(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、各図面において、同一の又は対応する構成については同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態による射出成形機に取り付けられる第1可動金型を用いた1次成形を示す図である。
図2は、本発明の一実施形態による射出成形機に取り付けられる第1可動金型を用いた2次成形を示す図である。
図2は、第2可動金型を用いた1次成形を示す図でもある。
図3は、本発明の一実施形態による射出成形機に取り付けられる第1可動金型を用いた3次成形を示す図である。
図3は、第2可動金型を用いた2次成形を示す図でもある。
【0012】
射出成形機は、複数の部品を順番に成形しながら一体化させることにより成形品を成形する。射出成形機は、型締装置10、第1射出装置40、第2射出装置50、タッチパネル60および制御装置70を有する。
【0013】
型締装置10は、金型装置30の型閉、型締および型開を行う。金型装置30は、第1固定金型32A、第2固定金型32B、第1可動金型33A、第2可動金型33Bなどで構成される。
【0014】
第1可動金型33Aは、第1可動金型本体331Aと、第1スライドコア332Aとで構成される。第1スライドコア332Aは、第1可動金型本体331A内に進退自在に収容され、部品に応じた位置に移動される。
【0015】
第2可動金型33Bは、第2可動金型本体331Bと、第2スライドコア332Bとで構成される。第2スライドコア332Bは、第2可動金型本体331B内に進退自在に収容され、部品に応じた位置に移動される。
【0016】
型締装置10は、固定プラテン12、可動プラテン13、回転テーブル14、型締モータ21および型締力センサ25を有する。型締装置10の説明では、型閉時の可動プラテン13の移動方向(
図1中右方向)を前方とし、型開時の可動プラテン13の移動方向(
図1中左方向)を後方として説明する。
【0017】
固定プラテン12は、フレームに対して固定される。固定プラテン12における可動プラテン13との対向面に第1固定金型32Aおよび第2固定金型32Bが取り付けられる。尚、
図1では第1固定金型32Aと第2固定金型32Bとは、別々に形成されるが、一体に形成されてもよい。
【0018】
可動プラテン13は、フレーム上に敷設されるガイドに沿って移動自在とされ、固定プラテン12に対して進退自在とされる。可動プラテン13における固定プラテン12との対向面に、回転テーブル14などを介して第1可動金型33Aおよび第2可動金型33Bが取り付けられる。尚、
図1では第1可動金型33Aと第2可動金型33Bとは、別々に形成されるが、一体に形成されてもよい。
【0019】
回転テーブル14が180°回転すると、向かい合う固定金型と可動金型との組合せが変わる。例えば
図1および
図3では、第1固定金型32Aと第1可動金型33Aとが向かい合い、且つ第2固定金型32Bと第2可動金型33Bとが向かい合う。また
図2では、第1固定金型32Aと第2可動金型33Bとが向かい合い、且つ第2固定金型32Bと第1可動金型33Aとが向かい合う。
【0020】
型締モータ21は、固定プラテン12に対して可動プラテン13を進退させることにより、金型装置30の型閉、型締、型開きを行う。型締モータ21と可動プラテン13の間には、型締モータ21の回転運動を直線運動に変換して可動プラテン13に伝達する運動変換機構が設けられる。運動変換機構は、例えばボールねじ機構で構成される。
【0021】
型締装置10の動作は、制御装置70によって制御される。制御装置70は、型閉工程、型締工程、型開工程などを制御する。
【0022】
型閉工程では、型締モータ21を駆動して可動プラテン13を前進させることにより、型閉を行う。
【0023】
型締工程では、型閉完了後、型締モータ21をさらに駆動することで型締力を生じさせる。型締力は型締力センサ25で検出される。型締力が設定値になるように型締モータ21が駆動される。
【0024】
型締工程中に、後述の第1充填工程、第2充填工程、第1保圧工程、第2保圧工程、第1冷却工程、第2冷却工程などが行われる。
【0025】
型開工程では、型締モータ21を駆動して可動プラテン13を後退させることにより、型開が行われる。
【0026】
