(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6352185
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】スペクトルに基づき測色的に較正された多色カメラを用いたディスプレイの高速較正
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20180625BHJP
G01J 3/46 20060101ALI20180625BHJP
G01M 11/00 20060101ALI20180625BHJP
G09G 5/02 20060101ALI20180625BHJP
G09G 5/06 20060101ALI20180625BHJP
G09G 5/10 20060101ALI20180625BHJP
H04N 9/30 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
G09G5/00 X
G09G5/00 550C
G09G5/00 550X
G09G5/00 555D
G01J3/46 Z
G01M11/00 T
G09G5/02 B
G09G5/06
G09G5/10 B
H04N9/30
【請求項の数】18
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-528538(P2014-528538)
(86)(22)【出願日】2012年8月29日
(65)【公表番号】特表2014-531612(P2014-531612A)
(43)【公表日】2014年11月27日
(86)【国際出願番号】US2012052815
(87)【国際公開番号】WO2013033175
(87)【国際公開日】20130307
【審査請求日】2014年4月9日
【審判番号】不服2016-9956(P2016-9956/J1)
【審判請求日】2016年7月1日
(31)【優先権主張番号】61/528,598
(32)【優先日】2011年8月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/597,029
(32)【優先日】2012年8月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】サファエー―ラド、レザ
(72)【発明者】
【氏名】アレクシク、ミリボジェ
【合議体】
【審判長】
清水 稔
【審判官】
中塚 直樹
【審判官】
須原 宏光
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−198867(JP,A)
【文献】
特開2001−142442(JP,A)
【文献】
特開2010−217645(JP,A)
【文献】
特開2002−267574(JP,A)
【文献】
特開2007−47532(JP,A)
【文献】
特開2011−150111(JP,A)
【文献】
特開2009−237088(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0086292(US,A1)
【文献】
Reza SAFAEE−RAD, Milivoje ALEKSIC,“SPECTRAL−BASED CALORIMETRIC CALIBRATION OF A 3CCD COLOR CAMERA FOR FAST AND ACCURATE CHARACTERIZATION AND CALIBRATION OF LCD DISPLAYS“,PROCEEDINGS OF SPIE 7875 Sensors, Cameras, and Systems for Industrial, Scientific, and Consumer Appl,2011年 2月16日,Volume 7875,pp.787504−1 to 787504−12,doi: 10.1117/12.872647
【文献】
“Qualcomm Bringing Flagship Gigahertz Processing to Mainstream Smartphone Tier of Chipsets”,[online],2009年11月15日,[2015年3月17日検索],インターネット<URL: http://web.archive.org/web/20091115135414/http://www.prnewswire.com/news−releases/qualcomm−bringing−flagship−gigahertz−processing−to−mainstream−smartphone−tier−of−chipsets−69841897.html >
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00-5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイユニットを較正するための電子的方法であって、前記方法はプロセッサが実行し、
前記ディスプレイユニット上に個別のRGBテストパターンおよび多色較正パターン画像を表示することと、なお、前記多色較正パターン画像は、複数の単色画像を備える、
各画像センサが光の赤色、緑色、および青色をそれぞれキャプチャするように構成された、複数の画像センサを有する測色的に較正された多色カメラを用いて、前記ディスプレイユニット上に表示される、前記RGBテストパターンの個別の画像および前記多色較正パターン画像をキャプチャすることと、
前記ディスプレイユニットのルーマおよびクロマの空間不均一性を表す前記RGBテストパターンの前記キャプチャされた個別の画像を使用して、前記キャプチャされた多色較正パターン画像を補償し、前記キャプチャされた多色較正パターン画像の各画素のRGB値を、計算されたXYZ座標に移すことによって、前記多色較正パターンからの色のセットの基準絶対XYZ座標のセットを、前記測色的に較正された多色カメラを使用してキャプチャされた、測定されたXYZ色座標のセットと比較することと、
前記基準座標と前記測定された座標との間の前記比較に基づいて、前記ディスプレイユニットを較正することと
を備える方法。
【請求項2】
前記色のセットの基準絶対XYZ座標と、前記測定されたXYZ色座標との間の前記比較が、許容可能な色誤差内にあるかどうかを決定するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記許容可能な色誤差は、1 CIE DE2000単位未満である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記多色較正パターン画像をキャプチャする前に、スペクトルデータに基づいて前記多色カメラの測色的較正を実行するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、同時に3つのRGB帯域について色応答を測定することによって、1デジタル入力レベル当たり5秒未満で実行されうる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記測色的に較正された多色カメラは、赤、緑、および青の光をキャプチャするように構成された個別の画像センサを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ディスプレイユニット上に多色較正パターン画像を表示することは、前もって選択された画素色を表示するように、前記ディスプレイユニットにおけるグラフィックスプロセッサに命令することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ディスプレイユニットを較正するためのシステムであって、
各画像センサが光の赤色、緑色、および青色をそれぞれキャプチャするように構成された、個別の画像センサで赤色、緑色、および青色をキャプチャするように構成され、およびRGBテストパターンの個別の画像および多色パターン画像をキャプチャするように構成された測色的に較正された多色カメラと、
較正されるディスプレイユニット上で個別のRGBテストパターンおよび前記多色パターン画像を生成するように構成されたパネルドライバと、なお、前記多色パターン画像は、複数の単色画像を備える、
前記ディスプレイユニット上に示される色を調整するために、較正値を設定するように構成された較正モジュールと
前記ディスプレイユニットのルーマおよびクロマの空間不均一性を表す前記RGBテストパターンの前記キャプチャされた個別の画像を使用して、前記キャプチャされた多色パターン画像を補償し、前記キャプチャされた多色パターン画像の各画素のRGB値を、計算されたXYZ座標に移すことによって、テスト色のセットの基準絶対XYZ座標のセットを、測色的に較正された多色カメラを使用してキャプチャされる測定されたXYZ色座標の対応するセットと比較し、許容可能な色誤差が達成されたかどうかを決定するように構成された比較モジュールと
