特許第6352315号(P6352315)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6352315ワイア部分から折り曲げられたクランプを製造するための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6352315
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】ワイア部分から折り曲げられたクランプを製造するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B21F 45/24 20060101AFI20180625BHJP
   A61B 17/08 20060101ALI20180625BHJP
   B21F 1/00 20060101ALI20180625BHJP
   B21F 1/02 20060101ALI20180625BHJP
   B21F 11/00 20060101ALI20180625BHJP
   B21F 23/00 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   B21F45/24
   A61B17/08
   B21F1/00 A
   B21F1/02 B
   B21F11/00 A
   B21F23/00 A
【請求項の数】28
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-561971(P2015-561971)
(86)(22)【出願日】2014年2月21日
(65)【公表番号】特表2016-511155(P2016-511155A)
(43)【公表日】2016年4月14日
(86)【国際出願番号】EP2014000462
(87)【国際公開番号】WO2014146745
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2017年2月21日
(31)【優先権主張番号】102013004652.1
(32)【優先日】2013年3月16日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】595057890
【氏名又は名称】エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アルブレクト・クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドマン・フィリップ
【審査官】 石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05060468(US,A)
【文献】 米国特許第05381649(US,A)
【文献】 特開昭51−141766(JP,A)
【文献】 実公昭38−001604(JP,Y1)
【文献】 特開平02−121645(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21F 45/24
B21D 53/46
B21F 11/00
B21F 1/00
A61B 17/064
A61B 17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイア部分(2)から折り曲げられるクランプ(3)、詳細には外科用クランプを製造するための装置(1)であって、前記装置(1)が、前記ワイア部分(2)を折り曲げるための折曲装置(22)を有し、ワイア(5)の供給装置(4)に、供給される前記ワイア(5)から前記ワイア部分(2)を切断するための切断装置(6)が設けられていることと、前記切断装置(6)が、前記ワイア(5)を切断するための2個の切断パンチ(11)を有することと、前記ワイア部分(2)を切断する前に、前記2個の切断パンチ(11)の間に前記ワイア部分(2)を把持及び保持し、切断された前記ワイア部分(2)を前記折曲装置(22)上に配置し、かつ折り曲げられて前記クランプ(3)を形成した前記ワイア部分を、カートリッジ(34)又はクランプ格納部(35)に前記クランプ(3)を導入するための装置(33)に供給するための保持装置(14)が提供されることと、を特徴とする、装置(1)。
【請求項2】
前記保持装置(14)がトング状の形で実現され、復元力に抗して保持位置から開位置へと動くことが可能な保持領域を有することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記折曲装置(22)が、復元力に抗してそれぞれ調節可能な2個のプレスローラ(25)の間に直線的に移動可能な形で取り付けられた、前記ワイア部分(2)のための成形要素としての第1のアンビル(23)を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記折曲装置(22)が、折り曲げられたワイア脚(29)のための係止面(32)を有する第2のアンビル(31)と、前記ワイア脚(29)を互いに反対方向に折り曲げるために前記ワイア脚(29)に割り当てられたプレスローラ(25)と、を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記折曲装置(22)の前記第1のアンビル(23)が、前記ワイア部分(2)のための部分円の形状の成形領域を有することを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記保持装置(14)が、前記折曲装置(22)の前記第1および第2のアンビル(23、31)と着脱可能に連結することが可能であることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記供給装置(4)が、供給される前記ワイア(5)の供給部としてのワイアロール(7)を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記供給装置(4)が、前記ワイアロール(7)からほどかれた前記ワイア(5)を整列させるために前記ワイア(5)の両側に配置された複数のガイドローラ(9)を有する直線化機構(8)を含むことを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記供給装置(4)が、前記ワイア(5)の前進方向に直線的に移動可能な2個のクランプ締め要素を含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記切断パンチ(11)が、いずれの場合にも、斜めの切断縁(15)を有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記切断パンチ(11)が、いずれの場合にも、前記ワイア(5)の長手方向を向いた軸を中心として旋回可能であり、かつ/又は前記ワイア(5)の前記長手方向に対して180°回転するように配置することができるパンチガイド(12)に取り付けられることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記ワイア(5)又は前記ワイア部分(2)のための少なくとも1つの処理装置(19)が、前記折曲装置(22)の上流及び/又は下流に配置されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
