(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、近年においては、台車の保管効率や運搬作業時の作業効率を向上させる観点から、台車自体の小型化、軽量化が望まれている。台車の小型化、軽量化に対応する上で、当該台車の主要部を構成する台盤の小型化、軽量化が非常に重要になる。
【0006】
この点、特許文献1記載の台車では、上述したように、スライド受容部にキャスターの座板を取り付ける際に、ロックアームを上方へ弾性変形させなければならない。即ち、特許文献1記載の構成の場合、ロックアームによって係止された座板が配置される空間と、ロックアームの弾性変形を許容する空間とが上下方向に隣接していなければならない。従って、特許文献1記載の構成では、台盤の高さ寸法(即ち、台盤の厚み)は、必然的にスライド受容部の構成による制限を受け、台盤の小型化及び軽量化が妨げられる。更に、台盤の小型化、軽量化が妨げられる為、台車自体の小型化及び軽量化も妨げられてしまう。
【0007】
更に、特許文献1記載の台車では、ロックアーム及びキャスターの座板の上方となる空間に、リテーナを挿入することによって、ロックアームの弾性変形を規制し、ロックアーム及びキャスターの座板を固定している。即ち、特許文献1記載の場合、リテーナを挿入可能な空間を、ロックアームによって係止された座板が配置される空間の上方に形成しなければならない。ここで、リテーナは、ロックアームの弾性変形を規制しなければならず、或る程度の剛性が要求される為、サイズの大型化を招く。そうすると、スライド受容部におけるロックアーム及び座板の上方に位置する空間は、リテーナのサイズに伴って必然的に大きくなってしまい、台盤の高さ寸法は、必然的にスライド受容部の構成による制限を受け、台盤の小型化及び軽量化が妨げられる。更に、台盤の小型化、軽量化が妨げられる為、台車自体の小型化及び軽量化も妨げられてしまう。
【0008】
又、特許文献1記載の構成の場合、スライド受容部内において、キャスターの座板をロックアームの弾性変形を用いて係止する構造と、リテーナを挿入してロックアームの弾性変形を規制する構造を形成する必要がある為、スライド受容部内の構造が複雑である。従って、台盤の形成に要する合成樹脂の量を増大させると共に、成形用の金型の複雑化を招いてしまうため、台盤及び台車の生産コストを増大させてしまう。又、この構成の場合、台盤とリテーナがそれぞれ別体に形成されている為、外したリテーナを紛失してしまう虞があった。
【0009】
本発明は、合成樹脂製の台盤に対して、キャスターの座板を容易に取り付け固定することができ、更に、台盤の小型化及び軽量化に対応可能な台車を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る台車は、合成樹脂製の台盤と、前記台盤の下面に対して取り付けられた複数のキャスターと、を有する台車であって、前記台盤は、前記キャスターの座板を、前記台盤の下面に沿った状態で収容する座板受容部と、前記座板受容部に対して水平方向に隣接した位置に形成され、前記キャスターの座板を前記座板受容部内に固定するリテーナ部材を収容するリテーナ受容部と、を有し、前記リテーナ部材は、前記リテーナ受容部内において、前記台盤の下面に水平な所定方向へスライド可能に収容されており、前記リテーナ受容部内を前記所定方向へスライド移動した場合に、前記座板受容部内における取付位置へ向かう前記キャスターの座板の移動方向上流側に位置すると共に、前記リテーナ受容部は、前記リテーナ部材が前記所定方向へスライド移動した場合に、当該リテーナ部材と接触し、前記台盤の下面に対して垂直な方向への移動を規制する規制部を有
し、前記リテーナ部材の端部に形成された回動軸が回動可能に嵌め込まれる第1支持孔と、前記第1支持孔に対して前記所定方向に隣接した位置に形成され、前記所定方向にスライド移動した場合に、前記リテーナ部材の回動軸が嵌め込まれる第2支持孔と、を有する保持機構部を備えることを特徴とす
る。
【0011】
そして、請求項2に係る台車は、
合成樹脂製の台盤と、前記台盤の下面に対して取り付けられた複数のキャスターと、を有する台車であって、
前記台盤は、前記キャスターの座板を、前記台盤の下面に沿った状態で収容する座板受容部と、前記座板受容部に対して水平方向に隣接した位置に形成され、前記キャスターの座板を前記座板受容部内に固定するリテーナ部材を収容するリテーナ受容部と、を有し、前記リテーナ部材は、前記リテーナ受容部内において、前記台盤の下面に水平な所定方向へスライド可能に収容されており、前記リテーナ受容部内を前記所定方向へスライド移動した場合に、前記座板受容部内における取付位置へ向かう前記キャスターの座板の移動方向上流側に位置すると共に、前記リテーナ受容部は、
前記リテーナ部材が前記所定方向へスライド移動した場合に、当該リテーナ部材と接触し、前記台盤の下面に対して垂直な方向への移動を規制する規制部と、前記台盤の下面に対して垂直方向への回動を可能としつつ、前記所定方向へのスライド移動を可能に、前記リテーナ部材の端部を保持する保持機構部と、を有することを特徴とする。
