(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付の図面を参照して説明される本発明の実施例から、本発明の構成、作用及び他の特徴が容易に理解されるであろう。以下に説明する実施例は、本発明の技術的特徴が3GPPシステムに適用された例である。
【0019】
本明細書ではLTEシステム及びLTE−Aシステムを用いて本発明の実施例を説明するが、これは例示に過ぎず、本発明の実施例は、上述した定義に該当するいかなる通信システムにも適用可能である。また、本明細書は、FDD(Frequency Division Duplex)方式を基準にして本発明の実施例について説明するが、これは例示に過ぎず、本発明の実施例は、H−FDD(Hybrid−FDD)方式又はTDD(Time Division Duplex)方式にも容易に変形して適用されてもよい。
【0020】
図2は、3GPP無線接続網規格に基づく端末とE−UTRANとの間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)のコントロールプレーン及びユーザプレーンの構造を示す図である。コントロールプレーンとは、端末(UE)とネットワークとが呼を管理するために用いる制御メッセージが送信される通路のことを意味する。ユーザプレーンとは、アプリケーション層で生成されたデータ、例えば、音声データ又はインターネットパケットデータなどが送信される通路のことを意味する。
【0021】
第1層である物理層は、物理チャネル(Physical Channel)を用いて上位層に情報伝送サービス(Information Transfer Service)を提供する。物理層は、上位の媒体接続制御(Medium Access Control)層とは伝送チャネル(Transport Channel)を介して接続されている。該伝送チャネルを介して媒体接続制御層と物理層との間にデータが移動する。送信側の物理層と受信側の物理層との間には物理チャネルを介してデータが移動する。該物理チャネルは、時間及び周波数を無線リソースとして活用する。具体的には、物理チャネルは、下りリンクにおいてOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式で変調され、上りリンクにおいてSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)方式で変調される。
【0022】
第2層の媒体接続制御(Medium Access Control;MAC)層は、論理チャネル(Logical Channel)を介して、上位層である無線リンク制御(Radio Link Control;RLC)層にサービスを提供する。第2層のRLC層は、信頼できるデータ送信を支援する。RLC層の機能はMAC内部の機能ブロックとして具現されてもよい。第2層のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層は、帯域幅の狭い無線インターフェースでIPv4やIPv6のようなIPパケットを効率的に送信するために、余分の制御情報を減らすヘッダー圧縮(Header Compression)機能を果たす。
【0023】
第3層の最下部に位置する無線リソース制御(Radio Resource Control;RRC)層は、コントロールプレーンにのみ定義される。RRC層は、無線ベアラー(Radio Bearer)の設定(Configuration)、再設定(Re−configuration)及び解除(Release)に関連して、論理チャネル、伝送チャネル及び物理チャネルの制御を担当する。無線ベアラー(RB)とは、端末とネットワーク間のデータ伝達のために第2層によって提供されるサービスのことを意味する。そのために、端末のRRC層とネットワークのRRC層とはRRCメッセージを互いに交換する。端末のRRC層とネットワークのRRC層間にRRC接続(RRC Connected)がある場合に、端末はRRC接続状態(Connected Mode)にあり、そうでない場合は、RRC休止状態(Idle Mode)にあることとなる。RRC層の上位にあるNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理(Session Management)と移動性管理(Mobility Management)などの機能を果たす。
【0024】
基地局(eNB)を構成する一つのセルは、1.4、3、5、10、15、20MHzなどの帯域幅のいずれか一つに設定され、複数の端末に対して下り又は上り送信サービスを提供する。異なったセルは互いに異なった帯域幅を提供するように設定することができる。
【0025】
ネットワークから端末にデータを送信する下り伝送チャネルとしては、システム情報を送信するBCH(Broadcast Channel)、ページングメッセージを送信するPCH(Paging Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する下りSCH(Shared Channel)などがある。下りマルチキャスト又は放送サービスのトラフィック又は制御メッセージは、下りSCHを介して送信されてもよく、別の下りMCH(Multicast Channel)を介して送信されてもよい。一方、端末からネットワークにデータを送信する上り伝送チャネルとしては、初期制御メッセージを送信するRACH(Random Access Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する上りSCH(Shared Channel)がある。伝送チャネルの上位に存在し、伝送チャネルにマップされる論理チャネル(Logical Channel)としては、BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、MTCH(Multicast Traffic Channel)などがある。
【0026】
図3は、3GPPシステムに用いられる物理チャネル及びこれらのチャネルを用いた一般の信号送信方法を説明するための図である。
【0027】
端末は、電源が入ったり、新しくセルに進入したりした場合に、基地局と同期を取る等の初期セル探索(Initial cell search)作業を行う(S301)。そのために、端末は、基地局からプライマリ同期チャネル(Primary Synchronization Channel;P−SCH)及びセカンダリ同期チャネル(Secondary Synchronization Channel;S−SCH)を受信して基地局と同期を取り、セルIDなどの情報を取得することができる。その後、端末は、基地局から物理放送チャネル(Physical Broadcast Channel)を受信し、セル内放送情報を取得することができる。一方、端末は、初期セル探索段階で、下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal;DL RS)を受信し、下りリンクチャネル状態を確認することができる。
【0028】
初期セル探索を終えた端末は、物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)、及び該PDCCHに載せられた情報に基づいて物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDSCH)を受信することによって、より具体的なシステム情報を取得することができる(S302)。
