特許第6352076号(P6352076)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6352076ハンドグリップエレメントを有するフィルタエレメント及びフィルタエレメントを有するフィルタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6352076
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】ハンドグリップエレメントを有するフィルタエレメント及びフィルタエレメントを有するフィルタ
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/52 20060101AFI20180625BHJP
   F02M 35/024 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   B01D46/52 B
   F02M35/024 511D
   F02M35/024 511E
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-134874(P2014-134874)
(22)【出願日】2014年6月30日
(65)【公開番号】特開2015-27668(P2015-27668A)
(43)【公開日】2015年2月12日
【審査請求日】2017年6月30日
(31)【優先権主張番号】10 2013 011 611.2
(32)【優先日】2013年7月12日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】505229863
【氏名又は名称】マン ウント フンメル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ゾルガー、ナイディーン
(72)【発明者】
【氏名】ハイム、ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ンバディンガ−モアンダ、ゲラーゼ
(72)【発明者】
【氏名】ネーフ、パスカル
(72)【発明者】
【氏名】リーガー、マリオ
(72)【発明者】
【氏名】ブロッセイ、ヴェルナー
(72)【発明者】
【氏名】ハーゼンフラッツ、ロベルト
【審査官】 中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−514178(JP,A)
【文献】 特開2010−253477(JP,A)
【文献】 特表2011−514948(JP,A)
【文献】 特開2003−053123(JP,A)
【文献】 実開昭60−104222(JP,U)
【文献】 実開昭61−163032(JP,U)
【文献】 特開平11−137937(JP,A)
【文献】 特開2003−071229(JP,A)
【文献】 特表2005−524797(JP,A)
【文献】 特表2009−536574(JP,A)
【文献】 特表2013−503735(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0110962(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/52
F02M 35/024
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ィルタハウジングに取り付け可能なフィルタエレメンントであって、
前記フィルタエレメント(10)は、
ろ過される流体の流入面(28)と流出面(30)とを有するフィルタろ過材(18)からなる開放フィルタベローズ(16)と、
前記フィルタベローズのエンドエッジ側面において、前記フィルタベローズに接続されているエンドディスクと、
前記エンドディスクの流入側の対応する辺に取り付けられており、前記エンドディスクの平面に延設され、前記フィルタエレメント(10)をつかむための少なくとも2つのハンドグリップエレメント(46;146)と、
を備えることを特徴とするフィルタエレメント。
【請求項2】
前記2つのハンドグリップエレメント(46)のうち、少なくとも1つのハンドグリップエレメントが、少なくとも1つの穴または少なくとも1つの指通し穴(52)、もしくは少なくとも1つのグリップ開口部または少なくとも1つのくぼみグリップを有することを特徴とする請求項1に記載のフィルタエレメント。
【請求項3】
少なくとも2つのハンドグリップエレメント(46;146)は、前記フィルタエレメント(10)の対向する2つの面(26)に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルタエレメント。
【請求項4】
少なくとも2つのハンドグリップエレメントが、フィルタベローズの2つの異なる長手方向の面の隣に、または長手方向の同じ側面の隣に設けられることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項5】
前記ハンドグリップエレメント(46)のうち、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、前記フィルタエレメント(10)の1つの面(26)に、エレメント軸(14)に対する周方向においてほぼ中央に位置するように設けられたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項6】
前記フィルタろ過材(18)はプリーツ状に折りたたまれていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項7】
前記エンドディスク(32)が前記フィルタベローズ(16)の少なくとも1つの周方向側面(26)に位置し、前記流入面(28)と前記流出面(30)との間に延設されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項8】
前記ハンドグリップエレメント(46;146)のうち、少なくとも1つのハンドグリップは前記エンドディスク(32)に一体となるように接続されることを特徴とする請求項7に記載のフィルタエレメント。
