特許第6352292号(P6352292)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6352292
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】平坦な照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21K 9/237 20160101AFI20180625BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20180625BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20180625BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20180625BHJP
【FI】
   F21K9/237
   F21S2/00 224
   F21V29/503 100
   F21Y115:10
【請求項の数】22
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-546137(P2015-546137)
(86)(22)【出願日】2013年12月5日
(65)【公表番号】特表2015-537354(P2015-537354A)
(43)【公表日】2015年12月24日
(86)【国際出願番号】IB2013060662
(87)【国際公開番号】WO2014087363
(87)【国際公開日】20140612
【審査請求日】2016年12月2日
(31)【優先権主張番号】61/733,476
(32)【優先日】2012年12月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12195700.5
(32)【優先日】2012年12月5日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】13159895.5
(32)【優先日】2013年3月19日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】13159889.8
(32)【優先日】2013年3月19日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ブッケムス ペーター ヨハネス マルティヌス
(72)【発明者】
【氏名】ライスカムプ ペーター
(72)【発明者】
【氏名】カダイク シモン エメ
(72)【発明者】
【氏名】アンセムス ヨハネス ペトラス マリア
【審査官】 鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/095758(WO,A2)
【文献】 特開2012−146552(JP,A)
【文献】 特開2011−070971(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/107925(WO,A1)
【文献】 特開2012−038466(JP,A)
【文献】 米国特許第05463280(US,A)
【文献】 米国特許第05749646(US,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02058584(EP,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02295853(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00− 9/90
F21S 2/00−19/00
F21V 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置であって、
固体状態光源と、
前記固体状態光源が配されているキャリアであって、前記キャリアは、自身のエッジ側と比較して比較的大きい前側を有し、この結果、前記固体状態光源により生成される熱量がキャリアに伝達される、前記キャリアと、
前記キャリア上に位置決めされていると共に前記キャリアと同一面内にあるカバー部材であって、これにより前記固体状態光源は、前記キャリアと前記カバー部材の光透過部との間に配されており、前記カバー部材は前記キャリア及び固体状態光源を囲んでおり、この結果、熱インターフェースが前記キャリアと前記カバー部材との間に存在し、前記カバー部材は、前記照明装置の外側の一部である外面を有すると共に、前記外面の反対側にあり前記キャリアの前記前側と熱的に接触している内面を有し、この結果、前記熱インターフェースが形成される、前記カバー部材と、
前記照明装置をソケットに機械的に及び電気的に接続するための前記キャリアに対して固定された位置を有する接続部材と、
を有する照明装置であって
前記固体状態光源は、前記キャリアの前記前側に配され
前記熱インターフェースが、前記固体状態光源から前記キャリアへ伝達される熱の大部分を自身を介して伝達するように配されている、
照明装置。
【請求項2】
前記キャリアが、第1の熱伝導率を有する熱伝導性材料を有し、前記カバー部材が、第2の熱伝導率を有し、前記第1の熱伝導率は前記第2の熱伝導率より大きい、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記第1の熱伝導率は100―300W/mKの範囲に、好ましくは160W/mKと240W/mKとの間にあり、前記第2の熱伝導率は0.2―10W/mKの範囲に、好ましくは0.5W/mKと及び5W/mKとの間にある、請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記熱伝導性材料は、前記キャリア上の熱伝導層として配されている、請求項2又は3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記熱伝導層は、前記固体状態光源に電気的に接続されている、請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
熱インターフェース材料(TIM)は、前記カバー部材と前記キャリアとの間の空間を充填するように配されている、請求項1乃至5の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記前側の反対側にある前記キャリアの後ろ側に配されている第2の固体状態光源と、
前記キャリア上に配されている第2のカバー部材であって、これにより前記第2の光源は、前記キャリアと前記第2のカバー部材の光透過部との間に配され、この結果、第2の熱インターフェースが前記キャリアと前記第2のカバー部材との間に存在する、第2のカバー部材を更に有する請求項1乃至6の何れか一項に記載の照明装置であって、
前記第2のカバー部材は、前記照明装置の前記外側の第2の部分である第2の外面を有すると共に、前記第2の外面に対向していると共に前記キャリアの前記後ろ側と熱的に接触している第2の内面を有し、この結果、前記第2の熱インターフェースが形成されている、
照明装置。
【請求項8】
前記カバー部材及び前記第2のカバー部材は、互いに取り付けられると共に前記キャリアを封入している、請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記キャリアの前記前側の少なくとも50%、好ましくは90%は、前記カバー部材の前記内面と熱的に接触している、請求項1乃至8の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項10】
前記キャリアは、基板、プリント回路基板、又はPCBコアと銅層とを備えているアルミニウム・スプレッダである、請求項1乃至9の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項11】
前記カバー部材は、前記カバー部材に対して前記キャリアを位置合わせするために前記キャリアの開口部を通って延在する突起を有する、請求項1乃至10の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項12】
前記照明装置は前記接続部材を通過する長手方向の軸を有し、前記キャリアは前記長手方向の軸と平行に配される、請求項1乃至11の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項13】
前記長手方向の軸に対して平行に位置決めされている第2の前側及び後ろ側を備えると共に前記第2の前側に配されている少なくとも1つの付加的な固体状態光源を有する第2のキャリアを更に有する、請求項12に記載の照明装置。
【請求項14】
前記第2のキャリアが前記キャリアと平行に配されている、請求項13に記載の照明装置。
