【実施例】
【0103】
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0104】
[実施例1]
(1)負極
負極として、金属チタンを鏡面処理したチタン材料を、アセトンにて15分間超音波洗浄した。次いでエタノールで15分間超音波洗浄した後、乾燥させた。次いでUVオゾンクリーナーUV253S(フィルジェン製)内で酸素フロー(0.05MPa、5分間)を実施した。次いで紫外線照射を30分間実施し、次いで窒素フロー(0.2MPa、7.5分間)を実施した。
【0105】
(2)正孔ブロック層の作製
グローブボックス(美和製作所製)内で調製したチタンテトラプロポキシド(和光純薬工業製)10μLをエタノール(和光純薬工業製)1mLに溶解させた。次いでこの溶液を、スピンコータ(ミカサ製、MS-A100)を用いて、チタン材料上に正孔ブロック層をコーティングした。
【0106】
スピンコーティング条件は、チタンテトラプロポキシドエタノール溶液50μLをチタン材料に滴下した後、スピンコータを用いて1,000rpmにて40秒間コーティングした。次いで、125℃、1分間乾燥する操作を5回実施した。次いで500℃で20分間加熱処理し、正孔ブロック層を作製させた。
【0107】
(3)メソポーラス金属酸化物層の作製
酸化チタンペースト(Dyesol 18NR-T)をエタノールに2:7の重量比にて分散させた。次いでこの溶液50μLを、上記正孔ブロック層を形成させたチタン材料上に滴下し、スピンコータを用いて3,000rpmにて40秒間コーティングさせた。次いで500℃で15分間加熱処理し、メソポーラス金属酸化物層を作製した。
【0108】
(4)ペロブスカイト層の作製
400 mgのヨウ化鉛PbI
2(アルドリッチ製)を1mLのジメチルホルムアミド(DMF 和光純薬工業製)に溶解させた。次いでこの溶液を、上記したメソポーラス金属酸化物層を形成させたチタン材料上全体に行き亘るように滴下させた。次いでスピンコータを用いて3,000rpmにて40秒間コーティングさせた。次いで70℃にて30分間乾燥させた。
【0109】
次いでヨウ化水素(30mL、0.227mol、57wt%水溶液、アルドリッチ製)とメチルアミン(27.8mL、0.273mol、40%メタノール溶液、東京化成製)を、0℃、2時間撹拌した。次いで溶媒を蒸発させた後、生成物をエタノールに溶解させた。次いでジエチルエーテルから、再結晶により、ヨウ化メチルアミンを得た。
【0110】
上記処理にて得られた10mgのヨウ化メチルアミンCH
3NH
3Iを1mLの2-プロパノール(和光純薬工業製)に溶解させた。次いでこの溶液150μLを滴下させた後、30秒間放置後スピンコータを用いて3,000rpmにて40秒間コーティングさせた。その後、70℃にて30分間乾燥させ、ペロブスカイト層を作製した。
【0111】
(5)正孔輸送層の作製
2,2',7,7'-テトラキス(N,N-ジ-p-メトキシフェニルアミノ)-9,9'-スピロビフルオレン(spiro-OMeTAD、メルク製)クロロベンゼン溶液(80mg/mL)を調整した。添加剤としてリチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(Li-TFSI、東京化成工業製)アセトニトリル(アルドリッチ製)溶液( 520mg/mL) 17.5μLとtert-ブチルピリジン(アルドリッチ製)28.8μLを加えた。
【0112】
Spiro-OMeTADクロロロベンゼン溶液を上記したペロブスカイト層を形成させたチタン材料上全体に行き亘るように滴下させた後、スピンコータを用いて3,000rpmにて40秒間コーティングさせた。その後、酸素存在下12時間放置した。
【0113】
(6)正極の作製
上記した正孔輸送層を形成させたチタン材料上に、蒸着装置(美和製作所製、MSVDE-YSS)を用いて金を25nm蒸着させ、ペロブスカイト型太陽電池を作製した。
