(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6352157
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】マイクロホン
(51)【国際特許分類】
H04R 1/04 20060101AFI20180625BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20180625BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
H04R1/04 B
H04R3/00 320
H04R1/02 106
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-231260(P2014-231260)
(22)【出願日】2014年11月14日
(65)【公開番号】特開2016-96444(P2016-96444A)
(43)【公開日】2016年5月26日
【審査請求日】2017年8月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000128566
【氏名又は名称】株式会社オーディオテクニカ
(74)【代理人】
【識別番号】100101878
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 茂
(72)【発明者】
【氏名】内藤 善彦
(72)【発明者】
【氏名】益田 彰
【審査官】
大石 剛
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭57−104682(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0019306(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0007924(US,A1)
【文献】
特開2000−217189(JP,A)
【文献】
米国特許第04910795(US,A)
【文献】
特開昭63−213226(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/02
H04R 1/04
H04R 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収音を行うマイクロホンユニットを有するマイクヘッドがマイクロホン本体に着脱可能に装着されるマイクロホンであって、
前記マイクロホン本体側に設けられ、ミュート命令信号の入力により駆動するミュート回路と、前記マイクヘッド側に設けられ、配線の遮断/導通を切り換えるスイッチを有する第1のミュート制御回路と、前記マイクロホン本体側に設けられ、前記マイクヘッドが結合された状態、及び前記マイクヘッドの着脱の際に、前記第1のミュート制御回路と電気的に接続されると共に、前記ミュート命令信号を生成するための第2のミュート制御回路とを備え、
前記第1のミュート制御回路と前記第2のミュート制御回路とが電気的に接続され、且つ、前記スイッチにより前記第1のミュート制御回路の配線が導通された状態、或いは、前記第1のミュート制御回路と前記第2のミュート制御回路とが電気的に遮断された状態において、前記第2のミュート制御回路は前記ミュート命令信号を出力することを特徴とするマイクロホン。
【請求項2】
前記マイクヘッドと前記マイクロホン本体とは、バヨネット式の結合機構により結合されることを特徴とする請求項1に記載されたマイクロホン。
【請求項3】
前記マイクヘッドに設けられ、前記第1のミュート制御回路のスイッチの切り換えを操作するためのスライド部材を備え、
前記スイッチにより前記第1のミュート回路の配線が接続されるようにした前記スライド部材の位置において、
前記スライド部材により、前記マイクロホン本体の軸周りの回転がロックされることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたマイクロホン。
【請求項4】
前記マイクロホン本体は、
前記マイクヘッド側の第1のミュート制御回路と接続可能な前記第2のミュート制御回路を有する本体部材と、
前記本体部材を覆うカバー部材とを有し、
