(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記装着キャップに前記開側ストッパに隣接して設けられ、前記開側当接片が乗越え可能であるとともに前記ノズルヘッドが開位置となったときに前記開側ストッパとの間で前記開側当接片を係止する開側乗越え突起と、
前記装着キャップに前記閉側ストッパに隣接して設けられ、前記閉側当接片が乗越え可能であるとともに前記ノズルヘッドが閉位置となったときに前記閉側ストッパとの間で前記閉側当接片を係止する閉側乗越え突起と、を有する請求項3記載の泡噴出容器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の泡噴出容器では、ノズルは排出流路を介して容器本体の内部に連通しているので、不使用時等において容器が横向きや倒立姿勢とされると、容器本体内の内容液が排出流路を介してノズルから外部に漏れ出すおそれがあった。また、戻し流路を設けた場合には、容器本体内の内容液が戻し流路を介してもノズルから外部に漏れ出すおそれがあった。
【0007】
本発明は、このような点を解決することを課題とするものであり、その目的は、不使用時等において容器が横向きや倒立姿勢とされても、内容液がノズルから漏れ出すことを確実に防止することができる泡噴出容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の泡噴出容器は、可撓性を有する胴部を備え、内部が内容液の収容空間となる容器本体と、内容液の排出孔および戻し孔を備え、前記容器本体の口部に装着される装着キャップと、有底筒状に形成され、前記装着キャップの内側に設けられて前記排出孔に連なる混合室を区画形成するとともに該混合室と容器本体内とを連ねる空気導入孔および液導入孔を備える区画部材と、前記排出孔に連なるノズルおよび該ノズルと前記戻し孔とを連ねる戻し流路を備え、前記装着キャップに装着されるノズルヘッドと、前記容器本体内から前記戻し孔を通した前記ノズルへの空気の流れを規制するとともに、前記ノズルから前記戻し孔を通した前記容器本体内への空気の流れを許容する逆止弁と、を有し、前記胴部のスクイズにより、前記液導入孔から前記混合室に導入される内容液を前記空気導入孔から導入される空気と混合して発泡させて前記ノズルから泡状に噴出させるとともに、前記胴部のスクイズが解除されると、前記ノズル内に残った内容液を空気とともに前記容器本体内に向けて引き込む泡噴出容器であって、前記ノズルヘッドが前記装着キャップに対して開位置と閉位置との間で回動自在とされており、前記排出孔と前記ノズルとの間に、前記ノズルヘッドが開位置のときに前記排出孔と前記ノズルとを連通し、前記ノズルヘッドが閉位置とされると前記排出孔と前記ノズルとの連通を遮断する排出側開閉機構が設けられ、前記戻し流路と前記戻し孔との間に、前記ノズルヘッドが開位置のときに前記ノズルと前記戻し孔とを連通し、前記ノズルヘッドが閉位置とされると前記ノズルと前記戻し孔との連通を遮断する戻し側開閉機構が設けられ、
前記排出側開閉機構は、前記装着キャップに設けられ、前記ノズルヘッドの側に向けて突出する排出側切替え軸と、前記装着キャップの前記排出側切替え軸の外側に該排出側切替え軸と同軸に設けられる排出側シール筒部と、前記ノズルヘッドに設けられ、前記排出側切替え軸と前記排出側シール筒部との間に回動自在に嵌合する排出側切替え筒部と、を有し、前記排出孔が前記排出側切替え軸と前記排出側シール筒部との間に開口し、前記排出側切替え軸および前記排出側切替え筒部の何れか一方に、軸方向に延びるとともに前記ノズル側の端部で開放される第1排出側切欠き部が設けられるとともに、前記排出側切替え軸および前記排出側切替え筒部の何れか他方に、軸方向に向けて前記第1排出側切欠き部と一部が重複する所定長さで延びるとともに前記排出孔の側で開放される第2排出側切欠き部が設けられ、前記ノズルヘッドが開位置のときに前記第1排出側切欠き部と前記第2排出側切欠き部とが接続されて前記排出孔と前記ノズルとが連通され、前記ノズルヘッドが閉位置のときに前記第1排出側切欠き部と前記第2排出側切欠き部とが互いに周方向にずれて前記排出孔と前記ノズルとの連通が遮断されることを特徴とする。