第1射出装置40は、第1シリンダ41、第1スクリュ42、第1計量モータ43、第1射出モータ45、および第1圧力検出器46を有する。第1射出装置40の説明では、型締装置10の説明と異なり、充填時の第1スクリュ42の移動方向(
図1中左方向)を前方とし、計量時の第1スクリュ42の移動方向(
図1中右方向)を後方として説明する。
【0027】
第1シリンダ41は、第1成形材料が供給される供給口を後部に有する。第1シリンダ41の外周には、ヒータなどの加熱源が設けられる。
【0028】
第1スクリュ42は、第1シリンダ41内の第1成形材料を送り出す。第1スクリュ42は、第1シリンダ41内において回転自在に且つ進退自在に配設される。
【0029】
第1計量モータ43は、第1スクリュ42を回転させることにより、第1スクリュ42の螺旋状の溝に沿って第1成形材料を前方に送る。第1成形材料は、前方に送られながら、第1シリンダ41からの熱によって徐々に溶融される。液状の第1成形材料が第1スクリュ42の前方に送られ第1シリンダ41の前部に蓄積されるにつれ、第1スクリュ42が後退させられる。
【0030】
第1射出モータ45は、第1スクリュ42を前進させることにより、第1スクリュ42の前方に蓄積された液状の第1成形材料を金型装置30のキャビティ空間に充填させる。その後、第1射出モータ45は、第1スクリュ42を前方に押し、キャビティ空間内の第1成形材料に圧力をかける。不足分の第1成形材料が補充できる。第1射出モータ45と第1スクリュ42との間には、第1射出モータ45の回転運動を第1スクリュ42の直線運動に変換する運動変換機構が設けられる。
【0031】
第1圧力検出器46は、例えば第1射出モータ45と第1スクリュ42との間に配設され、第1圧力検出器46に作用する圧力を検出する。この圧力は、第1スクリュ42の背圧や第1スクリュ42が押す第1成形材料の圧力を示す。第1圧力検出器46は、第1圧力検出器46に作用する圧力を示す信号を制御装置70に出力する。
【0032】
第1射出装置40の動作は、制御装置70によって制御される。制御装置70は、第1充填工程、第1保圧工程、第1計量工程などを制御する。
【0033】
第1充填工程では、第1射出モータ45を駆動して第1スクリュ42を前進させ、第1スクリュ42の前方に蓄積された液状の第1成形材料を金型装置30内に充填させる。第1スクリュ42の前進速度の設定値は、一定でもよいし、スクリュ位置または経過時間に応じて変更されてもよい。第1スクリュ42の前進速度は、例えば第1射出モータ45のエンコーダ45aにより検出される。第1スクリュ42が所定位置(所謂V/P切換位置)まで前進すると、第1保圧工程が開始される。尚、第1充填工程開始からの経過時間が所定時間に達すると、第1保圧工程が開始されてもよい。
【0034】
第1保圧工程では、第1射出モータ45を駆動して第1スクリュ42を前方に押し、金型装置30内の第1成形材料に圧力をかける。不足分の第1成形材料が補充できる。第1成形材料の圧力の設定値は、一定でもよいし、経過時間などに応じて段階的に変更されてもよい。第1成形材料の圧力は、例えば第1圧力検出器46により検出される。第1保圧工程後、第1冷却工程が開始される。第1冷却工程中に第1計量工程が行われてよい。
【0035】
第1計量工程では、第1計量モータ43を駆動して第1スクリュ42を回転させ、第1スクリュ42の螺旋状の溝に沿って第1成形材料を前方に送る。これに伴い、第1成形材料が徐々に溶融される。液状の第1成形材料が第1スクリュ42の前方に送られ第1シリンダ41の前部に蓄積されるにつれ、第1スクリュ42が後退させられる。第1スクリュ42の回転数の設定値は、一定でもよいし、スクリュ位置または経過時間に応じて変更されてもよい。第1スクリュ42の回転数は、例えば第1計量モータ43のエンコーダ43aにより検出される。
【0036】
第1計量工程では、第1スクリュ42の急激な後退を制限すべく、第1射出モータ45を駆動して第1スクリュ42に対して背圧を加えてよい。背圧が設定値になるように第1射出モータ45が駆動される。第1スクリュ42が所定位置まで後退し、第1スクリュ42の前方に所定量の第1成形材料が蓄積されると、第1計量工程が終了する。
【0037】
第2射出装置50は、第2シリンダ51、第2スクリュ52、第2計量モータ53、第2射出モータ55、および第2圧力検出器56を有する。第2射出装置50の説明では、型締装置10の説明と異なり、充填時の第2スクリュ52の移動方向(
