【実施例】
【0063】
以下の製造例、実施例及び比較例において、「%」は「質量%」を意味する。各種物性等の測定は以下の方法により行った。
【0064】
(1)重合体セグメントA−1の重量平均分子量
ゲル浸透クロマトグラフィー(ポリスチレン換算)で測定した。
カラム:K-804L(昭和電工(株)製)を2本直列に連結して使用した。
カラム温度:40℃
溶離液:1mmol/Lジメチルラウリルアミン/CHCl
3(ジメチルラウリルアミン:ファーミンDM2098:花王(株)製)
流量:1.0ml/分
検出器:示差屈折率計
【0065】
(2)ブロック重合体の重量平均分子量
SLS(静的光散乱法)による分子量測定を行った。重量平均分子量(Mw)は光散乱光度計「DLS−7000」(大塚電子(株)製)を用いて、下記の条件で静的光散乱を測定し、Zimm−plotを作製することで算出した。また、分子量の算出に必要な屈折率増分は、示差屈折率計「DRM3000」(大塚電子(株)製)を用いて測定した。
波長:632.8nm(ヘリウムーネオンレーザー)
散乱角:30°から150°まで10°おきに測定した。
平均温度:25°
溶媒:トリフルオロエタノール
【0066】
(3)ブロック重合体中の重合体セグメントA−1の含有量
前記(1)及び(2)で求めた重合体セグメントA−1の重量平均分子量、ブロック重合体の重量平均分子量を用いて、下記の式より求めた。
ブロック重合体中の重合体セグメントA−1の含有量(%)=重合体セグメントA−1の重量平均分子量/ブロック重合体の重量平均分子量×100
【0067】
製造例1(ポリマーA1の製造)
(工程1)
ナスフラスコにメタクリル酸メチル(和光純薬工業(株)製)30g、2−ブロモイソ酪酸エチル1.169g(東京化成工業(株)製)、4,4’−ジノニル−2,2’−ジピリジル(シグマアルドリッチ製)3.67g、アニソール45gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)(和光純薬工業(株)製)0.297g、塩化銅(II)(和光純薬工業(株)製)0.201gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、70℃に加熱し重合を行った。3時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、水200mL、メタノール600mLの混合液を撹拌しながら重合溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマー固体を得た。次にナスフラスコにメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル(和光純薬工業(株)製)20g、上記で得られたポリマー固体0.85g、1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン(シグマアルドリッチ製)0.07g、アニソール8.6gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.028gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、70℃に加熱し重合を行った。14時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、活性アルミナカラム処理により銅錯体を除去後、ヘキサン1Lを撹拌しながらポリマー溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマー固体を得た。
(工程2)
ナスフラスコに得られたポリマー3g、2,2,2-トリフルオロエタノール(シグマアルドリッチ製) 12gを入れポリマーを溶解させた。三方コックで栓をして50℃に加熱しながら1,3プロパンスルトン(和光純薬工業(株)製)2.4gを滴下した。5時間反応させた後冷却し、メタノール500mLを撹拌しながら、ポリマー溶液を滴下してポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマーA1の固体を得た。
【0068】
製造例2(ポリマーA2の製造)
(工程1)
ナスフラスコにメタクリル酸メチル15g、2‐ブロモイソ酪酸エチル1.46g、4,4’‐ジノニル‐2,2’‐ジピリジル4.6g、アニソール35gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.371g、塩化銅(II)0.252gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、62℃に加熱し重合を行った。2.5時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、ヘキサンを撹拌しながら重合溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマー固体を得た。次にナスフラスコにメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル5g、上記で得られたポリマー固体0.636g、1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン0.11g、アニソール11.67gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.0314gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、70℃に加熱し重合を行った。8時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、活性アルミナカラム処理により銅錯体を除去後、ヘキサン1Lを撹拌しながらポリマー溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマー固体を得た。
(工程2)
ナスフラスコに得られたポリマー3g、2,2,2-トリフルオロエタノール 12gを入れポリマーを溶解させた。三方コックで栓をして50℃に加熱しながら1,3プロパンスルトン2.3gを滴下した。5時間反応させた後冷却し、メタノール500mLを撹拌しながら、ポリマー溶液を滴下してポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマーA2の固体を得た。
