくとも一方を、当該検査の検査識別子と当該検査結果のデータ種識別子とが対応する前記レイアウト情報の配置位置に配置する配置部と、
前記配置部によって複数の検査結果が配置されたレイアウト情報を用いて、当該複数の検査結果を含む統合レポートを出力する出力部と
を有することを特徴とするレポート作成装置。
【請求項2】
個々の検査ごとに作成された単独レポートを取得する取得部と、
前記取得部によって取得された単独レポートを、当該単独レポートに含まれる複数の検査結果に分解する分解部と、
をさらに備え、
前記配置部は、前記分解部によって得られた少なくとも1つの検査結果を前記作成部によって作成されたレイアウト情報に配置することを特徴とする請求項1に記載のレポート作成装置。
【請求項3】
前記作成部は、前記複数種類の検査が予約される際に、各検査で得られる検査結果の配置位置の指定を受け付け、当該配置位置にしたがって、前記レイアウト情報を作成することを特徴とする請求項1又は2に記載のレポート作成装置。
【請求項4】
前記作成部は、前記疾病ごとに規定された検査結果の優先度を用いて、予約された検査で得られる検査結果の配置位置を決定し、当該配置位置にしたがって、前記レイアウト情報を作成することを特徴とする請求項1又は2に記載のレポート作成装置。
【請求項5】
前記検査結果を取得する旨の入力を利用者から受け付ける受付部と、
前記受付部によって受け付けた入力に応じて前記検査結果を取得する検査結果取得部と、
をさらに備え、
前記配置部は、前記検査結果取得部によって取得された検査結果を、前記作成部によって作成されたレイアウト情報に配置することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のレポート作成装置。
【請求項6】
コンピュータに、
被検体の疾病に関する複数種類の検査が予約された際に、当該検査を識別するための検査識別子と、検査結果のデータ種別を表すデータ種識別子とが、当該疾病の診断に用いられるレポートにおける各検査結果の配置位置に割り当てられたレイアウト情報を作成し、
前記検査が実施されるごとに、当該検査で得られた検査結果である画像データ及び計測値の少なくとも一方を、当該検査の検査識別子と当該検査結果のデータ種識別子とが対応する前記レイアウト情報の配置位置に配置し、
前記配置する処理によって複数の検査結果が配置されたレイアウト情報を用いて、当該複数の検査結果を含む統合レポートを出力する
各処理を実行させることを特徴とするレポート作成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、レポート作成装置およびレポート作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、病院などの医療現場では、一人の患者の疾病に対して複数の検査が実施されている。そして、それぞれの検査について単独のレポートが作成されている。放射線科では、例えば、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置を用いて撮影された画像、計測結果及び検査の所見などを含むレポートが作成される。医師は、レポートを参照して診断を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−099124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、医師の労力を軽減することができるレポート作成装置およびレポート作成プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係るレポート作成装置は、作成部と、配置部と、出力部とを備える。作成部は、被検体の疾病に関する複数種類の検査が予約された際に、当該検査を識別するための検査識別子と、検査結果のデータ種別を表すデータ種識別子とが、当該疾病の診断に用いられるレポートにおける各検査結果の配置位置に割り当てられたレイアウト情報を作成する。配置部は、前記検査が実施されるごとに、当該検査で得られた検査結果である画像データ及び計測値の少なくとも一方を、当該検査の検査識別子と当該検査結果のデータ種識別子とが対応する前記レイアウト情報の配置位置に配置する。出力部は、前記配置部によって複数の検査結果が配置されたレイアウト情報を用いて、当該複数の検査結果を含む統合レポートを出力する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1の実施形態に係る画像処理システムの構成例を説明するための図である。
図2図2は、第1の実施形態に係るレポート作成装置の構成例を説明するための図である。
図3図3は、検査予約情報取得部によって取得される検査予約情報の一例を示す図である。
図4図4は、テンプレート記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図5図5は、テンプレート記憶部に記憶されるテンプレートの一例を示す図である。
図6図6は、レイアウト作成部によって作成されるレイアウトの一例を示す図である。
図7図7は、Finding情報割当部によって割り当てられた統合レポートの一例を示す図である。
図8図8は、モニタに表示されるサマリ図の一例を示す図である。
図9図9は、第1の実施形態に係るレポート作成装置のレイアウト作成処理を説明するためのフローチャートである。
図10図10は、第1の実施形態に係るレポート作成装置のレポート作成処理を説明するためのフローチャートである。
図11図11は、従来技術の課題について説明するための図である。
図12図12は、第1の実施形態に係るレポート作成装置の効果について説明するための図である。
図13図13は、第2の実施形態に係るレポート作成装置の構成例を説明するための図である。
図14図14は、第2の実施形態に係るレポート作成装置のレポート作成処理を説明するためのフローチャートである。
図15図15は、第3の実施形態に係るレポート作成装置の構成例を説明するための図である。
図16図16は、第3の実施形態に係るレポート作成装置のレポート作成処理を説明するためのフローチャートである。
図17図17は、他の実施形態に係るレポート作成装置の構成例を説明するための図である。
図18図18は、優先度順テンプレート記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図19図19は、優先度順テンプレート記憶部に記憶されるテンプレート形式の一例を示す図である。
図20図20は、検査予約情報取得部によって取得される検査予約情報の一例を示す図である。
図21図21は、レイアウト作成部によって作成されるレイアウトの一例を示す図である。