【0012】
又、請求項3に係る台車は
、請求項2に記載の台車であって、前記リテーナ受容部は、前記リテーナ部材の端部に形成された回動軸が回動可能に嵌め込まれる第1支持孔と、前記第1支持孔に対して前記所定方向に隣接した位置に形成され、前記所定方向にスライド移動した場合に、前記リテーナ部材の回動軸が嵌め込まれる第2支持孔と、を有する保持機構部を備えることを特徴とする台車。
【0013】
そして、請求項4に係る台車は、請求項
1乃至請求項3
のいずれか1つに記載の台車であって、前記リテーナ部材は、前記リテーナ受容部に形成された前記保持機構部を介して、前記台盤に対して一体的に取り付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る台車は、合成樹脂製の台盤と、前記台盤の下面に対して取り付けられた複数のキャスターと、を有しており、当該台盤上に物品を積載して運搬作業に利用することができる。当該台車において、前記台盤の下面には、座板受容部と、リテーナ受容部が形成されており、リテーナ受容部は、前記座板受容部に対して水平方向に隣接した位置に配置されている。従って、当該台車によれば、リテーナ受容部と座板受容部が水平方向に隣接して形成されているので、上下方向に関する台盤の小型化及び軽量化に対応することができる。この結果、当該台車は、台車の主要部を構成する台盤の小型化及び軽量化に対応することによって、台車自体の小型化及び軽量化に対応することができる。
【0015】
又、当該台車において、前記リテーナ部材は、前記リテーナ受容部内において、前記台盤の下面に水平な所定方向へスライド可能に収容されており、前記所定方向へスライド移動した場合には、前記座板受容部内における取付位置へ向かう前記キャスターの座板の移動方向上流側に位置する。前記キャスターの座板は、座板受容部によって、前記台盤の下面に沿った状態で収容されており、リテーナ部材は、前記リテーナ受容部内を前記所定方向へスライド移動した場合に、前記キャスターの座板の移動方向上流側に位置する為、当該座板は、座板受容部内の取付位置に取付固定することができる。当該台車によれば、前記リテーナ受容部内において、前記リテーナ部材を所定方向へスライド移動させるという簡単な操作で、キャスターの座板を前記座板受容部内に、容易に取り付け固定することができる。
【0016】
そして、リテーナ部材の一端部は、リテーナ部材を所定方向へスライド移動させると、リテーナ受容部の規制部によって、前記台盤の下面に対して垂直な方向への移動が規制される。これにより、当該台車によれば、規制部によって、リテーナ受容部におけるリテーナ部材の位置を固定することができる為、キャスターの座板が座板受容部内の取付位置に位置する状態を維持することができる。
請求項1に係る台車において、前記リテーナ受容部は、第1支持孔と、第2支持孔とを有する保持機構部を備えており、第1支持孔及び第2支持孔には、前記リテーナ部材の端部に形成された回動軸が嵌め込まれる。更に、第2支持孔は、前記第1支持孔に対して前記所定方向に隣接した位置に形成されている。従って、当該台車によれば、保持機構部を構成する第1支持孔と第2支持孔の間を、リテーナ部材の回動軸を移動可能に構成することによって、リテーナ部材を所定方向へスライド移動可能に保持し得る。又、第1支持孔には、前記リテーナ部材の端部に形成された回動軸が回動可能に嵌め込まれる為、当該台車は、リテーナ部材を、端部に形成された回動軸を軸として、前記台盤の下面に対して垂直方向への回動可能に保持することができる。
【0017】
請求項2に係る台車において、前記リテーナ受容部は、リテーナ部材の端部を保持する保持機構部を有しており、リテーナ部材は、保持機構部によって、前記台盤の下面に対して垂直方向への回動を可能としつつ、前記所定方向へのスライド移動を可能に保持されている。従って、当該台車によれば、保持機構部によって、リテーナ部材が前記台盤の下面に対して垂直方向へ回動可能に保持されている為、リテーナ部材を回動させることで、座板受容部内の取付位置へ移動可能な状態にすることができる。又、当該台車によれば、リテーナ部材は、保持機構部によって、所定方向へのスライド移動を可能に保持されている為、キャスターの座板を前記座板受容部内に、容易に取り付け固定することができ、前記規制部との協働によって、キャスターの座板が座板受容部内の取付位置に位置する状態を維持することができる。
【0018】
請求項3に係る台車において、前記リテーナ受容部は、第1支持孔と、第2支持孔とを有する保持機構部を備えており、第1支持孔及び第2支持孔には、前記リテーナ部材の端部に形成された回動軸が嵌め込まれる。更に、第2支持孔は、前記第1支持孔に対して前記所定方向に隣接した位置に形成されている。従って、当該台車によれば、保持機構部を構成する第1支持孔と第2支持孔の間を、リテーナ部材の回動軸を移動可能に構成することによって、リテーナ部材を所定方向へスライド移動可能に保持し得る。又、第1支持孔には、前記リテーナ部材の端部に形成された回動軸が回動可能に嵌め込まれる為、当該台車は、リテーナ部材を、端部に形成された回動軸を軸として、前記台盤の下面に対して垂直方向への回動可能に保持することができる。