【請求項9】
前記ハンドグリップエレメント(46;146)のうち、少なくとも1つのハンドグリップエレメントの少なくとも1つの長手方向部分(48;150)が、前記フィルタエレメント(10)が前記フィルタハウジング内に取り付けられ得る取り付け方向(12)に平行である少なくとも1つの方向成分を有するように延設されることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項10】
前記ハンドグリップエレメント(46;146)のうち、少なくとも1つのハンドグリップエレメントの少なくとも1つの横手方向部分(50;148)が、前記フィルタエレメント(10)が前記フィルタハウジング内に取り付けられ得る取り付け方向(12)に対して横方向の、とくに半径方向の少なくとも1つの方向成分を有するように延設されることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項11】
前記ハンドグリップエレメント(46;146)のうち、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、前記フィルタエレメント(10)に、前記流入面(28)または前記流出面もしくはその両方の横方向に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項12】
前記フィルタエレメント(10)は、
前記フィルタベローズ(16)から横方向に離れる方向に突出する少なくとも1つの保持構造(38)を有するとともに、直接的または間接的に前記フィルタベローズ(16)に接続され、前記流入面(28)と前記流出面(30)との間で前記フィルタベローズ(16)の外周の少なくとも一部に沿って延設されるフィルタエレメント保持具(34)とを備えることを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項13】
前記ハンドグリップエレメント(146)のうち少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、前記フィルタエレメント(10)を前記フィルタハウジング内に取り付ける取り付け方向(12)から見たとき、前記少なくとも1つの保持構造(38)と同じ高さを有することを特徴とする請求項12に記載のフィルタエレメント。
【請求項14】
体の少なくとも1つの流入口と少なくとも1つの流出口を有するフィルタハウジングを有するとともに、請求項1乃至13の何れか一項に記載されたフィルタエレメントである少なくとも1つのフィルタエレメントを有し、該フィルタベローズは、ろ過される流体の流入面(28)と流出面(30)とを有し、
少なくとも1つのフィルタエレメント(10)は、少なくとも1つの流入口を少なくとも1つの流出口から隔てるように前記フィルタハウジング内に設けられ、
前記フィルタエレメント(10)は、前記フィルタエレメント(10)をつかむための少なくとも2つのハンドグリップエレメント(46;146)を備えることを特徴とする流体用フィルタ。
【請求項15】
自動車に搭載される内燃機関に用いられる請求項14に記載の流体用フィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタエレメントに関し、とくに、流体用フィルタのフィルタハウジング内に取り付けるための平坦なフィルタエレメントに関する。流体用フィルタは、とくに自動車の、とくに内燃機関のエアフィルタである。フィルタエレメントは、フィルタろ過材からなり、ろ過される流体の流入面と流出面とを有する開放フィルタベローズを備えている。
【0002】
さらに、本発明は、とくに自動車の、とくに内燃機関における、とくにエアフィルタである流体用フィルタであって、流体の少なくとも1つの流入口と少なくとも1つの流出口を有するフィルタハウジングを有し、とくに本発明のフィルタエレメントである少なくとも1つのフィルタエレメント、とくにフィルタろ過材からなり、ろ過される流体の流入面と流出面とを有する開放フィルタベローズを有する平坦なフィルタエレメントを有し、前記フィルタエレメントは、該流入口を該流出口から隔てるように、フィルタハウジング内に設けられる流体用フィルタに関する。
【背景技術】
【0003】
国際公開第2012/175438A1号明細書には、自動車の内燃機関の外気をろ過するためのプレートフィルタエレメントを有するフィルタ装置が記載されている。このフィルタエレメントは、真っすぐで平坦なプレート状のフィルタ本体を有し、このフィルタ本体は、円周方向かつ横方向に、そして流れが通過可能なフィルタ本体の断面を取り囲むように設けられた縁部を有している。フィルタエレメントはフィルタハウジングの内部に設けられている。フィルタ装置は、好ましくは、とくに自動車のエアフィルタ装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開2012/175438A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、フィルタエレメントのフィルタハウジング内への取り付けまたはフィルタエレメントのフィルタハウジングからの取り出し、もしくはその両方を向上させ得る、上述の導入部で定めた方式のフィルタエレメントとフィルタを設計するという目的に基づく。とくに、取り付けまたは取り出しもしくはその両方をより容易に、より確実に行うことが可能になる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上述の目的は、フィルタエレメントをつかむための少なくとも2つのハンドグリップエレメントを有するフィルタエレメントによって達せられる。
【0007】
少なくとも2つのハンドグリップエレメントで、フィルタエレメントを簡単につかむことができる。したがって、ハンドグリップエレメントは、人の片手または両手で、または一または複数の適当なグリップ具を用いた機械によって、もしくはその両方によってつかむように設計されてもよい。本発明における「保持する(hold)」「つかむ(grip)」との用語は、とくに、手または道具を差し伸べて、対応するハンドグリップエレメントの一部を包囲すること及び一方から触れること、または手または道具を差し伸べてハンドグリップエレメントに挿入することを意味する。
