(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6352283
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】騒音軽減区分と高容積流区分との間に不感帯を有しない弁ケージ
(51)【国際特許分類】
F16K 47/02 20060101AFI20180625BHJP
F16K 3/24 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
F16K47/02 K
F16K3/24 A
【請求項の数】21
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-540763(P2015-540763)
(86)(22)【出願日】2013年10月31日
(65)【公表番号】特表2015-533409(P2015-533409A)
(43)【公表日】2015年11月24日
(86)【国際出願番号】US2013067672
(87)【国際公開番号】WO2014070977
(87)【国際公開日】20140508
【審査請求日】2016年10月26日
(31)【優先権主張番号】61/721,773
(32)【優先日】2012年11月2日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/023,695
(32)【優先日】2013年9月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591055436
【氏名又は名称】フィッシャー コントロールズ インターナショナル リミテッド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100113608
【弁理士】
【氏名又は名称】平川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100123319
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 武彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175190
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 裕明
(72)【発明者】
【氏名】フォンテーヌ,マイク
(72)【発明者】
【氏名】グッドウィン,ジャスティン ポール
(72)【発明者】
【氏名】クロンプトン,ジョシュア チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】マックレガー,アーロン スティーブン
【審査官】
加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】
特開平04−211782(JP,A)
【文献】
特開昭62−188865(JP,A)
【文献】
実開昭62−154203(JP,U)
【文献】
国際公開第2011/118863(WO,A1)
【文献】
特表2001−519870(JP,A)
【文献】
国際公開第01/031242(WO,A1)
【文献】
特開平08−320003(JP,A)
【文献】
特表2002−540362(JP,A)
【文献】
特開平11−248033(JP,A)
【文献】
特開昭51−128030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 47/00−47/16
F16K 1/00− 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動制御装置のための弁ケージであって、
少なくとも1つの円筒内面および少なくとも1つの円筒外面を有する中空円筒体と、
前記中空円筒体の騒音軽減区分であって、前記円筒内面または前記円筒外面に形成された複数の入口開口部と、前記円筒内面および前記円筒外面のうちの他方に形成された複数の出口開口部と、前記入口開口部と出口開口部との間に延在する複数の蛇行流路とを含む、騒音軽減区分と、
前記騒音軽減区分に軸方向に隣接して配置された前記中空円筒体の高容積流区分であって、第1の軸端、第2の軸端、および前記高容積流区分を中心として円周方向にかつ前記第1の軸端と前記第2の軸端との間に離間した複数の一次流開口部を備える、高容積流区分と、