【0019】
請求項4に係る台車においては、前記リテーナ部材は、前記リテーナ受容部に形成された前記保持機構部を介して、前記台盤に対して一体的に取り付けられている為、キャスターの交換作業を行う際に、リテーナ部材を紛失することを防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る台車を、台車1に適用した実施形態に基づいて、図面を参照しつつ詳細に説明する。
尚、以下の説明においては、工場等の作業場において、運搬作業に利用可能な状態の台車1を基準として、台車1及び各構成部材の上下方向を定義する。そして、台車1は、主要な構成部品として台盤10を有しており、台盤10の平面形状は、略長方形をなしている。
図1等に示すように、本実施形態における台車1及び各構成部材の前後方向は、略長方形をなす台盤10の短辺へ向かう方向と定義し、台車1及び各構成部材の左右方向は、台盤10の長辺へ向かう方向と定義する。
【0022】
(台車の概略構成)
初めに、本実施形態に係る台車1の概略構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1、
図2に示すように、本実施形態に係る台車1は、合成樹脂製の台盤10の下面に対して、複数のキャスター50を取付固定することによって構成されており、荷物等を台盤10上に載置して運搬する際に用いられる。当該台車1においては、平面形状が略長方形をなす台盤10の四隅に対して、キャスター50が、取り付けられると共に、容易に移動することのないように固定されている。
【0023】
そして、当該台車1において、台盤10の上面を構成する天板壁11には、台盤10の四隅にあたる位置に、車輪受部15が、夫々、天板壁11を下方に窪ませて形成されている。
図2に示すように、複数の台車1を積み重ねた場合、下方の台車1に係る各車輪受部15内には、その上方に位置する台車1に係るキャスター50の車輪53が位置する。従って、当該車輪受部15は、上方に載置された台車1におけるキャスター50の車輪53を、夫々、車輪受部15内に留める機能を果たし、もって、上方に載置された台車1を下方の台車1の略真上に維持する。
【0024】
(台盤の構成)
次に、本実施形態に係る台車1を構成する台盤10について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1〜
図3に示すように、台盤10は、合成樹脂の射出成形品であって、平面形状が長方形をなすように構成されており、天板壁11と、端部枠壁12と、側部枠壁13と、補強リブ14とを有している。
【0025】
天板壁11は、台盤10の上面において、略長方形の板状に形成されており、当該台車1における荷物が載置される載置面を構成している。端部枠壁12は、天板壁11の内、前後方向両端(即ち、短辺部分)の外縁部から、それぞれ下方に垂下している。そして、側部枠壁13は、天板壁11の内、左右方向両端(即ち、長辺部分)の外縁部から、それぞれ下方に垂下している。
図3に示すように、天板壁11の下面には、補強リブ14が格子状に張り巡らされており、天板壁11の下面に対して垂直に立設されている。
【0026】
図1〜
図3に示すように、天板壁11の四隅には、車輪受部15がそれぞれ配置されており、当該車輪受部15は、天板壁11の角部分における円形の領域を下方に陥没させて形成されている。当該車輪受部15の下方には、キャスター50の座板51が取り付けられる座板受容部20及びリテーナ受容部30が形成されている(
図3参照)。従って、
図2に示すように、複数台の台車1を積み重ねた場合、上方に載置された台車1の車輪53は、下方の台車1における車輪受部15内に配置される。
【0027】
又、車輪受部15内には、複数の規制リブ16が、放射状に延びるように形成されている。従って、複数台の台車1を積み重ねた場合、上方に載置された台車1の車輪53は、下方の台車1の車輪受部15を規制リブ16によって区分した領域内に配置され、規制リブ16によって、当該領域内に維持される。これにより、当該台車1によれば、車輪受部15及び規制リブ16の協働によって、一の台車1の略真上に、他の台車1を積み重ねることができ、台車1の保管効率を高めることができる。
【0028】
(キャスターの構成)
続いて、本実施形態に係る台車1のキャスター50の構成について、
図4を参照しつつ詳細に説明する。上述したように、キャスター50は、台盤10の四隅に形成された座板受容部20及びリテーナ受容部30によって取付固定される。キャスター50は、汎用部品として流通している部品であって、座板51と、車輪支持脚52と、車輪53を有している。
【0029】