【請求項15】
前記第2のキャリアは前記キャリアに対して直交するように配されている、請求項13に記載の照明装置。
【請求項16】
前記照明装置は前記接続部材を通過する長手方向の軸を有し、前記キャリアが前記長手方向の軸に対して横方向に位置決めされている、請求項1乃至11の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項17】
前記照明装置は前記接続部材を通過する長手方向の軸を有し、前記キャリアは、前記長手方向の軸と一致している軸を有する円筒状である、請求項1乃至11の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項18】
前記キャリアは、前記長手方向の軸と平行に位置決めされている二重螺旋形にされている表面である、請求項12に記載の照明装置。
【請求項19】
二重螺旋の前記表面は、前記接続部材の方向を向いている第1の端部と、前記接続部材から外方を向いている第2の端部とを有し、
前記第1の端部及び前記第2の端部における前記長手方向の軸に対して垂直な二重螺旋表面のそれぞれの配向は、15°と360°との間の範囲にある角度だけ異なっている、
請求項18に記載の照明装置。
【請求項20】
前記それぞれの配向は、60°と180°との間の範囲の角度、好ましくは約90°、最も好ましくは約120°だけ異なる、請求項19に記載の照明装置。
【請求項21】
第2の固体状態光源を有する請求項1乃至20の何れか一項に記載の照明装置であって、前記照明装置は、前記固体状態光源及び前記第2の固体状態光源に独立に電力を供給するための電気的な接続を有する、照明装置。
【請求項22】
第2の固体状態光源を有する請求項1乃至21の何れか一項に記載の照明装置であって、前記固体状態光源及び前記第2の固体状態光源を個々に制御するコントローラを有する、照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体状態光源を有する平坦な照明装置に関し、より詳細には平坦なランプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のLEDランプは、LEDが配されているプリント回路基板を有する。前記プリント回路基板は、前記LEDランプを立位に配する際に水平な態様で配され、又は前記LEDランプの長手方向の軸を規定する場合、前記長手方向の縦に対して角度を成して配されている。光射出方向における前記プリント回路基板の前方には、プラスチック又はガラスのバルブが、前記LEDから発される光を操作すると共に前記ランプ内部の構成要素を保護するために配されている。前記プリント回路基板の下方には、複数の構成要素が、前記LEDにより生成される熱を拡散する及び伝達するという主目的により配されている。これらは、ヒート・スプレッダ、ヒート・フィン、金属ハウジング及び口金であり得る。従って、このようなLEDランプは、光の生成及び分配並びに熱の伝達のような、ランプの全てのタスクを遂行するため、及び電気的接続を保護し防火エンクロージャ(fire enclosure)を提供するための多数の構成要素を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
代替的なLEDランプは、国際出願第2011/107925A1号に開示されており、LEDを備えるプリント回路基板は、反射器上に配されている。このような解決策は、ランプにおける構成要素の量を減少させる。しかしながら、このようなランプは、光学及び熱性能における限界を有する。更に、このような配置は、物理的な作動に対する感度が高く、高ルーメンのランプを実現するのに十分な熱特性を提供することができない。
【0004】
従って、保護的な態様において、光学及び熱特性の観点における有効性を更に増大させるランプに対する必要性が存在する。
【0005】
本発明の目的は、有効な熱マネジメントを与える照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の見地によれば、このことは、固体状態光源と、前記光源により生成される熱量が前記キャリアに伝達されるように上部に前記固体状態光源が配されるキャリアとを有する照明装置により達成される。更に、カバー部材が前記キャリア上に配されており、これにより前記光源は前記キャリアと前記カバー部材の光透過部との間に配され、この結果、熱インターフェースが前記キャリアと前記カバー部材との間に存在すると共に前記熱インターフェースがここを介して前記光源から前記キャリアに伝達される熱の大半を伝達する。
【0007】
本発明によって、照明装置の所望の熱特性は、前記光源と前記カバーの外側との間の短い熱経路を有することにより達成されれることができ、前記熱は前記環境に放散されると認識されている。このことは、固体状態光源により伝達される熱が輸送されるキャリア上に配されている固体状態光源により実現される。前記キャリアから前記カバー部材への前記熱インターフェースは、前記照明装置の外側への短い熱経路を保証する。
【0008】
この改善された熱性能は、好ましくは、前記キャリアが第1の熱伝導率を有する熱伝導性材料と第2の熱伝導率を有する前記カバーとを有し、前記第1の熱伝導率は前記第2の熱伝導率よりも大きい場合に、実現される。
【0009】
このようにして、当該熱は前記固体状態光源の近傍において前記キャリアへと大部分が急速に輸送され、この後、前記熱は、前記熱インターフェースを介して前記カバー部材に、そして前記カバー部材の外側から前記環境へと輸送される。好ましくは、前記熱は、当該発光と実質的に同じ方向において環境に対して放射され、前記熱は、光と同じ側において前記照明装置を出ることを意味する。
【0010】
好ましい実施例において、前記第1の熱伝導率は100−300W/mKの範囲におけるものであって、好ましくは、160W/mKと240W/mKとの間におけるものであり、前記第2の熱伝導率は、0.2―10W/mKの範囲におけるものであり、好ましくは0.5W/mKと5W/mKとの間の範囲におけるものである。
【0011】
更なる実施例において、前記熱導電材料は、前記キャリア上の熱導電層として配される。このことは、例えば、前記キャリアが最もありふれている種類のキャリアであるプリント回路基板である場合である。この導電層は、例えば、銅のような金属層であっても良く、優れた電気伝導率を示す。従って、これは、前記固体状態光源を照明装置のドライバ部に電気的に接続するのに使用されることができる。
【0012】
当該熱性能は、熱インターフェース材料(前記カバー部材と前記キャリアとの間の空間を充填するように配されるTIM)によって更に改善されることができる。前記TIMは、前記カバー部材と前記プリント回路基板との間に挟まれていても良い。前記TIMは、前記プリント回路基板の前側及び後ろ側の一方又は両方に設けられることが可能である。前記TIMは、前記プリント回路基板及び前記カバー部材の表面の不規則性を充填することができ、即ち前記プリント回路基板と前記カバー部材との間の界面における空隙を充填することができる。前記TIMは、空気より高い熱伝導率を有し、これにより前記プリント回路基板と前記カバー部材との間の熱伝達を増大させる。
【0013】
本発明のこの見地において、この照明装置が、前記照明装置をソケットに機械的に及び電気的に接続するための前記キャリアに対して固定された位置を有する接続部材を更に有することが実現される。前記キャリアはそのエッジ側と比較して比較的大きい前部側を有しており、前記固体状態光源は前記キャリアの前記前側に配置される。前記カバー部材は、前記照明装置の外側の一部である外面を有すると共に、前記外面の反対側である内面であって、前記熱インターフェースが形成されるように前記キャリアの前記前側と熱的に接触している内面を有する。
【0014】
この実施例において、本発明は、例えば、従来の白熱型のランプと置き換わるのに適している照明装置(レトロフィット・ランプとも称される)を製造するのに利用される。
【0015】
更なる実施例において、第2の固体状態光源が前記前側の反対側にある前記キャリアの後ろ側に配され、第2のカバー部材が前記キャリア上に配置され、これにより前記第2の光源は、前記キャリアと前記第2のカバー部材の光透過部との間に配され、この結果、熱インターフェースが前記キャリアと前記第2のカバー部材との間に存在し、前記第2のカバー部材は、前記照明装置の前記外側の第2の部分である前記第2の外面と、前記第2の外面の反対側にある第2の内面であって、前記第2の熱インターフェースが形成されるように前記キャリアの前記後ろ側と熱的に接触している第2の内面とを有する。
【0016】
この実施例において、前記照明装置の前記前側及び前記後ろ側は、類似の仕方で構成されることができる。このことが使用される場合、前側及び後ろ側に対する両方の方向に光を発するレトロフィット・ランプが得られる。