図22図22は、他の実施形態に係るレポート作成装置の構成例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、実施形態に係るレポート作成装置およびレポート作成プログラムを説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1を用いて、第1の実施形態に係る画像処理システムの構成例を説明する。図1は、第1の実施形態に係る画像処理システムの構成例を説明するための図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る画像処理システム1は、レポート作成装置100と、検査予約管理装置110と、モダリティ120aと、モダリティ120bと、画像保管装置130と、ワークステーション140と、端末装置150とを備える。図1に示すように、各装置は、例えば、病院内に設置された院内LAN(Local Area Network)2により、直接的又は間接的に相互に通信可能な状態となっている。例えば、画像処理システム1にPACS(Picture Archiving and Communication System)が導入されている場合、各装置は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格に則って、医用画像データ等を相互に送受信する。
【0009】
ここで、第1の実施形態において、レポート作成装置100は、被検体の疾病に関する複数種類の検査が予約された際に、疾病の診断に用いられるレポートにおける各検査結果の配置位置を定義したレイアウト情報を作成する。レポート作成装置100は、検査が実施されるごとに、実施された検査で得られた検査結果を、作成したレイアウト情報に配置する。レポート作成装置100は、複数の検査結果を配置したレイアウト情報を用いて、複数の検査結果を含む統合レポートを出力する。
【0010】
検査予約管理装置110は、検査の予約管理を行う装置であり、例えば、HIS(Hospital Information System)又はRIS(Radiology Information System)が導入されている。例えば、検査予約管理装置110は、病院内に勤務する医師や事務員による検査の予約に関連する検査予約情報を受け付け、受け付けた検査予約情報を画像処理システム1の各装置に出力する。
【0011】
モダリティ120a及びモダリティ120bは、X線診断装置、X線CT装置、MRI装置、自動化学分析装置、超音波診断装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission computed Tomography)装置、SPECT装置とX線CT装置とが一体化されたSPECT−CT装置、PET装置とX線CT装置とが一体化されたPET−CT装置、検体検査装置などの装置である。なお、モダリティ120a及びモダリティ120bを区別することなく総称する場合には、モダリティ120と記載する。また、図1には、画像処理システム1がモダリティ120a及びモダリティ120bを備える場合を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、画像処理システム1は、複数のモダリティ120を備えていればよい。
【0012】
また、モダリティ120は、予約された検査が実施されると、検査結果を生成する。例えば、モダリティ120は、複数の医用画像が撮影された場合には、キー画像を検査結果として選択する。なお、以下では、検査結果を「Finding情報」とも称する。
【0013】
画像保管装置130は、医用画像を保管するデータベースである。例えば、画像保管装置130は、モダリティ120から送信された画像情報や検査結果を記憶部に格納し、これを保管する。なお、第1の実施形態は、大容量の画像を保管可能なワークステーション140を用いることで、図1に例示するワークステーション140と画像保管装置130とが統合されても良い。すなわち、第1の実施形態は、ワークステーション140そのものに画像情報や検査結果を記憶させる場合であってもよい。
【0014】
ワークステーション140は、医用画像に対して画像処理を行う画像処理装置である。例えば、ワークステーション140は、画像保管装置130から取得した画像情報や検査結果を取得し、取得した画像情報や検査結果をモニタに表示する。
【0015】
端末装置150は、病院内に勤務する医師や検査技師に医用画像及び統合レポートを閲覧させるための装置である。例えば、端末装置150は、病院内に勤務する医師や検査技師により操作されるPC(Personal Computer)やタブレット式PC、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話等である。例えば、端末装置150は、表示部としてモニタを有する。また、端末装置150は、レポート作成装置100から統合レポートを取得し、取得した統合レポートをモニタに表示する。この結果、観察者である医師や検査技師は、統合レポートを閲覧することができる。
【0016】
次に、図2を用いて、第1の実施形態に係るレポート作成装置100の構成例を説明する。図2は、第1の実施形態に係るレポート作成装置100の構成例を説明するための図である。図1に示すように、第1の実施形態に係るレポート作成装置100は、検査情報取得部101と、レイアウト作成部103と、テンプレート記憶部102と、レイアウト配置部104と、レポート保存部105と、レポート記憶部106と、レポート操作部107とを備える。
【0017】
検査情報取得部101は、検査に関連する情報を取得する。例えば、検査情報取得部101は、被検体について予約された検査に関連する検査予約情報と、被検体の疾病の種別を識別するための疾病種別情報とを検査予約管理装置110から取得する。検査情報取得部101は、取得した検査予約情報及び疾病種別情報をレイアウト作成部103へ出力する。
【0018】
図2に示す例では、検査情報取得部101は、検査予約情報取得部101aと、疾病情報取得部101bとを備える。
【0019】
検査予約情報取得部101aは、検査予約管理装置110から検査予約情報を取得する。例えば、検査予約情報取得部101aは、検査予約管理装置110において患者の疾病に関連する複数種類の検査が予約されると、その予約に関連する検査予約情報を検査予約管理装置110から受信する。なお、複数種類の検査とは、例えば、X線CT装置、MRI装置、X線診断装置、自動化学分析装置などの異なる複数の医療機器で実施される検査である。
【0020】
図3は、検査予約情報取得部101aによって取得される検査予約情報の一例を示す図である。図3に示すように、検査予約情報取得部101aは、患者情報と、複数の検査に関連する情報とが対応付けられた検査予約情報を取得する。このうち、患者情報は、患者を識別するための情報である。また、検査に関連する情報としては、検査ごとに、検査識別情報と、検査識別子とが対応付けられている。検査識別情報は、検査を識別するための情報である。検査識別子は、予約された検査を識別するための情報である。なお、患者情報は、患者の氏名、性別及び年齢などの情報を含んでも良い。また、検査識別子は、予約された検査が実施される日時を示す情報を含んでも良い。
【0021】
図3に示す例では、患者情報「101」と、1つ目の検査として、検査識別情報「CT検査」と、検査識別子「10011」とが対応付けられている。つまり、この検査予約情報は、患者情報「101」で識別される患者について予約された1つ目の検査がCT検査であり、検査識別子「10011」で識別される検査によって得られるFinding情報のデータの種別が2次元画像であることを示す。また、検査予約情報取得部101aによって取得される検査予約情報は、他の検査に関連する情報も含む。
【0022】
疾病情報取得部101bは、検査予約管理装置110から疾病種別情報を取得する。例えば、疾病情報取得部101bは、検査予約情報取得部101aが検査予約情報を受信すると、その検査予約情報に関連する患者の疾病種別情報を検査予約管理装置110から取得する。なお、疾病情報取得部101bは、検査予約情報の検査所見に疾病種別情報が含まれる場合には、検査予約情報取得部101aによって取得された検査予約情報から疾病種別情報を取得しても良い。