当該キャスター50は、座板51の下面中央に車輪支持脚52を旋回可能に連結して備え、その車輪支持脚52によって、車輪53を回転可能に保持した構造になっている。座板51は、例えば、平面形状が長方形をなす板状部材であり、台盤10に対してキャスター50を取付固定する為の部材である。尚、車輪53の回転軸は、座板51に対する車輪支持脚52の旋回軸からずれている。これにより、台車1の進む方向に応じて車輪支持脚52が自在に旋回する。
【0030】
尚、本実施形態においては、キャスター50は、座板51に対して、車輪支持脚52を旋回可能に取り付けた構成であったが、この態様に限定されるものではない。即ち、キャスター50は、座板51に対して車輪支持脚52が所定方向で固定された構成を用いることも可能である。
【0031】
(座板受容部及びリテーナ受容部の構成)
次に、本実施形態における座板受容部20及びリテーナ受容部30の具体的構成について、
図5、
図6を参照しつつ詳細に説明する。
図3に示すように、座板受容部20及びリテーナ受容部30は、台盤10下面の四隅にそれぞれ形成されており、基本的に同一の構成である。従って、以下の説明においては、台盤10の右前方に位置する座板受容部20及びリテーナ受容部30を例に挙げて説明する。
【0032】
先ず、座板受容部20の構成について説明する。座板受容部20は、天板壁11の車輪受部15における下面に形成されており(
図3参照)、キャスター50の座板51が収容可能に構成されている。従って、座板受容部20は、車輪受部15を構成する天板壁11によって上部が閉じられている。
【0033】
そして、座板受容部20は、天板壁11から垂下した側部リブ22によって、前後方向両側部が閉じられており、更に、天板壁11から垂下した奥部リブ23よって、奥部(左右方向における内側方向)が閉じられている。当該奥部リブ23は、側部リブ22の端部と直交して繋がっている。座板受容部20は、側部リブ22及び奥部リブ23によって区画されており、本実施形態においては、座板51に対応したサイズで区画している。
【0034】
図5、
図6に示すように、座板受容部20は、台盤10の左右方向における外側(この場合、右側)の端面に座板挿入口21を開放して備えており、当該座板挿入口21は、座板51の板厚に対応する高さ寸法及び幅寸法を有している。従って、キャスター50の座板51は、座板挿入口21を介して、座板受容部20内に挿入される。尚、座板受容部20内の上面(天板壁11の下面)には、補強リブ14が升目状に延びており、当該補強リブ14の端面は、座板挿入口21の上端縁と面一となるように形成されている。
【0035】
そして、座板受容部20の内、一対の側部リブ22の各下端縁には、下方支持部24が形成されている。各下方支持部24は、側部リブ22の下端縁から、互いに接近するように水平方向へ張り出されている。各下方支持部24は、座板受容部20の座板挿入口21から奥部リブ23に亘って延び、奥部リブ23の下端に対して接続されている。又、下方支持部24の上面は、座板受容部20内を構成する天板壁11下面(具体的には、座板受容部20内の補強リブ14下端面)に対して、座板51の板厚に対応する寸法離間している。従って、座板51を座板受容部20内に挿入すると、当該座板51の前後方向における両端部は、座板受容部20内における天板壁11下面と、下方支持部24上面とによって挟持され、座板51の上下方向における位置決めがなされる。
【0036】
続いて、リテーナ受容部30の構成について説明する。リテーナ受容部30は、座板受容部20と同様に、天板壁11の車輪受部15における下面に形成されており(
図3参照)、座板51を座板受容部20内の取付位置に固定する為のリテーナ部材40を収容可能に構成されている。当該リテーナ受容部30は、座板受容部20に対して、台盤10の左右方向における外側(この場合、右側)に隣接して形成されており、下方が開放された略直方形を為す箱状に形成されている。従って、リテーナ受容部30は、車輪受部15を構成する天板壁11よって上部が閉じられている
【0037】
図5に示すように、当該リテーナ受容部30は、台盤10の前後方向に沿って長手方向を有する箱状に形成されており、リテーナ保持部31と、リテーナ規制部35と、リブ37を有している。リテーナ保持部31は、本発明の保持機構部に相当し、リテーナ受容部30における長手方向一端側(この場合、台盤10の後方側)に形成されている。そして、リテーナ規制部35は、本発明の規制部に相当し、リテーナ受容部30における長手方向他端側(この場合、台盤10の前方側)に形成されている。
【0038】
リテーナ保持部31は、リテーナ受容部30における長手方向一端側において、第1軸孔32と、第2軸孔33と、スライド許容部34とを有して構成される。当該リテーナ保持部31は、後述するリテーナ部材40を、リテーナ受容部30内部において前後方向にスライド可能に保持すると共に、台盤10に対して垂直方向へ回動可能に保持する。
【0039】
第1軸孔32は、リテーナ受容部30における長手方向一端側において、左右方向に対向する壁部に対して形成されており、後述するリテーナ部材40の一端側に形成された回動軸45が夫々回動可能に嵌め込まれる(
