(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2半導体型半導体部のドーピング濃度は、前記第1部分で前記第2部分に進行すればするほど、線形または非線形の形で連続的に減少する、請求項1に記載の太陽電池。
第1導電型の不純物が含有される結晶質シリコン材質の半導体基板の後面上にトンネル層を形成し、前記トンネル層の上に真性非晶質シリコン層を形成し、前記真性非晶質シリコン層の上に前記第1導電型と反対の第2導電型の不純物が含有された誘電体材質のドーパント層を形成し、前記ドーパント層の上に前記第2導電型の不純物が含有されない誘電体材質のキャッピング層を形成する成膜段階と、
前記成膜段階の後、温度が維持されるか上昇する一回の連続した熱処理工程で前記半導体基板の前面に前面電界部を形成し、前記半導体基板の後面にエミッタ部を形成する熱処理段階と、
前記熱処理段階の後、前記半導体基板の前面に接続される第1電極を形成し、前記エミッタ部に接続される第2電極を形成する電極形成段階とを含み、
前記熱処理の段階で、前記のエミッタ部を形成する工程は、
前記真性非晶質シリコン層に含有された水素を除去する脱水素工程と、
前記真性非晶質シリコン層を真性多結晶シリコン材質層に再結晶化させる再結晶化工程と、
前記ドーパント層に含有された前記第2導電型の不純物を前記再結晶化される真性多結晶シリコン材質に拡散及び活性化させるエミッタ部活性化工程とを含み、
前記脱水素化工程、前記再結晶化工程及び、前記エミッタ部活性化工程は、温度が維持されるか上昇する一回の連続した熱処理工程によって実行される、太陽電池の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下では、添付した図面を参考にして本発明の実施の形態について本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は、さまざまな形で実現することができ、ここで説明する実施の形態に限定されない。そして図面で本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて類似の部分には同様の符号を付与した。
【0033】
図で多くの層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。層、膜、領域、基板などの部分が他の部分の「上に」あると言う時、これは他の部分の「真上に」ある場合だけではなくその中間に他の部分がある場合も含む。反対に何れの部分が他の部分の「真上に」あると言う時には中間に他の部分がないことを意味する。また何れの部分が他の部分上に「全体的」に形成されていると言う時には他の部分の全体面に形成されていることだけではなく端の一部には形成されないことを意味する。
【0034】
さらに、以下において、前面とは、直射光が入射される半導体基板の一面であり得、後面とは、直射光が入射されないか、直射光ではなく、反射光が入射することができる半導体基板の反対面で有り得る。
【0035】
以下では、添付した図面を参考にして、本発明に係る太陽電池及びその製造方法について説明する。
【0036】
図1及び
図2は、本発明の一例に係る太陽電池を説明するための図であり、具体的には、
図1は、本発明の一例に係る太陽電池の一部斜視図であり、
図2は、
図1に示された太陽電池でII−IIラインに沿った断面を切断して示したものである。
【0037】
図1及び
図2に示すように、本発明の一例に係る太陽電池は、半導体基板110、トンネル層160、エミッタ部120、ドーパント層180、水素注入層190、前面電界部170、パッシベーション膜131、反射防止膜133、第1電極140と第2電極150を含むことができる。
【0038】
ここで、反射防止膜133とパッシベーション膜131、水素注入層190は、省略することができるが、備えた場合、太陽電池の効率がさらに向上することがあるので、ご備えた場合を一例として説明する。
【0039】
半導体基板110は、第1導電型の不純物が含有された結晶質シリコンの材質で有り得る。一例として、半導体基板110は、単結晶のウェハー、あるいは多結晶のウェハーが用いられる。
【0040】
ここで、第1導電型の不純物は、p型導電型を有するホウ素(B)、ガリウム、インジウムなどのような3価元素または n型の導電型を有するリン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)などのように5価元素で有り得、このような第1導電型の不純物が半導体基板110内にドーピング(doping)することができる。以下では、第1導電型がn型である場合を例に説明する。
【0041】
さらに、半導体基板110の前面は、入射される光の光反射度を最小化するために、テクスチャリングリング(texturing)されて凹凸面であるテクスチャリング表面(textured surface)を有することができる。
【0042】
このような半導体基板110は、内部に光が入射されると、電子正孔対を生成することができる。
【0043】
トンネル層160は、半導体基板110の一面上、一例として、後面に全体的に位置し、半導体基板110で生成されたキャリアを通過させ、半導体基板110の後面のパッシベーション機能を実行することができる。
【0044】