【0008】
有利には、少なくとも2つのハンドグリップエレメントは、その形状、寸法、位置、そしてフィルタベローズに対する配置または接続の方式が、同一または同様であってもよい。あるいは、少なくとも2つのハンドグリップエレメントは、その形状、寸法、位置、または配置や接続の方式、もしくはこれらの組み合わせが異なっていてもよい。これにより、フィルタエレメントの対称性または非対称性が影響を受けてもよい。
【0009】
有利には、2つのハンドグリップエレメントのうち、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、1つの部分、とくに、つかむことができる交差部分を有していてもよい。このつかみ部は一本以上の指または対応するグリップ具もしくはその両方によって保持されてもよく、これにより安定して保持され得る。
【0010】
1つの有利な実施形態では、2つのハンドグリップのうち、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、少なくとも1つの穴または少なくとも1つの指通し穴または少なくとも1つのグリップ開口部または少なくとも1つのくぼみグリップを有していてもよい。手の指または対応するグリップ具もしくはその両方は、これらの穴、指通し穴、グリップ開口部、またはくぼみグリップと係合してもよい。この代わりに、またはこれに加えて、2つのハンドグリップエレメントのうち、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、穴、指通し穴、グリップ開口部、またはくぼみグリップを1つも有していなくてもよい。
【0011】
少なくとも1つのハンドグリップエレメント、とくにくぼみグリップは、有利には、フィルタエレメントの外周側に設けられていてもよく、とくにいずれかの端部材の外側に設けられていてもよい。有利には、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、流入面と流出面の間に設けられていてもよい。有利には、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、周縁シールが設けられている場合は、該周縁シールと、流れが通る面、とくにフィルタベローズの流入面との間に設けられていてもよい。
【0012】
このつかむことのできる部分、すなわち上述の穴や指通し穴は、有利には、流れ方向において、エレメントの軸に対して、流入面の上流または流出面の下流に設けられていてもよい。
【0013】
少なくとも2つのハンドグリップエレメントを用いることで、フィルタエレメントを複数の位置で同時につかむことができる効果が得られる。よって、フィルタエレメントを、均等にフィルタハウジングに挿入し、均等にフィルタハウジングから取り出すことができる。これにより、取り付けまたは取り出しの際、フィルタエレメントのプリーツエッジへの悪影響を低減することができる。よって、比較的重いまたは大きな、もしくはその両方であるフィルタエレメントであっても、容易かつ正確にフィルタハウジング内に位置決めすることができる。
【0014】
2つのハンドグリップエレメントのうち、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、有利には、フィルタハウジング内にフィルタエレメントを取り付ける方向に対して、フィルタエレメントの後方に設けられてもよい。有利には、フィルタエレメントの後方は、フィルタハウジングのハウジング底部の反対側に対向していてもよい。フィルタエレメントの後方側は、フィルタエレメントがそこを通って取り付けられる、フィルタハウジングの取り付け口に対向していてもよい。このようにすれば、フィルタハウジングが開いた後に、取り付け口を通して、少なくとも1つのハンドグリップを容易に外からつかむことができる。
【0015】
有利には、フィルタエレメントは、空気のろ過に適したものであってもよい。また、フィルタエレメントは、その他の種類の流体、とくに気体や液体をろ過するために設けられていてもよい。よって、対応するフィルタエレメントは、とくに燃料、油、水または尿素溶液をろ過するために用いられてもよい。
【0016】
有利には、フィルタエレメントは自動車の内燃機関に用いられてもよい。
【0017】
有利には、フィルタエレメントは商用車、とくトラック、バス、工事現場用車両、農作業用機械のエアフィルタに設けられていてもよい。このようなフィルタエレメントは乗用車用のフィルタエレメントと比較して各寸法が大きい場合があるからである。しかし、このフィルタエレメントは乗用車に用いることもできる。
【0018】
本発明は、自動車のエンジニアリング以外で、具体的には商用車において用いてもよい。また、本発明を内燃機関以外で、とくに自動車のエンジニアリングで用いることも可能である。
【0019】
有利には、フィルタエレメントは平坦なフィルタエレメントであってもよい。フィルタエレメントは平坦であってもよく、曲がっていてもよい。フィルタベローズの流入面または流出面もしくはその両方は、平坦で合ってもよく、曲がっていてもよい。また、フィルタエレメントは箱の形をしていてもよい。
【0020】
フィルタベローズは、例えば、略多面体形状であってもよい。有利には、フィルタベローズは、立方体、直方体、錐体、角柱、くさび等の形状であってもよい。フィルタベローズの全ての面が平坦である必要は無く、フィルタベローズのいくつかの面は曲面であってもよい。対向する2つの面は平行に延びていてもよい。これに代えて、またはこれに加えて、対向する2つの面は斜めに延びていてもよく、そうでなければ互いに平行ではないように延びていてもよい。
【0021】
有利には、フィルタエレメントのエレメント軸は、フィルタハウジング内にフィルタエレメントを取り付ける取り付け方向と平行または同軸であってもよい。取り出し方向は、通常は、この取り付け方向と反対向きである。有利には、エレメント軸は、フィルタエレメントの流入面及び流出面と交差していてもよい。流入面または流出面もしくはその両方が平面である場合、有利には、エレメント軸または取り付け方向もしくはその両方は、それらに垂直であってもよい。