図9参照)。第2軸孔33は、左右方向に対向する壁部において、第1軸孔32に対して水平且つ前側となる位置に形成されており、リテーナ部材40の回動軸45が嵌め込まれる。尚、第2軸孔33は、リテーナ部材40の回動軸45が嵌め込まれる構成であればよく、第1軸孔32と同様に、リテーナ部材40の回動軸45が回動可能に嵌め込まれる構成であってもよい。
【0040】
そして、第1軸孔32及び第2軸孔33は、リテーナ受容部30の左右方向に対向する壁部において、天板壁11下面から下方へ所定距離離間した位置に穿設されている。従って、当該台車1によれば、台盤10上に荷物等が載置され、天板壁11が下方に撓むように変形した場合であっても、その撓み変形が第1軸孔32及び第2軸孔33に及ぼす影響を低減することができる。この結果、第1軸孔32又は第2軸孔33に対する回動軸45の嵌合を維持することができ、リテーナ受容部30からリテーナ部材40が脱落することを抑制し得る。
【0041】
スライド許容部34は、左右方向に対向する壁部において、第1軸孔32と第2軸孔33の間に位置する柱状に形成されており、第1軸孔32と第2軸孔33の間におけるリテーナ部材40の回動軸45の移動を許容している。
図5に示すように、スライド許容部34は、左右方向に対向する壁部の内壁面によりも、リテーナ受容部30の外側方向に位置しており、前後方向における角部分にテーパ面を有している。これにより、第1軸孔32と第2軸孔33の間におけるリテーナ部材40の回動軸45の移動を円滑にしている。
【0042】
そして、リテーナ規制部35は、リテーナ受容部30における長手方向の他端側において、規制壁部36を有して構成されている。規制壁部36は、リテーナ受容部30における長手方向の他端側に位置する壁部の下端縁から水平方向へ張り出されている。従って、後述するリテーナ部材40が所定方向(この場合、前方向)へスライド移動した場合に、リテーナ規制部35を構成する規制壁部36の上面は、当該リテーナ部材40の端部下面と接触する為、リテーナ部材40の回動を規制できる(
図13、
図14参照)。
【0043】
そして、リブ37は、リテーナ受容部30内における天板壁11の下面から下方に垂下して形成されており、リテーナ受容部30の長手方向(台盤10の前後方向)に沿って延びている。当該リブ37は、台盤10に対して垂直方向へかかる荷重に対し、リテーナ受容部30の剛性を高めている。
【0044】
(リテーナ部材の構成)
次に、本実施形態に係るリテーナ部材40の構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図7、
図8に示すように、リテーナ部材40は、例えば、合成樹脂の射出成形品であって、リテーナ受容部30のサイズに対応した略角柱状に形成されており、リテーナ操作部41と、切欠部42と、嵌合溝43と、弾性係止片44を有している。
【0045】
リテーナ操作部41は、リテーナ部材40下面の前方側において、下方に突出形成されている。リテーナ操作部41は、リテーナ受容部30におけるリテーナ部材40のスライド移動を行う際や、リテーナ受容部30に対してリテーナ部材40を回動させる際に、使用者に使用される。当該リテーナ操作部41は、リテーナ部材40の前端面からリテーナ規制部35の規制壁部36に対応するスペースを空けた位置に形成されている。従って、リテーナ部材40の下面の内、リテーナ操作部41よりも前方に位置する部分が、リテーナ規制部35を構成する規制壁部36上面と接触する(
図14参照)。
【0046】
切欠部42は、リテーナ操作部41の後方部分において、リテーナ部材40下面を切り欠くことによって形成される。当該切欠部42には、リテーナ受容部30におけるリテーナ部材40のスライド移動を行う際に、使用者の指等が掛けられる。又、リテーナ部材40をリテーナ受容部30内に固定した場合(即ち、
図13、
図14参照)、当該切欠部42は、キャスター50における車輪支持脚52の旋回範囲に対応する為、車輪支持脚52及び車輪53の旋回を妨げることはない。即ち、切欠部42は、車輪支持脚52等の旋回性能を確保する機能を果たす。
【0047】
図8に示すように、リテーナ部材40の上面には、嵌合溝43が形成されており、当該嵌合溝43は、前後方向に沿った直線上に配置されている。そして、リテーナ部材40をリテーナ受容部30内に配置した場合、嵌合溝43には、リテーナ受容部30のリブ37が嵌合される(
図15参照)。従って、リテーナ部材40は、リテーナ部材40をリテーナ受容部30内に配置した場合、リブ37と嵌合溝43を協働させることで、台盤10に対して垂直方向へかかる荷重について、リテーナ受容部30の剛性を更に高めることができる。
【0048】
そして、弾性係止片44は、リテーナ部材40の左右側面において、リテーナ部材40の後方側に形成されており、後方側に位置する自由端部分に回動軸45を有している。各弾性係止片44は、リテーナ部材40の左右側面を側面視略コ字状に貫通するように切り欠くことによって、前方に基端部、後方に自由端部を有する片持ち梁状に形成される。従って、当該弾性係止片44の後端部(自由端部)は、夫々、当該弾性係止片44の弾性変形に伴って、左右方向に移動可能に構成される。