を備える、システム。
【請求項9】
前記許容可能な色誤差は、1 DE2000 CIE単位未満である、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ディスプレイユニット上の多色パターン画像をキャプチャする前に、スペクトルデータに基づいて前記多色カメラの測色的較正を実行するよう前記多色カメラに命令するように構成された画像キャプチャモジュールをさらに備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記測色的に較正された多色カメラは、3CCDカメラを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記パネルドライバは、前記較正されるディスプレイユニットにおけるグラフィックスプロセッサと通信するように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記較正モジュールは、前記ディスプレイユニット中に較正係数のマトリクスを記憶するように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
プロセッサ実行可能命令を含む非一時的なコンピュータ読取可能な媒体であって、前記命令は、複数の画像センサを有する測色的に較正された多色カメラおよびディスプレイユニットに接続されたプロセッサによって実行されたときに、
ディスプレイユニット上に個別のRGBテストパターンおよび多色較正パターン画像を表示することと、なお、前記多色較正パターン画像は、複数の単色画像を備える、
各画像センサが光の赤色、緑色、および青色をそれぞれキャプチャするように構成された、複数の画像センサを有する測色的に較正された多色カメラを用いて、前記ディスプレイユニット上に表示される前記RGBテストパターンの個別の画像および前記多色較正パターン画像をキャプチャすることと、
前記ディスプレイユニットのルーマおよびクロマの空間不均一性を表す前記RGBテストパターンの前記キャプチャされた個別の画像を使用して、前記キャプチャされた多色較正パターン画像を補償し、前記キャプチャされた多色較正パターン画像の各画素のRGB値を、計算されたXYZ座標に移すことによって、色のセットの基準絶対XYZ座標を、前記測色的に較正された多色カメラを使用してキャプチャされる測定されたXYZ色座標のセットと比較することと、
前記基準座標と前記測定された座標との間の前記比較に基づいて、前記ディスプレイユニットを較正することと
を備える方法を実行する、コンピュータ読取可能な媒体。
【請求項15】
実行されたときに、前記測色的に較正された多色カメラを使用してキャプチャされる前記測定されたXYZ色座標に対して前記色のセットの基準絶対XYZ座標が、許容可能な色誤差内にあるかどうかを決定する方法を実行するプロセッサ実行可能命令をさらに含む、請求項14に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
【請求項16】
実行されたときに、スペクトルデータに基づいて前記測色的に較正された多色カメラの測色的較正を実行する方法を実行するプロセッサ実行可能命令をさらに含む、請求項14に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
【請求項17】
前記コンピュータ読取可能な媒体は、前記ディスプレイユニット中に較正係数のマトリクスを記憶することによって前記ディスプレイユニットを較正するための命令を備える、請求項14に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
【請求項18】
ディスプレイユニットを較正するためのシステムであって、
前記ディスプレイユニット上に個別のRGBテストパターンおよび多色較正パターン画像を表示する手段と、なお、前記多色較正パターン画像は、複数の単色画像を備える、
各画像センサが光の赤色、緑色、および青色をそれぞれキャプチャするように構成された、複数の画像センサを有する測色的に較正された多色カメラを用いて、前記ディスプレイユニット上に表示される前記RGBテストパターンの個別の画像および前記多色較正パターン画像をキャプチャする手段と、
前記ディスプレイユニットのルーマおよびクロマの空間不均一性を表す前記RGBテストパターンの前記キャプチャされた個別の画像を使用して、前記キャプチャされた多色較正パターン画像を補償し、前記キャプチャされた多色較正パターン画像の各画素のRGB値を、計算されたXYZ座標に移すことによって、色のセットの基準絶対XYZ座標を、前記測色的に較正された多色カメラを使用してキャプチャされる測定されたXYZ色座標のセットと比較する手段と、
前記基準座標と前記測定された座標との間の前記比較に基づいて、前記ディスプレイユニットを較正する手段と
を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明の一態様は、電子ディスプレイの較正(calibration of electronic display)に関し、特に、多色カメラ(a multicolor camera)を利用した電子ディスプレイの較正のための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] セルラ電話、コンピュータおよびタブレットで使用されるような電子ディスプレイは、それらの色調応答(tone-response)、色応答およびバックライト変調応答において、著しい量のばらつき(variability)を示しうる。これは主に、LEDバックライトのスペクトルパワー分布(spectral power distribution)(SPD)におけるばらつきを含む、ディスプレイの製造に使用される様々な光学コンポーネント(optical components)の特性におけるばらつきに起因する。
【0003】
[0003] したがって、使用中に各ディスプレイが正確な色調応答、色応答およびバックライト変調応答を提供するように、製造ラインで製造される各電子ディスプレイを較正することが典型的である。しかしながら、分光計(a spectrometer)または色度計(a color meter)を使用したディスプレイの特徴付けおよび較正は、2つの基本的な欠陥をもたらしうる。第1に、これら色度計は、(通常パネル中央の)ディスプレイ上の単一のスポットに基づく較正データのみを生成しうる。第2に、ディスプレイ画面は、複数の異なる色について正確な応答を有するように個別に較正される必要がありうる一方で、その較正は、一度に1色ずつのみ実行されるので、一般的には、必要な測定を行うために著しい量の時間を要する。例えば、液晶ディスプレイ(LCD)についての赤/緑/青の色調応答は、一度に1つの光の波長のみを測定するフォトリサーチ社製PR−655(Photo Research PR-655)分光計を使用して、1デジタル入力レベル当たり最大15秒かかりうる。単一のディスプレイのための全較正プロセスは、異なる形状および色の192個のテストパターンに基づいて評価および較正される必要がある1チャネル当たり6ビットのLCDディスプレイ(a 6-bit per channel LCD display)について最大で合計約48分かかりうる。
【発明の概要】
【0004】
[0004] いくつかの実施形態は、ディスプレイユニットを較正するための方法を備えうる。この方法は、ディスプレイユニット上に多色較正パターン画像(a multicolor calibration pattern image)を表示することを備えうる。この方法は、各画像センサが所定の色の光(color of light)をキャプチャするように構成された複数の画像センサを有する多色測色的に較正されたカメラ(multicolor colorimetrically calibrated camera)を用いて、ディスプレイユニット上に表示される多色較正パターン画像をキャプチャすることをさらに備えうる。この方法は、多色較正パターンからの色のセットの基準絶対XYZ座標(reference absolute XYZ coordinates)のセットを、測色的に較正されたカメラ(colorimetrically calibrated camera)を使用してキャプチャされる測定されたXYZ色座標(XYZ color coordinates)のセットと比較することと、基準座標と測定された座標との間の比較に基づいて、ディスプレイユニットを較正することとをさらに備えうる。他の実施形態では、この方法は、色のセットの基準絶対XYZ座標と、測定されたXYZ色座標との間の比較が、許容可能な色誤差(color error)内にあるかどうかを決定することをさらに備えうる。いくつかの実施形態では、許容可能な色誤差は、1 CIE DE2000単位(unit)未満でありうる。他の実施形態では、この方法は、多色カメラのスペクトルに基づく較正を実行することをさらに備えうる。いくつかの実施形態では、多色較正パターン画像は、複数の単色画像(a plurality of single color images)を備えうる。他の実施形態では、この方法は、