【0017】
これらの実施例の前記熱性能は、前記キャリアの前記前側の少なくとも50%、好ましくは90%が、前記カバー部材の内面と熱的に接触している場合に、保証される。当該熱は、前記固体状態光源により放散され、前記キャリアを介して前記固体状態光源の前記周囲から拡散され、前記キャリアのより大きい部分が前記カバー部材と熱的に接触しているほど、前記キャリアから前記カバー部材への前記熱輸送は良好になる。
【0018】
本発明の第1の見地によれば、このこと及び他の目的は、熱伝導層を含む平面状のキャリアと、前記キャリアの前側に配される少なくとも1つの固体状態光源と、前記前側と前記前側の反対側である後ろ側とに熱的に接触している絶縁カバー部材であって、前記キャリアから前記照明装置外へ熱を伝達するカバー部材とを有する照明装置により達成される。前記カバー部材は、前記少なくとも1つの光源の前方において前記キャリア上に配されている光学構造体であって、前記少なくとも1つの固体状態光源により発される前記光を指向するように適応化されている光学構造体を有する。
【0019】
このような照明装置は、このことにより、前記プリント回路基板からの有効な熱伝達であって、少ない部分による簡潔な態様において、当該配置の外への熱伝達を提供することができる。前記カバー部材の前記プリント回路基板の両側との熱的接触により、前記光源により生成される熱の大半は、前記カバー部材により伝達されることができる。前記カバー部材は、前記プリント回路基板と直接的に接触していても良い。前記カバー部材は、前記プリント回路基板に面している内面を有することができる。前記内面は、前記プリント回路基板の前記前側及び後ろ側と直接的に接触していても良い。前記照明装置は、更に、前記少ない部分により費用効果的な製造過程を提供することができる。前記光学構造体は、所望の仕方において前記カバー部材を介して前記光源からの光を指向するように設計されることができる。前記光源及び前記プリント回路基板は、電力を変換する、光を生成する及び生成される当該熱を拡散する機能を一緒に提供することができる。前記カバー部材及びレンズは、前記光源からの光を操作する/指向する、前記プリント回路基板からの熱を伝達する、当該配置の電気的絶縁及び防火エンクロージャを提供することができる。前記カバー部材は、更に、保護目的を有することができ、前記プリント回路基板及び光源を外部の損傷から保護する。前記照明装置は、電気ソケットにおける使用のための口金内に配される、又は照明器具に組み込まれることができる。前記プリント回路基板は、2つの平坦な側、即ち前記前側及び前記後ろ側を有することができる。前記プリント回路基板は、更に平面であり得る。光源は、前記プリント回路基板の一方の側又は両側に配されることができる。前記カバー部材は、前記プリント回路基板の両側と熱的に接触するように配されることができる。前記カバー部材は、前記プリント回路基板の前記前側及び後ろ側の少なくとも半分のような、前記プリント回路基板のかなりの部分と熱的に接触するように配されることができる。前記カバー部材は、ガラス材料、プラスチック材料又はセラミック材料等により形成されることができる。カバー部材のための通常のプラスチック材料は、前記プリント回路基板からの熱伝達機能を提供するのに十分な熱特性を提供することができる。更に、前記カバー部材の熱特性を改善するために、前記カバー部材は熱プラスチック材料でできていても良い。前記プリント回路基板は、前記プリント回路基板の広域にわたって前記光源により生成される熱を拡散する熱拡散層を有することができる。前記熱拡散層は、例えば、銅層又はアルミニウム層でも良い。前記熱拡散層は、更に、前記プリント回路基板の前記前側から前記後ろ側まで熱を拡散するのに適している、及び前記プリント回路基板の前記後ろ側から前記前側まで熱を拡散するに適しているものであり得る。一実施例において、前記プリント回路基板は、複数の熱拡散層を有することができる。更に、一実施例において、前記プリント回路基板は、FR―4又はCEM―1材料の電気的な接続を備えるアルミニウム・シートメタルを有することができる。前記アルミニウム・シートメタルは、これにより前記熱拡散層及び電気的相互接続を形成することができる。
【0020】
一実施例において、前記カバー部材は、前記プリント回路基板及び前記少なくとも1つの固体状態光源を封入するように配されることができる。前記カバー部材は前記プリント回路基板を封入し、前記プリント回路基板の前記前側及び後ろ側の両方と接触している場合、前記カバー部材は、前記プリント回路基板を保持するために当該配置に必要な剛性を提供することができる。この場合、前記プリント回路基板は非常に薄く、例えば、0.2mmと同程度に薄い。前記カバー部材が、前記プリント回路基板の前記前側及び後ろ側の両方を封入しているので、前記プリント回路基板は如何なる仕方においても適所に保持されることができる。これにより、前記プリント回路基板は当該配置に安定性を提供する必要はなく、熱の拡散、光源の保持及び前記光源への電気的なトラックの提供に焦点を合わせられることが可能である。前記プリント回路基板を封入することによって、前記カバー部材は、前記プリント回路基板の大きな部分(例えば、前記プリント回路基板の外面の少なくとも90パーセント)と熱的に接触していることができる。前記カバー部材は、更に、前記プリント回路基板のエッジ表面と熱的に接触していることができる。前記エッジ面は、前記前側及び前記後ろ側と一緒に前記プリント回路基板の全外面を形成することができる。これにより前記プリント回路基板からの熱伝達が、改善されることができる。前記カバー部材は、内側及び外側を有することができ、前記内側は、前記プリント回路基板と接触しており、熱を前記内側から前記外側へ伝達するように適応化されている。
【0021】
前記カバー部材は、一実施例において、透明材料から形成されており、前記レンズは、前記カバー部材の組み込まれている部分として形成されることができる。前記カバー部材及び前記レンズは、単一部品としての同じ材料から形成されることもできる。これにより、前記レンズを含む前記カバー部材の材料は、熱伝達のための熱特性と前記光源からの光を指向する前記レンズの光学特性との両方を提供することができる。前記材料は、前記光学特性のために透明又は半透明であっても良い。前記カバー部材及びレンズは、1つの共通の部品において鋳造されることもできる。代替的には、前記カバー部材は、透明又は半透明の材料により形成される前記光学構造体とは別個の部分として、熱伝導性材料により形成されることもできる。前記レンズは、前記カバー部材の材料と異なる材料により形成されることができる。前記カバー部材の材料は、低い熱抵抗率を有する材料のような、良好な熱伝達特性を提供するように設計されることができる。前記カバー部材は、非透明であっても良い。前記レンズの異なる材料は、前記光源から前記光を導く際の良好な光学性能のために設計されることができる。しかしながら、前記レンズは、幾らかの熱伝導率を有することもでき、即ち前記プリント回路基板からの熱伝達に寄与することができる。前記レンズの内側面は、前記プリント回路基板と接触していても良く、前記プリント回路基板から前記レンズまでの熱伝達を最大化するように設計されることができる。このような内側面は、平坦であっても良い。
【0022】
一実施例において、前記カバー部材は、互いに取り付けられていると共にそれぞれ前記プリント回路基板の前記前側及び後ろ側と接触するように適応化されている第1の及び第2のカバー部分を有することができる。前記カバー部材は2つの部分におけるものであっても良く、これにより当該照明装置の製造及び前記アセンブリを容易にする。前記2つの部分は、前記2つの部分を互いに固定するために互いに嵌合する固定手段を有することができる。このような固定手段は、スナップ結合、接着剤、ネジ又は超音波溶接等であり得る。前記プリント回路基板は、アセンブリの際に前記2つのカバー部分間に挟まれていても良い。これにより前記第1のカバー部分は、前記プリント回路基板の前記前側と熱的に接触していることができ、前記第2のカバー部分は、前記プリント回路基板の前記後ろ側と熱的に接触していても良い。更に、前記第1のカバー部分は、前記カバー部材内部で前記プリント回路基板を位置合わせするために前記プリント回路基板の開口を通って延在するように適応化された突起を有することができる。前記カバー部材内部で前記プリント回路基板を位置合わせするために、前記カバー部材は、前記プリント回路基板の開口を通って延在する突起を有することができる。これにより前記カバー部材に対する前記プリント回路基板の位置が、固定されることができる。前記第1のカバー部分上の前記突起は、前記第2のカバー部分上の対応する手段と嵌合するように適応化されることができ、これにより前記2つの部分を互いに固定すると共にこれらの間に前記プリント回路基板を挟むことができる。