【0069】
製造例3(ポリマーA3の製造)
(工程1)
ナスフラスコにメタクリル酸メチル15g、2‐ブロモイソ酪酸エチル1.46g、4,4’‐ジノニル‐2,2’‐ジピリジル4.6g、アニソール35gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.371g、塩化銅(II)0.252gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、62℃に加熱し重合を行った。2.5時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、ヘキサンを撹拌しながら重合溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマー固体を得た。次にナスフラスコにメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル5g、上記で得られたポリマー固体1.06g、1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン0.183g、アニソール11.67gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.0524gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、70℃に加熱し重合を行った。3時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、活性アルミナカラム処理により銅錯体を除去後、ヘキサン1Lを撹拌しながらポリマー溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマー固体を得た。
(工程2)
ナスフラスコに得られたポリマー2g、2,2,2-トリフルオロエタノール 8gを入れポリマーを溶解させた。三方コックで栓をして50℃に加熱しながら1,3プロパンスルトン1.5gを滴下した。5時間反応させた後冷却し、メタノール500mLを撹拌しながら、ポリマー溶液を滴下してポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマーA3の固体を得た。
【0070】
製造例4(ポリマーA4の製造)
(工程1)
ナスフラスコにメタクリル酸メチル15g、2‐ブロモイソ酪酸エチル1.46g、4,4’‐ジノニル‐2,2’‐ジピリジル4.6g、アニソール35gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.371g、塩化銅(II)0.252gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、62℃に加熱し重合を行った。2.5時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、ヘキサンを撹拌しながら重合溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマー固体を得た。次にナスフラスコにメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル5g、上記で得られたポリマー固体2.12g、1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン0.37g、アニソール20.0gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.105g、塩化銅(II)0.0285gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、70℃に加熱し重合を行った。3.8時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、活性アルミナカラム処理により銅錯体を除去後、ヘキサン1Lを撹拌しながらポリマー溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマー固体を得た。
(工程2)
ナスフラスコに得られたポリマー1.36g、2,2,2-トリフルオロエタノール 5.4gを入れポリマーを溶解させた。三方コックで栓をして50℃に加熱しながら1,3プロパンスルトン0.8gを滴下した。5時間反応させた後冷却し、メタノール500mLを撹拌しながら、ポリマー溶液を滴下してポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマーA4の固体を得た。
【0071】
製造例5(ポリマーA5の製造)
(工程1)
ナスフラスコにメタクリル酸メチル15g、2‐ブロモイソ酪酸エチル1.46g、4,4’‐ジノニル‐2,2’‐ジピリジル4.6g、アニソール35gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.371g、塩化銅(II)0.252gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、62℃に加熱し重合を行った。2.5時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、ヘキサンを撹拌しながら重合溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマー固体を得た。次にナスフラスコにメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル2g、上記で得られたポリマー固体1.6g、1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン0.274g、アニソール8gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.0787g、塩化銅(II)0.0427gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、70℃に加熱し重合を行った。1.5時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、活性アルミナカラム処理により銅錯体を除去後、ヘキサン1Lを撹拌しながらポリマー溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマー固体を得た。