同時に3つのRGB帯域について色応答を測定することによって、1デジタル入力レベル当たり5秒未満で実行されうる。
【0005】
[0005] 他の実施形態は、各画像センサが所定の色の光をキャプチャするように構成された個別の画像センサで赤色、緑色、および青色をキャプチャするように構成された多色カメラを備える、ディスプレイユニットを較正するためのシステムを備えうる。このシステムは、較正されるディスプレイユニット上に色パターン画像を生成するように構成されたパネルドライバ(a panel driver)をさらに備えうる。このシステムは、ディスプレイ上に示される色を調整するために、較正値を設定するように構成された較正モジュールをさらに備えうる。他の実施形態では、このシステムは、テスト色のセットの基準絶対XYZ座標のセットを、測色的に較正されたカメラを使用してキャプチャされる測定されたXYZ色座標の対応するセットと比較し、許容可能な色誤差が達成されているかどうかを決定するように構成された比較モジュールをさらに備えうる。いくつかの実施形態では、許容可能な色誤差は、1 CIE DE2000単位未満でありうる。他の実施形態では、このシステムは、ディスプレイユニット上の色パターン画像をキャプチャする前に、多色カメラをスペクトル的に較正するように構成された画像キャプチャモジュールをさらに備えうる。
【0006】
[0006] 他の実施形態は、プロセッサに、ディスプレイユニット上に多色較正パターン画像を表示させ、各画像センサが所定の色の光をキャプチャするように構成された複数の画像センサを有する多色カメラを用いて、ディスプレイユニット上に表示される多色較正パターン画像をキャプチャさせ、色のセットの基準絶対XYZ座標を、測色的に較正されたカメラを使用してキャプチャされる測定されたXYZ色座標のセットと比較させ、基準座標と測定された座標との間の比較に基づいて、ディスプレイユニットを較正させるように動作するプロセッサ実行可能命令を含む、非一時的なコンピュータ読取可能な媒体を含みうる。他の実施形態は、プロセッサに、色のセットの基準絶対XYZ座標と、測定されたXYZ色座標との間の比較が、許容可能な色誤差内にあるかどうかを決定させるように動作する実行可能命令をさらに備える。他の実施形態は、プロセッサに、多色カメラのスペクトルに基づく較正を実行させるように動作する実行可能命令をさらに備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
[0007] これら開示される態様は、開示される態様を限定するためでなく、例示するために提供される添付図面と併せて以下に説明され、ここで、同様の表記は同様の要素を示す。
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態の画像解析システムを図示する概略図である。
【
図2】
図2は、本発明のいくつかの動作可能な実施形態をインプリメントするデバイスを図示するブロック図である。
【
図3】
図3は、較正プロセスの一実施形態で利用されるプロセスを図示するフローチャートである。
【
図4】
図4は、多色カメラを較正するために使用されるプロセスの一実施形態を図示するフローチャートである。
【0008】
[0012] 本明細書において開示されるインプリメンテーションは、多色カメラを使用してディスプレイユニットを較正するためのシステム、方法、および装置を提供する。具体的には、本明細書において説明されるいくつかの実施形態は、ディスプレイユニット上に表示される多色較正パターンの画像をキャプチャするためにスペクトル的に較正された多色カメラを組み込み、ディスプレイユニットに較正調整を適用する。一実施形態は、一度に1つ以上の較正パターンをディスプレイユニット上に表示することを含む。他の実施形態は、ディスプレイユニット上に表示される較正パターンの画像を取得する(acquiring)前に、多色カメラのスペクトルに基づく較正を実行することを含む。当業者であれば、これらの実施形態がハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせでインプリメントされうることを理解するであろう。
【0009】
[0013] したがって、一実施形態は、電子ディスプレイをすばやく較正するためのシステムを含みうる。この実施形態では、3つの電荷結合デバイス(3CCD)を有する多色カメラのような多色カメラが、テストされる電子ディスプレイ上に表示される色テストパターンを評価するために使用される。この実施形態では、画像解析システムが、3CCDカメラとディスプレイとにリンクされ、ディスプレイ上に一連の単色、または多色のテストパターンを出力する。3CCDカメラは、3つの赤、緑および青の色帯域のために3つの個別の画像センサを有しているで、それは、同時に3つのRGB帯域についての色応答を個別に測定しうる。これは、(RGB色補間(RGB color interpolation)を必要とする)単一のベイヤー型(Bayer-type)RGB色センサでカメラのRGBチャネル間で存在する著しい色クロストーク(crosstalk)を除去し、したがって、より正確な画像キャプチャおよびより正確な色測定を提供する。同様に、機械的な色相環フィルタ(color wheel filters)のセットを備えた単一のセンサを使用するカメラと比較して、3CCDカメラは、画像をキャプチャするおよび色測定を提供するという点では、より速いことが望ましい。
【0010】
[0014] 以下の説明では、特定の詳細が例についての完全な理解を提供するために与えられる。しかしながら、当業者であれば、これら例がこれらの特定の詳細なしで実施されうることを理解するであろう。例えば、これら例を不必要な詳細で不明瞭にしないように、電気コンポーネント/デバイスはブロック図で示されうる。他の事例では、このようなコンポーネント、他の構造および技術が、これら例をさらに説明するために詳細に示されうる。
【0011】
[0015] また、これら例は、フローチャート、フロー図、有限状態図、構造図、またはブロック図として図示される、プロセスとして説明されうることに留意されたい。フローチャートは、動作を順次プロセスとして説明しうるが、これら動作の多くは並列にまたは同時に実行されることができ、また、プロセスは繰り返されることができる。さらに、動作の順序は再構成されうる。プロセスは、その動作が完了したときに終了される。プロセスは、方法、関数、プロシージャ、サブルーチン、サブプログラム等に対応しうる。プロセスがソフトウェア関数に対応する場合、その終了は、この関数が呼び出し関数または主関数に戻ることに対応する。
【0012】
[0016] 当業者であれば、情報および信号は、様々な異なる技術および技法のうちの任意のものを使用して表されうることを理解するであろう。例えば、上記説明の全体にわたって参照されうるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または磁性粒子、光場または光粒子、あるいはこれらの任意の組み合わせによって表されうる。
【0013】
[0017] 本発明のコンテキストにおいて、「較正(calibration)」という用語は、ダイナミックレンジ全体にわたって個別の赤、緑、および青の色調応答を測定することを指す。例えば、24ビットのディスプレイ上では、較正は、各RGBチャネルについて少なくとも16個のレベルを測定することを指す。ディスプレイの較正は、すべてのグレーレベル(gray levels)において、平均色誤差が、2 CIE DE2000単位以下になるように、グレー・トラッキング補正(gray tracking correction)および色調応答を実行することをさらに伴うことが望ましい。ディスプレイの較正は、平均色誤差が1 CIE DE2000単位未満になるように、少なくとも18のテスト色について色誤差測定を実行することをさらに伴いうる。
【0014】
[0018] 本開示の技術は、バックライト付きデバイス(backlit devices)(一般に、透過型ディスプレイとも称される)、フロントライト付きディスプレイ(frontlit displays)、反射型ディスプレイ、およびLEDデバイスとOLEDデバイスのような自発光型ディスプレイを含む、様々な異なるディスプレイデバイスに適用可能でありうる。典型的なデバイスは、デジタルテレビ、無線通信デバイス、携帯情報端末(PDA)、ラップトップコンピュータまたはデスクトップコンピュータ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、デジタルメディアプレーヤ、ビデオゲームデバイス、セルラまたは衛星無線電話、スマートフォン、タブレット、またはディスプレイを有する任意のデバイスを含む。