前記騒音軽減区分と前記高容積流区分の前記第2の軸端との間の境界面で画定される前記中空円筒体の移行区分であって、前記移行区分が、前記円筒外面と前記円筒内面との間に半径方向に延在する複数の移行開口部を含み、流動制御装置内に実装される時に、前記移行区分が、弁ケージに、前記騒音軽減区分と高容積流区分との間の不感帯を提供しないように、それぞれの移行開口部が前記高容積流区分の前記第2の軸端に凹部を含む、移行区分と、を備え、
前記移行開口部が、前記中空円筒体の前記軸方向で前記一次流開口部のうちの少なくともいくつかと重なる、
流動制御装置のための弁ケージ。
【請求項2】
前記一次流開口部が円形開口部であり、前記移行開口部が円形開口部の部分である、請求項1に記載の弁ケージ。
【請求項3】
前記一次流開口部が細長いスロットであり、前記移行開口部が細長いスロットの部分である、請求項1または2に記載の弁ケージ。
【請求項4】
前記細長いスロットおよび前記細長いスロットの部分が、前記中空円筒体の軸方向に延在する長手寸法を有する、請求項3に記載の弁ケージ。
【請求項5】
前記騒音軽減区分を前記高容積流区分に連結する1つ以上の締結具をさらに備える、請求項1から4のいずれか1項に記載の弁ケージ。
【請求項6】
前記締結具のそれぞれが、前記騒音軽減区分を介して軸方向に延在し、前記高容積流区分を螺合係合する、請求項5に記載の弁ケージ。
【請求項7】
前記騒音軽減区分が、前記入口開口部、前記出口開口部、および前記蛇行流路を集合的に画定する複数の積層ディスクを備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の弁ケージ。
【請求項8】
前記騒音軽減区分が、およそ10%、およそ20%、およそ30%、およそ40%、およそ50%、およそ60%、およそ70%、およそ80%、およびおよそ90%から成る群から選択される、前記中空円筒体の軸方向の全長の所定のパーセントを含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の弁ケージ。
【請求項9】
前記騒音軽減区分が、前記中空円筒体の全長のおよそ60%を含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の弁ケージ。
【請求項10】
流動制御装置であって、
入口、出口、および前記入口と前記出口との間に配置されたギャラリーを画定する、弁本体と、
前記ギャラリー内に載置された弁ケージと、
前記弁本体を介する流体の流れを制御するために前記弁ケージ内に摺動可能に配置された、制御部材と、を備え、
前記弁ケージが、
少なくとも1つの円筒内面および少なくとも1つの円筒外面を有する中空円筒体と、
前記中空円筒体の騒音軽減区分であって、前記円筒内面または前記円筒外面に形成された複数の入口開口部と、前記円筒内面および前記円筒外面のうちの他方に形成された複数の出口開口部と、前記入口開口部と出口開口部との間に延在する複数の蛇行流路とを含む、騒音軽減区分と、
前記騒音軽減区分に軸方向に隣接して配置された前記中空円筒体の高容積流区分であって、第1の軸端、第2の軸端、および前記高容積流区分を中心として円周方向にかつ前記第1の軸端と第2の軸端との間に離間した複数の一次流開口部を備える、高容積流区分と、
前記騒音軽減区分と前記高容積流区分の前記第2の軸端との間の境界面で画定される前記中空円筒体の移行区分であって、前記移行区分が、前記円筒外面から前記円筒内面まで半径方向に延在する複数の移行開口部を含み、流動制御装置内に実装される時に、前記移行区分が、弁ケージに、前記騒音軽減区分と高容積流区分との間の不感帯を提供しないように、それぞれの移行開口部が前記高容積流区分の前記第2の軸端に凹部を含む、移行区分と、を備え、
前記移行開口部が、前記中空円筒体の前記軸方向で前記一次流開口部のうちの少なくともいくつかと重なる、
流動制御装置。
【請求項11】
前記一次流開口部が円形開口部であり、前記移行開口部が円形開口部の部分である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記一次流開口部が細長いスロットであり、前記移行開口部が細長いスロットの部分である、請求項10または11に記載の装置。