【0010】
本発明は、
可撓性を有する胴部を備え、内部が内容液の収容空間となる容器本体と、内容液の排出孔および戻し孔を備え、前記容器本体の口部に装着される装着キャップと、有底筒状に形成され、前記装着キャップの内側に設けられて前記排出孔に連なる混合室を区画形成するとともに該混合室と容器本体内とを連ねる空気導入孔および液導入孔を備える区画部材と、前記排出孔に連なるノズルおよび該ノズルと前記戻し孔とを連ねる戻し流路を備え、前記装着キャップに装着されるノズルヘッドと、前記容器本体内から前記戻し孔を通した前記ノズルへの空気の流れを規制するとともに、前記ノズルから前記戻し孔を通した前記容器本体内への空気の流れを許容する逆止弁と、を有し、前記胴部のスクイズにより、前記液導入孔から前記混合室に導入される内容液を前記空気導入孔から導入される空気と混合して発泡させて前記ノズルから泡状に噴出させるとともに、前記胴部のスクイズが解除されると、前記ノズル内に残った内容液を空気とともに前記容器本体内に向けて引き込む泡噴出容器であって、前記ノズルヘッドが前記装着キャップに対して開位置と閉位置との間で回動自在とされており、前記排出孔と前記ノズルとの間に、前記ノズルヘッドが開位置のときに前記排出孔と前記ノズルとを連通し、前記ノズルヘッドが閉位置とされると前記排出孔と前記ノズルとの連通を遮断する排出側開閉機構が設けられ、前記戻し流路と前記戻し孔との間に、前記ノズルヘッドが開位置のときに前記ノズルと前記戻し孔とを連通し、前記ノズルヘッドが閉位置とされると前記ノズルと前記戻し孔との連通を遮断する戻し側開閉機構が設けられ、前記戻し側開閉機構は、前記装着キャップに設けられ、前記ノズルヘッドの側に向けて突出する円筒状の第1戻し側切替え筒部と、前記装着キャップの前記第1戻し側切替え筒部の外側に該第1戻し側切替え筒部と同軸に設けられる戻し側シール筒部と、前記ノズルヘッドに設けられ、前記第1戻し側切替え筒部と前記戻し側シール筒部との間に回動自在に嵌合するとともに内側に前記戻し流路を区画形成する円筒状の第2戻し側切替え筒部と、を有し、前記戻し孔が前記第1戻し側切替え筒部と前記戻し側シール筒部との間に開口し、前記第1戻し側切替え筒部および前記第2戻し側切替え筒部の何れか一方に、軸方向に延びるとともに前記ノズル側の端部で開放される第1戻し側切欠き部が設けられるとともに、前記第1戻し側切替え筒部および前記第2戻し側切替え筒部の何れか他方に、軸方向に向けて前記第1戻し側切欠き部と一部が重複する所定長さで延びるとともに前記戻し孔の側で開放される第2戻し側切欠き部が設けられ、前記ノズルヘッドが開位置のときに前記第1戻し側切欠き部と前記第2戻し側切欠き部とが接続されて前記ノズルと前記戻し孔とが連通され、前記ノズルヘッドが閉位置のときに前記第1戻し側切欠き部と前記第2戻し側切欠き部とが互いに周方向にずれて前記ノズルと前記戻し孔との連通が遮断される
ことを特徴とする。
【0011】
本発明は、
可撓性を有する胴部を備え、内部が内容液の収容空間となる容器本体と、内容液の排出孔および戻し孔を備え、前記容器本体の口部に装着される装着キャップと、有底筒状に形成され、前記装着キャップの内側に設けられて前記排出孔に連なる混合室を区画形成するとともに該混合室と容器本体内とを連ねる空気導入孔および液導入孔を備える区画部材と、前記排出孔に連なるノズルおよび該ノズルと前記戻し孔とを連ねる戻し流路を備え、前記装着キャップに装着されるノズルヘッドと、前記容器本体内から前記戻し孔を通した前記ノズルへの空気の流れを規制するとともに、前記ノズルから前記戻し孔を通した前記容器本体内への空気の流れを許容する逆止弁と、を有し、前記胴部のスクイズにより、前記液導入孔から前記混合室に導入される内容液を前記空気導入孔から導入される空気と混合して発泡させて前記ノズルから泡状に噴出させるとともに、前記胴部のスクイズが解除されると、前記ノズル内に