【0023】
更なる実施例において、前記少なくとも1つの固体状態光源は、互いまでの距離を有して配されている複数の固体状態光源、又は各サブグループ間で距離を有してサブグループ状において配されている複数の固体状態光源を有することができ、前記光学構造体は、分離されている固体状態光源の数又は固体状態光源の分離されたサブグループの数に等しい複数のレンズを有することができる。特定の量の光出力を供給する照明装置を提供するために、複数の光源が前記プリント回路基板上に配されることができる。前記複数のレンズは、1つの光源又は一緒に配されている光源のサブグループからの光を指向するように各々設計されていても良い。前記光源又は光源のサブグループを前記プリント回路基板上に拡散させることによって、前記光源により生成される熱は、更に、前記プリント回路基板の前記拡張領域に沿って拡散されることができる。このことは、前記プリント回路基板におけるより効率的な熱拡散のために、当該配置の熱拡散及び熱伝達機能を改善することができ、前記カバー部材によるより効率的な熱伝達を提供する。前記光源の数又は光源のサブグループの数に等しい複数のレンズを設けることによって、前記照明装置からの全光出力は、高度に制御可能であり得る。特定の光源又は光源のサブグループのためのレンズは、前記光源又はサブグループに対して特別に設計されることもでき、他の光源又はサブグループのための他のレンズと異なっていても良い。例えば、前記光出力は、前記全光出力が特定の目的のために最適化されるように各レンズによって特定の方向に指向されることができる。更に、各光源又はサブグループは、特定の光源又はサブグループに固有の光出力を供給するためにドライバ又はコントローラにより制御されることができる。
【0024】
一実施例において、前記照明装置は長手方向の軸を有することができ、前記プリント回路基板は前記長手方向の軸と平行な第1の平面内に延在することができる。前記照明装置は、更に、口金を有することができ、前記プリント回路基板は前記口金上に配される。前記口金は、電気ソケットに嵌入するように適応化されていても良い。前記口金内のプリント回路基板の配置は、前記長手方向の軸に沿って平面内に延在しており、照明装置に少ない部分を提供することができる。前記長手方向の軸は、前記口金の中心を通って延在することができる。これにより前記プリント回路基板上に配される前記少なくとも1つの光源は、前記長手方向の軸に対して垂直な主方向に光を発することができる。しかしながら、前記レンズは、前記長手方向の軸と実質的に平行な方向を含む複数の方向に光を指向することができる。前記カバー部材は、前記プリント回路基板を封入することができ、これにより前記プリント回路基板と同じ前記平面内に延在することができると共に、前記口金内に配されることもできる。前記カバー部材、前記光学構造体及び前記口金は、前記照明装置の全外面を提供することができ、一緒に前記プリント回路基板及び前記少なくとも1つの光源を封入する。
【0025】
代替的には、前記プリント回路基板は、前記長手方向の軸に対して垂直な平面内に延在することができる。これにより前記プリント回路基板は、スポットライト配置を提供する光源を備えて配されることができる。前記カバー部材は、前記長手方向の軸と平行にプリント回路基板を備える照明装置に対するものと同じ熱特性を提供するために、前記プリント回路基板の前記前側及び後ろ側の両方と接触しているように配されることができる。
【0026】
他の実施例において、前記カバー部材の第1のセクションは、前記第1の平面内に延在している前記プリント回路基板を封入し、前記カバー部材の第2のセクションは、前記第1の平面に対して角度を有する第2の平面内に延在している。前記カバー部材の更なる拡張は、前記照明装置の周囲にさらされている表面が大きくなるために前記カバー部材の熱伝達機能を改善することができる。前記カバー部材の前記第2のセクションは、前記長手方向の軸と平行に延在することができる。これにより前記カバー部材の2つのセクションは、前記長手方向の軸の方向から見られた場合、十字形の断面を形成することができる。代替的には、前記第2の平面は、前記第1の平面と同様に前記長手方向の軸に対して横断するものであっても良い。前記カバー部材の外面が反射面である又は反射コーティングを備えている場合、前記カバー部材の前記第2のセクションは、前記照明装置の光学性能を改善することができる。更に代替的には、スポットライト配置の場合、前記第2の平面は、前記長手方向の軸に平行であると共に前記第1の平面に対して角度を有していても良い。前記カバー部材は、第3及び第4のセクションのような、更に付加的なセクションを有することができる。前記セクションは、様々な形態を形成することができる。例えば、前記カバー部材の3つのセクションは、三角形を形成することができる。更に、前記プリント回路基板は第1のプリント回路基板であっても良く、前記照明装置は、前記カバー部材の前記第2のセクションにより封入される第2のプリント回路基板を更に有する。前記第2のプリント回路基板は、前記第1のプリント回路基板が延在している前記第1の平面に対して横方向である(transversal)前記第2の平面内に延在するように配されることができる。前記第2のプリント回路基板は、少なくとも1つの固体状態光源を備えることができる。前記カバー部材の前記第2のセクションは、前記第2のプリント回路基板上の前記光源に対応する光学構造体を備えることができる。前記第2のプリント回路基板と前記第2のプリント回路基板上の前記光源とを設けることによって、光は、付加的な方向において前記照明装置から発されることができる。前記照明装置の光学性能は、これにより改善されることができる。
【0027】
一実施例において、前記光学構造体は、非対称の光学特性を提供するように設計されることができる。前記光学構造体は、非対称性の態様において、前記少なくとも1つの固体状態光源からの光を指向するように設計されることができ、前記光度分布の非回転対称性を提供する。即ち円又はドーム形のレンズは、自身の光出力方向に沿って非一様な光出力を提供することができる。当該配置は、複数の光源及び複数のレンズを有し、前記レンズは、当該配置からの光出力全体が一様である又はそうでない場合には所望の仕方におけるものであるように非対称に設計されることができる。前記非対称のレンズは、隣接するレンズに向かって最小の量の光を指向するように設計されることができる。前記レンズは、内側キャビティを有することができ、前記内側キャビティは、前記レンズが前方に配される前記光源を囲んでいる。前記内側キャビティは、前記レンズの非対称の光度分布を提供するために形成されることができる。前記内側キャビティの形状により、前記レンズに到達する前記光源からの光の屈折は、所望の光度分布を提供することができる。代替的には、前記レンズの非対称性は、前記レンズの外面の設計により提供されることもできる。
【0028】
代替的な実施例において、前記プリント回路基板は、第1の前記前側及び後ろ側を有する第1のプリント回路基板であって、少なくとも1つの固体状態光源が前記第1の前側上に配されている、第1のプリント回路基板であっても良く、前記照明装置は、更に、第2の前記前側及び後ろ側を有する第2のプリント回路基板であって、少なくとも1つの固体状態光源が前記第2の前側に配されている第2のプリント回路基板を有することができ、前記第2のプリント回路基板は前記第1のプリント回路基板と平行に配されている。前記同じ口金内に板を保持している2つの平坦な光源を有する照明装置は、改善された熱抵抗を有する配置を提供することができる。即ち両方のプリント回路基板と熱的に接触している前記カバー部材の熱抵抗を、低下させることができる。前記カバー部材は、両方のプリント回路基板の前記前側及び後ろ側と熱的に接触していることができる。前記カバー部材は、前記第1のプリント回路基板及び前記第2のプリント回路基板の両方を封入することができる。前記プリント回路基板の各前側は、1つ以上の光源を備えていても良い。前記2つの前側は、反対方向に指向されることができる。前記前側上の前記光源からの熱は、対応する前記後ろ側にも拡散されることができ、これにより前記配置の熱的性能を増大させる。
【0029】
代替的な実施例において、前記プリント回路基板は、前記カバー部材の組み込まれている部分として形成されることができる。前記プリント回路基板は、前記カバー部材の内面の一部であっても良い。前記プリント回路基板の前記電気的な接続は、前記カバー部材の前記内面上に直接的にプリントされることができ、前記光源は、前記内面上に配されることができる。
【0030】
