(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ボアを規定するトルクワイヤをさらに備えており、複数の導電体が、所定のパターンで前記光ファイバの周りに巻き付けられており、前記導電体は、前記音響データ収集サブシステムと電気通信しており、前記光ファイバに巻き付けられた導電体は、前記ボア内に配置される、
請求項1に記載の画像データ収集システム。
患者インターフェイスユニット(PIU)と、該PIUと電気通信する画像データ収集システムとをさらに備えており、前記PIUは、前記データ収集プローブを前記画像データ収集システムに電気的に結合するように構成される、
請求項1に記載の画像データ収集システム。
画像データ収集システムは、約6メガヘルツ(MHz)〜約12MHzの範囲の取得速度で、前記音響データ収集サブシステム及び前記光学データ収集サブシステムからデータを取得する、
請求項7に記載の画像データ収集システム。
前記裏当て材は、チャネルを規定し、前記プローブチップは、第1セクションと第2セクションとを含んでおり、第2セクションは、それぞれのセクションの間の境界で第1セクションの外側表面に対してより幅広となり、チャネルの一部は、第1セクションに跨る、
請求項7に記載の画像データ収集システム。
前記光学データ収集サブシステム及び前記音響データ収集サブシステムは、それぞれのサブシステムによって生成されたビームが、実質的に平行となるように位置決めされる、
請求項1に記載の画像データ収集システム。
前記プローブチップは、第1の長尺状導電体と、第2の長尺状導電体とを有しており、前記ビーム導光器は、第1の長尺状導電体と第2の長尺状導電体との間に位置決めされており、各長尺状導電体は、前記超音波トランスデューサと電気通信する、
請求項1に記載の画像データ収集システム。
前記超音波トランスデューサは、前記裏当て材上に配置されており、前記超音波トランスデューサは、約5°〜約15°の範囲の角度で配置された音響波の誘導面を有する、
請求項1に記載の画像データ収集システム。
ボアを規定するトルクワイヤをさらに備えており、複数の導電体が、所定のパターンで前記光ファイバの周りに巻き付けられており、前記導電体は、前記音響データ収集サブシステムと電気通信しており、前記光ファイバに巻き付けられた導電体は、前記ボア内に配置される、
請求項20に記載の画像データ収集システム。
前記画像データ収集装置が、前記OCTデータセット、前記超音波データセット、又は前記OCTデータセット及び前記超音波データセットの両方を用いて、前記壁のセクションの1つ又は複数の画像を生成するステップをさらに含む、
請求項23に記載の作動方法。
前記ビーム導光器及び音響ビーム導波路は、それぞれの中心軸線同士の間の距離が250μm〜500μmとなる光ビーム及び音響波を生成するように位置決めされる、請求項1に記載の画像データ収集システム。
前記ビーム導光器及び音響ビーム導波路は、それぞれの中心軸線同士の間の距離が250μm〜500μmとなる光ビーム及び音響波を生成するように位置決めされる、請求項19に記載の画像データ収集システム。
前記光ビーム導光器及び音響ビーム導波路は、それぞれの中心軸線同士の間の距離が250μm〜500μmとなる光ビーム及び音響波を生成するように位置決めされる、請求項23に記載の作動方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、これらのニーズ及びその他ニーズに対処する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、本発明は、光学データ収集サブシステムと超音波データ収集サブシステムとを含むプローブ等の画像データ収集システムに関する。光学データ収集サブシステムは、光コヒーレンス・トモグラフィ用のデータを収集するように構成される。超音波データ収集サブシステム又はこの一部が、入射音響波を生成する間に、光学データ収集サブシステム又はこの一部が、入射光波を方向付ける。次に、これらの2つのサブシステムの各々は、サンプルからの戻り音響波及び戻り光波をそれぞれ受信する。それぞれ受信された波は、入射波又は他のデータに対して比較され、例えばサンプルの超音波画像やOCT画像を生成することにより、そのサンプルを評価することができる。具体的には、受信した波を、2つのイメージングモダリティに関連付けられた信号としてそれぞれ解析することができ、ここで、一方は、光に基づいており、他方は、音響波に基づいている。一実施形態では、光学データ収集サブシステム及び超音波画像データ収集サブシステムの両方は、プローブの長手方向軸線又はこの軸線からオフセットされた他の軸線に対して実質的に垂直方向に、又はこれらの軸線に対して所定の角度で、それらの光波及び音響波をそれぞれ放射する。典型的には、プローブは、血管内で回転可能であり、且つこの血管に沿って平行移動可能である。一実施形態では、プローブは、画像データ収集システムの構成要素となり得る。
【0007】
一実施形態では、超音波サブシステムは、光学サブシステムに対して遠位位置に位置決めされており、両方のサブシステムは、所定の距離だけ互いにオフセットされている。両方のサブシステムは、互いに対して実質的に平行又は所定の角度となるように、音響波と光波とのビームをそれぞれ生成する。一実施形態では、2つのビームをオフセットすることによって、各ビームが、異なるポイントで時間を合せて、組織サンプルの同じ領域に対するデータを収集する。また、超音波サブシステムがOCTサブシステムと一緒に回転する実施形態について、各サブシステムがサンプルに関するデータを収集している間の遅延は、それぞれのデータ収集サブシステムの間のオフセット距離に対する引戻し速度の観点から測定することができる。一実施形態では、これらデータ収集サブシステムは、互いに対して同軸上に配置されており、且つビーム導光器と音響トランスデューサとをそれぞれを含む。
【0008】
一実施形態では、OCTビーム及び超音波ビームの相対位置及びそれぞれの相対回転速度は、得られたIVUS画像や、OCT画像又はこれら両方の画像のいずれかの画質を維持するように構成される。また、プローブは、IVUS及びOCTの画像データを使用して、同一の走査線(スキャンライン)に沿って合成画像を再構成できるように構成することもできる。
【0009】
一実施形態では、超音波データ収集サブシステムは、超音波トランスデューサであり、光学データ収集サブシステムは、ビーム導光器である。次に、光ビーム導光器及び超音波トランスデューサの各々は、プローブチップの構成要素とすることができる。一実施形態では、プローブチップは、血管内に導入するのに適したシース内に配置されており、このシースを介してイメージング(画像化)を行うことができる。シースは、ビーム導光器と超音波トランスデューサとに整合するように構成された透明窓を含んでおり、それによって、血管壁を画像化することができる。一実施形態では、シース又はこのシースの一部は、光波及び音響波がそれらシースを通過できるように光学的に及び音響的に透明とすることができ、画像データが、サンプルに対して得られる。一実施形態では、シースは、光学的に及び音響的に透明な窓を含む。
【0010】
一実施形態では、光学的に及び音響的に透明とは、十分な光波及び音響波が、窓を通過することによって、OCT画像及び超音波画像を生成できることを意味する。シースによって、音響ビームの反射、光ビームの反射、又はこれらの両方が生じる可能性がある。一実施形態では、光ビーム導光器及び音響ビーム発生器は、光ビーム及び音響ビームが、互いに対して角度決めされており、このようなシースからの直接的な反射が防止又は低減されるように位置決めされている。従って、部分的には、本発明は、光ビーム導光器及び音響ビーム発生器を角度付けし及び/又は位置決めして、得られたOCT、IVUS又はこれらの合成画像における信号対雑音比を高めることに関する。部分的に、これは、所定のサンプルについて光信号及び音響信号を収集する際に、シースで散乱する光ビーム又は音響ビームのノイズ寄与度を低減することによって実現することができる。
【0011】
一態様では、本発明は、画像データ収集システムに関する。このシステムは、データ収集プローブを含む。このデータ収集プローブは、シースと、プローブチップとを含む。プローブチップは、光学データ収集サブシステムと、この光学データ収集サブシステムに対して遠位位置に位置決めされた音響データ収集サブシステムと、プローブ本体とを含む。プローブチップ及びプローブ本体は、シース内に配置されており、プローブ本体は、光学データ収集サブシステムと光通信する光ファイバを含む。
【0012】