前記カバー部材は、前記マイクヘッド側に設けられた前記スライド部材を覆った状態で前記マイクヘッド側に結合されることを特徴とする請求項3に記載されたマイクロホン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収音を行うマイクロホンユニットがマイクロホン本体に着脱可能に装着されてなるマイクロホンに関し、特に着脱の際にミュート可能なマイクロホンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワイヤードまたはワイヤレスのマイクロホンにあっては、マイクロホン本体に対してマイクロホンユニットを内蔵するマイクヘッドを着脱可能に連結したものがある。その連結方法としては、専用の連結構造により固定したものや、
図9に示すようにマイクロホン本体51に対しマイクヘッド52を、ネジ機構53を用いて着脱する構成が一般的である。
【0003】
ところで、前記のようにマイクロホン本体に対しマイクヘッドを着脱可能に構成したマイクロホンにあっては、その脱着の際にポップノイズが発生するという課題がある。即ち、間違って、或いは故意に電源を入れたままマイクヘッドを脱着しようとすると、大きなポップノイズが生じ、機器を破損するおそれがあった。
【0004】
このような課題に対し、特許文献1には、マイクソケットとマイク初段アンプとにより構成されるマイクロホン回路において、マイクロホンユニットの脱着に応じてマイクソケットの接続が断続することを利用して、ミュート回路を動作、または遮断する構成が開示されている。
即ち、マイクロホンユニットを挿着または抜き去る瞬間に、ミュート回路を機能させることにより、マイクロホンユニットを脱着する際のポップノイズを回避している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平2−126497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図示するようなネジ式の着脱構成の場合、マイクヘッド52をマイクロホン本体51に対し相対的に何回転も回す必要があり、手間を要するだけでなく、ミュート回路が動作するまでに摺動音がノイズとなって出力されるという課題があった。
さらに、マイクロホンユニットを何回転も回すことにより、各接点の摩擦により接点の寿命が短くなる、或いは接触不良が生じるおそれがあるという課題があった。
【0007】
本発明は、前記した点に着目してなされたものであり、収音を行うマイクロホンユニットを有するマイクヘッドがマイクロホン本体に着脱可能に装着されてなるマイクロホンにおいて、マイクヘッドの着脱が容易であって、マイクヘッドの取り外し後だけでなく着脱の際にミュート動作可能なマイクロホンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記した課題を解決するために、本発明に係るマイクロホンは、収音を行うマイクロホンユニットを有するマイクヘッドがマイクロホン本体に着脱可能に装着されるマイクロホンであって、前記マイクロホン本体側に設けられ、ミュート命令信号の入力により駆動するミュート回路と、前記マイクヘッド側に設けられ、配線の遮断/導通を切り換えるスイッチを有する第1のミュート制御回路と、前記マイクロホン本体側に設けられ、前記マイクヘッドが結合された状態、及び前記マイクヘッドの着脱の際に、前記第1のミュート制御回路と電気的に接続されると共に、前記ミュート命令信号を生成するための第2のミュート制御回路とを備え、前記第1のミュート制御回路と前記第2のミュート制御回路とが電気的に接続され、且つ、前記スイッチにより前記第1のミュート制御回路の配線が導通された状態、或いは、前記第1のミュート制御回路と前記第2のミュート制御回路とが電気的に遮断された状態において、前記第2のミュート制御回路は前記ミュート命令信号を出力することに特徴を有する。
このような構成によれば、スイッチにより着脱の間にも必ずミュート回路を駆動させることができるため、マイクヘッドをマイクロホン本体から取り外した後のみならず、着脱の際のポップノイズの発生を防止することができる。
【0009】
尚、前記マイクヘッドと前記マイクロホン本体とは、バヨネット式の結合機構により結合されることが望ましい。
このようにバヨネット式の結合方式とすることにより、マイクヘッドの着脱を容易にし、第1のミュート制御回路と第2のミュート制御回路との接続を確実に行うことができる。
【0010】
また、前記マイクヘッドに設けられ、前記第1のミュート制御回路のスイッチの切り換えを操作するためのスライド部材を備え、前記スイッチにより前記第1のミュート回路の配線が接続されるようにした前記スライド部材の位置において、前記スライド部材により、前記マイクロホン本体の軸周りの回転がロックされることが望ましい。
