(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
<多層離型フィルム>
本発明の多層離型フィルムは、離型層がクッション層の両面に積層された多層離型フィルムであって、前記離型層がポリブチレンテレフタレート(A)を主成分、即ち50〜100質量%であって、かつ厚みが32〜73μmの範囲にあり、23℃における引張弾性率(JISK7127(1999年)に準じて測定)が1100〜1400MPaであることを特徴とする。また、本発明の多層離型フィルムのクッション層の両面に積層された離型層の少なくとも一方の離型層の表面の表面粗さ(Ra)(JIS B0601(1994年)に準じて測定)が耐シワ性向上やプリント配線基板等への離型層の表面凹凸の転写防止の観点から、0.3〜10μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがより好ましく、1〜5μmであることがさらに好ましく、1.5〜4μmであることが最も好ましい。さらに、本発明の多層離型フィルムにおいて、クッション層の両面に積層された離型層の双方が前記表面粗さ(Ra)を有することが耐シワ性の安定的な向上の観点から好ましい。
以下、本発明の多層離型フィルムの各構成層について詳述する。
【0015】
<多層離型フィルムの構成層の詳細>
1.離型層
離型層は、後述するポリブチレンテレフタレート(A)を主成分として構成されている。本発明に係る離型層はクッション層の両側の表面に設けられるが、これら両側の離型層を構成する樹脂組成については双方の離型層の樹脂組成が同一であっても異なっていてもよい。本発明に係る離型層の厚みは32〜73μmであり、好ましくは37〜68μm、さらに好ましくは42〜63μmである。離型層の厚みが32μm未満であると、プリント配線基板等の製作の際の加熱プレス時にフィルムが軟化し伸びて弛み、シワの原因となる可能性があり、一方、厚みが73μmを超えるといわゆる埋め込み性が低下し、カバーレイフィルムからの接着剤の浸み出しが防げずにプリント配線基板等の電極端子を毀損してしまう可能性がある。なお、明細書において、埋め込み性とは、プリント配線基板等の製作時にカバーレイフィルムの切欠き部の電極端子の露出部分に隙間なく密着する性質をいうものとする。また、離型層のJISK7127(1999年)に準じて測定した23℃におけるMD方向の引張弾性率が1100〜1400MPa、好ましくは1150〜1350MPa、より好ましくは1200〜1300MPaである。離型層の引張弾性率が1100MPa未満であるとプリント配線基板等の製作時にフィルムが軟化し伸びて弛み、シワが生じやすくなる可能性があり、一方1400MPaを超えると埋め込み性が低下してプリント配線基板等の製作時にカバーレイフィルムから接着剤が染み出して電極端子を毀損する恐れがある。ここで、MD方向とは離型層の原反フィルムのフィルム成形時における流れ方向をいう。
【0016】
1−2.ポリブチレンテレフタレート(A)
本発明に係る離型層を構成するポリブチレンテレフタレート(A)は、1.4−ブタンジオールとテレフタル酸から得られるエステルである。ポリブチレンテレフタレート(A)は、フィルムの製膜性や低汚染性の観点から、好ましくは、固有粘度(IV)が1.0〜1.3、より好ましくは1.0〜1.2の範囲にある。なお、本発明に係るポリブチレンテレフタレート(A)の固有粘度(IV)は、オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から下式によって計算される値を用いる。すなわち、ηsp/C=[η]+K[η]
2×C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1、Cは溶媒100mlあたりの溶解ポリマー質量(g/100ml)、Kはハギンス定数(0.343とする)である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いた測定により求められる。また、本発明に係るポリブチレンテレフタレート(A)は、減圧下もしくは不活性ガス流通下で200℃以上の温度で固相重合した原料を使用することが好ましい。固相重合することによりフィルム成形しやすい固有粘度に調整でき、さらに末端カルボン酸基量の減少、オリゴマーの減少が期待できる。
【0017】
本発明に係るポリブチレンテレフタレート(A)は、1,4−ブタンジオールとテレフタル酸との重合体を骨格に有する限り、1,4−ブタンジオールとテレフタル酸とからなる、所謂、PBTと称されるポリブチレンテレフタレートであっても、ポリブチレンテレフタレートとポリエーテル、ポリエステル、あるいはポリカプロラクタムなどとのブロック共重合体であってもよい。
【0018】
本発明に係るポリブチレンテレフタレート(A)は、例えば、ポリプラスチックス社から、商品名 ジュラネックス700FP(IV:1.1)、三菱エンジニアリングプラスチック社から、商品名 ノバデュラン5010CS(IV:1.1)、長春社から、商品名 1100−211S(IV:1.2)として、製造・販売されている。
