(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
測定された前記ハンドの実際の軌跡に近似する近似曲線が算出されるとともに、前記第2方向から見たときに前記ハンドが上下方向で振動せずに前記第1方向へ移動したときの前記ハンドの理想的な軌跡である理想移動直線に対して前記近似曲線と線対称な曲線が前記補正曲線として算出されることを特徴とする請求項1記載の産業用ロボット。
測定された前記ハンドの実際の軌跡に近似する近似曲線が算出されるとともに、上下方向から見たときに前記ハンドが前記第2方向で振動せずに前記第1方向へ移動したときの前記ハンドの理想的な軌跡である理想移動直線に対して前記近似曲線と線対称な曲線が前記補正曲線として算出されることを特徴とする請求項3記載の産業用ロボット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の産業用ロボットでは、アームの伸縮動作の速度が速くなると、アームに振動が生じやすくなり、ガラス基板の搬送が不安定になる。また、アームの伸縮動作の速度が速くなればなるほど、アームの振幅も大きくなり、ガラス基板の搬送がより不安定になる。特許文献1に記載の産業用ロボットでは、アームの伸縮動作の際に、動作指令の出力周期ごとに各種の値を計算し、計算された各種の値に基づいて昇降軸モータを駆動させているため、アームの伸縮動作時におけるアームの振動を抑制して、ガラス基板の搬送を安定させることが可能であるかもしれない。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の産業用ロボットでは、アームの伸縮動作の際に、動作指令の出力周期ごとに各種の値を計算しているため、アームの伸縮動作時における産業用ロボットの制御部の演算処理の負担が大きい。また、この産業用ロボットでは、制御部の演算処理の負担が大きいため、制御部に実装されるCPU等の演算回路の処理速度が遅いと、アームの伸縮動作に遅れが生じるおそれがある。一方、この産業用ロボットにおいて、処理速度の速い演算回路が制御部に実装されていれば、アームの伸縮動作に遅れが生じるのを防止することが可能になるが、この場合には、制御部のコストが高くなり、その結果、産業用ロボットのコストが高くなる。
【0007】
そこで、本発明の課題は、アームの伸縮動作時におけるアームの振動を抑制することが可能であっても、アームの伸縮動作に遅れが生じるのを低コストで防止することが可能な産業用ロボットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の産業用ロボットは、所定の搬送対象物を搬送する産業用ロボットにおいて、搬送対象物が搭載されるハンドと、ハンドが先端側に連結されるとともにハンドが略直線的に移動するように水平方向へ伸縮可能なアームと、アームを伸縮させるためのアーム駆動用モータと、ハンドおよびアームを昇降させるための昇降用モータと、アーム駆動用モータの駆動回路および昇降用モータの駆動回路を有する制御部とを備え、アームの伸縮時におけるハンドの移動方向を第1方向とし、上下方向と第1方向とに直交する方向を第2方向とすると、産業用ロボットでは、予め、
アーム駆動用モータの最大仕様回転速度でアーム駆動用モータを回転させてアームを伸縮させたときの第2方向から見たハンドの実際の軌跡が測定され
、測定されたハンドの実際の軌跡に基づいて、アームの伸縮時にハンドが上下方向で振動せずに移動するようにハンドの実際の軌跡を補正するための補正曲線が算出され
るとともに、算出された補正曲線とアーム駆動用モータの回転速度とに基づいて、アーム駆動用モータの回転速度に応じた複数の第2補正曲線が算出され、制御部は、アームの伸縮時に、予め算出された補正曲線また
は第2補正曲線に沿ってアームの基端側が昇降するように昇降用モータを駆動することを特徴とする。
【0009】
