【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上述の目的は、フィルタエレメントをつかむための少なくとも2つのハンドグリップエレメントを有するフィルタエレメントによって達せられる。
【0007】
少なくとも2つのハンドグリップエレメントで、フィルタエレメントを簡単につかむことができる。したがって、ハンドグリップエレメントは、人の片手または両手で、または一または複数の適当なグリップ具を用いた機械によって、もしくはその両方によってつかむように設計されてもよい。本発明における「保持する(hold)」「つかむ(grip)」との用語は、とくに、手または道具を差し伸べて、対応するハンドグリップエレメントの一部を包囲すること及び一方から触れること、または手または道具を差し伸べてハンドグリップエレメントに挿入することを意味する。
【0008】
有利には、少なくとも2つのハンドグリップエレメントは、その形状、寸法、位置、そしてフィルタベローズに対する配置または接続の方式が、同一または同様であってもよい。あるいは、少なくとも2つのハンドグリップエレメントは、その形状、寸法、位置、または配置や接続の方式、もしくはこれらの組み合わせが異なっていてもよい。これにより、フィルタエレメントの対称性または非対称性が影響を受けてもよい。
【0009】
有利には、2つのハンドグリップエレメントのうち、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、1つの部分、とくに、つかむことができる交差部分を有していてもよい。このつかみ部は一本以上の指または対応するグリップ具もしくはその両方によって保持されてもよく、これにより安定して保持され得る。
【0010】
1つの有利な実施形態では、2つのハンドグリップのうち、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、少なくとも1つの穴または少なくとも1つの指通し穴または少なくとも1つのグリップ開口部または少なくとも1つのくぼみグリップを有していてもよい。手の指または対応するグリップ具もしくはその両方は、これらの穴、指通し穴、グリップ開口部、またはくぼみグリップと係合してもよい。この代わりに、またはこれに加えて、2つのハンドグリップエレメントのうち、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、穴、指通し穴、グリップ開口部、またはくぼみグリップを1つも有していなくてもよい。
【0011】
少なくとも1つのハンドグリップエレメント、とくにくぼみグリップは、有利には、フィルタエレメントの外周側に設けられていてもよく、とくにいずれかの端部材の外側に設けられていてもよい。有利には、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、流入面と流出面の間に設けられていてもよい。有利には、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、周縁シールが設けられている場合は、該周縁シールと、流れが通る面、とくにフィルタベローズの流入面との間に設けられていてもよい。
【0012】
このつかむことのできる部分、すなわち上述の穴や指通し穴は、有利には、流れ方向において、エレメントの軸に対して、流入面の上流または流出面の下流に設けられていてもよい。
【0013】
少なくとも2つのハンドグリップエレメントを用いることで、フィルタエレメントを複数の位置で同時につかむことができる効果が得られる。よって、フィルタエレメントを、均等にフィルタハウジングに挿入し、均等にフィルタハウジングから取り出すことができる。これにより、取り付けまたは取り出しの際、フィルタエレメントのプリーツエッジへの悪影響を低減することができる。よって、比較的重いまたは大きな、もしくはその両方であるフィルタエレメントであっても、容易かつ正確にフィルタハウジング内に位置決めすることができる。
【0014】
2つのハンドグリップエレメントのうち、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、有利には、フィルタハウジング内にフィルタエレメントを取り付ける方向に対して、フィルタエレメントの後方に設けられてもよい。有利には、フィルタエレメントの後方は、フィルタハウジングのハウジング底部の反対側に対向していてもよい。フィルタエレメントの後方側は、フィルタエレメントがそこを通って取り付けられる、フィルタハウジングの取り付け口に対向していてもよい。このようにすれば、フィルタハウジングが開いた後に、取り付け口を通して、少なくとも1つのハンドグリップを容易に外からつかむことができる。