一態様では、本発明は、デュアルモダリティ画像データ収集システムに関する。デュアルモードは、一実施形態における超音波及び光コヒーレンス・トモグラフィを行うことである。システムは、データ収集プローブと、患者インターフェイスユニット(PIU)と、画像プロセッサとを含むことができる。一実施形態では、PIUは、PIUコネクタポートを含む。一実施形態では、画像プロセッサは、OCTシステム及びIVUSシステムを含んでおり、各システムは、本明細書で説明するプローブチップを含むようなプローブを用いて収集されたデータを受信するように構成される。一実施形態では、画像プロセッサは、データ取得カード、プロセッサ、及び干渉計等の1つ又は複数のデータ取得システム(DAS)を含む。一実施形態では、プローブは、シースと、プローブチップとを含む。プローブチップは、光ビーム導光器と音響ビーム発生器とを含む。一実施形態では、ビーム導光器は、光学中心軸線とも呼称される中心軸を有する光ビームを方向付けるように構成される。一実施形態では、超音波トランスデューサは、音響中心軸線とも呼称される中心軸を有する音響ビーム又は音響波を方向付けるように構成される。光ファイバが、プローブ内に配置されており、且つ光ビーム導光器と光通信を行う。光ファイバは、光ビーム導光器及び音響ビーム発生器が配置されるような長手方向軸線を規定することができる。一実施形態では、光ビーム導光器及び音響ビーム導波器は、それらが、約300ミクロン(μm)〜400μmの間の範囲の2つのビーム間距離を有するような光ビーム及び音響ビームを発生するように位置決めされる。
【0013】
一実施形態では、光ビーム導光器及び音響ビーム導波器は、それらが、約250μm〜500μmの間の範囲の2つのビーム間距離を有するような光ビーム及び音響ビームを発生するように位置決めされる。一実施形態では、2つのビーム間距離は、各ビームの中心線又は中心軸線から測定される。一実施形態では、光ビームは、約20μm〜約60μmの範囲の幅を有する。一実施形態では、音響ビームは、約200μm〜約300μmの範囲の幅を有する。
【0014】
一実施形態では、プローブは、約100ヘルツ(Hz)〜約200Hzの速度でPIUのモータによって回転するように構成される。PIUは、一実施形態では、約18ミリメートル(mm)/秒(s)〜約36mm/sの間の速度でプローブを引っ張るように構成される。一実施形態では、回転可能なコネクタ又はカプラ及び/又はプローブは、本明細書で説明する回転速度及び引戻し速度でデータを収集する間に、ノイズや振動を低減するように、回転バランスが取られている。コネクタポートによって、PIUに取り付けられており、それによって回転するようなシース及びプローブチップを含むような使い捨てプローブが可能になる。
【0015】
一実施形態では、画像プロセッサは、約25,000ライン/秒〜約50,000ライン/秒の間の速度で走査線(スキャンライン)を生成するように構成される。一実施形態では、画像プロセッサは、約6メガヘルツ(MHz)〜約12MHzの範囲の速度でサンプル採取を行うように構成される。一実施形態では、導電体は、高伝導性及び高疲労強度の材料のグループから選択される。一実施形態では、螺旋状ピッチは、約0.5cm〜約1.5cmの間である。
【0016】
データ収集プローブは、光ファイバと、この光ファイバと光通信するプローブチップと、第1の導電体及び第2の導電体とを含むことができる。第1及び第2の導電体が、光ファイバの周りに螺旋状に巻き付けられる。次に、巻き付けられた光ファイバは、トルクワイヤとも呼称されるトルクケーブル内に配置される。一実施形態では、光ファイバの周りに巻き付けられた導電体は、無酸素銅である。一実施形態では、外側ジャケットが、光ファイバの周囲に配置される。次に、一実施形態では、導電体は、外側ジャケットの周りに巻き付けられる。一実施形態では、外側ジャケットを含む光ファイバの直径は、約100〜約175μmの間の範囲である。プローブは、一実施形態では、回転バランスが取られるように構成される。
【0017】
一態様では、本発明は、血管内の画像データを収集する方法に関する。この方法は、いくつかの実施形態では、光コヒーレンス画像データ及び超音波画像データの取得中に血管の動きが小さくなるように、コネクタとも本明細書で呼称されるような回転可能なカプラの回転速度を制御するステップと;光ファイバに沿って回転可能なカプラを介して光コヒーレンス画像データを送信するステップと;1つ又は複数の導電体又は導電経路に沿って回転可能なカプラを介して超音波画像データを送信するステップと;を含む。一実施形態では、回転速度は、約100Hz〜約200Hzの間である。この方法は、光コヒーレンス画像データ及び超音波画像データの取得中に血管の動きが小さくなるように、血管を通る引戻し速度を制御するステップをさらに含むことができる。引戻し速度は、約18mm/s〜約36mm/sの間とすることができる。
【0018】
一態様では、本発明は、画像データ収集システムに関する。システムは、データ収集プローブを含む。このデータ収集プローブは、シースと、チャネルを規定する裏当て材を含むプローブチップと、光学データ収集サブシステムの一部がチャネル内に配置される光学データ収集サブシステムと、裏当て材の領域の上方に配置されており、且つ光学データ収集サブシステムに対して遠位位置に位置決めされた音響データ収集サブシステムと、プローブ本体とを含む。プローブチップ及びプローブ本体が、シース内に配置されており、プローブ本体は、光学データ収集サブシステムと光通信する光ファイバを含む。
【0019】
一実施形態では、画像データ収集システムは、ボアを規定するトルクワイヤをさらに含んでおり、複数の導電体が、所定のパターンで光ファイバの周りに巻き付けられており、導電体は、音響データ収集サブシステムと電気通信しており、光ファイバに巻き付けられた導電体は、ボア内に配置される。一実施形態では、光学データ収集サブシステムは、ビーム導光器を含んでおり、音響データ収集サブシステムは、超音波トランスデューサを含む。一実施形態では、このパターンは、約0.5cm〜約1.5cmの間の範囲の螺旋状ピッチを有する螺旋状パターンである。一実施形態では、画像データ収集システムは、患者インターフェイスユニット(PIU)と、PIUと電気通信する画像データ収集システムとをさらに含む。PIUは、データ収集プローブを画像データ収集システムに電気的に結合するように構成される。
【0020】
一実施形態では、画像データ収集システムは、約6MHz〜約12MHzの範囲の取得速度で、音響データ収集サブシステム及び光学データ収集サブシステムからデータを取得する。一実施形態では、PIUは、約18mm/s〜約50mm/sの範囲の引戻し速度で、プローブチップを後退させるように構成されたモータを含む。一実施形態では、プローブチップは、第1セクションと第2セクションとを含んでおり、第2セクションは、それぞれのセクションの間の境界において第1のセクションに関して外側にフレアしており、チャネルの一部は、第1セクションに跨っている(及んでいる)。一実施形態では、プローブチップは、湾曲した境界を含む端面を有している。一実施形態では、ビーム導光器及び超音波トランスデューサは、所定の距離だけ分離されている。
【0021】
一実施形態では、PIUは、約100Hz〜約200Hzの範囲の回転速度でデータ収集プローブを回転させるように構成されたモータを含む。一実施形態では、ビーム導光器は、光ファイバの長手方向軸線に対して垂直方向に約0°〜約20°の範囲の角度でビームを方向付けるように角度決めされる。一実施形態では、光学サブシステム及び音響サブシステムは、それぞれのサブシステムによって生成されたビームが実質的に平行となるように位置決めされる。一実施形態では、プローブチップは、第1の長尺状導電体と第2の長尺状導電体とをさらに含んでおり、ビーム導光器は、第1の長尺状導電体と第2の長尺状導電体との間に位置決めされており、各長尺状導電体は、超音波トランスデューサと電気通信する。
【0022】
一実施形態では、プローブチップは、裏当て材をさらに含んでおり、トランスデューサが、この裏当て材上に配置されており、そして約5°〜約15°の範囲の角度で配置された音響波の誘導面を有する。一実施形態では、音響サブシステム及び光学サブシステムは、互いに同軸上に位置決めされる。一実施形態では、複数の導電体の抵抗は、約5オーム(Ω)〜約20Ωの範囲である。
【0023】
一態様では、本発明は、画像データ収集システムに関する。このシステムは、データ収集プローブを含む。このデータ収集プローブは、シースと;裏当て材料を含むプローブチップと;光学中心軸線を含む光ビームを方向付けるように構成されたビーム導光器を含む光学データ収集サブシステムと;裏当て材の領域の上方に配置されており、且つ光学データ収集サブシステムに対して遠位位置に位置決めされた音響データ収集サブシステムであって、音響データ収集サブシステムは、音響中心軸線を含む音響波を生成するように構成された超音波トランスデューサを含む、音響データ収集サブシステムと;プローブ本体であって、プローブチップ及びプローブ本体が、シース内に配置されており、プローブ本体は、光学データ収集サブシステムと光通信する光ファイバを含む、プローブ本体と;を有する。ビーム導光器及び超音波トランスデューサは、約100Hz〜約200Hzの範囲プローブの回転速度であって、約18mm/s〜約36mm/sの範囲のデータ収集プローブの引戻し速度の間に、光学中心軸線及び音響中心軸線の光ビームが共通の基準点で交わるときの期間が、約M〜約Nの範囲となるように位置決めされる。
【0024】