【0023】
なお、検査予約情報取得部101a及び疾病情報取得部101bが情報を取得する方法は、検査予約管理装置110から情報が送信されるまで待機する受動取得であっても、検査予約管理装置110に対してポーリングを行う能動取得であっても良い。
【0024】
テンプレート記憶部102は、レポートのテンプレートを疾病種別ごとに記憶する。テンプレート記憶部102は、後述のレイアウト作成部103によって参照される。また、テンプレート記憶部102に記憶される情報は、レポート作成装置100を利用する利用者によって予め登録される。
【0025】
図4は、テンプレート記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。図4に示すように、テンプレート記憶部102は、疾病種別情報と、テンプレートとが対応付けられた情報を記憶する。
【0026】
図4に示す例では、テンプレート記憶部102は、疾病種別情報「心筋梗塞」と、テンプレート「テンプレート1」とが対応付けられた情報を記憶する。つまり、テンプレート記憶部102は、検査予約情報に関連する患者の疾病が心筋梗塞である場合には、テンプレート1に基づいてレポートを作成する旨を記憶する。なお、テンプレート記憶部102は、他の疾病種別情報についても同様にテンプレートを記憶する。
【0027】
ここで、テンプレート記憶部102に記憶されるテンプレートは、例えば、レポートにおけるFinding情報の配置位置に、検査種別情報と、データ種識別子とが対応付けられた情報である。このうち、データ種識別子は、Finding情報のデータの種別を表す情報である。
【0028】
図5は、テンプレート記憶部に記憶されるテンプレートの一例を示す図である。図5に示す例では、テンプレート記憶部102に記憶されるテンプレート5aは、領域5b、領域5c、領域5dの3つの領域を含む。このうち、領域5bは、患者情報が記載される領域である。領域5cは、複数のFinding情報が記載される領域である。例えば、領域5cの1つである領域5eには、検査種別情報「CT検査」と、データ種識別子「2D画像」とが対応付けられている。領域5dは、総合所見が記載される領域である。なお、図5に例示した各領域は、レポートにおける配置位置を示すものである。また、テンプレート記憶部102に記憶されるテンプレートは、必ずしも図示のごとくレポートのイメージ図として記憶されなくても良い。例えば、テンプレートは、レポートにおけるFinding情報の配置位置を座標情報として記憶されても良い。
【0029】
レイアウト作成部103は、被検体の疾病に関する複数種類の検査が予約された際に、疾病の診断に用いられるレポートにおける各検査結果の配置位置を定義したレイアウト情報を作成する。なお、レイアウト作成部103は、作成部の一例である。
【0030】
例えば、レイアウト作成部103は、検査予約情報及び疾病種別情報を検査情報取得部101から受け付ける。レイアウト作成部103は、テンプレート記憶部102を参照し、疾病種別情報に対応するテンプレートを取得する。レイアウト作成部103は、テンプレートの配置位置に対応付けられた検査種別情報と、検査予約情報の検査種別情報とを比較する。レイアウト作成部103は、検査種別情報が一致する検査識別子を、テンプレートの配置位置に割り当てる。また、レイアウト作成部103は、テンプレートの患者情報に、検査予約情報の患者情報を割り当てる。なお、以下では、検査予約情報の患者情報及び検査識別子が割り当てられたテンプレートを、「レイアウト」とも称する。このレイアウトは、レイアウト情報の一例である。
【0031】
図6は、レイアウト作成部によって作成されるレイアウトの一例を示す図である。図6には、図3の検査予約情報と図5のテンプレート5aとから作成されるレイアウト6aを例示する。図6に示す例では、レイアウト作成部103によって作成されるレイアウト6aは、領域6b、領域6c、領域6dの3つの領域を含む。このうち、領域6bは、検査予約情報に対応する患者情報が記載される領域である。領域6cは、複数のFinding情報が記載される各領域に検査識別子が対応付けられたものである。例えば、領域6cの1つである領域6eには、検査種別情報「CT検査」と、検査識別子「10011」と、データ種識別子「2D画像」とが対応付けられている。領域6dは、総合所見が記載される領域である。
【0032】
図6に示す例では、図5の領域5eの検査種別情報「CT検査」と、図3の検査種別情報「CT検査」とが一致する。このため、レイアウト作成部103は、検査種別情報「CT検査」に対応する検査識別子「10011」を領域5eに割り当てて、領域6eとする。また、レイアウト作成部103は、他の領域についても同様に、検査種別情報に対応する検査識別子をテンプレートの各領域に割り当てる。そして、レイアウト作成部103は、検査予約情報の患者情報及び検査識別子を割り当てたテンプレートをレイアウトとして、後述のレポート保存部105を介してレポート記憶部106に格納する。
【0033】
レイアウト配置部104は、検査が実施されるごとに、検査で得られた検査結果をレイアウト作成部103によって作成されたレイアウトに配置する。なお、レイアウト配置部104は、配置部の一例である。
【0034】
図2に示す例では、レイアウト配置部104は、Finding取得部104aと、Finding割当部104bとを備える。
【0035】
Finding取得部104aは、例えば、検査が実施されるごとに、モダリティ120によって生成されたFinding情報をモダリティ120から取得する。Finding取得部104aは、取得したFinding情報を後述するFinding割当部104bへ出力する。
【0036】
一例としては、Finding取得部104aは、X線CT装置で検査識別子「10011」の検査が実施されると、そのX線CT装置で生成された2D画像データをFinding情報として取得する。Finding取得部104aは、Finding情報とともに、Finding情報が得られた検査に関連する患者情報「101」、検査識別情報「CT検査」、データ種識別子「2D画像」及び検査識別子「10011」を含む付帯情報も取得する。Finding取得部104aは、取得したFinding情報「2D画像データ」、患者情報「101」、検査識別情報「CT検査」、データ種識別子「2D画像」及び検査識別子「10011」をFinding割当部104bへ出力する。
【0037】
なお、ここでは、Finding取得部104aがモダリティ120からFinding情報を取得する場合を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ワークステーション140においてFinding情報が生成される場合には、ワークステーション140からFinding情報を取得しても良い。また、Finding取得部104aが情報を取得する方法は、モダリティ120からFinding情報が送信されるまで待機する受動取得であっても、モダリティ120に対してポーリングを行う能動取得であっても良い。
【0038】