【0015】
有利には、フィルタエレメントは、空気のろ過に適したものであってもよい。また、フィルタエレメントは、その他の種類の流体、とくに気体や液体をろ過するために設けられていてもよい。よって、対応するフィルタエレメントは、とくに燃料、油、水または尿素溶液をろ過するために用いられてもよい。
【0016】
有利には、フィルタエレメントは自動車の内燃機関に用いられてもよい。
【0017】
有利には、フィルタエレメントは商用車、とくトラック、バス、工事現場用車両、農作業用機械のエアフィルタに設けられていてもよい。このようなフィルタエレメントは乗用車用のフィルタエレメントと比較して各寸法が大きい場合があるからである。しかし、このフィルタエレメントは乗用車に用いることもできる。
【0018】
本発明は、自動車のエンジニアリング以外で、具体的には商用車において用いてもよい。また、本発明を内燃機関以外で、とくに自動車のエンジニアリングで用いることも可能である。
【0019】
有利には、フィルタエレメントは平坦なフィルタエレメントであってもよい。フィルタエレメントは平坦であってもよく、曲がっていてもよい。フィルタベローズの流入面または流出面もしくはその両方は、平坦で合ってもよく、曲がっていてもよい。また、フィルタエレメントは箱の形をしていてもよい。
【0020】
フィルタベローズは、例えば、略多面体形状であってもよい。有利には、フィルタベローズは、立方体、直方体、錐体、角柱、くさび等の形状であってもよい。フィルタベローズの全ての面が平坦である必要は無く、フィルタベローズのいくつかの面は曲面であってもよい。対向する2つの面は平行に延びていてもよい。これに代えて、またはこれに加えて、対向する2つの面は斜めに延びていてもよく、そうでなければ互いに平行ではないように延びていてもよい。
【0021】
有利には、フィルタエレメントのエレメント軸は、フィルタハウジング内にフィルタエレメントを取り付ける取り付け方向と平行または同軸であってもよい。取り出し方向は、通常は、この取り付け方向と反対向きである。有利には、エレメント軸は、フィルタエレメントの流入面及び流出面と交差していてもよい。流入面または流出面もしくはその両方が平面である場合、有利には、エレメント軸または取り付け方向もしくはその両方は、それらに垂直であってもよい。
【0022】
フィルタろ過材は、紙フィルタ、不織フィルタ、メルトブロー、不織布、またはその他の種類の、とくに空気である流体のろ過に適したフィルタろ過材であってもよい。有利には、フィルタろ過材はプリーツ状に折りたたむことが可能であってもよい。
【0023】
あるいは、フィルタベローズは、流体透過性のフィルタ発泡体を備えていてもよく、とくに空気透過性のフィルタ発泡体を備えていてもよい。フィルタベローズは、そのようなフィルタ発泡体の中実の塊として実現されてもよい。
【0024】
他の有利な実施形態では、少なくとも2つのハンドグリップエレメントは、フィルタエレメントの対向する2つの面に設けられていてもよい。
【0025】
このようにすれば、フィルタエレメントを、その対向する2つの面において均等につかむことができる。よって、取り出しまたは取り出しの際にフィルタエレメントが傾く可能性が低減される。
【0026】
有利には、少なくとも2つのハンドグリップエレメントは、フィルタエレメントの、エレメント軸を挟んで対向する2つの面に設けられていてもよい。
【0027】
有利には、ハンドグリップエレメントは、2つ一組で複数組設けられてもよい。
【0028】
他の有利な実施形態では、少なくとも2つのハンドグリップエレメントは、フィルタベローズの異なる長手方向の辺に、または同一の長手方向の一辺の隣に設けられてもよい。このように、フィルタエレメントの対称性または非対称性が、ハンドグリップエレメントに影響されてもよい。
【0029】