本発明の産業用ロボットでは、アームの伸縮時にハンドが上下方向で振動せずに移動するようにハンドの実際の軌跡を補正するための補正曲線が算出されており、制御部は、アームの伸縮時に、予め算出された補正曲線または補正曲線に基づいて予め算出された第2補正曲線に沿ってアームの基端側が昇降するように昇降用モータを駆動している。そのため、本発明では、アームの伸縮動作時における上下方向のアームの振動を抑制することが可能になる。また、本発明では、制御部は、アームの伸縮時に、予め算出された補正曲線または補正曲線に基づいて予め算出された第2補正曲線に沿ってアームの基端側が昇降するように昇降用モータを駆動しているため、アームの伸縮動作時における制御部の演算処理の負担が小さい。したがって、本発明では、処理速度の遅い安価な演算回路が制御部に実装されても、アームの伸縮動作に遅れが生じるのを防止することが可能になる。その結果、本発明では、アームの伸縮動作時における上下方向のアームの振動を抑制することが可能であっても、アームの伸縮動作に遅れが生じるのを低コストで防止することが可能になる。
また、本発明では、アーム駆動用モータの最大仕様回転速度でアーム駆動用モータを回転させてアームを伸縮させたときのハンドの軌跡が測定されて補正曲線が算出されるとともに、算出された補正曲線とアーム駆動用モータの回転速度とに基づいて、アーム駆動用モータの回転速度に応じた複数の第2補正曲線が算出されている。そのため、予め測定されるハンドの実際の軌跡の測定回数を1回にすることが可能になる。したがって、ハンドの実際の軌跡の測定を容易に行うことが可能になる。
【0010】
本発明では、たとえば、測定されたハンドの実際の軌跡に近似する近似曲線が算出されるとともに、第2方向から見たときにハンドが上下方向で振動せずに第1方向へ移動したときのハンドの理想的な軌跡である理想移動直線に対して近似曲線と線対称な曲線が補正曲線として算出される。
【0011】
また、上記の課題を解決するため、本発明の産業用ロボットは、所定の搬送対象物を搬送する産業用ロボットにおいて、搬送対象物が搭載されるハンドと、ハンドが先端側に連結されるとともにハンドが略直線的に移動するように水平方向へ伸縮可能なアームと、アームを伸縮させるためのアーム駆動用モータと、上下方向を旋回の軸方向としてハンドおよびアームを旋回させるための旋回用モータと、アーム駆動用モータの駆動回路および旋回用モータの駆動回路を有する制御部とを備え、アームの伸縮時におけるハンドの移動方向を第1方向とし、上下方向と第1方向とに直交する方向を第2方向とすると、産業用ロボットでは、予め、
アーム駆動用モータの最大仕様回転速度でアーム駆動用モータを回転させてアームを伸縮させたときの上下方向から見たハンドの実際の軌跡が測定され
、測定されたハンドの実際の軌跡に基づいて、アームの伸縮時にハンドが第2方向で振動せずに移動するようにハンドの実際の軌跡を補正するための補正曲線が算出され
るとともに、算出された補正曲線とアーム駆動用モータの回転速度とに基づいて、アーム駆動用モータの回転速度に応じた複数の第2補正曲線が算出され、制御部は、アームの伸縮時に、予め算出された補正曲線また
は第2補正曲線に沿ってアームの基端側が回動するように旋回用モータを駆動することを特徴とする。
【0012】
本発明の産業用ロボットでは、アームの伸縮時にハンドが第2方向で振動せずに移動するようにハンドの実際の軌跡を補正するための補正曲線が算出されており、制御部は、アームの伸縮時に、予め算出された補正曲線または補正曲線に基づいて予め算出された第2補正曲線に沿ってアームの基端側が回動するように旋回用モータを駆動している。そのため、本発明では、アームの伸縮動作時における第2方向のアームの振動を抑制することが可能になる。また、本発明では、制御部は、アームの伸縮時に、予め算出された補正曲線または補正曲線に基づいて予め算出された第2補正曲線に沿ってアームの基端側が回動するように旋回用モータを駆動しているため、アームの伸縮動作時における制御部の演算処理の負担が小さい。したがって、本発明では、処理速度の遅い安価な演算回路が制御部に実装されても、アームの伸縮動作に遅れが生じるのを防止することが可能になる。その結果、本発明では、アームの伸縮動作時における第2方向のアームの振動を抑制することが可能であっても、アームの伸縮動作に遅れが生じるのを低コストで防止することが可能になる。
また、本発明では、アーム駆動用モータの最大仕様回転速度でアーム駆動用モータを回転させてアームを伸縮させたときのハンドの軌跡が測定されて補正曲線が算出されるとともに、算出された補正曲線とアーム駆動用モータの回転速度とに基づいて、アーム駆動用モータの回転速度に応じた複数の第2補正曲線が算出されている。そのため、予め測定されるハンドの実際の軌跡の測定回数を1回にすることが可能になる。したがって、ハンドの実際の軌跡の測定を容易に行うことが可能になる。