【請求項13】
前記細長いスロットおよび前記細長いスロットの部分が、前記中空円筒体の軸方向に延在する長手寸法を有する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記騒音軽減区分を前記高容積流区分に連結する1つ以上の締結具をさらに備える、請求項10から13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記締結具のそれぞれが、前記騒音軽減区分を介して軸方向に延在し、前記高容積流区分を螺合係合する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記騒音軽減区分が、前記入口開口部、前記出口開口部、および前記蛇行流路を集合的に画定する複数の積層ディスクを備える、請求項10から15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記騒音軽減区分が、およそ10%、およそ20%、およそ30%、およそ40%、およそ50%、およそ60%、およそ70%、およそ80%、およびおよそ90%から成る群から選択される、前記中空円筒体の軸方向の全長の所定のパーセントを含む、請求項10から16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
前記騒音軽減区分が、前記中空円筒体の全長のおよそ60%を含む、請求項10から17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記弁本体が上向流構成に配設される、請求項10から18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記弁本体が下向流構成に配設される、請求項10から19のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
流動制御装置であって、
入口、出口、および前記入口と前記出口との間に配置されたギャラリーを画定する、弁本体と、
前記ギャラリー内に載置された弁ケージと、
前記弁ケージの端に隣接して前記弁本体内に載置されたシートリングと、
前記弁ケージ内に摺動可能に配置された制御部材であって、前記シートリングを封止係合する閉位置と、前記シートリングから離間された全開位置との間の変位のために適合されている、制御部材と、を備え、
前記弁ケージが、前記シートリングに隣接して配置された騒音軽減区分と、前記シートリングからの前記騒音軽減区分の反対に配置され、複数の一次流開口部を含む高容積流区分と、前記閉位置と前記全開位置との間の前記制御部材の移動の全範囲を通して連続的に変化する流容積を確実にする手段と、を含み、前記手段が、前記弁ケージの前記騒音軽減区分と前記高容積流区分との間の境界面に配置された連続的に変化する流容積を確実にし、複数の移行開口部を含み、
前記移行開口部が、中空円筒体で前記一次流開口部のうちの少なくともいくつかと重なる、
流動制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、摺動ステム流動制御装置に関し、より具体的には、摺動ステム流動制御装置のためのトリム部品に関する。
【背景技術】
【0002】
プロセス制御産業において、多くのプロセス用途が、容認できないレベルの騒音を生じ得る。制御弁用途では、ケージ等の弁トリムは、様々な過酷な動作条件に遭遇し得る。例えば、液化天然ガス(LNG)供給用途では、大型の圧縮機を使用して、供給パイプライン中への投入の前に天然ガスを液相に加圧する。圧縮機の動作中、「サージ」として知られる潜在的に破壊的な条件が生じ得ることが知られている。圧縮機のサージ点は、概して、最小安定流における最大圧力が所与の圧縮機速度に対して達成され得る、動作点として定義される。
【0003】