【0029】
一方、基地局に初めて接続したり信号送信のための無線リソースがない場合には、端末は、基地局にランダムアクセス手順(Random Access Procedure;RACH)を行うことができる(S303乃至S306)。そのために、端末は、物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel;PRACH)を介して特定シーケンスをプリアンブルとして送信し(S303及びS305)、PDCCH及び対応するPDSCHを介して、プリアンブルに対する応答メッセージを受信することができる(S304及びS306)。競合ベースのRACHについては、衝突解決手順(Contention Resolution Procedure)をさらに行ってもよい。
【0030】
上述の手順を行った端末は、以降、一般的な上りリンク/下りリンク信号送信手順として、PDCCH/PDSCH受信(S307)、及び物理上りリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel;PUSCH)/物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)送信(S308)を行うことができる。特に、端末はPDCCHを介して下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)を受信する。ここで、DCIは、端末に対するリソース割当情報のような制御情報を含み、その使用目的によってフォーマットが互いに異なる。
【0031】
一方、端末が上りリンクを介して基地局に送信する又は端末が基地局から受信する制御情報は、下りリンク/上りリンクACK/NACK信号、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Index)、RI(Rank Indicator)などを含む。3GPP LTEシステムでは、端末は、これらのCQI/PMI/RIなどの制御情報をPUSCH及び/又はPUCCHを介して送信することができる。
【0032】
図4は、下りリンク無線フレームにおいて一つのサブフレームの制御領域に含まれる制御チャネルを例示する図である。
【0033】
図4を参照すると、サブフレームは14個のOFDMシンボルで構成されている。サブフレーム設定によって先頭における1乃至3個のOFDMシンボルは制御領域として用いられ、残り13〜11個のOFDMシンボルはデータ領域として用いられる。同図で、R1乃至R4は、アンテナ0乃至3に対する参照信号(Reference Signal(RS)、又はPilot Signal)を表す。RSは、制御領域及びデータ領域を問わず、サブフレーム内に一定のパターンで固定される。制御チャネルは、制御領域においてRSの割り当てられないリソースに割り当てられ、トラフィックチャネルも、データ領域においてRSの割り当てられないリソースに割り当てられる。制御領域に割り当てられる制御チャネルとしては、PCFICH(Physical Control Format Indicator CHannel)、PHICH(Physical Hybrid−ARQ Indicator CHannel)、PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)などがある。
【0034】
PCFICHは、物理制御フォーマット指示子チャネルで、毎サブフレームごとにPDCCHに用いられるOFDMシンボルの個数を端末に知らせる。PCFICHは、先頭のOFDMシンボルに位置し、PHICH及びPDCCHに優先して設定される。PCFICHは、4個のREG(Resource Element Group)で構成され、それぞれのREGは、セルID(Cell IDentity)に基づいて制御領域内に分散される。1個のREGは4個のRE(Resource Element)で構成される。REは、1個の副搬送波×1個のOFDMシンボルで定義される最小物理リソースのことを指す。PCFICH値は帯域幅によって、1乃至3、又は2乃至4の値を示し、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)で変調される。
【0035】
PHICHは、物理HARQ(Hybrid−Automatic Repeat and request)指示子チャネルで、上りリンク送信に対するHARQ ACK/NACKを運ぶために用いられる。すなわち、PHICHは、UL HARQのためのDL ACK/NACK情報が送信されるチャネルのことを指す。PHICHは、1個のREGで構成され、セル特定(cell−specific)にスクランブル(scrambling)される。ACK/NACKは1ビットで示され、BPSK(Binary phase shift keying)で変調される。変調されたACK/NACKは、拡散因子(Spreading Factor;SF)=2又は4で拡散される。同一のリソースにマップされる複数のPHICHは、PHICHグループを構成する。PHICHグループに多重化されるPHICHの個数は、拡散コードの個数によって決定される。PHICH(グループ)は、周波数領域及び/又は時間領域においてダイバーシティ利得を得るために3回反復(repetition)される。
【0036】
PDCCHは、物理下りリンク制御チャネルで、サブフレームの先頭におけるn個のOFDMシンボルに割り当てられる。ここで、nは、1以上の整数であり、PCFICHによって指示される。PDCCHは、1個以上のCCE(Control Channel Element)で構成される。PDCCHは、伝送チャネルであるPCH(Paging channel)及びDL−SCH(Downlink−shared channel)のリソース割当に関する情報、上りリンクスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)、HARQ情報などを、各端末又は端末グループに知らせる。PCH(Paging channel)及びDL−SCH(Downlink−shared channel)は、PDSCHを介して送信される。したがって、基地局と端末は一般に、特定の制御情報又は特定のサービスデータ以外はPDSCHを介してそれぞれ送信及び受信する。
【0037】
PDSCHのデータがいずれの端末(1つ又は複数の端末)に送信されるものであるか、それら端末がどのようにPDSCHデータを受信してデコーディング(decoding)をすべきかに関する情報などは、PDCCHに含まれて送信される。例えば、特定PDCCHが「A」というRNTI(Radio Network Temporary Identity)でCRC(cyclic redundancy check)マスクされており、「B」という無線リソース(例、周波数位置)及び「C」という伝送形式情報(例、伝送ブロックサイズ、変調方式、コーディング情報など)を用いて送信されるデータに関する情報が特定サブフレームにおいて送信されるとしよう。この場合、セル内の端末は、自身が持っているRNTI情報を用いてPDCCHをモニタし、「A」のRNTIを持つ一つ以上の端末があると、それらの端末は、PDCCHを受信し、受信したPDCCHの情報に基づき、「B」と「C」によって指定されるPDSCHを受信する。