残った内容液を空気とともに前記容器本体内に向けて引き込む泡噴出容器であって、前記ノズルヘッドが前記装着キャップに対して開位置と閉位置との間で回動自在とされており、前記排出孔と前記ノズルとの間に、前記ノズルヘッドが開位置のときに前記排出孔と前記ノズルとを連通し、前記ノズルヘッドが閉位置とされると前記排出孔と前記ノズルとの連通を遮断する排出側開閉機構が設けられ、前記戻し流路と前記戻し孔との間に、前記ノズルヘッドが開位置のときに前記ノズルと前記戻し孔とを連通し、前記ノズルヘッドが閉位置とされると前記ノズルと前記戻し孔との連通を遮断する戻し側開閉機構が設けられるとともに、前記装着キャップに設けられ、互いに周方向にずれて配置される開側ストッパおよび閉側ストッパと、前記ノズルヘッドに設けられ、該ノズルヘッドが閉位置から開位置にまで回動したときに前記開側ストッパに当接する開側当接片と、前記ノズルヘッドに設けられ、該ノズルヘッドが開位置から閉位置にまで回動したときに前記閉側ストッパに当接する閉側当接片と、を
さらに有する
ことを特徴とする。
【0012】
本発明は、上記構成において、前記装着キャップに前記開側ストッパに隣接して設けられ、前記開側当接片が乗越え可能であるとともに前記ノズルヘッドが開位置となったときに前記開側ストッパとの間で前記開側当接片を係止する開側乗越え突起と、前記装着キャップに前記閉側ストッパに隣接して設けられ、前記閉側当接片が乗越え可能であるとともに前記ノズルヘッドが閉位置となったときに前記閉側ストッパとの間で前記閉側当接片を係止する閉側乗越え突起と、を有するのが好ましい。
【0013】
本発明は、上記構成において、前記装着キャップおよび前記ノズルヘッドの何れか一方に設けられる薄板状の音出し片と、前記装着キャップおよび前記ノズルヘッドの何れか他方に設けられ、前記ノズルヘッドが前記装着ヘッドに対して回動されたときに前記音出し片に当接して該音出し片を弾く音出しリブと、を有するのが好ましい。
【0014】
本発明は、上記構成において、前記混合室と前記排出孔との間に発泡部材が配置されるのが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ノズルヘッドを閉位置にまで回動させることにより、装着キャップに設けられた排出孔および戻し孔のノズルに対する連通を遮断することができるので、ノズルヘッドを開位置から閉位置に回動させるだけの簡単な操作で、容器本体をノズルに対して閉塞させることができる。これにより、不使用時等において容器が横向きや倒立姿勢とされても、容器本体内の内容液がノズルを通して外部に漏れ出すことを確実に防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明をより詳細に例示説明する。
【0018】
図1に示す本発明の一実施の形態である泡噴出容器1は、スクイズフォーマーとも呼ばれるものであり、シャンプー、ボディソープ、ハンドソープ、洗顔料等の各種液体洗浄剤や整髪剤等の内容液を収容するとともに、当該内容液を泡状に噴出させるものである。
【0019】
図1、
図2に示すように、この泡噴出容器1は容器本体10を備えている。容器本体10は上部を開口させた円筒状の口部11とこの口部11に連なる楕円筒状の胴部12とを備え、その内部は内容液を収容する収容空間Sとなっている。この容器本体10は合成樹脂製となっており、その胴部12は可撓性を有し、胴部12を圧搾(スクイズ)することにより収容空間Sを減容させることができるようになっている。
【0020】
容器本体10の口部11には、樹脂製の装着キャップ20が装着されている。
図2に示すように、この装着キャップ20は、容器本体10の口部11を取り囲む円筒状の外周壁21とこの外周壁21に連なる天壁22とを備えた有頂筒状に形成されている。外周壁21の内周面には係止爪21aが設けられ、この係止爪21aが容器本体10の口部11の外周面に設けられた環状の係止突起11aにアンダーカット係合することにより、装着キャップ20は口部11に固定されている。また、外周壁21の内側にはシール筒部23が同軸且つ一体に設けられ、このシール筒部23が口部11の内周面に嵌め込まれることで、装着キャップ20と口部11との嵌合部分がシールされて当該部分からの液漏れが防止されるようになっている。