サージ点以下での圧縮機の動作は、圧縮機サージを生じさせ得る不安定動作を引き起こし得る。例えば、圧縮機システムを介するガス流が減少するときの通常動作では、流体圧力は増加して流れを維持するが、サージ点近くで、圧縮機は、圧縮機を介してガス流を継続するのに十分なガスの運動量を付与することができず、ガス流を一時的に停止させる。流れが停止するとき、入口圧力は降下し、出口圧力は入口圧力よりも大きくなり得、それが、圧縮機内で逆流を引き起こす(すなわち、ガスは、出口から入口まで一時的に流れる)。逆流は、十分な圧力ヘッドがタービン入口で発達してサージ条件を克服するまで、維持される。圧縮機動作がサージ点の近くで継続するならば、サージ条件は繰り返し、プロセス条件が変化するまで繰り返しの逆流を引き起こすことになる。圧縮機サージに関連した逆流は圧縮機推力反転を生成し得、それが不安定な軸方向および半径方向の振動を引き起こし得ることにより、圧縮機を損傷して高レベルの騒音を生成し得る。
【0004】
圧縮機サージが生じて圧縮機を損傷するのを回避するために、耐サージシステムが圧縮機の周りに構築される。耐サージシステムが高容積耐サージ弁(すなわち、大流量および高圧力弁)を必要とすることが一般的に知られる。例えば、耐サージ弁は、22インチポートを有し、550psi圧力差で動作し得る。当業者は、これらの流れ条件が高質量流量を生成し得、それが大乱流を生じて容認できないレベルの騒音を生成し得ることを理解できる。望まれない騒音および損傷振動を防止するために、耐サージ弁は、また、騒音減衰流体圧力低減装置(例えば、騒音軽減トリム部品)に依存する。Fisher Controls International LLCから入手可能なWhisperflo(登録商標)トリム等の現在の騒音軽減トリム部品は、中空の中心と外周との間で複数の制限的通路を画定する多数の円環状板から形成された多段流体圧力低減設計を用いた弁ケージを含む。そのような装置は、低圧力、中圧力、および高圧力用途において最適な動作のために開発されてきた。
【0005】
いくつかの用途では、積層ディスクアセンブリが、関連流動制御要素の移動の全範囲を通しての騒音軽減および流体圧力低減を提供するように、積層ディスクアセンブリから構成された弁ケージ全体を有することが有益である。しかし、他の用途では、騒音軽減は、移動の一部分を通して必要とされるだけである。これらの状況では、弁ケージの全体が積層ディスクから構成されるとき、積層ディスクアセンブリは、実際には、制御弁の潜在的全流容積を低減する。
【発明の概要】
【0006】
本開示の一態様は、流動制御装置のための弁ケージを提供する。ケージは、概して、中
空円筒体と、騒音軽減区分と、高容積流区分と、移行区分とを備える。中空円筒体は、少なくとも1つの円筒内面および少なくとも1つの円筒外面を有する。騒音軽減区分は、円筒内面に形成された複数の入口開口部と、円筒外面に形成された複数の出口開口部と、入口開口部と出口開口部との間に延在する複数の蛇行流路とを有する。高容積流区分は、騒音軽減区分に軸方向に隣接して配置され、第1の軸端、第2の軸端、および高容積流区分を中心として円周方向にかつ第1の軸端と第2の軸端との間に離間した複数の一次流開口部を含む。最後に、移行区分は、騒音軽減区分と高容積流区分の第2の軸端との間の境界面で画定される。移行区分は、円筒外面と円筒内面との間に半径方向に延在する複数の移行開口部を含み、流動制御装置内に実装される時に、移行区分が、弁ケージに、騒音軽減と高容積流区分との間の不感帯を提供しないように、それぞれの移行開口部は高容積流区分の第2の軸端に凹部を含む。
【0007】
本開示の別の態様は、弁本体と、弁ケージと、制御部材とを含む流動制御装置を提供する。弁本体は、入口、出口、および入口と出口との間に配置されたギャラリーを画定する。弁ケージはギャラリー内に載置される。制御部材は、弁本体を介する流体の流れを制御するために弁ケージ内に摺動可能に配置される。弁ケージは、概して、中空円筒体と、騒音軽減区分と、高容積流区分と、移行区分とを備える。中空円筒体は、少なくとも1つの円筒内面および少なくとも1つの円筒外面を有する。騒音軽減区分は、円筒内面に形成された複数の入口開口部と、円筒外面に形成された複数の出口開口部と、入口開口部と出口開口部との間に延在する複数の蛇行流路とを有する。高容積流区分は、騒音軽減区分に軸方向に隣接して配置され、第1の軸端、第2の軸端、および高容積流区分を中心として円周方向にかつ第1の軸端と第2の軸端との間に離間した複数の一次流開口部を含む。最後に、移行区分は、騒音軽減区分と高容積流区分の第2の軸端との間の境界面で画定される。移行区分は、円筒外面と円筒内面との間に半径方向に延在する複数の移行開口部を含み、流動制御装置内に実装される時に、移行区分が、弁ケージに、騒音軽減と高容積流区分との間の不感帯を提供しないように、それぞれの移行開口部は高容積流区分の第2の軸端に凹部を含む。