本発明に係るポリブチレンテレフタレート(A)のガラス転移点と融点は、示差走査型熱量計(DSC)を用いて280℃で5分間加熱溶融した後、液体窒素で急冷して得たサンプル約10mgを精秤し、窒素気流中、10℃/分の昇温速度で280℃まで昇温して熱融解曲線を得、得られた熱融解曲線から、ガラス転移点(Tg)(℃)と融点(Tm)(℃)が求められる。
【0019】
また、本発明に係るポリブチレンテレフタレート(A)には、本発明の目的を損なわない範囲で、慣用の添加剤などを配合することが出来る。斯かる添加剤としては、特に制限されず、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤などの安定剤の他、滑剤、紫外線吸収剤、触媒失活剤、結晶核剤などが挙げられる。これらの添加剤は、重合途中または重合後に添加することが出来る。更に、本発明に係るポリブチレンテレフタレート(A)に、所望の性能を付与するため、難燃剤、染顔料などの着色剤、帯電防止剤、発泡剤、可塑剤、耐衝撃性改良剤などを配合することが出来る。
【0020】
安定剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−オクチルフェノール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3’,5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等のフェノール化合物、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−ラウリルチオジプロピオネート)等のチオエーテル化合物、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等の燐化合物などの抗酸化剤、滑剤としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、モンタン酸やモンタン酸エステルに代表される長鎖脂肪酸およびそのエステルなどが挙げられる。
【0021】
結晶核剤としては、脂肪族エステル、脂肪族アミド、脂肪酸金属塩等が挙げられ、脂肪族エステルとしては、ステアリン酸モノグリセライド、ベヘニン酸モノグリセライド等の脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド等のヒドロキシ脂肪酸エステル;脂肪族アミドとしては12−ヒドロキシステアリン酸モノエタノールアミド等のヒドロキシ脂肪酸モノアミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスカプリル酸アミド等の脂肪族ビスアミド、エチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド等のヒドロキシ脂肪酸ビスアミド;脂肪酸金属塩としては、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム等のヒドロキシ脂肪酸金属塩等が挙げられる。結晶化速度と耐熱性、感温性、さらには透明性の観点から、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド、ベヘニン酸モノグリセライド、エチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸モノエタノールアミド、エチレンビスカプリル酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミドが好ましく、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド、エチレビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸モノエタノールアミドがより好ましく、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド、エチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミドがさらに好ましく、エチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミドが特に好ましい。
【0022】
難燃剤としては、例えば、有機ハロゲン化合物、アンチモン化合物、リン化合物、その他の有機難燃剤、無機難燃剤などが挙げられる。有機ハロゲン化合物としては、例えば、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂、臭素化ポリフェニレンエーテル樹脂、臭素化ポリスチレン樹脂、臭素化ビスフェノールA、ポリペンタブロモベンジルアクリレート等が挙げられる。アンチモン化合物としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ等が挙げられる。リン化合物としては、例えば、リン酸エステル、ポリリン酸、ポリリン酸アンモニウム、赤リン等が挙げられる。その他の有機難燃剤としては、例えば、メラミン、シアヌール酸などの窒素化合物などが挙げられる。その他の無機難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ケイ素化合物、ホウ素化合物などが挙げられる。