【0013】
本発明では、たとえば、測定されたハンドの実際の軌跡に近似する近似曲線が算出されるとともに、上下方向から見たときにハンドが第2方向で振動せずに第1方向へ移動したときのハンドの理想的な軌跡である理想移動直線に対して近似曲線と線対称な曲線が補正曲線として算出される。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明の産業用ロボットでは、アームの伸縮動作時におけるアームの振動を抑制することが可能であっても、アームの伸縮動作に遅れが生じるのを低コストで防止することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
(産業用ロボットの構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる産業用ロボット1の平面図である。
図2は、
図1のE−E方向から産業用ロボット1を示す側面図である。
図3は、
図1に示す産業用ロボット1の制御部24および産業用ロボット1を動作させる各種モータを示すブロック図である。
図4は、
図1に示すハンド3の軌跡TR1を補正するための補正曲線CC1および第2補正曲線CC2を説明するための図である。
【0019】
本形態の産業用ロボット1(以下、「ロボット1」とする。)は、搬送対象物である液晶ディスプレイ用のガラス基板2(以下、「基板2」とする。)を搬送するための水平多関節型ロボットである。ロボット1は、基板2が搭載される2個のハンド3と、2個のハンド3のそれぞれが先端側に連結される2本のアーム4と、2本のアーム4を支持する本体部5と、本体部5を水平方向に移動可能に支持するベース部材6とを備えている。本体部5は、アーム4の基端側を支持するアーム支持部材7と、アーム支持部材7が固定されるとともに上下動可能な昇降部材8と、昇降部材8を上下方向に移動可能に支持する柱状部材9と、本体部5の下端部分を構成するとともにベース部材6に対して水平移動可能な基台10と、柱状部材9の下端が固定されるとともに基台10に対して旋回可能な旋回部材11とを備えている。
【0020】
アーム4は、第1アーム部16と第2アーム部17との2個のアーム部によって構成されている。第1アーム部16の基端側は、アーム支持部材7に回動可能に連結されている。第1アーム部16の先端側には、第2アーム部17の基端側が回動可能に連結されている。第2アーム部17の先端側には、ハンド3が回動可能に連結されている。アーム4は、ハンド3が一定方向を向いた状態で略直線的に移動するように水平方向へ伸縮可能となっている。具体的には、アーム4は、ハンド3が一定方向を向いた状態で、かつ、ハンド3とアーム4との連結部分が略直線的に移動するように水平方向へ伸縮可能となっている。
【0021】
アーム4の内部には、アーム4を伸縮させるためのアーム駆動用モータ18が設置されている。アーム駆動用モータ18には、プーリおよびベルト等の動力伝達機構を介して、第1アーム部16、第2アーム部17およびハンド3が連結されており、アーム駆動用モータ18が駆動すると、ハンド3が一定方向を向いた状態で略直線的に移動するように、アーム支持部材7に対してアーム4が伸縮する。
【0022】
昇降部材8は、上述のように、柱状部材9に対して上下方向に移動可能となっており、ロボット1は、昇降部材8を昇降させるための昇降用モータ19を備えている。すなわち、ロボット1は、ハンド3およびアーム4を昇降させるための昇降用モータ19を備えている。昇降用モータ19には、上下方向を軸方向として柱状部材9に回転可能に取り付けられるボールネジおよびこのボールネジに係合するナット部材等の動力伝達機構を介して昇降部材8が連結されており、昇降用モータ19が回転すると、ハンド3、アーム4、アーム支持部材7および昇降部材8が柱状部材9に対して昇降する。
【0023】