【0114】
(7)評価結果
上記の手順にて作製したペロブスカイト型太陽電池を、光電変換効率について調べた結果を、表1に示した。
【0115】
【表1】
【0116】
[実施例2]
(1)負極
負極として、金属チタンを鏡面処理したチタン材料を、アセトンにて15分間超音波洗浄した。次いでエタノールで15分間超音波洗浄した後、乾燥させた。次いでUVオゾンクリーナーUV253S(フィルジェン製)内で酸素フロー(0.05MPa、5分間)を実施した。次いで紫外線照射を30分間実施し、次いで窒素フロー(0.2MPa、7.5分間)を実施した。
【0117】
(2)正孔ブロック層の作製
上記のチタン材料を500℃で20分間加熱処理(大気酸化処理)し、正孔ブロック層を作製させた。
【0118】
(3)メソポーラス金属酸化物層の作製
酸化チタンペースト(Dyesol 18NR-T)をエタノールに2:7の重量比にて分散させた。次いでこの溶液50μLを、上記正孔ブロック層を形成させたチタン材料上に滴下し、スピンコータを用いて3,000rpmにて40秒間コーティングする操作を実施した。次に500℃にて20分間加熱処理し、メソポーラス金属酸化物層を作製した。
【0119】
(4)ペロブスカイト層の作製
400mgのPbI
2を1 mLのジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させた。この溶液を、上記したメソポーラス金属酸化物層を形成させたチタン材料上全体に行き亘るように滴下させた後、スピンコータを用いて3,000rpmにて40秒間コーティングさせた後、70℃にて30分間乾燥させた。
【0120】
次にヨウ化水素(30mL、0.227mol、57wt%水溶液、アルドリッチ製)とメチルアミン(27.8mL、0.273mol、40%メタノール溶液、東京化成製)を、0℃2時間撹拌した。次いで溶媒を蒸発させた後、生成物をエタノールに溶解させた。次いでジエチルエーテルから、再結晶により、ヨウ化メチルアミンを得た。
【0121】
上記処理にて得られた10mgのCH
3NH
3Iを1mLの2-プロパノールに溶解させた。次いでこの溶液300μLを滴下させた後、30秒間放置後スピンコータを用いて3,000 rpmにて40秒間コーティングさせた。その後、70℃にて30分間乾燥させ、ペロブスカイト層を作製した。
【0122】
(5)正孔輸送層の作製
2,2',7,7'-テトラキス(N,N-ジ-p-メトキシフェニルアミノ)-9,9'-スピロビフルオレン(spiro-OMeTAD、メルク製)クロロベンゼン溶液(80mg/mL)を調整した。添加剤としてリチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(Li-TFSI、東京化成工業製)アセトニトリル(アルドリッチ製)溶液( 520mg/mL) 17.5μLとtert-ブチルピリジン(アルドリッチ製)28.8μLを加えた。
【0123】
Spiro-OMeTADクロロロベンゼン溶液を上記したペロブスカイト層を形成させたチタン材料上全体に行き亘るように滴下させた後、スピンコータを用いて3,000rpmにて40秒間コーティングさせた。
【0124】
その後蒸着装置を用いて酸化モリブデン(和光純薬工業製)を正孔輸送効率の向上を図るため、またペロブスカイト層の劣化を防ぐために、10nm蒸着させ(ドープ)、正孔輸送層を作製した。
【0125】
(6)正極の作製
上記した正孔輸送層を形成させたチタン材料上に蒸着装置を用いて銀を10nm蒸着させた。次いで反射防止膜として酸化モリブデンを20nm蒸着させてペロブスカイト型太陽電池を作製した。
【0126】
(7)評価結果
上記の手順にて作製したペロブスカイト型太陽電池を、光電変換効率について調べた結果を、表2に示した。
【0127】
【表2】
【0128】
実施例1と比較して、実施例2は、正孔ブロック層は鏡面処理した金属チタンを500℃で20分間加熱処理するという簡易的な手法にて作製した。