一実施例において、前記プリント回路基板及び前記カバー部材は、湾曲形状を有することができる。前記プリント回路基板は、半径を有する湾曲されている又は曲げられている平面内に延在することができる。前記カバー部材は、対応する形状を有すると共に、前記湾曲されているプリント回路基板の前記前側及び後ろ側と熱的に接触していることができる。可撓性の基板材料は、前記プリント回路基板を形成するために使用されることができる。このような形成された照明装置は、幾つかの実施例において当該配置の改善された光学性能を提供することができる。
【0031】
更に、前記プリント回路基板は第1のプリント回路基板であっても良く、前記照明装置は第2及び第3のプリント回路基板を有していても良く、3つの前記プリント回路基板は互いに対して角度を有して配されることができ、前記カバー部材は全てのプリント回路基板の前側及び後ろ側と熱的に接触していることができる。これにより当該熱特性を有する配置及び本発明のコンパクトな配置は、改善された光学性能を有する実施例において使用されることができる。前記3つのプリント回路基板が配されることもでき、各々が他の前記プリント回路基板の対応する縁と接触している長手方向のエッジを有している。このような長手方向のエッジは、前記照明装置の長手方向の軸と一致することができる。前記プリント回路基板は、前記照明装置の形状のような星を形成することができる。前記照明装置は、他の形状を形成していると共に他の光学性能を提供する更なるプリント回路基板を有することができ、このことは、特定のアプリケーションにおいて望まれ得る。
【0032】
他の実施例において、前記プリント回路基板は、互いに角度を有して延在している2つのプリント回路基板のセクションを形成しているバックルで留められている表面(a buckled surface)を有することもできる。この実施例において、「バックルで留められている」とは、前記2つのキャリア・セクションが僅かに異なって指向され、前記キャリアの角度が曲げられている形状を形成するような仕方において、前記キャリア・セクションが互いに結合されていることを意味する。両方のキャリア・セクションは、これにより異なる方向へ光を発することができる光源を備えていることができる。前記2つのキャリア・セクションは、前記照明装置の長手方向の軸と平行に配されるが、互いに対して角度を有していることができる。代替的には、両方のセクションは、前記長手方向の軸に対して垂直な軸と平行に配されることができる。
【0033】
他の実施例において、前記キャリアは、前記長手方向の軸と平行に位置決めされている二重螺旋形の表面である。この形状は、前記キャリアに接続されている前記固体状態光源が、今、前記長手方向の軸に対して単に垂直であるよりも他の方向に指向されているという有利な点を有する。前記二重螺旋形にされている表面は、この表面に対する法線が、前記照明装置の前記長手方向の軸に対して全体的に垂直ではないという特性を有することに留意されたい。このことは、より一様な光度分布を有する照明装置に至る。好ましくは、当該二重螺旋表面は、前記接続部材の方向を向いている第1の端部と、前記接続部材から外方を向いている第2の端部とを有し、前記第1の端部及び前記第2の端部における前記長手方向の軸に対して垂直な二重螺旋表面の対応する配向は、15°から360°の範囲内の角度だけ異なる。一様な光分布は、対応する配向が約90℃だけ異なる場合に実現されることができ、約45°の配向の違いさえも、許容可能な性能を与えることができる。
【0034】
前記第2の固体状態光源を有する前記実施例に関して、前記照明装置は、前記固体状態光源及び前記第2の固体状態光源に独立に電力を供給するための電気的な接続を有することができる。このことは、異なる光源、例えば、前記前側上の光源及び前記後ろ側上の光源が独立にアドレス指定されることができるという有利な点を有する。このことは、前記光源の独立なオン/オフへの切り替えに関するものであっても良いが、調光又は色変換の見地に関するものであっても良い。
【0035】
本発明は、添付の請求項において詳述されるフィーチャの全てのあり得る組合せに関することに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】別個のレンズの形態における光学構造体を有する、本発明の一実施例による照明装置の分解図である。
図2】前記カバー部材内に組み込まれるレンズの形態における光学構造体を有する、本発明の一実施例による照明装置の分解図である。
図3】本発明の一実施例による照明装置の斜視図である。
図4図3の照明装置のレンズ全体の断面図である。
図5】リブを有する本発明の一実施例による照明装置の斜視図である。
図6図5の照明装置の上面図である。
図7】直交して配されたキャリアを有する本発明の一実施例による照明装置の斜視図である。
図8図7の照明装置のレンズ全体の長手方向の軸の方向において見られる断面図である。
図9】付加的な長手方向であり横断しているリングを有する、本発明の一実施例による照明装置の斜視図である。
図10】複数の平行に配されたキャリアを有する本発明の一実施例による照明装置の斜視図である。
図11】ランプの平坦なスポット型の配置における本発明の一実施例による照明装置の斜視図である。
図12】前記キャリアが前記カバー部材を備える組み込まれる部分として形成されている、本発明の一実施例による照明装置の斜視図である。
図13】二重螺旋表面を有するカバー部材を有する、本発明の一実施例による照明装置の側面図である。
図14】本発明による照明装置の一部を示しており、当該照明装置からの熱の流れを示している。
図15】当該照明装置の熱モデルのための説明的な図である。
図16】当該照明装置における使用のためのキャリアの2つの異なる例を与えている。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は、本発明の現在好ましい実施例が示されている添付図面を参照して、以下で十分に詳細に記載される。しかしながら、この発明は、多くの異なる形態において具体化されることができ、本願明細書において開示される実施例に限定されるものと解釈されてはならない。むしろ、これらの実施例は、徹底及び完全さのために提供されており、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるものである。類似の符号は、全体にわたって類似の要素を表している。
【0038】
図1において、平坦な照明装置(例えば平坦なランプ1)の分解図が示されている。平坦なランプ1は、長手方向の軸A1を規定する立位の態様において示されている。平坦なランプ1は、例えば、プリント回路基板(PCB)のような、キャリア2と、キャリア2上に配される、例えばLED、OLED及びPLEDのような、複数の光源3と、複数のレンズ4と、キャリア2の両側を覆うように配されている第1のカバー部材5a及び第2のカバー部材5bと、電気ソケットに嵌合されるのに適している口金6とを有する。
【0039】
キャリア2は、プリント回路基板(PCB)であっても良い。両側において銅層で覆われている絶縁コアを備えるPCBのように、PCBの異なる種類が共通して使用されることができ、又は前記キャリアは、FR4型、即ち、PCBとアルミニウムの両側における薄い銅層とを備えているアルミニウム・スプレッダであっても良い。
【0040】
キャリア2は、長手方向の軸A1に沿って延在している平面を規定していると共に、口金6内に配されている。前記電気ソケットからの電気的な接続は、口金6からキャリア2まで直接的に結合されることができ、又は口金6とキャリア2との間のワイヤ接続であっても良い。更に、前記電気的な接続は、例えば光源3を駆動するために、付加的な電子部品構成要素を有することができる。示されている実施例において、光源3は、分離されたサブグループに配されており、各サブグループは2つの光源3を有している。サブグループは、代替的には1つの光源を有することができる。平坦なランプ1は対称的に配されており、同じパターンのキャリア2の両側に配される4つのサブグループの光源3を有する。カバー部材5a、5bは、レンズ4を支持するのに適している。各レンズ4は、光源3のサブグループの前方に配される。カバー部材5a、5bは、キャリア2と熱的に接続しており、熱源、即ち光源3から、キャリア2を介して更に周囲の大気へと熱を伝達するのに適している。カバー部材5a、5bは、プラスチック、ガラス、熱プラスチック又はセラミック等のような、熱伝導性材料からできており、好ましくは、低い熱抵抗率を有する材料からできている。
【0041】
第2のカバー部材5bは、キャリア2上に対応する開口又は凹部8を有する突起9を有する。凹部8及び突起9は、当該部分を接続する前のアセンブリにおいて正しくキャリア2及びカバー部材5a、5bを位置合わせするように配されている。良好な熱伝達を提供する多面、カバー部材5a、5bは、キャリア2の領域の大部分を覆うように配されている。キャリア2は、前側及び後ろ側を有する。キャリア2は、更に、熱伝導性材料7の層を有する。この材料は、光源3から生じ得る如何なる熱も拡散するように、各側のキャリア2の前記領域にわたって均一に広げられることが可能である。熱導電層7に使用されることができる材料は、銅のような、必要な熱伝導特性を有する如何なる材料であっても良い。熱伝導性材料の層7を付加することによって、熱は、キャリア2全体に均一に分配されることができ、これにより過剰な熱を有する区域の数を減少させ、前記熱は、カバー部材5a、5bを介して周囲に輸送される。