【0022】
フィルタろ過材は、紙フィルタ、不織フィルタ、メルトブロー、不織布、またはその他の種類の、とくに空気である流体のろ過に適したフィルタろ過材であってもよい。有利には、フィルタろ過材はプリーツ状に折りたたむことが可能であってもよい。
【0023】
あるいは、フィルタベローズは、流体透過性のフィルタ発泡体を備えていてもよく、とくに空気透過性のフィルタ発泡体を備えていてもよい。フィルタベローズは、そのようなフィルタ発泡体の中実の塊として実現されてもよい。
【0024】
他の有利な実施形態では、少なくとも2つのハンドグリップエレメントは、フィルタエレメントの対向する2つの面に設けられていてもよい。
【0025】
このようにすれば、フィルタエレメントを、その対向する2つの面において均等につかむことができる。よって、取り出しまたは取り出しの際にフィルタエレメントが傾く可能性が低減される。
【0026】
有利には、少なくとも2つのハンドグリップエレメントは、フィルタエレメントの、エレメント軸を挟んで対向する2つの面に設けられていてもよい。
【0027】
有利には、ハンドグリップエレメントは、2つ一組で複数組設けられてもよい。
【0028】
他の有利な実施形態では、少なくとも2つのハンドグリップエレメントは、フィルタベローズの異なる長手方向の辺に、または同一の長手方向の一辺の隣に設けられてもよい。このように、フィルタエレメントの対称性または非対称性が、ハンドグリップエレメントに影響されてもよい。
【0029】
有利には、少なくとも2つのハンドグリップエレメントは、フィルタエレメントのフィルタ軸に対して、対角線上に対向する2つの面に設けられていてもよい。有利には、少なくとも2つのハンドグリップエレメントは、フィルタエレメントの対角線上に対向する2つの面の辺の領域に設けられていてもよい。有利には、少なくとも2つのハンドグリップエレメントは、フィルタエレメントの対角線上に対向する2つの面の辺の領域に設けられていてもよい。有利には、少なくとも2つのハンドグリップエレメントは、流入面または下流側面の対角線上に対向する角の領域に設けられていてもよい。
【0030】
また、少なくとも2つのハンドグリップエレメントは、フィルタエレメントの同一の長手方向の面に設けられるほか、対向する横手方向の2つの面、とくにその前方の端に設けられていてもよい。
【0031】
他の有利な実施形態では、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、エレメント軸に対して、フィルタエレメントの1つの面の、周方向略中央に設けられていてもよい。有利には、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、フィルタエレメントの対向する2つの面間、とくに長手方向の2面間の略中央に設けられていてもよい。
【0032】
他の有利な実施形態では、フィルタろ過材はプリーツ状に折りたたまれていてもよい。フィルタろ過材をプリーツ状とすることで、フィルタベローズの設計容量に対するアクティブなフィルタ領域の割合を向上させることができる。
【0033】
フィルタろ過材は、ジグザグの構成になるようプリーツ状に折りたたまれて、フィルタベローズを形成してもよい。このフィルタエレメントの場合、とくに開放フィルタベローズを有する平坦なフィルタエレメントの場合、フィルタろ過材は閉ではない。すなわち、末端のプリーツ(ひだ)は、末端の縁と同様、互いに接合されていない。これに対して、空洞フィルタエレメントの場合、とくに円形フィルタエレメントの場合、フィルタろ過材は閉じたフィルタベローズを形成するように成形されており、すなわち、エンドプリーツが互いに接合されている。エンドプリーツとは、両端、具体的にはフィルタベローズの長手方向の両端の最も外側の2つのプリーツである。エンドボーダーとは、フィルタろ過材の自由な二辺であり、エンドプリーツに沿って延びるとともに、フィルタベローズの両端において、エンドプリーツを画定する。フィルタベローズのエンドエッジとは、フィルタベローズのその他の自由な2辺であり、エンドボーダー同士の間をフィルタベローズのプリーツ形状に沿うように延びている。プリーツエッジとは、フィルタろ過材がプリーツ状に折られている折り山の部分である。ジグザグにプリーツ状とされた立方体形状のフィルタベローズの場合、エンドボーダー及びプリーツエッジの各々は直線であり、互いに平行である。エンドエッジはジグザグ状に延び、プリーツエッジのエンドボーダーと垂直である。エンドエッジはそれぞれ、フィルタベローズの幅に渡って設けられる。プリーツ状のフィルタろ過材の場合、フィルタベローズの流入面には流入側プリーツエッジがその幅に渡って設けられる。流出面には、流出側プリーツエッジがその幅に渡って設けられる。エンドエッジ側の面には、エンドエッジがその幅に渡って設けられている。
【0034】
有利には、フィルタベローズは深いプリーツを有していてもよい。例えば、この場合、立方体形状のフィルタベローズでは、プリーツの高さは少なくともプリーツエッジ方向の範囲と同じくらい大きいか、またはプリーツエッジが連なる方向の範囲と同じくらい大きく、もしくはその両方である。
【0035】
フィルタベローズにおいて、プリーツの高さまたはプリーツの形状もしくはその両方は異なっていてもよい。プリーツの高さまたはプリーツの形状もしくはその両方は、少なくとも1つのプリーツ内で異なっていてもよい。これに代えて、またはこれに加えて、プリーツの高さまたはプリーツの形状もしくはその両方は、プリーツ間で、とくに隣りあうプリーツ間で異なっていてもよい。このようにして、流入面または流出面もしくはその両方が曲面となった形状が実施されてもよい。フィルタベローズの中央におけるプリーツ高さを、とくにその長手方向の面の領域におけるプリーツ高さより低くしてもよい。これにより、フィルタベローズの該当する面、とくに流入面または流出面は、略楕円または略円筒状のジャケット部を有してもよい。これに代えて、フィルタベローズは、そのフィルター高さを適切に変えることで傾斜した形状となっていてもよい。
【0036】