【0129】
それにも係らず、実施例1の2倍以上の光電変換効率が得られた。正孔輸送層に酸化モリブデンを蒸着したことや対極として金を銀に変化させたこと、蒸着の膜厚を変化させたこと、反射防止膜として酸化モリブデンを蒸着したこと等による光電変換効率による向上が認められた。
【0130】
[実施例3]
(1)負極
負極として、金属チタンを鏡面処理したチタン材料を、アセトンにて15分間超音波洗浄した。次いでエタノールで15分間超音波洗浄した後、乾燥させた。次いでUVオゾンクリーナーUV253S(フィルジェン(株)製)内で酸素フロー(0.05MPa、5分間)を実施した。次いで紫外線照射を30分間実施し、次いで窒素フロー(0.2MPa、7.5分間)を実施した。
【0131】
(2)正孔ブロック層の作製
上記のチタン材料を500℃にて20分間加熱処理(大気酸化)し、正孔ブロック層を作製させた。
【0132】
(3)メソポーラス金属酸化物層の作製
Al
2O
3 2-プロパノール分散液(アルドリッチ製)を2-プロパノールに1:2の体積比で分散させた。次いでこの溶液50μLを、上記正孔ブロック層を形成させたチタン材料上に滴下し、スピンコータを用いて3,000 rpmにて40秒間コーティングした。次に100℃にて10分間加熱処理し、金属酸化物層を作製した。
【0133】
(4)ペロブスカイト層の作製
ヨウ化水素(30mL、0.227mol、57wt%水溶液、アルドリッチ製)とメチルアミン(27.8mL、0.273mol、40%メタノール溶液、東京化成製)を、0℃2時間撹拌した。溶媒を蒸発させた後、生成物をエタノールに溶解させた。その後、ジエチルエーテルから、再結晶により、ヨウ化メチルアミンを得た。次にPbCl
2(アルドリッチ製)(245mg)と上記処理にて得られたCH
3NH
3I (420mg)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液を調整した。
【0134】
この溶液を、上記した金属酸化物層を形成させたチタン材料上全体に行き亘るように滴下させた後、スピンコータを用いて3,000rpmにて80秒間コーティングさせた。その後、80℃にて30分間乾燥させた。次に、100℃90分間加熱処理し、ペロブスカイト層を作製した。
【0135】
(5)正孔輸送層の作製
2,2',7,7'-テトラキス(N,N-ジ-p-メトキシフェニルアミノ)-9,9'-スピロビフルオレン(spiro-OMeTAD、メルク製)クロロベンゼン溶液(80mg/mL)を調整した。添加剤としてリチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(Li-TFSI、東京化成工業製)アセトニトリル(アルドリッチ製)溶液( 520mg/mL) 17.5μLとtert-ブチルピリジン(アルドリッチ製)28.8μLを加えた。
【0136】
Spiro-OMeTADクロロロベンゼン溶液を上記したペロブスカイト層を形成させたチタン材料上全体に行き亘るように滴下させた後、スピンコータを用いて3,000rpmにて40秒間コーティングさせた。
【0137】
その後蒸着装置を用いて、酸化モリブデン(和光純薬工業製)を正孔輸送効率の向上を図るため、ペロブスカイト層の劣化を防ぐために10nm蒸着させ、正孔輸送層を作製した。
【0138】
(6)正極の作製
上記した正孔輸送層を形成させたチタン材料上に、蒸着装置を用いて銀を10nm蒸着させた。次いで反射防止膜として酸化モリブデンを20nm蒸着させてペロブスカイト型太陽電池を作製した。
【0139】
(7)評価結果
上記の手順にて作製したペロブスカイト型太陽電池を、光電変換効率について調べた結果を、表3に示した。
【0140】
【表3】
【0141】
[実施例4]
(1)負極
