特許第6352212号(P6352212)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士フイルムRIファーマ株式会社の特許一覧 ▶ 井上 武の特許一覧

特許6352212画像診断支援装置、方法、及びコンピュータプログラム
<>
  • 特許6352212-画像診断支援装置、方法、及びコンピュータプログラム 図000002
  • 特許6352212-画像診断支援装置、方法、及びコンピュータプログラム 図000003
  • 特許6352212-画像診断支援装置、方法、及びコンピュータプログラム 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6352212
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】画像診断支援装置、方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/161 20060101AFI20180625BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20180625BHJP
   A61B 5/055 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   G01T1/161 D
   A61B6/00 350Z
   A61B5/055 380
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-68893(P2015-68893)
(22)【出願日】2015年3月30日
(65)【公開番号】特開2016-187452(P2016-187452A)
(43)【公開日】2016年11月4日
【審査請求日】2017年10月30日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 刊行物の発行日:平成26年9月30日 第51巻 第3号平成26年9月発行 核医学 日本核医学会機関誌,第S238頁,「M2IIIB4」一般社団法人日本核医学会
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000149837
【氏名又は名称】富士フイルムRIファーマ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】515086388
【氏名又は名称】井上 武
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】特許業務法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 武
(72)【発明者】
【氏名】高橋 由武
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 栄次郎
(72)【発明者】
【氏名】竹田 有紀
【審査官】 原 俊文
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0291707(US,A1)
【文献】 特開2011−115270(JP,A)
【文献】 特開2011−041656(JP,A)
【文献】 特開2012−016480(JP,A)
【文献】 特開2007−034876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/161−1/166
A61B 6/00−6/14
A61B 5/055
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像診断支援装置のためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
複数の患者の医用画像のそれぞれが、疾患及び/または病態別の複数のグループのいずれかに関連づけられており、前記複数の患者の医用画像をフーリエ変換して、複数の位相画像である複数の患者位相画像を生成する第1の画像変換手段と、
被験者の医用画像をフーリエ変換して、位相画像である被験者位相画像を生成する第2の画像変換手段と、
前記第1の画像変換手段により生成された複数の患者位相画像と、前記第2の画像変換手段により生成された被験者位相画像とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に応じて、前記被験者のグループ候補として前記複数のグループのうちの何れかを選択するグループ選択手段と、を有する前記画像診断装置として動作させるためのコンピュータプログラム。
【請求項2】
前記複数の患者位相画像は、前記複数のグループの何れか一つ以上と関連づけられていて、
前記グループ選択手段は、前記被験者位相画像と類似する患者位相画像を特定し、この特定された患者位相画像と関連づけられているグループを前記グループ候補とする、請求項1記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記比較手段は、前記第1の画像変換手段により生成された複数の患者位相画像のそれぞれについて、前記第2の画像変換手段により生成された被験者位相画像との相関度を示す関数を算出する、請求項1または2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記比較手段は、前記相関度を示す関数としてPOC(Phase Only Correlation)関数を算出し、前記POC関数から類似度を評価する指標を算出し、