このようなトンネル層160は、誘電体材質で形成することができ、さらに具体的には、600℃以上の高温工程にも耐久性が強いSiCxまたはSiOxで形成される誘電体材質で形成することができる。しかし、この他にも窒化シリコン膜(SiNx)、水素化された窒化シリコン膜(SiNx)、酸化アルミニウム膜(AlOx)、酸化窒化シリコン膜(SiON)または水素化された酸化窒化シリコン膜(SiON)で形成されることも可能である。
【0045】
もし、これとは異なるようにトンネル層160に非晶質シリコン(a−Si)が含まれている材質を用いる場合には、非晶質シリコン(a−Si)が600℃以上の高温工程に脆弱で所望するトンネルリング効果を期待することが難しい。
【0046】
このように、トンネル層160の厚さは、0.5nm〜2.5nmの間に形成することができる。
【0047】
エミッタ部120は、トンネル層160の上に直接接触し、トンネル層160の後面全体領域の上に位置することができる。
【0048】
さらに、エミッタ部120は、多結晶シリコンの材質層に第1導電型と反対である第2導電型の不純物が含有されて形成されることがあり、一例として、エミッタ部120は、第2導電型の不純物が含有された多結晶質シリコン材質で形成することができる。
【0049】
このようなエミッタ部120は、第2導電型の不純物が含有されるため、一例で、p型導電型を有するホウ素(B)、ガリウム、インジウムなどのような3価元素がドーピングされることができる。
【0050】
これにより、エミッタ部120は、トンネル層160を間に置いて、半導体基板110とp−n接合を形成することができる。しかし、これとは逆に、半導体基板110の第1導電型の不純物がp型である場合、エミッタ部120は、n型で有り得る。
【0051】
併せて、このようなエミッタ部120の多結晶シリコンの材質層は、非晶質シリコン材質の層が再結晶化されたもので有り得る。
【0052】
したがって、エミッタ部120内で多結晶質シリコン材質の結晶化度は全体的にほぼ同じことができますが、場合によっては、トンネル層160から離れるほど増加することができる。
【0053】
すなわち、エミッタ部120内で、第2電極150と接続される第1部分(PT1)では、結晶化度が相対的にさらに高いことがあり、トンネル層160と、相対的にさらに隣接した第2部分(PT2)では結晶化度が相対的に低いことがある。
【0054】
したがって、第2電極150と接続される第1部分(PT1)で相対的にさらに高い結晶化度により、第2電極150との接触抵抗をさらに向上させることができる。
【0055】
このように、半導体基板110の後面にトンネル層160が形成された状態で、トンネル層160の後面に再結晶化された多結晶シリコン材質のエミッタ部120が形成された場合、太陽電池の開放電圧をさらに向上させることができ、製造工程上の半導体基板110の熱損傷を最小化することができ、高効率の太陽電池を実現することができる。
【0056】
このようなエミッタ部120の厚さ(T120)は一例として、50nm〜150nmの間に形成することができる。
【0057】
ここで、エミッタ部120の厚さ(T120)を50nm以上になるようにすることは、半導体基板110とp−n接合を形成するエミッタ部120としての機能を最小限確保するためであり、エミッタ部120の厚さ(T120)を150nm以下にすることは、エミッタ部120の機能が維持される範囲内で、エミッタ部120の厚さ(T120)を最適化して工程時間を最小化するためである。しかし、このようなエミッタ部120の厚さ(T120)は一例として、必ずこれに限定されるものではない。
【0058】
また、エミッタ部120に含有された第2導電型の不純物のドーピング濃度は、トンネル層160から離れるほど増加することができる。これにより、半導体基板110に相対的に隣接したエミッタ部120の第2部分(PT2)ではキャリアが不純物によって再結合され失われる量をさらに低減してパッシベーション特性をさらに向上させることができ、第2電極150に接続されるエミッタ部120の第1部分(PT1)では、相対的にさらに高いドーピング濃度により、第2電極150との接触抵抗をさらに向上させることができる。
【0059】
このようなエミッタ部120内での具体的なドーピング濃度の変化については、
図3で個別に説明する。
【0060】
ドーパント層180は、エミッタ部120の上に位置し、エミッタ部120の後面に位置し、第2導電型の不純物が含有されることができる。ここで、ドーパント層180の誘電体材質は、SiNx、SiOx、SiOxNy、SiCxまたはAlOxの内、少なくとも一つを含むことができる。したがって、一例としてドーパント層180は、第2導電型の不純物でホウ素(B)が含有されたSiOx:Bが用いられる。
【0061】
このようなドーパント層180は、エミッタ部120を形成する工程中に誘電体材質に含有された第2導電型の不純物を真性多結晶シリコン層に拡散させる役割をし、エミッタ部120が形成された後に、ドーパント層180の後面に形成される水素注入層190から水素の注入を受け、エミッタ部120の後面のパッシベーション機能を実行することができる。
【0062】