他の有利な実施形態においては、少なくも1つの端部材、とくにエンドディスクが、フィルタベローズの少なくとも1つの周方向側面に設けられていてもよく、該端部材は、流入面と流出面との間に延設されていてもよい。フィルタベローズとフィルタエレメント全体とを、少なくとも1つの端部材によって固定することができる。また、フィルタベローズは、対応する側面に少なくとも1つの端部材を設けることによって密にシールされていてもよい。さらに、少なくとも1つの端部材は、フィルタエレメントをフィルタハウジング内の安定した位置で位置決めかつ保持可能な接続エレメントまたは維持エレメントとして機能してもよい。
【0037】
有利には、対応する端部材がフィルタベローズの複数の周方向側面に設けられていてもよい。これにより、フィルタエレメントの安定性をさらに向上することができる。
【0038】
有利には、フィルタベローズの対向する周方向側面のそれぞれに、端部材が1つずつ設けられていてもいい。有利には、端部材は、取り付け軸またはエレメント軸もしくはその両方を挟んで対向する、フィルタベローズの2つの面に位置していてもよい。
【0039】
プリーツ状のフィルタろ過材の場合、少なくとも1つの端部材が、フィルタベローズの1つのエンドエッジ側に設けられていてもよい。少なくとも1つの端部材が、該エンドエッジ側に密に接続されていてもよい。このようにして、少なくとも1つの端部材が、エンドエッジ側を密にシールしていてもよい。
【0040】
有利には、フィルタベローズの2つのエンドエッジ側の各々が、1つの端部材によってシールされていてもよい。
【0041】
有利には、少なくとも1つの端部材は、エンドディスクであってもよい。エンドディスクは、その広がりにおいて平坦である。このようにすれば、フィルタエレメントを取り付けるために必要とされるスペースを全体として抑制することができる。
【0042】
少なくとも1つの端部材、とくにエンドディスクは、端部材の安定性を高めるためのリブ構造を有していてもよい。
【0043】
少なくとも1つの端部材の輪郭は、フィルタベローズの、該少なくとも1つの端部材が設けられる面の対応する輪郭と一致していてもよい。端部材の形状は、広がりの変化、具体的には、フィルタベローズの高さの変化、より具体的にはプリーツ高さの変化に適応してもよい。
【0044】
有利には、少なくとも1つの端部材はプラスチック製としてもよい。プラスチックは弾性を有することができる。プラスチック製の少なくとも1つの端部材は、とくに機械的な減衰効果を有していてもよい。また、プラスチックはとくに鋳造や射出成型によって簡単に成形することができる。
【0045】
有利には、少なくとも1つの端部材、とくにプラスチック製の端部材は、フィルタベローズに接合されていてもよい。この接合は、具体的には溶接または接着結合による材質の接合によって、具体的には差し込み接続または留め金接続による嵌めこみによって、または、具体的には圧入接続やクランプ接続による圧力ばめによって、もしくはこれらの組み合わせまたはその他の方法によってなされてもよい。
【0046】
他の有利な実施形態において、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、とくに少なくとも1つの端部材と一体になるように接続されていてもよい。このようにすれば、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、とくにプレファブリケーションによって、対応する端部材とともに容易に製造することができる。少なくとも1つのハンドグリップエレメントを有する少なくとも1つの端部材は、フィルタろ過材に容易に接続することができる。有利には、これらを1つの工程で行うことができる。
【0047】
有利には、少なくとも1つのハンドグリップエレメントと、少なくとも1つの端部材とは、一体となるよう互いに接合されていてもよい。一体接続によって、安定性を高めることができる。こうして、少なくとも1つのハンドグリップを少なくとも1つの端部材に接合するための、追加の取付部材または追加の組み立て工程を省略することができる。
【0048】
少なくとも1つのハンドグリップエレメントを有する少なくとも1つの端部材は、有利に、また容易に、プラスチックで製造することができ、とくに射出成型や鋳造によって製造してもよい。
【0049】
有利には、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは端部材、とくにエンドディスクに統合されていてもよい。このようにすれば、省スペースかつ安定した構造を得ることができる。
【0050】
有利には、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、少なくとも1つの端部材の一方の側の中央に設けられていてもよい。このようにすれば、取り付けまたは取り出しの際、フィルタエレメントに機械的な力が均等に働き得る。したがって、フィルタエレメントが傾く可能性がさらに低減される。
【0051】
他の有利な実施形態では、少なくとも1つのハンドグリップエレメントの少なくとも1つの長手方向部分は、取り付け方向に平行な少なくとも一の方向に延設されていてもよい。この取り付け方向は、フィルタエレメントがフィルタハウジング内に取り付けられ得る方向であり、具体的にはエレメント軸である。
【0052】
少なくとも1つの長手方向部分は、選択的に設けられる横手方向部分をフィルタベローズまたは端部材と接続するための接続部分として機能してもよい。この横手方向部分は、具体的には少なくとも1つのハンドグリップエレメントのグリップ部分である。
【0053】
これに代えて、またはこれに加えて、少なくとも1つの長手方向部分は、存在し得る任意の横手方向部材、とくに横手方向ウェブの、フィルタベローズまたは端部材に対する支持部または安定部として機能してもよい。したがって、フィルタエレメントの取り付けまたは取り出しの際、横手方向部分に働く力がフィルタベローズまたは端部材へよりよく伝達される。
【0054】
有利には、少なくとも1つのハンドグリップエレメント、とくに少なくとも1つの長手方向部分は、フィルタベローズを超えて、流入面または流出面上で突出してもよく、とくにエレメント軸または取り付け方向もしくはその両方の方向に突出してもよい。このようにすれば、流体の流れの主方向における、流入面の上流または流出面の下流で、少なくとも1つのハンドグリップエレメントを簡単につかむことができる。