(工程2)
ナスフラスコに得られたポリマー1.205g、2,2,2-トリフルオロエタノール 4.9gを入れポリマーを溶解させた。三方コックで栓をして50℃に加熱しながら1,3プロパンスルトン0.55gを滴下した。5時間反応させた後冷却し、メタノール500mLを撹拌しながら、ポリマー溶液を滴下してポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマーA5の固体を得た。
【0072】
製造例6(ポリマーA6の製造)
(工程1)
ナスフラスコにメタクリル酸メチル15g、2‐ブロモイソ酪酸エチル1.46g、4,4’‐ジノニル‐2,2’‐ジピリジル4.6g、アニソール35gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.371g、塩化銅(II)0.252gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、62℃に加熱し重合を行った。2.5時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、ヘキサンを撹拌しながら重合溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマー固体を得た。次にナスフラスコにメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル1.5g、上記で得られたポリマー固体1.6g、1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン0.292g、アニソール8.5gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.0787g、塩化銅(II)0.0534gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、70℃に加熱し重合を行った。2時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、活性アルミナカラム処理により銅錯体を除去後、ヘキサン1Lを撹拌しながらポリマー溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマー固体を得た。
(工程2)
ナスフラスコに得られたポリマー1.205g、2,2,2-トリフルオロエタノール 4.9gを入れポリマーを溶解させた。三方コックで栓をして50℃に加熱しながら1,3プロパンスルトン0.3gを滴下した。5時間反応させた後冷却し、メタノール500mLを撹拌しながら、ポリマー溶液を滴下してポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマーA6の固体を得た。
【0073】
製造例7(ポリマーB1の製造)
(工程1)
ナスフラスコにメタクリル酸n-ブチル(和光純薬工業(株)製)30g、2‐ブロモイソ酪酸エチル0.823g、4,4’‐ジノニル‐2,2’‐ジピリジル2.58g、アニソール45gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.209g、塩化銅(II)0.141gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、70℃に加熱し重合を行った。6時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、イオン交換水500mL、メタノール1500mLの混合液を撹拌しながら重合溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、デカンテーション、乾燥によりポリマー固体を得た。次にナスフラスコにメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル30g、上記で得られたポリマー固体2.83g、1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン0.146g、アニソール30gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.0629gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、70℃に加熱し重合を行った。7.5時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、活性アルミナカラム処理により銅錯体を除去後、ヘキサン2Lを撹拌しながらポリマー溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマー固体を得た。
(工程2)
ナスフラスコに得られたポリマー3g、2,2,2-トリフルオロエタノール 12gを入れポリマーを溶解させた。三方コックで栓をして50℃に加熱しながら1,3プロパンスルトン2.2gを滴下した。5時間反応させた後冷却し、メタノール500mLを撹拌しながらポリマー溶液を滴下してポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマーB1の固体を得た。
【0074】
製造例8(ポリマーB2の製造)
(工程1)