図1中左方向)を前方とし、計量時の第2スクリュ52の移動方向(
図1中右方向)を後方として説明する。
【0038】
第2シリンダ51は、第2成形材料が供給される供給口を後部に有する。第2シリンダ51の外周には、ヒータなどの加熱源が設けられる。第2成形材料は、第1成形材料と異なるものであるが、同じものでもよい。
【0039】
第2スクリュ52は、第2シリンダ51内の第2成形材料を送り出す。第2スクリュ52は、第2シリンダ51内において回転自在に且つ進退自在に配設される。
【0040】
第2計量モータ53は、第2スクリュ52を回転させることにより、第2スクリュ52の螺旋状の溝に沿って第2成形材料を前方に送る。第2成形材料は、前方に送られながら、第2シリンダ51からの熱によって徐々に溶融される。液状の第2成形材料が第2スクリュ52の前方に送られ第2シリンダ51の前部に蓄積されるにつれ、第2スクリュ52が後退させられる。
【0041】
第2射出モータ55は、第2スクリュ52を前進させることにより、第2スクリュ52の前方に蓄積された液状の第2成形材料を金型装置30のキャビティ空間に充填させる。その後、第2射出モータ55は、第2スクリュ52を前方に押し、キャビティ空間内の第2成形材料に圧力をかける。不足分の第2成形材料が補充できる。第2射出モータ55と第2スクリュ52との間には、第2射出モータ55の回転運動を第2スクリュ52の直線運動に変換する運動変換機構が設けられる。
【0042】
第2圧力検出器56は、例えば第2射出モータ55と第2スクリュ52との間に配設され、第2圧力検出器56に作用する圧力を検出する。この圧力は、第2スクリュ52の背圧や第2スクリュ52が押す第2成形材料の圧力を示す。第2圧力検出器56は、第2圧力検出器56に作用する圧力を示す信号を制御装置70に出力する。
【0043】
第2射出装置50の動作は、制御装置70によって制御される。制御装置70は、第2充填工程、第2保圧工程、第2計量工程などを制御する。
【0044】
第2充填工程において、第2射出モータ55を駆動して第2スクリュ52を前進させ、第2スクリュ52の前方に蓄積された液状の第2成形材料を金型装置30内に充填させる。第2スクリュ52の前進速度の設定値は、一定でもよいし、スクリュ位置または経過時間に応じて変更されてもよい。第2スクリュ52の前進速度は、例えば第2射出モータ55のエンコーダ55aにより検出される。第2スクリュ52が所定位置(所謂V/P切換位置)まで前進すると、第2保圧工程が開始される。尚、第2充填工程開始からの経過時間が所定時間に達すると、第2保圧工程が開始されてもよい。
【0045】
第2保圧工程では、第2射出モータ55を駆動して第2スクリュ52を前方に押し、金型装置30内の第2成形材料に圧力をかける。不足分の第2成形材料が補充できる。第2成形材料の圧力の設定値は、一定でもよいし、経過時間などに応じて段階的に変更されてもよい。第2成形材料の圧力は、例えば第2圧力検出器56により検出される。第2保圧工程後、第2冷却工程が開始される。第2冷却工程中に第2計量工程が行われてよい。
【0046】
第2計量工程では、第2計量モータ53を駆動して第2スクリュ52を回転させ、第2スクリュ52の螺旋状の溝に沿って第2成形材料を前方に送る。これに伴い、第2成形材料が徐々に溶融される。液状の第2成形材料が第2スクリュ52の前方に送られ第2シリンダ51の前部に蓄積されるにつれ、第2スクリュ52が後退させられる。第2スクリュ52の回転数の設定値は、一定でもよいし、スクリュ位置または経過時間に応じて変更されてもよい。第2スクリュ52の回転数は、例えば第2計量モータ53のエンコーダ53aにより検出される。
【0047】
第2計量工程では、第2スクリュ52の急激な後退を制限すべく、第2射出モータ55を駆動して第2スクリュ52に対して背圧を加えてよい。背圧が設定値になるように第2射出モータ55が駆動される。第2スクリュ52が所定位置まで後退し、第2スクリュ52の前方に所定量の第2成形材料が蓄積されると、第2計量工程が終了する。
【0048】
タッチパネル60は、操作部61と、表示部62とを有する。操作部61は、操作者の入力操作を受け付け、操作者の入力操作に応じた操作信号を制御装置70に出力する。表示部62は、制御装置70による制御下で、操作部61の入力操作に応じた設定画面を表示する。設定画面は、目的に応じて複数用意され、切り換えて表示される。操作者は、表示部62で表示される設定画面を見ながら、操作部61を操作することにより型締装置10や第1射出装置40、第2射出装置50などの設定を行う。