【0015】
[0019] ここに開示される技術は、ルミナンス(luminance)、クロミナンス(chrominance)および/またはバックライトの調整能力を有する任意のタイプのディスプレイに適用可能でありうる。これらの技術は、計算された較正パラメータを適用することができ、その後、ユーザに対して実世界の色の正確な表現を形成するディスプレイを提供するために、ディスプレイを較正するための異なる調整を行う。具体的には、異なる色補正マトリクス(color correction matrices)が生成されて、デバイスに対する所望の調整を達成するために、ディスプレイにおける異なる設定に適用されうる。ここに説明される調整は、異なるバックライト設定によるクロミナンスのシフトのみならず、色間チャネルクロストーク(inter-color channel cross-talk)に対処しうる。クロストークは、1つの色チャネルが、別の色チャネルに与える影響によって引き起こされることがあり、クロストークは、異なるバックライト設定において異なりうる。ここに説明されるクロストークに対処するための技術は、バックライトディスプレイデバイスとルミナンス調整能力を有するその他のタイプのディスプレイに適用可能であり、また、静的なルミナンス出力を有するディスプレイデバイスにさえも、適用可能でありうる。一般に、RGBクロストークは、光学(例えば、RGBフィルタ)クロストークと電気RGBクロストークとの、少なくとも2つの要素に起因しうる。
【0016】
[0020] 1つの例では、本開示は、バックライト変調(backlight modulation)を用いるディスプレイデバイスのための色補正技術を説明する。バックライトレベルにおける変更は、ディスプレイの色出力におけるスペクトルシフトをもたらしうる。別の例では、本開示は、バックライト付きでないディスプレイデバイスにおける色を補正するための色補正技術に関する。
【0017】
[0021] 色応答は、一般に、色入力データの所与のセットに応答した、ディスプレイの色出力を指しうる。より詳細には、色応答は、色チャネルについての画素値(pixel values)を指定する色画像データ(color image data)に応答して、例えば、赤(R)、緑(G)および青(B)等の、色チャネルの組み合わせによって生成されるディスプレイの色出力を指しうる。本開示の技術は、色調調整および色調整の両方を適用しうる。色調調整は、本質的にルミナンスにおける不正確さを調整しうる一方で、色調整は、クロミナンスにおける不正確さを調整しうる。上述されたように、色調整は、異なるバックライト設定に起因する色シフトと、異なるバックライト設定において異なりうる色チャネル間のクロストークとの両方に対処しうる。色調調整および色調整の両方が、例えば、R、G、B値等の、色成分に対する調整を備えることができ、これは、ディスプレイを駆動するために使用される。
【0018】
[0022] いくつかの例では、較正は、較正されるディスプレイの色調応答に基づいて、異なる色チャネルについての適切なガンマ補正(gamma correction)を決定することを伴いうる。ガンマ補正は、異なる色チャネルの一つ一つに対して所望の色調またはルミナンスの出力を生成するように選択されうる。その後、ディスプレイの色応答に対する較正が、バックライトの異なるレベルで実行されうる。いくつかの例では、色応答は、較正色値のセット(a set of calibration color values)への参照により(with reference to)較正されることができ、これは、例えば、周知のマクベスカラーチェッカーテストチャート(Macbeth color checker test chart)において提供されるもののような、色パッチ(color patches)として配列されうる。
【0019】
[0023]
図1は、ディスプレイユニット112と多色カメラ114とにリンクされた画像解析システム110を含む、ディスプレイユニットのディスプレイの特徴付けおよび較正(DCC:display characterization and calibration)システム100の一実施形態の概略図を図示する。多色カメラ114は、それが色を測定し、絶対XYZ色座標を提供できるように、スペクトル的に較正されうる。画像解析システム110は、デスクトップパーソナルコンピュータまたはそれに類するものなどの固定デバイスであることができ、あるいは、それは移動体であることができる。複数のアプリケーションが、画像解析システム110上でユーザに利用可能でありうる。
【0020】
[0024]
図1に示されるように、画像解析システム110は、較正を必要とするディスプレイユニット112を多色カメラ114にリンクする。ディスプレイユニット112が多色カメラ114と電気通信状態にあるので、以下に説明されるように、画像解析システム110がディスプレイユニット112を適切に較正することを可能にするフィードバックループが開始されうる。多色カメラは、キャプチャされた画像におけるRGB値が、数値処理を通じてXYZ絶対色座標にマッピングされるように、測色的に較正されうる。較正パターンにおけるテスト色は、想定色域(assumed color gamut)に基づいてRGB座標にマッピングするXYZ絶対座標を有する。テスト色がディスプレイユニット112上に表示され、画像が多色カメラ114によってキャプチャされた後、テスト色のRGB値が、キャプチャされた画像から抽出される。その後、画像解析システム110による数値処理を通じて、テスト色のXYZ座標が計算される。その後、色誤差が、テスト色の基準XYZ座標と計算されたXYZ座標との間で定義される。
【0021】
[0025] ディスプレイの特徴付けおよび較正(DCC)は、特定のディスプレイパネルおよび/またはデバイスに適切な色補正マトリクスを決定するために(例えば、デバイスの製造業者によって)実行されうる。いくつかの例では、DCCは、一般的なクラスのデバイス(例えば、特定の型番)のために実行されうる。他の例では、DCCは、個々のデバイスに対して実行されうる。したがって、DCCは、デバイスの製造時に実行されうる。一実施形態では、DCCは、色補正およびガンマ補正のためのデータを生成し、その後、この生成されたデータは、ディスプレイがユーザによって使用される際に、色補正およびガンマ補正を実行するために、デバイスプロセッサによる使用のために各対応するデバイス中に記憶される。一実施形態では、ディスプレイ較正データは、ディスプレイユニット112と関連づけられるメモリ中にマトリクスとして記憶される。補正は、異なるバックライトレベルに起因する色度(chromaticity)シフトのみならず、異なるバックライトレベルによって同様に影響を受けることがある、チャネル間のクロストークの両方を考慮しうる。
【0022】
[0026] DCCは、ディスプレイの色調応答およびディスプレイの色応答を考慮に入れうる。特徴付けおよび較正は、例えば、固定バックライトレベルおよび可変バックライトレベルなどの、異なるディスプレイ動条件で実行されうる。DCCは、測定によるディスプレイの特徴付けと、ガンマおよび色補正マトリクスによる較正と、線形性および色誤差検査による検証とを含みうる。
【0023】
[0027] したがって、一実施形態では、このシステムは4つの主コンポーネントを有する。第1のコンポーネントは、正確なRGB色画像をキャプチャするカメラであり、ここで、RGB値は、その後、パーソナルコンピュータのような電子システムにおける数値処理を通じて絶対色座標にマッピングされる。第2のコンポーネントは、マスタとして機能し、かつ第1のインタフェースを通じてカメラを制御し、第2のインタフェースを使用して、較正されるディスプレイ/ディスプレイプロセッサを制御する、パーソナルコンピュータのような電子システムである。第3のコンポーネントは、ディスプレイ上にレンダリングされる(rendered)前に画像を処理する、Qualcomm, Inc.(サンディエゴ、CA)によって製造されるようなディスプレイプロセッサチップである。このディスプレイプロセッサはまた、直接ディスプレイデバイス内でテスト色またはテストパターンを生成するために使用されうる。したがって、接続されたシステムによってテスト色/テストパターンを個別に生成し、その後、それらをディスプレイにアップロードする必要がない。これは、ディスプレイの較正プロセスにおいて、著しい量の時間を節約しうる。最後のコンポーネントは、テストされるディスプレイユニットである。典型的には、ディスプレイ画面およびグラフィックスプロセッサは、携帯電話またはタブレットのような、単一のデバイスに内蔵される。
【0024】
[0028]