【0038】
下りリンク制御チャネルの基本リソース単位はREG(Resource Element Group)である。REGは、RSを除く状態で4個の隣接したリソース要素(RE)で構成される。PCFICH及びPHICHはそれぞれ4個のREG及び3個のREGを含む。PDCCHはCCE(Control Channel Elements)単位で構成され、一つのCCEは9個のREGを含む。
【0039】
図5は、LTEシステムにおいて用いられる上りリンクサブフレームの構造を示す図である。
【0040】
図5を参照すると、上りリンクサブフレームは、制御情報を運ぶPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)が割り当てられる領域と、ユーザデータを運ぶPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)が割り当てられる領域とに区別される。サブフレームの中間部分がPUSCHに割り当てられ、周波数領域においてデータ領域の両側部がPUCCHに割り当てられる。PUCCH上で送信される制御情報は、HARQに用いられるACK/NACK、下りリンクチャネル状態を示すCQI(Channel Quality Indicator)、MIMOのためのRI(Rank Indicator)、上りリンクリソース割当要求であるSR(Scheduling Request)などがある。ある端末のPUCCHは、サブフレーム内の各スロットにおいて互いに異なった周波数を占める一つのリソースブロックを使用する。すなわち、PUCCHに割り当てられる2個のリソースブロックはスロットを境界に周波数ホッピング(frequency hopping)する。特に、
図5では、m=0のPUCCH、m=1のPUCCH、m=2のPUCCH、m=3のPUCCHがサブフレームに割り当てられる例を示す。
【0041】
図6は、端末間直接通信を示す概念図である。
【0042】
図6を参照すると、UEが他のUEと直接無線通信を行うD2D(device−to−device)通信、すなわち、端末間直接通信では、eNBがD2D送受信を指示するためのスケジューリングメッセージを送信することができる。D2D通信に参加するUEは、eNBからD2Dスケジューリングメッセージを受信し、D2Dスケジューリングメッセージが示す送受信動作を行う。
【0043】
本発明では、
図6に示すように、UEが他のUEと直接無線チャネルを用いて端末間直接通信を行うとき、通信の相手となるUEを検出する方法を提案する。ここで、UEはユーザの端末を意味するが、eNBのようなネットワークエンティティがUE間の通信方式によって信号を送受信する場合には、それも一種のUEと見なすことができる。
【0044】
図6で説明するように、UEが直接通信を行うためには、相手のUEが直接通信可能な領域に存在するかをまず把握しなければならない。このように相手のUEが近接しているか否かを判断する過程を、端末ディスカバリー(device discovery)又は端末検出(device detection)と称する。このような端末ディスカバリーは、一般に、あるUEが特定の信号を送信し、これを他のUEが検出する形態で行われ、ディスカバリーのためにUEが送信して検出する信号を、ディスカバリー信号(discovery signal)と称する。
【0045】
このディスカバリー信号は、既存のセルラー(cellular)通信のために定義された各種信号、例えば、3GPP LTEシステムにおいてPRACH(Physical Random Access CHannel)プリアンブル、PUSCH復調のためのDM(demodulation)−RS(Reference Signal)、或いはCSI(channel state information)取得のためにUEが送信するサウンディングRSなどを再使用することもでき、或いはディスカバリーの目的に一層最適化した新しい形態の信号を使用することもできる。ディスカバリー信号の送受信動作は、無線ネットワーク内の他のリンク又は他のチャネルに干渉として作用すると同時に、送受信に参加するUEの動作、例えば、eNBとの通信に制約を与えることがあるため、eNBの管理下でディスカバリー動作が行われることが好ましい。例えば、eNBが適切な制御信号を用いて、特定UE(以下、UE#1)にディスカバリー信号の送信を指示し、他のUE(以下、UE#2)に当該ディスカバリー信号の受信を指示する形態で端末検出が行われるようにすることができる。該ディスカバリー信号の送受信動作は、周期的形態と非周期的形態とに区別できる。
【0046】
まず、周期的形態のディスカバリー信号は、UE#1が周期的にディスカバリー信号を送信し、これを把握したUE#2が、当該送信時点に合わせてUE#1のディスカバリー信号を検出する形態で端末検出を行うときに用いられる。周期的形態のディスカバリー信号は、一般に、UE#1が多量のデータをUE#2に直接送信しようとする場合や、広告のように、UE#1が不特定多数のUE#2に信号を送信しようとする場合に適した方式である。
【0047】
一方、非周期的形態のディスカバリー信号の場合は、UE#1はeNBから指示された特定時点のみに、特に、PDCCHのような物理層制御信号を通して指示された場合のみにディスカバリー信号を送信するため、ディスカバリー信号検出が可能になるには、eNBがUE#2に当該信号の送信される時点を動的に指示しなければならない。このような非周期的方式は、多くない量のデータを間欠的にUE間に交換しようとする場合、又はUE間で直接通信を行う途中にチャネルに急激な変化が発生し、再びディスカバリー過程を行わなければならない場合などに有用である。
【0048】
以下では、eNBが特定のサブフレームをディスカバリー信号送信の用途に周期的に割り当てたと仮定する。
【0049】
図7は、本発明の実施例によってディスカバリー信号送信の用途に周期的に割り当てられたリソースの例を示す図である。
【0050】
図7を参照すると、各UEが送信するディスカバリー信号は、一部或いは全ての領域で重なることがある。各UEが送信するディスカバリー信号は、UE IDなどの情報ビット(information bit)がチャネルコーディングによって生成されたコードワードの形態で表されてもよく、或いはUE識別子(ID)などの情報ビットから事前に定められた規則によって誘導される擬似ランダムシーケンス(pseudo random sequence)の形態で表されてもよい。
【0051】
図7では、サブフレーム単位にディスカバリー動作が行われ、ディスカバリーサブフレームが均一に分布すると仮定したが、本発明の適用はこれに限定されない。
【0052】
図8は、本発明の実施例によってディスカバリー信号送信の用途に周期的に割り当てられたリソースの他の例を示す図である。
図8を参照すると、複数のディスカバリーサブフレームが連続して現れ、このように連続して現れるパターンが一定の周期を有することができる。そのために、eNBは、ディスカバリーサブフレームが現れる周期、オフセット及び連続割当回数などに関する情報をUEにシグナルすることができる。
【0053】
図9は、本発明の実施例によって一つのディスカバリーサブフレームの時間領域を複数のディスカバリーパートに分割した例を示す図である。
【0054】