【0049】
尚、本実施形態では、操作部61と表示部62とが一体化されるが、別々に設けられてもよい。また、操作部61は複数であってもよい。
【0050】
制御装置70は、CPU(Central Pocessing Unit)71と、記憶部72とを有する。制御装置70は、記憶部72に記憶されたプログラムをCPU71に実行させることにより、各種処理を行う。
【0051】
次に、
図1〜
図3を再度参照して、複数の部品を順番に成形しながら一体化させることにより成形品を成形する動作について説明する。
【0052】
先ず、第1固定金型32Aと第1可動金型33Aとが向かい合い、且つ第2固定金型32Bと第2可動金型33Bとが向かい合う状態で、型閉および型締が行われる。
図1に示すように、型締状態の第1固定金型32Aと第1可動金型33Aとで形成されるキャビティ空間に第1射出装置40から第1成形材料が供給され、1次部品P1が得られる。1次部品P1の成形後、型開が行われ、回転テーブル14が180°回転して、第1固定金型32Aと第2可動金型33Bとが向かい合い、且つ第2固定金型32Bと第1可動金型33Aとが向かい合う。この状態で型閉および型締が再び行われる。
【0053】
次いで、
図2に示すように、型締状態の第2固定金型32Bと第1可動金型33Aとで形成されるキャビティ空間に第2射出装置50から第2成形材料が供給され、2次部品P2が得られる。2次部品P2は1次部品P1と一体化する。同時に、
図2に示すように、型締状態の第1固定金型32Aと第2可動金型33Bとで形成されるキャビティ空間に第1射出装置40から第1成形材料が供給され、1次部品P1が得られる。その後、型開が行われ、回転テーブル14が180°回転して、第1固定金型32Aと第1可動金型33Aとが向かい合い、且つ第2固定金型32Bと第2可動金型33Bとが向かい合う。この状態で型閉および型締が再び行われる。
【0054】
次いで、
図3に示すように、型締状態の第1固定金型32Aと第1可動金型33Aとで形成されるキャビティ空間に第1射出装置40から第1成形材料が供給され、3次部品P3が得られる。3次部品P3は2次部品P2や1次部品P1と一体化する。同時に、
図3に示すように、型締状態の第2固定金型32Bと第2可動金型33Bとで形成されるキャビティ空間に第2射出装置50から第2成形材料が供給され、2次部品P2が得られる。2次部品P2は1次部品P1と一体化する。その後、型開が行われ、回転テーブル14が180°回転して、第1固定金型32Aと第2可動金型33Bとが向かい合い、且つ第2固定金型32Bと第1可動金型33Aとが向かい合う。この状態で型閉および型締が再び行われる。
【0055】
このように、複数の部品は、キャビティ空間を形成する可動金型と固定金型との組合せ、およびキャビティ空間に成形材料を充填する射出装置を順次変えて、順番に成形される。全ての部品の成形が完了した後、成形品が金型装置30から突き出される。尚、本実施形態では、第1成形材料と第2成形材料とが異なる材料であるが、同じ材料でもよい。
【0056】
図4は、本発明の一実施形態による第1射出装置の設定画面を示す図である。第1射出装置40は、第1充填工程などを繰り返し行い、1次成形、3次成形などを順次行うことで成形品を成形する。1次成形は1回目の第1充填工程などに対応し、3次成形は2回目の第1充填工程などに対応する。
【0057】
設定画面80は、複数の設定欄を含む。設定欄は、第1射出装置40により成形される部品毎に設けられる。
【0058】
設定画面80は、1回目(1次成形)の第1充填工程などの設定欄81A〜88A、2回目(3次成形)の第1充填工程などの設定欄81B〜88B、3回目(5次成形)の第1充填工程の設定欄81C〜88Cなどを有する。設定画面80は、4回目以降の設定欄を有してもよいし、3回目の設定欄を有しなくてもよい。以下、部品の区別の必要がない場合、設定欄の符号に含まれる「A」「B」「C」を省略する。
【0059】
設定欄81〜84には、第1充填工程における設定値が入力される。設定欄81には、第1スクリュ42の初期速度が入力される。設定欄82には、第1スクリュ42の終期速度が入力される。設定欄83には、初期速度と終期速度の速度切換位置が入力される。設定欄84には、V/P切換位置が入力される。尚、各第1充填工程において、第1スクリュ42の速度の切り換えは複数回行われてもよいし、全く行われなくてもよい。
【0060】
設定欄85〜88には、第1保圧工程における設定値が入力される。設定欄85には、第1成形材料の初期圧力が入力される。設定欄86には、第1成形材料の終期圧力が入力される。設定欄87には、初期圧力での保持時間が入力される。設定欄88には、終期圧力での保持時間が入力される。尚、各第1充填工程において、第1成形材料の圧力の切り換えは複数回行われてもよいし、全く行われなくてもよい。
【0061】
制御装置70は、第1射出装置40の設定画面80のうち、一の部品成形用の設定欄(例えば設定欄81A)に入力された設定値を、残りの所定の部品成形用の設定欄(例えば設定欄81B、81C)に表示する。表示された設定値を参考にしながら、実際に使用する設定値の入力ができるため、誤入力が抑制でき、入力時間が短縮できる。また、表示された設定値と実際に使用する設定値とが同じ場合、再入力が不要であり、入力時間が短縮できる。よって、設定画面80の入力操作性が改善できる。
【0062】
ところで、操作者は、各部品成形用の設定値を、部品を成形する順番に従って入力することが多い。そのため、入力された設定値を表示する設定欄は、その後の部品成形用の設定欄を少なくとも1つ含んでよく、次回の部品成形用の設定欄を少なくとも含んでよい。例えば1次成形用に入力された設定値を表示する設定欄は、3次成形用の設定欄を少なくとも含んでよい。
【0063】
尚、操作者は、各部品成形用の設定値を、部品を成形する順番とは逆の順番で入力することもある。例えば、操作者は、最後の部品成形の設定値を決めて、その前の部品成形の設定値を決めることもある。そのため、入力された設定値を表示する設定欄は、それより前の部品成形用の設定欄を少なくとも1つ含んでもよく、その1つだけ前の部品成形用の設定欄を少なくとも含んでもよい。
【0064】
制御装置70は、操作部61における所定の入力操作の操作状況(例えば操作の有無、操作の種類)に応じて、一の部品成形用の設定欄(例えば設定欄81A)に入力された設定値を、他の部品成形用の設定欄(例えば設定欄81B、81C)に表示するか否かを選択してよい。
【0065】
例えば、制御装置70は、一の部品成形用の設定欄(例えば設定欄81A)に設定値が入力された場合、入力された設定値を他の部品成形用の設定欄(設定欄81B、81C)に表示するか否かを選択するための画面を表示部62にポップアップ表示する。ポップアップ表示された画面を見た操作者の操作状況に応じて、制御装置70は一の部品成形用の設定欄に入力された設定値を他の部品成形用の設定欄に表示するか否かを選択する。
【0066】
或いは、制御装置70は、一の部品成形用の設定欄(例えば設定欄81A)に設定値が入力された場合、入力された設定値を他の部品成形用の設定欄(例えば設定欄81B、81C)に表示するか否かを選択する選択ボタンの操作状況を確認する。この選択ボタンは、複数の設定欄と共に設定画面80に予め設けられている。選択ボタンの操作状況に応じて、制御装置70は一の部品成形用の設定欄に入力された設定値を他の部品成形用の設定欄に表示するか否かを選択する。
【0067】
尚、制御装置70は、一の部品成形用の設定欄(例えば設定欄81A)に設定値が入力された場合、記憶部72に予め記憶された情報に従って、入力された設定値を他の部品成形用の設定欄(例えば設定欄81B、81C)に表示するか否かを選択してもよい。
【0068】
以上説明したように、制御装置70は、第1射出装置40による一の部品成形用の設定欄に入力された設定値を、第1射出装置40による残りの所定の部品成形用の設定欄に表示してよい。入力された設定値を表示する設定欄は、その後の部品成形用の設定欄を少なくとも1つ含んでよく、次回の部品成形用の設定欄を少なくとも含んでよい。例えば、1次成形用に入力された設定値を表示する設定欄は、3次成形用の設定欄を少なくとも含んでよい。制御装置70は、操作部61における所定の入力操作の操作状況に応じて、第1射出装置40による一の部品成形用の設定欄に入力された設定値を、第1射出装置40による残りの所定の部品成形用の設定欄に表示するか否かを選択してよい。
【0069】