図2は、多色カメラ入力/出力115、パネルドライバ123およびディスプレイユニット入力/出力125を有するプロセッサ120を含むコンポーネントのセットを有する画像解析システム110のハイレベルなブロック図を図示する。ワーキングメモリ105およびメモリ130がまた、プロセッサ120と通信状態にある。
【0025】
[0029] プロセッサ120は、汎用処理ユニット、または撮像アプリケーションのために特別に設計されたプロセッサでありうる。示されるように、プロセッサ120は、メモリ130とワーキングメモリ105とに接続されている。例示される実施形態では、メモリ130は、画像キャプチャモジュール140、比較モジュール145、ディスプレイ較正モジュール150、ユーザインタフェースモジュール160、およびオペレーティングシステム155を記憶する。これらのモジュールは、様々な画像処理およびデバイス管理タスクを実行するようにプロセッサ120を構成する命令(instructions that configure the processor 120 to perform)を含みうる。ワーキングメモリ105は、メモリ130のモジュールに含まれるプロセッサ命令のワーキングセットを記憶するために、プロセッサ120によって使用されうる。あるいは、ワーキングメモリ105はまた、画像解析システム110の動作中に作成された動的データを記憶するために、プロセッサ120によって使用されうる。
【0026】
[0030] 上述したとおり、プロセッサ120は、メモリ130中に記憶されたいくつかのモジュールによって構成される。画像キャプチャモジュール140は、多色カメラ114を用いて画像をキャプチャするようにプロセッサ120を構成する命令を含む。したがって、プロセッサ120は、画像キャプチャモジュール140、多色カメラ114、およびワーキングメモリ105と共に、多色カメラを使用して多色画像をキャプチャするための1つの手段を表す。比較モジュール145は、較正テストパターンのキャプチャされた画像から抽出されたテスト色のRGB値を比較し、数値処理を通じて、テスト色のXYZ座標を計算するようにプロセッサ120を構成する命令を提供する。その後、色誤差が、テスト色の基準XYZ座標と計算されたXYZ座標との間で測定される。ディスプレイ較正モジュール150は、測定された色誤差が許容可能な色誤差限度内にない場合、ディスプレイに較正変更を適用する(apply calibration changes to a display)命令を含む。ユーザインタフェースモジュール160は、画像解析システム110を実行しながら、ユーザがアクセス可能な電子ディスプレイ上に情報を表示するようにプロセッサ120を構成する命令を含む。
【0027】
[0031] オペレーティングシステムモジュール155は、システム110のメモリと処理リソースを管理するようにプロセッサ120を構成する。例えば、オペレーティングシステムモジュール155は、ディスプレイ125または多色カメラ115などのハードウェアリソースを管理するためのデバイスドライバを含みうる。したがって、いくつかの実施形態では、上述された較正モジュールに含まれる命令は、これらのハードウェアリソースとは直接相互に作用せず、その代わりに、オペレーティングシステムコンポーネント155中に位置するAPIまたは標準のサブルーチンを通じて相互に作用しうる。その後、オペレーティングシステム155内の命令は、これらのハードウェアコンポーネントと直接相互に作用しうる。
【0028】
[0032]
図2は、プロセッサ、多色カメラ、パネルドライバ、ディスプレイ、およびメモリを含むために個別のコンポーネントを備えたデバイスを図示しているが、当業者であれば、これらの個別のコンポーネントは、特定の設計目的を達成するために、様々な方法で組み合わされうることを理解するであろう。例えば、代替の実施形態では、メモリコンポーネントは、費用を節約しパフォーマンスを向上させるために、プロセッサコンポーネントと組み合わされうる。
【0029】
[0033] 加えて、
図2は、いくつかのモジュールを備えるメモリコンポーネント130と、ワーキングメモリを備える別のメモリ105とを含む、2つのメモリコンポーネントを例示しているが、当業者であれば、異なるメモリアーキテクチャを利用するいくつかの実施形態を理解するであろう。例えば、一設計は、メモリ130中に含まれるこれらモジュールをインプリメントするプロセッサ命令の記憶のために、ROMメモリまたはスタティックRAMメモリを利用しうる。あるいは、プロセッサ命令は、デバイス100に内蔵された、または外部デバイスポートを介して接続されたディスク記憶デバイスからシステム起動時に読み取られうる。その後、プロセッサ命令は、RAMにロードされて、プロセッサによる実行を容易にしうる。例えば、ワーキングメモリ105は、プロセッサ120による実行の前にワーキングメモリ105にロードされる命令を備えたRAMメモリでありうる。
【0030】
[0034]
図3は、一実施形態において、どのようにディスプレイ較正が機能しうるかの概要を提供する、数値処理およびディスプレイ較正プロセス300を例示するフローチャートである。プロセス300は、開始ブロック305で始まり、その後、パネルドライバ123によってディスプレイユニット上に個別のRGBテストパターンが表示された場合、ブロック310に遷移する。その後、プロセス300は、ブロック315に移動し、ここで、命令は、RGBテストパターンの個別の画像マップをキャプチャするように多色カメラに指示する。この実施形態では、3つの個別の平面的な(flat)赤、緑および青のテストパターンが表示され、カメラによってキャプチャされる。このカメラは、前もって完全に測色的に較正されているので、3つの個別のキャプチャされた画像は、較正されるパネルのルーマ(luma)およびクロマ(chroma)の不均一性(non-uniformity)を示す。したがって、これら3つの画像は、較正されるディスプレイユニットのルーマ/クロマの不均一性を表す。
【0031】
[0035] その後、プロセス300は、ブロック320に移動し、ここで、命令は、パネルドライバ123によって、ディスプレイユニット上に単一または多色テストパターン(a single or multicolor test pattern)が表示されるように指示する。一実施形態では、パネルドライバ123は、テスト下にある電子ディスプレイを収容するデバイスにおけるグラフィックスプロセッサと直接通信する。その後、プロセス300は、ブロック325に移動し、ここで、
図2の画像キャプチャモジュール140内の命令は、ディスプレイユニットの画像をキャプチャするように多色カメラに命令する。その後、プロセス300は、ブロック327に移動し、ここで、
図2の比較モジュール145内の命令は、RGBテストの個別の画像と、較正テストパターンのキャプチャされた画像から抽出されたテスト色のRGB値を比較し、数値処理を通じて、ディスプレイユニットのルーマおよびクロマの不均一性を補償するために、テスト色または複数のテスト色のXYZ座標を計算する。
【0032】
[0036] ブロック315において生成される3つの画像マップは、ルーマ/クロマの不均一性を補償するために、ブロック325においてキャプチャされた画像に適用され、したがって、ブロック325においてカメラによってキャプチャされた画像における各画素についてのRGB値を、絶対XYZ座標に正確に移す(transfer)。その後、プロセス300は、ブロック330に移動し、ここで、命令は、テストパターンのキャプチャされた画像の各画素のRGB値を、計算されたXYZ座標に移すように数値処理を指示する。その後、プロセス300は、決定ブロック335に移動し、ここで、命令は、すべての較正パターンが実行されているかどうかを決定するために実行される。すべての較正パターンがディスプレイユニット上に示されていない場合には、プロセス300は、ブロック310に戻り、上述したプロセスを繰り返す。すべての較正テストパターンが表示されていた場合、プロセス300は、ブロック340に移動し、ここで、命令は、較正パターンにおいて表示されたテスト色の基準XYZ座標を、テストパターンのキャプチャされた画像から取得されたテスト色の計算されたXYZ座標と比較する。
【0033】
[0037] ブロック340内では、数値処理(例えば、回帰(regression))が、較正パターンのセットからのすべてのテスト色の基準XYZ座標と、同じセットのテスト色の計算された/測定されたXYZ座標との、2つのセットのXYZ座標に適用される。その後、色誤差が、テスト色の基準XYZ座標と計算されたXYZ座標との間で測定される。このステップは、較正データのセットをもたらす。ガンマ補正(即ち、ルーマ/色調/グレー・トラッキング補正(luma/tone/gray tracking correction))のための較正データと、クロマ補正(即ち、色補正)のための較正データとの、2つのセットの較正データが生成される。
【0034】