Finding割当部104bは、レイアウト作成部103によって作成されたレイアウトに、Finding取得部104aによって取得されたFinding情報を割り当てる。Finding割当部104bは、全てのFinding情報を割り当てたレイアウトを、統合レポートとして後述のレポート表示部107cへ出力する。Finding割当部104bは、全てのFinding情報を割り当てていないレイアウトを、レポート保存部105を介してレポート記憶部106に格納する。
【0039】
例えば、Finding割当部104bは、Finding情報、患者情報、検査識別情報、データ種識別子及び検査識別子を、Finding取得部104aから受け付ける。Finding割当部104bは、受け付けた患者情報及び検査識別子に対応するレイアウトを、レポート保存部105を介してレポート記憶部106から取得する。Finding割当部104bは、取得したレイアウトの各配置位置に対応付けられた検査識別子及びデータ種識別子と、Finding情報の付帯情報の検査識別子及びデータ種識別子とを比較する。Finding割当部104bは、検査識別子及びデータ種識別子が一致するFinding情報を、テンプレートの配置位置に割り当てる。なお、以下では、複数のFinding情報が割り当てられたレイアウトを、「統合レポート」とも称する。
【0040】
図7は、Finding割当部104bによって割り当てられた統合レポートの一例を示す図である。図7には、図6のレイアウトを用いて作成された統合レポートを例示する。図7に示す例では、Finding割当部104bによって割り当てられた統合レポート7aは、領域7b、領域7c、領域7dの3つの領域を含む。このうち、領域7bは、検査予約情報に対応する患者情報が記載される領域である。領域7cは、複数のFinding情報が記載された領域である。例えば、領域7cの1つである領域7eには、検査種別情報「CT検査」と、検査識別子「10011」と、Finding情報「2D画像データ」とが対応付けられている。領域7dは、総合所見が記載される領域である。
【0041】
図7に示す例では、図6の領域6eの検査識別子「10011」及びデータ種識別子「2D画像」と、Finding取得部104aから受け付けた検査識別子「10011」及びデータ種識別子「2D画像」とが一致する。このため、Finding割当部104bは、検査識別子及びデータ種識別子が一致するFinding情報「2D画像データ」を、レイアウトの領域6eに割り当てて、領域7eとする。また、Finding割当部104bは、他の領域についても同様に、検査識別子及びデータ種識別子が一致するFinding情報をレイアウトの各領域に割り当てる。そして、Finding割当部104bは、レイアウトに全てのFinding情報を割り当てたか否かを判定する。Finding割当部104bは、全てのFinding情報をレイアウトに割り当てた場合には、レイアウトを統合レポートとしてレポート表示部107cへ出力する。Finding割当部104bは、全てのFinding情報をレイアウトに割り当てていない場合には、レイアウトをレポート保存部105を介してレポート記憶部106に格納する。このとき、Finding割当部104bは、Finding情報を割り当て済みの領域を示す情報を、レポート表示部107cへ出力する。なお、Finding割当部104bは、全てのFinding情報を割り当てたレイアウトを、統合レポートとしてレポート記憶部106に格納しても良い。
【0042】
レポート保存部105は、統合レポート又はレイアウトをレポート記憶部106に保存する。例えば、レポート保存部105は、レイアウト作成部103又はレイアウト配置部104からレイアウトを受け付ける。レポート保存部105は、後述のレポート操作部107から統合レポートを受け付ける。レポート保存部105は、受け付けたレイアウト又は統合レポートをレポート記憶部106に格納する。
【0043】
また、例えば、レポート保存部105は、レイアウト配置部104から指定された患者情報及び検査識別子に対応するレイアウトを、レポート記憶部106から取得する。レポート保存部105は、取得したレイアウトをレイアウト配置部104へ出力する。
【0044】
また、例えば、レポート保存部105は、レポート操作部107から指定された患者情報及び検査識別子に対応する統合レポートを、レポート記憶部106から取得する。レポート保存部105は、取得した統合レポートをレポート操作部107へ出力する。
【0045】
レポート記憶部106は、統合レポート及びレイアウトを記憶する。例えば、レポート記憶部106は、図6のレイアウト、図7の統合レポート及び一部のFinding情報のみが割り当てられたレイアウトを記憶する。
【0046】
レポート操作部107は、例えば、医師や検査技師からの指示に応じてレポートを操作する。図2に示すように、レポート操作部107は、レポート出力部107aと、レポート更新部107bと、レポート表示部107cとを備える。
【0047】
レポート出力部107aは、統合レポートを端末装置150へ出力する。例えば、レポート出力部107aは、端末装置150を利用する医師や検査技師によって指定された患者情報及び検査識別子を用いて、レポート記憶部106から統合レポートを取得する。レポート出力部107aは、取得した統合レポートを端末装置150へ出力する。この結果、端末装置150を利用する医師や検査技師は、統合レポートを閲覧することができる。また、例えば、レポート出力部107aは、図示しないプリンタへ統合レポートを出力し、紙媒体に印刷しても良い。
【0048】
レポート更新部107bは、統合レポートを更新する。例えば、レポート更新部107bは、端末装置150又はモニタ170に表示された統合レポートの総合所見に対するテキストデータの入力を受け付ける。レポート更新部107bは、受け付けたテキストデータの入力を、レポート記憶部106に記憶される統合レポートに書き込む。
【0049】
レポート表示部107cは、レポートを表示する。例えば、レポート表示部107cは、レイアウト配置部104又はレポート保存部105から統合レポートを受け付ける。レポート表示部107cは、受け付けた統合レポートをモニタ170に出力する。この結果、モニタ170を閲覧する医師や検査技師は、統合レポートを閲覧することができる。
【0050】
また、例えば、レポート表示部107cは、Finding情報を割り当て済みの領域を示す情報を、レイアウト配置部104のFinding割当部104bから受け付ける。レポート表示部107cは、受け付けた情報に基づいて、図8に例示のサマリ図を生成する。図8に例示のサマリ図は、Finding情報が割り当て済みの領域が網掛けで示された統合レポートの概略図である。レポート表示部107cは、精製したサマリ図をモニタ170へ出力する。この結果、モニタ170を閲覧する医師や検査技師は、サマリ図を閲覧することができる。なお、図8は、モニタに表示されるサマリ図の一例を示す図である。
【0051】
なお、ここでは、レポート操作部107が統合レポートを出力する場合を例示したが、これに限定されるものではなく、レポート操作部107は、例えば、一部のFinding情報のみが割り当てられたレイアウトを出力しても良い。
【0052】
また、検査情報取得部101、レイアウト作成部103、レイアウト配置部104、レポート保存部105及びレポート操作部107の機能は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路、あるいはCPU(Central Processing Unit)が所定のプログラムを実行することで実現することができる。