ナスフラスコにメタクリル酸n-ブチル15g、2‐ブロモイソ酪酸エチル1.03g、4,4’‐ジノニル‐2,2’‐ジピリジル3.23g、アニソール35gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.261g、塩化銅(II)0.177gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、62℃に加熱し重合を行った。4時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、イオン交換水500mL、メタノール1500mLの混合液を撹拌しながら重合溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、デカンテーション、乾燥によりポリマー固体を得た。次にナスフラスコにメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル30g、上記で得られたポリマー固体0.174g、1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン0.0293g、アニソール12.9gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.0126gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、70℃に加熱し重合を行った。27時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、活性アルミナカラム処理により銅錯体を除去後、ヘキサン2Lを撹拌しながらポリマー溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマー固体を得た。
(工程2)
ナスフラスコに得られたポリマー3g、2,2,2-トリフルオロエタノール 27gを入れポリマーを溶解させた。三方コックで栓をして50℃に加熱しながら1,3プロパンスルトン2.6gを滴下した。5時間反応させた後冷却し、メタノール500mLを撹拌しながらポリマー溶液を滴下してポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマーB2の固体を得た。
【0075】
製造例9(ポリマーB3の製造)
(工程1)
ナスフラスコにメタクリル酸n-ブチル15g、2‐ブロモイソ酪酸エチル1.03g、4,4’‐ジノニル‐2,2’‐ジピリジル3.23g、アニソール35gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.261g、塩化銅(II)0.177gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、62℃に加熱し重合を行った。4時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、イオン交換水500mL、メタノール1500mLの混合液を撹拌しながら重合溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、デカンテーション、乾燥によりポリマー固体を得た。次にナスフラスコにメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル30g、上記で得られたポリマー固体1.73g、1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン0.293g、アニソール70gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.126gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、70℃に加熱し重合を行った。5時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、活性アルミナカラム処理により銅錯体を除去後、ヘキサン2Lを撹拌しながらポリマー溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマー固体を得た。
(工程2)
ナスフラスコに得られたポリマー3g、2,2,2-トリフルオロエタノール 12gを入れポリマーを溶解させた。三方コックで栓をして50℃に加熱しながら1,3プロパンスルトン2.5gを滴下した。5時間反応させた後冷却し、メタノール500mLを撹拌しながらポリマー溶液を滴下してポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマーB3の固体を得た。
【0076】
製造例10(ポリマーB4の製造)
(工程1)
ナスフラスコにメタクリル酸n-ブチル15g、2‐ブロモイソ酪酸エチル1.03g、4,4’‐ジノニル‐2,2’‐ジピリジル3.23g、アニソール35gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.261g、塩化銅(II)0.177gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、62℃に加熱し重合を行った。4時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、イオン交換水500mL、メタノール1500mLの混合液を撹拌しながら重合溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、デカンテーション、乾燥によりポリマー固体を得た。次にナスフラスコにメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル15g、上記で得られたポリマー固体1.74g、1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン0.293g、アニソール35gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.063gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、70℃に加熱し重合を行った。2.5時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、活性アルミナカラム処理により銅錯体を除去後、ヘキサン1Lを撹拌しながらポリマー溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマー固体を得た。
(工程2)
ナスフラスコに得られたポリマー3g、2,2,2-トリフルオロエタノール 12gを入れポリマーを溶解させた。三方コックで栓をして50℃に加熱しながら1,3プロパンスルトン2.3gを滴下した。5時間反応させた後冷却し、メタノール500mLを撹拌しながらポリマー溶液を滴下してポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマーB4の固体を得た。