[0038] その後、プロセス300は、ブロック345に移動し、そこで、較正変更(calibration changes)がディスプレイユニットに適用される。例えば、較正変更は、ディスプレイユニットにおけるメモリに較正表を記憶することによって適用されうる。一旦、すべての較正変更がディスプレイユニットに適用されると、プロセス300は、ブロック350に移動し、プロセス300は終了する。説明された実施形態では、すべてのテスト色が表示され、それらのXYZ座標が計算されて、その後、望ましくは一度にすべての計算されたテスト色が基準テスト色と比較されて、ディスプレイユニットの較正に必要とされるすべての補正を較正データのセットの形で生成する。ルーマについては、補正は、3つの1Dルックアップ表(3 1D look up tables)(LUT)をもたらし、クロマについては、補正は、3×11多項式色補正マトリクス(a 3x11 polynomial color correction matrix)をもたらす。
【0035】
[0039] キャプチャされた画像が特定のディスプレイデバイスについての許容可能な色誤差内にあるかどうかを決定することは、いくつかの方法によって実行されうる。例えば、ディスプレイの色応答は、対応する入力基準線形色値(input reference linear color values)に対する基準色出力を測定することによって実行されうる。1つの例では、いわゆるマクベスカラーチェッカーテストチャートの色が、較正パターンとして、デバイスへの入力として使用される。マクベスカラーチェッカーチャートは、18色と、6つ無彩色の中間色(achromatic neutral colors)(白、グレー、および黒)とを含む、24色の基準色を有する。他の例では、より精度の高い結果が、より多くの数の基準色、例えば、108色の基準色を有するカラーチェッカー、を利用することによって達成されうる。その後、色測定(a color measurement)が、多色カメラを使用して得られる。
【0036】
[0040] 各色入力についての、ディスプレイの色応答における誤差、またはディスプレイによって生成される色誤差の量は、測定された出力色と、マクベスカラーチェッカーチャートまたはその他のカラーチェッカー基準によって示される、対応する入力色基準との間の差に基づいて決定されうる。人間の眼は、典型的に、国際照明委員会(または、Commission Internationale de l'Eclairage(CIE))によって指定されるような、2デルタe(2 delta e)(CIE)を超える色差(color differences)を検出しうる。例えば、1つの色の2つの色合い(shades)は、それらの間の差が2デルタe(CIE)以下である場合、人間の目にとっては同じに見えることがある。ディスプレイの特徴付けまたは較正の間、入力基準色と出力基準色(the input and output reference colors)との間の差の量が決定されうる。入力基準色と出力基準色は、それらのRGB成分の観点から表されうる。
【0037】
[0041] 色誤差が許容可能な範囲内にないディスプレイデバイスを較正するために、このシステムは、最小2乗誤差(MSE)法のような、周知の方法によってチャートにおけるすべての色についての色補正マトリクスを決定しうる。
【0038】
[0042] 3CCDカメラのための色補正は、スペクトルデータおよび処理に基づきうる。3CCDカメラのための色補正マトリクス計算の1つの例が以下に説明される。マクベスカラーチェッカーチャート(24色の基準色のセット)が、色較正を行うために使用されうる。これら24色についてのスペクトルデータは、マクベスカラーチェッカーチャートの20個のサンプルに基づく。これらのスペクトルデータは、380nm〜730nm範囲に基づく。
【0039】
[0043] 所与の照明源下(under a given illumination source)のこれら24色についての統合された(integrated)R/G/B値が、下記の式を使用して計算されうる。
【0040】
[0044] R=Σ(I(λ)*R(λ)*S
R(λ))
[0045] G=Σ(I(λ)*R(λ)*S
G(λ))
[0046] B=Σ(I(λ)*R(λ)*S
B(λ))
[0047] これらの式では、I(λ)は、照明源のスペクトルパワー分布(spectral power distribution)(SPD)を表し、R(λ)は、各色のスペクトル反射率(spectral reflectance factors)(SRF)を表し、S(λ)は、特定の色チャネルについてのカメラのスペクトル応答(spectral response)(SR)を表す。マクベスカラーチェッカーチャートにおける第19番の色は、約90%の反射指数を有する反射表面(reflectance surfacewith 〜90% reflectance index)を表す。この色は、統合されたRGB値をスケーリングするための基準として使用されうる。
【0041】
[0048] 上記3つの式の統合および総和は、波長の可視範囲(λ:360nm〜720nmであると共に、10nmの波長分解能を有する)のために行われる。
【0042】
[0049] 所与の照明源下のこれら24色についての統合されたCIE三刺激値X/Y/Z(Integrated CIE tristimulus values X/Y/Z for the 24 colors)は、下記の式を使用して計算されうる。
【0043】
[0050] X=Σ(I(λ)*R(λ)*x(λ))
[0051] Y=Σ(I(λ)*R(λ)*y(λ))
[0052] Z=Σ(I(λ)*R(λ)*z(λ))
[0053] 先に指摘されたように、I(λ)は、照明源のスペクトルパワー分布(SPD)を表し、R(λ)は、各色のスペクトル反射率(SRF)を表す。さらに、x(λ)、y(λ)およびz(λ)は、等色関数(Color Matching Functions)を表す。
【0044】
[0054] カメラRGB値をCIE三刺激値X/Y/Zにマッピングするために、17個の項を有する3次多項式モデル(a third-order polynomial model with 17 terms)が、各チャネルのために定義される。
【数1】
【数2】
【数3】
【0045】
[0058] ここでk
ijは、多項式モデルの17個の係数を表し、R、GおよびBは、カメラの統合されたRGB応答を表し、X、YおよびZは、CIE三刺激値を表す。これは、すべて2次項および3次項を有する非線形モデル(a non-linear model with all 2
nd and 3
rd order terms)であるが、その解は、線形回帰(linear regression)に基づくことに留意されたい。最小2乗誤差(Least Squared Error)(LSE)法が、51(3×17)個の未知係数k
ijを解くために使用される。
【0046】
[0059] 上記の式は、再編成され(re-arranged)、以下に示されるマトリクス形式で表されうる。
【数4】
【0047】
[0060] ここで、マトリクス[D]の転置は、次のように定義される。
【数5】
【0048】
[0062] 51個の未知係数を解くためには、最低17色の基準色が必要である。しかしながら、より多い数の基準色が、[3×17]色補正/マッピングマトリクスのより正確な計算を達成するために使用される。マクベスカラーチェッカーチャートは、24色の基準色を提供する(このうち6色は無彩色である)。
【0049】
[0063] 色誤差推定(color-error estimation)のために、色誤差メトリックDE2000が適用されうる。色補正/マッピングマトリクスに最適な多項式を確立するために、以下の8つのケースがテストされる。
【表1】
【表2】
【0050】
[0064] 上記の表におけるデータは、(3×17マトリクスによって表される)17個の項を有する3次多項式モデルが、3CCDカメラのために正確な色補正を提供するということを示す。すなわち、この例については、最大色誤差は、1 DE2000 CIE単位未満であり、一方、平均色誤差は、DE2000 CIE単位の約1/3である。
【0051】
[0065] 本発明の態様は、色補正を実行する特定の方法、または記憶されたRGB値係数の特定のサイズのマトリクスに限定されるものではない。例えば、以上に示されたように、このシステムの実施形態は、3CCDカメラをスペクトル的に較正するために、3×17多項式色補正(a 3x17 polynomial color correction)を使用する。いくつかの例では、補正値は、色補正されたRGB値(R
cie G
cie B
cie)を提供する係数値として表されうる。これら係数は、入力RGB値(R
d G
d B