【0053】
また、テンプレート記憶部102及びレポート記憶部106は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、ハードディスク装置や光ディスク装置などの記憶装置に対応する。
【0054】
次に、図9を用いて、第1の実施形態に係るレポート作成装置100のレイアウト作成処理を説明する。図9は、第1の実施形態に係るレポート作成装置100のレイアウト作成処理を説明するためのフローチャートである。図9に示す処理は、例えば、検査情報取得部101が検査予約情報及び疾病種別情報を取得したことを契機として実行される。
【0055】
図9に示すように、検査情報取得部101が検査予約情報及び疾病種別情報を取得すると(ステップS101肯定)、レイアウト作成部103は、検査情報取得部101によって取得された疾病種別情報に対応するテンプレートを取得する(ステップS102)。なお、検査情報取得部101が検査予約情報及び疾病種別情報を取得するまで(ステップS101否定)、待機状態である。
【0056】
レイアウト作成部103は、レイアウトを作成する(ステップS103)。例えば、レイアウト作成部103は、テンプレートの配置位置に対応付けられた検査種別情報と、検査予約情報の検査種別情報とを比較する。レイアウト作成部103は、検査種別情報が一致する検査識別子を、テンプレートの配置位置に割り当てる。また、レイアウト作成部103は、テンプレートの患者情報に、検査予約情報の患者情報を割り当てる。
【0057】
レイアウト作成部103は、検査予約情報の患者情報及び検査識別子を割り当てたテンプレートをレイアウトとして、レポート記憶部106に格納する(ステップS104)。
【0058】
次に、図10を用いて、第1の実施形態に係るレポート作成装置100のレポート作成処理を説明する。図10は、第1の実施形態に係るレポート作成装置100のレポート作成処理を説明するためのフローチャートである。図10に示す処理は、例えば、レイアウト配置部104のFinding取得部104aがFinding情報を取得したことを契機として実行される。
【0059】
図10に示すように、レイアウト配置部104のFinding取得部104aがFinding情報を取得すると(ステップS201肯定)、レイアウト配置部104のFinding割当部104bは、Finding情報の付帯情報の患者情報及び検査識別子に対応するレイアウトを、レポート保存部105を介してレポート記憶部106から取得する(ステップS202)。なお、レイアウト配置部104のFinding取得部104aがFinding情報を取得するまで(ステップS201否定)、待機状態である。
【0060】
レイアウト配置部104のFinding割当部104bは、Finding情報をレイアウトに配置する(ステップS203)。例えば、レイアウト配置部104のFinding割当部104bは、取得したレイアウトの各配置位置に対応付けられた検査識別子及びデータ種識別子と、Finding情報の付帯情報の検査識別子及びデータ種識別子とを比較する。レイアウト配置部104のFinding割当部104bは、検査識別子及びデータ種識別子が一致するFinding情報を、テンプレートの配置位置に割り当てる。
【0061】
レイアウト配置部104のFinding割当部104bは、レイアウトに全てのFinding情報を配置したか否かを判定する(ステップS204)。全てのFinding情報をレイアウトに割り当てた場合には(ステップS204肯定)、レイアウト配置部104のFinding割当部104bは、レイアウトを統合レポートとしてレポート表示部107cへ出力する(ステップS205)。
【0062】
一方、全てのFinding情報をレイアウトに割り当てていない場合には(ステップS204否定)、レイアウト配置部104のFinding割当部104bは、レイアウトをレポート保存部105を介してレポート記憶部106に格納し(ステップS206)、ステップS201の処理へ移行する。このとき、レイアウト配置部104のFinding割当部104bは、Finding情報を割り当て済みの領域を示す情報を、レポート表示部107cへ出力する。
【0063】
なお、上記のレイアウト作成処理及びレポート作成処理は、必ずしも上記の処理手順に限定されるものではない。例えば、レイアウト配置部104のFinding割当部104bは、一部のFinding情報のみが割り当てられたレイアウトをレポート表示部107cへ出力しても良い。
【0064】
上述してきたように、第1の実施形態に係るレポート作成装置100は、被検体の疾病に関する複数種類の検査が予約された際に、疾病の診断に用いられるレポートにおける各検査結果の配置位置を定義したレイアウト情報を作成する。レポート作成装置100は、検査が実施されるごとに、実施された検査で得られた検査結果を、作成したレイアウト情報に配置する。レポート作成装置100は、複数の検査結果を配置したレイアウト情報を用いて、複数の検査結果を含む統合レポートを出力する。このため、レポート作成装置100は、医師の労力を軽減することができる。
【0065】
ここで、図11及び図12を用いて、第1の実施形態に係るレポート作成装置100の効果について説明する。図11は、従来技術の課題について説明するための図である。図12は、第1の実施形態に係るレポート作成装置100の効果について説明するための図である。
【0066】
図11に示すように、従来技術は、患者の疾病に関する複数の検査が予約された場合には、検査ごとにそれぞれ単独のレポートが作成されていた。このため、従来技術では、患者の疾病について診断を行う場合には、医師がこれら複数のレポートを読み繋げなければならず、労力を要していた。これに対して、第1の実施形態に係るレポート作成装置100は、図12に示すように、複数の検査から得られた検査結果を統合した統合レポートを作成する。このため、レポート作成装置100は、医師が複数のレポートを読み繋げる労力を緩和するので、医師の労力を軽減することができ、さらには、医師の診断効率を上げることもできる。
【0067】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を説明する。上述した第1の実施形態では、レポート作成装置100がモダリティ120又はワークステーション140によって生成されたFinding情報を用いて統合レポートを作成する場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、レポート作成装置100がモダリティ120又はワークステーション140によって生成された単独レポートを用いて統合レポートを作成しても良い。そこで、第2の実施形態では、レポート作成装置100がモダリティ120又はワークステーション140によって生成された単独レポートを用いて統合レポートを作成する場合を説明する。
【0068】
なお、第2の実施形態では、単独レポートを用いて統合レポートを作成する場合を説明するが、作成済みの統合レポートに基づいて新たな統合レポートを作成することもできる。これは、以下において説明する単独レポートと同様に作成済みの統合レポートを用いることにより実現される。
【0069】