【0042】
対応するカバー部材5a、5bの内面11は、良好な熱伝達のためにキャリア2の前側及び後ろ側と(好ましくは熱伝導層によって)熱的に接触している。
【0043】
前記キャリアと前記カバー部材との間の熱伝達は、熱インターフェース材料、TIM、中間物を提供することにより改善されることができる。前記TIMは、前記キャリアの前側及び後ろ側の何れか又は両方に設けられることが可能である。キャリア2とカバー部材5a、5bとの間の熱伝達を増大させるために、キャリア2とカバー部材5a、5bとの間に熱インターフェース材料(図示略)(TIM)の層を設けることが好ましい。
【0044】
前記TIMは、前記カバー部材と前記プリント回路基板との間に押圧されるように前記キャリアの前及び/又は後ろ側に配されることができる。前記TIMは、前記キャリアと前記カバー部材との表面における不規則性、即ちこれら2つの間のインターフェースにおける空隙を充填する。前記TIMは、中に閉じ込められた大気の量を減少させ、キャリア2とカバー部材の内側11との間の微泡の存在を防止するように配されることができる。前記TIMは、大気よりも高い熱伝導率を有し、このことにより前記キャリアと前記カバー部材との間の熱伝達を増大させる。
【0045】
本発明による平坦なランプ1は、如何なるサイズ及び形状のレトロフィット・ランプにも適するように配されることができる。キャリア2及びカバー部材5は、如何なる要件も満たすように成形される及び大きさを設定されることができる。例えば、平坦なランプ1は、如何なる標準的な装飾的なランプの形状も利用することができる。キャリア2が平坦である以外の他の形状を有することも、可能である。
【0046】
各レンズ4は、特定の照明スキームに従って所定の態様において光源3から光を分配するのに適応化されている。従って、レンズは、半透明であるにもかかわらず、実質的に透明な材料でもよい。レンズ4は、光源3から生じる熱を伝達するように配されることもできる。材料、製造、光度分布の要件及び熱的特性のような複数の選択に依存し、レンズ4は、他の材料から、従ってカバー部材5a、5bから離れて作られることもでき、又は代替的にはカバー部材5a、5bに完全に組み込まれることもできる。
【0047】
図2において、平坦なランプ1の分解図が示されており、レンズ4は、カバー部材5a、5bと一体化されている。従って、カバー部材5は、レンズ4と同じ材料を構成することができ、これにより前記光源から発される光の一部を分配することができる。キャリア2の完全な被覆を保証するために、カバー部材5a、5bはキャリア2の各側に配されリムに沿った接合10において一緒に固定されるべき2つの部分、即ち第1の部分5a及び第2の部分5bを有する。製造及びアセンブリ能力に依存して、カバー部材5a、5bは、他の場所に接合を備えて配されることもでき、又は可能ならば単一部品において鋳造されることができる。更に、クリック配置によって、カバー部材の2つの部分5a、5bをアセンブリすることも可能である。この接合は、代替的には、2つの部分5a、5bを一緒に、おそらく前記カバー部材の外側リムに沿って、接着する又は溶接することを含むことができる。代替的には、前記カバー部材は、ねじ止め又は適切で技術的に利用可能な如何なる他の接合動作によっても接合されることができる。
【0048】
図1の口金6は、電気ソケットに適合するようにネジ山を備えている。しかしながら、口金6の取付けの種類は、要件に依存して異なっても良い。例えば、前記取付けは、差し込みピン取付け、ピン取付け(例えばGU10型)又はランプ1に適することができる如何なる他の取付けとしても配されることができる。この取り付けは、当該特定の平坦なランプ1に適している如何なるサイズであっても良い。
【0049】
図3は、図1におけるランプとして完全にアセンブリされた平坦なランプ1の模式図を示している。図3は、キャリア2の一方の側のみを示しており、各光源3に対して1つ、カバー部材5の近くに嵌入されている4つの別個のレンズ4を有する。光源3は、キャリア2の一方の側のみに設けられることもできる。次いで、カバー部材5は、当該配置に合うように適切に成形されることができる。例えば、カバー部材5は、何らかの光源3を含む側にレンズ4を備えているのみでも良い。本発明による平坦なランプ1が、キャリア2の何れか又は両方の側、及びキャリア2上の如何なる場所においても光源3を有することが可能である。例えば、1つの方向により指向された光を有することを必要とする場合、平坦なランプは、キャリア2の一方の側から光を拡散するように適応化されることができる。更に、光の方向は、異なるレンズ4を有することにより変更されることができる。対称的にカットされているレンズ4は、光源3の周りに実質的に一様に光を拡散することができ、不均整にカットされているレンズ4は、前記光を特定の必要とされる方向に指向することができる。幾つかの光源3がレンズ4を共有することも可能性の1つである。例えば、より大きいレンズが、2つ以上の光源4を覆うように配されることができる。キャリア2の前側に設けられる光源3のみを有する場合、キャリア2の後ろ側は、光源3からの熱を伝達するのを助けることができ、熱がキャリア2を介して前記後ろ側における熱伝導層に伝達されるのを可能にする。
【0050】
図4は、図3のレンズ4を横切って、前記長手方向の軸A1に垂直な線に沿って切り取られた、平坦なランプ1の断面図を表している。カバー部材5a、5bは、各光源3から生じる熱が前記カバー部材を介して周囲まで伝達される熱的な接触を可能にするように、キャリア2に密接に配置される。図4のレンズ4は、前記カバー部材とは別個のものであり、キャリア2に対してカバー部材によって密に保持されるように配される。図4のレンズ4は、キャリア2に対して配されている平坦面と、光源3より上方に配されているドーム状の凹形状とを有する。外面上、レンズ4は、前記光をその周囲に均一に広げるための凸形状を有する。レンズ4は、光源3に隣接した内側キャビティ14を有する。内側キャビティ14のカット及びレンズ4の外面は、自身の周囲に必要な光度分布を生成するため、又は、適当である場合にはいつでも、特定の方向におけるより焦束された光を付加するために異なり得る。
【0051】
本発明によるランプ1において、カバー部材5は、前記第1のセクションに対して角度を有して配される第2のセクション12を備えていることができる。図5及び6は、キャリア2に対して垂直に配されている翼の形状において、カバー部材5の第2のセクション12を備えている一種の平坦なランプ1を示している。第2のセクション12は、好ましくは熱伝導性材料から作られ、場合によっては、熱性能を改善するように熱的に強化されたプラスチックのような、前記カバー部材と同じ材料から作られる。第2のセクション12は、設計、強度、熱的及び/又は光学特性を改善するように配されることができる。例えば、第2のセクション12は、より良好な光度分布のために反射性又は屈折性であっても良い。第2のセクション12は、如何なる場所においても適切に成形され配されることができる。例えば、第2のセクション12は、熱及び/又は光学性能を改善するようにリブ、フィン又はピンとして成形されることができる。第2のセクション12を形成している前記翼、リブ、フィン又はピンは、カバー部材5a及び5bに対して如何なる角度においても配されることができる。例えばより高いルーメンのパッケージのために、図7及び8における交差しているバルブ30に示されるように、第2のセクション12上に複数の光源3を設けることも可能である。前記カバー部材は、更に、前記配置の熱的及び光学特性を改善するために開口を備えて設けられることが可能である。
【0052】
図7及び8において、交差しているランプ30は、複数のキャリア2、15を有して示されている。キャリア2、15上には、前記光源に電力を供給するための光源及び電気的な接続が配される。キャリア2、15は、カバー部材16によって覆われ、当該交差されている設計に合うように適応化されている。光源3は、必要とされているように如何なる場所においても適当に配されることができる。レンズ4は、必要な光度分布を提供するために、形状、サイズ及びカットに関してこれに応じて適応化されている。場合によっては、交差したランプ30の中心から外方に向かって前記光を指向する不均整性の仕方においてカットされている。第2のキャリア15が第1のキャリア2に対して異なって角度をつけられることもできる。例えば、第1のキャリア2と第2のキャリア15との間の角度は、示されている90度よりも大きくても小さくても良い。更に、2つのキャリア2、15が互いに交差しないが、或る角度の下で互いと接触して配されることも可能である。