このようなスライド部材を設けることによって、着脱の際に必ず前記スイッチをスライドさせる必要があるため、着脱の際にミュート回路を駆動させることができる。
【0011】
また、前記マイクロホン本体は、前記マイクヘッド側の第1のミュート制御回路と接続可能な前記第2のミュート制御回路を有する本体部材と、前記本体部材を覆うカバー部材とを有し、前記カバー部材は、前記マイクヘッド側に設けられた前記スライド部材を覆った状態で前記マイクヘッド側に結合されることが望ましい。
このように通常はカバー部材でスライド部材を覆うことによって、不用意にスライド部材をスライドさせることを防止することができる。
【発明の効果】
【0012】
収音を行うマイクロホンユニットを有するマイクヘッドがマイクロホン本体に着脱可能に装着されてなるマイクロホンにおいて、マイクヘッドの着脱が容易であって、マイクヘッドの取り外し後だけでなく着脱の際にミュート動作可能なマイクロホンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明に係るマイクロホンの平面図である。
【
図3】
図3は、
図1のマイクロホンの先端側を拡大して示す断面図である。
【
図4】
図4は、マイクヘッドの下端側を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、マイクロホン本体が有する本体部材の斜視図である。
【
図6】
図6は、マイクヘッドの下端側を分解した斜視図である。
【
図7】
図7は、マイク側ミュート制御回路と本体側ミュート制御回路である。
【
図8】
図8は、マイクロホン本体に対するマイクヘッドの着脱作業に伴うミュート制御回路の動作について説明するための側面図である。
【
図9】
図9は、従来のマイクロホンにおいて、マイクヘッドとマイクロホン本体との結合方式の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係るマイクロホンの平面図であり、
図2はその側面図である。また、
図3は、マイクロホンの先端側を拡大して示す断面図である。
【0015】
図示するマイクロホン1は、収音を行うマイクロホンユニット(図示せず)を内蔵するマイクヘッド2と、このマイクヘッド2に対し着脱可能に設けられたマイクロホン本体3とにより構成される。尚、本実施形態において、
図1に示すマイクロホン1はワイヤレスマイクロホンであり、マイクロホン本体3の後端部にアンテナ部30、外周面にディスプレイ26が設けられている。
【0016】
前記マイクロホン本体3は、
図1乃至
図3に示すようにオーディオ基板(図示せず)やアンテナ基板(図示せず)、さらにバッテリなどからなる本体部材4と、この本体部材4を収容する金属製の円筒状のカバー部材5と、カバー部材5の後部に連結されるグリップエンド部材25とにより構成される。前記本体部材4とカバー部材5とは、それぞれマイクヘッド2側と独立して結合されている。
【0017】
前記本体部材4は、
図5の斜視図に示すように、その先端に、マイクヘッド2側と音声信号の授受を行うための円板状のコンタクト基板6と、マイクヘッド2側と機械的に結合するためのバヨネット式の本体側結合部7とを有している。前記本体側結合部7は前記コンタクト基板6の周りに外側に突出するよう形成された例えば3つのバヨネット爪7aを有している。
【0018】
また、前記コンタクト基板6には、周方向に沿って複数の円弧状の銅配線によるプリントパターン6a(後述の本体側端子B1、B2を含む)が形成されている。これらプリントパターン6aには、マイクヘッド2を本体部材4に結合した際、
図4の斜視図に示すマイクヘッド2の下端に突出する複数(図では5本)のコンタクトピン8(後述のマイク側ピンM1、M2を含む)の先端部がそれぞれ当接し、摺動可能となっている。
【0019】
また、
図4に示すようにマイクヘッド2の下端周縁部には、前記本体部材4の先端側に設けられた本体側結合部7と係合するヘッド側結合部9が設けられている。このヘッド側結合部9は、周方向に沿って内側に突出するよう形成された例えば3つのバヨネット爪9aを有している。
このようにマイクヘッド2と本体部材4とは、互いに結合可能なバヨネット式の結合部7、9を有しており、隣り合うバヨネット式爪7aの間の空間にバヨネット爪8aを挿入した後、マイクヘッド2を本体部材4に対して軸周りに所定角度(本実施の形態では60度)だけ回すことにより、バヨネット爪7a、8aが互いに係合し、マイクヘッド2と本体部材4とが容易に結合されるようになっている。