このようなドーパント層180の厚さは、25nm〜150nmの間に形成することができる。ドーパント層180の厚さを25nm以上になるようにするのは、エミッタ部120で拡散される第2導電型の不純物の量を最小限確保するためであり、ドーパント層180の厚さを150nm以下になるようにするは、第2導電型の不純物の量を適切に確保しながら、厚さを最適化して工程時間を最小化し、併せて、脱水素化工程中にエミッタ部120を形成するための真性非晶質シリコン層に含有された水素を滲出(effusion)させる速度を適切に制御するためである。このようなドーパント層180の厚さは、一例として、必ずこれに限定されるものではない。
【0063】
水素注入層190は、ドーパント層180の後面上に位置し、ドーパント層180よりも水素が高濃度に含有される誘電体材質で形成することができる。
【0064】
このような水素注入層190は、エミッタ部120の形成が完了した後、ドーパント層180の後面に形成されることがあり、熱処理を伴う電極の形成段階でドーパント層180がパッシベーション機能を有するようにするために、水素注入層190に高濃度で含有された水素をドーパント層180の方向に拡散させることができる。
【0065】
併せて、このような水素注入層190は、太陽電池に入射された光の内、半導体基板110を透過した光が再び半導体基板110内に入射されるようにするためにドーパント層180と、他の屈折率を有することができる。
【0066】
このような水素注入層190の誘電体材質は、SiNx、SiOx、SiOxNy、SiCxまたはAlOxの内、少なくとも一つを含むことができる。
【0067】
前面電界部170は、半導体基板110の前面に位置し、第1導電型の不純物が半導体基板110より高濃度にドープされて含有することができる。
【0068】
このような前面電界部170は、第1導電型の不純物が半導体基板110の前面内に拡散されて形成されることがあり、これにより、前面電界部170は、半導体基板110と同じ結晶質シリコン材質で形成することができる。
【0069】
一例として、半導体基板110が単結晶シリコンの材質である場合、前面電界部170も単結晶質シリコン材質で形成されることがあり、これとは異なるように半導体基板110が、多結晶シリコンの材質である場合、前面電界部170も多結晶質シリコン材質で形成することができる。
【0070】
パッシベーション膜131は、前面電界部170の前面の上に直接位置して前面電界部170の前面のパッシベーション機能を実行することができる。このようなパッシベーション膜131は、水素が含有された誘電体材質で形成されることがあり、一例として、SiNx、SiOx、SiOxNyまたはAlOxの内、少なくとも1つで形成することができる。
【0071】
反射防止膜133は、パッシベーションの前面の上に位置し、太陽電池に入射される光の透過性を向上させ、反射度を低減させ、半導体基板110に可能な限り多くの量の光が入射されるようにすることができる。
【0072】
このような反射防止膜133は、誘電体材質で形成されることがあり、一例として、水素を含有するSiNx、SiOx、SiOxNyまたはAlOxの内、少なくとも1つで形成することができる。
【0073】
第1電極140は、半導体基板110の前面に位置し、反射防止膜133とパッシベーション膜131を貫通して前面電界部170に接続することができる。
【0074】
このような第1電極140は、複数の第1フィンガー電極141と、複数の第1フィンガー電極141と接続されている複数の第1バスバー142を備えることができる。
【0075】
複数の第1フィンガー電極141は、前面電界部170と電気的及び物理的に接続され、互いに離隔され第1方向(x)に並行するように伸びていることができる。複数の第1フィンガー電極141は、前面電界部170の方向に移動したキャリア、例えば、電子を収集することができる。
【0076】
複数の第1バスバー142は、エミッタ部120と電気的及び物理的に接続されて、複数の第1フィンガー電極141と交差する第2方向(y)に並行するように伸びていることがある。
【0077】
このとき、複数の第1バスバー142は、複数の第1フィンガー電極141と同じ階に位置して、各第1フィンガー電極141と交差する地点において、当該第1フィンガー電極141と電気的及び物理的に接続することができる。
【0078】
したがって、
図1に示したように、複数の第1フィンガー電極141は、第1方向(x)に伸びているストライプ(stripe)形状を有し、複数の第1バスバー142は、縦第2方向(y)に伸びているストライプ形状を有しており、第1電極140は、半導体基板110の前面に格子の形で位置することができる。
【0079】
複数の第1バスバー142は、接触された前面電界部170から移動するキャリアだけでなく、複数の第1フィンガー電極141によって収集され、移動するキャリアを収集することができる。
【0080】
各第1バスバー142は、交差する複数の第1フィンガー電極141によって収集された電荷を集めて所望する方向に移動させなければならないので、各第1バスバー142の幅は、各第1フィンガー電極141の幅より大きくすることもできる。
【0081】
このような複数の第1バスバー142は、外部装置と接続されて収集されたキャリア(例えば、電子)を外部装置に出力することができる。
【0082】
このような第1電極140の複数の第1フィンガー電極141と、複数の第1バスバー142は、銀(Ag)のような少なくとも一つの導電性物質で形成することができる。
【0083】
第2電極150は、半導体基板110の後面に位置して、ドーパント層180と、水素注入層190を貫通してエミッタ部120に接続することができる。