負極として、金属チタンを鏡面処理したチタン材料を、アセトンにて15分間超音波洗浄した。更に、エタノールで15分間超音波洗浄した後、乾燥させた。次いでUVオゾンクリーナーUV253S(フィルジェン製)内で、酸素フロー(0.05MPa、5分間)を実施した。次いで紫外線照射を30分間実施し、次いで窒素フロー(0.2MPa、7.5分間)を実施した。
【0142】
(2)正孔ブロック層の作製
上記のチタン材料を500℃にて20分間加熱処理(大気酸化)し、正孔ブロック層を作製させた。
【0143】
(3)ペロブスカイト層の作製
ヨウ化水素(30mL、0.227mol、57wt%水溶液、アルドリッチ製)とメチルアミン(27.8mL、0.273mol、40%メタノール溶液、東京化成製)を、0℃2時間撹拌した。溶媒を蒸発させた後、生成物をエタノールに溶解させた。その後、ジエチルエーテルから、再結晶により、ヨウ化メチルアミンを得た。245mgのPbCl
2(アルドリッチ製)420mgと上記処理にて得られたCH
3NH
3I 420mgを1mLのジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させた。
【0144】
この溶液を、上記した金属酸化物層を形成させたチタン材料上全体に行き亘るように滴下させた後、スピンコータを用いて3,000rpmにて80秒間コーティングさせた後、80℃にて30分間乾燥させた。次いで100℃90分間加熱処理し、ペロブスカイト層を作製した。
【0145】
(4)正孔輸送層の作製
2,2',7,7'-テトラキス(N,N-ジ-p-メトキシフェニルアミノ)-9,9'-スピロビフルオレン(spiro-OMeTAD、メルク製)クロロベンゼン溶液(80mg/mL)を調整した。添加剤としてリチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(Li-TFSI、東京化成工業製)アセトニトリル(アルドリッチ製)溶液( 520mg/mL) 17.5μLとtert-ブチルピリジン(アルドリッチ製)28.8μLを加えた。
【0146】
Spiro-OMeTADクロロロベンゼン溶液を上記したペロブスカイト層を形成させたチタン材料上全体に行き亘るように滴下させた後、スピンコータを用いて3,000rpmにて40秒間コーティングさせた。
【0147】
その後、蒸着装置を用いて酸化モリブデン(和光純薬工業製)を正孔輸送効率の向上を図るため、ペロブスカイト層の劣化を防ぐために10nm蒸着させ、正孔輸送層を作製した。
【0148】
(5)正極の作製
上記した正孔輸送層を形成させたチタン材料上に、蒸着装置を用いて銀を10nm蒸着させた。次いで反射防止膜として酸化モリブデンを20 nm蒸着させてペロブスカイト型太陽電池を作製した。
【0149】
(6)評価結果
上記の手順にて作製したペロブスカイト型太陽電池を、光電変換効率について調べた結果を、表4に示した。実施例4はメソポーラス層を含まない。
【0150】
【表4】
【0151】
[実施例5]
(1)負極
負極として、金属チタンを鏡面処理したチタン材料を、アセトンにて15分間超音波洗浄した。更に、エタノールで15分間超音波洗浄した後、乾燥させた。次いでUVオゾンクリーナーUV253S(フィルジェン製)内で、酸素フロー(0.05MPa、5分間)を実施した。次いで紫外線照射を30分間実施し、次いで窒素フロー(0.2MPa、7.5分間)を実施した。
【0152】
(2)正孔ブロック層の作製
上記のチタン材料を700℃にて20分間加熱処理し(大気酸化)、正孔ブロック層を作製させた。
【0153】
(3)ペロブスカイト層の作製
ヨウ化水素(30mL、0.227mol、57wt%水溶液、アルドリッチ製)とメチルアミン(27.8mL、0.273mol、40%メタノール溶液、東京化成製)を、0℃2時間撹拌した。次いで溶媒を蒸発させた後、生成物をエタノールに溶解させた。次に、ジエチルエーテルから、再結晶により、ヨウ化メチルアミンを得た。PbCl
2(アルドリッチ製)(245mg)と上記処理にて得られたCH
3NH