図9を参照すると、一つのディスカバリーサブフレームの時間領域を複数のディスカバリーパートに分割し、各ディスカバリーパート単位にディスカバリー信号の送受信が行われてもよい。特に、ディスカバリーパートは、LTEシステムのスロット単位と一致し、一つのサブフレームに二つのディスカバリーパートが存在するように設定されてもよい。
【0055】
以下では、サブフレーム単位にディスカバリー信号の送受信動作が行われるとして本発明の動作を説明する。もし、
図9のように単一ディスカバリーサブフレーム内に複数のディスカバリーパートが存在すると、本発明の動作は、ディスカバリーパート単位に送受信動作が行われる場合に変更されて適用されてもよい。
【0056】
一般に、UEは、自身の送信信号が受信信号に非常に大きい干渉として現れるため、同一の周波数帯域で同時に送受信を行うことができない。そのため、特定UEが特定サブフレームでディスカバリー信号を送信していると、当該サブフレームで共に送信される他のUEのディスカバリー信号を受信することができない。
【0057】
特定UEが自身のディスカバリー信号を送信しながら他のUEのディスカバリー信号を受信するには、全体ディスカバリーサブフレームを二つのサブセットに分割し、一つのサブセットではディスカバリー信号の送信動作を、もう一つのサブセットではディスカバリー信号の受信動作を行わなければならない。この場合、特定UEがディスカバリー信号を送信するサブセットが他のUEがディスカバリー信号を送信するサブセットと一致すると、両UEは互いのディスカバリー信号を検出する機会を得ることができず、その結果として、両UE間の直接通信の可否を判別することが不可能になる。
【0058】
このような問題を解決するために、本発明では、ディスカバリー信号の送信リソースとして指定された領域で各UEが自身のディスカバリー信号を送信するか或いは他のUEのディスカバリー信号を受信するかをランダムに決定することによって、互いに異なるUEがディスカバリー信号の送受信を同一に設定する場合が発生しないように動作することを提案する。
【0059】
図10は、本発明の実施例によって複数のUEにディスカバリー信号の送受信時点をランダムに割り当てた例を示す図である。
図10を参照すると、3個のUEがランダムに送受信動作を行うことによって、全てのUEが他のUEの信号を受信できる時点が少なくとも一回は存在することがわかる。
【0060】
より具体的には、UEごとにランダムにディスカバリー信号送受信を決定する動作であって、各UEは、毎ディスカバリーサブフレームでランダムなイベントを発生させ、Pの確率で送信動作を、(1−P)の確率で受信動作を行うことができる。ここで使用する確率値Pは、eNBが決定して知らせることができ、好ましくは、ディスカバリーサブフレームを指定するメッセージと共に端末ディスカバリーに参加するUEに放送することができる。
【0061】
また、上記の確率値Pは、端末ディスカバリーに参加するUEの数によって変更可能としてもよい。一例として、少ない数のUEが参加すると、各UEが受信すべきディスカバリー信号の個数も少ないはずであるため、より多いサブフレームでディスカバリー信号の送信を行って端末ディスカバリーを早期に終えることが有利である。多い数のUEが参加すると、各UEが受信すべきディスカバリー信号の個数が多いはずであるため、所望のUEを全て一定時間内に発見するには、より多いサブフレームでディスカバリー信号の受信動作を行わなければならない。
【0062】
また、UEが端末ディスカバリーを通して行うサービスの種類によって異なる確率値が与えられてもよい。一例として、近接している不特定多数のUEに広告などのメッセージを送信するUEであれば、他のUEのディスカバリー信号を受信する必要性は低く、自身のディスカバリー信号を送信することがより重要である。そのため、上記確率Pが相対的に高い方が好ましい。一方、特定のUEと一対一通信を行おうとするUEは、自身のディスカバリー信号を送信することだけでなく、対象となるUEの信号を受信することも重要であるため、上記確率Pが相対的に低いことが好ましい。そのために、端末ディスカバリーに参加するUEは、サービスタイプやUE IDなどによって複数のグループに分割し、各グループで使用する確率値Pを別々に設定することができる。特に、他のUEからの信号は受信せず、自身の信号のみを放送するUEの場合は、他のUEのディスカバリー信号を受信する必要がないことがあり、この種のUEには上記確率値Pが1に設定されてもよい。
【0063】
一方、上述の確率値Pは、送受信動作の選択によって変更可能としてもよい。例えば、特定UEが特定ディスカバリーサブフレームで送信動作を行ったとすれば、その次のディスカバリーサブフレームではより高い確率で受信動作を行うことが、すなわち、送信動作を行う確率を減らすことが、当該UEが他のUEを検出する時間を減らすのに役立つだろう。
【0064】
したがって、n番目のディスカバリーサブフレームで使用する確率値がP(n)と与えられるとき、n番目のディスカバリーサブフレームで送信動作を行った以降には確率値Pを、P(n+1)=P(n)×a(但し、0<a<1)或いはP(n+1)=P(n)+a(但し、a<0)のように更新し、(n+1)番目のディスカバリーサブフレームでの送受信動作を決定することができる。同様に、n番目のディスカバリーサブフレームで受信動作を行った場合は、(n+1)番目のサブフレームでは送信を行うことが他のUEの検出に役立つはずであり、P(n+1)=P(n)×b(但し、b>1)或いはP(n+1)=P(n)+b(但し、b>0)のような形態に更新することができる。
【0065】
上記更新された確率値Pが過度に大きくなったり小さくなることを防止するために、上限及び/又は下限を与えることもできる。
【0066】
上述した動作によって送受信を決定すると、複数のディスカバリーサブフレームで連続して送信或いは受信の動作を行う場合が発生し、端末ディスカバリーのレイテンシ(latency)が増加する等の問題が生じうる。これを防止するために、連続したディスカバリー信号の送信或いは受信に対する上限値を定義することができる。一例として、特定UEがN
T個のディスカバリーサブフレームで連続して送信を行った場合は、その次のディスカバリーサブフレームでは上記確率に関係なく受信動作を行うようにする。
【0067】
同様に、特定UEがN
R個のディスカバリーサブフレームで連続して受信を行った場合は、その次のディスカバリーサブフレームでは上記確率に関係なく送信動作を行うようにする。上記のN
T及びN
Rのような値はeNBでシグナルすることができる。
【0068】
他の方式としては、各UEは連続したディスカバリーサブフレームN個内で一定回数以上のディスカバリー信号送信或いは受信動作を行うように規定されてもよい。一例として、各UEはN個の連続したディスカバリーサブフレームのうち少なくとも1箇所では送信動作を行うように規定されてもよい。
【0069】
UEごとにランダムにディスカバリー信号送受信を決定する動作の他の例として、各UEは、UE IDやサービスタイプなどによって決定される0と1で構成された擬似ランダムシーケンスを生成し、当該シーケンスのn番目の数字が0であれば送信(或いは受信)を、1であれば受信(或いは送信)を行うことができる。例えば、擬似ランダムシーケンスが[10110]と与えられた場合、当該UEは一番目、三番目、四番目のディスカバリーサブフレームではディスカバリー信号の受信を、二番目と五番目のディスカバリーサブフレームではディスカバリー信号の送信を行う。
【0070】