【0008】
本開示のさらに別の態様は、弁本体と、弁ケージと、シートリングと、制御部材とを含む、流動制御装置を提供する。弁本体は、入口、出口、および入口と出口との間に配置されたギャラリーを画定する。弁ケージはギャラリー内に載置され、シートリングは弁ケージの端に隣接して弁本体内に載置される。制御部材は、弁ケージ内に摺動可能に配置され、シートリングを封止係合する閉位置と、シートリングから離間された全開位置との間の変位のために適合されている。弁ケージは、シートリングに隣接して配置された騒音軽減区分と、シートリングからの騒音軽減区分の反対に配置された高容積流区分と、閉位置と開位置との間の制御要素の移動の全範囲を通して連続的に変化する流容積を確実にする手段とを含む。連続的に変化する流容積を確実にするための手段は、弁ケージの騒音軽減区分と高容積流量区分との間の境界面に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の原理に従って構成された流動制御装置の断面側面図である。
【
図2】本開示の原理に従って構成された弁ケージの断面側面図である。
【
図3】
図2の弁ケージの1つの型の円筒外面の平面二次元図であり、概略的にその騒音軽減区分を図解する。
【
図4】
図2の弁ケージの別の型の円筒外面の平面二次元図であり、概略的にその騒音軽減区分を図解する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本開示の原理に従って構成された流動制御装置(例えば、制御弁)10を描写する。装置10は、弁本体12、トリムアセンブリ14、覆い16、および制御要素18
を含む。弁本体12は、入口22、出口20、および入口22と出口20との間に配置されたギャラリー24を含む。
図1では、例示の弁本体12は上向流構成に配設されるが、下向流構成にも配設され得る。示されるように、トリムアセンブリ14は、弁本体12のギャラリー24内に配置され、覆い16によってその中に固定される。制御要素18は、弁ステム24および弁プラグ26を含む。弁ステム24は、弁作動装置(図示せず)に結合されるように覆い16を介して延在して、弁プラグ26は、トリムアセンブリ14内に摺動可能に配置され、弁本体12を介して流体の流れを制御するために可動である。開示された型では、弁プラグ26は、弁プラグ26を介して流動を促進して、それによって平衡が保たれた弁プラグを提供するためのスルーホール28を含む。
【0011】
図1に描写された装置10のトリムアセンブリ14は、リテーナ30、弁ケージ32、およびシートリング34を含む。シートリング34は、ギャラリー24の底部で、弁本体12の肩部分36上に載置される。弁ケージ32は、シートリング34より上に配置され、リテーナ30は弁ケージ32より上に配置される。覆い16は、弁本体12内で、リテーナ30、弁ケージ32、およびシートリング34を保持する。
【0012】
図2を参照すると、本開示の弁ケージ32は、少なくとも1つの円筒内面42および少なくとも1つの円筒外面44を有する中空円筒体40を含む。その上、弁ケージ32は、騒音軽減区分36および高容積流区分38を有する二部品アセンブリを含む。描写された型では、騒音軽減区分36は、高容積流区分38の下に位置付けられ、複数の締結具64を用いてそれに連結される。具体的には、この型における複数の締結具64は、シートリング34内で開口部66を通して、その上で、騒音軽減区分36内で貫通孔68を通して延在し、高容積流区分38内で螺合開口部70内に螺合される。これは1つの例に過ぎず、他の型はそれと異なって構成され得る。
【0013】
現在開示された弁ケージ32の騒音軽減区分36は、複数の積層ディスク46を含む。積層して組み立てられるとき、描写されるように、弁ケージ32の騒音軽減区分36が、筒状本体40の円筒内面42内に形成された複数の入口開口部50、中空円筒体40の円筒外面44に形成された複数の出口開口部48、および入口開口部50と出口開口部48との間に延在する複数の蛇行流路Pを含むように、積層ディスク46は、概して、形が円環状で、傾斜がある。知られるように、入口開口部50は、概して、弁ケージ32の円筒内面42と円筒外面44との間で積層板によって形成された複数のプレナムチャンバ(図示せず)を経由して、出口開口部48のうちの1つ以上と流体連通し得る。