一実施形態では、Mは、0.01秒であり、Nは、0.02秒である。一実施形態では、Mは、心周期の約1.2%の値であり、Nは、心周期の約2.4%の値である。一実施形態では、裏当て材によって、チャネルが規定され、光学データ収集システムの一部が、このチャネル内に配置される。一実施形態では、画像データ収集システムは、ボアを規定するトルクワイヤをさらに含んでおり、複数の導電体が、所定のパターンで光ファイバの周りに巻き付けられており、導電体は、音響データ収集サブシステムと電気通信しており、光ファイバに巻き付けられた導電体は、ボア内に配置される。一実施形態では、このパターンは、約0.5cm〜約1.5cmの間の範囲の螺旋状ピッチを有する螺旋状パターンである。
【0025】
一実施形態では、画像データ収集システムは、患者インターフェイスユニット(PIU)と、このPIUと電気通信する画像データ取集システムとをさらに含んでおり、PIUは、データ収集プローブを画像データ収集システムに電気的に結合するように構成される。一実施形態では、画像データ収集システムは、約6MHz〜約12MHzの範囲の取得速度で、音響データ収集サブシステム及び光学データ収集サブシステムからデータを取得する。一実施形態では、PIUは、約18mm/s〜約50mm/sの範囲の引戻し速度でプローブチップを後退させるように構成されたモータを含む。一実施形態では、プローブチップは、第1セクションと第2セクションとを含んでおり、第2セクションは、それぞれのセクションの間の境界において第1のセクションに関して外側にフレアしており、チャネルの一部は、第1セクションに跨っている。一実施形態では、プローブチップは、湾曲した境界を含む端面を有している。一実施形態では、ビーム導光器及び超音波トランスデューサは、所定の距離だけ分離されている。
【0026】
一実施形態では、PIUは、約100Hz〜約200Hzの範囲の回転速度で、データ収集プローブを回転させるように構成されたモータを含む。一実施形態では、ビーム導光器は、光ファイバの長手方向軸線に対して垂直方向に約0°〜約20°の範囲の角度でビームを方向付けるように角度決めされる。一実施形態では、光学サブシステム及び音響サブシステムは、それぞれのサブシステムによって生成されたビームが、実質的に平行となるように位置決めされる。
【0027】
一実施形態では、プローブチップは、第1の長尺状導電体と第2の長尺状導電体とをさらに含んでおり、ここでビーム導光器は、第1の長尺状導電体と第2の長尺状導電体との間に位置決めされており、各長尺状導電体は、超音波トランスデューサと電気通信する。一実施形態では、トランスデューサは、裏当て材料上に配置されており、約5°〜約15°の範囲の角度で配置された音響波の誘導面を有する。一実施形態では、音響サブシステム及び光学サブシステムは、互いに同軸上に位置決めされる。一実施形態では、複数の導電体の抵抗は、約5Ω〜約20Ωの範囲である。
【0028】
一態様では、本発明は、画像データ収集システムに関する。このシステムは、データ収集プローブを含む。このプローブは、シースと;チャネルを規定する裏当て材料を含むプローブチップと;光学データ収集サブシステムであって、この光学データ収集システムの一部が、チャネル内に配置される、光学データ収集サブシステムと;裏当て材の領域の上方に配置されており、且つ光学データ収集サブシステムに対して遠位位置に位置決めされた音響データ収集サブシステムと;プローブ本体であって、プローブチップ及びプローブ本体が、シース内に配置されており、プローブ本体は、光学データ収集サブシステムと光通信する光ファイバを含む、プローブ本体と;を有する。
【0029】
一実施形態では、光学データ収集サブシステムは、ビーム導光器を含んでおり、音響データ収集サブシステムは、超音波トランスデューサを含む。一実施形態では、トランスデューサは、裏当て材料上に配置されており、約5°〜約15°の範囲の角度で配置された音響波の誘導面を有する。一実施形態では、画像データ収集システムは、ボアを規定するトルクワイヤをさらに含んでおり、複数の導電体が、所定のパターンで光ファイバの周りに巻き付けられており、導電体は、音響データ収集サブシステムと電気通信しており、光ファイバに巻き付けられた導電体は、ボア内に配置される。一実施形態では、このパターンは、約0.5cm〜約1.5cmの間の範囲の螺旋状ピッチを有する螺旋状パターンである。一実施形態では、ビーム導光器は、光ファイバの長手方向軸線に対して垂直方向に約0°〜約20°の範囲の角度でビームを方向付けるように角度決めされる。
【0030】
一態様では、本発明は、壁を有する血管内の画像データを収集する方法に関する。この方法は、光ビーム導光器及び超音波トランスデューサを含むプローブチップを所定の回転速度で回転させるステップと;光ビーム導光器及び超音波トランスデューサをそれぞれ用いて、入射する光波及び音響波を送信するステップと;光ビーム導光器及び超音波トランスデューサをそれぞれ用いて、壁から反射される反射光波及び反射音響波を受信するステップと;所定の引戻し速度で血管を通じてプローブチップを後退させ、壁から反射された光波及び音響波を受信することに応答して、OCTデータセットと超音波データとを取得するステップと;壁面から反射された反射光波及び反射音響波の取得中に血管の移動が小さくなるように、回転速度を制御するステップと;を含む。
【0031】
一実施形態では、この方法は、OCTデータセット、超音波データセット、又はOCTデータセット及び超音波データセットの両方を用いて、壁面のセクションの1つ又は複数の画像を生成するステップをさらに含む。一実施形態では、この方法は、引戻し速度が、約18mm/s〜約50mm/sの範囲となるようにその引戻し速度を制御するステップをさらに含む。一実施形態では、回転速度が、約100Hz〜約200Hzの範囲となるようにその回転速度を制御する。一実施形態では、OCTデータセット及び超音波データセットは、約6MHz〜約12MHzの範囲のサンプル取得速度で取得される。一実施形態では、OCTデータセット及び超音波データセットは、25キロヘルツ(kHz)〜約50kHzの範囲のライン取得速度で取得される。一実施形態では、この方法は、光学中心軸線及び音響中心軸線が共通の基準点で交わるときの期間が、約M〜約Nの範囲となるように、回転速度及び引戻し速度を制御するステップをさらに含む。一実施形態では、Mは、0.01秒であり、Nは0.02秒である。一実施形態では、Mは、心周期の約1.2%の値であり、Nは、心周期の2.4%の値である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれておらず、代わりに一般的に原理を説明する際に強調されることがある。数字は、全ての態様で例示とみなされるべきであり、本発明を限定することを意図していない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ規定される。
【0034】
部分的には、本発明は、関心領域の血管又は管腔を画像化するための適切なデータを収集するようなマルチモーダル・データ収集プローブ及びこれに関連する方法、システム、サブシステム、及び他の構成要素に関する。このプローブは、2つ以上のデータ収集モードを使用できるので、マルチモーダルである。これらのモードは、同時に又は連続的に動作することができる。これらのモードは、光コヒーレンス・トモグラフィ、超音波、又は他のもの等の任意の適切な画像化技術とするだけでなく、音響波又は光波等の用いられる波の種類に基づいて指定することができる。プローブは、ビーム導光器及び音響波発生器等のそれぞれのイメージングモダリティのデータを収集するように構成された装置又はシステムを含むことができる。
【0035】
一実施形態では、プローブは、動脈又は他の血管等の身体の管腔で用いるように構成されている。例えば、プローブは、光波及び音響波をそれぞれ用いる光コヒーレンス・トモグラフィ(OCT)データ及び超音波(IVUS)データを収集するように構成することができる。本明細書で説明する1つ又は複数のプローブの実施形態を用いて収集されたデータを使用して、血管の画像を生成し、冠血流予備量比(fractional flow reserve)を決定し、管腔内の圧力を測定する或いは関心対象の他のパラメータ又は構造に関連するデータを収集することができる。
【0036】
1つ又は複数のプローブの実施形態は、第1の受信機と第2の受信機とを含むことができる。これらの受信機の各々は、音響信号又は光信号等の信号を受信するように構成される。第1及び第2の受信機は、例えば、受信機、トランシーバ、トランスデューサ、検出器、装置又はサブシステムとすることができる。一実施形態では、第1の受信機は、血管内超音波装置又はサブシステムであり、第2の受信機は、光コヒーレンス・トモグラフィ装置又はサブシステムである。これらの受信機は、音響波や光波等の信号を生成又は方向付けるようにも構成されている。例えば、第1の受信機は、音響波を生成し且つ受信するような超音波装置を含むことができる。同様に、一例として、第2の受信機は、サンプルに光を送信し且つこのサンプルからの光を受光するような光学素子を含むことができる。一実施形態では、第1の受信機は、第2の受信機に対して遠位位置にある。他の実施形態では、第1の受信機は、様々な構成で第2の受信機に隣接する、接触する、当接する又は他の方法で第2の受信機に対して位置決めすることができる。
【0037】