このような動作を行うに当たって、UEは、特定の基準時点をおき、該基準時点から現れるディスカバリーサブフレームに順次に上記擬似ランダムシーケンスを適用してディスカバリー信号の送受信動作を決定することができる。特に、上記基準時点は、システムフレーム番号(system frame number)が0となる無線フレーム(radio frame)の最初のサブフレームと指定することができる。
【0071】
その変形として、UEは、一つの基準擬似ランダムシーケンスを有する場合、この基準シーケンスを、UE ID、サービス種類及びセルIDなどによって決定されるオフセットだけ遷移(shift)させて得られたシーケンスに基づき、各ディスカバリーサブフレームにおけるディスカバリー信号の送受信を決定することもできる。もちろん、eNBはいかなる基準シーケンスが用いられるかをシグナルすることができる。
【0072】
上述した実施例に係る動作でも、特定UEが連続して送信動作又は受信動作のいずれか一方のみを行うことは好ましくない。これを防止するために、あるUEが連続してディスカバリー信号の送信を行うディスカバリーサブフレームの個数や連続してディスカバリー信号の受信を行うディスカバリーサブフレームの個数に上限を与えてもよい。
【0073】
一例として、特定UEがN
T個のディスカバリーサブフレームで連続してディスカバリー信号の送信を行った場合には、その次のディスカバリーサブフレームでは上記擬似ランダムシーケンスに関係なくディスカバリー信号の受信動作を行うようにする。同様に、特定UEがN
R個のディスカバリーサブフレームで連続してディスカバリー信号の受信を行った場合は、その次のディスカバリーサブフレームでは上記擬似ランダムシーケンスに関係なくディスカバリー信号の送信動作を行うようにする。上記のN
T及びN
Rのような値は、eNBでシグナルすることができる。或いは、上記擬似ランダムシーケンスを生成する時点で一定個数の0や1が反復して現れると、その次のシーケンス値は反対の値が現れるように設定されてもよい。
【0074】
さらに、上記擬似ランダムシーケンスを生成するに当たっても、各UEの送受信動作確率をeNBで調節することができる。具体的には、eNBが上述の確率PのようなパラメータをUEに伝達し、このパラメータを上記擬似ランダムシーケンスを生成する入力値として用いるが、このとき、P値が高いほど、より多い0が生成されるように、すなわち、より多いディスカバリーサブフレームでディスカバリー信号の送信動作を行うようにシーケンス生成器(generator)を構成することができる。
【0075】
上記ディスカバリー信号の送受信動作の選択のうち、ディスカバリー信号の送信動作は、他のUEが迅速に当該UEを発見できるようにすることによって、バッテリー消耗を減らすことに主な目的がある。そのため、特定ディスカバリーサブフレームでディスカバリー信号の送信動作を規定する場合、当該UEが必ず自身のディスカバリー信号を送信するように規定することができる。一方、他のUEのディスカバリー信号を受信する動作は、各UEが使用するサービスの種類などによってその必要性が異なることがあり、必ずディスカバリー信号の受信動作を行う必要がない場合もある。
【0076】
例えば、特定UEが特定ディスカバリーサブフレームでディスカバリー信号の受信動作を行うように決定されたが、既に所望のUEを発見した場合のように、当該UEが他のUEのディスカバリー信号を受信する必要がないと、ディスカバリー信号受信動作を行わないことで自身のバッテリー消耗を減らしてもよく、或いは他のUEが自身をより迅速に発見できるように自身のディスカバリー信号を送信するように動作してもよい。
【0077】
換言すれば、UEがディスカバリー信号を送信するように決定された場合には必ず送信動作を行わなければならないが、他のUEのディスカバリー信号を受信するように決定された場合は、ディスカバリー信号を受信するために当該サブフレームを使用できるという意味に過ぎず、実際にUEが行う動作には制約がないように規定することができる。すなわち、上述したディスカバリー信号送信サブフレームは、各UEがディスカバリー信号を送信しなければならない最小限のサブフレームと解釈することができる。
【0078】
また、
図9で説明した通り、一つのサブフレームが複数のディスカバリーパートに分割される場合、UEは、上述した実施例を各ディスカバリーパートごとに適用することができる。すなわち、各ディスカバリーパートごとに一定の確率でディスカバリー信号の送信/受信を決定したり、特定のシーケンスによって各ディスカバリーパートでディスカバリー信号の送信/受信を決定することができる。
【0079】
或いは、各サブフレームで少なくとも一回ディスカバリー信号の送信を行うか否かを一定の確率又は特定のシーケンスによって決定すると共に、ディスカバリー信号の送信を行うように決定されたサブフレーム内の各ディスカバリーパートでさらにディスカバリー信号の送信或いは受信を一定の規則に従って行うこともできる。
【0080】
すなわち、特定の第1のUEが特定サブフレームでディスカバリー信号を送信するように決定された場合、当該第1のUEは当該サブフレーム内の一部のディスカバリーパートでのみディスカバリー信号を送信する。もし、第2のUEが当該サブフレームでディスカバリー信号を送信するように決定された場合は、第2のUEがディスカバリー信号を送信するディスカバリーパートは、第1のUEのディスカバリーパートと少なくとも1箇所では異なるようにすることができる。これは、両UEが一つのサブフレーム内の異なった時点でディスカバリー信号を送信することによってお互いを発見できるようにするためである。第3のUEが当該サブフレームでディスカバリー信号を送信しないように決定された場合は、第3のUEは当該サブフレームでディスカバリー信号受信動作のみを行うため、他のUEを迅速に発見することが可能になる。
【0081】
このように、ディスカバリーサブフレームとディスカバリーパートといった二重的な構造によれば、一つのディスカバリーサブフレームで共通に送信を行う一連のUEグループが生成される。
【0082】
図11は、本発明の実施例によってディスカバリーサブフレーム及びディスカバリーパートで構成される二重リソース構造を例示する図である。
【0083】
図11を参照すると、時間領域で4個のディスカバリーサブフレームが定義されており、全体UEを4個のUEグループに分割し、各グループでは一つのディスカバリーサブフレームにおける信号送信を行うことがわかる。このような場合、特定ディスカバリーサブフレームで特定UEグループがディスカバリー信号を送信すると、残り3個のUEグループでは受信動作のみを行うから、当該送信UEグループ内の全UEのディスカバリー信号を検出することが可能になる。同一UEグループ間のディスカバリー信号検出は、互いに異なるUEが少なくても一つのディスカバリーパートで送信を行うことによってなる。
【0084】
このようなディスカバリーサブフレームとディスカバリーパートの二重構造は、特に、端末間直接通信を行うUEの個数によって全体ディスカバリーリソースを流動的に調節できるという長所がある。一例として、T時間ごとに一回のディスカバリーサブフレームを構成できる場合、端末間直接通信を行うUEの個数が少ないため一つのディスカバリーサブフレームでも十分であれば、全体UEグループ個数を一つに設定することができる。そのため、全てのUEが同一のディスカバリーサブフレームでディスカバリー信号を送信するように動作でき、この場合、単一ディスカバリーサブフレーム内で各UEの送信ディスカバリーパートを適切に決定することによって、T時間以内に全てのUEを発見する機会ができる。