【0049】
図7、
図8に示すように、回動軸45は、弾性係止片44の後端側である自由端部分において、リテーナ部材40の左右側面に対して垂直な円柱状に突出形成されている。上述したように、当該回動軸45は、リテーナ保持部31を構成する第1軸孔32又は第2軸孔33の何れかに対して嵌め込まれる(
図9参照)。従って、リテーナ部材40は、リテーナ受容部30に対して、当該回動軸45を軸として回動可能に保持される。
【0050】
そして、回動軸45の先端面における前後方向両側には、テーパ面45Aが形成されている。当該テーパ面45Aは、回動軸45の中心部分から前後方向に向かうにつれて、リテーナ部材40の左右側面に近づくように傾斜している。従って、リテーナ保持部31のスライド許容部34と協働することにより、リテーナ受容部30内におけるリテーナ部材40の前後方向へのスライド移動を円滑にすることができる。
【0051】
(キャスターの取付固定作業)
以上のように構成された本実施形態に係る台車1において、台盤10に対してキャスター50を取り付けて固定する取付固定作業について、
図10〜
図14を参照しつつ詳細に説明する。
【0052】
尚、以下の説明においても、台盤10の右前方に位置する座板受容部20及びリテーナ受容部30に対するキャスター50の取付固定作業を例として説明し、他の3カ所についての説明は省略する。又、座板受容部20内部には、キャスター50の座板51が配置されておらず、リテーナ部材40は、リテーナ受容部30内部において、回動軸45が第1軸孔32に嵌合されている状態であるものとする。
【0053】
初めに、使用者は、リテーナ部材40のリテーナ操作部41を指等で摘み、リテーナ保持部31に嵌合している回動軸45を軸に、リテーナ部材40を台盤10に対して垂直に回動させる。これにより、リテーナ部材40が、台盤10の左右方向外側(この場合、右側)から、座板受容部20の座板挿入口21へと延びる経路上から移動する為、キャスター50の座板51を水平にスライド移動させることで、座板挿入口21を介して、座板受容部20内部に配置することが可能となる(
図10参照)。
【0054】
キャスター50の座板51を座板受容部20内に配置した場合、座板51の前端縁及び後端縁は、夫々、座板受容部20を構成する側部リブ22と接触し、座板51における一方の側端縁(この場合、左側端縁)は、座板受容部20の奥部リブ23と接触する。従って、当該座板51は、座板受容部20内に配設されると、座板挿入口21が位置する方向を除く水平方向への移動が規制される。
【0055】
又、座板受容部20内を構成する天板壁11下面と下方支持部24上面は、座板51の板厚に対応する寸法離間している。従って、座板51を座板受容部20内に挿入すると、当該座板51の前後方向における両端部は、座板受容部20内の天板壁11下面と、下方支持部24上面とによって挟持され、座板51の上下方向への移動が規制される。
【0056】
こうして、キャスター50の座板51を、座板受容部20内の取付位置に配置すると、使用者は、リテーナ操作部41を用いて、リテーナ部材40を、第1軸孔32に嵌合されている回動軸45を軸に回動させて、リテーナ受容部30内部に収容する。
【0057】
図11、
図12に示すように、リテーナ受容部30内部に収容された場合、リテーナ部材40は、切欠部42を除く部分が、台盤10の左右方向外側(この場合、右側)から、座板受容部20の座板挿入口21へと延びる経路上に位置する。この時、リテーナ部材40の一側面は、座板受容部20の座板挿入口21に隣接して配置され、座板受容部20内に収容された座板51の他方の側端縁と接触可能に配置される(
図11〜
図15参照)。従って、リテーナ部材40の一側面は、座板受容部20を構成する側部リブ22及び奥部リブ23と協働することで、座板受容部20内における座板51の水平方向への移動を規制する。
【0058】
尚、
図11、
図12に示すように、リテーナ受容部30にリテーナ部材40を回動させただけでは、リテーナ部材40の端部(この場合、前端部)は、台盤10に鉛直な方向に移動可能な状態にある。即ち、リテーナ部材40が回動軸45を中心に自由に回動することが可能であり、リテーナ受容部30の外部へ移動してしまう可能性が高い。上述したように、リテーナ部材40がリテーナ受容部30外部へ移動した場合、座板51は、座板挿入口21を介して、座板受容部20外部へ移動可能となり、キャスター50が外れてしまう。
【0059】
そこで、使用者は、リテーナ操作部41、切欠部42等を用いて、リテーナ受容部30内部の前方側に向かって、リテーナ部材40をスライド移動させる(
図13、
図14参照)。この時、リテーナ部材40の各回動軸45は、スライド許容部34との接触に伴う弾性係止片44の弾性変形によって、第1軸孔32から抜け出し、スライド許容部34を乗り越える。スライド許容部34を乗り越えると、回動軸45は、弾性係止片44の復元力によって、第2軸孔33に対して、自然に嵌合する。又、回動軸45の先端面にはテーパ面45Aが形成されている為、回動軸45は、より円滑に、第1軸孔32から抜け出し、スライド許容部34を乗り越え、第2軸孔33に嵌合し得る。