各光ビームや音響ビーム、又はビーム発生面は、互いに対して実質的に平行又は傾斜させることができる。一実施形態では、光受信器(受光器)は、超音波受信機に隣接且つ近接するように位置決めされる。裏当て材料が、光ビーム発生素子の一部を取り囲むとともに、超音波素子を支持するのに適した表面を形成するように使用される。ハウジング又はカバーを使用して、裏当て材を部分的に取り囲むことができる。例示的なシステム及びプローブの実施形態に関するさらなる詳細について、本明細書で説明する。
【0038】
図1には、種々のプローブ及びイメージングモダリティと共に使用するのに適したマルチモーダルシステム10が示されている。マルチモーダルシステム10は、画像データ取得システム12を含む。このデータ取得システム12は、一実施形態では、OCTデータ及び超音波データ等のマルチチャンネル・データを収集するように構成される。画像データ取得システムは、プロセッサと電気通信するデータ取得装置を含むことができる。データ取得システム12は、OCT画像データ及びIVUS画像データを含むチャンネル等の複数のチャンネルを処理するように構成することができる。また、マルチモーダルシステム10は、血管のOCT、IVUS、又は合成OCT/IVUS画像等の画像データを用いて生成されたサンプルの画像を表示するのに適した1つ又は複数のディスプレイ15を含むことができる。一実施形態では、データ取得システム12は、プローブを用いて収集された生画像データを、ディスプレイ15又は他のディスプレイ上でユーザが確認できるような画像に変換する。ディスプレイ15を使用して、グラフィカルユーザインターフェイスを表示し、画像データを操作する又は画像データ取得セッションを制御することができる。
【0039】
1つ又は複数の信号線17及び/又は1つ又は複数の制御ライン17が、画像データ取得システム12と(有線又は無線を問わず)電気的に、光学的に、又は他の方法で通信する。一実施形態では、1つのライン又はバスを使用して、制御信号や画像データを送信する。1つ又は複数の構成要素18が、データ取得システム12と電気通信又は光通信することができる。一実施形態では、このような1つ又は複数の構成要素18は、サンプルアーム及び基準アームを有する干渉計、光ファイバ、光受信機、1つ又は複数のクロック発生器、超音波パルサー、超音波受信機、並びにOCT及びIVUSシステムの他の構成要素を含むことができる。
【0040】
一実施形態では、マルチモーダルシステム10は、患者インターフェイスユニット(PIU)20を含む。一実施形態では、PIU20は、プローブ25の2つの超音波等の画像化構成要素又はサブシステム及びOCT構成要素を、制御ライン又は信号線17のうちの1つを介して画像データ取得システム12に接続する。制御ラインや信号線17は、所定のラインに沿って、一方向又は双方向にデータが流れるような双方向性である。典型的には、制御信号が、システム12からPIU20に送信され、この制御信号は、プローブ25がコネクタ26に結合されたときに形成される光路及び導電経路を介してPIU20からプローブチップ33に送信される。一実施形態では、PIU20及びプローブ25は、干渉計のサンプルアームのセクションを構成するような光ファイバのセクションを含む。PIUは、超音波データ及び制御信号を送信するために使用されるワイヤ等の導電体を含む。信号線17は、サンプルアームの一部である光ファイバ等の光路と、超音波データ及び制御信号を送信する導電体や回路要素とを含むことができる。
【0041】
PIU20は、画像データ収集プローブ25に接続されており、且つこのようなプローブ25から取り外せるように構成された回転可能なコネクタ26を含む。一実施形態では、プローブ25は、所定のデータ収集手順の後に廃棄するように設計される。従って、このコネクタ26によって、プローブが、血管を画像化するために使用されて、取り外されることが可能になり、新しいプローブが、PIU20に光学的及び電気的に結合することが可能になる。プローブ25は、モータによって駆動されることに応答して、回転するように構成される。1つ又は複数のモータが、PIU20に配置されており、一実施形態では、このような1つ又は複数のモータが、例示的なモータ22によって示される。血管内で回転させながら、プローブ25は、このプローブが血管を通して引き戻される際に、血管の表面に対する画像データを収集し、システム12に接続するためにPIU20及び信号線17を跨ぐような電気的な及び光学的な経路に沿って、そのデータを中継することができる。一実施形態では、PIU20は、プローブの電気的及び光学的な構成要素又はサブシステムを、システム12の電気的及び光学的な構成要素に接続するための1つ又は複数の電気カプラと1つ又は複数の光学カプラとを含む。このようなカプラの1つ又は複数を、コネクタ26の構成要素内に配置することができる。
【0042】
一実施形態では、OCT又はIVUS画像の最小データ単位は、サンプルと呼称される。また、最大撮像深度に対するプローブ25から生じる光線に沿ったサンプル列は、走査線と呼称される。この光線は、典型的には、光ビーム導光器又は音響ビーム発生器等の、プローブチップ33の構成要素から生じる。プローブは、プローブ本体28を含む。プローブ本体28は、光路を形成するとともに、モータの作動に応答して回転するように配置された、光ファイバの1つ又は複数のセクションを含む。受光面及び光透過面を有するビーム導光器は、プローブ本体に配置された1つ又は複数の光ファイバセクションと光通信する。プローブ本体28の一部である1つ又は複数の回転可能な光ファイバは、シース31内に配置される。シース31は、一実施形態では、カテーテルの外側本体又は外側部分である。シースは、光学及び音響画像データを収集するような透明窓34を含むことができる。
【0043】
ビーム導光器は、一実施形態では、シース31内に位置しており、データ収集サブシステム33の一部である。データ収集サブシステム33は、プローブチップ又はキャップ33とも呼称される。プローブチップ33は、一実施形態では、光ビーム導光器と音響ビーム導波器とを含む。例示的なプローブチップ33に関する更なる詳細が、
図3Aに示されており、この
図3Aには、
図1の一般的なプローブチップ33の実施形態として、プローブチップ40が示されている。示されるように、プローブチップ40は、超音波及び光学データ収集サブシステムを含む。
【0044】
プローブチップ33等のプローブチップの音響ビーム発生器と電気通信する1つ又は複数の導電体を、プローブ本体28の1つ又はそれ以上の長さの光ファイバの周りに巻き付ける(wrap)ことができる。プローブ本体28において光ファイバを取り囲むように巻き付けられたこれら導電体は、本明細書で説明するように、トルクワイヤに配置することができる。さらに、このように巻き付けられた導電体は、プローブ25がPIU20に結合されたときに、コネクタ26又はPIU20内に配置された回転変圧器又は他の導電性素子と電気通信することができる。一実施形態では、プローブ本体、プローブチップ及びシースが回転する際に、サンプルを走査(スキャン)してサンプルの画像を生成するように使用されるようなこれらの様々なシステム及び構成要素は、データを収集するのに適している。
【0045】
OCT及びIVUS画像は、典型的には、一度に1つの走査線(スキャンライン)を取得する。断面画像が、次に、プローブ25が回転する際に、収集された走査線のセットから形成される。いくつかの例示的な画像の例が、
図6A〜
図6Bに示される。さらに、動脈又は他の血管のセグメントを画像化するために、カテーテルと呼称されるプローブは、血管を通じて引き抜く又は引き戻す間に回転しながら、長手方向に移動される。プローブは、時計回りA又は反時計回りBのいずれかの方向に回転することができる。プローブは、このプローブが方向A又は方向Bに回転する際に、撮像される患者から離れるような方向Cに引き戻される。このようにして、プローブは、螺旋状パターンの断面画像のセットを取得する。画像は、関心対象の血管又は動脈のスライスに関連する様々な走査線から生じる。画像は、ディスプレイ15上の1つ又は複数の軸線に沿った断面画像として表示される。一実施形態では、データ取得システム12は、プローブを用いて収集された生画像データを、ディスプレイ15又は他のディスプレイでユーザが確認できるような画像に変換する。
【0046】
図2A〜
図2Cには、プローブの2つの撮像ビームが軸線方向に変位するように構成されたデュアルモダリティプローブ35の血管内画像取得の概略図が示されている。示されるように、
図2Aでは、プローブ35のプローブチップ37が、光学部品に対して遠位位置に配置された超音波部品を有する。(超音波及び光とラベル付けされた)2つの平行ビームが、それぞれの単一の走査線に沿って送信された各パルスエネルギーを表す。
図2A〜
図2C中のそれぞれの螺旋経路は、超音波又は音響ビームについて、軸線方向に変位する光ビームによって以前照明された領域を照明するために、プローブ35の回転が、(特定の回転速度及び引戻し速度で)どの位必要とされるかを示している。
【0047】
図2A〜
図2Cのそれぞれには、2つの矩形ブロックS
OCT及びS