有利には、少なくとも2つのハンドグリップエレメントは、フィルタエレメントのフィルタ軸に対して、対角線上に対向する2つの面に設けられていてもよい。有利には、少なくとも2つのハンドグリップエレメントは、フィルタエレメントの対角線上に対向する2つの面の辺の領域に設けられていてもよい。有利には、少なくとも2つのハンドグリップエレメントは、フィルタエレメントの対角線上に対向する2つの面の辺の領域に設けられていてもよい。有利には、少なくとも2つのハンドグリップエレメントは、流入面または下流側面の対角線上に対向する角の領域に設けられていてもよい。
【0030】
また、少なくとも2つのハンドグリップエレメントは、フィルタエレメントの同一の長手方向の面に設けられるほか、対向する横手方向の2つの面、とくにその前方の端に設けられていてもよい。
【0031】
他の有利な実施形態では、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、エレメント軸に対して、フィルタエレメントの1つの面の、周方向略中央に設けられていてもよい。有利には、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、フィルタエレメントの対向する2つの面間、とくに長手方向の2面間の略中央に設けられていてもよい。
【0032】
他の有利な実施形態では、フィルタろ過材はプリーツ状に折りたたまれていてもよい。フィルタろ過材をプリーツ状とすることで、フィルタベローズの設計容量に対するアクティブなフィルタ領域の割合を向上させることができる。
【0033】
フィルタろ過材は、ジグザグの構成になるようプリーツ状に折りたたまれて、フィルタベローズを形成してもよい。このフィルタエレメントの場合、とくに開放フィルタベローズを有する平坦なフィルタエレメントの場合、フィルタろ過材は閉ではない。すなわち、末端のプリーツ(ひだ)は、末端の縁と同様、互いに接合されていない。これに対して、空洞フィルタエレメントの場合、とくに円形フィルタエレメントの場合、フィルタろ過材は閉じたフィルタベローズを形成するように成形されており、すなわち、エンドプリーツが互いに接合されている。エンドプリーツとは、両端、具体的にはフィルタベローズの長手方向の両端の最も外側の2つのプリーツである。エンドボーダーとは、フィルタろ過材の自由な二辺であり、エンドプリーツに沿って延びるとともに、フィルタベローズの両端において、エンドプリーツを画定する。フィルタベローズのエンドエッジとは、フィルタベローズのその他の自由な2辺であり、エンドボーダー同士の間をフィルタベローズのプリーツ形状に沿うように延びている。プリーツエッジとは、フィルタろ過材がプリーツ状に折られている折り山の部分である。ジグザグにプリーツ状とされた立方体形状のフィルタベローズの場合、エンドボーダー及びプリーツエッジの各々は直線であり、互いに平行である。エンドエッジはジグザグ状に延び、プリーツエッジのエンドボーダーと垂直である。エンドエッジはそれぞれ、フィルタベローズの幅に渡って設けられる。プリーツ状のフィルタろ過材の場合、フィルタベローズの流入面には流入側プリーツエッジがその幅に渡って設けられる。流出面には、流出側プリーツエッジがその幅に渡って設けられる。エンドエッジ側の面には、エンドエッジがその幅に渡って設けられている。
【0034】
有利には、フィルタベローズは深いプリーツを有していてもよい。例えば、この場合、立方体形状のフィルタベローズでは、プリーツの高さは少なくともプリーツエッジ方向の範囲と同じくらい大きいか、またはプリーツエッジが連なる方向の範囲と同じくらい大きく、もしくはその両方である。
【0035】
フィルタベローズにおいて、プリーツの高さまたはプリーツの形状もしくはその両方は異なっていてもよい。プリーツの高さまたはプリーツの形状もしくはその両方は、少なくとも1つのプリーツ内で異なっていてもよい。これに代えて、またはこれに加えて、プリーツの高さまたはプリーツの形状もしくはその両方は、プリーツ間で、とくに隣りあうプリーツ間で異なっていてもよい。このようにして、流入面または流出面もしくはその両方が曲面となった形状が実施されてもよい。フィルタベローズの中央におけるプリーツ高さを、とくにその長手方向の面の領域におけるプリーツ高さより低くしてもよい。これにより、フィルタベローズの該当する面、とくに流入面または流出面は、略楕円または略円筒状のジャケット部を有してもよい。これに代えて、フィルタベローズは、そのフィルター高さを適切に変えることで傾斜した形状となっていてもよい。
【0036】