【0023】
さらに、本発明に係るポリブチレンテレフタレート(A)には、本発明の目的を損なわない範囲で、強化充填材を配合することが出来る。強化充填材としては、特に制限されないが、例えば、板状無機充填材、セラミックビーズ、アスベスト、ワラストナイト、タルク、クレー、マイカ、ゼオライト、カオリン、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムや、ガラス繊維、カーボン繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、ホウ素繊維、窒化ホウ素繊維、窒化ケイ素チタン酸カリウム繊維、金属繊維などの無機繊維、芳香族ポリアミド繊維、フッ素樹脂繊維などの有機繊維などが挙げられる。これらの強化充填材は、2種以上を組み合わせて使用することが出来る。上記の強化充填材の中では、無機充填材、特に酸化ケイ素からなる不定形粒子が好適に使用される。
【0024】
強化充填材は、ポリブチレンテレフタレート(A)との界面密着性を向上させるため、表面処理剤で表面処理して使用することが好ましい。表面処理剤としては、例えば、エポキシ系化合物、アクリル系化合物、イソシアネート系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物などの官能性化合物が挙げられる。強化充填材は、収束剤または表面処理剤により予め表面処理しておくことが出来、または、ポリブチレンテレフタレート(A)の組成物の調製の際に、表面処理剤を添加して表面処理することも出来る。強化充填材の添加量は、ポリブチレンテレフタレート(A)100質量部に対し、通常、150質量部以下、好ましくは1〜50質量部の範囲である。
【0025】
本発明に係るポリブチレンテレフタレート(A)には、必要に応じて、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸エステル、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、液晶ポリエステル、ポリアセタール、ポリフェニレンオキサイド等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を配合することが出来る。これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、2種以上を組み合わせて使用することも出来る。
【0026】
本発明に係るポリブチレンテレフタレート(A)に、更に、結晶核剤(B)を添加することが耐熱性、プリント配線基板等の製造時には耐シワ性および剥離性向上の観点から好ましい。結晶核剤(B)の添加量としては、ポリブチレンテレフタレート(A)100質量部に対して、好ましくは3質量部以下、より好ましくは0.01〜0.5質量部含む、さらに好ましくは0.05〜0.3質量部含むと、より剥離性に優れる剥離フィルムを得ることができる。
【0027】
本発明に係るポリブチレンテレフタレート(A)に配合して使用される結晶核剤(B)としては、公知の有機系結晶核剤や無機系結晶核剤を用いることができる。無機系結晶核剤としては、タルク、カオリン、モンモリロナイト、合成マイカ、クレー、ゼオライト、シリカ、グラファイト、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、硫化カルシウム、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウム、第2リン酸アルミニウム、第3リン酸カルシウム及びフェニルホスホネートの金属塩等を挙げることができる。これらの無機系結晶核剤は、組成物中での分散性を高めるために、有機物で修飾されていてもよい。
【0028】
有機系結晶核剤としては、フェニルホスホン酸(塩)又はその誘導体、例えば、フェニルホスホン酸亜鉛、フェニルホスホン酸ジクロライド、フェニルホスホン酸ジメチル、リン酸メラミン、ビス(p-メチルペンジリデン)ソルビトール,ビス(p-トルイリデン)ソルビトール等が好ましい。その他の有機系結晶核剤としては、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸カルシウム、安息香酸マグネシウム、安息香酸バリウム、テレフタル酸リチウム、テレフタル酸ナトリウム、テレフタル酸カリウム、シュウ酸カルシウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸カルシウム、オクタコサン酸ナトリウム、オクタコサン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、トルイル酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム、サリチル酸亜鉛、アルミニウムジベンゾエート、カリウムジベンゾエート、リチウムジベンゾエート、ナトリウムβ−ナフタレート、ナトリウムシクロヘキサンカルボキシレート等の有機カルボン酸金属塩、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、スルホイソフタル酸ナトリウム等の有機スルホン酸塩、ステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、パルチミン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、トリメシン酸トリス(t−ブチルアミド)等のカルボン酸アミド、エチレン−アクリル酸又はメタクリル酸コポリマーのナトリウム塩、スチレン−無水マレイン酸コポリマーのナトリウム塩等のカルボキシル基を有する重合体のナトリウム塩又はカリウム塩(いわゆるアイオノマー)、ベンジリデンソルビトール及びその誘導体、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート等のリン化合物金属塩、及び2,2−メチルビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム等を挙げることができる。これら結晶核剤の中では、ビス(4−メチルベンジリデン)ソルビトール、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ステアリン酸マグネシウム、エチレン・ビスステアリン酸アミドなどが好ましい。
【0029】
2.クッション層
本発明に係るクッション層により、多層離型フィルムを使用する際に、離型層の所定の厚みと引張弾性率に起因する効果と相まって加熱プレスの圧力を均一にかけることができ、プリント配線基板等の凹凸に追従できるといういわゆる埋め込み性を多層離型フィルムに付与することができる。また、前記クッション層のビカット軟化温度が50〜150℃であることにより多層離型フィルムに剛性を付与し、プリント配線基板等の加工の際の加熱プレス時に弛みを減少させてシワの発生を抑止することおよび多層離型フィルム自体に発生するボイドを効果的に防止することができる。なお、クッション層のビカット軟化温度はJISK7206(1999年)に準じて測定された値である。また、クッション層のビカット軟化温度は多層離型フィルムに適切な剛性を付与し、プリント配線基板等の加工の際のシワ発生を防止するという観点から、70〜120℃がより好ましい。また、クッション層の厚みは20〜80μmが好ましく、25〜60μmがさらに好ましく、30〜50μmが最も好ましい。クッション層の厚みを20〜80μmに範囲にすることにより、埋め込み性、耐汚染性、および離型性をより向上させることができる。
【0030】
本発明に係るクッション層を構成する樹脂として、具体的には低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンメチルメタクリレート共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンプロピレン共重合体、エチレンブテン共重合体、プロピレンブテン共重合体、などのポリオレフィン樹脂、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体などのアクリル系樹脂の共重合体、を単独で使用しても2種類以上が併用されてもよい。その中でもクッション層を構成する樹脂として埋め込み性およびクッション層と離型層との接着安定性の観点からエチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体が好ましい。さらに、クッション層を構成する樹脂として、エチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体(B)に加え、ポリブチレンテレフタレート(A)を含有していることがプリント配線基板等の製作の際の多層離型フィルムの剥離性向上や熱プレス時にクッション層を構成する軟化温度の低い樹脂が染み出して基板やプレス熱板を汚染することを抑制する観点から好ましい。クッション層でのポリブチレンテレフタレート(A)の含有量としては多層離型フィルムの剥離性向上や低汚染性の観点から50質量%を上限としてエチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体とともに含有させることが好ましく、より好ましくは5〜45質量%、さらに好ましくは10〜40質量%である〔但し、(A)+(B)=100質量%とする。〕。
【0031】
2−1.エチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体(B)