図13を用いて、第2の実施形態に係るレポート作成装置100の構成例を説明する。図13は、第2の実施形態に係るレポート作成装置100の構成例を説明するための図である。図13に示すレポート作成装置100は、図2に示したレポート作成装置100と比べて、単独レポート取得部104c及び単独レポート分解部104dを有する点が相違する。なお、以下では、上記の実施形態と同様の機能を発揮する機能部については同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
【0070】
単独レポート取得部104cは、個々の検査ごとに作成された単独レポート又は前記統合レポートを取得する。例えば、単独レポート取得部104cは、検査が実施されるごとに、モダリティ120によって生成された単独レポートをモダリティ120から取得する。単独レポート取得部104cは、取得した単独レポートを後述する単独レポート分解部104dへ出力する。
【0071】
一例としては、単独レポート取得部104cは、X線CT装置で検査識別子「10011」の検査が実施されると、そのX線CT装置で生成された単独レポートを取得する。ここで、単独レポート取得部104cが取得した単独レポートは、単独レポートが得られた検査に関連する患者情報「101」、検査識別情報「CT検査」、Finding情報「2D画像データ」、データ種識別子「2D画像」及び検査識別子「10011」を含む。単独レポート取得部104cは、取得した単独レポートを単独レポート分解部104dへ出力する。
【0072】
なお、ここでは、単独レポート取得部104cがモダリティ120から単独レポートを取得する場合を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ワークステーション140において単独レポートが生成される場合には、ワークステーション140から単独レポートを取得しても良い。また、単独レポート取得部104cが情報を取得する方法は、モダリティ120から単独レポートが送信されるまで待機する受動取得であっても、モダリティ120に対してポーリングを行う能動取得であっても良い。
【0073】
単独レポート分解部104dは、単独レポートを複数の検査結果に分解する。例えば、単独レポート分解部104dは、単独レポート取得部104cによって取得された単独レポートを、単独レポート取得部104cから受け付ける。単独レポート分解部104dは、受け付けた単独レポートから、患者情報、検査識別情報、Finding情報、データ種識別子及び検査識別子を抽出する。単独レポート分解部104dは、患者情報、検査識別情報、Finding情報、データ種識別子及び検査識別子をFinding割当部104bへ出力する。
【0074】
一例としては、単独レポート分解部104dは、単独レポート取得部104cによって取得されたX線CT装置からの単独レポートを、単独レポート取得部104cから受け付ける。単独レポート分解部104dは、受け付けた単独レポートから、単独レポートが得られた検査に関連する患者情報「101」、検査識別情報「CT検査」、Finding情報「2D画像データ」、データ種識別子「2D画像」及び検査識別子「10011」を抽出する。単独レポート分解部104dは、患者情報「101」、検査識別情報「CT検査」、Finding情報「2D画像データ」、データ種識別子「2D画像」及び検査識別子「10011」をFinding割当部104bへ出力する。
【0075】
次に、図14を用いて、第2の実施形態に係るレポート作成装置100のレポート作成処理を説明する。図14は、第2の実施形態に係るレポート作成装置100のレポート作成処理を説明するためのフローチャートである。図14に示す処理は、例えば、レイアウト配置部104の単独レポート取得部104cが単独レポートを取得したことを契機として実行される。
【0076】
図14に示すように、レイアウト配置部104の単独レポート取得部104cが単独レポートを取得すると(ステップS301肯定)、レイアウト配置部104の単独レポート分解部104dは、単独レポート取得部104cによって取得された単独レポートを複数の検査結果に分解する(ステップS302)。例えば、単独レポート分解部104dは、単独レポート取得部104cによって取得された単独レポートから、患者情報、検査識別情報、Finding情報、データ種識別子及び検査識別子を抽出する。単独レポート分解部104dは、患者情報、検査識別情報、Finding情報、データ種識別子及び検査識別子をFinding割当部104bへ出力する。なお、レイアウト配置部104の単独レポート取得部104cが単独レポートを取得するまで(ステップS301否定)、待機状態である。
【0077】
レイアウト配置部104のFinding割当部104bは、単独レポート分解部104dから受け付けた患者情報及び検査識別子に対応するレイアウトを、レポート保存部105を介してレポート記憶部106から取得する(ステップS303)。
【0078】
レイアウト配置部104のFinding割当部104bは、単独レポート分解部104dによって得られた少なくとも1つのFinding情報をレイアウトに配置する(ステップS304)。例えば、Finding割当部104bは、取得したレイアウトの各配置位置に対応付けられた検査識別子及びデータ種識別子と、単独レポート分解部104dから受け付けた検査識別子及びデータ種識別子とを比較する。レイアウト配置部104のFinding割当部104bは、検査識別子及びデータ種識別子が一致するFinding情報を、テンプレートの配置位置に割り当てる。
【0079】
レイアウト配置部104のFinding割当部104bは、レイアウトに全てのFinding情報を配置したか否かを判定する(ステップS305)。全てのFinding情報をレイアウトに割り当てた場合には(ステップS305肯定)、レイアウト配置部104のFinding割当部104bは、レイアウトを統合レポートとしてレポート表示部107cへ出力する(ステップS306)。
【0080】
一方、全てのFinding情報をレイアウトに割り当てていない場合には(ステップS305否定)、レイアウト配置部104のFinding割当部104bは、レイアウトをレポート保存部105を介してレポート記憶部106に格納し(ステップS307)、ステップS301の処理へ移行する。
【0081】
なお、上記のレイアウト作成処理及びレポート作成処理は、必ずしも上記の処理手順に限定されるものではない。例えば、レイアウト配置部104のFinding割当部104bは、一部のFinding情報のみが割り当てられたレイアウトをレポート表示部107cへ出力しても良い。
【0082】
上述してきたように、第2の実施形態に係るレポート作成装置100は、個々の検査ごとに作成された単独レポートを取得する。レポート作成装置100は、取得した単独レポートを複数の検査結果に分解する。レポート作成装置100は、分解することで得られた少なくとも1つの検査結果を、レイアウトに配置する。このため、レポート作成装置100は、作成済みの単独レポートから統合レポートを作成することができる。
【0083】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態を説明する。上述した実施形態では、レポート作成装置100が検査予約管理装置110から取得した検査予約情報を用いて統合レポートを作成する場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、レポート作成装置100は、医師によって検査が予約される際に、検査で得られるFinding情報の配置位置の指定を受け付けて統合レポートを作成しても良い。そこで、第3の実施形態では、レポート作成装置100が、検査が予約される際に、医師により指定された配置位置にFinding情報を配置して統合レポートを作成する場合を説明する。