【0021】
容器本体10の口部11の外周面には軸方向に沿って延びる回り止めリブ11bが一体に設けられている。一方、装着キャップ20の外周壁21の内周面には、軸方向に沿って延びる係止片21bが一体に設けられており、この係止片21bが回り止めリブ11bに係合することにより、装着キャップ20は容器本体10の口部11に対して回り止めされている。
【0022】
図2に示すように、装着キャップ20の天壁22の容器本体10の収容空間Sの側を向く下面には、口部11の軸線上に位置して円筒状の接続筒部24が一体に設けられ、この接続筒部24の下方には区画部材25が装着されている。例えば樹脂製とされる区画部材25は、接続筒部24の外径に対応した内径の円筒状の本体部25aと、本体部25aの下端に嵌合固定される孔形成部25bとを備えた有底筒状に形成され、その内側(内部)は混合室25cとなっている。孔形成部25bは、本体部25aの下端開口に空気導入孔25dと液導入孔25eとを区画形成している。空気導入孔25dは混合室25cを容器本体10の内部(収容空間S)に連通させており、容器本体10内の空気を混合室25cに導入することができる。一方、液導入孔25eには容器本体10の底部にまで延びるチューブ26が接続されており、液導入孔25eは当該チューブ26を介して混合室25cを容器本体10の内部(収容空間S)に連通させて、容器本体10内の内容液をチューブ26を介して混合室25cに導入することができるようになっている。
【0023】
なお、孔形成部25bには空気導入孔25dからの内容液の侵入を抑制するための傘状体25fが一体に設けられている。
【0024】
図2に示すように、接続筒部24の内部には一対の発泡部材27が装着されている。これらの発泡部材27としては、例えばリングの端面にメッシュを固定した構成のものが用いられ、互いのメッシュを逆側に向けた姿勢で接続筒部24の内側に嵌合固定されている。なお、発泡部材27としてはリングとメッシュを備えた構造のものに限らず、内容液の種類等に応じて種々の構成のものを用いることができる。また、発泡部材27の設置個数も内容液の種類等に応じて種々変更することができる。
【0025】
図2に示すように、装着キャップ20の天壁22には内容液の排出孔28が設けられている。この排出孔28は接続筒部24の内部を介して混合室25cに連通している。また、装着キャップ20の天壁22には、排出孔28よりも径方向外側に位置して戻し孔29が設けられている。この戻し孔29は容器本体10の内部に向けて開口している。
【0026】
図2に示すように、装着キャップ20の裏面には、戻し孔29を開閉する逆止弁30が設けられている。この逆止弁30は装着キャップ20の弁保持筒の外周に嵌合固定される円筒状の保持部30aと、この保持部30aの外周から径方向外側に延びる環状且つ膜状のシール部30bとを有し、このシール部30bの外周縁が装着キャップ20の内面に弾性的に当接している。この逆止弁30は、容器本体10内から戻し孔29を通した容器本体10の外部への空気や内容液の流れを規制するとともに、容器本体10の外部から戻し孔29を通した容器本体10内への空気や内容液の流れを許容するように作動する。
【0027】
図1に示すように、装着キャップ20には、その天壁22を覆うノズルヘッド40が装着されている。ノズルヘッド40は、例えば樹脂製とすることができる。
図2、
図3に示すように、このノズルヘッド40は、装着キャップ20の外周壁21と同等の外径を有する円筒状のカバー部41とこのカバー部41に連なる頂壁42とを備えた有頂筒状に形成されている。このカバー部41の内側には、外側から順に、それぞれカバー部41と同軸の円筒状に形成された、係合筒部43、第2戻し側切替え筒部44、排出側切替え筒部45が一体に設けられている。
【0028】