【0084】
このような第2電極150は、第1電極140と同様に
図1及び
図2に示すように、複数の第2フィンガー電極151と、複数の第2フィンガー電極151と接続されている複数の第2バスバー152を備えることができ、第2電極150のパターンは、第1電極140と同じパターンを有して形成することができる。しかし、第2電極150のパターンは、これと異なるように形成されることも可能である。
【0085】
このような第2電極150は、エミッタ部120の方から移動するキャリア、例えば、正孔を収集することができる。
【0086】
一方、
図1及び
図2においては、エミッタ部120が、半導体基板110の後面に位置し、前面電界部170を備える場合を一例として説明したが、これと違って、エミッタ部が半導体基板110の前面に位置し、電界部が半導体基板110の後面に備えられる場合も同様に、本発明が適用されることができる。
【0087】
一方、このような本発明の一例に係る太陽電池において、エミッタ部120に含有された第2導電型の不純物のドーピング濃度は、トンネル層160から離れるほど、全体的に増加することができる。
【0088】
これに対して、さらに具体的には、
図3を参照して説明すると、次の通りである。
【0089】
図3は、
図1に示された太陽電池において、エミッタ部120のドーピング濃度を説明するための図であり、
図4は、本発明と異なる比較例に係るエミッタ部120のドーピング濃度を説明するための図である。
【0090】
さらに具体的に、
図3及び
図4は、エミッタ部120と、半導体基板110の断面に沿ったドーピング濃度の一例を示したもので、x軸は第2電極150と接したエミッタ部120の後面から半導体基板110方向への深さであり、y軸はドーピング濃度を意味する。
【0091】
図3においては、エミッタ部120の厚さ(T120)が約150nmである場合を一例として示したが、エミッタ部120の厚さ(T120)は、50nm〜150nmの間の他の厚さで形成することができる。併せて、
図3に示されたドーピング濃度の値も一つの一例として、ドーピング濃度の値は、示されたようと異なるように形成されることもある。
【0092】
図3に示すように、本発明に係るエミッタ部120のドーピング濃度は、半導体基板110のドーピング濃度より高いことがある。
【0093】
さらに、エミッタ部120の内、第2電極150と接する第1部分(PT1)(深さ0nmの部分)で第2導電型の不純物の第1ドーピング濃度(C1)は、エミッタ部120の中でトンネル層160と接する第2部分(PT2)(深さ150nmの部分)で第2導電型の不純物の第2ドーピング濃度(C2)より高いことができる。
【0094】
ここで、第1部分(PT1)はエミッタ部120と第2電極150またはエミッタ部120とドーパント層180が接する部分を意味し、第2部分(PT2)はエミッタ部120と、トンネル層160が接する部分を意味する。
【0095】
図3においては、第1ドーピング濃度(C1)が1.2*10
21/cm
3であり、第2ドーピング濃度(C2)が1.3*10
20/cm
3である場合を一例として示したが、第1ドーピング濃度(C1)は、5*10
19/cm
3〜5*10
21/cm
3の間の範囲で形成することができ、第2ドーピング濃度(C2)は、5*10
18/cm
3〜5*10
20/cm
3の範囲で第1ドーピング濃度(C1)より小さい値を有することができる。
【0096】
さらに、エミッタ部120のドーピング濃度は、トンネル層160から離れるほど増加することができる。さらに具体的には、第1部分(PT1)から第2部分(PT2)に進行すればするほど、全体的に線形または非線形の形で連続的に減少することができる。
【0097】
一例として、
図3においては、第1部分(PT1)から第2部分(PT2)に進行すればするほどエミッタ部120のドーピング濃度が第1ドーピング濃度(C1)から第2ドーピング濃度(C2)に非線形的に連続的に減少する場合を一例として示したが、これと違うように直線的に連続的に減少することもできる。
【0098】
このように、エミッタ部120のドーピング濃度がトンネル層160から離れるほど増加する特性は、エミッタ部120を形成する際に、真性非晶質シリコン層を先に形成した状態で、温度が変化する一回の連続した熱処理工程で真性非晶質シリコン層を多結晶シリコン層に再結晶化させる過程で、再結晶化される多結晶シリコン層にドーパント層180の第2導電型の不純物を拡散させエミッタ部120を形成する熱処理段階により示される特徴で有り得る。
【0099】
このように、エミッタ部120のドーピング濃度がトンネル層160から離れるほど増加する特性によって、半導体基板110に相対的に隣接したエミッタ部120の第2部分(PT2)では、キャリアが不純物によって再結合されて失われる量をさらに低減してパッシベーション特性をさらに向上させることができ、第2電極150に接続されるエミッタ部120の第1部分(PT1)では、相対的にさらに高いドーピング濃度により、第2電極150との接触抵抗をさらに向上させることができる。
【0100】
しかし、
図3の本発明と違って、真性多結晶シリコン層を蒸着して形成した状態で、第2導電型の不純物を拡散させる場合、
図4の比較例に示すように、エミッタ部120のドーピング濃度は、第1部分(PT1)から第2部分(PT2)に進行すればするほど、全体的に増加せず、微細な変動はあるが、1.5*10