前記グループ選択手段は、前記比較手段によって算出された類似度を評価する指標に応じて前記被験者位相画像と類似する患者位相画像を特定する、請求項3記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記類似度を評価する指標はPSNR(Peak Signal−to−Noise Ratio)である、請求項4記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記複数の患者の医用画像及び前記被験者の医用画像は、いずれも18−FDG(フルオロデオキシグルコース)を投与した後に撮像したPET(Positoron Emission Tomography)画像である、請求項1〜5の何れか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記複数のグループは、肺ガンが転移したガン及び炎症を含む、請求項1〜6の何れか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記肺ガンが転移したガンには、
(1)第7結節へ転移したガン
(2)右半身へ偏って転移したガン
(3)左半身へ偏って転移したガン
が含まれる、請求項7記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
複数のグループのいずれかに係る複数の患者の医用画像をフーリエ変換して、複数の位相画像である複数の患者位相画像を生成する第1の画像変換手段と、
被験者の医用画像をフーリエ変換して、位相画像である被験者位相画像を生成する第2の画像変換手段と、
前記第1の画像変換手段により生成された複数の患者位相画像のそれぞれについて、前記第2の画像変換手段により生成された被験者位相画像との相関度を示す関数を算出する演算手段と、
前記演算手段により算出された関数に応じて、前記被験者のグループ候補として前記複数のグループのうちの何れかを選択するグループ選択手段と、を備える画像診断支援装置。
【請求項10】
画像診断支援装置が行う方法であって、
第1の画像変換手段が、複数のグループのいずれかに係る複数の患者の医用画像をフーリエ変換して、複数の位相画像である複数の患者位相画像を生成し、
第2の画像変換手段が、被験者の医用画像をフーリエ変換して、位相画像である被験者位相画像を生成し、
演算手段が、前記第1の画像変換手段により生成された複数の患者位相画像のそれぞれについて、前記第2の画像変換手段により生成された被験者位相画像との相関度を示す関数を算出し、
グループ選択手段が、前記演算手段により算出された関数に応じて、前記被験者のグループ候補として前記複数のグループのうちの何れかを選択する、方法。
【請求項11】
画像診断支援装置のためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
複数の患者の医用画像のそれぞれが、疾患及び/または病態別の複数のグループのいずれかに関連づけられており、前記複数の患者の医用画像をフーリエ変換して、複数の位相画像である複数の患者位相画像を生成する第1の画像変換手段と、
被験者の医用画像をフーリエ変換して、位相画像である被験者位相画像を生成する第2の画像変換手段と、
前記第1の画像変換手段により生成された複数の患者位相画像から前記複数のグループにそれぞれ対応する画像であるグループ別の代表画像を生成する手段と、
前記グループ別の代表画像と、前記第2の画像変換手段により生成された被験者位相画像とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に応じて、前記被験者のグループ候補として前記複数のグループのうちの何れかを選択するグループ選択手段と、を有する前記画像診断装置として動作させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像診断支援に関し、特に画像マッチングにより診断支援を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医用画像を用いた画像診断が日常的に行われている。これは、医師が画像を目視して画像の特徴から診断を下すものである。
【0003】
また、人の指紋あるいは虹彩などの生体画像のマッチングにより、個人認証(生体認証)を行う技術が知られている(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】宮澤一之著、位相限定相関法に基づく人体の画像計測とその応用に関する研究(博士論文、東北大学大学院情報科学研究科情報基礎科学専攻)、2010年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、目視による画像診断では、高度な読影スキルを必要とする場合が多い。従って、適切な診断ができるか否かは医師個人の知識や経験等に依存するという問題がある。
【0006】
例えば、肺ガン切除後の患者に18−FDG(フルオロデオキシグルコース、以下単にFDGという)を投与した後に撮像したPET(Positoron Emission Tomography)画像において、ガンが縦隔リンパ節等の別の部位へ転移した患者の画像と、サルコイドーシス等のガンではなく炎症を起こしている患者の画像とを目視で区別することは難しい。これ以外にも、画像を目視で識別することが難しい疾患は多数ある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、医用画像を用いた画像診断の支援を行うことである。
【0008】
