特許第6352072号(P6352072)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6352072
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】スクリーン印刷機のマスクホルダ
(51)【国際特許分類】
   B41F 15/36 20060101AFI20180625BHJP
   B41F 15/08 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   B41F15/36 A
   B41F15/08 303E
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-131818(P2014-131818)
(22)【出願日】2014年6月26日
(65)【公開番号】特開2016-7850(P2016-7850A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2017年6月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】100125737
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 昭博
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】蛭川 立雄
(72)【発明者】
【氏名】千賀 章弘
【審査官】 村田 顕一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−007625(JP,A)
【文献】 実開平04−069134(JP,U)
【文献】 特開平11−129441(JP,A)
【文献】 特開2001−301120(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0142099(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 15/00−15/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の貫通孔からなる印刷パターンが形成されたマスクを用いて回路基板にクリームはんだの印刷を行うスクリーン印刷機に設けられ、前記マスクを所定位置に位置決めして保持するスクリーン印刷機のマスクホルダにおいて、
前記マスクの幅方向側部を下から支持して高さ方向の位置決めを行う載置部材と、
前記マスクの幅方向の位置決めを幅方向両側から行う一対の幅決め部材とを有し、
前記幅決め部材は、第1の姿勢において前記マスクの幅方向側面に対向する第1支持部と、第2の姿勢において前記マスクの幅方向側面に対向する第2支持部とが形成され、前記第1の姿勢における前記幅方向にある所定の基準面から前記第1支持部までの距離と、前記第2の姿勢における前記所定の基準面から前記第2支持部までの距離とが異なるものであることを特徴とするスクリーン印刷機のマスクホルダ。
【請求項2】
前記幅決め部材は、長方形断面のブロックであり、前記第1支持部及び第2支持部が当該ブロックの直交する一方の面と他方の面であることを特徴とする請求項1に記載するスクリーン印刷機のマスクホルダ。
【請求項3】
前記幅決め部材は、前記第1支持部に直交する第1取付孔及び第2支持部に直交する第2取付孔のいずれかに挿入したボルトによって前記基準面側に固定するものであり、前記第1取付孔と第2取付孔とはずれた位置にあり、前記基準面側に形成された前記ボルトのネジ孔は前記第1取付孔と第2取付孔に対応して2箇所に形成されたものであることを特徴とする請求項2に記載するスリーン印刷機のマスクホルダ。
【請求項4】
前記幅決め部材は、L字形断面のブロックであり、前記第1支持部及び第2支持部が2方向に延びる長手側及び短手側の一方の先端面と他方の先端面であることを特徴とする請求項1に記載するスクリーン印刷機のマスクホルダ。
【請求項5】
前記幅決め部材は、前記マスクの幅方向側面の長さに対応させた棒状のブロックであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載するスクリーン印刷機のマスクホルダ。
【請求項6】
前記幅決め部材及び載置部材は、L字形のブロックによって一体に形成されたものであり、2方向に延びる薄肉側と肉厚側について、その薄肉側が起立した状態の側面が前記第1支持部で、水平状態の肉厚側の上面が第1載置面となり、肉厚側が起立した状態の側面が前記第2支持部で、水平状態の薄肉側の上面が第2載置面となることを特徴とする請求項1に記載するスクリーン印刷機のマスクホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイズの異なるマスクの設置が可能なスクリーン印刷機のマスクホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