20/cm
3の近くに概ね均一に形成されることを確認することができる。
【0101】
このような
図4の比較例の場合、本発明のような効果を同時に確保することはほとんど困難で有り得る。つまり、第2電極150との接触特性を向上させるためにドーピング濃度を高くする場合、エミッタ部120自体のドーピング濃度が全体的に上昇してエミッタ部120内で再結合されるキャリアの量が多くてエミッタ部120の特性が低下することがあり、エミッタ部120の特性を向上させるためにエミッタ部120のドーピング濃度を下げる場合、第2電極150との接触抵抗が増加することができあり、全体的に太陽電池の短絡電流特性が低下することができる。
【0102】
これまで本発明の一例に係る太陽電池の構造について説明したが、以下では、このような太陽電池を製造する方法の一例について説明する。
【0103】
図5は、本発明の一例に係る太陽電池の製造方法を説明するためのフローチャートであり、
図6A〜
図6Eは、
図5のフローチャートに沿った各段階の参照図である。
【0104】
図5のフローチャートに示すように、本発明の一例に係る太陽電池の製造方法は、成膜段階(S1)、熱処理段階(S2)、キャッピング層と酸化膜除去段階(S3)、水素注入層形成段階(S4)と電極形成段階(S5)を含むことができる。
【0105】
ここで、キャッピング層と酸化膜除去段階(S3)と、水素注入層の形成段階(S4)は、場合に応じて省略されることがありますが、備えた場合、製造される太陽電池の効率がさらに向上することができるので、備えられた場合を一例として説明する。
【0106】
成膜段階(S1)においては、
図5に記載されたように、トンネル層形成工程(P1)、真性非晶質シリコン層形成工程(P2)、ドーパント層形成工程(P3)とキャッピング層(CAP)の形成工程(P4)が実行されることができる。
【0107】
さらに具体的には、
図6Aを参照すると、トンネル層形成工程(P1)でおいては、第1導電型の不純物が含有される結晶質シリコン材質の半導体基板110の後面にSiCxまたはSiOx材質を蒸着し、半導体基板110の後面全体にトンネル層160を形成することができる。
【0108】
以降、真性非晶質シリコン層形成工程(P2)でおいては、トンネル層160の後面全体に真性非晶質シリコン層120Aを蒸着して形成することができる。このとき、真性非晶質シリコン層が50nm〜150nmの間の厚さを有するように蒸着することができる。
【0109】
以降、ドーパント層形成工程(P3)においては、第2導電型の不純物、例えばホウ素(B)が含有された誘電体材質のドーパント層180を真性非晶質シリコン層120Aの後面上に全体的に形成することができる。この時、ドーパント層180の厚さは、25nm〜150nmの間になるようにすることができる。
【0110】
次ぎ、ドーパント層180の全後面上に第2導電型の不純物が含有されない誘電体材質のキャッピング層(CAP)を形成することができる。ここで、キャッピング層(CAP)の誘電体材質は、不純物が含有されないSiOx、SiNx、SiOxNyまたはSiCxの内、少なくとも一つで有り得、例えば、キャッピング層(CAP)は、以後のキャッピング層と酸化膜除去段階(S3)をさらに容易にするために、SiOxで形成されることがさらに製造工程に有利で有り得る。
【0111】
このようなキャッピング層(CAP)は、以降の熱処理段階(S2)で前面電界部形成工程(P5)において、第1導電性不純物が真性非晶質シリコン層120Aに拡散されることを防止する役割をすることができ、以降の熱処理段階(S2)で脱水素化工程(P61)を行うとき、キャッピング層(CAP)によって真性非晶質シリコン(120A)から水素が抜けていく量と速度が制御されることができる。
【0112】
この時、キャッピング層の厚さは、ドーパント層180との合が50nm〜150nmになるようにすることができる。
【0113】
したがって、ドーパント層180を150nmで形成した場合、キャッピング層(CAP)の形成工程(P4)は省略することもできる。
【0114】
このような成膜段階(S1)のトンネル層形成工程(P1)、真性非晶質シリコン層形成工程(P2)、ドーパント層形成工程(P3)とキャッピング層(CAP)の形成工程(P4)はin−situ(インサイチュ)工程で実行することができる。
【0115】
すなわち、成膜段階(S1)の各形成工程(P1〜P4)は、各形成工程(P1〜P4)の間に大気中の露出がない、真空状態で各形成工程(P1〜P4)を実行するチャンバーとチャンバーの間を真空状態で移動しながら連続的に実行することができ、工程時間をさらに短縮させることができる。
【0116】
さらに、このような成膜段階(S1)は、好ましくは、300℃以下の温度で実行されるPECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法で実行することができるが、これとは異なるようにAPCVD(Atmospheric Pressure Chemical Vapor Deposition)法またはLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法で実行することも可能である。
【0117】
このような成膜段階(S1)以降、熱処理段階(S2)が実行されることができる。