旋回部材11は、上述のように、基台10に対して旋回可能となっており、ロボット1は、上下方向を旋回の軸方向として旋回部材11を旋回させるための旋回用モータ20を備えている。すなわち、ロボット1は、上下方向を旋回の軸方向としてハンド3およびアーム4を旋回させるための旋回用モータ20を備えている。旋回用モータ20には、歯車列等の動力伝達機構を介して旋回部材11に連結されており、旋回用モータ20が回転すると、ハンド3、アーム4、アーム支持部材7、昇降部材8、柱状部材9および旋回部材11が基台10に対して旋回する。なお、本形態では、上下方向から見たときに、アーム支持部材7と第1アーム部16との連結部分と、旋回部材11の旋回中心とがずれている。
【0024】
基台10は、上述のように、ベース部材6に対して水平移動可能となっており、ロボット1は、基台10を水平移動させるための水平移動用モータ21を備えている。すなわち、ロボット1は、ハンド3およびアーム4を水平移動させるための水平移動用モータ21を備えている。水平移動用モータ21には、プーリおよびベルト等の動力伝達機構を介して基台10に連結されており、水平移動用モータ21が回転すると、ハンド3、アーム4、アーム支持部材7、昇降部材8、柱状部材9、基台10および旋回部材11がベース部材6に対して水平方向へ移動する。
【0025】
アーム駆動用モータ18、昇降用モータ19、旋回用モータ20および水平移動用モータ21は、ロボット1の制御部24に接続されている。制御部24は、アーム駆動用モータ18の駆動回路、昇降用モータ19の駆動回路、旋回用モータ20の駆動回路および水平移動用モータ21の駆動回路を備えている。また、制御部24は、ROMやRAM等の記憶回路およびCPU等の演算回路等を備えており、アーム駆動用モータ18、昇降用モータ19、旋回用モータ20および水平移動用モータ21を制御する。
【0026】
以上のように構成されたロボット1は、アーム4の伸縮動作とアーム4等の昇降、旋回および水平移動との組合せによって、ハンド3に搭載された基板2を搬送する。ここで、ロボット1では、アーム4の伸縮動作の速度が速くなると、上下方向でアーム4に振動が生じやすくなり、基板2の搬送が不安定になる。また、アーム4の伸縮動作の速度が速くなればなるほど、上下方向におけるアーム4の振幅も大きくなり、基板2の搬送がより不安定になる。そこで、本形態では、以下のようにしてアーム4の伸縮動作時におけるアーム4の上下方向の振動を抑制している。
【0027】
アーム4の伸縮時におけるハンド3の移動方向(
図4のX方向)を第1方向とし、上下方向(
図4のZ方向)と第1方向とに直交する方向(
図4のY方向)を第2方向とすると、ロボット1では、予め、所定の速度でアーム4を伸縮させたときの第2方向から見たハンド3の実際の軌跡TR1(
図4(A)参照)が測定される。たとえば、ロボット1の組立完了後に組立工場において、所定の速度でアーム4を伸縮させたときのハンド3の実際の軌跡TR1が測定される。本形態では、アーム駆動用モータ18の最大仕様回転速度でアーム駆動用モータ18を回転させてアーム4を伸縮させたときのハンド3の軌跡TR1が測定される。また、ハンド3の先端の軌跡TR1が測定される。測定されたハンド3の実際の軌跡TR1は、たとえば、
図4(A)の二点鎖線で示すように変動する。
【0028】
なお、本形態では、ハンド3に搭載されている基板2の搬入を開始するとき(または基板2の搬出が完了するとき)のアーム4の状態(
図1の二点鎖線で示す位置にハンド3があるときのアーム4の状態)と、ハンド3に搭載されている基板2の搬入が完了するとき(または基板2の搬出を開始するとき)のアーム4の状態(アーム4が最も伸びた状態、
図1の実線で示す位置にハンド3があるときのアーム4の状態)とにおいて、ハンド3の先端の高さが一致するように、アーム4に対するハンド3の取付位置や取付角度がロボット1の組立時に調整されている。そのため、測定されたハンド3の実際の軌跡TR1の始点SPと終点EPとの高さが一致している。
【0029】
その後、測定されたハンド3の実際の軌跡TR1に基づいて、アーム4の伸縮時にハンド3が上下方向で振動せずに移動するようにハンド3の実際の軌跡TR1を補正するための補正曲線CC1(
図4(B)参照)が算出される。具体的には、測定されたハンド3の実際の軌跡TR1に近似する近似曲線FC1(
図4(A)参照)が算出されるとともに、第2方向から見たときにハンド3が上下方向で振動せずに第1方向へ移動したときのハンド3の理想的な軌跡である理想移動直線IL1に対して近似曲線FC1と線対称な曲線が補正曲線CC1として算出される。すなわち、第2方向から見たときに、近似曲線FC1と補正曲線CC1とは、理想移動直線IL1に対して線対称となっている。理想移動直線IL1は、第2方向から見たときに第1方向と平行になっている。また、理想移動直線IL1の始点は、軌跡TR1の始点SPと一致し、理想移動直線IL1の終点は、軌跡TR1の終点EPと一致している。
【0030】
また、本形態では、算出された補正曲線CC1とアーム駆動用モータ18の回転速度とに基づいて、アーム駆動用モータ18の回転速度に応じた(すなわち、アーム4の伸縮速度に応じた)複数の第2補正曲線CC2が算出される。具体的には、理想移動直線IL1からの振れ幅が、アーム駆動用モータ18の回転速度に比例して補正曲線CC1よりも小さくなる複数の第2補正曲線CC2が算出される。
【0031】
また、アーム4の伸縮動作時におけるアーム4の上下方向の振動を抑制するため、制御部24は、アーム4の伸縮時に、予め算出された補正曲線CC1または第2補正曲線CC2に沿ってアーム4の基端側が昇降するように(すなわち、アーム支持部材7および昇降部材8が昇降するように)昇降用モータ19を駆動する。すなわち、制御部24は、アーム4の伸縮時に、アーム駆動用モータ18の回転速度に応じた補正曲線CC1または第2補正曲線CC2に沿ってアーム4の基端側が昇降するように昇降用モータ19を駆動する。
【0032】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、アーム4の伸縮時にハンド3が上下方向で振動せずに移動するようにハンド3の実際の軌跡TR1を補正するための補正曲線CC1および第2補正曲線CC2が予め算出されており、制御部24は、アーム4の伸縮時に、予め算出された補正曲線CC1または第2補正曲線CC2に沿ってアーム4の基端側が昇降するように昇降用モータ19を駆動している。そのため、本形態では、アーム4の伸縮動作時における上下方向のアーム4の振動を抑制することが可能になる。
【0033】
また、本形態では、制御部24は、アーム4の伸縮時に、予め算出された補正曲線CC1または第2補正曲線CC2に沿ってアーム4の基端側が昇降するように昇降用モータ19を駆動しているため、アーム4の伸縮動作時における制御部24の演算処理の負担が小さい。したがって、本形態では、処理速度の遅い安価なCPU等の演算回路が制御部24に実装されても、アーム4の伸縮動作に遅れが生じるのを防止することが可能になる。その結果、本形態では、アーム4の伸縮動作時における上下方向のアーム4の振動を抑制することが可能であっても、アーム4の伸縮動作に遅れが生じるのを低コストで防止することが可能になる。
【0034】
本形態では、アーム駆動用モータ18の最大仕様回転速度でアーム駆動用モータ18を回転させてアーム4を伸縮させたときのハンド3の軌跡TR1が測定されている。また、本形態では、算出された補正曲線CC1とアーム駆動用モータ18の回転速度とに基づいて、アーム駆動用モータ18の回転速度に応じた複数の第2補正曲線CC2が算出されている。そのため、本形態では、予め測定されるハンド3の実際の軌跡TR1の測定回数は1回で良い。したがって、本形態では、ハンド3の実際の軌跡TR1の測定を容易に行うことが可能になる。
【0035】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0036】
上述した形態では、アーム4の伸縮動作時におけるアーム4の上下方向の振動が抑制されている。この他にもたとえば、ロボット1では、アーム4の伸縮動作の速度が速くなると、第2方向においてもアーム4に振動が生じやすくなり、基板2の搬送が不安定になるため、アーム4の伸縮動作時におけるアーム4の上下方向の振動が抑制されることに加えて、または、アーム4の伸縮動作時におけるアーム4の上下方向の振動が抑制されることに代えて、アーム4の伸縮動作時におけるアーム4の第2方向の振動が抑制されても良い。
【0037】
この場合には、上述した形態と同様に、予め、所定の速度でアーム4を伸縮させたときの上下方向から見たハンド3の実際の軌跡TR2(