一方、
図2、
図3に示すように、装着キャップ20の天壁22には、外側から順に、それぞれノズルヘッド40側に向けて突出するとともに口部11と同軸の円筒状に形成された、戻し側シール筒部51、第1戻し側切替え筒部52、排出側シール筒部53が一体に設けられている。また、排出側シール筒部53の内側には、口部11の軸線上に位置してノズルヘッド40の側に向けて突出する円柱状の排出側切替え軸54が一体に設けられている。なお、排出側切替え軸54は円柱状に限らず、例えば円筒状に形成することもできる。
【0029】
ノズルヘッド40の係合筒部43は装着キャップ20の戻し側シール筒部51の外側に遊嵌状態でアンダーカット係合している。ノズルヘッド40の第2戻し側切替え筒部44は、装着キャップ20に設けられた第1戻し側切替え筒部52と戻し側シール筒部51との間に回動自在に嵌合するとともに、戻し側シール筒部51に対してアンダーカット係合している。つまり、第2戻し側切替え筒部44は、その内周面において装着キャップ20の第1戻し側切替え筒部52の外周面に第1戻し側切替え筒部52に対して回動自在に嵌合するとともに、その外周面において戻し側シール筒部51の内周面に戻し側シール筒部51に対して回動自在に嵌合し且つアンダーカット係合している。なお、第2戻し側切替え筒部44の外周面と戻し側シール筒部51の内周面との間は、これらが全周に亘って互いに摺動可能に当接することで液密にシールされており、第2戻し側切替え筒部44の内周面と第1戻し側切替え筒部52の外周面との間は、これらが後述する第1戻し側切欠き部64および第2戻し側切欠き部65以外の部分において全周に亘って互いに摺動可能に当接することで液密にシールされている。また、ノズルヘッド40の排出側切替え筒部45は、装着キャップ20に設けられた排出側切替え軸54と排出側シール筒部53との間に回動自在に嵌合するとともに、排出側シール筒部53に対してアンダーカット係合している。つまり、排出側切替え筒部45は、その内周面において装着キャップ20の排出側切替え軸54の外周面に排出側切替え軸54に対して回動自在に嵌合するとともに、その外周面において装着キャップ20の排出側シール筒部53の内周面に排出側シール筒部53に対して回動自在に嵌合し且つアンダーカット係合している。なお、排出側切替え筒部45の外周面と排出側シール筒部53の内周面との間は、これらが全周に亘って互いに摺動可能に当接することで液密にシールされており、排出側切替え筒部45の内周面と排出側切替え軸54の外周面との間は、これらが後述する第1排出側切欠き部61および第2排出側切欠き部62以外の部分において全周に亘って互いに摺動可能に当接することで液密にシールされている。これにより、ノズルヘッド40は装着キャップ20に対して抜け止めされるとともに、装着キャップ20に対して容器本体10の口部11の軸心を中心として、
図3に示す開位置と該開位置から
図3中で時計回り方向に90度回転した閉位置(
図6参照)との間で回動自在となっている。
【0030】
図2に示すように、ノズルヘッド40には、側方やや上方に向けて突出するノズル46が一体に設けられている。排出側切替え筒部45の内側は排出孔28に連通する排出側流路47となっており、ノズル46はこの排出側流路47を介して排出孔28に連通している。なお、排出孔28は排出側切替え軸54と排出側シール筒部53との間に開口している。また、ノズルヘッド40の排出側切替え筒部45と第2戻し側切替え筒部44との間は戻し流路48となっており、ノズル46はこの戻し流路48を介して戻し孔29に連通している。なお、戻し孔29は第1戻し側切替え筒部52と戻し側シール筒部51との間に開口している。
【0031】
図2、
図3に示すように、ノズル46と排出孔28の間に設けられた排出側流路47には、ノズルヘッド40が開位置のときに排出孔28とノズル46の内部通路とを連通し、ノズルヘッド40が閉位置とされたときにノズル46の内部通路と排出孔28との連通を遮断する排出側開閉機構60が設けられている。この排出側開閉機構60は、排出側切替え軸54に設けられる一対の第1排出側切欠き部61と、排出側切替え筒部45に設けられる一対の第2排出側切欠き部62とを有して構成されている。