【0020】
また、
図6の分解図に示すようにマイクヘッド2は、収音を行うマイクロホンユニット(図示せず)を収容するヘッドケース10を備え、その下端側が開口している。下端側開口の周縁部には、リング状のバヨネット部材9A、9B、9Cを重ねて保持するための円環状の受け部10aが設けられ、この受け部10aには、周方向に沿って複数の螺子孔10bが形成されている。前記バヨネット部材9A、9B、9Cは、上下面が平坦な環状に形成され、互いに重ねた状態で使用される。
【0021】
より詳しくは、バヨネット部材9A、9Bの内側にバヨネット爪9aが形成され、さらに環状のバヨネット部材9Cを重ねることによりバヨネット爪9aの裏側に隙間を形成するようになされている。これらバヨネット部材9A、9B、9Cには、周方向に沿って複数の貫通孔が形成されており、そこに螺子13を挿通させて前記受け部10aの螺子孔10bに螺入し、受け部10aに取り付けられるようになっている。
【0022】
また、ヘッドケース10の下端側開口側において、コンタクトピン8が突設されたコンタクト基板11がキャップ部材12により覆われた状態で取り付けられるようになっている。キャップ部材12には、複数の貫通孔12aが形成されており、これら貫通孔12aからコンタクトピン8の先端側が突出するようになっている。
また、前記コンタクト基板11上には、
図7に示すようなマイク側ミュート制御回路20(第1のマイクミュート制御回路)が設けられている。このミュート制御回路20は、抵抗R1を介してハイ(H)に吊ったマイク側ピンM1と、このマイク側ピンM1とスイッチSW1を介して接続されたマイク側ピンM2とを有している。
【0023】
前記スイッチSW1は、
図6に示すようにコンタクト基板11に搭載される。このスイッチSW1のオンオフ操作は、ヘッドケース2Aの下端部周縁に設けられたガイド部2A1をスライド自在に設けられたスライド部材23が、そのスライド動作に伴って押圧(SW1がオン)または解放(SW1がオフ)することによりなされる。
前記スライド部材23は、マイク先端側に突出するスプリング支持ピン23aと、スイッチSW1に当接可能な押圧ピン23bと、マイクロホン本体3側に突出する着脱ロックピン23cとを有している。
【0024】
前記スプリング支持ピン23aは、スプリング22内に挿入されてスプリング22を支持する。スライド部材23をマイクヘッド2側にスライドさせると、スプリング22は圧縮されるため、スライド部材23は伸長方向(マイクロホン本体3側)に付勢されるようになされている。
また、押圧ピン23bは、スイッチSW1の側方に配置され、スライド部材23をマイクヘッド2側にスライドさせることによって、押圧ピン23bがスイッチSW1を押圧し、スイッチオン状態とするようになされている。
【0025】
また、前記のようにスライド部材23をマイクヘッド2側にスライドさせると、スライド部材23はマイクロホン本体3側に付勢されるため、スライド部材23から指を離すことによって、スライド部材23はマイクロホン本体3側にスライドするとともに押圧ピン23bがスイッチ23から離れるようになっている。
【0026】
また、着脱ロックピン23cは、
図3に示すようにマイクロホン本体3にマイクヘッド2を結合した際、マイクロホン本体3側に設けられた係合穴27に挿入される(ロックされる)ようになっている。このため、マイクロホン本体3からマイクヘッド2を取り外す際には、スライド部材23をマイクヘッド2側にスライドさせて、着脱ロックピン23cを係合穴27から抜いた状態とし、マイクヘッド2を軸周りに回転させる必要がある。
【0027】
また、カバー部材5の後端には、略円筒状の金属製(例えば真鍮製)のグリップエンド部材25が軸周りに回転自在に嵌装され、このグリップエンド部材25の内周面には、螺子溝(図示せず)が形成されている。
一方、カバー部材5に覆われる本体部材4の後部には、前記グリップエンド部材25側の螺子溝に螺合可能な螺子溝(図示せず)が形成されている。
前記カバー部材5と前記マイクヘッド2との結合は、前記グリップエンド部材25と本体部材4の後部側とを螺合することにより、カバー部材5の前端がマイクヘッド2の後端側に当接し固定されることによりなされる。
また、このとき、スライド部材23はカバー部材5によって覆われ、外に露出しないようになされている。これにより、不用意にスライド部材23がスライドされる事故などを防止することができる。
【0028】
また、前記マイク側ピンP1、P2と接続される本体部材4のコンタクト基板6には、