本発明の多層離型フィルムのクッション層を構成するエチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体(B)は、エチレンと不飽和カルボン酸エステルであるアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルからなる共重合体である。 本発明に係るエチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体(B)のメルトフローレート(MFR)は0.1〜20g/10分であることが好ましく、より好ましくは0.5〜15g/10分であり、さらに好ましくは1〜10g/10分である。MFRが小さすぎると押出加工した時に押出機の負荷が高くなることがあり、MFRが大きすぎると押出加工時に押出し量が一定化しないいわゆるサージングが発生することがある。なお、エチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体(B)のMFRは、JIS K 7210に従い、温度190℃ 、荷重21.18Nの条件で測定される。
【0032】
本発明に係るエチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体(B)は、公知の製造方法、例えば、有機過酸化物や酸素等の遊離基発生剤を使用するラジカル共重合反応等が挙げられる。ラジカル共重合反応は、通常130〜300℃の重合温度、通常40〜300MPaの重合圧力で実施される。
本発明に係るエチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体(B)におけるアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルから誘導される繰り返し単位の含有量は2〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは5〜25重量% である。当該含有量が少なすぎると、クッション性が低くなることがあり、該含有量が多すぎると、フィルムに加工する際に耐熱性が低下し、冷却ロールに巻き付く等の加工性に劣ることがある。
【0033】
本発明に係るエチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体(B)のうち、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体は、例えば、住友化学社から、商品名 アクリフトWD201(MFR:2g/10分、メタクリル酸メチル単量体単位含有量:10質量%)、アクリフトWD206(MFR:2g/10分、メタクリル酸メチル単量体単位含有量:20質量%)として、製造・販売されている。
【0034】
本発明に係るエチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体(B)の融点は、示差走査型熱量計(DSC)を用いて160℃で5分間加熱溶融した後、液体窒素で急冷して得たサンプル約10mgを精秤し、窒素気流中、10℃/分の昇温速度で160℃まで昇温して熱融解曲線を得、得られた熱融解曲線から、融点(Tm)(℃)が求められる。
【0035】
<多層離型フィルムの製造方法>
本発明の離型多層離型フィルムは、種々公知のフィルムの成形方法により製造できる。例えば、本発明の離型多層離型フィルムを製造する場合は、多層T−ダイあるいは多層環状ダイを用いて、共押出成形することにより製造することができ、その他の押出ラミネート法、ドライラミネート法などの公知のラミネート方法を用いても良い。その中でも上記多層T−ダイを用いてなる共押出成形法が各層の膜厚を均一にでき、また幅広化ができる点で優れており、幅広の積層体を製造した後、多種多様なFPCの幅に合わせた幅にスリットすることが容易なため、FPC製造用の多層離型フィルムの製造方法として好ましい。
【0036】
本発明の多層離型フィルムは、上記記載の製造方法で得られた多層離型フィルムを、さらに加熱処理すると離型性が向上するので好ましい。本発明の多層離型フィルムを加熱処理する方法は、種々公知の方法、具体的には、テンター法で成形して得たロール状の多層離型フィルムを加熱された熱風オーブンにロールツーロール方式で通す方法、または、ロールツーロール方式で通しているライン上に、赤外線ヒーターなどのヒーターを設置して多層離型フィルムを加熱する方法、ロール状の多層離型フィルムを所定の寸法にカットした枚葉状のフィルムで、熱風オーブンで加熱処理する方法、テンター法で成形したロール状の多層離型フィルムをロール巻取り方式で加熱したロールに接触させる方法などである。
【0037】
多層離型フィルムを加熱する熱源としては特に限定はされないが、赤外線ヒーターである遠赤外線ヒーターや短波長赤外線ヒーター、中波長赤外線ヒーター、カーボンヒーターなどが好ましい。また、テンター法で成形したロール状の多層離型フィルムをロールツーロール方式で加熱したロールに接触させる方法は、加熱したロールに直接多層離型フィルムが接触するため、多層離型フィルム表面の熱伝達が早くて済むため、加熱処理時間が比較的短時間にできるため生産性を向上させることができる。
【0038】