【0077】
製造例11(ポリマーB5の製造)
(工程1)
ナスフラスコにメタクリル酸n-ブチル15g、2‐ブロモイソ酪酸エチル1.03g、4,4’‐ジノニル‐2,2’‐ジピリジル3.23g、アニソール35gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.261g、塩化銅(II)0.177gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、62℃に加熱し重合を行った。4時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、イオン交換水500mL、メタノール1500mLの混合液を撹拌しながら重合溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、デカンテーション、乾燥によりポリマー固体を得た。次にナスフラスコにメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル10g、上記で得られたポリマー固体2.32g、1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン0.39g、アニソール40gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.084gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、70℃に加熱し重合を行った。2.5時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、活性アルミナカラム処理により銅錯体を除去後、ヘキサン1Lを撹拌しながらポリマー溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマー固体を得た。
(工程2)
ナスフラスコに得られたポリマー3g、2,2,2-トリフルオロエタノール 12gを入れポリマーを溶解させた。三方コックで栓をして50℃に加熱しながら1,3プロパンスルトン2.0gを滴下した。5時間反応させた後冷却し、メタノール500mLを撹拌しながらポリマー溶液を滴下してポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマーB5の固体を得た。
【0078】
製造例12(ポリマーB6の製造)
(工程1)
ナスフラスコにメタクリル酸n-ブチル5.0g、ヨウ素(I2)(和光純薬工業(株)製)0.45g、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(和光純薬工業(株)製)0.58g、シクロヘキサジエン(和光純薬工業(株)製)0.035g、エタノール5.0g、スターラーチップを入れ、三方コックと還流管を取り付けた。15分間窒素バブリングを行なった後、80℃に加熱しメタクリル酸n-ブチルの重合を開始した。次に別のナスフラスコに、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル49.8g、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル0.072g、エタノール49.8gを入れ、15分間窒素バブリングを行った。メタクリル酸n-ブチルの重合を開始してから4時間後に、上記のメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル溶液をメタクリル酸n-ブチル重合溶液に添加した。更に5時間反応させた後、重合溶液を氷冷し重合を終了した。ヘキサン5Lを撹拌しながらポリマー溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマー固体を得た。
(工程2)
ナスフラスコに得られたポリマー3g、2,2,2-トリフルオロエタノール 12gを入れポリマーを溶解させた。三方コックで栓をして50℃に加熱しながら1,3プロパンスルトン2.5gを滴下した。5時間反応させた後冷却し、メタノール500mLを撹拌しながらポリマー溶液を滴下してポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマーB6の固体を得た。
【0079】
製造例13(ポリマーC1の製造)
(工程1)
ナスフラスコにメタクリル酸ラウリル(和光純薬工業(株)製)15g、2‐ブロモイソ酪酸エチル0.575g、4,4’‐ジノニル‐2,2’‐ジピリジル1.81g、アニソール35gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.146g、塩化銅(II)0.099gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、62℃に加熱し重合を行った。8時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、メタノール1500mLを撹拌しながら重合溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、デカンテーション、乾燥によりポリマー固体を得た。次にナスフラスコにメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル10g、上記で得られたポリマー固体0.539g、1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン0.0488g、アニソール10gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.021gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、70℃に加熱し重合を行った。5.3時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、活性アルミナカラム処理により銅錯体を除去後、イオン交換水1Lを撹拌しながらポリマー溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマー固体を得た。
(工程2)