【0032】
排出側切替え軸54に設けられる一対の第1排出側切欠き部61は、それぞれ排出側切替え軸54の外周面にその軸方向に沿って延びる溝状に形成され、互いに点対称位置に配置されている。これらの第1排出側切欠き部61の周方向での開口幅は、それぞれ全周の1/4以下つまり90度以下の角度範囲とされている。また、これらの第1排出側切欠き部61は、排出側切替え軸54のノズル46側を向く上端部で開放されるとともに排出側切替え軸54の軸方向の略中間位置で止められている。
【0033】
一方、排出側切替え筒部45に設けられる一対の第2排出側切欠き部62は、それぞれ排出側切替え筒部45の内周面にその軸方向に沿って延びる溝状に形成され、互いに点対称位置に配置されている。これらの第2排出側切欠き部62の周方向での開口幅は、それぞれ全周の1/4以下つまり90度以下の角度範囲とされている。また、これらの第2排出側切欠き部62は、排出側切替え筒部45の排出孔28の側を向く下端部で開放されるとともに排出側切替え筒部45の軸方向の略中間位置で止められ、その一部が第1排出側切欠き部61に対して軸方向範囲が重複するようなっている。
【0034】
図2、
図3に示すように、ノズルヘッド40が開位置のときには、一対の第1排出側切欠き部61は、それぞれ対応する第2排出側切欠き部62と周方向位置が一致し、互いに接続される。これにより、第1排出側切欠き部61および第2排出側切欠き部62を介して排出孔28がノズル46に連通される。一方、
図5、
図6に示すように、ノズルヘッド40が閉位置にまで回動されると、一対の第1排出側切欠き部61は、それぞれ対応する第2排出側切欠き部62に対して周方向に90度ずれて互いの接続が解除され、排出孔28はノズル46との連通が遮断される。
【0035】
図2、
図3に示すように、ノズル46と戻し孔29との間に設けられた戻し流路48には、ノズルヘッド40が開位置のときに戻し孔29とノズル46とを連通し、ノズルヘッド40が閉位置とされたときにノズル46と戻し孔29との連通を遮断する戻し側開閉機構63が設けられている。この戻し側開閉機構63は、第1戻し側切替え筒部52に設けられる一対の第1戻し側切欠き部64と、第2戻し側切替え筒部44に設けられる一対の第2戻し側切欠き部65とを有して構成されている。
【0036】
第1戻し側切替え筒部52に設けられる一対の第1戻し側切欠き部64は、それぞれ第1戻し側切替え筒部52の一部を周方向に所定の範囲で切り欠いて構成され、互いに点対称位置に配置されている。これらの第1戻し側切欠き部64の周方向での開口幅は、それぞれ全周の1/4以下つまり90度以下の角度範囲とされている。また、これらの第1戻し側切欠き部64は、第1戻し側切替え筒部52のノズル46側を向く上端部で開放されるとともに第1戻し側切替え筒部52の軸方向の略中間位置で止められている。
【0037】
一方、第2戻し側切替え筒部44に設けられる一対の第2戻し側切欠き部65は、それぞれ第2戻し側切替え筒部44の内周面にその軸方向に沿って延びる溝状に形成され、互いに点対称位置に配置されている。これらの第2戻し側切欠き部65の周方向での開口幅は、それぞれ全周の1/4以下つまり90度以下の角度範囲とされている。また、これらの第2戻し側切欠き部65は、第2戻し側切替え筒部44の戻し孔29の側を向く下端部で開放されるとともに第2戻し側切替え筒部44の軸方向の略中間位置で止められ、その一部が第1戻し側切欠き部64に対して軸方向範囲が重複するようなっている。
【0038】
図2、
図3に示すように、ノズルヘッド40が開位置のときには、一対の第1戻し側切欠き部64は、それぞれ対応する第2戻し側切欠き部65と周方向位置が一致し、互いに接続される。これにより、第1戻し側切欠き部64および第2戻し側切欠き部65を介して戻し孔29がノズル46に連通される。一方、
図5、