【0084】
図15を用いて、第3の実施形態に係るレポート作成装置100の構成例を説明する。図15は、第3の実施形態に係るレポート作成装置100の構成例を説明するための図である。図15に示すレポート作成装置100は、図2に示したレポート作成装置100と比べて、作成部108を有する点が相違する。なお、以下では、上記の実施形態と同様の機能を発揮する機能部については同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
【0085】
作成部108は、複数種類の検査が予約される際に、各検査で得られる検査結果の配置位置の指定を受け付け、その配置位置にしたがってレイアウト情報を作成する。例えば、作成部108は、病院内に勤務する医師や事務員による患者情報及び疾病種別情報の入力を、端末装置150又は入力装置160を介して受け付ける。作成部108は、疾病種別情報に対応するテンプレートをテンプレート記憶部102から取得する。作成部108は、端末装置150又はモニタ170にテンプレートを出力し,表示させる。作成部108は、検査対象となる検査識別情報の入力を、端末装置150又は入力装置160を介して受け付ける。作成部108は、検査対象となる検査識別情報に任意の検査識別子を割り当てて、レイアウトを作成する。作成部108は、入力された患者情報をテンプレートに割り当てる。作成部108は、検査識別子を割り当てたレイアウトを、レポート記憶部106に格納する。作成部108は、レイアウトから検査予約情報を生成する。例えば、作成部108は、検査識別子を割り当てたレイアウトから、患者情報、検査識別情報、データ種識別情報及び検査識別子を検査予約情報として抽出する。作成部108は、生成した検査予約情報を検査予約管理装置110へ送信する。
【0086】
一例としては、作成部108は、病院内に勤務する医師や事務員による患者情報「101」及び疾病種別情報「心筋梗塞」の入力を、端末装置150又は入力装置160を介して受け付ける。作成部108は、疾病種別情報「心筋梗塞」に対応するテンプレート「テンプレート1」をテンプレート記憶部102から取得する。作成部108は、端末装置150又はモニタ170にテンプレート「テンプレート1」を出力し,表示させる。作成部108は、図5の領域5eが医師や事務員によって選択されると、検査対象として検査識別情報「CT検査」が指定されたものとして受け付ける。作成部108は、検査対象となる検査識別情報「CT検査」に任意の検査識別子として検査識別子「10011」を割り当てる。作成部108は、他の領域についても同様に、医師や事務員によって選択された領域に検査識別子を割り当てる。また、作成部108は、入力された患者情報「101」を図5の領域5bに割り当てる。作成部108は、検査識別子を割り当てたレイアウトから、患者情報「101」、検査識別情報「CT検査」及び検査識別子「10011」を検査予約情報として抽出する。また、作成部108は、他の検査識別情報についても同様に、検査識別子が割り当てられた検査識別情報については検査予約情報として抽出する。作成部108は、生成した検査予約情報を検査予約管理装置110へ送信する。
【0087】
次に、図16を用いて、第3の実施形態に係るレポート作成装置100のレポート作成処理を説明する。図16は、第3の実施形態に係るレポート作成装置100のレポート作成処理を説明するためのフローチャートである。図16に示す処理は、例えば、作成部108が患者情報及び疾病種別情報の入力を受け付けたことを契機として開始される。
【0088】
図16に示すように、作成部108は、患者情報及び疾病種別情報を受け付けると(ステップS401肯定)、疾病種別情報に対応するテンプレートをテンプレート記憶部102から取得する(ステップS402)。なお、作成部108は、患者情報及び疾病種別情報を受け付けるまで(ステップS401否定)、待機状態である。
【0089】
作成部108は、端末装置150又はモニタ170にテンプレートを表示させる(ステップS403)。作成部108は、検査対象となる検査識別情報を受け付ける(ステップS404)。
【0090】
作成部108は、レイアウトを作成する(ステップS405)。例えば、作成部108は、検査対象となる検査識別情報に検査識別子を割り当てる。作成部108は、テンプレートに入力された患者情報を割り当てる。
【0091】
作成部108は、検査識別子を割り当てたレイアウトをレポート記憶部106に格納する(ステップS406)。作成部108は、レイアウトから検査予約情報を生成する(ステップS407)。例えば、作成部108は、検査識別子を割り当てたレイアウトから、患者情報、検査識別情報及び検査識別子を検査予約情報として抽出する。作成部108は、生成した検査予約情報を検査予約管理装置110へ送信する(ステップS408)。
【0092】
上述してきたように、第1の実施形態に係るレポート作成装置100は、複数種類の検査が予約される際に、各検査で得られる検査結果の配置位置の指定を受け付け、受け付けた配置位置にしたがって、レイアウト情報を作成する。このため、レポート作成装置100は、レポート作成装置100を利用する者の任意のレイアウトで統合レポートを作成することができる。
【0093】
(他の実施形態)
ところで、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態において、予め規定された優先度に基づいて検査結果をテンプレートに配置しても良い。図17は、他の実施形態に係るレポート作成装置100の構成例を説明するための図である。図17に示すレポート作成装置100は、図2に示したレポート作成装置100と比べて、優先度順テンプレート記憶部109を有する点が相違する。なお、以下では、上記の実施形態と同様の機能を発揮する機能部については同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
【0094】
優先度順テンプレート記憶部109は、統合レポートに配置される検査結果の優先度を疾病ごとに記憶する。
【0095】
図18は、優先度順テンプレート記憶部109に記憶される情報の一例を示す図である。図18に示すように、優先度順テンプレート記憶部109は、疾病種別情報と、テンプレート形式と、優先度とが対応付けられた情報を記憶する。このうち、テンプレート形式は、レポートに配置されるFinding情報の数と位置とを規定する情報であり、例えば、「2×3」、「2×2」、「1×2」などの情報が記憶される。また、優先度は、レポートに配置される検査種別情報の優先順位を表す情報である。
【0096】
図18に示す例では、優先度順テンプレート記憶部109は、疾病種別情報「脳梗塞」と、テンプレート形式「2×3」と、優先度1「MR画像」と、優先度2「CT画像」と、優先度3「MR3D」と、優先度4「血圧」と、優先度5「血液」と、優先度6「尿」とが対応付けられた情報を記憶する。つまり、優先度順テンプレート記憶部109は、検査予約情報に関連する患者の疾病が脳梗塞である場合には、テンプレート形式「2×3」のテンプレートに基づいてレポートを作成する旨を記憶する。なお、優先度順テンプレート記憶部109は、他の疾病種別情報についても同様にテンプレートを記憶する。