【0060】
リテーナ受容部30内部において、リテーナ部材40を前方にスライド移動させることで、回動軸45が第2軸孔33に嵌合すると、
図14に示すように、リテーナ部材40の前端部が、リテーナ規制部35を構成する規制壁部36の上方に位置する。従って、リテーナ部材40の前端部は、リテーナ規制部35の規制壁部36上面と接触することによって、上下方向への移動が規制され、リテーナ受容部30内に固定される。一方、各回動軸45がリテーナ保持部31を構成する第2軸孔33にそれぞれ嵌合している為、リテーナ部材40の後端部は、上下方向の移動が規制されている。即ち、当該台車1においては、リテーナ受容部30内部において、リテーナ部材40を前方にスライド移動させることによって、リテーナ部材40をリテーナ受容部30内に固定することができる。
【0061】
図13〜
図15に示すように、リテーナ部材40をリテーナ受容部30内部に収容して固定した場合、リテーナ部材40の一側面(この場合、左側面)は、座板受容部20の座板挿入口21に隣接して配置され、座板受容部20内に収容された座板51の他方の側端縁と接触可能に配置される。即ち、当該台車1によれば、リテーナ受容部30内部において、リテーナ部材40をスライド移動させて、リテーナ規制部35で規制することによって、キャスター50の座板51を、座板受容部20内の取付位置に取付固定することができる。又、当該キャスター50の座板51は、その前後方向両端部において、座板受容部20の下方支持部24によって上下方向の移動が規制されている為、当該台車1は、キャスター50の座板51を、座板受容部20内の取付位置に対して、より正確に取付固定することができる。
【0062】
そして、本実施形態において、台盤10下面からキャスター50を取り外す場合には、上述した取付固定作業と逆の手順を行えばよい。具体的に、
図10〜
図14と同様に、台盤10の右前方に位置するキャスター50の取り外し作業について説明する。
【0063】
キャスター50を取り外す場合、使用者は、
図13、
図14に示す状態から、リテーナ操作部41、切欠部42を利用して、リテーナ部材40を、リテーナ受容部30内部において後方へスライド移動させる。この時、各弾性係止片44の回動軸45は、スライド許容部34との接触に伴う弾性係止片44の弾性変形によって、第2軸孔33から抜け出し、スライド許容部34を経て、第1軸孔32に嵌合する。尚、回動軸45のテーパ面45Aは、上述した取付固定作業の場合と同様に、リテーナ部材40のスライド移動に伴う回動軸45の移動を円滑にし得る。
【0064】
リテーナ部材40を、リテーナ受容部30内部において後方へスライド移動させると、リテーナ部材40の前端部は、リテーナ規制部35の規制壁部36の上方から移動する。これにより、リテーナ部材40は、当該リテーナ部材40の後端部に形成された回動軸45を軸として、台盤10下面に対して垂直方向へ回動可能な状態となる(
図11、
図12参照)。
【0065】
その後、使用者は、リテーナ操作部41を摘んで、第1軸孔32に嵌合している回動軸45を中心として、リテーナ部材40を、台盤10下面に対して垂直方向へ回動させる。
図10に示すように、リテーナ部材40が、台盤10の左右方向外側(この場合、右側)から、座板受容部20の座板挿入口21へと延びる経路上から移動する。これにより、キャスター50の座板51は、座板受容部20の内部から、座板挿入口21方向へスライド移動可能な状態となる。使用者は、キャスター50の座板51を、座板挿入口21方向へスライド移動させることで、座板51を座板受容部20内から取り外すことができ、もって、キャスター50の取り外し作業を完了する。
【0066】
以上説明したように、本実施形態に係る台車1は、合成樹脂製の台盤10と、前記台盤10の下面に対して取り付けられた複数のキャスター50と、を有しており、当該台盤10上に物品を積載して運搬作業に利用することができる。
図3、
図5、
図6に示すように、前記台盤10の四隅における下面には、座板受容部20と、リテーナ受容部30が形成されており、リテーナ受容部30は、前記座板受容部20の座板挿入口21側において、水平方向に隣接した位置に配置されている。従って、当該台車1によれば、座板受容部20とリテーナ受容部30が水平方向に隣接して形成されているので、上下方向に関する台盤10の小型化及び軽量化に対応することができる。この結果、当該台車1は、台車1の主要部を構成する台盤10の小型化及び軽量化に対応することによって、台車1自体の小型化及び軽量化に対応することができる。
【0067】
又、本実施形態に係る台車1において、前記リテーナ部材40は、前記リテーナ受容部30内において、前記台盤10の下面に水平な前後方向へスライド可能に収容されており(
図11〜