図6に示すように、ノズルヘッド40が閉位置にまで回動されると、一対の第1戻し側切欠き部64は、それぞれ対応する第2戻し側切欠き部65に対して周方向に90度ずれて互いの接続が解除され、戻し孔29はノズル46との連通が遮断される。
【0039】
図3、
図4に示すように、装着キャップ20には開側ストッパ70および閉側ストッパ71が設けられている。開側ストッパ70および閉側ストッパ71は、それぞれ装着キャップ20の戻し側シール筒部51の根元部分から径方向外側に向けて突出して設けられており、その先端はノズルヘッド40のカバー部41の内周面に対向している。開側ストッパ70と閉側ストッパ71は、本実施の形態においては、平面視で線対称となるように配置されている。
【0040】
一方、
図3、
図4に示すように、ノズルヘッド40のカバー部41の内周面には開側当接片72と閉側当接片73が一体に設けられている。開側当接片72と閉側当接片73は、互いに周方向に約90度ずれて配置されている。
図3に示すように、ノズルヘッド40が閉位置の側から回動して開位置にまで達すると、開側当接片72が開側ストッパ70に当接して、ノズルヘッド40の開位置を超えた回動が阻止される。一方、
図6に示すように、ノズルヘッド40が開位置の側から回動して閉位置にまで達すると、閉側当接片73が閉側ストッパ71に当接して、ノズルヘッド40の閉位置を越えた回動が阻止される。これにより、ノズルヘッド40の装着キャップ20に対する回動範囲が、開位置と閉位置との間に規制されている。
【0041】
また、
図3、
図4に示すように、装着キャップ20には、開側ストッパ70に隣接する開側乗越え突起74と、閉側ストッパ71に隣接する閉側乗越え突起75が一体に設けられている。開側乗越え突起74は開側ストッパ70に対してその径方向外側への突出高さが低く形成されるとともに周方向に滑らかに湾曲する形状に形成され、これにより、ノズルヘッド40が開位置に向けて回動する際に開側当接片72が開側乗越え突起74を乗り越えることができるようになっている。また、開側乗越え突起74には係止凹部74aが設けられ、ノズルヘッド40が開位置となると、開側当接片72が係止凹部74aに配置されて開側ストッパ70と開側乗越え突起74の間で周方向に係止されるようになっている。このような構成により、ノズルヘッド40を開位置に保持することができる。
【0042】
同様に、閉側乗越え突起75は閉側ストッパ71に対してその径方向外側への突出高さが低く形成されるとともに周方向に滑らかに湾曲する形状に形成され、これにより、ノズルヘッド40が閉位置に向けて回動する際に閉側当接片73が閉側乗越え突起75を乗り越えることができるようになっている。また、閉側乗越え突起75には係止凹部75aが設けられ、
図6に示すように、ノズルヘッド40が閉位置となると、閉側当接片73が係止凹部75aに配置されて閉側ストッパ71と閉側乗越え突起75の間で周方向に係止されるようになっている。このような構成により、ノズルヘッド40を閉位置に保持することができる。
【0043】
さらに、
図3に示すように、装着キャップ20には薄板状の音出し片76が設けられている。この音出し片76は薄い板状に形成され、装着キャップ20の戻し側シール筒部51の根元部分の、一対のストッパ70、71の間の周方向中間位置から、周方向に垂直な姿勢で径方向外側に向けて突出している。一方、ノズルヘッド40には一対の音出しリブ77が設けられている。これらの音出しリブ77は、それぞれノズルヘッド40のカバー部41の内周面に軸方向に延びるとともに径方向内側に向けて突出するリブ状に形成され、互いに周方向に90度以下の角度でずれて配置されている。音出し片76は、ノズルヘッド40が開位置から閉位置に向けて回動を開始する際に一方の音出しリブ77により弾かれて弾き音を発するとともに、ノズルヘッド40が閉位置に達する直前に他方の音出しリブ77により弾かれて弾き音を発する。また、音出し片76は、ノズルヘッド40が閉位置から開位置に向けて回動を開始する際に他方の音出しリブ77により弾かれて弾き音を発するとともに、ノズルヘッド40が開位置に達する直前に一方の音出しリブ77により弾かれて弾き音を発する。このような音出し片76および音出しリブ77を設けたことにより、ノズルヘッド40が開位置または閉位置に達したことを、ユーザに音で知らせることができる。