図7に示すような本体側ミュート制御回路21(第2のミュート制御回路)が設けられている。
この本体側ミュート制御回路21は、マイクヘッド2が結合された際に前記マイク側ピンM1と接触する本体側端子B1と、マイク側端子M2と接触する本体側端子B2と、スイッチング素子としてのnpn型トランジスタT1と、オーディオミュート回路を作動させるマイクロプロセッサユニット(MPUと呼ぶ)29とを有している。前記npn型トランジスタT1のベースには本体側端子B1が接続され、コレクタは抵抗R3を介してハイ(H)に吊られ、エミッタは本体側端子B2に接続されている。また、本体側端子B1と本体側端子B2との間には抵抗R2が設けられている。
【0029】
続いて、マイクロホン本体3に対するマイクヘッド2の着脱作業に伴うミュート制御回路20、21の動作について説明する。
マイクロホン本体3からマイクヘッド2を取り外す場合、先ずグリップエンド部材25と本体部材4との螺合を解除し、
図8(a)に示すようにマイクヘッド2とカバー部材5とを分離して、スライド部材23を露出させる。
次いで、
図8(b)に示すようにスライド部材23をマイクヘッド2側にスライドする。これにより着脱ロックピン23cが係合穴27から抜かれるとともに、スイッチSW1がオンとなる。この状態では、マイク側ピンM1、M2と本体側端子B1、B2は接続が維持されている。これにより、トランジスタT1のベースとエミッタは同電位となって、トランジスタT1はオンからオフになる。よって、トランジスタT1のコレクタからMPU29の入力ポートがロー(L)からハイ(H)となり、これをミュート命令信号としてミュート回路が駆動する。
【0030】
次いで、
図8(c)に示すように本体部材4に対してマイクヘッド2を軸周りに所定角度回転させ、マイクヘッド2を本体部材4から分離する。このとき、マイク側ピンM1、M2と本体側端子B1、B2とは分離されるが、本体側ミュート回路21によってMPU29の入力ポートはハイ(H)信号が維持され、ミュート回路は駆動したままとなる。
【0031】
一方、マイクヘッド2をマイクロホン本体3に取り付ける場合、スライド部材23をマイクヘッド2側にスライドした状態で、マイクヘッド2と本体部材4とを結合する。
このとき、スイッチSW1はオンであり、マイク側ピンM1、M2と本体側端子B1、B2を接触させても、MPU29の入力ポートはハイ(H)信号が維持され、ミュート回路は駆動したままである。
【0032】
そして、マイクヘッド2と本体部材4とを完全に結合し、スライド部材23の着脱ロックピン23cが、マイクロホン本体3側に設けられた係合穴27に挿入されると、スイッチSW1はオフとなる。また、スイッチSW1がオフになると、トランジスタT1はオフからオンとなり、トランジスタT1のコレクタはロー(L)信号をMPU29の入力ポートに供給し、ミュート回路の駆動が停止される。
【0033】
また、最後に本体部材4の後部とグリップエンド部材25とを螺合することにより本体部材4がカバー部材5に完全に覆われ(即ち、スライド部材23がカバー部材5に覆われ)、マイクヘッド2とマイクロホン本体3との結合が完了する。
【0034】
以上のように、本発明に係る実施の形態によれば、マイクヘッド2と本体部材4との結合を、バヨネット式の結合としたことにより、本体部材4に対しマイクヘッド2を軸周りに所定角度だけ回転させることで容易に着脱することができる。
また、マイクヘッド2のコンタクト基板11とマイクロホン本体3のコンタクト基板6とに分けてミュート制御回路20、21を設け、着脱操作の間にも必ずミュート回路が駆動する構成としたため、マイクヘッド2をマイクロホン本体3から分離した後のみならず、着脱操作の間のポップノイズの発生を防止することができる。
【0035】
尚、前記実施の形態にあっては、マイクロホンとしてワイヤレスマイクロホンを一例として説明するが、本発明に係るマイクロホンにあってはワイヤードのマイクロホンにも適用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 マイクロホン
2 マイクヘッド
3 マイクロホン本体
4 本体部材
5 カバー部材
6 コンタクト基板
7 本体側結合部
8 コンタクトピン
9 ヘッド側結合部
10 ヘッドケース
11 コンタクト基板
12 キャップ部材
13 支持リング
15 振動板
19 固定極
20 マイク側ミュート制御回路(第1のマイクミュート制御回路)
21 本体側ミュート制御回路(第2のマイクミュート回路)
23 スライド部材
SW1 スイッチ