図14参照)。リテーナ受容部30のリテーナ規制部35側へリテーナ部材40をスライド移動させた場合、リテーナ部材40を、リテーナ受容部30内に固定することができ、当該リテーナ部材40の一側面を、前記座板受容部20の座板挿入口21に隣接する位置で固定することができる。これにより、座板受容部20内の取付位置に配置された座板51の水平移動を規制することができ、キャスター50の座板51を、座板受容部20内の取付位置に取付固定することができる。即ち、当該台車1によれば、前記リテーナ受容部30内において、前記リテーナ部材40を所定方向へスライド移動させるという簡単な操作で、キャスター50の座板51を前記座板受容部20内に、容易に取り付け固定することができる。
【0068】
そして、
図5、
図6に示すように、前記リテーナ受容部30には、リテーナ部材40の端部を保持するリテーナ保持部31を有しており、リテーナ保持部31は、第1軸孔32と、第2軸孔33と、スライド許容部34を有している。即ち、リテーナ部材40は、リテーナ保持部31によって、前記台盤10の下面に対して垂直方向へ回動可能に保持する(
図10〜
図12参照)と同時に、前記前後方向へのスライド移動を可能に保持されている(
図11〜
図14参照)。
【0069】
従って、リテーナ保持部31の第1軸孔32によって、リテーナ部材40が前記台盤10の下面に対して垂直方向へ回動可能に保持されている為、
図10に示すように、リテーナ部材40を回動させることで、座板受容部20内の取付位置へ座板51が移動可能な状態にすることができる。又、リテーナ部材40は、リテーナ保持部31を構成する第1軸孔32、第2軸孔33、スライド許容部34によって、前後方向へのスライド移動を可能に保持されている為、リテーナ部材40をスライド移動させることによって、リテーナ受容部30内部にリテーナ部材40を固定することができ、もって、キャスター50の座板51を前記座板受容部20内に、容易に取り付け固定することができる。
【0070】
又、当該台車1においては、リテーナ部材40は、弾性係止片44の回動軸45を、リテーナ保持部31の第1軸孔32又は第2軸孔33に嵌合させることによって、台盤10に形成されたリテーナ受容部30に対して、一体的に取り付けられている。従って、キャスター50の交換作業を行う際に、リテーナ部材40が、台盤10とは全く異なる位置に移動することはなく、リテーナ部材40を紛失することを防止することができる。
【0071】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、本発明に係る台車1においては、リテーナ部材40を回動させてリテーナ受容部30内に配置した後、スライド移動させることで、座板受容部20内に配置された座板51を取付固定する態様であったが、この態様に限定されるものではない。即ち、リテーナ受容部30内に配置されているリテーナ部材40を、スライド移動させることで、座板51を取付固定する構成であれば、リテーナ部材40をリテーナ受容部30内に配置する態様としては、種々の態様を採用し得る。
【0072】
又、上述した実施形態においては、リテーナ保持部31を、第1軸孔32、第2軸孔33、スライド許容部34によって構成していたが、この態様に限定されるものではない。つまり、リテーナ保持部31は、リテーナ受容部30に対して、リテーナ部材40の端部を軸に回動可能に保持すると同時に、リテーナ受容部30内を水平な所定方向へスライド移動可能に保持する構成であれば、種々の態様を採用し得る。
【0073】
更に、上述した実施形態においては、リテーナ受容部30にリテーナ保持部31を形成し、リテーナ部材40に回動軸45を形成していたが、この態様に限定されるものではない。リテーナ部材40に対して、リテーナ部材40の端部を回動可能に保持する構成であれば、種々の態様を採用することが可能であり、例えば、リテーナ受容部30に回動軸を形成し、リテーナ部材40に、回動軸を回動可能に保持する構成を形成してもよい。
【0074】
そして、上述した実施形態においては、リテーナ規制部35を、規制壁部36を有する構成としていたが、この態様に限定されるものではない。即ち、リテーナ規制部35は、リテーナ部材40がリテーナ受容部30内を所定方向にスライド移動した場合に、台盤10下面に対して垂直な方向への移動を規制する構成であれば、種々の態様を採用し得る。
【0075】
又、上述した実施形態においては、リテーナ部材40は、リテーナ受容部30のリテーナ保持部31を介して、台盤10と一体に配設されていたが、この態様に限定されるものではない。リテーナ部材40を、台盤10と別体に形成することも可能である。
【0076】
更に、上述した実施形態においては、台盤10の四隅に、キャスター50を、夫々取り付けた構成であったが、この態様に限定されるものではない。即ち、台盤10の形状を上述の実施形態に限定されるものではないし、キャスター50の個数も適宜変更することが可能である。又、台車1の操向操作に用いられるハンドル部材を、台盤10に対して更に取り付けた構成とすることも可能である。