【0055】
有利には、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、取り付け方向から見て、端部材がその幅に渡って設けられた領域内に位置していてもよい。このようにすれば、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、フィルタエレメントの横手方向の広がりに悪影響を及ぼさない。このようにすれば、フィルタエレメントの取り付けスペースの横方向の大きさを抑制することができる。
【0056】
有利には、少なくとも1つの長手方向部分は、対応するハンドグリップエレメントの穴または指通し穴を少なくとも部分的に画定する。
【0057】
他の有利な実施形態では、2つのハンドグリップエレメントのうち、少なくとも1つのハンドグリップエレメントの少なくとも1つの横手方向部分は、フィルタハウジング内にフィルタエレメントが取り付けられ得る取り付け方向、とくにエレメント軸に対して横方向の、とくに半径方向の、少なくとも1つの方向成分の方向に延設されてもよい。
【0058】
少なくとも1つの横手方向部分には、取り付け方向に沿う、または逆らう力が、容易にかつ均等に働き得る。少なくとも1つの横手方向部分は、グリップ部またはグリップウェブとして機能してもよい。
【0059】
有利には、少なくとも1つの横手方向部材は、少なくとも1つの方向成分を有して、フィルタベローズから離れるように延設される。
【0060】
有利には、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、ウェブ、ジャーナル、またはリブを有していてもよい。ウェブ、ジャーナル、またはリブは容易に実施することができる。このようなハンドグリップエレメントは容易につかむことができる。
【0061】
有利には、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、フィルタベローズと逆側を向くように、少なくとも1つの端部材の外側に設けられていてもよい。有利には、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、流入面または流出面において、フィルタベローズを超えて突出しない。このようにすれば、流れの主方向、エレメント軸の方向、または取り付け方向、もしくはその組み合わせにおけるフィルタエレメントの広がりを抑制することができる。
【0062】
あるいは、ハンドグリップエレメントのうち、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、保持ハンドルとして構成されてもよい。ハンドルのグリップ部は、取り付け方向またはエレメント軸方向もしくはその両方に対して横方向に延設されていてもよい。グリップ部は、少なくとも1つの横方向接続部分によって、フィルタベローズまたは選択的に少なくとも1つの端部材に接続されていてもよい。グリップ部と横方向接続部分とは、穴または指通し穴を実現していてもよく、とくにそれらを画定していてもよい。
【0063】
他の有利な実施形態では、ハンドグリップエレメントのうち、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、流入面または流出面もしくはその両方に対して横方向の位置においてフィルタエレメントに取り付けられていてもよい。このようにすれば、少なくとも1つのハンドグリップエレメントが流入面または流出面もしくはその両方を覆うことを抑制することができる。また、これによって、フィルタエレメントを流れる流れへの干渉を抑制することができる。
【0064】
他の有利な実施形態では、フィルタエレメントは、フィルタベローズから取り付け方向に対して横方向に、具体的には半径方向に離れて突出する少なくとも1つの保持構造を選択的に備えるとともに、直接的または間接的にフィルタベローズに接続され、フィルタベローズの周に少なくとも部分的に沿うように流入面と流出面との間に延設されるフィルタエレメント保持具を備えていてもよい。フィルタエレメント保持具によって、フィルタエレメントを、フィルタハウジングの対応する相手方保持具に容易に固定することができる。このようにすれば、フィルタエレメントを容易にフィルタハウジング内に位置決めすることができる。フィルタエレメント保持具は少なくとも部分的に周に沿って延設され、取り付け方向に対して半径方向に突出する保持構造を有しているため、取り付け方向またはエレメント軸方向もしくはその両方に対して、フィルタハウジング内における軸方向の位置決め及び保持が可能となっている。
【0065】
有利には、フィルタエレメント保持具は少なくとも1つの端部材に接続されていてもよい。これによって、フィルタハウジングからフィルタベローズ、フィルタベローズからフィルタハウジングへの力の伝達が向上する。
【0066】
他の有利な実施形態では、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、フィルタハウジング内にフィルタエレメントを取り付ける取り付け方向から見たとき、少なくとも1つの保持構造と同一高さを有していてもよい。本発明における「同一高さを有する」とは、取り付け方向において、ハンドグリップエレメントが突出する部分が、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、保持構造の内側にあることを意味する。
【0067】
有利には、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、フィルタエレメントが少なくとも1つの保持構造によって横方向に拡大するフィルタエレメントの領域、とくに取り付け方向に対して半径方向に広げられた領域に設けられていてもよい。このようにすれば、フィルタエレメントの横方向の広がりが少なくとも1つのハンドグリップエレメントによってさらに拡大されないようにすることができる。フィルタハウジングが狭い空間しか占めない場合、少なくとも1つのハンドグリップエレメントは、横方向に突出する保持構造の前方または後方において、取り付け方向に対して横方向に形成されてもよい。
【0068】