多層離型フィルムを構成する離型層の表面に所定の表面粗さ(Ra)を付与するための方法として、生産効率の観点からエンボスロールによりエンボス処理をすることが好ましい。エンボスロールによるエンボス処理の場合、製膜した多層離型フィルムを高温高圧下にて、マットロールにフィルムを通すことによって行う方法、多層離型フィルムを製膜しながらダイレクトにエンボスロールに押し当てて行う方法などが利用できる。当該エンボスロールによるエンボス処理を行う方法では、エンボスロールの温度によって多層離型フィルムの離型層の表面粗さ(Ra)を制御することができ、エンボスロールの温度は、150〜200℃でエンボス処理を行なうことにより所定の表面粗さ(Ra)を得ることができる。エンボスロールの温度が200℃を超えると、多層離型フィルムが軟化しすぎてエンボスロールへの密着が強くなりすぎ、エンボスロールからの離型が難しくなる。一方、エンボスロールの温度が150℃より低いとエンボスロールにて押圧後の多層離型フィルムの表面粗さ(Ra)が小さくなることがある。
【0039】
また、エンボスロールの柄は、円形、方形等の規則性柄であってもサンドブラストの不規則柄であってもよく、特に制限されないが汎用のサンドブラスト模様が加熱されたフィルムの滑り性が良い点で適している。さらに、エンボスロールの表面粗さRaは、1〜20μm、好ましくは2〜15μm、さらに好ましくは3〜10μmである。エンボスロールの表面粗さに対して、上述したようにエンボスロール温度を適宜選択することで、エンボスロールからフィルムへのエンボス転写率を制御することができるが、エンボス処理時のエンボスロールの線圧によってもエンボス転写率を制御することができ、好ましい線圧は20〜150kg/cm、さらに好ましい線圧は50〜100kg/cmである。
【0040】
また、多層離型フィルムの離型層の表面に効率よく凹凸を設ける為に、エンボスロール直前に予熱ロールを設けても良い。予熱ロールとは、フィルムを予め加熱するための加熱されたロールをいう。予熱ロール温度は、50〜180℃、好ましくは90〜160℃である。
【0041】
(実施例)
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。使用した樹脂組成物等は次の通りである。
本発明の実施例及び比較例で用いたポリブチレンテレフタレート及び結晶核剤、エチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体を以下に示す。
(1)ポリブチレンテレフタレート(A)(PBT(A))
(A−1)Tg=52℃、Tm=223℃、IV=1.1
〔ポリプラスチックス(株)製、商品名:ジュラネックス700FP〕
(A−2)Tg=54℃、Tm=227℃、IV=1.2
〔長春製、商品名:1100−211S〕
(A−3)Tg=46℃、Tm=223℃、IV=1.1
〔三菱エンジニアリングプラスチック(株)製、商品名:ノバデュラン5010CS〕
(A−4)Tg=46℃、Tm=219℃、IV=1.2
〔三菱エンジニアリングプラスチック(株)製、商品名:ノバデュラン5505S〕
(2)エチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体(B)(EMMA(B))
(B−1)Tm=100℃、MFR(g/10min)=2
〔住友化学(株)製、商品名:アクリフトWD201〕
(3)結晶核剤(C)
(C−1)ビス(4−メチルベンジリデン)ソルビトール、Tm=260℃
〔新日本理化(株)製、商品名:ゲルオールMD〕
【0042】
(結晶核剤のマスターバッチの作製方法)
上記記載のポリブチレンテレフタレート(A)95質量%と上記記載の結晶核剤(C)5質量%の組成比でブレンド後、二軸押出機を使用し、250℃のシリンダー温度で溶融混練しペレット化し、結晶核剤の濃度が5質量%である結晶核剤マスターバッチを作製した。
【0043】
(
参考例1)
(多層離型フィルムの作製方法)
表1に示す配合量でポリブチレンテレフタレート(A)(「PBT(A)」と表記)として(A−1)、及び結晶核剤(C)として(C−1)、エチレン・(メタ)アクリル酸メチル(B)(「EMMA(B)」と表記)として(B−1)を原料として、シリンダー径が40mmφの押出機に投入して、原料の混練・均一化を行いそれぞれ樹脂温度250℃程度で3層共押出し法によりキャスティングロール温度80℃程度にして、両外面の離型層(以下、それぞれ「離型層1」、「離型層2」と表記する。)の厚み35μmの層と、コア層のクッション層の厚み40μmの層とからなる3層構成の多層フィルムを得た。エンボス処理は、ロールツーロールで80℃の予熱ロール温度に前記多層フィルムの離型層1面を接触させた後、同離型層1面を表面粗さRaが4μmのエンボスロールで、エンボスロール温度160℃、エンボス線圧50kg/cmで押圧して一旦ロール状で巻き取った。さらに離型層2面についても上記条件にてエンボス処理し両面エンボス多層離型フィルムを得た。
(
参考例2)
クッション層の両表面に設けられた離型層1、2の厚みを40μmとした以外は
参考例1と同様にして3層構成の多層離型フィルムを得た。
(実施例3)
クッション層の両表面に設けられた離型層1、2の厚みを50μmとした以外は
参考例1と同様にして3層構成の多層離型フィルムを得た。
(実施例4)
クッション層の両表面に設けられた離型層1、2の厚みを70μmとした以外は
参考例1と同様にして3層構成の多層離型フィルムを得た。
(
参考例5)