そのように構成されたので、流路Pは、蛇行しており、プレナムチャンバにおける圧力低下、その後、出口開口部48における圧力上昇を生成するように設計され得、それによって、弁ケージ32の騒音軽減区分36を通過している流体に起因する騒音を低減する。騒音軽減区分36の円筒内面42における開口部50は、「入口」開口部であるとして本明細書において記載され、円筒外面44における開口部48は、「出口」開口部であると記載され、これは、単に、弁12の現在の型が上向流構成に配設されるものとして記載されているという理由からである。下向流構成に配設されるとき、開口部48は「入口」開口部として機能を果たし得、開口部50は「出口」開口部として機能を果たし得る。よって、「入口」および「出口」という用語は、任意の必要とされる動作構成を表さず、むしろ、様々な開口部の間で区別するように単に意図される。
【0014】
図2に描写された弁ケージ32の高容積流区分38は、上述のように、騒音軽減区分36より上に位置付けられ、第1の軸端52と、第2の軸端54と、複数の一次流開口部56とを有する1つの筒状形を含む。第1の軸端52は、例えば、
図1に示されたトリムアセンブリ14のリテーナ30を受容するための肩表面72、および平面円環状表面を含む終端表面74を含む。第2の軸端54は、後述するように、傾斜のある形を含む終端表面76を含む。
【0015】
一次流開口部56は、高容積流区分38を中心として円周方向に離間され、それぞれが第1の軸端52と第2の軸端54との間に位置付けられる。すなわち、一次流開口部56のそれぞれは、弁ケージ32の高容積流区分38を構成する材料が完全にその境界となる。
図3で二次元平面図で描写もされる
図2に開示された型では、一次流開口部56のそれぞれは、円筒外面44から円筒内面42まで弁ケージ32の高容積流区分38を通る細長いスロットを含む。細長い流れ開口部56は、この型において、弁ケージ32の軸方向の寸法に沿って長手方向に延在する。
【0016】
図2および
図3にも示されるように、弁ケージ32の現在の型は、騒音軽減区分36と高容積流区分38の第2の軸端54との間の境界面に配置された移行区分58を含む。この型では、移行区分58は、第2の軸端54に隣接する弁ケージ32の高容積流区分38の部分を実際に含む。移行区分58は、示されるように、高容積流区分38を介して弁ケージ32の円筒外面44から円筒内面42まで半径方向に延在する複数の移行開口部60を含む。その上、それぞれの移行開口部60は、高容積流区分38の第2の軸端54内に形成される凹部を含む。その別の方法では、この型の高容積流区分38の第2の軸端54の終端表面76は、高容積流区分38の第1の軸端52における終端表面74のように完全には平面ではないが、むしろ、それは、第2の軸端54から第1の軸端52に向かう高容積流区分38の本体内に軸方向に延在する複数の切欠62を含む。したがって、高容積流区分38の第2の軸端54の終端表面76は、複数の平面部分78(
図3)を含み、それぞれが高容積流区分38の周りに部分的に延在し、複数の内側に湾曲した部分80(
図3)によって分離され、それは、移行開口部60または切欠62を画定し、それによって傾斜のある終端表面76を画定する。
図2および3に描写された形式では、移行開口部60または切欠62は、高容積流区分38に沿って軸方向に延在する細長いスロットの部分を構成する。
【0017】
さらに
図3を参照して、流体が、移行区分58の軸方向の全寸法を通して円筒内面42から円筒外面44まで(または逆もまた同様)連通し得るように、弁ケージ32の現在の型の一次流開口部56および移行開口部60は、配設かつ構成される。その別の方法で、弁ケージ32の開示された型の移行区分58は、不感帯、すなわち、ケージ32の円周に完全にかつとぎれずに延在する材料の連続体を含まない。これは、移行開口部60を含むことによって達成され、それらは、第1の軸端52に向かって第2の軸端54の終端表面76から高容積区分38内に、一次流開口部56と並んでかつ重なって延在する。すなわち、描写された型では、移行開口部60は、高容積流区分38の中空円筒体の軸方向で、一次流開口部56の少なくともいくつかと重なる。そのように構成されたので、移行区分58または一次流開口部56の領域内の高容積流区分38による任意の垂直断面は、移行開口部60のうちのすべて、一次流開口部56のうちのいくつかまたはすべて、または移行開口部60のいくつかの組み合わせおよび一次流開口部56いくつかを通らなければならない。開口部56、60のこの重なるまたは交互配置された構成は、制御弁12の制御要素18が移行区分58を進むとき、弁10を流れる流体の流容積が連続的に調整される、すなわち、増加または減少されることを確実にする。