【0085】
一方、端末間直接通信を行うUEの個数が多いため、一つのディスカバリーサブフレームでは足りないと、UEをL個のUEグループに分割し、各UEグループがL×T時間に一回ずつディスカバリー信号を送信するように動作でき、この場合、全てのUEを発見するためにかかる時間は増加する。勿論、上述した方式によって各サブフレームでUEグループがディスカバリー信号を送信するか否かは、確率的に定められてもよく、UEグループIDから決定される特定のシーケンスの形態を表してもよい。
【0086】
このような流動的な動作のために、eNBは、システム情報(system information)或いはRRCのような上位層信号を用いて全体UEグループの個数を知らせることができる。これは、各UEグループが交互に一つのディスカバリーサブフレームを占めながら一回ずつディスカバリー信号を送信する場合には、各UEにとっていくつのディスカバリーサブフレームに一回ずつディスカバリー信号を送信できるかを知らせることに相当する。また、各UEは、事前に定められた規則によって自身がどのUEグループに属するかが把握できなければならないが、一例として、自身のIDをUEグループの個数で割った余りを、自身の現在属するUEグループのインデックスと見なすことができる。この場合、特定UEを発見しようとするUEは、当該UEの属しているUEグループのID及び当該UEがディスカバリー信号を送信するディスカバリーサブフレームの位置を把握でき、当該ディスカバリーサブフレームでのみディスカバリー信号の検出を試みればいいため、バッテリーをより效率的に使用することが可能になる。
【0088】
より具体的には、下記の式1のように、UE IDをパラメータY
mに変換することができる。また、パラメータY
mをLで割った余りをUEグループインデックスとすることができる。下記の式1で、AとDは、事前に定められた定数値である。
【0090】
上述したディスカバリーサブフレームとディスカバリーパートの二重構造において特定UEが特定サブフレームでディスカバリー信号を送信するように設定された場合には、一定確率によって或いはUEのIDなどから決定されるシーケンスによって、各ディスカバリーパートでの送信を行うか否かを決定することができる。また、一つのディスカバリーパートにおいても、周波数やコードなどのリソース分割がなされる場合、あるリソースを用いてディスカバリー信号の送信を行うか否かも、一定確率によって或いはUEのIDなどから決定されるシーケンスによって決定することができる。
【0091】
このような二重構造は、ディスカバリーサブフレームグループ及びディスカバリーサブフレームで構成されてもよい。すなわち、一つのUEグループが一つのサブフレームグループで送信を行うが、そのグループ内では互いに異なるUEが互いに異なるサブフレームで送信を行う形態で具現されてもよい。
【0092】
以上で説明した動作は、複数のサブフレームをまとめて一つのディスカバリーフレームとし、さらに一つのディスカバリーフレームを複数のディスカバリーパートに分割する場合にも、当該ディスカバリーフレーム単位或いはディスカバリーパート単位にUEが送信を行うか否かを決定する動作にも適用可能である。
【0093】
UE IDを時間によって変化するパラメータY
mに変換し、これに基づき、ディスカバリー信号を送受信するか否かを決定する動作は、UEグループインデックスを計算する場合だけでなく、その他の目的、すなわち、ディスカバリー信号送信リソースの位置(例えば、複数のディスカバリー信号が周波数領域で分離される場合、周波数領域での位置、或いは複数のディスカバリー信号が同一周波数領域でシーケンスによって区別される場合にはシーケンスの種類を示すインデックス)やディスカバリー信号を送信するか否かを決定するシーケンスを定めるパラメータとして活用できる。
【0094】
また、時間を示すインデックスmも、パラメータY
mが変化する時間単位のインデックスを意味し、それに合わせて、ディスカバリーパートインデックス、サブフレームインデックス、無線フレームインデックス、或いは複数のディスカバリーパート、サブフレーム、無線フレームを一つにまとめた時間単位のインデックスなどに変更可能である。一例として、UEがディスカバリー信号を送信するリソースの位置或いは各時点で送信を行うか否かを、パラメータY
mから決定されるシーケンスによって決定する場合、mは、当該シーケンスがm番目に反復される時点を意味し、シーケンスが終了すると、mをm+1に更新し、再びパラメータY
m及びそれによるシーケンスを決定することによって、使用するリソースの位置或いは各時点で送信を行うか否かを、以前シーケンス周期とは異なるように設定する。これによって、単一UEが送信するディスカバリー信号の送信リソースの位置及び送信時点を時間によって可変させることによって、意図しない同一のリソース/時点で反復的に送信することになる問題を防止することができる。
【0095】
また、UE IDを時間によって変化するパラメータY
mに変換し、これに基づいてディスカバリー信号の送受信を行うか否かを決定する動作は、各UEが特定時点で一つの送信リソースのみを用いるように規定されてもよい。
【0096】
図12は、本発明の実施例によってディスカバリー信号の送信動作を行う例を示す図である。特に、
図12で、ディスカバリーラウンド(round)は、一つ以上のディスカバリー信号送信可能時点で構成された一連の時間領域を意味し、一つのディスカバリーラウンドで一つのUEは事前に指定された4回の時点で送信を行うと仮定した。
【0097】
図12の(a)では、UE IDからディスカバリー信号送信リソースの位置を決定し、毎ディスカバリーラウンドに同一位置で送信を行うが、
図12の(b)では、Y
mによって送信リソースの位置を決定することから、次のディスカバリーラウンドで送信するリソースの位置が変化する。ここで、mは、UEディスカバリーラウンドのインデックスと定義できる。すなわち、送信リソースの位置を決定するパラメータY
mが毎ディスカバリーラウンドのインデックス値によって変わるため、同一のUE IDから送信リソースの位置を決定する場合にも、実際に決定された送信リソースの位置はディスカバリーラウンドによって変化する。
【0098】
図12では、一つのディスカバリーラウンド内で特定UEが送信する時点のみを示しているが、当該ディスカバリーラウンド内では当該特定UEがディスカバリー信号を送信しない時点、すなわち、他のUEのディスカバリー信号を受信する時点も存在できる。また、一つのディスカバリーラウンド内で特定UEがディスカバリー信号を送信する時点は、ディスカバリーラウンドインデックスによって変わってもよい。すなわち、
図12で、一番目のディスカバリーラウンドにおける4個の送信時点と二番目のディスカバリーラウンドにおける4個の送信時点とが異なってもよい。
【0099】
或いは、UE IDを時間によって変化するパラメータY
mに変換し、これに基づいてディスカバリー信号の送受信を行うか否かを決定する場合に、各UEは、特定時点で複数の送信リソースから適切な一つを選択して使用するように規定されてもよい。
【0100】
図13は、本発明の実施例によってディスカバリー信号の送信動作を行う他の例を示す図である。
【0101】
図13の(a)の送信時点(transmit instance)#0を参照すると、リソース(resource)#0とリソース#1といった2つのリソースがUEのディスカバリー信号送信候補と決定され、当該UEは、適切な一つのリソースを選択して自身のディスカバリー信号を送信することができる。