他の有利な実施形態においては、少なくも1つの端部材、とくにエンドディスクが、フィルタベローズの少なくとも1つの周方向側面に設けられていてもよく、該端部材は、流入面と流出面との間に延設されていてもよい。フィルタベローズとフィルタエレメント全体とを、少なくとも1つの端部材によって固定することができる。また、フィルタベローズは、対応する側面に少なくとも1つの端部材を設けることによって密にシールされていてもよい。さらに、少なくとも1つの端部材は、フィルタエレメントをフィルタハウジング内の安定した位置で位置決めかつ保持可能な接続エレメントまたは維持エレメントとして機能してもよい。
【0037】
有利には、対応する端部材がフィルタベローズの複数の周方向側面に設けられていてもよい。これにより、フィルタエレメントの安定性をさらに向上することができる。
【0038】
有利には、フィルタベローズの対向する周方向側面のそれぞれに、端部材が1つずつ設けられていてもいい。有利には、端部材は、取り付け軸またはエレメント軸もしくはその両方を挟んで対向する、フィルタベローズの2つの面に位置していてもよい。
【0039】
プリーツ状のフィルタろ過材の場合、少なくとも1つの端部材が、フィルタベローズの1つのエンドエッジ側に設けられていてもよい。少なくとも1つの端部材が、該エンドエッジ側に密に接続されていてもよい。このようにして、少なくとも1つの端部材が、エンドエッジ側を密にシールしていてもよい。
【0040】
有利には、フィルタベローズの2つのエンドエッジ側の各々が、1つの端部材によってシールされていてもよい。
【0041】
有利には、少なくとも1つの端部材は、エンドディスクであってもよい。エンドディスクは、その広がりにおいて平坦である。このようにすれば、フィルタエレメントを取り付けるために必要とされるスペースを全体として抑制することができる。
【0042】
少なくとも1つの端部材、とくにエンドディスクは、端部材の安定性を高めるためのリブ構造を有していてもよい。
【0043】
少なくとも1つの端部材の輪郭は、フィルタベローズの、該少なくとも1つの端部材が設けられる面の対応する輪郭と一致していてもよい。端部材の形状は、広がりの変化、具体的には、フィルタベローズの高さの変化、より具体的にはプリーツ高さの変化に適応してもよい。
【0044】
有利には、少なくとも1つの端部材はプラスチック製としてもよい。プラスチックは弾性を有することができる。プラスチック製の少なくとも1つの端部材は、とくに機械的な減衰効果を有していてもよい。また、プラスチックはとくに鋳造や射出成型によって簡単に成形することができる。
【0045】
有利には、少なくとも1つの端部材、とくにプラスチック製の端部材は、フィルタベローズに接合されていてもよい。この接合は、具体的には溶接または接着結合による材質の接合によって、具体的には差し込み接続または留め金接続による嵌めこみによって、または、具体的には圧入接続やクランプ接続による圧力ばめによって、もしくはこれらの組み合わせまたはその他の方法によってなされてもよい。
【0046】
他の有利な実施形態において、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、とくに少なくとも1つの端部材と一体になるように接続されていてもよい。このようにすれば、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、とくにプレファブリケーションによって、対応する端部材とともに容易に製造することができる。少なくとも1つのハンドグリップエレメントを有する少なくとも1つの端部材は、フィルタろ過材に容易に接続することができる。有利には、これらを1つの工程で行うことができる。
【0047】
有利には、少なくとも1つのハンドグリップエレメントと、少なくとも1つの端部材とは、一体となるよう互いに接合されていてもよい。一体接続によって、安定性を高めることができる。こうして、少なくとも1つのハンドグリップを少なくとも1つの端部材に接合するための、追加の取付部材または追加の組み立て工程を省略することができる。
【0048】
少なくとも1つのハンドグリップエレメントを有する少なくとも1つの端部材は、有利に、また容易に、プラスチックで製造することができ、とくに射出成型や鋳造によって製造してもよい。
【0049】
有利には、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは端部材、とくにエンドディスクに統合されていてもよい。このようにすれば、省スペースかつ安定した構造を得ることができる。