クッション層の厚みを60μmとし、離型層1、2の厚みを40μmとした以外は
参考例1と同様にして3層構成の多層離型フィルムを得た。
(
参考例6)
離型層1、2のPBT(A)の原料を(A−2)に変更した以外は
参考例2と同様にして3層構成の多層フィルムを得た。
(
参考例7)
離型層1、2のPBT(A)の原料を(A−3)に変更した以外は
参考例2と同様にして3層構成の多層フィルムを得た。
(
参考例8)
クッション層の原料をEMMA(B)100質量%にした以外は
参考例2と同様にして2種3層構成の多層フィルムを得た。
(
参考例9)
離型層1、2のPBT(A)の原料を(A−1)100質量%にし、結晶核剤(C)を使用しなかった以外は
参考例2と同様にして3層構成の多層フィルムを得た。
【0044】
(比較例1)
クッション層の両表面に設けられた離型層1、2の厚みを30μmとし、クッション層の厚みを90μmとし、クッション層の原料をEMMA(B)100質量%にした以外は
参考例1と同様にして3層構成の多層フィルムを得た。
(比較例2)
クッション層の両表面に設けられた離型層1、2の厚みを25μmとし、クッション層の厚みを75μmとした以外は比較例1と同様にして3層構成の多層フィルムを得た。
(比較例3)
クッション層の両表面に設けられた離型層1、2の厚みを12μmとし、クッション層の厚みを100μmとした以外は比較例1と同様にして3層構成の多層フィルムを得た。
(比較例4)
クッション層の両表面に設けられた離型層1、2の厚みを25μmとし、クッション層の厚さを100μmとした以外は
参考例1と同様にして3層構成の多層フィルムを得た。
(比較例5)
クッション層の両表面に設けられた離型層1、2の厚みを両外層の離型層の厚さを80μmとし、クッション層の厚さを40μmとした以外は
参考例1と同様にして3層構成の多層フィルムを得た。
(比較例6)
クッション層の両表面に設けられた離型層1、2のPBT(A)の原料を(A−4)に変更した以外は
参考例2と同様にして3層構成の多層フィルムを得た。
【0045】
(評価項目)
上記の離型フィルムを以下の方法により、評価を行った。
(1)離型性評価および耐シワ性評価
図2に示すように、ポリイミドフィルム4-1とエポキシ樹脂系接着剤層4-2からなるカバーレイフィルム4〔ニッカン工業(株)製、商品名:CISV2535)を用いた。このカバーレイフィルム4にはプリント配線基板5の電極端子部分に相当する部分が切欠き部6として打ち抜かれている。切欠き部6の大きさは4mm×20mmで、1枚のカバーレイフィルム4に複数箇所に形成されている。一方、プリント配線基板5は厚さ25μmのポリイミドフィルム上に厚さ12μmの銅箔(図示せず)で配線パターンが形成されている240mm×300mmの大きさのものを用いた。
プリント配線基板5とカバーレイフィルム4を位置決めして重ね合わせ、カバーレイフィルム側に多層離型フィルム1の離型層1の表面が重なるようにして、加熱プレス機にセットした。なお、多層離型フィルム1は、
図2に示すようにフィルム長手方向の両端におもり7を固定し、テンションがかかった状態で加熱プレスすることで、多層離型フィルム1の耐シワ性の評価を行った。多層離型フィルム1の幅は270mmとし、テンションは3.5kg/270mmの荷重になるようにおもり7を取り付けた。
温度180℃、圧力4MPa、加圧時間120秒の条件で加熱プレスした後、プレス板を開放して多層離型フィルムのテンションを除荷した後、多層離型フィルム1をカバーレイフィルム4が接着したプリント配線基板5から手で剥がしてプリント配線基板5の表面に対しほぼ垂直な角度で離型させた。
離型性評価としては、多層離型フィルム1を手で離型させた際、離型が重い場合に発生するプリント配線基板への折れ跡痕の有無を調べた。
離型性の評価としては以下の基準に基づいて行った。
・折れ跡痕無し:判定○
・折れ跡痕あり:判定×
離型性評価において、折れ跡痕がなければプリント配線基板等の離型フィルムとして使用可能であるが、折れ跡痕があればプリント配線基板等の離型フィルムとしては使用することができない。
耐シワ性評価としては、離型フィルム離型後のプリント配線基板表面に入った長さ5mm以上のシワの数を数えた。
耐シワ性の評価は以下の基準に基づいて行った。
・30本未満:判定◎
・30本以上、40本未満:判定○
・40本以上、50本未満:判定△
・50本以上:判定×
耐シワ性評価において、上記シワの数で50本未満がプリント配線基板等の製作時に離型フィルムとして使用できる範囲であり、シワの数が少ないほど好ましい。一方、上記シワの数が50本以上(判定:×)となると離型フィルムの剥離後にプリント配線基板等にシワの転写により不良品となる可能性が高いため、離型フィルムとして使用できない。
(2)カバーレイフィルムの接着剤の流れだし長さ(埋め込み性)
「カバーレイフィルムの接着剤の流れだし長さ」が埋め込み性の指標となるため、本実施例では当該値を測定することにより埋め込み性の優劣を判断した。