3I (420mg)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液を調整した。
【0154】
この溶液を、上記した金属酸化物層を形成させたチタン材料上全体に行き亘るように滴下させた後、スピンコータを用いて2,000 rpmにて80秒間コーティングさせた。その後、80℃にて30分間乾燥させた。次に、100℃90分間加熱処理し、ペロブスカイト層を作製した。
【0155】
(4)正孔輸送層の作製
80mgのspiro-OMeTADを1mLのクロルベンゼンに溶解させた。520mgのLi-TFSIを1mLのアセトニトリルに溶解させた溶液17.5μLと、tert-ブチルピリジン28.8μLを加えた。次いでこの溶液を上記したペロブスカイト層を形成させたチタン材料上全体に行き亘るように滴下させた後、スピンコータを用いて3,000 rpmにて40秒間コーティングさせた。
【0156】
その後蒸着装置を用いて酸化モリブデン(和光純薬工業製)を正孔輸送効率の向上を図るため、ペロブスカイト層の劣化を防ぐために10nm蒸着させ、正孔輸送層を作製した。
【0157】
(5)正極の作製
上記した正孔輸送層を形成させたチタン材料上に蒸着装置を用いて銀を10nm蒸着させた。その後、反射防止膜として酸化モリブデンを20nm蒸着させてペロブスカイト型太陽電池を作製した。
【0158】
(6)評価結果
上記の手順にて作製したペロブスカイト型太陽電池を、光電変換効率について調べた結果を、表5に示した。実施例5はメソポーラス層を含まない。
【0159】
【表5】
【0160】
[実施例6]
(1)負極
負極として、金属チタンを鏡面処理したチタン材料を、アセトンにて15分間超音波洗浄した。更に、エタノールで15分間超音波洗浄した後、乾燥させた。次いでUVオゾンクリーナーUV253S(フィルジェン製)内で酸素フロー(0.05MPa、5分間)を実施した。次いで紫外線照射を30分間実施し、次いで窒素フロー(0.2MPa、7.5分間)を実施した。
【0161】
(2)正孔ブロック層の作製
上記のチタン材料を300℃で20分間加熱処理(大気酸化)し、正孔ブロック層を作製した。
【0162】
(3)ペロブスカイト層の作製
ヨウ化水素(30mL、0.227mol、57wt%水溶液、アルドリッチ製)とメチルアミン(27.8mL、0.273mol、40%メタノール溶液、東京化成製)を、0℃2時間撹拌した。次いで溶媒を蒸発させた後、生成物をエタノールに溶解させた。その後、ジエチルエーテルから、再結晶により、ヨウ化メチルアミンを得た。次にPbCl
2(アルドリッチ製)(245mg)と上記処理にて得られたCH
3NH
3I (420mg)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液を調整した。
【0163】
この溶液を、上記した金属酸化物層を形成させたチタン材料上全体に行き亘るように滴下させた後、スピンコータを用いて2,000 rpmにて80秒間コーティングさせた。その後、80℃にて30分間乾燥させた。次に、100℃90分間加熱処理し、ペロブスカイト層を作製した。
【0164】
(4)正孔輸送層の作製
2,2',7,7'-テトラキス(N,N-ジ-p-メトキシフェニルアミノ)-9,9'-スピロビフルオレン(spiro-OMeTAD、メルク製)クロロベンゼン溶液(80mg/mL)を調整した。添加剤としてリチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(Li-TFSI、東京化成工業製)アセトニトリル(アルドリッチ製)溶液( 520mg/mL) 17.5μLとtert-ブチルピリジン(アルドリッチ製)28.8μLを加えた。
【0165】
この溶液を上記したペロブスカイト層を形成させたチタン材料上全体に行き亘るように滴下させた後、スピンコータを用いて3,000rpmにて40秒間コーティングさせた。