本発明の別の目的は、画像で肺ガンからの転移と炎症とを識別するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一つの実施態様に従う画像診断支援装置のためのコンピュータプログラムは、前記画像診断支援装置に、複数のグループのいずれかに係る複数の患者のRI画像をフーリエ変換して、複数の位相画像である複数の患者位相画像を生成する第1の画像変換手段と、被験者のRI画像をフーリエ変換して、位相画像である被験者位相画像を生成する第2の画像変換手段と、前記第1の画像変換手段により生成された複数の患者位相画像のそれぞれと、前記第2の画像変換手段により生成された被験者位相画像とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果に応じて、前記被験者のグループ候補として前記複数のグループのうちの何れかを選択するグループ選択手段と、を構築する。
【0010】
好適な実施態様では、前記複数の患者位相画像は、前記複数のグループの何れか一つ以上と関連づけられていて、前記グループ選択手段は、前記被験者位相画像と類似する患者位相画像を特定し、この特定された患者位相画像と関連づけられているグループを前記グループ候補としてもよい。
【0011】
好適な実施態様では、前記比較手段は、前記第1の画像変換手段により生成された複数の患者位相画像のそれぞれについて、前記第2の画像変換手段により生成された被験者位相画像との相関度を示す関数を算出してもよい。
【0012】
好適な実施態様では、前記比較手段は、前記相関度を示す関数としてPOC(Phase Only Correlation)関数を算出し、前記POC関数から類似度を評価する指標を算出し、前記グループ選択手段は、前記比較手段によって算出された類似度を評価する指標に応じて前記被験者位相画像と類似する患者位相画像を特定してもよい。
【0013】
好適な実施態様では、前記類似度を評価する指標はPSNR(Peak Signal−to−Noise Ratio)であってもよい。
【0014】
好適な実施態様では、前記複数の患者のRI画像及び前記被験者のRI画像は、いずれも18−FDG(フルオロデオキシグルコース)を投与した後に撮像したPET(Positoron Emission Tomography)画像であってもよい。
【0015】
好適な実施態様では、前記複数のグループは、肺ガンが転移したガン及び炎症を含んでもよい。
【0016】
さらに好適な実施態様では、前記肺ガンが転移したガンには、(1)第7結節へ転移したガン、(2)右半身へ偏って転移したガン、(3)左半身へ偏って転移したガンが含まれていてもよい。
【0017】
本発明の一つの実施態様に従う画像診断支援装置のためのコンピュータプログラムは、前記画像診断支援装置に、複数のグループのいずれかに係る複数の患者のRI画像をフーリエ変換して、複数の位相画像である複数の患者位相画像を生成する第1の画像変換手段と、被験者のRI画像をフーリエ変換して、位相画像である被験者位相画像を生成する第2の画像変換手段と、前記第1の画像変換手段により生成された複数の患者位相画像から前記複数のグループにそれぞれ対応する画像であるグループ別の代表画像を生成する手段と、前記グループ別の代表画像と、前記第2の画像変換手段により生成された被験者位相画像とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果に応じて、前記被験者のグループ候補として前記複数のグループのうちの何れかを選択するグループ選択手段と、を構築する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る画像診断支援装置1の全体構成図である。
図2】被験者データ記憶部13及びグループ別データベース15への患者位相画像データ登録手順を示すフローチャートである。
図3】被験者の疾患候補を判定する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態に係る画像診断支援装置について、図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本実施形態に係る画像診断支援装置1の全体構成図である。画像診断支援装置1は、被験者の画像と複数種類の疾患にかかる患者の画像とを比較して、被験者がどの疾患である可能性が高いかを判定し、医師による診断を支援する情報を提供する。
【0021】
同図に示すように、画像診断支援装置1は、画像診断支援装置本体10と、入力装置3と、表示装置5とを備える。
【0022】
画像診断支援装置本体10は、例えば汎用的なコンピュータシステムにより構成され、以下に説明する画像診断支援装置本体10内の個々の構成要素または機能は、例えば、コンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0023】
画像診断支援装置本体10は、原画像データ記憶部11と、被験者データ記憶部13と、グループ別データベース15と、前処理部21と、フーリエ変換処理部22と、DB調整部23と、比較処理部24と、POC関数算出部25と、PSNR算出部27と、疾患判定部29とを有する。
【0024】
原画像データ記憶部11は、撮像装置7で撮像された被験者及び患者の画像(以下、原画像という)の画像データ(以下、原画像データという)を記憶する。原画像は、例えば、被験者及び患者の所定の臓器を撮像した画像である。本実施形態では、原画像として被験者の上半身、特に肺を含む領域を撮像した画像を用いるが、他の臓器を撮像した画像であってもよい。
【0025】