【0050】
有利には、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、少なくとも1つの端部材の一方の側の中央に設けられていてもよい。このようにすれば、取り付けまたは取り出しの際、フィルタエレメントに機械的な力が均等に働き得る。したがって、フィルタエレメントが傾く可能性がさらに低減される。
【0051】
他の有利な実施形態では、少なくとも1つのハンドグリップエレメントの少なくとも1つの長手方向部分は、取り付け方向に平行な少なくとも一の方向に延設されていてもよい。この取り付け方向は、フィルタエレメントがフィルタハウジング内に取り付けられ得る方向であり、具体的にはエレメント軸である。
【0052】
少なくとも1つの長手方向部分は、選択的に設けられる横手方向部分をフィルタベローズまたは端部材と接続するための接続部分として機能してもよい。この横手方向部分は、具体的には少なくとも1つのハンドグリップエレメントのグリップ部分である。
【0053】
これに代えて、またはこれに加えて、少なくとも1つの長手方向部分は、存在し得る任意の横手方向部材、とくに横手方向ウェブの、フィルタベローズまたは端部材に対する支持部または安定部として機能してもよい。したがって、フィルタエレメントの取り付けまたは取り出しの際、横手方向部分に働く力がフィルタベローズまたは端部材へよりよく伝達される。
【0054】
有利には、少なくとも1つのハンドグリップエレメント、とくに少なくとも1つの長手方向部分は、フィルタベローズを超えて、流入面または流出面上で突出してもよく、とくにエレメント軸または取り付け方向もしくはその両方の方向に突出してもよい。このようにすれば、流体の流れの主方向における、流入面の上流または流出面の下流で、少なくとも1つのハンドグリップエレメントを簡単につかむことができる。
【0055】
有利には、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、取り付け方向から見て、端部材がその幅に渡って設けられた領域内に位置していてもよい。このようにすれば、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、フィルタエレメントの横手方向の広がりに悪影響を及ぼさない。このようにすれば、フィルタエレメントの取り付けスペースの横方向の大きさを抑制することができる。
【0056】
有利には、少なくとも1つの長手方向部分は、対応するハンドグリップエレメントの穴または指通し穴を少なくとも部分的に画定する。
【0057】
他の有利な実施形態では、2つのハンドグリップエレメントのうち、少なくとも1つのハンドグリップエレメントの少なくとも1つの横手方向部分は、フィルタハウジング内にフィルタエレメントが取り付けられ得る取り付け方向、とくにエレメント軸に対して横方向の、とくに半径方向の、少なくとも1つの方向成分の方向に延設されてもよい。
【0058】
少なくとも1つの横手方向部分には、取り付け方向に沿う、または逆らう力が、容易にかつ均等に働き得る。少なくとも1つの横手方向部分は、グリップ部またはグリップウェブとして機能してもよい。
【0059】
有利には、少なくとも1つの横手方向部材は、少なくとも1つの方向成分を有して、フィルタベローズから離れるように延設される。
【0060】
有利には、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、ウェブ、ジャーナル、またはリブを有していてもよい。ウェブ、ジャーナル、またはリブは容易に実施することができる。このようなハンドグリップエレメントは容易につかむことができる。
【0061】
有利には、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、フィルタベローズと逆側を向くように、少なくとも1つの端部材の外側に設けられていてもよい。有利には、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、流入面または流出面において、フィルタベローズを超えて突出しない。このようにすれば、流れの主方向、エレメント軸の方向、または取り付け方向、もしくはその組み合わせにおけるフィルタエレメントの広がりを抑制することができる。
【0062】