スクリーン印刷機では、マスクに形成された印刷パターンを通して回路基板にクリームはんだが印刷される。そうしたスクリーン印刷機は、回路基板に対応したマスクが機内のマスク保持装置(マスクホルダ)に設置される。スクリーン印刷機のマスクホルダについては、下記特許文献1にその一例が開示されている。当該公報のマスクホルダは、マスクを支持する一対のガイドレールが左右両側に配置されており、各々のガイドレールは、シリンダが連結されて左右方向(マスクの幅方向)に移動可能な構成になっている。そのため、シリンダの伸縮作動により、一対のガイドレールの間隔が使用するマスクの大きさに合わせて調整される。幅調整をした一対のガイドレールにはマスクが載せられて機内へと挿入され、所定の位置で位置決め保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−159022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スクリーン印刷機に使用されるマスクは、サイズの異なるものがあるため、それに対応するようにマスクホルダはマスクサイズに応じた幅寸法の調整が可能な構成になっている。しかしながら、前述したマスクホルダは、幅寸法の調整のためにシリンダ機構が使用され、その構造が複雑である。そもそもマスクサイズの種類がそれほど多いわけではないため、シリンダ機構を使用したマスクホルダを採用したとしても、シリンダを伸縮させるだけの2種類のサイズ変更を行うだけの可能性がある。しかも、使用するマスクのサイズ変更は頻繁に起きるようなことでもない。しかるに、従来のマスクホルダの構造は、サイズ変更を実行するための構造が複雑であり、構成する部品点数も多くシリンダなど部品高価も高い。このことは、マスクホルダのみならずスクリーン印刷機自体の価格を押し上げてしまう原因になっている。
【0005】
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、簡易な構成によってマスクのサイズ変更が可能なスクリーン印刷機のマスクホルダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るスクリーン印刷機のマスクホルダは、複数の貫通孔からなる印刷パターンが形成されたマスクを用いて回路基板にクリームはんだの印刷を行うスクリーン印刷機に設けられ、前記マスクを所定位置に位置決めして保持するものであり、前記マスクの幅方向側部を下から支持して高さ方向の位置決めを行う載置部材と、前記マスクの幅方向の位置決めを幅方向両側から行う一対の幅決め部材とを有し、前記幅決め部材は、第1の姿勢において前記マスクの幅方向側面に対向する第1支持部と、第2の姿勢において前記マスクの幅方向側面に対向する第2支持部とが形成され、前記第1の姿勢における前記幅方向にある所定の基準面から前記第1支持部までの距離と、前記第2の姿勢における前記所定の基準面から前記第2支持部までの距離とが異なるものである。

【発明の効果】
【0007】
本発明に係るスクリーン印刷機のマスクホルダによれば、幅決め部材について状態を変えて取り付けるだけで、一対の幅決め部材において、マスクを幅方向に挟み込む第1支持部同士の距離と第2支持部同士の距離を2種類あるマスクサイズに合わせた幅寸法とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】スクリーン印刷機を構成するマスクホルダの主要部分を示した斜視図である。
図2】マスクホルダの片側を拡大して示した斜視図である。
図3】マスクホルダを構成するマスク保持部を示した斜視図である。
図4】マスクホルダを構成するマスク保持部を示した斜視図である。
図5】サイドブロックの固定部分を示した側面図である。
図6】第2実施形態のマスクホルダを構成するマスク保持部を示した斜視図である。
図7】第2実施形態のマスクホルダを構成するマスク保持部を示した斜視図である。
図8】第3実施形態のマスクホルダを構成する幅決め部材を概念的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明に係るスクリーン印刷機のマスクホルダについて、その一実施形態を図面を参照しながら以下に説明する。スクリーン印刷機は、回路基板に対してクリームはんだのスクリーン印刷を行うものであり、例えば、印刷状態を検査する検査機や回路基板に電子部品の装着を行う部品装着機などを組み合わせた基板生産ラインの一部を構成する。その基板生産ラインには、スクリーン印刷機、検査機および部品装着機の各機内部を通って回路基板を搬送する搬送装置が設けられている。
【0010】
スクリーン印刷機は、機内にマスクが設置され、その下側に回路基板が搬送装置によって搬送される。そして、そのスクリーン印刷機は、搬送された回路基板を保持し、マスクに対応した印刷箇所に位置決めするための基板保持装置があり、基板搬送機の上方には、マスクを位置決めして保持するためのマスクホルダが設けられている。更に、スクリーン印刷機には、位置決め保持されたマスクに対して上面からクリームはんだを塗り延ばすようにして塗布するスキージ装置が設けられている。図1は、そうしたスクリーン印刷機を構成するマスクホルダの主要部分を示した斜視図であり、マスクを設置した状態を示している。