【0118】
このような熱処理段階(S2)は、前面電界部170とエミッタ部120を形成するために、拡散炉(furnace)内で一回の連続した熱処理工程で実行されることができる。
【0119】
ここで、温度が維持されるか上昇する一回の連続した熱処理工程とは、熱処理段階(S2)の期間中、温度を下降させず、温度が維持されるか上昇する熱処理工程を休むことなく連続的に提供する工程を意味し、温度が下降することにより、1回の熱処理段階(S2)サイクル(cycle)が完成されることを意味し、温度を維持したり、上昇させるための熱処理工程自体は、複数回で有り得る。
【0120】
したがって、本発明に係る熱処理段階(S2)は、一つの拡散炉内で温度が下降せず、維持されるか上昇する一回の連続した熱処理工程だけで前面電界部170とエミッタ部120を形成するので、製造時間をさらに短縮することができる。
【0121】
このように、温度が維持されるか上昇する連続した熱処理工程については、今後
図7を参照して、さらに具体的に説明する。
【0122】
このような熱処理段階(S2)では、半導体基板110の前面に前面電界部170を形成する前面電界部形成工程(P5)と、真性非晶質シリコン層120Aを真性多結晶シリコン層120Cに再結晶化させ、再結晶化された真性多結晶シリコン層120Cにドーパント層180の第2導電型の不純物を拡散させエミッタ部120を形成するエミッタ部形成工程(P6)が共に実行することができる。
【0123】
ここで、前面電界部形成工程(P5)は不純物注入工程(P51)と前面電界部活性化工程(P52)を含むことができる。
【0124】
不純物注入工程(P51)においては、第1導電型の不純物が含まれたPOCl3ガスが拡散炉内に注入され、前面電界部活性化工程(P52)では、POCl3ガスの第1導電型の不純物であるリン(P)を
図6Bに示すように、半導体基板110の前面内部に拡散させ活性化させることができる。
【0125】
この時、半導体基板110の後面には、キャッピング層(CAP)とドーパント層180によりPOCl3ガスのリン(P)が真性非晶質シリコン層120Aまたは真性多結晶シリコン層120C内に拡散されることを防止することができる。
【0126】
このような前面電界部活性化工程(P52)は、800℃〜1000℃の間の熱処理工程によって実行することができる。
【0127】
このような前面電界部活性化工程(P52)によって前面電界部170の前面表面には、不必要な酸化膜(SOL)が形成されることがあるが、このような酸化膜(SOL)は、今後キャッピング層(CAP)が除去される時、共に除去されることができる。
【0128】
ここの
図5に係るフローチャートにおいては前面電界部形成工程(P5)が熱処理段階(S2)内に第1導電型の不純物が含まれたPOCl3ガスを拡散炉内に注入する不純物注入工程(P51)を含むことを一例として説明したが、これと違うようにドーパントソースを形成することもある。
【0129】
すなわち、前面電界部形成工程(P5)は成膜段階(S1)以降熱処理段階(S2)前に、前述した不純物注入工程(P51)の代わりに、第1導電型の不純物が含まれたドーパントペースト(dopant paste)を塗布したり、SOD(spin on dopant)方式で、半導体基板110の前面の表面に形成した後、熱処理段階(S2)の前面電界部活性化工程(P52)で第1導電型の不純物を半導体基板110の前面に拡散及び活性化させることもできる。
【0130】
または、前面電界部形成工程(P5)は成膜段階(S1)以降、熱処理段階(S2)前に、半導体基板110の前面の表面に形成されたドーパントペーストをレーザー照射装置を用いて半導体基板110の前面にあらかじめ注入(impalntation)した後、前面電界部活性化工程(P52)を実行することも可能である。
【0131】
次、エミッタ部形成工程(P6)は脱水素化工程(P61)、再結晶化工程(P62)とエミッタ部活性化工程(P63)を含むことができる。
【0132】
ここで、脱水素化工程(P61)は、真性非晶質シリコン層120Aに含有された水素を除去する工程であり、熱処理工程で拡散炉内の温度を高め真性非晶質シリコン層120Aに含有された水素を拡散させ、ドーパント層180とキャッピング層(CAP)を介して真性非晶質シリコン層120Aの外部に抜き出す工程である。
【0133】
ここで、真性非晶質シリコン層120Aに含有された水素が抜けていく量や速度が超過した場合、真性非晶質シリコン層120Aが損傷することもあり、弱い場合には、製造時間が増加することがあり、水素が抜けていく量や速度が最適化されるように拡散炉内の温度を最適化させることが重要することがある。
【0134】
この時、拡散炉内の温度は一例で、350℃〜600℃の間で調節することができる。
【0135】
再結晶化工程(P62)は、真性非晶質シリコン層120Aを真性多結晶シリコン層120Cに再結晶化させる工程であり、前述した脱水素化工程(P61)がほぼ完了すれば、拡散炉内の温度をさらに高くしながら実行することができる。このような再結晶化工程(P62)中に真性非晶質シリコン層120Aは、約600℃〜650℃の間で再結晶化が始まることができる。
【0136】
したがって、再結晶化工程(P62)は、脱水素化工程(P61)よりさらに高い温度で行われることができ、脱水素化工程(P61)以降に連続的に行われることができる。このような再結晶化工程(P62)は、拡散炉内の温度を脱水素化工程(P61)の温度から約800℃〜1000℃の間まで上昇させながら行われることができる。