ナスフラスコに得られたポリマー3g、2,2,2-トリフルオロエタノール 12gを入れポリマーを溶解させた。三方コックで栓をして50℃に加熱しながら1,3プロパンスルトン2.7gを滴下した。5時間反応させた後冷却し、メタノール500mLを撹拌しながらポリマー溶液を滴下してポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマーC1の固体を得た。
【0080】
製造例14(ポリマーD1の製造)
(工程1)
ナスフラスコにメタクリル酸ベンジル(和光純薬工業(株)製)15g、2‐ブロモイソ酪酸エチル0.83g、4,4’‐ジノニル‐2,2’‐ジピリジル2.61g、アニソール35gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.211g、塩化銅(II)0.143gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、62℃に加熱し重合を行った。6時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、イオン交換水500mL、メタノール1500mLの混合液を撹拌しながら重合溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマー固体を得た。次にナスフラスコにメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル30g、上記で得られたポリマー固体2.15g、1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン0.293g、アニソール70gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.126gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、70℃に加熱し重合を行った。5時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、活性アルミナカラム処理により銅錯体を除去後、ヘキサン2Lを撹拌しながらポリマー溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマー固体を得た。
(工程2)
ナスフラスコに得られたポリマー3g、2,2,2-トリフルオロエタノール 12gを入れポリマーを溶解させた。三方コックで栓をして50℃に加熱しながら1,3プロパンスルトン2.5gを滴下した。5時間反応させた後冷却し、メタノール500mLを撹拌しながらポリマー溶液を滴下してポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマーD1の固体を得た。
【0081】
製造例15(ポリマーE1の製造)
(工程1)
ナスフラスコにメタクリル酸n-ブチル5.0g、ヨウ素(I2)0.45g、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)0.58g、シクロヘキサジエン0.035g、エタノール5.0g、スターラーチップを入れ、三方コックと還流管を取り付けた。15分間窒素バブリングを行なった後、80℃に加熱しメタクリル酸n-ブチルの重合を開始した。次に別のナスフラスコに、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル49.8g、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル0.072g、エタノール49.8gを入れ、15分間窒素バブリングを行った。メタクリル酸n-ブチルの重合を開始してから4時間後に、上記のメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル溶液をメタクリル酸n-ブチル重合溶液に添加した。更に5時間反応させた後、重合溶液を氷冷し重合を終了した。ヘキサン5Lを撹拌しながらポリマー溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマー固体を得た。
(工程2)
ナスフラスコに得られたポリマー3g、2,2,2-トリフルオロエタノール 12g、イオン交換水6g、3-クロロ-2-ヒドロキシ-1-プロパンスルホン酸ナトリウム(シグマアルドリッチ製)4.2gを入れた。三方コックで栓をして80℃に加熱した。24時間反応させた後冷却し、メタノール500mLを撹拌しながらポリマー溶液を滴下してポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマーE1の固体を得た。
【0082】
製造例16(ポリマーF1の製造)
冷却還流管、滴下ロート、温度計、窒素導入管及び撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに、ジメチルアミノエチルメタクリレート49g、t-ブチルメタクリレート(和光純薬工業(株)製)1.9g、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)(和光純薬工業(株)製)0.31g、エタノール100gを仕込み、窒素を吹き込みながら80℃で4時間反応を行った。得られた重合反応液にエタノール/水(=50/50質量比)70gに3-クロロ-2-ヒドロキシ-1-プロパンスルホン酸ナトリウム67.5gを溶解した液を加えて、十分に撹拌した後、80℃に加熱した。24時間反応させた後冷却し、ろ過して沈殿物を除き、乾燥によりポリマーF1の固体を得た。
【0083】
製造例17(ポリマーF2の製造)
冷却還流管、温度計、窒素導入管及び撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに、N,N-ジメチル-N-(3-スルホナトプロピル)-2-(メタクリロイルオキシ)エタン-1-アミニウム(シグマアルドリッチ製)28.39g、メタクリル酸n-ブチル1.61g、トリフルオロエタノール67.48gを入れ、均一に混合し窒素雰囲気下で30分間攪拌した。この溶液を約70℃まで昇温した後、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製)0.28g、トリフルオロエタノール2.52gを加え、6時間保持して重合を行った。次いで、メタノール4Lを撹拌しながらポリマー溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマーF2の固体を得た。