【0053】
図9は、図1に従って記載されたランプであって、平坦なランプ1の周りに、長手方向における及び長手方向の軸A1に対して横方向における追加の指示のためにリング13が付加されているランプを示している。リング13は、照明器具に対する支持を提供することができる。リング13は、改善された熱性能を提供するように、熱伝導性材料(例えば、アルミニウム等)でできていても良く又はカバー部材5a及び5bと同じ材料でできていても良い。リング13は、平坦なランプ1の周り如何なる場所にも位置されることができる。
【0054】
図10において、二重壁のある配置40を有するランプの一実施例が、示されている。この配置は、互いに対して平行に配置されている2つのキャリア18、19を有して設計されている。キャリア18、19は、複数の光源3及びレンズを備えている。キャリア18、19は、キャリア18、19の各々を覆うカバー部材17によって覆われている。この平行な設計は、例えば、前記キャリアの付加的な冷却が必要とされる場合に必要とされ得て、従って、カバー部材17の付加的な表面領域が光源3から生じる付加的な熱を伝達することを可能にする。カバー部材17は、この複雑な設計のために、最適にアセンブリされるように配されることができる。例えば、カバー部材17は、接合されるべき複数の部分において設計されることができる。
【0055】
図11は、平坦なスポットライト50としての前記配置における平坦なランプ50を示している。平坦なスポットライト50は、長手方向の軸A1に対して横方向に配置されるキャリア21を有する。平坦なスポットライト50は、口金6とキャリア21との間の接続を有する。この接続は、前記口金からキャリア21まで配されている付加的なキャリア、又は代替的にはワイヤのような他の種類の接続によってなされることができる。キャリア21は、複数の光源3及びカバー部材20a、20bを備えている。図11における第1のカバー部材20aは、カバー部材20a内に組み込まれている複数のレンズ4を有する。カバー部材20a、20bは、同じ種類の材料から作られることができる。代替的には、カバー部材20a、20bは異なる材料でできており、口金6まで延在している第2のカバー部材20bの当該部分を含んでいる。レンズ4が第1のカバー部材20aとは別個であることも可能である。光源及びに関連する光学構造体は、キャリア21の一方の側又は両側に配されることができる。キャリア21は、長手方向の軸A1に対して異なって配向されることもできる。
【0056】
図12は、レンズ4を備える第1のカバー部材23を有する平坦なランプ60であって、前記キャリアが第1のカバー部材23の内面22の組み込まれている部分として形成されている、平坦なランプ60を示している。当該電気的な接続は、第1のカバー部材23の内面22にプリントされている。光源3は、第1のカバー部材23の両方の部分の内面22上に配されている。前記第2のカバー部材は、前記第1のカバー部材23と実質的に同一である。レンズ4は、他のカバー部材上の対応する光源3を有する前記カバー部材のうちの1つに配されている。レンズ4及び光源3は、交互になる態様において配されている。熱拡散層は、内面22にわたって光源3により生成される熱を拡散するように内面22上に配されることができる。
【0057】
図5―12に関連して記載されている照明装置において、前記照明装置からの光を結合導出する前記光学構造体は、1つ以上のレンズ4を有する。代替的には、光ガイド又は散乱光学部品は、光学構造体として使用されても良い。
【0058】
図13は、キャリア(図示略)が二重螺旋表面として成形されている平坦なランプ65を示している。この表面は、長手方向の軸A1の方向に延在している。このキャリアは、2つのカバー部材5a、5bの間に挟まれることができる。この実施例は、更に、例えば、図1に示されているような実施例の構造に類似している。当該ランプは、キャリア2に取り付けられているLEDのような1つ以上の光源と、光が光源3から射出するのを可能にするための前記カバー部材の光透過部とを有する。
【0059】
当該二重螺旋である又は捻れている実施例は、所望の光度分布が、前記接続部材の近くにおける前記下側と前記キャリアの上側との間の捻じれ量によって少なくとも部分的に決定されるという有利な点を有する。改善された光度分布の効果は、二重螺旋構造において、前記照明装置の長手方向の軸A1に対して前記二重螺旋表面の法線の配向が一定ではないという事実によってもたらされる。前記表面の第1の部分の法線は、第2の部分の法線とは異なる。典型的には、キャリア上に取り付けられている固体状態光源は、発光プロファイルの中心軸が当該固体状態光源が取り付けられている位置における前記表面の法線の方向に向いている光を発する。前記キャリアの捻れている又は湾曲している形状は、前記照明装置の周りの改善された光分布を可能にする。
【0060】
当該光度分布上の二重螺旋形の表面の効果は、前記キャリアの上側と下側との間の捻じれの量に明らかに依存している。
【0061】
前記光度分布に対して有効量を与えるために、前記接続部材の方向に向いている前記二重螺旋表面の第1の端部と前記接続部材から外方に向いている第2の端部との間の当該捻じり角度は、15°と360°との間の範囲にある角度だけ異ならなければならない。非常に望まれる場合、当該捻じれの量は360°より大きくても良い。
【0062】
良好な結果は、前記捻り角度が60°と180°との間で選択される場合に得られ、より良好な結果は約90°において得られる。好ましくは、前記捻り角度は約120°である。このような設計は、前記キャリア上に配される前記光源により発される光を再指向することによって、前記LEDの前方に何らかの光学構造体を設けることなく一様な光度分布を得ることを可能にする。レンズ、光ガイド又は散乱光学部品のような、光学構造体を備える捻れているキャリアの組合せも考えられることは、明らかである。
【0063】
本発明による照明装置の熱特性は、固体状態光源3とカバー部材5a、5bの外側との間の短い熱経路により決定され、前記熱は前記環境に対して放散される。このことは、図14に示されているように、矢印70により示されているように固体状態光源3により生成される熱が輸送されるキャリア2上に配されている固体状態光源3により実現される。キャリア2からカバー部材5a、5b及び光学構造体4への熱インターフェースは、照明装置1の外側への短い熱経路を保証する。
【0064】
この改善された熱性能を実現する最小の仕方は、キャリア2が第1の熱伝導率を有する熱伝導性材料を有し、カバー部材5a、5bが第2の熱伝導率を有し、前記第1の熱伝導率が前記第2の熱伝導率より大きい場合である。
【0065】
前記第1の熱伝導率は、小さい温度降下(矢印71)によって、キャリア2全体にわたって前記固体状態光源からの熱を拡散するのに十分に大きくなければならず、前記第2の熱伝導率は、前記カバーの厚みにわたる小さい温度降下(矢印72、73)を得るのに十分なものでなければならない。必要な前記第1の熱伝導率は、キャリア2上の前記熱伝導性材料の厚さと、カバー部材5a、5bから環境までの有効な熱伝達係数とに関係している。
【0066】
より正確には、熱伝導は前記熱伝導率と前記熱伝導性材料の厚さとの積により決定される一方で、前記環境に対する熱伝達は、対流及び放射の組み合わせの有効熱伝達係数により決定され、フィン効率論により説明されるように、環境に対する熱伝達に対する熱伝導の比率は十分なものでなければならない。前記第2の熱伝導率は、限られている前記カバーの厚さにわたる温度降下を保持するために最小の値を有さなければならず、例えば、標準的な工学プラスチックに関して典型的な0.2W/mKである。
【0067】
良好な結果は、前記第1の熱伝導率が100―300W/mKの範囲、好ましくは160W/mKと240W/mKとの間にあり、前記第2の熱伝導率が、0.2―10W/mKの範囲、好ましくは0.5W/mKと5W/mKとの間にある場合に、得られる。
【0068】
前記照明装置の熱の振る舞いは、前記照明装置の設計における複数のパラメータにより決定される。
【0069】
よく知られている白熱ランプに置換わるためのLEDを有する照明装置(レトロフィット・ランプとも称される)を設計する場合、前記環境へ熱を放射する表面と組み合わされた熱伝導率が寿命性能を保護するために前記照明装置の最大温度を保証する設計を有する必要がある。当該設計上の考慮事項は、異なる光出力レベルを有するレトロフィット・ランプに関して与えられる。
【表1】
【0070】