【0137】
このような再結晶化工程(P62)により真性非晶質シリコン層120Aは、ドーパント層180と接した第1部分(PT1)から結晶化が開始されてトンネル層160と接する第2部分(PT2)方向に結晶化が進むことができる。
【0138】
したがって、第1部分(PT1)の結晶化度は、第2部分(PT2)の結晶化度より高いことがあり、第1部分(PT1)から第2部分(PT2)に進行するほど結晶化度が徐々に減少することができる。しかし、結晶化度の減少パターンは、再結晶化工程(P62)の時間と温度に応じて異なるように形成することもできる。
【0139】
エミッタ部活性化工程(P63)は、
図6Bに示されたドーパント層180に含有された第2導電型の不純物を再結晶化される真性多結晶シリコン層120Cに拡散及び活性化させる工程であり、再結晶化工程(P62)の最高温度が維持されることにより実行することができる。
【0140】
すなわち、エミッタ部活性化工程(P63)は、拡散炉内の温度が800℃〜1000℃の間を維持しながら実行することができる。
【0141】
このようなエミッタ部活性化工程(P63)によって真性多結晶シリコン層120Cに第2導電型の不純物がドーピングされたエミッタ部120が完成されることができる。
【0142】
このようなエミッタ部活性化工程(P63)の途中にも再結晶化工程(P62)が継続的に行われることができ、第2導電型の不純物がドーパント層180に接した第1部分(PT1)からトンネル層160に接した第2部分(PT2)の方向に拡散されるため、第1部分(PT1)の第1ドーピング濃度(C1)は、第2部分(PT2)の第2ドーピング濃度(C2)よりも高くなることがあり、第2導電型の不純物のドーピング濃度は、第1部分(PT1)から第2部分(PT2)に進行すればするほど連続的に減少することができる。
【0143】
このように、エミッタ部120と、前面電界部170を同時に形成する熱処理段階(S2)は、前述したように、温度が維持されるか上昇する一回の連続した熱処理工程で 実行することができ、このように温度が維持されるか上昇する一回の連続した熱処理工程で太陽電池の製造時間を格段に短縮することができ、太陽電池の効率も向上させることができる。
【0144】
このような熱処理段階(S2)が終了した後に、
図5に記載されたように、電極形成段階(S5)の前に、キャッピング層と酸化膜除去段階(S3)と、水素注入層形成段階(S4)がさらに含めることができる。しかし、このような段階は必須的なものではなく、これらの内、一部の段階は省略することもできる。
【0145】
キャッピング層と酸化膜除去段階(S3)においては、酸化膜(SOL)を除去する一般的なエッチング液を用いて
図6Cに示すように、半導体基板110の後面に形成されたキャッピング層(CAP)と熱処理段階(S2)中の半導体基板110の前面に形成される酸化膜(SOL)を除去することができる。
【0146】
ここで、一例として、キャッピング層(CAP)がSiOxで形成された場合、酸化膜(SOL)を除去するエッチング液と同じエッチング液を用いて、キャッピング層と酸化膜除去段階(S3)をさらに簡素化させることができる。
【0147】
ここで、もし、成膜段階(S1)でキャッピング層(CAP)の形成が省略された場合には、キャッピング層(CAP)及び酸化膜を除去段階が省略されることもある。
【0148】
以降、水素注入層形成段階(S4)においては、
図6Dに示すように、キャッピング層(CAP)が除去されたドーパント層180の後面上に水素が高濃度で含有される誘電体材質の水素注入層190を形成されることができる。
【0149】
このような水素注入層190は、水素を高濃度に含有しており、以降の電極形成段階(S5)でドーパント層180とトンネル層160に水素を供給することにより、ドーパント層180とトンネル層160のパッシベーション機能を向上させることができる。
【0150】
このとき、水素注入層190の水素濃度は、水素が供給されるドーパント層180の水素濃度より高いか同じことがある。
【0151】
さらに、
図6Dに示すように、前面電界部170の前面にパッシベーション膜131と反射防止膜133を形成した状態で、半導体基板110の前面と後面のそれぞれに第1電極140を形成するための第1電極ペースト(P140)と第2電極150を形成するための第2電極ペースト(P150)をパターニングして塗布することができる。
【0152】
以降、
図5及び
図6Eのように、電極形成段階(S5)では、半導体基板110を熱処理して、第1電極ペースト(P140)は、パッシベーション膜131と反射防止膜133を貫通して半導体基板110の前面に接続される第1電極140に形成され、第2電極ペースト(P150)は、水素注入層190とドーパント層180を貫通してエミッタ部120に接続される第2電極150に形成することができる。
【0153】
これまでの太陽電池の製造方法では、太陽電池の各構成部分を形成する方法を主に説明したが、以下では、前述した熱処理段階(S2)の温度が維持されるか上昇する一回の連続した熱処理工程において具体的に説明する。
【0154】
図7は、本発明の一例に係る太陽電池の製造方法の内、熱処理段階(S2)での時間に伴う温度変化を説明するための図である。