【0084】
製造例18(ポリマーF3の製造)
冷却還流管、温度計、窒素導入管及び撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに、N,N−ジメチル−N−(3−スルホナトプロピル)−2−(メタクリロイルオキシ)エタン−1−アミニウム24.63g、メタクリル酸n−ブチル5.37g、トリフルオロエタノール67.18gを入れ、均一に混合し窒素雰囲気下で30分間攪拌した。この溶液を約70℃まで昇温した後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.31g、トリフルオロエタノール2.82gを加え、6時間保持して重合を行った。次いで、メタノール4Lを撹拌しながらポリマー溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマーF3の固体を得た。
【0085】
得られたポリマーA1〜A6、ポリマーB1〜B6、ポリマーC1、ポリマーD1、ポリマーE1及びポリマーF1〜F3の重合体セグメントA−1の重量平均分子量及び含有量、並びにブロック重合体Aの重量平均分子量を表1に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
*1 ポリマー中の一般式(1)で表される構成単位の含有量
【0088】
実施例1〜15、比較例1〜3
上記製造例で得られたポリマーを用いて、表2の組成になるように親水化処理剤組成物を調製し、実施例1〜15及び比較例2、3の親水化処理剤組成物を得た。比較例1は水以外何も配合しなかった。なお、水はイオン交換水を用いた。
実施例1〜15の親水化処理剤組成物、比較例1の水、比較例2及び3の親水化処理剤組成物を用いて、以下の評価を用いた。
【0089】
[試験方法(親水表面化の評価)]
予め清浄にしたテストピース「塩化ビニルテストピース」((株)エンジニアリングテストサービス製、材質:硬質ポリ塩化ビニル、25mm×75mm)を水平に固定し、親水化処理剤組成物1mLを滴下して5分間静置した後、イオン交換水約200mLで軽くすすいで風乾した。
このテストピースの処理部分表面のイオン交換水に対する静止接触角を、自動接触角計「DM−500」(協和界面科学株式会社製)を用いて、添加量10μL、添加6秒後の条件にて測定した。
測定は、2枚のテストピースを用いて、1枚のテストピース当たり5回行い、10回の測定値の平均値を用いた。
接触角が小さいほど、親水化性能に優れる。結果を表2に示す。
【0090】
【表2】
【0091】
*1 ポリマー中の一般式(1)で表される構成単位の含有量
表中、単量体の記号は以下の意味である(以下同様)。
・SBMA:N−(3−スルホプロピル)−N−メタクリロキシエチル−N、N−ジメチルアンモニウムベタイン
・SB(OH)MA:N−(3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル)−N−メタクリロキシエチル−N、N−ジメチルアンモニウムベタイン
・MMA:メタクリル酸メチル
・BMA:メタクリル酸n-ブチル
・LMA:メタクリル酸ラウリル
・BzMA:メタクリル酸ベンジル
・tBMA:t-ブチルメタクリレート
【0092】
表2から明らかなように、実施例1〜15の親水化処理剤組成物は、比較例2及び3の親水化処理剤組成物に比べて、接触角を下げることができ、表面の親水化性能に優れている。
【0093】
実施例16〜27、比較例4〜6
上記製造例で得られたポリマーを用いて、表3の組成になるように親水化処理剤組成物を調製し、実施例16〜27、比較例4〜6の親水化処理剤組成物を得た。
親水化処理剤組成物の調製に用いた界面活性剤、溶剤は、以下のものである。
界面活性剤:炭素数12〜16の直鎖アルキル基、エチレンオキサイド平均付加モル数4.0のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム塩
溶剤:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
【0094】
実施例16〜27、比較例4〜6の親水化処理剤組成物を用いて、実施例1と同様に親水表面化の試験を行った。結果を表3に示す。
【0095】
【表3】
【0096】
*1 ポリマー中の一般式(1)で表される構成単位の含有量
【0097】
表3から明らかなように、実施例16〜27の親水化処理剤組成物は、比較例4〜6の親水化処理剤組成物に比べて、接触角を下げることができ、表面の親水化性能に優れている。
【0098】
実施例28、比較例7、8
ポリマーB3、ポリマーF3を用いて、表4の組成になるように親水化処理剤組成物を調製し、実施例28及び比較例8の親水化処理剤組成物を得た。
親水化処理剤組成物の調製に用いた界面活性剤、溶剤は、実施例16と同じものである。
【0099】
実施例28、比較例7及び比較例8の親水化処理剤を用いて、ガラス基板使用時のみポリマー溶液を2mL滴下した以外は、上記と同様に親水表面化の試験を行った。 試験に用いた基板は以下のとおりである。
ステンレス:「ステンレステストピース」((株)エンジニアリングテストサービス製、材質:JIS G 4305 SUS304、25mm×75mm)
ガラス:「ガラステストピース」(あけぼの商会、材質:ガラス板(四辺角削り加工)、60mm×60mm)
PMMA:「PMMAテストピース」((株)エンジニアリングテストサービス製、材質:ポリメタクリル酸メチル、25mm×75mm)
PET:「PETテストピース」((株)エンジニアリングテストサービス製、材質:ポリエチレンテレフタレート、25mm×75mm)
FRP:「FRPテストピース」((株)エンジニアリングテストサービス製、材質:繊維強化プラスチック、25mm×75mm)
塩化ビニル:「塩化ビニルテストピース」((株)エンジニアリングテストサービス製、材質:硬質ポリ塩化ビニル、25mm×75mm)
結果を表4に示す。
【0100】
【表4】
【0101】
*1 ポリマー中の一般式(1)で表される構成単位の含有量
【0102】
表4から明らかなように、実施例28の親水化処理剤組成物は、比較例7及び比較例8の親水化処理剤組成物に比べて、接触角を下げることができ、親水化性能に優れている。