図4に示す設定画面80は、第1射出装置40のものであるが、第2射出装置50のものも同様に作成される。第2射出装置50の設定画面は、第2充填工程に関する設定欄、第2保圧工程に関する設定欄などを含む。第2射出装置50の設定画面は、1回目(2次成形)の第2充填工程などの設定欄、2回目(4次成形)の第2充填工程などの設定欄、3回目(6次成形)の第2充填工程などの設定欄などを含む。
【0070】
制御装置70は、第2射出装置50による一の部品成形用の設定欄に入力された設定値を、第2射出装置50による残りの所定の部品成形用の設定欄に表示してよい。入力された設定値を表示する設定欄は、その後の部品成形用の設定欄を少なくとも1つ含んでよく、次回の部品成形用の設定欄を少なくとも含んでよい。例えば2次成形用に入力された設定値を表示する設定欄は、4次成形用の設定欄を少なくとも含んでよい。制御装置70は、操作部61における所定の入力操作の操作状況に応じて、第2射出装置50による一の部品成形用の設定欄に入力された設定値を、第2射出装置50による残りの所定の部品成形用の設定欄に表示するか否かを選択してよい。
【0071】
制御装置70は、第1射出装置40用の設定欄と、第2射出装置50用の設定欄とを一の設定画面に同時に表示してもよいし、切り換えて表示してもよい。
【0072】
制御装置70は、第1射出装置40による一の部品成形用の設定欄に入力された設定値を、第2射出装置50による所定の部品成形用の設定欄に表示してよい。入力された設定値を表示する設定欄は、その後の部品成形用の設定欄を少なくとも1つ含んでよく、次回の部品成形用の設定欄を少なくとも含んでよい。例えば、1次成形用に入力された設定値を表示する設定欄は、2次成形用の設定欄を少なくとも含んでよい。制御装置70は、操作部61における所定の入力操作の操作状況に応じて、第1射出装置40による一の部品成形用の設定欄に入力された設定値を、第2射出装置50による所定の部品成形用の設定欄に表示するか否かを選択してよい。
【0073】
同様に、制御装置70は、第2射出装置50による一の部品成形用の設定欄に入力された設定値を、第1射出装置40による所定の部品成形用の設定欄に表示してよい。入力された設定値を表示する設定欄は、その後の部品成形用の設定欄を少なくとも1つ含んでよく、次回の部品成形用の設定欄を少なくとも含んでよい。例えば、2次成形用に入力された設定値を表示する設定欄は、3次成形用の設定欄を少なくとも含んでよい。制御装置70は、操作部61における所定の入力操作の操作状況に応じて、第2射出装置50による一の部品成形用の設定欄に入力された設定値を、第1射出装置40による所定の部品成形用の設定欄に表示するか否かを選択してよい。
【0074】
また、上述のように
図4に示す設定画面80は、第1射出装置40のものであるが、型締装置10のものも同様に作成される。型締装置10の設定画面は、型締工程に関する設定欄などを含む。型締装置10の設定画面は、1回目の型締工程の設定欄、2回目の型締工程の設定欄、3回目の型締工程の設定欄などを含む。
【0075】
制御装置70は、型締装置10用の設定画面のうち、一の型締工程の設定欄に入力された設定値を、残りの所定の型締工程の設定欄に表示する。入力された設定値を表示する設定欄は、その後に行われる型締工程の設定欄を少なくとも1つ含んでよく、その次に行われる型締工程の設定欄を少なくとも含んでよい。制御装置70は、操作部61における所定の入力操作の操作状況に応じて、型締装置10用の設定画面のうち、一の型締工程の設定欄に入力された設定値を、残りの所定の型締工程の設定欄に表示するか否かを選択してよい。
【0076】
以上、射出成形機の実施形態等について説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
【0077】
例えば、上記実施形態の型締装置10は、駆動源として、型締モータ21を有するが、型締モータ21の代わりに、油圧シリンダを有してもよい。また、型締装置10は、型開閉用にリニアモータを有し、型締用に電磁石を有してもよい。
【0078】
また、上記実施形態の型締装置10は、型開閉方向が水平方向の横型であって、回転テーブル14が可動プラテン13に回転自在に支持されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、型締装置は、型開閉方向が垂直方向の竪型であって、回転テーブルが固定プラテンに回転自在に支持されていてもよい。
【0079】
また、キャビティ空間の形状、部品の積層のやり方、金型装置のコアなどは多種多様であってよく、特に限定されない。