【0155】
図7に示すように、熱処理段階(S2)は、複数の熱処理工程が集まって一つの熱処理段階(S2)を構成することができ、複数の熱処理工程が熱処理段階(S2)の1サイクル(cycle)を形成することができる。
【0156】
すなわち、本発明に係る熱処理段階(S2)は一例として、第1熱処理工程(HT1)乃至第6熱処理工程(HT6)を含むことができ、
図7に示すように、第1熱処理工程(HT1)から第5熱処理工程(HT5)まで温度が下降せず維持されるか上昇し、第6熱処理工程(HT6)で温度が下降して、温度が変化する一回の連続した熱処理段階(S2)が実行することができる。
【0157】
ここで、第1熱処理工程(HT1)乃至第6熱処理工程(HT6)は、同じ拡散炉内で連続的に実行することができる。
【0158】
具体的に
図7に示すように、第1熱処理工程(HT1)においては拡散炉内の温度を第1温度(K1)に維持し、第2熱処理工程(HT2)においては拡散炉内の温度が第1温度(K1)で第1温度(K1)より高い第2温度(K2)に上昇し、第3熱処理工程(HT3)は、第2温度(K2)を維持することができる。
【0159】
このような第1熱処理工程(HT1)乃至第3熱処理工程(HT3)では、前述した真性半導体層の脱水素化工程(P61)が実行されることができる。
【0160】
ここで、第2熱処理工程の時間(T2)は、第1熱処理工程の時間(T1)と第3熱処理工程の時間(T3)より長く、第3熱処理工程の時間(T3)は、第1熱処理工程の時間(T1)と同一するかまたはさらに長いことができる。
【0161】
さらに具体的には、第1熱処理工程(HT1)は拡散炉内の温度を350℃〜450℃の間の第1温度(K1)で第1熱処理工程の時間(T1)の5分〜15分間維持することができ、第3熱処理工程(HT3)は拡散炉内の温度を500℃〜600℃の間の第2温度(K2)で10分〜20分の範囲内で第1熱処理工程の時間(T1)と同じか、さらに長く維持することができる。
【0162】
さらに、第2熱処理工程(HT2)は15分〜25分の間の範囲内で第1熱処理工程の時間(T1)と第3熱処理工程の時間(T3)より長い第2熱処理工程の時間(T2)の間、拡散炉内の温度を第1温度(K1)から第2温度(K2)に上昇させることができる。
【0163】
このような第1熱処理工程(HT1)乃至第3熱処理工程(HT3)の温度と時間に応じて、真性非晶質シリコン層120Aの脱水素化工程(P61)が最適化され実行することができる。
【0164】
さらに、第4熱処理工程(HT4)では、拡散炉内の温度が第2温度(K2)から第2温度(K2)より高い800℃〜1000℃の間の第3温度(K3)に第4熱処理工程時間(T4)の5分〜15分の間に上昇することができる。
【0165】
このような第4熱処理工程(HT4)によって真性非晶質シリコン層120Aは、再結晶化されながら、真性多結晶シリコン層120Cに相変化することができる。
【0166】
さらに、第5熱処理工程(HT5)から拡散炉内の温度が800℃〜1000℃の間の第3温度(K3)で第5熱処理工程の時間(T5)の15分〜30分間保持され、ドーパント層180の第2導電型の不純物であるホウ素(B)が再結晶化される真性多結晶シリコン層120Cに拡散及び活性化されて、エミッタ部120が形成されることがあり、拡散炉内に注入されたPOCl3ガスの第1導電型の不純物であるリン(P)が半導体基板110の前面内に拡散及び活性化されながら前面電界部170が形成されることができる。
【0167】
すなわち、第5熱処理工程(HT5)においては再結晶化工程(P62)がエミッタ部活性化工程(P63)と共に持続的に実行することができる。
【0168】
さらに、すでに説明したように、本発明に係る太陽電池の製造工程は、エミッタ部活性化工程(P63)と前面電界部活性化工程(P52)が第5熱処理工程(HT5)によって同時に実行することができる。
【0169】
以降、第6熱処理工程(HT)で第6熱処理工程の時間(T6)の間、拡散炉内の温度を第3温度(K3)から第1温度(K1)に下降させ、1回の熱処理段階(S2)を完了することができる。第6熱処理工程の時間(T6)の特別な制約はない。
【0170】
このような本発明の一例に係る太陽電池の製造方法は、第1導電型の不純物と第2導電型の不純物のそれぞれを拡散及び活性化させるために、一般的に少なくとも2回、800℃以上の高温熱処理工程を実行する通常の製造方法とは異なり、1回の高温熱処理工程のみを実行することにより、半導体基板110の劣化を防止することができ、太陽電池の開放電圧(Voc)と効率をさらに向上させることができる。
【0171】
さらに、真性非晶質シリコン層120Aが真性多結晶シリコン層120Cに再結晶化が行われながら、同時に第2導電型の不純物が拡散と活性化されるため、
図3で説明したように、エミッタ部120のドーピング濃度がトンネル層160から離れるほど増加するように形成することができる。
【0172】
したがって、本発明は、製造工程をさらに単純化することができ、太陽電池の効率をさらに向上させることができる。
【0173】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の請求の範囲で定義している本発明の基本的な概念を用いた当業者の様々な変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。