d)から、色補正されたRGB値を得るために、線形回帰式または多項式回帰式で使用されうる。これら係数は、3×Nマトリクスとして記憶されることができ、ここで、Nは、3以上である。Nが3である場合、線形回帰が、入力RGB値から色補正されたRGB値を得るために使用されうる。以下の実例的な式は、色較正の間に解かれることができ、その後、デバイスの動作中に色調整または色補正のために(係数kに関して解かれた値に基づいて)適用されることができる、3×4マトリクスの1つの例を表しうる。
【数6】
【数7】
【数8】
【0052】
[0069] ここで、係数k
iは、上述されたように、実行された較正に基づく色補正係数を表す。R
d、G
d、B
dは、ディスプレイのRGB値を表し、R
cie、G
cie、B
cieは、色補正された値を表す。これら係数の各々は、1チャネルの寄与(one-channel contributions)、または、単独での赤(R)チャネル、緑(G)チャネル、および青(B)チャネル(red (R), green (G), and blue (B) channels alone)の各々の寄与に関連づけられる。したがって、k
rrは、色補正された赤チャネル値に対する赤チャネルの寄与に関連づけられた係数であり、k
rgは、色補正された赤チャネル値に対する緑チャネルの寄与に関連づけられ、k
rbは、色補正された赤チャネル値に対する青チャネルの寄与に関連づけられる。
【0053】
[0070] 同様に、k
gr、k
gg、およびk
gbは、それぞれ、色補正された緑チャネル値に対する赤、緑、および青のチャネルの寄与に関連づけられた係数であり、また、k
br、k
bg、およびk
bbは、それぞれ、色補正された青チャネル値に対する赤、緑、および青のチャネルの寄与に関連づけられた係数である。
【0054】
[0071] さらに、生成された較正パターンからの入力基準色に関連した、多色カメラによって測定されたディスプレイデバイスの出力の実験的な測定値(experimental measurements)は、所望の係数を実験的に決定するために使用されうる。さらに、異なる係数のセットが、較正プロセスの間に、デバイスの複数の異なるバックライト設定の各々について解かれうる。このように、(いくつかの設定は、両方のバックライト設定のために同じ調整が適切である場合には、同じマトリクスを適用しうるが、)異なる色補正マトリクスが、デバイスの複数の異なるバックライト設定の各々のために定義されうる。これらマトリクスは、ディスプレイデバイスに関連づけられたメモリに記憶されうる。
【0055】
[0072] その後、ディスプレイパネルの色応答の特徴付けおよび較正の検証が、基準色(例えば、マクベスチャートの色)を入力することと、特徴付けおよび較正プロセスの間に決定された適切な色補正マトリクスを適用することと、対応する色出力を測定することとによって実行されうる。
【0056】
[0073]
図4は、
図2の画像キャプチャモジュール140の一実施形態内で実行されるカメラ較正プロセス500を例示するフローチャートである。このプロセスは、カメラがディスプレイ上の正確な色測定値(accurate color measurements)を読み取っていることが分かるように、電子ディスプレイ上の画像をキャプチャするために使用されるカメラを較正するために使用される。プロセス500は、開始ブロック505で始まり、すべての内部自動処理機能または適応処理機能が多色カメラ上で無効にされる(disabled)ブロック510に遷移する。その後、プロセス500は、ブロック515に移動し、ここで、命令は、多色カメラのホワイトバランスを望ましくは6500Kに設定する。その後、プロセス500は、ブロック520に移動し、ここで、多色カメラのガンマがオフにされる。その後、プロセス500は、ブロック525に移動し、ここで、多色カメラのビデオゲインはゼロに設定される。その後、プロセス500は、ブロック530に移動し、ここで、命令は、基準スペクトル画像のセットをキャプチャするように多色カメラに指示する。モノクロメータおよび積分球(a monochromator and an integrating sphere)を使用して、所定の波長(380nm〜720nm)を有するフラットフィールド(flat filed)のセットが、3CCDカメラの視野において生成されうる。その後、プロセス500は、ブロック535に移動し、ここで、命令は、ブラックオフセット基準画像(black-offset reference images)の対応するセットをキャプチャするように多色カメラに指示する。その後、プロセスは、ブロック540に移動し、ここで、命令は、対応するスペクトル画像からブラックオフセット画像を減算することによって、基準スペクトル画像とブラックオフセット画像との間の差を決定する。この段階において、3CCDカメラのRGBスペクトル応答は、3CCDカメラの測色的較正の第1の部分として確立される。3CCDカメラの測色的較正のプロセスは、上述したように、ブロック543における色誤差マトリクスの計算により継続する。その後、プロセス500は、ブロック545に移動し、ここで、命令は、3つの色、R、G、およびBについてのCIE統合された三刺激値を決定する。その後、プロセス500は、ブロック555に移動して終了する。
【0057】
[0074] 上述されたプロセス500は、ディスプレイユニットの較正において使用するための多色カメラのスペクトルに基づく較正の一実施形態を例示する。ディスプレイユニットの較正において高い精度を達成するために、プロセス500に例示されるように、スペクトル方式に基づいてカメラの測色的較正を実行することが好ましい。
【0058】
[0075] 一実施形態では、ディスプレイユニットのルーマおよびクロマの不均一性は、ディスプレイユニットの較正の前に確立される。例えば、2つの赤色パッチがディスプレイの中央と角に表示された場合、その2つのパッチは、同じルミナンスおよび同じ絶対色座標XYZを有しない場合がある。したがって、スペクトル的に較正されたカメラを使用して、同じ表示された較正パターン内の複数の色を測定する前に、ディスプレイの不均一性を確立することが望ましい。
【0059】
[0076] 上述されたように、多色カメラは、3つの個別の赤、緑および青のCCDセンサを有しうる。したがって、不正確な色測定をもたらすチャネル間のRGB色クロストークがないことが望ましい。さらに、カメラ設定は、RGBレンズの減衰(fall off)が最小限かつごくわずかであるように確立されうる。
【0060】
[0077] 一実施形態では、3つの個別の赤、緑、青のテストパターンが、ディスプレイユニット上に表示され、3つの画像が、スペクトル的に較正された多色カメラによってキャプチャされる。上述された多色カメラの機能および設定により、3つの画像は、3つの赤、緑、および青のチャネルについてのルーマおよびクロマの空間不均一性を示す。スペクトル的に較正された多色カメラによってキャプチャされる、ディスプレイユニット上に表示される生成された較正テストパターンの後続する画像は、その後、上述されたルーマおよびクロマの不均一性画像を使用して補正または補償されうる。較正テストパターンが複数の色を含む場合、各色は、ディスプレイユニット上の異なる位置にあり、したがって、ディスプレイユニットのルーマおよびクロマの不均一性は、表示される色に影響を及ぼす。ルーマおよびクロマの不均一性画像の使用は、システムが、テスト色のセットの測定されたルーマおよびクロマを補正することを可能にし、したがって、同時に色のセットの正確な色測定を生成することを可能にする。
【0061】
[0078] 当業者であれば、ここに開示されたインプリメンテーションに関連して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびプロセスブロックは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組み合せとしてインプリメントされうることをさらに理解するであろう。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に例示するために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびブロックが、概してそれらの機能の点から上記に説明されてきた。このような機能が、ハードウェアとしてインプリメントされるか、あるいはソフトウェアとしてインプリメントされるかは、特定のアプリケーションおよびシステム全体に課せられる設計制約に依存する。当業者は、各特定のアプリケーションに関して、多様な方法で、説明された機能をインプリメントしうるが、このようなインプリメンテーションの決定は、本発明の範囲から逸脱を引き起こしていると解釈されるべきでない。当業者であれば、部分、または一部が、全体よりも少ないもの、または全体に等しいものを備えうることを理解するであろう。例えば、画素の集合の一部分は、これら画素のサブ集合を指しうる。
【0062】