【0018】
図2および
図3の弁ケージは、細長いスロットおよび細長いスロットの部分をそれぞれ含む一次流開口部56および移行流開口部60を含むが、これは、高容積流区分38の1つの例に過ぎない。
図4は、弁ケージ32の高容積流区分38が、それぞれ円形開口部および部分円形開口部である、一次流開口部56および移行流開口部60を含む、別の例を描写する。これらの開口部56、60の形以外に、
図4の弁ケージ32の残りの特徴は、
図2および
図3の弁ケージと同じで、したがって、詳細のうちのすべてが繰り返される必要がない。弁ケージ32が不感帯を含まないことを確実にするための1つの重要な特徴は、移行開口部60が第2の軸端54の終端表面76から第1の軸端52に向かって高容積
流区分48内に軸方向に延在すること、また、それらが弁ケージ32の軸方向で一次流開口部56の少なくともいくつかと重なることである。
図2および
図3を参照して上で議論されたように、この構成は、制御弁12の制御要素18が移行区分58を進むとき、弁10を流れる流体の流容積が連続的に調整される、すなわち、増加または減少されることを確実にする。
【0019】
上記を鑑みれば、本開示の弁ケージ32は、騒音軽減区分36と高容積流区分38との間に継ぎ目のない移行区分58を提供するように設計され、そこでは、制御要素18の位置の微調整が、弁10の全流容積の関連する調整という結果となる。例えば、制御要素18が閉位置から開位置まで動くにつれ、弁10を介する流動の容積は、概して、弁プラグ26の移動量に比例して連続的に増加することになる。この連続調整性は、高度に正確でかつ予測可能な装置を提供する。これに基づいて、本明細書に記載の移行区分58の任意の1つが、その同等物と同様に、閉位置と開位置との間の制御要素18の移動の全範囲を通して連続的に変化する流容積を確実にするための手段であると考えられ得ることが理解されるべきである。
【0020】
本明細書で議論された弁ケージ32は、1つの騒音軽減区分36および1つの高容積流区分38を有するものとして開示されただけで、一方で、他の型は、任意の特定の目的を達成するように望まれるならば、区分の一方または両方のより多くを含み得る。例えば、別の型は、弁ケージ32の軸方向の寸法に沿って織り交ぜられた騒音軽減および高容積流区分36、38のそれぞれのうちの2つ以上を有し得る。
【0021】
上で明示的に議論されなかったが、弁ケージ32の開示された型が、弁ケージ32の軸方向の全長の所定のパーセントを構成する騒音軽減区分36を含むことが図面から理解されるべきである。例えば、いくつかの型では、騒音軽減区分36は、ケージ32の軸方向の全長のおよそ60%を構成し得る。他の型では、騒音軽減区分36は、任意の所与の流動制御用途のための所望の目的を達成するために、およそ10%、およそ20%、およそ30%、およそ40%、およそ50%、およそ70%、およそ80%、およそ90%、または、概して、弁ケージ32の軸方向の全長の任意の他のパーセントを構成し得る。
【0022】
さらにその上、本明細書に記載の弁ケージの型は、騒音軽減区分36を高容積流区分38に固定する螺合締結具64を含み、一方では、代替例の型は、溶接、接着剤、外部締付等のこれらの部品を連結するための他の手段を含み得る。1つの型では、高容積流区分38および騒音軽減区分は、2つの区分が互いに螺合されるように、例えば、移行区分58の領域で螺山を含み得る。しかし、螺合締結具64の1つの利点は、移行開口部60の有用性に影響を与えないことである。
【0023】
弁ケージおよび弁ケージを有する制御弁のある代表的な型は、発明を図解する目的のために本明細書で説明されたが、開示された装置における様々な変更が、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく行われ得、それは次の特許請求の範囲によって定義され、上述の説明によって任意の方法で限定されないことが当業者にとって明らかになるだろう。