あるいは、ハンドグリップエレメントのうち、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、保持ハンドルとして構成されてもよい。ハンドルのグリップ部は、取り付け方向またはエレメント軸方向もしくはその両方に対して横方向に延設されていてもよい。グリップ部は、少なくとも1つの横方向接続部分によって、フィルタベローズまたは選択的に少なくとも1つの端部材に接続されていてもよい。グリップ部と横方向接続部分とは、穴または指通し穴を実現していてもよく、とくにそれらを画定していてもよい。
【0063】
他の有利な実施形態では、ハンドグリップエレメントのうち、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、流入面または流出面もしくはその両方に対して横方向の位置においてフィルタエレメントに取り付けられていてもよい。このようにすれば、少なくとも1つのハンドグリップエレメントが流入面または流出面もしくはその両方を覆うことを抑制することができる。また、これによって、フィルタエレメントを流れる流れへの干渉を抑制することができる。
【0064】
他の有利な実施形態では、フィルタエレメントは、フィルタベローズから取り付け方向に対して横方向に、具体的には半径方向に離れて突出する少なくとも1つの保持構造を選択的に備えるとともに、直接的または間接的にフィルタベローズに接続され、フィルタベローズの周に少なくとも部分的に沿うように流入面と流出面との間に延設されるフィルタエレメント保持具を備えていてもよい。フィルタエレメント保持具によって、フィルタエレメントを、フィルタハウジングの対応する相手方保持具に容易に固定することができる。このようにすれば、フィルタエレメントを容易にフィルタハウジング内に位置決めすることができる。フィルタエレメント保持具は少なくとも部分的に周に沿って延設され、取り付け方向に対して半径方向に突出する保持構造を有しているため、取り付け方向またはエレメント軸方向もしくはその両方に対して、フィルタハウジング内における軸方向の位置決め及び保持が可能となっている。
【0065】
有利には、フィルタエレメント保持具は少なくとも1つの端部材に接続されていてもよい。これによって、フィルタハウジングからフィルタベローズ、フィルタベローズからフィルタハウジングへの力の伝達が向上する。
【0066】
他の有利な実施形態では、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、フィルタハウジング内にフィルタエレメントを取り付ける取り付け方向から見たとき、少なくとも1つの保持構造と同一高さを有していてもよい。本発明における「同一高さを有する」とは、取り付け方向において、ハンドグリップエレメントが突出する部分が、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、保持構造の内側にあることを意味する。
【0067】
有利には、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、フィルタエレメントが少なくとも1つの保持構造によって横方向に拡大するフィルタエレメントの領域、とくに取り付け方向に対して半径方向に広げられた領域に設けられていてもよい。このようにすれば、フィルタエレメントの横方向の広がりが少なくとも1つのハンドグリップエレメントによってさらに拡大されないようにすることができる。フィルタハウジングが狭い空間しか占めない場合、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、横方向に突出する保持構造の前方または後方において、取り付け方向に対して横方向に形成されてもよい。
【0068】
また、本発明によれば、フィルタエレメントが、フィルタエレメントをつかむための少なくとも2つのフィルタグリップエレメントを有しているため、フィルタについても上述の目的が達せられる。
【0069】
本発明のフィルタエレメントとともに説明した上述の効果及び特徴と、有利な実施形態とは、本発明のフィルタにも適用可能であり、またその逆も可能である。
【0070】
本発明のさらなる利点、特徴、および細部が明らかになるよう、以下の説明では、図面を参照して、本発明の実施形態をより詳細に説明する。当業者は、図面、明細書、および特許請求の範囲に組み合わせて開示した特徴を適切に、また、個別に検討し、それらの特徴を組み合わせて、さらなる有意義な組み合わせとすることができる。図面は概略図である。