【0011】
マスク100は、極めて薄い金属板であるマスク本体101に複数の貫通孔からなる印刷パターンが形成され、外縁部分がマスク枠102に固定されて平面状態が保たれている。そうしたマスク100は、四角いマスク枠102のうち、対向する幅方向の平行な2辺がマスクホルダ1に支持された状態で位置決め保持される。マスクホルダ1は、水平な状態のマスク100がスライドするようにして出し入れ可能な構成を有している。ここでは、マスク100を出し入れする方向をY軸方向とし、それに直交するマスク100の幅方向をX軸方向とする。更に、このX軸及びY軸に直交する高さ方向をZ軸方向とする。以下、この方向を基準として説明する。
【0012】
マスクホルダ1は、Y軸方向に延びた梁部材5が脚部材6によって水平に支持され、その梁部材5にマスク保持部10が設けられている。梁部材5や脚部材6、それにマスク保持部10は対称的に構成され、マスク100を直接保持するマスク保持部10は幅方向(X軸方向)の内側に向かい合って配置されている。ここで、図2は、マスクホルダ1の片側を拡大して示した斜視図である。また、図3及び図4は、マスクホルダを構成するマスク保持部10を示した斜視図である。
【0013】
マスク保持部10は、Y軸方向に延びたベースプレート11に対してL字形のガイドプレート12a,12bが複数のボルト21によってネジ止め固定されている。ガイドプレート12a,12bは、その水平部分がマスク100を下から受けるように幅方向内側に向けて突き出している。また、ガイドプレート12bのY軸方向両側には、同じように内側に向けて水平に突き出した支持ブラケット13が設けられており、マスク100は合計4箇所の支持ブラケット13によって支持されることとなる。マスク100を水平な状態で精度良く保持するには、支持部材の平面度が要求されるため、マスク100との接触面積を少なくすることが好ましいからである。従って、支持ブラケット13は、マスク枠102との接地面の平面度を高くして形成され、マスク保持部10への取り付け構造が上下方向の位置調整が可能になっている。
【0014】
また、マスクホルダ1には、マスク100の幅方向の位置決めを行うためのサイドブロック15が設けられている。サイドブロック15は、四角いマスク100の幅方向(X軸方向)の辺の長さに対応させた棒状のブロックである。そのサイドブロック15をY軸方向に見た断面形状は長方形であり、マスク100を挿入する図面手前側にテーパ部151が形成されている。そして、このサイドブロック15は、スクリーン印刷機に設置されるマスクサイズを決定する幅決め部材であり、図3及び図4に示すような2通りの取り付け方が可能になっている。つまり、図3に示すように、長方形断面の長辺側の側面を縦にして取り付ける場合と、図4に示すように、長方形断面の短辺側の側面を縦にして取り付ける場合である。
【0015】
本実施形態のマスクホルダ1は、こうして一対のサイドブロック15の取り付け状態を変更することで、図1に示すマスク幅Bが異なる2種類のマスク100に対応できるように構成されている。具体的には、サイドブロック15の取り付け状態を変更した場合に、基準面18から第1支持面152までの距離b11と、基準面18から第2支持面153までの距離b12が異なる。従って、一対の第1支持面152同士でマスク100を挟み込む場合は大きいサイズが対象となり、一対の第2支持面153同士でマスク100を挟み込む場合は小さいサイズが対象となる。ところで、ここでは基準面18をガイドプレート12aの起立面として示したが、基準面18は、第1支持面152と第2支持面153の位置の違い(距離b11,b12の差)を示すための便宜的なものであるため、これに限定されない(以下同じ)。
【0016】
次に、図5は、サイドブロック15の固定部分を示した側面図である。固定部分は、ベースプレート11に対して固定ブロック16がボルト22によってネジ止め固定され、その固定ブロック16に対してサイドブロック15がボルト23によってネジ止め固定される。なお、この固定ブロック16は、支持ブラケット13の支持部材も兼ねているため、ガイドプレート12a,12bの間に配置されている。
【0017】
固定ブロック16には、2個のネジ孔162,163が形成されている。そして、サイドブロック15には、ネジ孔162に対応した第1取付孔154が第1支持面152に直交して形成され、ネジ孔163に対応した第2取付孔155が第2支持面153に直交して形成されている。従って、図3に示すように、第1支持面152を内側垂直面にしてサイドブロック15を取り付けるには、第1取付孔154を通したボルト23がネジ孔162に締め付けられる。一方、図4に示すように、第2支持面153を内側垂直面にしてサイドブロック15を取り付けるには、第2取付孔155を通したボルト23がネジ孔163に締め付けられる。