USも示されている。これらのブロックは、IVUS及びOCT画像のサンプルサイズを表す。サンプルボックスの高さ(軸線方向のサンプルサイズ)は、どの位のサンプル数が、撮像ライン及びその最大透過深さで撮影されたかによって決定される。ボックスの幅(回転のサンプルサイズ)は、どの位の走査線数が単一の回転で取得されたか、及びセンサから、特定のサンプルが、プローブの回転中心からどれ位になっているかによって決定される。ボックスの深さ(横方向のサンプルサイズ)は、引戻しが、プローブチップ37の回転速度に対してどの位の速さで生じているかによって決定される。一実施形態では、プローブ35は、高速デュアルモード取得が実現されるように回転され、IVUS及びOCTデータは、血管がイメージング・アーチファクト又は許容できないノイズをIVUS及びOCT画像に導入するような自由度の運動を受けることなく、収集される。
【0048】
以下の表1は、本発明の実施形態と従来のIVUSスキャンとによる高速デュアルモード取得で使用されるイメージング・パラメータをまとめたものである。
図2A及び
図2Cには、超音波及びOCTデータの高速取得用に構成された本発明の2つの実施形態によってトレースされる経路が示されている。
図2Bには、本発明の実施形態によって、IVUSイメージング用に構成された超音波プローブについて従来の回転速度及び引戻し速度でトレースされる経路が示されている。表1及び表2から、従来のIVUS値に対するこの高速取得値の比率に基づいて、高速取得値は、従来のIVUSシステムに比べて適用可能なレート及び速度の有意な増大を表していることが明らかである。
【0050】
所定のデュアルモード・データ収集プローブについて、光ビーム及び音響ビームは、一致する又は所定の距離だけ分離されるかのいずれかである。画像取得及び位置合わせについて、ビームを一致させることが最適であるが、一致するビームを構成するには、重なり合うような2つのビーム受信器/ビーム発生器が必要となり、データ収集プローブの性能に不可避の劣化につながる。(IVUSビーム発生器がOCTビーム導光器に対して遠位位置で配置された状態で)2つのデータ収集サブシステムを互いから軸線方向に変位させることによって、センサを犠牲にすることなく構築できるが、間隔を置いて配置される2つのビームとなる。一実施形態では、軸線方向の変位を最小限にすることは、デュアルモード・データ収集プローブの重要な設計上の特徴である。
【0051】
その結果、IVUSトランスデューサ及びOCTビーム導光器を約300〜約500μmの範囲の間の軸線方向の変位で同軸に位置決めすることは、IVUS及び光学データ収集構成要素の一方又は両方の性能に影響を与えることなく、実用的となる程小さくできる。以下の表2では、従来のIVUS取得速度と高速取得速度とで画像データを取得することに関する相違と利点とを強調している。
【0053】
表2では、横方向のサンプルサイズは、回転速度に対する引戻し速度の比として得られる。走査線の取得速度は、回転速度を乗じたフレーム当たりの走査線として得られる。サンプル取得速度は、走査線の取得速度を乗じた走査線当たりのサンプル数として得られる。理論IVUS透過深さは、超音波が、(1,540m/sで)水中を移動し、単一のサンプル取得期間中に反射して戻るような理論的な深さである。次に、OCT及びIVUSスキャンの間に生じる心拍数の割合は、72bpmの心拍数の際に、超音波データ収集要素が、その引戻し速度で0.360mmを移動するのにどの位の時間がかかるかに基づく。
【0054】
また、表2は、ビーム導光器及び超音波送受信器等の2つの軸線方向に変位したデータ収集要素を用いて得られた画像を同時記録処理又は他の画像データの一部として再整列させる際に、利用可能な考慮事項と解決策(compromises)についてのサポートを提供する。一実施形態では、引戻し速度は、管腔(血管)の動きを本質的に止めるように制御されるので、2つのイメージングモダリティは、実質的に重ね合される又は同時記録することができる。例えば、これは、約18〜約36mm/sの範囲の引戻し速度又はレートを用いることによって実現することができる。一実施形態では、引戻し速度又はレートは、18から約50mm/sの範囲である。これによって、管腔が運動していないときに、画像データの収集を実行するのが可能になり、このような断面「スナップショット」は、回転プローブ及びこのプローブに配置された関連する音響及び光学データ収集サブシステムによって得られる。
【0055】
管腔(血管)に沿った解像度を低減しながら、本明細書で説明する速度で引戻しを行うことによって、横方向のサンプルサイズが引き伸ばされる。また、本明細書で説明する速度で引戻しを行うことによって、戻り超音波エコーを待つのに必要な時間を減少させることによりIVUS透過深さを減少させる。対照的に、(表2に示されるように)従来のIVUS値付近の引戻し速度及び回転速度でイメージングを行うことによって、IVUS及びOCT画像の間で許容できないモーションブラー(motion blur)が生じる。このモーションブラーは、部分的には、心拍等のその管腔を移動する血液に基づいた管腔運動によって発生する。次に、約36mm/sよりも大きいような、高速取得値を超える引戻し速度及び回転速度を使用して血管を画像化するには、問題がある。特に、このような過度の引戻し速度によって、許容できないIVUS画像化深さ制限が生じる。本明細書で説明する引戻し速度付近の引戻し速度及び回転速度でイメージングを行うことによって、モーションブラーの低減がもたらされ、IVUSの透過深さの増大がもたらされる。その結果、画像についての改善された信号対雑音比が、データ収集プローブの実施形態にかかる引戻しレートを用いて生成される。
【0056】
軸線方向に変位した光ビーム導光器及び音響ビーム発生器を有するプローブを用いてこれらのイメージングの結果を実現するために、様々な動作パラメータ及び属性が、最初に確立され、次に、上記表1及び表2に及び他に本明細書に列挙された値等の特定の所定の閾値内で制御される。具体的には、一実施形態では、ライン送信速度が、約25kHz〜約50kHzの間となるように選択され又は設定される。次に、一実施形態では、サンプル取得速度は、約6MHz〜約12MHzの間となるように選択され又は設定される。画像データが収集される間の引戻し速度は、約18mm/s〜約36mm/sの範囲の引戻し速度で所定時間内に発生するように設定される。同様に、引き戻しの間に、光ビーム及び音響ビームの伝搬要素を有するプローブは、約100Hz〜約200Hzの範囲のプローブの回転速度で回転する。また、光ビームと音響ビームとの間の距離は、2つのそれぞれのビーム間の距離が、約300〜約500μmの範囲であるように構成される。
【0057】
一実施形態では、高速取得速度で血管を画像化するためのデータを収集するとき、システムプロセッサは、約25kHz〜約50kHzの範囲の速度で超音波パルスを発生させるように構成される。同様に、データ取得システムは、約6MHz〜約12MHzの範囲の速度でサンプルを取得するように構成される。
【0058】
プローブチップの実施形態
図3Aには、動脈又は他の血管等のサンプルに対して画像データを収集するのに適した例示的なプローブチップ又はキャップ40が示されている。このプローブチップを、本明細書で説明する高速取得値及び速度を用いて、プローブの構成要素として回転させ且つ引き戻すことができる。プローブチップ40は、シース(図示せず)内に配置されており、一実施形態では、プローブ本体に取り付けられている。例えば、
図1に示されるように、プローブチップ33は、シース31内に配置されており、プローブ本体28に接続されている。
図3Aでは、光ファイバセクション43は、プローブ本体の一部である。
【0059】
プローブチップ40は、プローブチップの第1セクション40aとプローブチップの第2セクション40bとを含むことができる。プローブチップの第1及び第2セクションの接合部は、第2セクション40bが、外側にフレアする外表面を有する、又は第1セクション40aの外側表面に対してより幅広であるように、プローブチップ40の幅が変化する過渡的な境界部を意味する。一実施形態では、プローブチップ40は、超音波等の第1イメージングモードと光コヒーレンス・トモグラフィ等の第2イメージングモードを使用するように構成されている。従って、光ビーム及び音響ビームは、プローブチップ40から伝搬する。同様に、光ビーム及び音響ビームは、血管壁等のサンプルから散乱又は反射され、次に、光及び音響サブシステムによって受信される。これらの受信された波は、それら波が、データ取得システムによって受信されるまで、PIUを通じてプローブ本体のそれぞれの光経路及び導電経路に沿って光信号及び電気信号として送信される。
【0060】
具体的には、光ビームは、ビームの成分光が、光源から発生し、且つ干渉計のサンプルアームのセクションである1つ又は複数の光ファイバや他の光路に沿って送信された後に、プローブチップ40から方向付けられる。例えば、
図1に関して、光源及び干渉計はそれぞれ、システム10の構成要素18とすることができる。同様に、
図3Aに示されるように、光ファイバ43は、干渉計のサンプルアームのセクションである。光ファイバ43は、いくつかのセクションに沿ってその光ファイバに適用されるジャケットを有している。
図3Aでは、ジャケットは、これらセクション付近の光ファイバ43上に存在しておらず、光ファイバ43は、ビームエキスパンダ45等の別のファイバセクションに融合される。