また、本発明によれば、フィルタエレメントが、フィルタエレメントをつかむための少なくとも2つのフィルタグリップエレメントを有しているため、フィルタについても上述の目的が達せられる。
【0069】
本発明のフィルタエレメントとともに説明した上述の効果及び特徴と、有利な実施形態とは、本発明のフィルタにも適用可能であり、またその逆も可能である。
【0070】
本発明のさらなる利点、特徴、および細部が明らかになるよう、以下の説明では、図面を参照して、本発明の実施形態をより詳細に説明する。当業者は、図面、明細書、および特許請求の範囲に組み合わせて開示した特徴を適切に、また、個別に検討し、それらの特徴を組み合わせて、さらなる有意義な組み合わせとすることができる。図面は概略図である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
図1】第1実施形態に係るエアフィルタエレメントの等角投影図であり、対向する2つの面にはエンドディスクが設けられ、それぞれに保持ハンドルが統合されている。
図2図1のフィルタエレメントを長手方向から見た側面図である。
図3図1及び2のフィルタエレメントにおける、エンドディスクのうち1つを見るための方向の横方向断面図である。
図4図1図3のフィルタエレメントの流入面について上から見た図である。
図5図1図4のフィルタエレメントのエンドディスクのうち1つの等角投影図である。
図6図5のエンドディスクの側面図である。
図7図5及び図6のエンドディスクの正面図である。
図8図5図7のエンドディスクの上面図である。
図9】第2実施形態に係るエアフィルタエレメントの等角投影図であり、対向する2つの面にエンドディスクが設けられ、それぞれのエンドディスクに2つのリブ方式のハンドグリップエレメントが統合されている。
図10図9のフィルタエレメントを長手方向から見た側面図である。
図11図9及び図10のフィルタエレメントの側面図である。
図12図9図10のフィルタエレメントの上面図である。
図13図9図12のフィルタエレメントのエンドディスクのうち1つのエンドディスクの等角投影図である。
図14図13のエンドディスクの側面図である。
図15図13及び図14のエンドディスクの正面図である。
図16図13図15のエンドディスクの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
図面中、同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0073】
図1から図4は、第1実施形態に係る、自動車の内燃機関のエアフィルタ(不図示)のフィルタエレメント10示す図であり、それぞれ異なる方向から見た図である。エアフィルタは、開放可能で、ハウジングポットとハウジングカバーとからなるフィルタハウジングを有する。フィルタエレメント10は、フィルタハウジング内に設けられ、交換可能である。
【0074】
ここに示す実施形態においては、フィルタエレメント10をハウジングポット内に取り付ける取り付け方向12は、エレメント軸14と平行である。
【0075】
フィルタエレメント10は、取り付け口を介して、ハウジングポット内に取り付けることができる。
【0076】
フィルタエレメント10は、平坦なフィルタエレメントとして構成される。フィルタエレメント10は、ジグザグのプリーツ状となるように折られたフィルタろ過材18からなるフィルタベローズ16を有し、該フィルタベローズの外形は略立方体形状である。フィルタろ過材18は、紙フィルタ、不織フィルタ、または、空気をろ過することに適し、プリーツ状にすることが可能なその他のフィルタろ過材であってもよい。また、フィルタベローズ16はプリーツ状ではないフィルタろ過材、例えばフィルタ発泡体からなるものであってもよい。フィルタろ過材18は、複数のプリーツエッジ20に沿ってプリーツ状に折りたたまれている。プリーツエッジ20はお互いに平行であり、エレメント軸14に対して垂直である。
【0077】
図1及び図2において、上側には流入面プリーツエッジ20が、下側には流出面プリーツエッジ20が示されている。図4には、流入側プリーツエッジ20のみが示されている。プリーツ状のフィルタろ過材18のプリーツ高さ22はエレメント軸14に対して平行に延びている。プリーツエッジ20と垂直の、フィルタベローズ16の幅は、プリーツエッジ20と同じ方向のフィルタベローズ16の長さよりも小さい。フィルタベローズ16の、エレメント軸に対する軸方向高さは、その最大の高さが、フィルタベローズ16の幅よりもわずかに大きい。フィルタベローズ16の長さは、その最大高さよりも大きい。したがって、プリーツは深いといえる。
【0078】
複数のプリーツのプリーツ高さ22は、隣のプリーツとの間で、プリーツエッジ20と垂直な方向であって、エレメント軸18に垂直な方向に変化する。フィルタベローズ16の中心におけるプリーツのプリーツ高さ22は、フィルタベローズ16の長手方向側面24における外側のプリーツのプリーツ高さ22よりも小さい。図1の下側に示すように、フィルタベローズ16の長手方向から見たとき、複数の流出側プリーツエッジ20を通して形成される曲線の形状は、放物線とほぼ一致する。
【0079】
フィルタベローズ16のエンドエッジ側面26には、フィルタろ過材18のエンドエッジがその幅に渡って設けられているが、図中では見えないようになっている。エンドエッジ側面26は、エレメント軸を挟んで半径方向に対向する2つの面に位置している。エンドエッジ側面26は互いに平行であり、エレメント軸14と上流側プリーツエッジ20がその幅に渡って設けられた流入面に対して垂直である。エンドエッジ側面26は、長手方向側面24と接続されて、ともにフィルタベローズ16を取り巻く周方向側面を形成する。
【0080】
図1図4の上側に示す流入面28は、フィルタエレメント10が取り付けられているときに、ハウジングカバーに対向する面に位置している。
【0081】
図1図4の下側に示す流出面30は、ハウジングポットのポット底に対向する面に位置し、下流側プリーツエッジ20がその幅に渡って設けられている。
【0082】