【0018】
ところで、支持ブラケット13は、L字形をした部材であり、不図示の起立部分に縦方向に長い長孔が形成されている。従って、ボルト24によって固定する際、その長孔に対するボルト24の相対位置を調整することにより、マスク100を支える4箇所の支持ブラケット13の高さをそれぞれ微調整できるようになっている。また、マスクホルダ1には、こうした支持ブラケット13によるマスクの支持位置に合わせて合計4個のエアシリンダ17が取り付けられている。そのエアシリンダ17は、下方に伸張作動するピストンロッドによりマスク枠102を支持ブラケット13に押さえ付けるものである。
【0019】
そこで、以上説明した本実施形態のスクリーン印刷機では、マスク100を設置するに当たり、そのマスクサイズに合わせてサイドブロック15の取り付けが行われる。2種類あるサイズのうちマスク幅Bの大きいマスク100を使用する場合には、一対のサイドブロック15について、図3に示すように第1支持面152が内側垂直面になるようにしてネジ止め固定が行われる。一方、マスク幅Bの小さいマスク100を使用する場合には、図4に示すように、サイドブロック15を90度倒し、第2支持面153が内側垂直面になるようにしてネジ止め固定が行われる。こうして一対のサイドブロック15による幅寸法の変更が行われる。
【0020】
その後マスクホルダ1には、図1に示すようにマスク100が搭載されるが、Y軸方向に挿入されるマスク100は、幅方向には一対のサイドブロック15に挟まれて案内され、下方は支持ブラケット13やガイドプレート12a,12bによって案内される。ガイドプレート12a,12bは、マスク100が前傾姿勢になっているような場合でも、その先端部分が支持ブラケット13に衝突しないように進入高さを維持する役割を果たす。こうして挿入されたマスク100のY軸方向の位置決めは不図示のストッパによって行われる。そして、X軸方向は一対のサイドブロック15によって位置決めされ、Z軸方向は支持ブラケット13によって位置決めされる。更に、支持ブラケット13にはマスク枠102がエアシリンダ17によって押さえ付けられ、マスク100がマスクホルダ1に保持される。
【0021】
マスク100を搭載したスクリーン印刷機では、搬送された回路基板がマスク100に接触させられる。その際、回路基板の電極とマスクの印刷パターンとが揃うようにマスクに対する基板の位置合わせをしたうえで回路基板が上げられる。そして、マスクの上面側からクリームはんだが塗布される。つまり、スキージをマスク100の上面を滑らせるようにスライドさせ、マスク100の上面に供給されたクリームはんだが塗り延ばされる。このときマスク100の印刷パターンを通してクリームはんだが回路基板の上面に塗布される。
【0022】
よって、以上説明した本実施形態のマスクホルダ10によれば、2種類あるマスクサイズ(マスク幅B)に合わせて幅寸法を変更することができ、しかも幅寸法の変更を、一対のサイドブロック15からなる極めて簡易且つ低コストの構成で実行することできる。そして、幅寸法を変更するには、一対のサイドブロック15の取り付け状態を変更するだけの極めて簡単な作業でよい。
【0023】
そのサイドブロック15は先端部分にテーパ151が形成されているため、マスク100の進入をスムーズにしている。また、サイドブロック15を棒状にしたため、マスク100の挿入に際して幅方向のガイドになり、マスク100の挿入作業がし易くなる。更に、固定ブロック16に2個のネジ孔162,163を形成して、サイドブロック15を固定するようにしたため、取り付け状態を変更した場合でも、サイドブロック15のY軸方向の位置が同じになる。
【0024】
ところで、2種類あるマスクサイズに対応して幅寸法を変更するには、そのための幅決め部材がマスク枠102と接する2つの支持面を有し、その2つの支持面が取り付け状態の変更によりX軸方向の位置(基準面からの距離)が異なるようになるものであればよい。そこで、前記第1実施形態のサイドブロック15では、断面が長方形のブロックによって第1支持面152と第2支持面153とが形成されている。しかし、幅決め部材は、サイドブロック15のように長方形断面に限らず、例えば図6及び図7に示すように、Y軸方向に見た断面形状がL字形のブロックであってもよい。
【0025】
図6及び図7は、第2実施形態のマスクホルダを示した斜視図である。図面上、第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付している。このマスクホルダ30に使用されるサイドブロック31は、2方向に直交して延びた短手側312の先端面が第1支持面313であり、長手側311の先端面が第2支持面314である。そして、長手側311と短手側312には、第1取付孔315と第2取付孔316とがそれぞれ形成されている。第1実施形態では、図5に示すように第1取付孔154と第2取付孔155とが重ならないように各々Y軸方向にずらした位置に形成されている。そのため、1カ所の固定部には2つのネジ孔162,163が形成されている。しかし、サイドブロック31では、第1取付孔315と第2取付孔316とは交差しないためY軸方向に見た場合に同じ位置に形成されている。そのため、サイドブロック31を取り付けるボルトのネジ孔は、第1取付孔315及び第2取付孔316のいずれを通して固定する場合も共通のものでよい。