【0061】
示されるプローブ本体28のセクションは、光ファイバ43を含む。一実施形態では、1つ又は複数のワイヤ等の導電性要素は、音響波発生器の2つの接点又は電極として機能するような導電体52,54に接続される。導電性要素は、導電体52,54から続いており、本明細書で説明するような所定のパターンで光ファイバ43の周りに巻き付けられ、プローブ本体28の一部として続いている。これらの巻き付けられた導電性要素を、トルクケーブル(図示せず)内に配置することができる。その結果、トルクケーブルは、トルクケーブルに配置された光ファイバ43及び導電性要素を含むプローブ本体の一部とすることができる。これらの導電性要素は、
図4A及び
図4Bにおいて、光ファイバセクション及びトルクワイヤに対して示されている。
【0062】
光ファイバ43は、レンズ、レンズアセンブリ又は他のビーム指向性システム等のビーム導光器50と光通信する。ビーム導光器50は、光ファイバセクションの角度の付いた端面を含むことができる。光ファイバ43は、一実施形態では、ビーム導光器50で終端する。示されるように、
図3Aの例示的な実施形態では、光ファイバ43は、1つ又は複数の光ファイバ部分と光通信する。これらの光ファイバ部分又はセクションは、GRINレンズに限定されることなく、ビームエキスパンダ45や、GRINレンズ47、コアレス光ファイバセクション48等の光学トレインの他の部分を含むことができる。これらの光学素子は、本明細書でより詳細に説明される。
【0063】
この実施形態に示されるように、光ファイバ43は、光源から光ファイバ43に沿って送信されるビームを拡大するような第1のコアレス・ビームエキスパンダ45と光通信する。ビームエキスパンダ45は、次に、ビームをコリメートするようなGRINレンズの光ファイバセクション47と光通信する。別のコアレス光ファイバセクション48は、GRINレンズ47と光通信する。一実施形態では、コアレス光ファイバセクション48は、その末端又は端面にビーム導光器50を含む。一実施形態では、ビーム導光器50は、ファイバ部分48の端部で金属化され且つ形成された角度の付いた反射面を含む。ビーム導光器50は、示されるように、角度Cで光を方向付けるように構成することができる。
【0064】
図3Bの断面図に示されるように、ビーム導光器50は、光ファイバ43の長手方向軸線29に対して角度Aで角度付けすることができる。3つの垂直ベクトル又は光線P1,P2,P3が、
図3Bの基準フレームを提供するように示されている。P1は、軸線29に対して垂直である。P2は、示されるように、裏当て材60を通過する軸線29及び/又は光線53に対して垂直である。一実施形態では、光は、光源からの軸線29と実質的に整列しているファイバコアに沿って伝搬する。光がビーム導光器50から反射された後に、次に、その光は、光Lとしてシース31を通ってサンプルに導かれる。音響波ABも、サンプル31に導かれる。ビーム導光器50の反射面51の角度Aは、長手方向軸線29に対して約40°であり、又は一実施形態ではその長手方向軸線に平行な光線である。一実施形態では、角度Cは、(90°−2A°)に略等しい。一実施形態では、角度Aは、約30°〜約50℃の範囲である。一実施態様では、角度Aは、約35°〜約45°の範囲である。音響ビームAB及び光ビームLは、これら2つのビームのそれぞれの中心に対して測定される距離BDだけ分離することができる。一実施形態では、BDは、約250μm〜約500μmの範囲である。
【0065】
一実施形態では、ビーム導光器50の反射面の角度は、45°より大きい又は未満となるように選択される。角度が約40°である場合に、ビーム導光器から伝搬する第1の光線は、光ファイバの長手方向軸線に対して測定された80°の角度で透明な窓等のシース(図示せず)の一部に当たるであろう。シース面での入射角度が約90°未満であるため、シースからの戻り反射が低減される。従って、一実施形態では、ビーム導光器からシースに当たる光線の角度は、約90°未満であり且つ約70°より大きくなるように構成される。一実施形態では、ビーム導光器50は、カテーテルの回転軸線と同軸である。光ファイバ43に沿って進行する光は、側面投影レンズ構造(45,47,48,50)により導かれ、それによって、投影された光ビームは、プローブチップ40が管腔内に配置されたときに、血管壁に当たる。
【0066】
OCTシステムは、光学に基づくものであるが、超音波システムは、電気制御信号を使用して、トランスデューサを駆動し音響波を発生させる。これらの波を成形して、ビームを形成することができる。トランスデューサを用いて収集されたデータは、画像形成のためにプローブチップ40からプローブ本体28に沿って送信する必要がある。上述したように、2つの導電体又は電極52,54は、示されるように、ビーム導光器50の両側に配置される。第1及び第2の導電体52,54は、超音波検出器又はトランスデューサ55のための電気信号線として機能する。トランスデューサ55は、音響データ収集サブシステム又はその構成要素の一例である。一実施形態では、トランスデューサ55は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電材料を含むスタック層を含む。
【0067】
一実施形態では、トランスデューサ55は、超音波発生スタックから構成される最上層の音響整合層56を有する(追加の整合層が可能である)。第1の導電体52は、示されるように、貫通(through)層56等の超音波トランスデューサ55と電気通信する。音響ビームは、本発明の一実施形態では、層56の表面から所定の角度で方向付けされる。第2の導電体54は、圧電材料層58の底部又は下側の金属化表面と電気通信する。このように、一実施形態では、導電体52,54は、トランスデューサ55の1つ又は複数の層を介して音響波発生トランスデューサ55と電気通信する。
【0068】
超音波トランスデューサ55及びビーム導光器50はそれぞれ、
図3Bに示されるように、角度B及び角度Cで向き合せさせることができる。一実施形態では、角度B及び角度Cは、実質的に等しくなるように選択される。角度B及び角度Cは、0°〜約20°の範囲とすることができる。角度B及び角度Cは、光ファイバ43等の光ファイバ部分の長手方向軸線に対して垂直方向に測定される。一実施形態では、角度Bは、約10°である。一実施形態では、角度Cは、約10°である。一実施形態では、トランスデューサ55及び導光器50から発生したビームは、平行又は実質的に平行である。一実施形態では、音響ビーム及び光ビームの両方を傾斜させることの利点は、プローブチップ40が
図1のシース31等に配置される(図示せず)際に、シースからの直接的な反射を回避することである。一実施形態では、超音波トランスデューサ55は、圧電スタックを含む。一実施形態では、圧電スタックの長さは、約400μm〜約800μmの範囲である。一実施形態では、圧電スタックの高さは、約40μm〜約80μmの範囲である。一実施形態では、圧電スタックの厚さ又は幅は、約300μm〜約600μmの範囲である。
【0069】
一実施形態では、超音波吸収裏当て材60は、トランスデューサ55の後方に配置される。この裏当て材60は、ビーム導光器50及びトランスデューサ55の支持を提供する。カバー又はハウジング62が、裏当て材60に取り付けられ、及び/又はこの裏当て材60を部分的に取り囲むことができる。一実施形態では、カバー又はハウジング62は、オプションである。裏当て材は、エポキシ等の他の材料内に配置された高密度材料の粒子を含むことができる。一実施形態では、タングステン粒子を、裏当て材としてエポキシ樹脂中に配置することができる。セラミック材料及び他の高密度の粒子を、裏当て材料として使用することができる。一実施形態では、このカバー又はハウジング62は、血管造影画像が引き戻し中に患者から得られるときに、プローブチップの視認性を高めるための放射線不透過性材料を含む。また、カバー又はハウジング62は、プローブチップと、光及び音響データ収集要素との構造的完全性を改善するために、より高強度の金属を含むことができる。
【0070】
一実施形態では、裏当て材60を成形して、ビーム導光器の支持を形成することができる。例えば、一実施形態では、裏当て材60は、示されるように、光ファイバを配置するためのチャネル又は溝を規定する。一実施形態では、プローブチップは、例えば円形、楕円形、又は他の曲線の部分を含む断面等の湾曲断面部分又は境界を有するような端面61を有する。一実施形態では、プローブチップは、その長さに沿って断面積が、端面からファイバ受信セクションの端部にかけて変化するようなテーパ形状を有する。一実施形態では、端面61は、示されるような下側が曲線の湾曲した境界部61aと、実質的に直線状の境界部61bとを含む。
【0071】
一実施形態では、セクション40aに跨る(及ぶ)溝又はチャネルは、光ファイバ及び/又は他の材料を受容するようなサイズに構成される。あるいはまた、裏当て材60は、ビーム導光器50及びトランスデューサ50が配置されるような平面サポートを規定することができる。一実施形態では、プローブチップの横断面40は、長さに沿って変化する。例えば、裏当て材によって規定される溝又はチャネルを含むようなプローブチップ40の断面の一部は、裏当て材がトランスデューサ55を支持する場合に、プローブチップの幅未満の第1の幅を有する。