【0166】
その後蒸着装置を用いて、酸化モリブデン(和光純薬工業製)を正孔輸送効率の向上を図るため、ペロブスカイト層の劣化を防ぐために10nm蒸着させ、正孔輸送層を作製した。
【0167】
(5)正極の作製
上記した正孔輸送層を形成させたチタン材料上に、蒸着装置を用いて銀を10nm蒸着させた。その後、反射防止膜として酸化モリブデンを20nm蒸着させてペロブスカイト型太陽電池を作製した。
【0168】
(6)評価結果
上記の手順にて作製したペロブスカイト型太陽電池を、光電変換効率について調べた結果を、表6に示した。実施例6はメソポーラス層を含まない。
【0169】
【表6】
【0170】
[実施例7]
(1)負極
負極として、金属チタンを鏡面処理したチタン材料を、アセトンにて15分間超音波洗浄した。更に、エタノールで15分間超音波洗浄した後、乾燥させた。次いでUVオゾンクリーナーUV253S(フィルジェン製)内で酸素フロー(0.05MPa、5分間)を実施し、次いで紫外線照射を30分間実施し、次いで窒素フロー(0.2MPa、7.5分間)を実施した。
【0171】
(2)正孔ブロック層の作製
上記チタン材料を1重量%リン酸中で、10V、30V、50V、100V又は150Vで夫々10分間陽極酸化を行い、チタン材料表面に酸化チタン層を形成させた。次いで基板を0.04M TiCl
4水溶液に洗浄し、80℃で30分間放置し、その後、純水及びエタノールで洗浄した。
【0172】
(3)メソポーラス金属酸化物層の作製
酸化チタンペースト(Dyesol 18NR-T)をエタノールに2:7の重量比にて分散させた溶液50μLを、上記正孔ブロック層を形成させたチタン材料上に滴下し、スピンコータを用いて3,000rpmにて40秒間コーティングする操作を実施した。次に500℃にて20分間加熱処理し、メソポーラス金属酸化物層を作製した。
【0173】
(4)ペロブスカイト層の作製
ヨウ化水素(30mL、0.227mol、57wt%水溶液、アルドリッチ製)とメチルアミン(27.8mL、0.273mol、40%メタノール溶液、東京化成製)を、0℃2時間撹拌した。次いで溶媒を蒸発させた後、生成物をエタノールに溶解させた。次いでジエチルエーテルから、再結晶により、ヨウ化メチルアミンを得た。PbCl
2(アルドリッチ製)(245mg)と上記処理にて得られたCH
3NH
3I (420mg)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液を調整した。
【0174】
この溶液を、上記した金属酸化物層を形成させたチタン材料上全体に行き亘るように滴下させた後、スピンコータを用いて2,000 rpmにて80秒間コーティングさせた。その後、80℃にて30分間乾燥させた。次に、100℃90分間加熱処理し、ペロブスカイト層を作製した。
【0175】
(5)正孔輸送層の作製
2,2',7,7'-テトラキス(N,N-ジ-p-メトキシフェニルアミノ)-9,9'-スピロビフルオレン(spiro-OMeTAD、メルク製)クロロベンゼン溶液(80mg/mL)を調整した。添加剤としてリチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(Li-TFSI、東京化成工業製)アセトニトリル(アルドリッチ製)溶液( 520mg/mL) 17.5μLとtert-ブチルピリジン(アルドリッチ製)28.8μLを加えた。
【0176】
Spiro-OMeTADクロロロベンゼン溶液を上記したペロブスカイト層を形成させたチタン材料上全体に行き亘るように滴下させた後、スピンコータを用いて3,000rpmにて40秒間コーティングさせた。
【0177】
その後蒸着装置を用いて酸化モリブデン(和光純薬工業製)を正孔輸送効率の向上を図るため、ペロブスカイト層の劣化を防ぐために10nm蒸着させ、正孔輸送層を作製した。
【0178】
(6)正極の作製