ポリイミドフィルム4−1とエポキシ樹脂系接着剤層4-2からなるカバーレイフィルム4〔ニッカン工業(株)製、商品名:CISV2535)を用いた。このカバーレイフィルム4にはプリント配線基材の端子部分に相当する窓6が打ち抜かれており、打ち抜き部の大きさは50mm×50mmである。
このカバーレイフィルム4と厚さ12μmの銅箔8を重ね合わせ、さらにカバーレイフィルム側に離型フィルム1の離型層1の表面が重なるようにして、加熱プレス機にセットした。温度180℃、圧力4MPa、加圧時間120秒の条件で加熱プレスし、プレス板を開放し冷却した後、多層離型フィルム1をカバーレイフィルム4が接着した銅箔8から離型させた。その状態の断面を
図4に示す。カバーレイフィルムの切欠き部6の端縁部から染み出したエポキシ樹脂系接着剤の染み出し部9のエポキシ接着剤成分の長さをフィルム面上部から光学顕微鏡で観察し測定した。測定はカバーレイフィルムの切欠き部6の端縁部の4辺に対し各辺2点ずつ測定し、これらの平均値を「カバーレイフィルムの接着剤の染み出し長さ」とした。
カバーレイフィルムの接着剤の染み出し長さの評価は、以下の基準に基づいて行った。
・50μm未満:判定◎
・50μm以上、150μm未満:判定○
・150μm以上、200μm未満:判定△
・200μm以上:判定×
カバーレイフィルムの接着剤の染み出し長さにおいて、200μm未満がプリント配線基板等の製作時に離型フィルムとして使用できる範囲であり、当該長さは小さいほど好ましい。一方、上記染み出し長さが200μm以上(判定:×)となるとプリント配線基板等の製造時にカバーレイフィルムの接着剤が電極端子に達して後のメッキ工程で不良品が発生しやすくなるので、離型フィルムとして使用できない。
(3)多層離型フィルム端部の染み出し長さ(耐汚染性)
「多層離型フィルム端部の染み出し長さ」が耐汚染性の指標となるため、本実施例では当該値を測定することにより耐汚染性の優劣を判断した。
多層離型フィルム(大きさ70mm×70mm)と厚さ12μmの銅箔(大きさ100mm×100mm)を重ね合わせ、更に、その外側にアルミ板とSUS板で挟みこみ、加熱プレス機にセットした。温度180℃、圧力4MPa、加圧時間120秒の条件で加熱プレスし、プレス圧を解放し冷却した後、多層離型フィルム端部から染み出したクッション層成分の長さをフィルム面上部から光学顕微鏡で観察し測定した。測定は多層離型フィルムの4辺に対し各辺2点ずつ測定し、これらの平均値を多層離型フィルム端部の染み出し長さとした。
多層離型フィルム端部の染み出し長さの評価は、以下の基準に基づいて行った。
・300μm未満:判定◎
・300μm以上、350μm未満:判定○
・350μm以上、400μm未満:判定△
・400μm以上:判定×
多層離型フィルム端部の染み出し長さの評価において、400μm未満がプリント配線基板等の製作時に離型フィルムとして使用できる範囲であり、当該長さは小さいほど好ましい。一方、上記染み出し長さが400μm以上(判定:×)となるとプリント配線基板等の製造時にハンドリング性の低下や製造装置を汚損の可能性があるため、離型フィルムとして使用できない。
(4)引張弾性率
多層離型フィルムから、離型層1のみを剥がしてフィルムの長手方向が縦方向(MD)となるようにして、幅15mmの短冊状の試験片を切出し、引張り試験機を用いてJIS K 7127(1999年)に準拠して23℃でのMDの引張弾性率を測定した。
(5)ビカット軟化温度(℃)
多層離型フィルムとして厚さ3mmに圧縮成形したものを試験片とし、JISK7206(1999年)に準拠(荷重:1Kg、昇温速度:2℃/min)して測定した。
(6)表面粗さ(Ra)
JIS B0601(1994年)に準拠して、多層離型フィルム1の離型層1表面の算術表面粗さRaを求めた。
接触式粗さ計
株式会社小坂研究所製三次元表面粗さ測定器SE−3500K
基準長さ:2.5mm
速度:0.3mm/s
カットオフ:0.8mm
上記評価結果を表1に示す。
【0047】
参考例1では離型層1の厚みが35μmに対し、比較例1、2、3、4では離型層1の厚みはそれぞれ30μm、25μm、12μm、25μmである。
参考例1、および比較例1、2、3、4の耐シワ性を比較すると、
参考例1が耐シワ性が使用可能である「△」の評価である一方、比較例1、2、3、4では耐シワ性が「×」の評価であり離型フィルムとして使用不可能なレベルであることがわかる。
また、実施例4では離型層1の厚みが70μmであり、比較例5は離型層1の厚みが80μmである。実施例4と比較例5の埋め込み性を比較すると、実施例4の埋め込み性が使用可能である「△」の評価である一方、比較例5の埋め込み性は「×」の評価であり、離型フィルムとして使用不可能なレベルであることがわかる。
さらに、
参考例2、6、7、8、9の引張弾性率はそれぞれ1250MPa、1350MPa、1300MPa、1250MPa、1150MPaに対し、比較例6、7の引張弾性率は双方とも800MPaである。
参考例2、6、7、8、9の耐シワ性を比較すると、
参考例2、6、7、8、9の耐シワ性がそれぞれ「○」、「○」、「◎」、「◎」、「○」、「○」の評価でありきわめて良好であるのに対し、比較例6、7の耐シワ性は双方とも「×」の評価であり離型フィルムとして使用不可能なレベルであることがわかる。