図3Bに示されるように、裏当て材60は、光ファイバ43と光通信するビーム導光器50及び1つ又は複数の光ファイバベースの要素を支持する領域と、トランスデューサ56を支持する領域とを形成するように機械加工及び/又は型成形することができる。一実施形態では、ビーム導光器48の一部を取り囲む裏当て材料の断面は、光ファイバ43(チャネル又は溝内に配置された場合に)、ビームエキスパンダ45、又はGRINレンズ47の一部を取り囲むような裏当て材料の断面の幅よりも大きい幅寸法を有している。
【0072】
図3Aに示されるように、プローブチップ40は、光ビーム導光器50を可能な限り超音波トランスデューサ55に近接させるように、その遠位端部に超音波トランスデューサ55を有している。この構成では、データ収集の間に、光ビーム及び超音波ビームの中心は、トランスデューサ及びビーム導光器を組み合わせた寸法の少なくとも1/2だけ分離されている。上述したように典型的なトランスデューサ55について、一実施形態では、トランスデューサ及びビーム導光器の寸法のこの適用によって、約300〜約400μmの範囲の、ビーム導光器(光学データ収集サブシステム)と超音波トランスデューサ(音響データ収集サブシステム)との間の最小分離距離を特定する。
【0073】
超音波ビーム発生器及び光ビーム導光器の相対的な配置によって、他の設計オプションに関連したいくつかの問題が克服される。特に、光学データ収集要素の前に、この要素の上方に、あるいはまたこの要素の遠位位置に超音波データ収集要素を位置決めすることによって、いずれのイメージングモダリティも許容できないレベルに劣化することがない。
【0074】
図3Aの超音波データ収集要素及びOCTデータ収集要素の配置の他の利点のいくつかを理解するために、そのような構成要素又はこの部分に関連する代替的な配置オプションを考慮することが有益である。例えば、
図3Aの配置に対する1つの代替的な実施形態として、光ビーム導光器は、超音波ビーム生成器の前に(に対して遠位位置に)配置される。この実施形態は、超音波裏当て材を通過させるために、OCT画像データを送信するような光ファイバを必要する。次に、これは、超音波裏当て材料を犠牲にし(compromise)(それによって、スプリアス反射を導入すること、反射されたエネルギーを吸収するために裏当て材の量を減少させることの両方を行う)、光又は音響データ収集要素の一方を回転軸からシフトさせる(超音波センサ領域を減少させる又はOCT経路長を増大させることのいずれかを行う)。
【0075】
第2の実施形態として、光ビーム及び超音波ビームを一致させて配置するには、一方又は両方のデータ収集要素を回転軸線からシフトさせる(超音波トランスデューサのサイズを小さくする)だけでなく、(その超音波データをシャドウイングする、又は光ファイバ及び光ビームについて超音波トランスデューサを貫通する孔やトンネルを必要とすることのいずれかによって)超音波データ収集サブシステムの性能を犠牲にする必要がある。また、第3実施形態として、光ビーム及び超音波ビームは、正反対に対向させることができる。このようなオプションは、両方のデータ収集要素を回転軸線からシフトさせ(超音波の大きさを減少させる)、超音波裏当て材を犠牲にし、且つビーム再構成が不均一な回転歪み効果を受ける、必要がある。
【0076】
図3Aに関して上述したように、プローブチップ40は、OCT及びIVUS画像を生成する光学データや音響データを収集するように構成されたデータ収集プローブの一部である。プローブチップは、一実施形態では、プローブ本体28に接続される。プローブ本体は、信号がプローブチップとの間で送受信されるような光路及び電気経路を含む。プローブ本体の実施形態に関するさらなる詳細が、
図1に関して上述したように、
図4A及び
図4Bに示される。
【0077】
より詳細には、
図4A及び
図4Bには、プローブ本体65のセクションが示されている。
図4Aに示されるように、プローブ本体は、(好ましくは、直径で約125μm〜約155μmの範囲の)コーティングされた光ファイバ70を含む。このファイバ70は、プローブ本体の他の構成部品に対して中央に配置される。複数の個々の導電体71が、光ファイバ70の周りに巻き付けられる。これらの導電体71は、ワイヤ又は他の剛性又は可撓性を有する導電体とすることができる。これらの導電体71は、光ファイバがデータの収集中や他の時に回転したときに、回転バランスや回転釣り合いを維持するように光ファイバの周りに対称的に巻き付けられる。一実施形態では、マーカー等の放射線不透過要素72を、使用することができる。この放射線不透過マーカー72は、血管造影のために使用されるX線で現れるような金属スリーブや別のデバイスとすることができる。
【0078】
トルクワイヤ73は、ファイバ70及び導電体71のセクションを受容する。マーカー72は、
図4Bの関節76で示されるように、トルクワイヤ73に溶接される又は他の方法で接合することができる。
図4Bでは、
図1及び
図3に示したものに対応する近位方向及び遠位方向が示されている。
図4Bの右側では、光ファイバ70は、その光ファイバがトルクワイヤ73内に配置されることを示すように点線で示されている。導電体71は、トルクワイヤ内でファイバ70の周りに継続して巻き付けられている。導電体71が、
図4Bのマーカー72を過ぎても続くことが示されている。一実施形態では、ファイバ70及び導電体の端部は、端子又はプローブコネクタで終端する。プローブチップ75が、プローブ本体65に取り付けられるように示されている。次に、プローブチップは、プローブチップ75の構成要素としてビーム導光器等の光学データ収集サブシステム79に対して配置されたトランスデューサ等の音響データ収集サブシステム77を含む。光学素子79は、示されるように、音響素子77の近位位置に位置決めされる。
【0079】
導電体71は、導電経路がデータ収集システムに到達するまで、プローブ本体に沿って延びる音響データ収集素子77とPIUとの間の導電経路のセクションを構成するような回路部品である。一実施形態では、制御信号及び超音波データを送信する役割を考慮すると、導電体71は、低い実抵抗を有するように選択される。また、導電体は、超音波信号の送信電子機器を構成する導電体及び任意の回路素子又はデバイスのインピーダンスが、システム12の超音波信号の受信電子機器のインピーダンスに整合するように選択される。一実施形態では、巻き付けられたファイバの直径及び螺旋パターンのピッチは、受信機器のインピーダンスに整合するように送信機器のインピーダンスを調整するように使用される。例えば、一実施形態では、導電体71の抵抗値は、一実施形態では約20オーム(Ω)未満である。別の実施形態では、その抵抗値は、約10Ω未満である。一実施形態では、使用される導電体のインピーダンスは、約50〜約100Ωの範囲である。
【0080】
一実施形態では、光ファイバ70上の導電体71に螺旋状に巻回されたアセンブリは、ツイストペア送信ラインとして構成される。一実施形態では、螺旋状ツイストの均一な間隔によって、第2の導電体に対して第1の導電体の位置を対称的に回転させ、外部磁界から誘導されたノイズを除去(又はキャンセル)することが可能になる。螺旋状ピッチを緊密にすることによって、より多くのノイズが除去され、螺旋状ピッチを緩く(loose)することによって、ケーブルのより向上した柔軟性が可能になる。例えば、一実施形態では、ピッチは、ケーブルの柔軟性に対するノイズ減少のバランスを取るために、約0.5mm〜約1.5mmの間となるように選択される。
【0081】
光ファイバ70及び導電体71の巻回されたアセンブリは、耐疲労特性を有するように構成される。一実施形態では、複数の導電体71は、2ペアの導電体を含むことができる。約0.5〜約1.0cmの螺旋状ピッチで巻き付けられた2ペアの44ゲージ無酸素銅の導電体(高コンダクタンス及び高疲労強度を有する)は、本明細書で説明する範囲の抵抗及びインピーダンスを満たしている。導電体71を光ファイバ70の周りに巻き付ける結果として、巻き付けられたファイバの全径は、約0.009”(inches)〜約0.011”(inches)の範囲となるように増大する。光ファイバ70及び巻き付けられた導電体71から構成されるこのアセンブリは、トルクケーブル73の内部に部分的に配置される。導電体71は、プローブチップ65及び音響素子79に配置された導電体と電気通信する。一実施形態では、X線不透過マーカー76が、トルクケーブル73の端部に取り付けられる。このマーカーによって、プローブチップ65の視認性が向上され、プローブチップ65を接続するための固体材料が提供される。
【0082】
トルクケーブル73は、2つの対向する方向に巻回された一連の螺旋状ワイヤであり、このケーブルは、回転剛性を有する(トルクを伝達する)が、曲げる際に可撓性を有する。トルクケーブル73は、IVUS単独の又はOCT単独のカテーテルで使用されるケーブルと同様である。結合されたカテーテルの困難性は、それらの性能特性を損なうことなく、電気及び光学素子の両方をトルクケーブル73の内側に嵌合することである。シース及びガイドカテーテルもその後増大するため、トルクケーブルの外径を増大させることは望ましくない。その結果、プローブは、カテーテル検査手順において使用されるような典型的な5又は6フレンチのガイドカテーテルよりも大きいプローブが必要となる。