[0079] ここに開示されたインプリメンテーションに関連して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、あるいはここに説明された機能を実行するように設計されるこれらの任意の組み合わせで、インプリメントまたは実行されうる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサでありうるが、代替において、このプロセッサは、任意の従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシン(state machine)でありうる。プロセッサはまた、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携した1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいはその他任意のこのような構成であるコンピューティングデバイスの組み合わせとしてインプリメントされうる。
【0063】
[0080] ここに開示されたインプリメンテーションに関連して説明された方法またはプロセスのブロックは、直接ハードウェアにおいて、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールにおいて、またはこれら2つの組み合わせにおいて、具現化(embodied)されうる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバルディスク、CD−ROM、または当該技術分野において周知のその他任意の形状の非一時的な記憶媒体内に存在しうる。典型的なコンピュータ読取可能な記憶媒体は、プロセッサがコンピュータ読取可能な記憶媒体から情報を読み取り、またそれに情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替において、記憶媒体は、プロセッサと一体化されうる。プロセッサおよび記憶媒体は、ASIC内に存在しうる。ASICは、ユーザ端末、カメラ、または他のデバイス内に存在しうる。代替において、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末、カメラ、または他のデバイス内のディスクリートコンポーネントとして存在しうる。
【0064】
[0081] 開示されたインプリメンテーションの上記説明は、いかなる当業者であっても、本発明を製造または使用できるように提供される。これらのインプリメンテーションへの様々な修正は、当業者にとって容易に明らかになり、ここに定義された一般的な原理は、本発明の主旨または範囲から逸脱することなく、他のインプリメンテーションにも適用されうる。したがって、本発明は、ここに示されたインプリメンテーションに限定されるようには意図されず、ここに開示される原理および新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えられることとなる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1] ディスプレイユニットを較正するための電子的方法であって、
前記ディスプレイユニット上に多色較正パターン画像を表示することと、
各画像センサが所定の色の光をキャプチャするように構成された、複数の画像センサを有する多色測色的に較正されたカメラを用いて、前記ディスプレイユニット上に表示される前記多色較正パターン画像をキャプチャすることと、
前記多色較正パターンからの色のセットの基準絶対XYZ座標のセットを、前記測色的に較正されたカメラを使用してキャプチャされた、測定されたXYZ色座標のセットと比較することと、
前記基準座標と前記測定された座標との間の前記比較に基づいて、前記ディスプレイユニットを較正することと
を備える方法。
[C2] 前記色のセットの基準絶対XYZ座標と、前記測定されたXYZ色座標との間の前記比較が、許容可能な色誤差内にあるかどうかを決定するステップをさらに備える、C1に記載の方法。
[C3] 前記許容可能な色誤差は、1 CIE DE2000単位未満である、C2に記載の方法。
[C4] 前記多色カメラのスペクトルに基づく較正を実行するステップをさらに備える、C1に記載の方法。
[C5] 前記多色較正パターン画像は、複数の単色画像を備える、C1に記載の方法。
[C6] 前記方法は、
同時に3つのRGB帯域について色応答を測定することによって、1デジタル入力レベル当たり5秒未満で実行されうる、C1に記載の方法。
[C7] 前記測色的に較正されたカメラは、赤、緑、および青の光をキャプチャするように構成された個別の画像センサを備える、C1に記載の方法。
[C8] 前記ディスプレイユニット上に多色較正パターン画像を表示することは、前もって選択された画素色を表示するように、前記ディスプレイユニットにおけるグラフィックスプロセッサに命令することを備える、C1に記載の方法。
[C9] ディスプレイユニットを較正するためのシステムであって、
各画像センサが所定の色の光をキャプチャするように構成された、個別の画像センサで赤色、緑色、および青色をキャプチャするように構成された多色カメラと、
較正されるディスプレイユニット上で色パターン画像を生成するように構成されたパネルドライバと、
前記ディスプレイ上に示される色を調整するために、較正値を設定するように構成された較正モジュールと
を備えるシステム。
[C10] テスト色のセットの基準絶対XYZ座標のセットを、測色的に較正されたカメラを使用してキャプチャされる測定されたXYZ色座標の対応するセットと比較し、許容可能な色誤差が達成されたかどうかを決定するように構成された比較モジュールをさらに備える、C9に記載のシステム。
[C11] 前記許容可能な色誤差は、1 DE2000 CIE単位未満である、C10に記載のシステム。
[C12] 前記ディスプレイユニット上の色パターン画像をキャプチャする前に、多色カメラをスペクトル的に較正するように構成された画像キャプチャモジュールをさらに備える、C10に記載のシステム。
[C13] 前記多色カメラは、3CCDカメラを備える、C10に記載のシステム。
[C14] 前記パネルドライバは、前記較正されるディスプレイユニットにおけるグラフィックスプロセッサと通信するように構成される、C10に記載のシステム。
[C15] 前記較正モジュールは、前記ディスプレイユニット中に較正係数のマトリクスを記憶するように構成される、C10に記載のシステム。
[C16] プロセッサ実行可能命令を含む非一時的なコンピュータ読取可能な媒体であって、前記命令は、実行されたときに、
ディスプレイユニット上に多色較正パターン画像を表示することと、
各画像センサが所定の色の光をキャプチャするように構成された、複数の画像センサを有する多色カメラを用いて、前記ディスプレイユニット上に表示される前記多色較正パターン画像をキャプチャすることと、
色のセットの基準絶対XYZ座標を、前記測色的に較正されたカメラを使用してキャプチャされる測定されたXYZ色座標のセットと比較することと、
前記基準座標と前記測定された座標との間の前記比較に基づいて、前記ディスプレイユニットを較正することと
を備える方法を実行する、コンピュータ読取可能な媒体。
[C17] 実行されたときに、測色的に較正されたカメラを使用してキャプチャされる前記測定されたXYZ色座標に対して前記色のセットの基準絶対XYZ座標が、許容可能な色誤差内にあるかどうかを決定する方法を実行するプロセッサ実行可能命令をさらに含む、C16に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
[C18] 実行されたときに、前記多色カメラのスペクトルに基づく較正を実行する方法を実行するプロセッサ実行可能命令をさらに含む、C16に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
[C19] 前記コンピュータ読取可能な媒体は、前記ディスプレイユニット中に較正係数のマトリクスを記憶することによって前記ディスプレイユニットを較正するための命令を備える、C16に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
[C20] ディスプレイユニットを較正するためのシステムであって、
前記ディスプレイユニット上に多色較正パターン画像を表示する手段と、
各画像センサが所定の色の光をキャプチャするように構成された、複数の画像センサを有する多色カメラを用いて、前記ディスプレイユニット上に表示される前記多色較正パターン画像をキャプチャする手段と、
色のセットの基準絶対XYZ座標を、前記測色的に較正されたカメラを使用してキャプチャされる測定されたXYZ色座標のセットと比較する手段と、
前記基準座標と前記測定された座標との間の前記比較に基づいて、前記ディスプレイユニットを較正する手段と
を備えるシステム。