図13では、説明の便宜のために、リソース#1を選択したと仮定する。
【0102】
このような、UEがディスカバリー信号を送信できるリソース候補は、
図13の(a)に示すように、一つのディスカバリーラウンド内でその位置を移しながら、ディスカバリーラウンドごとに反復されるパターンを有することができる。或いは、
図13の(b)に示すように、互いに異なるディスカバリーラウンドでは互いに異なるリソースに位置するように設定されてもよい。
【0103】
UEは毎送信時点ごとに複数の候補から一つのリソースを選択してディスカバリー信号を送信するが、その基準としては、最も干渉レベルの低い候補を選択するか、一定レベル以下の干渉が観察された候補から一つを任意に選択する等の動作が可能である。また、一つのディスカバリー信号送信時点で現れる複数の候補は、連続して配置されてもよく、或いは可能な限り最大限に離隔しているリソースから一つを選択するために、全体リソース領域で複数の候補が均一に分散するように一定の間隔で配置されてもよい。
【0104】
例えば、R個のリソースに対してM個の候補を均一に分散しようとする場合、i番目の候補の位置は、次の式2のように表現することができる。
【0106】
上記の式2で、aは、候補の位置を決定するパラメータであって、事前に一定の規則によって導出することができる。
【0107】
以下では、UE ID或いはそれから導出されたパラメータによって各ディスカバリー信号送受信時点で送信を行うか否かを決定するシーケンスを生成する具体的な例を説明する。ただし、説明の便宜のために、一つのディスカバリーサブフレームは、
図9に示したように複数のディスカバリーパートに分割されたと仮定する。
【0108】
そして、
図12で説明した通り、複数のディスカバリーサブフレームをまとめて一つのディスカバリーラウンドを形成すると仮定する。特に、一つのディスカバリーサブフレームは0からN-1までのインデックスを有するN個のディスカバリーパートで構成され、一つのUEは一つのディスカバリーサブフレームではN個のうち一つのディスカバリーパートで信号を送信すると仮定する。また、一つのディスカバリーラウンドはK個のディスカバリーサブフレームで構成されると仮定し、ディスカバリーサブフレームにおけるディスカバリーパートの個数に合わせるために、K=Nと定義してもよい。
【0109】
このような仮定下で、UEグループをL個形成した場合、同一UEグループに属するUEは、一つのディスカバリーラウンド内では同一のディスカバリー信号送信シーケンスを有する。UEの属するUEグループのインデックスは、UE IDから誘導されてもよく、或いは上述したパラメータY
mから誘導されてもよい。この場合、mは、ディスカバリーラウンドのインデックスを表す。
【0110】
一例として、UEグループインデックスlは、UE IDやY
mをUEグループの個数Lで割った余りと与えることができる。他の一例として、UE IDやY
mが設定される数字の領域が0からQ-1までであるとするとき、連続する数字Q/L個を同一のUEグループに置いてもよい。具体的には、UEグループインデックスlは、下記の式3のように表現できる。
【0112】
上記の式3で、Y
mに代えてUE ID値を入力してもよく、Q/Lが整数にならない場合、床関数や天井関数を取り、この値でY
m又はUE ID値を割った後、切り捨て値を取ってもよい。その他にも様々な方法でUE IDやY
mのようなパラメータからUEグループインデックスを導出してUEグループを形成してもよい。
【0114】
この過程によって、L個のUEグループが一番目のディスカバリーサブフレームにあるN個のディスカバリーパートに均一に分布してディスカバリー信号を1回送信し、各UEは、自身と共に送信したUEグループを除く残りUEグループの信号を1回ずつ受信することが可能になる。
【0115】
図14は、本発明の実施例によってディスカバリー信号を送信する方法を説明する図である。特に、
図14は、UEグループが20個存在し、UEグループをN=5個の集合とし、一番目のディスカバリーサブフレームにおける動作を示す図である。
【0116】
図14で、四角形中の各数字は、当該ディスカバリーパートでディスカバリー信号を送信するUEグループのインデックスを意味する。すなわち、ディスカバリーパート#0ではUEグループ#0、UEグループ#1、UEグループ#2及びUEグループ#3が共にディスカバリー信号を送信することがわかる。
【0117】
また、次のディスカバリーサブフレームで各UEグループは、ディスカバリー信号を送信するディスカバリーパートのインデックスを変更し、以前のディスカバリーサブフレームで同時に送信したUEグループとは異なる時点に送信するように動作する。この過程によって、同時にディスカバリー信号を送信することから、お互いのディスカバリー信号を受信することができなかった他のUEグループのディスカバリー信号を受信する機会ができる。特に、特定ディスカバリーサブフレームでディスカバリー信号の送信に使用するディスカバリーパートの位置は、以前のディスカバリーサブフレームでディスカバリー信号の送信に使用した位置からUEグループインデックスの関数で与えられる値だけ移動した位置を使用することによって、互いに異なるUEグループが互いに異なる位置でディスカバリー信号を送信することができる。
【0118】
図15は、本発明の実施例によってディスカバリー信号を送信する方法を説明する他の図である。特に、
図15は、
図14の次のディスカバリーサブフレームで各UEグループが信号を送信するディスカバリーパートを示している。
【0119】
図15を参照すると、次のディスカバリーサブフレームでディスカバリー信号を送信するディスカバリーパートの位置を、UEグループインデックス#lをRで割った余りだけ移動したことがわかり、ここで、パラメータR=L/Nは、ディスカバリーパートで同時に送信するUEグループの個数を示す。パラメータRは、一つのディスカバリーパートで同時に送信するUEグループの個数を調節する目的に、eNBが適切に調節してRRC層シグナリング又はシステム情報などを通してUEに伝達することができる。
【0120】
特に、一つのディスカバリーパートで同時にディスカバリー信号を送信するR個のUEグループは、次のディスカバリーサブフレームのN個のディスカバリーパートを互いに排他的に占有することによって、相互間の信号を受信することが可能になる。したがって、RをNと固定する方法も可能である。
【0121】
図15で、以前のディスカバリーサブフレームでディスカバリーパート#nを用いて送信したUEグループ#lの場合、当該ディスカバリーサブフレームで使用するディスカバリーパートのインデックスは、下記の式4のように示すことができる。
【0123】
図15は、
図14の次のディスカバリーサブフレームで各UEグループが信号を送信するディスカバリーパートを示すもので、このようなディスカバリーパートの移動の結果、ディスカバリーサブフレーム#1では、ディスカバリーパート#0で送信するUEグループのインデックスが0、17、14、11に変わったことがわかる。したがって、ディスカバリーサブフレーム#0において同一ディスカバリーパートで送信したUEグループは、ディスカバリーサブフレーム#1では互いに異なる位置で送信するようになる。このような動作を複数のディスカバリーサブフレームで反復することができる。