【0097】
図19は、優先度順テンプレート記憶部109に記憶されるテンプレート形式の一例を示す図である。図19に示す例では、優先度順テンプレート記憶部109に記憶されるテンプレート19aは、複数のFinding情報を含む領域19bを含む。この領域19bは、テンプレート形式「2×2」のテンプレートの一例であり、左上の領域に「表示順1」、右上の領域に「表示順2」、左下の領域に「表示順3」、右下の領域に「表示順4」がそれぞれ対応付けられている。つまり、この領域19bは、優先度の高いFinding情報から順に、左上、右上、左下、右下のそれぞれの領域に配置することを表す。
【0098】
図20及び図21を用いて、優先度に基づいてFinding情報をテンプレートに配置する場合の一例を説明する。図20は、検査予約情報取得部によって取得される検査予約情報の一例を示す図である。図21は、レイアウト作成部によって作成されるレイアウトの一例を示す図である。
【0099】
図20及び図21に示す例では、レポート作成装置100が図20に示す検査予約情報及び疾病種別情報「心不全」を取得した場合を説明する。この場合、レポート作成装置100のレイアウト作成部103は、優先度順テンプレート記憶部109を参照し、疾病種別情報「心不全」に対応するテンプレート形式「2×2」のテンプレートを優先度順テンプレート記憶部109から取得する。レイアウト作成部103は、優先度順テンプレート記憶部109を参照し、優先度の高い検査から順に、検査識別子をテンプレートに割り当てる。具体的には、レイアウト作成部103は、優先度1の検査「心電図」に対応する検査識別子が検査予約情報に存在するので、その検査識別子「20011」を検査予約情報から取得し、領域19bの左上の領域に割り当てる。続いて、レイアウト作成部103は、優先度2の検査「超音波画像」に対応する検査識別子が検査予約情報に存在しないので、優先度2の検査に関する処理を行わずに次の優先度の検査に関する処理に移行する。続いて、レイアウト作成部103は、優先度3の検査「血液」に対応する検査識別子が検査予約情報に存在するので、その検査識別子「30101」を検査予約情報から取得し、領域19bの右上の領域に割り当てる。そして、レイアウト作成部103は、優先度4の検査「血圧」に対応する検査識別子が検査予約情報に存在しないので、優先度4の検査に関する処理を行わずに処理を終了する。この結果、レイアウト作成部103は、図21に示すレイアウト21aを作成する。このレイアウト21aは、領域21bの左上に心電図の検査識別子「20021」が割り当てられ、右上に血圧の検査識別子「30101」が割り当てられている。
【0100】
このように、レポート作成装置100は、疾病ごとに規定された検査結果の優先度を用いて、予約された検査で得られる検査結果の配置位置を決定し、その配置位置にしたがってレイアウト情報を作成する。このため、レポート作成装置100は、優先度の高い順に検査結果を配置した統合レポートを作成することができる。
【0101】
また、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態において、医師からの指示に応じてFinding情報を取得する要求をモダリティ120に送信しても良い。図22は、他の実施形態に係るレポート作成装置100の構成例を説明するための図である。図22に示すレポート作成装置100は、図2に示したレポート作成装置100と比べて、Finding取得要求部107dを有する点が相違する。なお、以下では、上記の実施形態と同様の機能を発揮する機能部については同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
【0102】
図22に示すように、Finding取得要求部107dは、検査結果を取得する旨の入力を利用者から受け付ける。例えば、Finding取得要求部107dは、病院内に勤務する医師や事務員によるFinding情報を取得する旨の要求を、端末装置150又は入力装置160を介して受け付ける。この要求は、例えば、Finding情報に関連する検査識別子と、Finding情報を生成するモダリティ120を識別する情報とを含む。Finding取得要求部107dは、Finding情報を取得する旨の要求を、レイアウト配置部104のFinding取得部104aに出力する。
【0103】
Finding取得部104aは、Finding取得要求部107dが受け付けた入力に応じて検査結果を取得する。例えば、Finding取得部104aは、Finding情報を取得する旨の要求をFinding取得要求部107dから受け付ける。Finding取得部104aは、Finding情報を取得する旨の要求を、そのFinding情報を生成するモダリティ120へ送信する。Finding取得部104aは、要求に含まれる検査識別子のFinding情報がモダリティ120にあれば、そのFinding情報を取得する。レポート作成装置100は、取得したFinding情報をFinding割当部104bへ出力する。この結果、Finding割当部104bは、Finding取得部104aによって取得されたFinding情報をレイアウト情報に配置する。
【0104】
このように、レポート作成装置100は、検査結果を取得する旨の入力を利用者から受け付ける。レポート作成装置100は、受け付けた入力に応じて検査結果を取得する。レポート作成装置100は、取得した検査結果をレイアウト情報に配置する。このため、レポート作成装置100は、利用者の求めに応じて検査結果を取得し、統合レポートを作成することができる。
【0105】
なお、上記実施形態で説明した検査情報取得部101、レイアウト作成部103、レイアウト配置部104、レポート保存部105及びレポート操作部107の機能は、例えば、ソフトウェアによって実現することもできる。例えば、検査情報取得部101、レイアウト作成部103、レイアウト配置部104、レポート保存部105及びレポート操作部107の機能は、上記実施形態において検査情報取得部101、レイアウト作成部103、レイアウト配置部104、レポート保存部105及びレポート操作部107が行うものとして説明した処理の手順を規定したレポート作成プログラムをコンピュータに実行させることで、実現される。このレポート作成プログラムは、例えば、ハードディスクや半導体メモリ素子等に記憶され、CPUやMPU等のプロセッサによって読み出されて実行される。また、このレポート作成プログラムは、CD−ROM(Compact Disc − Read Only Memory)やMO(Magnetic Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記録されて、配布され得る。
【0106】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、医師の労力を軽減することができる。
【0107】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0108】
100 レポート作成装置
103 レイアウト作成部
104 レイアウト配置部
107 レポート操作部
107a レポート出力部
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