図5(A)参照)が測定される。たとえば、ロボット1の組立完了後に組立工場において、所定の速度でアーム4を伸縮させたときのハンド3の実際の軌跡TR2が測定される。具体的には、アーム駆動用モータ18の最大仕様回転速度でアーム駆動用モータ18を回転させてアーム4を伸縮させたときのハンド3の軌跡TR2が測定される。また、たとえば、ハンド3とアーム4との連結部分の軌跡TR2が測定される。
【0038】
その後、測定されたハンド3の実際の軌跡TR2に基づいて、アーム4の伸縮時にハンド3が第2方向で振動せずに移動するようにハンド3の実際の軌跡TR2を補正するための補正曲線CC10(
図5(B)参照)が算出される。具体的には、測定されたハンド3の実際の軌跡TR2に近似する近似曲線FC2(
図5(A)参照)が算出されるとともに、上下方向から見たときにハンド3が第2方向で振動せずに第1方向へ移動したときのハンド3の理想的な軌跡である理想移動直線IL2に対して近似曲線FC2と線対称な曲線が補正曲線CC10として算出される。すなわち、上下方向から見たときに、近似曲線FC2と補正曲線CC10とは、理想移動直線IL2に対して線対称となっている。理想移動直線IL2は、上下方向から見たときに第1方向と平行になっている。
【0039】
また、上述した形態と同様に、算出された補正曲線CC10とアーム駆動用モータ18の回転速度とに基づいて、アーム駆動用モータ18の回転速度に応じた(すなわち、アーム4の伸縮速度に応じた)複数の第2補正曲線CC20が算出される。具体的には、理想移動直線IL2からの振れ幅が、アーム駆動用モータ18の回転速度に比例して補正曲線CC10よりも小さくなる複数の第2補正曲線CC20が算出される。
【0040】
また、アーム4の伸縮動作時におけるアーム4の第2方向の振動を抑制するため、制御部24は、アーム4の伸縮時に、予め算出された補正曲線CC10または第2補正曲線CC20に沿ってアーム4の基端側が移動するように旋回用モータ20を駆動する。すなわち、制御部24は、アーム4の伸縮時に、アーム駆動用モータ18の回転速度に応じた補正曲線CC10または第2補正曲線CC20に沿ってアーム4の基端側が回動するように旋回用モータ20を駆動する。
【0041】
この場合には、アーム4の伸縮動作時における第2方向のアーム4の振動を抑制することが可能であっても、アーム4の伸縮動作に遅れが生じるのを低コストで防止することが可能になる。
【0042】
上述した形態では、アーム駆動用モータ18の最大仕様回転速度でアーム駆動用モータ18を回転させてアーム4を伸縮させたときのハンド3の軌跡TR1が測定されている。この他にもたとえば、アーム駆動用モータ18の最大仕様回転速度以外の速度でアーム駆動用モータ18を回転させてアーム4を伸縮させたときのハンド3の軌跡TR1が測定されても良い。また、複数の回転速度でアーム駆動用モータ18を回転させてアーム4を伸縮させたときのそれぞれのハンド3の軌跡TR1が測定されても良い。この場合には、測定された複数の軌跡TR1のそれぞれに近似する複数の近似曲線FC1が算出され、算出された複数の近似曲線FC1のそれぞれから複数の補正曲線CC1が算出される。
【0043】
上述した形態では、アーム4の基端側は、アーム支持部材7、昇降部材8および柱状部材9を介して旋回部材11に連結されているが、アーム4の基端側は、たとえば、円筒状に形成される旋回部材に直接、連結されても良い。この場合には、たとえば、この旋回部材を回動可能に支持する支持部材が上下動可能となっている。また、上述した形態では、上下方向から見たときに、アーム支持部材7と第1アーム部16との連結部分と、旋回部材11の旋回中心とがずれているが、上下方向から見たときに、アーム支持部材7と第1アーム部16との連結部分と、旋回部材11の旋回中心とが一致していても良い。
【0044】
上述した形態では、本体部5は、水平方向へ移動可能となっているが、本体部5は、固定されていても良い。また、上述した形態では、アーム4は、第1アーム部16と第2アーム部17との2個のアーム部によって構成されているが、アーム4は、3個以上のアーム部によって構成されても良い。また、上述した形態では、ロボット1によって搬送される搬送対象物は基板2であるが、ロボット1によって搬送される搬送対象物は半導体ウエハ等であっても良い。また、ロボット1は、大気中で基板2を搬送しても良いし、真空中で基板2を搬送しても良い。