エンドディスク32は、フィルタベローズ16のエンドエッジ側面26において、フィルタろ過材18のエンドエッジに密に接続されている。図5図8には、例えば、エンドディスク32を異なる方向から見た図が示されている。エンドディスク32はそれぞれプラスチック製である。エンドディスク32はその外側がほぼ長方形である。エンドディスク32の下流側の辺であって、流出面28に面する辺は、流出面28に沿って、ほぼ放物線状となっている。
【0083】
流入側の辺の付近において、エンドディスク32はそれぞれフィルタエレメント保持具34を有している。フィルタエレメント保持具34は、一体として設けられるはみ出し部36を有している。はみ出し部36はエレメント軸14に対して周方向に延設される。はみ出し部36は、プリーツエッジ20の方向から見たとき、フィルタベローズ16から外側に突出するとともに、エンドディスク32の流入側の辺と略平行になっている。
【0084】
長手方向側面24に面する、はみ出し部36の両端の領域において、はみ出し部36はそれぞれ、フィルタベローズ16から見たとき外側へ突出する保持構造38を有している。それぞれのはみ出し部36は、取り付け方向12に沿って見たとき、ほぼ中央に、シール42のための保持ウェブ40を有している。保持ウェブ40は、はみ出し部36の長さ全体に渡って延設されている。
【0085】
シール42は、フィルタベローズ16とエンドディスク32を囲んでおり、エレメント軸14に対して周方向に閉となっている。流入面28から見たとき、シールは流入側プリーツエッジ20よりもわずかに後方に位置している。
【0086】
フィルタエレメント保持具34によって、フィルタエレメント10を、フィルタハウジング内に取り付け方向12及びエレメント軸14の軸方向に維持することができる。したがって、フィルタハウジングは、フィルタエレメント保持具34に対応する維持面を有している。
【0087】
また、それぞれのエンドディスク32には、フィルタベローズ16の反対側を向く外側の面に、補強リブ44がリブ模様をなすように設けられている。
【0088】
保持ハンドル46は流入面28に面するエンドディスク32の流入側の対応する辺に一体となって取り付けられている。保持ハンドル46は、フィルタベローズ16の幅に対してほぼ中央に位置している。2つの保持ハンドル46は、フィルタエレメント10の、エレメント軸14を挟んで半径方向に対向する2つの面に設けられている。
【0089】
保持ハンドル46は、それぞれ、対応するエンドディスク32の平面に延設される。保持ハンドル46は、それぞれ流入面28の側に位置している。このようにすれば、保持ハンドル46が流入面28を覆うことがない。保持ハンドル46は、流入面28上においてフィルタベローズ16を超えて突出している。
【0090】
保持ハンドル46の横方向接続部48は、エレメント軸14すなわち取り付け方向12にほぼ平行の一方向成分とともに延設される。中央グリップ部50は、エレメント軸14を横切るように、すなわち取り付け方向12とプリーツエッジ20とを横切るように延設される。この中央グリップ部50は、2つの接続部48を接続する。
【0091】
横方向接続部48と、グリップ部50と、グリップ部50の反対側でエンドディスク32の流入側の対応する辺とが、対応する保持ハンドル46の指通し穴52を画定する。
【0092】
フィルタエレメント10を、対向する2つの面のそれぞれにおいて、片手もしくは対応する道具でつかむことができ、例えば、2つの保持ハンドル46によってつかむことができる。よって、保持ハンドル46を用いて、フィルタエレメント10を、取り付け方向12に沿ってフィルタハウジング内に挿入して取り付けることができるとともに、同様に反対方向に取り外して取り出すことができる。
【0093】
図9図12は、フィルタエレメント10の第2実施形態を示す図である。フィルタエレメント10のエンドディスク32のうち1つが、例えば、図13図16に詳細に示されている。第1実施形態に対して、第2実施形態では、保持ハンドル46に代えて、リブ型ハンドグリップエレメント146が各エンドディスク32に2つずつ設けられている。この点を除き、図9から図16に示す第2実施形態に係るフィルタエレメント10の構成は、図1から図8に示した第1実施形態に係るフィルタエレメント10の構成と同じである。
【0094】
ハンドグリップエレメント146は、エレメント軸14の方向に見たとき、保持構造38とエンドディスク32の流入側の辺との間に設けられている。各ハンドグリップエレメント146は、エレメント軸14の方向において、すなわち取り付け方向12において、保持構造38と同一高さを有している。
【0095】
各ハンドグリップエレメント146は、流入面28に略平行かつエンドディスク32の外側に略垂直に外向きに延びるウェブグリップ148を有している。ウェブグリップ148はわずかに曲がっており、対応する保持構造38に面するその下部において、わずかにくぼんだグリップを形成するようになっている。このくぼんだグリップは、指または道具を用いて容易につかむことができる。
【0096】
ハンドグリップエレメント146は、それぞれ、エンドディスク32の流入側の辺に面する側に、支持ウェブ150を有している。支持ウェブ150は、ウェブグリップ148の流入側の面の略中央に位置し、エレメント軸に対して略平行に延設される。支持ウェブ150は、ウェブグリップ148を支持するように機能する。ハンドグリップエレメント146は、それぞれ流入面28の横方向に位置している。
【0097】
したがって、全体では合わせて4つのハンドグリップエレメント146が、フィルタエレメント10の対向する2つの面に、周方向に設けられている。
【符号の説明】
【0098】
10 フィルタエレメント
12 取り付け方向
14 エレメント軸
16 フィルタベローズ
18 フィルタろ過材
20 プリーツエッジ
22 プリーツ高さ
24 長手方向側面
26 エンドエッジ側面
28 流入面
30 流出面
32 エンドディスク
34 フィルタエレメント保持具
36 はみ出し部
38 保持構造
40 保持ウェブ
42 シール
44 補強リブ
46 保持ハンドル
48 接続部
50 グリップ部
52 指通し穴
146 ハンドグリップエレメント
148 ウェブグリップ
150 支持ウェブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16