【0124】
図16は、本発明の実施例によってディスカバリー信号を送信する方法を説明する更に他の図である。特に、
図16は、ディスカバリーサブフレーム#2、#3及び#4における動作を示している。
【0125】
図16を参照すると、N個のディスカバリーサブフレームを経ると再び一番目のディスカバリーサブフレームと同一の送信シーケンスを有するため、一つのディスカバリーラウンドをN個のディスカバリーサブフレームと定義することができる。
【0126】
以上の動作をまとめると、UEグループ#lがディスカバリーサブフレーム#kで送信するディスカバリーパートインデックス#nは、下記の式5のように表現できる。
【0128】
式5で、R=L/Nは、一つのディスカバリーパートで同時に送信するUEグループの個数を表すパラメータである。
【0129】
また、ディスカバリーサブフレームのインデックス#kとディスカバリーパートのインデックス#nを結合して一つのインデックスn’=N・k+n(但し、n’=0,1、....、K・N)を定義すると、UEグループ#lがディスカバリー信号を送信する時点は、下記の式6のように表現できる。
【0131】
上述した内容を、0と1で構成されるバイナリシーケンスで説明すると、ディスカバリーパートインデックス#n’では1であり、残りでは0となるシーケンスが現れ、当該シーケンス値が1に該当するディスカバリーパートで信号を送信する形態で動作できる。
【0134】
この動作をより一般化すると、ディスカバリーサブフレームのインデックス#kとディスカバリーパートインデックス#nを結合して一つのインデックスn’=N・k+n(但し、n’=0,1、...、K・N)を定義すると、UEグループ#lがディスカバリー信号を送信する時点は、下記の式7のように表現できる。
【0136】
式7で、R=L/Nは、ディスカバリーパートで同時に送信するUEグループの個数を表し、p(x)は、Nと互いに素となるx番目の自然数を示す関数であって、p(0)は0の値を有する。例えば、Nが6の場合、p(0)=0、p(1)=1、p(2)=3及びp(3)=5となり、この場合、2及び4はN=6と互いに素でないため、p(x)値から排除された。また、Nが9の場合、p(0)=0、p(1)=1、p(2)=2、p(3)=4、p(4)=5、p(5)=7及びp(6)=8となり、N=9と互いに素でない3及び6は、p(x)値から排除された。Nが素数である場合にはp(x)=xと与えられる。
【0139】
また、ディスカバリーサブフレームのインデックス#kとディスカバリーパートインデックス#nを結合して一つのインデックスn’=N・k+nを定義すると、UEグループ#lがディスカバリー信号を送信する時点は、下記の式9のように表現できる。
【0141】
上記の式9で、ディスカバリーパート位置の移動値v(l、k)も、UEグループの個数L又は同時に送信するUEグループの個数Rなどによって決定することができる。
【0144】
他の例として、ディスカバリーサブフレーム当たりディスカバリーパートの個数Nが2の指数に制限される場合には、w(x)は、奇数のシーケンスで表されてもよく、このときも、Nとw(x)は常に互いに素となる性質が維持される。ここで、上述した原理によって、0と1は常にディスカバリーサブフレーム当たりディスカバリーパートの個数Nと互いに素とされてw(x)に含まれてもよい。勿論、ディスカバリーサブフレーム#0における送信位置も、より一般的な関数の形態z(l)となり得、この場合、ディスカバリー信号を送信する時点は、下記の式10のように表現できる。
【0146】
図17は、本発明の一実施例に係る通信装置のブロック構成図である。
【0147】
図17を参照すると、通信装置1700は、プロセッサ1710、メモリー1720、RFモジュール1730、ディスプレイモジュール1740、及びユーザインターフェースモジュール1750を備えている。
【0148】
通信装置1700は、説明の便宜のために例示されたもので、一部のモジュールは省略されてもよい。また、通信装置1700は、必要なモジュールをさらに備えてもよい。また、通信装置1700において、一部のモジュールはより細分化したモジュールにしてもよい。プロセッサ1710は、図面を参照して例示した本発明の実施例に係る動作を実行するように構成される。具体的には、プロセッサ1710の詳細な動作は、
図1乃至
図16に記載された内容を参照されたい。
【0149】
メモリー1720は、プロセッサ1710に接続し、オペレーティングシステム、アプリケーション、プログラムコード、データなどを格納する。RFモジュール1730は、プロセッサ1710に接続し、基底帯域信号を無線信号に変換したり、無線信号を基底帯域信号に変換する機能を担う。そのために、RFモジュール1730は、アナログ変換、増幅、フィルタリング及び周波数アップ変換、又はこれらの逆過程を行う。ディスプレイモジュール1740は、プロセッサ1710に接続し、様々な情報をディスプレイする。ディスプレイモジュール1740は、次に制限されるものではないが、LCD(Liquid Crystal Display)、LED(Light Emitting Diode)、OLED(Organic Light Emitting Diode)のような周知の要素を用いることができる。ユーザインターフェースモジュール1750は、プロセッサ1710に接続し、キーパッド、タッチスクリーンなどのような周知のユーザインターフェースの組合せで構成することができる。
【0150】
以上説明してきた実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定形態に結合したものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施することもでき、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部K構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に取り替わってもよい。特許請求の範囲において明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正によって新しい請求項として含めたりしてもよいことは明らかである。
【0151】
本発明に係る実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現することができる。ハードウェアによる具現では、本発明の一実施例は、一つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0152】
ファームウェアやソフトウェアによる具現では、本発明の一実施例は、以上で説明された機能又は動作を実行するモジュール、手順、関数などの形態として具現されてもよい。ソフトウェアコードは、メモリーユニットに記憶され、プロセッサにより駆動可能である。メモリーユニットは、プロセッサの内部又は外部に設けられ、公知の様々な手段によってプロセッサとデータを交換することができる。
【0153】
本発明は、本発明の特徴から逸脱しない範囲で別の特定の形態に具体化されてもよいことが当業者にとっては自明である。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的な解釈によって決定しなければならず、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。