【0044】
なお、音出し片76をノズルヘッド40の側に設け、音出しリブ77を装着キャップ20の側に設ける構成とすることもできる。
【0045】
このような構成の泡噴出容器1では、
図2、
図3に示すように、ノズルヘッド40が開位置とされると、排出側開閉機構60が開状態となってノズル46と排出孔28とが連通されるとともに、戻し側開閉機構63が開状態となってノズル46と戻し孔29とが連通され、内容液の噴出が可能な使用可能状態とされる。なお、ノズルヘッド40が開位置のときには、ノズル46は楕円断面の容器本体10の長径方向側となる側方に向けられる。
【0046】
ノズルヘッド40が開位置とされた状態で、容器本体10の胴部12が圧搾(スクイズ)されると、容器本体10の収容空間Sに収容された内容液がチューブ26と液導入孔25eを介して混合室25cに導入されるとともに容器本体10内の空気が空気導入孔25dを介して混合室25cに導入され、混合室25cの内部で内容液が空気と混合されて発泡し、泡状化される。また、泡状化された内容液は、発泡部材27を通過することで、さらに発泡、整泡されながら排出孔28から排出される。排出孔28から排出された泡状の内容液は排出側流路47を通ってノズル46に達し、ノズル46の開口から外部に泡状に噴出される。
【0047】
内容液の噴出後に胴部12の圧搾が解除されると、胴部12が元の形状に復元することで容器本体10内に負圧が発生し、この負圧により逆止弁30が開いてノズル46の内部に残留した内容液がノズル46から吸引される空気(外気)とともに戻し流路48および戻し孔29を介して容器本体10の内部に引き込まれる。サックバック機能とも呼ばれるこのような機能により、噴出後にノズル46の内部に残留した内容液を空気とともに容器本体10内に向けて引き込んで、当該内容液がノズル46の開口から外部へ垂れ落ちることを防止することができる。
【0048】
一方、不使用時等においては、ノズルヘッド40を装着キャップ20に対して90度回動させて閉位置とすることにより、排出側開閉機構60を閉状態としてノズル46と排出孔28との連通を遮断するとともに、戻し側開閉機構63を閉状態としてノズル46と戻し孔29との連通を遮断することができる。なお、ノズルヘッド40が閉位置のときには、ノズル46は楕円断面の容器本体10の短径方向側の側方に向けられる。
【0049】
このように、ノズルヘッド40を開位置から閉位置にまで回動させることにより、装着キャップ20に設けられた排出孔28および戻し孔29のノズル46に対する連通を遮断して容器本体10をノズル46に対して閉塞させることができる。これにより、ノズルヘッド40を開位置から閉位置に回動させるだけの簡単な操作で、不使用時等において容器が横向きや倒立姿勢とされても、容器本体10内の内容液がノズル46を通して外部に漏れ出すことを確実に防止することができる。
【0050】
また、使用の際には、ノズルヘッド40を閉位置から開位置に回動させるだけの簡単な操作で、この泡噴出容器1を内容液の噴出が可能な状態に切り替えることができる。
【0051】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0052】
例えば、排出側開閉機構60は、第1排出側切欠き部61を排出側切替え筒部45に設け、第2排出側切欠き部62を排出側切替え軸54に設ける構成とすることもでき、戻し側開閉機構63は、第1戻し側切欠き部64を第2戻し側切替え筒部44に設け、第2戻し側切欠き部65を第1戻し側切替え筒部52に設ける構成とすることもできる。
【0053】
さらに、区画部材25に設けられる空気導入孔25dや液導入孔25eの構成、逆止弁30の構成等は、その機能を有するものであれば、種々の構成のものとするができる。