【0026】
そこで、こうしたマスクホルダ30についてマスクサイズに合わせた取り付けを行うには、例えば図6に示すように、一対のサイドブロック31について第1支持面313が内側垂直面になるようにしてネジ止め固定が行われる。この場合は幅寸法の大きいマスク100が対象である。一方、幅寸法の小さいマスク100の場合には、サイドブロック31のY軸方向の前後を逆転させ、図7に示すように、第2支持面314が内側垂直面になるようにしてネジ止め固定が行われる。このとき、第1支持面313と第2支持面314は、基準面18からの距離b21,b22が異なることで、2種類のマスク幅Bに対応した幅寸法の変更を可能にしている。
【0027】
よって、このマスクホルダ30によれば、2種類あるマスクサイズに合わせた幅寸法の変更を、極めて簡易且つ低コストによる構成で実行でき、その変更作業も極めて簡単である。また、サイドブロック31もマスク100の挿入に際して幅方向のガイドになるため、マスク100の挿入作業がし易くなる。そして、サイドブロック31では、サイドブロック31を取り付ける固定ブロック38のネジ孔が一つであるため、幅寸法を変更する場合に取り付け位置を間違えることがない。
【0028】
次に、図8は、第3実施形態のマスクホルダを構成する幅決め部材を概念的に示した図である。本実施形態では、マスク100の4カ所を支えるガイドブロック33が設けられている。このガイドブロック33は、例えば第1実施形態のサイドブロック15と支持ブラケット13の機能を一体にしたものである。すなわち、マスク100の設置に際して幅方向と高さ方向の位置決めを行うものである。そのため、サイドブロック15のように棒状のものではなく、Y軸方向に短い4個のガイドブロック33が、図2に示す支持ブラケット13の位置に設けられている。
【0029】
ガイドブロック33は、図8の(a)及び(b)に示すように、Y軸方向に見た断面形状がL字形であり、薄肉側の第1部331と厚肉側の第2部332とが直交するものである。その第1部331が起立した状態の内側面が第1支持面333で、水平状態の第2部332の上面が第1載置面335である。そして、第2部332が起立した状態の内側面が第2支持面334で、水平状態の第1部331の上面が第2載置面336である。ガイドブロック33は、固定部材35に対して第1部331又は第2部332がボルト36によってネジ止め固定される。第1支持面333と第2支持面334は、固定部材35の表面を基準面とした場合、その基準面からの距離b31,b32が異なることで、2種類のマスク幅Bに対応させた幅寸法の変更を可能にしている。
【0030】
一方、第1載置面335と第2載置面336は、マスク100を支持高さHに揃えることが必要である。そこで、ガイドブロック33の取り付けに際して微調整が必要であるため、ボルト36を通す取付孔337,338は縦方向に長い長孔になっている。そこで、このガイドブロック33についてマスクサイズに合わせて図示するような2形態の取り付けが行われる。なお、第1支持面333と第2支持面334の幅方向の位置は、ガイドブロック33の取り付けにより一義的に決定されるが、第1載置面335や第2載置面336の高さはボルト締めする際の微調整が必要である。
【0031】
よって、このガイドブロック33を使用した場合も、2種類あるマスク100サイズに合わせた幅寸法の変更を、極めて簡易且つ低コストによる構成で実行でき、その変更作業も極めて簡単である。また、ガイドブロック33は、マスクサイズに合わせ幅寸法の変更と、マスク100を所定高さに載置する高さ調整とを一つの部材で行うため、部品点数を減らすことができる。
【0032】
以上、本発明のスクリーン印刷機のマスクホルダについて一実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、第1実施形態や第2実施形態ではサイドブロック15,31を棒状にしてガイド機能を持たせたが、第3実施形態のようにY軸方向に分割したものとしてもよい。
また、前記各実施形態では、幅方向の両側に配置された幅決め部材、すなわちサイドブロック15,31やガイドブロック33について取り付け状態を変更することにより、幅寸法の変更を行うようにしていたが、幅方向の片側の幅決め部材について取り付け状態を変えるだけで幅寸法の変更が行えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0033】
1…マスクホルダ 10…マスク保持部 15…サイドブロック 18…基準面 100…マスク 152…第1支持面 153…第2支持面






図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8