また、原画像は被験者及び患者の体内にRI(Radio Isotope)を投与して撮像したRI画像でよい。例えば、以下の説明ではFDGを投与した後に撮像したPET画像を原画像とする。RI画像は、これ以外にもSPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)画像でもよい。さらには、原画像はRI画像に限らず、CT(Computed Tomography)画像、MR(Magnetic Resonance)画像、あるいは超音波画像であってもよい。
【0026】
また、原画像データ記憶部11には、特定の疾患であると診断された患者の原画像データ及びまだ診断がついていない被験者の原画像データが保存される。本実施形態では、特定の疾患としては、肺ガンに起因して、肺以外の箇所へ転移したガンと、単なるサルコイドーシスなどの炎症を対象としてもよい。
【0027】
撮像装置7から取得した原画像データが原画像データ記憶部11に保存された後、その原画像データに係る疾患及び/または病態の種別を入力装置3から入力を受け付けるようにしてもよい。このとき、受け付けた疾患及び/または病態の種別を示す情報は、原画像データ記憶部11において原画像データと対応付けて登録するようにしてもよい。
【0028】
被験者データ記憶部13は、被験者に関する情報を記憶する。例えば、被験者データ記憶部13には、被験者のRI画像をフーリエ変換した位相画像(以下、被験者位相画像という)の画像データが保存される。被験者データ記憶部13には、さらに、POC(Phase Only Correlation)関数及びPSNR(Peak Signal−to−Noise Ratio)等が保存される。POC関数及びPSNRについては後述する。
【0029】
グループ別データベース15は、複数のグループに係る患者の情報を記憶する。例えば、グループ別データベース15には、複数のグループのいずれかに係る複数の患者のRI画像をフーリエ変換した複数の位相画像(以下、患者位相画像という)の画像データが保存される。各患者位相画像の画像データは、それぞれ、一つ以上の疾患及び/または病態と関連づけられている。つまり、グループ別データベース15は、疾患及び/または病態別のグループに分けて患者位相画像の画像データを記憶してもよい。ここで、疾患としては、例えば、ガン(肺ガンからの転移)及び炎症(サルコイドーシスなど)が対象となり得る。さらに、ガンについては、病態に応じてさらに詳細に分けてグループ別データベース15に登録してもよい。例えば、本実施形態では、グループ別データベース15に登録されるガン患者の位相画像の画像データは、(1)ガンの転移先が第7結節である態様、(2)ガンの転移先が右半身へ偏っている態様、及び(3)ガンの転移先が左半身へ偏っている態様のいずれかに区分されていてもよい。
【0030】
前処理部21は、所定の前処理を行う。前処理部21は、例えば、原画像に対して、マスキング、グレースケール処理、アラインメント、コントラスト強調、体格正規化などの一つ以上の処理を適用してもよい。マスキングは、例えば、入力装置3及び表示装置5を用いて、医師等が手動で行ってもよい。
【0031】
フーリエ変換処理部22は、DFT(離散フーリエ変換)のアルゴリズムに従って、2次元画像にフーリエ変換を適用する。例えば、フーリエ変換処理部22は、被験者のRI画像をフーリエ変換して、被験者位相画像を生成する。例えば、フーリエ変換処理部22は、複数のグループのいずれかに係る複数の患者のRI画像をフーリエ変換して、複数の患者位相画像を生成する。本実施形態では、フーリエ変換処理部22は、前処理部21によって所定の前処理が行われたRI画像にDFTをかけて、振幅画像と位相画像を生成する。
【0032】
フーリエ変換処理部22によって生成された被験者位相画像の画像データが被験者データ記憶部13に保存され、患者位相画像の画像データがグループ別データベース15に保存される。
【0033】
DB調整部23は、グループ別データベース15に登録されているデータの調整を行う。例えば、DB調整部23は、グループ別データベース15に登録されている複数の患者位相画像から、グループごとに、各グループを代表する位相画像を生成してもよい。例えば、DB調整部23は、同一疾患同一態様の患者の位相画像の画像データから、それらの位相画像を平均したような代表位相画像の画像データを合成してもよい。例えば、本実施形態では、(1)ガンの転移先が第7結節である態様、(2)ガンの転移先が右半身へ偏っている態様、及び(3)ガンの転移先が左半身へ偏っている態様のそれぞれの代表位相画像を合成してもよい。なお、DB調整部23は省略可能である。つまり、グループ別データベース15に登録されているデータの調整を行うか否かは任意である。
【0034】
比較処理部24は、複数の患者位相画像のそれぞれと被験者位相画像とを比較する。比較処理部24は、例えば、複数の患者位相画像のそれぞれと被験者位相画像との類似度合いを定量化して比較する。例えば、比較処理部24は、複数の患者位相画像のそれぞれと被験者位相画像との相関度を示す関数を算出し、その関数から類似度合いを示す指標を算出するようにしてもよい。
【0035】
本実施形態では、比較処理部24は、POC関数算出部25及びPSNR算出部27を備える。
【0036】
POC関数算出部25は、二つの画像の相関度を示す関数としてPOC(Phase Only Correlation)関数を算出する。例えば、POC関数算出部25は、公知のPOC関数の算出式に従って、グループ別データベース15に登録されているすべての患者の位相画像の画像データと、被験者位相画像の画像データとのPOC関数を算出する。算出されたPOC関数は、被験者データ記憶部13に被験者位相画像と対応付けて保存される。