表1において、必要な熱抵抗Rthは、異なる光出力を備えるレトロフィット・ランプに関して計算される。450―1600ルーメンの範囲は、40Wと100Wとの間の電力消費を有する白熱バルブとおおよそ一致する。今日のLEDシステムの場合、システム効率(即ち当該LEDシステムにより使用されるワット電力当たりに生成される光の量)は、300lm/Wのルーメン相当(即ちワット光電力当たりの光の量)において約80lm/Wである。これらの数字から熱負荷が計算され、この熱負荷は、生成されるが光に変えられない熱の量である。従って、これは、例えば、冷却によって、前記照明装置から放射されるべきである熱の量である。
【0071】
照明装置の通常の設計条件は、100℃のシステム内の最大許容温度及び25℃の周囲温度であると仮定される。このことは、前記照明装置が少なくとも75℃の冷却能力を有するように設計されていなければならないことを意味する。従って、前記照明装置の熱抵抗Rthは、熱負荷及び75℃の温度差の商であるように計算されることができる。設計において、表1の最後の列に与えられている熱抵抗の値は、厳守されなければならない。
【0072】
これらの必要な最大熱抵抗に関して、前記照明装置の前記外側カバーの最小な必要な面積が、計算されることができる。これらの量は、よく知られている以下の式によって関連している。
この式において、
− Rthは、全熱抵抗(表1において与えられている)であり、
− Rth,coverは、前記カバー材料の熱抵抗である。このことは、当該材料の選択に依存する。一般的に使用される通常のプラスチック(NP)の場合、前記カバーによる熱抵抗は、約2K/Wであり、熱プラスチック(TP)の場合、0.5K/Wである。
− Rth,air,gapは、前記キャリアと前記カバーとの間の熱抵抗である。0.15mmの空隙の場合、この抵抗は約1K/Wであり、空隙がない場合、当該抵抗は0K/Wであることが知られている。これらのモデル算出のために、これは0.5K/Wとして固定する。
− hは、平均熱伝達係数であって、典型的には、対流及び放射の場合に12W/m/Kである。
− Aは、設計の熱要求を満たすのに必要な外側の面積である。これは、前記レトロフィット・ランプが、熱性能に関して安全に(savely)動作するために少なくとも有さなければならない面積である。
【表2】
【0073】
表2には、レトロフィットの平坦なランプの設計の必要な最小面積の計算結果が与えられている。この計算は、当該フィン面積、即ち前記カバーの冷却面積として作用する面積の2つの異なる効率に対してなされている。この効率は、前記熱を拡散させるキャリア2の効率により決定される。アルミニウムで作られたキャリアの場合、前記効率は0.9であり、通常のPCBの場合、0.8である。従って、良好な熱設計を有するのに必要な面積は上述の式により計算され、前記面積の効率により除算される。
【0074】
前記計算は、通常のプラスチック(NP)及び熱プラスチック(TP)から作られるカバー材料に関してなされる。熱プラスチックの性能はより良好であり、当該ランプの同じ熱性能に到達するのに必要な外側の面積がより小さくなることは明らかである。
【0075】
最後の列は、これらの必要な表面が、よく知られている白熱バルブに使用される大きさに関する所望のルーメン値のためのレトロフィットの設計において実現されることができることを示している。800ルーメンまでのルーメン値の場合、A19型のランプに相当するものが使用されることができる。これは、標準的な60mmの白熱バルブと同等である。1100ルーメンの設計の場合、A21型のランプに相当するものが使用されることができ、67mmの白熱バルブと同等である。全ての設計は、1つのフィンを備える光源、即ち、例えば図1に与えられている例のような単一のキャリアを備える光源によってなされることもできる。1600ルーメンの設計は、A21型のランプによってなされることができるが、この場合、2つのフィンの構造が、例えば、図10に与えられているように、冷却のための十分な面積を有するのに必要である。
【0076】
表2に与えられているフィンの効率は、当該熱をキャリア2上に拡散することにより決定される。前記キャリア内の熱を拡散させる有効距離は、以下の式により支配される。
【0077】
このことは、図15に示されており、このモデルは、キャリア2内の固体状態光源3及びこの光源の熱的な振る舞いを模式的に示している。動作中の場合、光源は、周囲温度Tambにおいて、Tmaxまで熱くなる。この場合、(前記光源の全体的な環境であると理解される)前記フィン内の温度は、前記光源までの距離が増大する場合、減少する。前記フィンの有効寸法Leff81は、Leffにより規定される領域及び一定の温度Tmaxが前記フィンの表面上の寸法(apparent size)Lapp82まで前記フィンの温度の曲線の下方の領域に等しいという要求によって決定される。Lappは、照明装置1の幾何学的な設計により決定される。この例において、2cmのLappが選択されており、光源において放散される熱が2cmの距離を超えて前記キャリアを介して分配されると仮定されることを意味している。更に、この式において、
− Kは、第1の熱伝導率(W/mK)であり、
− tは、前記キャリアの厚さであり、
− nは、露出されている側の数であり、この場合2である。
− hは、平均的な熱伝達係数であり、典型的には、対流及び放射に関して、12W/m/Kである。
【0078】
当該フィンの効率は、キャリアの2つの異なる種類に関して決定されており、図16A及びBに示されている。第1の種類は、図16Aであり、両側において35μm乃至70μmの厚さの銅層91(a copper layer 91 of thickness of 35 μm and of 70 μm)によって覆われているPCBコア90を有するキャリア2の標準的なPCB設計であり、第1の熱伝導率400W/mKを有する。第2の種類は、図16Bであり、0.2mm乃至0.5mmの厚さのアルミニウム・スプレッダ92(an aluminium spreader 92 with thickness of 0.2 mm and 0.5 mm)備えているキャリア2であって、アルミニウム・スプレッダ92の両側に薄い銅層94及びPCBコア93を備えているキャリア2であり、第1の熱伝導率200W/mKを有する。
【0079】
この結果は表3に与えられており、フィンの効率が少なくとも90%であることを示している。
【表3】
【0080】
例えば、シミュレーションが、800ルーメンの光出力を有する照明装置に関して行われた。表1から、前記熱抵抗は10.2K/W未満でなければならないということになる。前記A19型の白熱ランプに置き換わる平坦な照明装置に関して、この熱抵抗Rthが、キャリア及びカバーのプラスチックの異なる種類に関して計算された。このシミュレーションは、少なくともアルミニウムコア及びカバー材料としての熱プラスチックを備えるキャリアが、必要とされる熱性能に関する要求を全て満たしていることを示している。
【0081】
照明装置1は、少なくとも1つの前記固体状態光源の各々を個々に制御するためのコントローラを有していても良い。前記コントローラは、前記少なくとも1つの固体状態光源のための前記プリント回路基板内に組み込まれることができ、少ない部分によるコンパクトな照明装置に更に貢献することができる。前記コントローラは、更に、前記光源を別個に制御するように適応化されていても良い。これにより、当該配置が複数の光源を有する場合、前記コントローラは、前記光源を、異なる色及び異なる光度分布等に制御することができる。前記異なる光度分布は、前記光源からの光出力の異なるビーム形状を有することができる。当業者であれば、本発明が、決して上述の好ましい実施例に限定されるものではないと理解するであろう。逆に、多くの変形及び変化は、添付の請求項の範囲内で可能である。例えば、前記キャリア及びカバー部材の形状は異なっていても良く、前記光源の場所は任意であっても良い。例えば、平坦なバルブ形状のみでなく、四角形、三角形又はハート型のような、所望の如何なる形状も可能である。
【0082】
更に、開示された実施例に対する変化は、添付の図面、本開示及び添付の請求項の研究から、前記請求項に記載されている本発明を実施する当業者により理解され達成されることができる。添付の請求項において、「有する」なる語は他の要素又はステップを排除するものではなく、単数形は複数形を排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、前記請求項において、列挙されている幾つかの項目の機能を実現しても良い。特定の手段が、相互に異なる従属請求項において引用されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利になるように使用されることができないと示すものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B