上記した正孔輸送層を形成させたチタン材料上に、蒸着装置を用いて銀を10nm蒸着させた。その後、反射防止膜として酸化モリブデンを20nm蒸着させてペロブスカイト型太陽電池を作製した。
【0179】
(7)評価結果
上記の手順にて作製したペロブスカイト型太陽電池を、光電変換効率について調べた結果を、表7に示した。
【0180】
【表7】
【0181】
[実施例8]
(1)負極
負極として、金属チタンを鏡面処理したチタン材料を、アセトンにて15分間超音波洗浄した。更に、エタノールで15分間超音波洗浄した後、乾燥させた。次いでUVオゾンクリーナーUV253S(フィルジェン製)内で酸素フロー(0.05MPa、5分間)を実施した。次いで紫外線照射を30分間実施し、次いで窒素フロー(0.2MPa、7.5分間)を実施した。
【0182】
(2)正孔ブロック層の作製
上記チタン材料を1重量%リン酸中で、10V又は30Vで夫々10分間陽極酸化を行い、チタン材料表面に酸化チタン層を形成させた。
【0183】
(3)メソポーラス金属酸化物層の作製
酸化チタンペースト(Dyesol 18NR-T)をエタノールに2:7の重量比にて分散させた。この溶液50μLを、上記正孔ブロック層を形成させたチタン材料上に滴下し、スピンコータを用いて3,000rpmにて40秒間コーティングする操作を実施した。
【0184】
次に500℃にて20分間加熱処理し、メソポーラス金属酸化物層を作製した。次に、0.04M TiCl
4水溶液に洗浄した基板を、80℃で30分間放置し、その後、純水、エタノールで洗浄した。
【0185】
(4)ペロブスカイト層の作製
ヨウ化水素(30mL、0.227mol、57wt%水溶液、アルドリッチ製)とメチルアミン(27.8mL、0.273mol、40%メタノール溶液、東京化成製)を、0℃2時間撹拌した。次いで溶媒を蒸発させた後、生成物をエタノールに溶解させた。次いでジエチルエーテルから、再結晶により、ヨウ化メチルアミンを得た。次にPbCl
2(アルドリッチ製)(245mg)と上記処理にて得られたCH
3NH
3I (420mg)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液を調整した。
【0186】
この溶液を、上記した金属酸化物層を形成させたチタン材料上全体に行き亘るように滴下させた後、スピンコータを用いて2,000 rpmにて80秒間コーティングさせた。その後、80℃にて30分間乾燥させた。次に、100℃90分間加熱処理し、ペロブスカイト層を作製した。
【0187】
(5)正孔輸送層の作製
2,2',7,7'-テトラキス(N,N-ジ-p-メトキシフェニルアミノ)-9,9'-スピロビフルオレン(spiro-OMeTAD、メルク製)クロロベンゼン溶液(80mg/mL)を調整した。添加剤としてリチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(Li-TFSI、東京化成工業製)アセトニトリル(アルドリッチ製)溶液( 520mg/mL) 17.5μLとtert-ブチルピリジン(アルドリッチ製)28.8μLを加えた。
【0188】
Spiro-OMeTADクロロロベンゼン溶液を上記したペロブスカイト層を形成させたチタン材料上全体に行き亘るように滴下させた後、スピンコータを用いて3,000rpmにて40秒間コーティングさせた。
【0189】
その後蒸着装置を用いて、酸化モリブデン(和光純薬工業製)を正孔輸送効率の向上を図るためやペロブスカイト層の劣化を防ぐために10nm蒸着させ、正孔輸送層を作製した。
【0190】
(6)正極の作製
上記した正孔輸送層を形成させたチタン材料上に蒸着装置を用いて銀を10nm蒸着させた。その後、反射防止膜として酸化モリブデンを20nm蒸着させてペロブスカイト型太陽電池を作製した。
【0191】
(7)評価結果
上記の手順にて作製したペロブスカイト型太陽電池を、光電変換効率について調べた結果を、表8に示した。
【0192】
【表8】