【0037】
PSNR算出部27は、POC関数算出部25で算出されたPOC関数のPSNR(Peak Signal−to−Noise Ratio)を算出する。PSNR算出部27は、公知のPSNRの算出式に従ってPOC関数のPSNRを算出する。算出されたPSNRは、被験者データ記憶部13に被験者位相画像と対応付けて保存される。
【0038】
PSNRは、POC関数の算出に用いた二つの画像の類似度を示す指標である。すなわち、POC関数の性質から、PSNRが大きいほどそのPOC関数の算出に用いた二つの画像の類似度が高い。
【0039】
比較処理部24は、疾患別の代表位相画像と被験者位相画像とを比較してもよい。例えば、POC関数算出部25及びPSNR算出部27は、上述する手法と同じ手法で、代表位相画像と被験者位相画像とのPOC関数及びそのPSNRを算出してもよい。
【0040】
疾患判定部29は、比較処理部24での比較結果に応じて、被験者のグループ候補を特定する。例えば、疾患判定部29は、被験者のグループ候補として、グループ別データベース15に登録されているグループ種別のうちの何れかのグループを選択する。疾患判定部29は、例えば、被験者位相画像と類似する患者位相画像を特定し、この特定された患者位相画像と関連づけられているグループを被験者のグループ候補としてもよい。また、疾患判定部29は、例えば、この特定された患者位相画像と関連づけられている疾患及び/または病態を、被験者の疾患及び/または病態の候補としてもよい。
【0041】
疾患判定部29は、例えば、被験者データ記憶部13に登録されている被験者位相画像と患者位相画像とのすべてのPOC関数に対応するPSNRに応じて、被験者位相画像に最も類似する患者位相画像を特定してもよい。あるいは、疾患判定部29は、PSNRに応じて類似度が所定以上である一以上の患者位相画像を特定してもよい。このとき、疾患候補は複数でもよい。
【0042】
また、疾患判定部29は、例えば、代表位相画像と被験者位相画像とのPOC関数に対応するPSNRに応じて、疾患候補を特定してもよい。
【0043】
図2は、被験者データ記憶部13及びグループ別データベース15への患者位相画像データ登録手順を示すフローチャートである。
【0044】
画像診断支援装置1が撮像装置7から患者及び被験者を撮像した原画像について、原画像データを受け付けて原画像データ記憶部11に保存する(S21)。
【0045】
患者画像については、原画像データ記憶部11に保存された後、疾患及び/または病態の種別の登録を受け付けて、原画像データ記憶部11に登録する(S22)。
【0046】
前処理部21は、原画像データ記憶部11に保存された患者画像及び被験者画像の原画像データを読み出して、それぞれの画像に対して所定の前処理を行う(S23)。
【0047】
フーリエ変換処理部22は、前処理が施された各画像の画像データに対してDFT処理を適用して、振幅画像及び位相画像を生成する(S25)。
【0048】
そして、フーリエ変換処理部22は、DFT処理で生成された患者位相画像の画像データと疾患及び/または病態の種別を示す情報とを対応付けてグループ別データベース15に登録する(S27)。
【0049】
それとともに、フーリエ変換処理部22は、DFT処理で生成された被験者位相画像の画像データを被験者データ記憶部13に登録する(S29)。
【0050】
図3は、被験者の疾患候補を判定する処理手順を示すフローチャートである。
【0051】
POC関数算出部25が、患者位相画像と被験者位相画像とのPOC関数を算出する(S41)。つまり、POC関数算出部25が、被験者データ記憶部13から被験者位相画像の画像データを取得し、グループ別データベース15から一つの患者位相画像の画像データを取得する。そして、それらの画像データからPOC関数を算出する。算出されたPOC関数は被験者データ記憶部13に保存される。
【0052】
PSNR算出部27は、ステップS41で算出されたPOC関数のPSNRを算出する(S43)。算出されたPSNRは被験者データ記憶部13に保存される。
【0053】
ステップS41及びS43の処理を、グループ別データベース15に登録されているすべての患者位相画像の画像データと被験者画像データについて行う(S45)。
【0054】
疾患判定部29は、被験者データ記憶部13に保存されている、すべての患者位相画像に対するPSNRに基づいて、被験者の疾患及び/または病態の候補を判定する(S47)。すなわち、疾患判定部29は、被験者データ記憶部13に保存されているPSNRを読み出し、被験者位相画像と最も類似する患者位相画像を特定する。さらに、疾患判定部29は、グループ別データベース15を参照して、その被験者位像画像に対応付けられている疾患及び/または病態を特定する。
【0055】
これにより、被験者画像と類似する患者画像を特定し、被験者の疾患及び/または病態の候補を特定できる。
【0056】
上述した本発明の実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
【0057】
例えば、比較処理部24は、POC関数及びPSNRを用いる手法以外の手法で画像の比較を行ってもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 画像診断支援装置
10 画像診断支援装置本体
11 原画像データ記憶部
13 被験者データ記憶部
15 グループ別データベース
21 前処理部
22 フーリエ変換処理部
23 DB調整部
24 比較処理部
25 POC関数算出部
27 PSNR算出部
29 疾患判定部
図1
図2
図3