【0083】
図5Aには、音響波又は超音波データ収集サブシステム或いはこれらの構成要素とも呼称される超音波トランスデューサ92を含むプローブチップ90が示されている。プローブ本体の一部である光ファイバ91が、プローブチップ90の構成要素に対して配置されるように示されている。イメージング光を送受信するように構成されたビーム導光器93は、プローブチップ90の一部でもある。また、示されるように、導電体94,95は、プローブチップ90上の接触点に接合されることによって、超音波トランスデューサ92と電気通信する。導電体94,95は、ビーム導光器93の両側に配置される。導電体94を使用して、信号を送信し超音波トランスデューサ92を制御する。導電体94,95は、ファイバ91の周りに巻き付けるように構成されたワイヤ等の導電性要素の接点としての役割を果たすことができる。示されるように、超音波トランスデューサ92は、一実施形態では、裏当て材96上に配置される。裏当て材92は、フレア側面を含む矢じり形状と、光ファイバ付近で狭くなったネック部分とを有することができる。裏当て材料は、一実施形態では、錐台等の円錐又は他の円錐曲線の一部であるように成形することもできる。
【0084】
図5Bには、プローブチップ90が示されている。トルクケーブル又はワイヤ98は、ビーム導光器93と光通信するような内部に少なくとも部分的に配置された光ファイバを有する。一実施形態では、トルクケーブル又はワイヤ98は、プローブチップ90付近に位置決めされた放射線不透過マーカー99を含むことができる。プローブチップ90は、一実施形態では、このマーカー99に取り付けられる。次に、マーカー99は、トルクワイヤ98に取り付けることができる。
【0085】
図5Cには、データ収集プローブ100のセクションが示されている。シース102は、内部に配置されたプローブチップ104と共に示されている。このプローブチップ104は、ビーム導光器及び超音波トランスデューサを含む。トルクケーブル105は、シース100の内部に配置される。放射線不透過マーカー108は、プローブチップ104及びトルクケーブル105に隣接しており且つこれらに取り付けられる。
【0086】
本明細書で説明するプローブチップ及びこれに関連する機能は、動脈等の血管の生成断面ビューに使用することができる。このような断面ビューの例が、
図6A及び
図6Bに確認することができる。
図6Aは、本明細書で説明するような、透過深さと、プロセッサベースのシステムを使用して生成された解像度と、超音波トランスデューサを有するデータ収集プローブを用いて収集されたデータセットとを示すIVUS画像である。
図6AのIVUS画像は、IVUSが実現可能な(OCTと比べた)透過深さを示している。
図6Bは、本明細書で説明するような、透過深さと、プロセッサベースのシステムを使用して生成された解像度と、ビーム導光器を有するデータ収集プローブを用いて収集されたデータセットとを示すOCT画像である。
図6BのOCT画像は、OCTが実現可能な(IVUSと比べた)高い分解能を示している。
【0087】
明細書では、本発明について、光コヒーレンス・トモグラフィに関する文脈で議論している。しかしながら、これらの実施形態は、限定を意図するものではなく、当業者は、本発明が、他の画像診断モダリティ又は一般的な光学システムでも使用できることを理解するであろう。
【0088】
光及び電磁放射という用語は、各用語が、電磁スペクトル内の全ての波長(及び周波数)の範囲及び個々の波長(及び周波数)を含むように本明細書において交換可能に使用される。同様に、装置及び機器という用語も、交換可能に使用される。部分的には、本発明の実施形態は、限定するものではないが、電磁放射やこの構成要素の光源;そのような光源を含むシステム、サブシステム、及び機器;前述したシステム等の一部として又はこれらシステム等と通信するように使用されるような、機械的な、光学的な、電気的な、及び他の適切な装置;及び前述したシステム等のそれぞれに関する方法に関連する。従って、電磁放射線源は、任意の装置、物質、システム、或いは、1つ又は複数の波長又は周波数の光を放射する、再放射する、送信する、放出する又は他の方法で発生する装置の組み合わせを含むことができる。
【0089】
電磁放射線源の一例は、レーザーである。レーザーは、放射線の誘導放出過程により光を生成又は増幅するような装置又はシステムである。レーザー設計のタイプ及び変形形態を列挙し、話を展開し続けるにはあまりに広範となるが、本発明の実施形態で使用するのに適したレーザーのいくつかの非限定的な例には、波長可変レーザー(時には掃引光源レーザーと呼称される)、スーパールミネッセントダイオード、レーザーダイオード、半導電体レーザー、モードロックレーザ、気体レーザー、ファイバレーザー、固体レーザー、導波路レーザー、レーザー増幅器(時には光増幅器と呼称される)、レーザー発振器、増幅自然放出レーザー(時にはミラーレスレーザ又は超放射レーザーと呼称される)を含むことができる。
【0090】
本発明の態様、実施形態、特徴、及び実施例は、全ての点で例示とみなすべきであり、本発明を限定することを意図するものではなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ規定される。他の実施形態、変形形態、及び用途は、特許請求の範囲に記載される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者には明らかになるであろう。
【0091】
本出願の見出し及び項目の使用は、本発明を限定するものではない。各項目は、本発明の任意の態様、実施形態、又は機能に適用することができる。
【0092】
本出願全体を通して、構成が特定の構成要素を有する、含む、又は備えるものとして記載される、又はプロセスが特定の処理ステップを含む、有する、又は備えると記載される場合に、本教示の構成が、列挙された構成要素から本質的に構成される、又は列挙された構成要素からなること、或いは本教示のプロセスが、列挙された処理ステップから本質的に構成され、又は列挙された構成からなることが企図される。
【0093】
本出願では、要素又は構成要素が、列挙された要素又は構成要素のリストに含まれる及び/又はこのリストから選択される場合に、要素又は構成要素が、列挙された要素又は構成要素のいずれかとすることができ、そして列挙された要素又は構成要素の2つ以上から構成されるグループから選択できることを理解すべきである。さらに、本明細書で説明する構成要素、装置、又は方法の要素及び/又は機能は、本明細書に明示的又は黙示的に記載されているかよらず、本教示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な方法で組み合わせることができることを理解すべきである。
【0094】
「含む、有する(include, includes, including)」、「有する、含む(have, has, having)」の用語の使用は、特に他に記載のない限り、一般的にオープンエンド及び非限定的なものとして理解すべきである。
【0095】
本明細書での単数形の使用は、特に他に記載のない限り、複数を含む(逆の場合も同じ)。また、文脈が他に明確に指示しない限り、単数形「1つの、その(a, an, the)」は、複数形を含む。加えて、「約」という用語が定量値の前に使用される場合に、本教示は、特に他に記載のない限り、特定の定量値自体も含む。
【0096】
特定の動作を行うためのステップの順序又は順番は、本教示が使用可能である限り、無関係であることを理解すべきである。さらに、2つ以上のステップ又は動作を、同時に行ってもよい。
【0097】
本発明の図面及び説明は、明確化のために他の要素を排除した状態で、本発明の明確な理解のために関連するような要素を示すように簡略化されることを理解すべきである。しかしながら、当業者は、これら及び他の要素が望ましいことを認識するであろう。しかし、このような要素は、当技術分野で知られており、これらの要素は、本発明のより良い理解を容易にしないので、このような要素の議論について、本明細書では提供しない。なお、図面は、例示目的のために提示されており、構造図として提示されていないことを理解すべきである。省略した詳細及び変形形態又は代替実施形態は、当業者の知識の範囲内にある。
【0098】
本明細書に提示された実施例は、本発明の可能な及び特定の実装形態を例示することを意図している。なお、実施例は、当業者にとって、本発明の説明の目的のために主に意図していることを理解されたい。本発明の精神から逸脱することなく、本明細書で説明するこれらの図又は動作に変更があってもよい。
【0099】
また、本発明の特定の実施形態について、本発明を限定する目的ではなく、本発明を説明する目的のために本明細書で説明してきたが、当業者には、要素、ステップ、構造、及び/又は部品の詳細、材料及びの配置の多くの変形形態は、特許請求の範囲に記載される本発明から逸脱することなく、本発明の原理及び範囲内で行うことができることが理解されよう。