り曲げられた前記ワイア部分(2)のための制御装置が設けられることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記カートリッジ(34)又は前記クランプ格納部(35)に前記クランプ(3)を導入するための前記装置(33)が、前記クランプ(3)に対し、そのクランプ後部(30)において作用するためのスライド(40)を有することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記スライド(40)が、衝突領域において前記ワイア部分(2)の形状に適合されていることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記スライド(40)が、作用が働く前記ワイア部分(2)よりも前記衝突領域においてより薄いことを特徴とする、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記スライド(40)を直線移動させるための駆動ユニット(46)が設けられることを特徴とする、請求項14〜16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記駆動ユニット(46)が、力センサ(48)、及びセンサ信号に応じて前記スライド(40)を制御するための制御ユニットを含むことを特徴とする、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記駆動ユニット(46)が、力制御される連結ユニットを含むことを特徴とする、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記カートリッジ(34)又は前記クランプ格納部(35)に前記クランプ(3)を導入するための前記装置(33)が、前記スライド(40)のためのガイドと、いずれの場合にも、1つの前記クランプ(3)を挿入するための挿入開口部(41)と、を有するハウジング(36)を有することを特徴とする、請求項14〜19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記カートリッジ(34)又は前記クランプ格納部(35)に前記クランプ(3)を導入するための前記装置(33)の出力側の端部の前方に前記クランプ格納部(35)又は前記カートリッジ(34)を位置決めするための位置決め装置(44)が設けられることを特徴とする、請求項1〜20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記装置(1)の個々の構成要素が、共通の処理ステーションに配置されることを特徴とする、請求項1〜21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
クランプ(3)、詳細には外科用クランプを製造するための方法であって、真っ直ぐなワイア部分(2)の自由端が折り曲げられてワイア脚(29)を形成する方法において、前記ワイア部分(2)がワイア(5)から切断され、前記ワイア部分()の自由端が折り曲げられてワイア脚(29)を形成することと、折り曲げられて前記クランプ(3)を形成した前記ワイア部分(2)がカートリッジ(34)又はクランプ格納部(35)に導入されることと、前記ワイア部分(2)が切断の前に把持され、前記切断、前記折り曲げ、および、折り曲げられて前記クランプ(3)を形成した前記ワイア部分の、前記カートリッジ(34)又は前記クランプ格納部(35)に前記クランプ(3)を導入するための装置(33)への供給までの間、常に保持されることと、を特徴とする、方法。
【請求項24】
前記ワイア(5)が、ワイアロール(7)からほどかれることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記切断の前に、前記ワイア(5)が整列されかつ/又は引き伸ばされることを特徴とする、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
断された前記ワイア部分(2)が、完成した前記クランプ(3)のクランプ後部(30)を形成する、前記ワイア部分(2)の中央領域によって、アンビル(23)上に置かれ、前記アンビル(23)が2個の加圧されたプレスローラ(25)の間を通過させられる結果、前記アンビル(23)を超えて突出するワイア領域が折り曲げられることを特徴とする、請求項23〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
り曲げられた前記ワイア脚(29)がクランプ面から外に折り曲げられ、互いに反対方向に折り曲げられることを特徴とする、請求項23〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記ワイア部分(2)が、前記折り曲げ処理の前及び/又は後で処理されることを特徴とする、請求項23〜27のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイア部分を曲げるための折曲装置によってワイア部分から曲げられたクランプ、詳細には外科用クランプを製造するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このような装置の多くの実現化されたものが知られている。しかしながら、その問題点として、ワイア部分に折曲装置が作用する際にワイア部分が変位するか又は捻れることによって、クランプの製造公差が比較的大きくなることがある。ワイア部分が比較的長いワイアから切断される場合であっても、対応する位置ずれが生じ、測定誤差につながり得る。
【0003】
米国特許第5,060,468号は、予め作製されたワイア部分をホルダに挿入することが可能である装置及び方法を示し、これについて述べている。次に、ワイア部分の自由端に切断装置を作用させると同時に自由端を折り曲げ、短縮化する。この場合、ワイア部分は、締めつけられてしっかりと保持され、位置ずれのリスクが低減されるが、ワイア部分の自由端の短縮化の結果、個々のクランプとともに大量の材料の切れ端が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、小さい製造公差でクランプを製造することが可能な、序文において述べたような種類の装置及び方法を提供することにある。更に、材料の切れ端が、まったく又はほとんど発生しないことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による解決策は、装置に関しては、ワイアの供給装置に、供給されるワイアからワイア部分を切断するための切断装置が設けられていることと、切断装置が、ワイアを切断するための2個の切断パンチを有することと、ワイア部分を切断する前に、2個の切断パンチの間にワイア部分を把持及び保持し、切断されたワイア部分を折曲装置上に配置し、かつ折り曲げられてクランプを形成したワイア部分を、カートリッジ又はクランプ格納部にクランプを導入するための装置に供給するための保持装置が提供されることと、からなる。
【0006】
折り曲げられてクランプを形成するワイア部分又はワイア部分が同時に解放されることなく、ワイアが、切断されるワイアの領域で切断される前に既に把持され、クランプをカートリッジ又はクランプ格納部に導入するための装置に供給されるまで、切断及び折り曲げの間に継続的に保持されるため、各ワイア部分を1/100mmの反復精度で切断し、折り曲げることができる。長手方向への滑り又は捻れが確実に防止される。更に、切断パンチによって切断されるワイア部分が、その長さが更に短縮されることなく折り曲げられて完成したクランプを形成することから、不必要な材料の損失が防止される。
【0007】
この場合の好ましい一実施形態では、保持装置がトング状の形で実現され、復元力に抗して保持位置から開位置へと動くことが可能な保持領域を有する。これにより、保持装置をワイア部分に簡単に固定することが可能であり、復元力によって不用意な解放が確実に防止される。
【0008】
詳細には、折曲装置は、復元力に抗してそれぞれ調節可能な2個のプレスローラの間に直線的に移動可能な形で取り付けられた、ワイア部分のための成形要素としてのアンビルを含むことができる。
【0009】
その結果、ワイア部分は、クランプを形成するように簡単に折り曲げることができる。この場合、ワイア部分は、完成したクランプのクランプ後部を形成するその中央領域によって、アンビルの端面に置かれる。2つの自由端が、作用が働く両側面に突出する結果、これらの自由端はプレスローラによって曲げられて、アンビルの長手方向側面に対して押圧される。この結果、ワイア部分のこれらの曲げられた端部は、完成したクランプの脚を形成する。完成したクランプの形は、アンビルの形状の結果として確立され得る。例えば、脚の端部領域を、テーパ領域を有する対応するアンビルの結果として更に内側に折り曲げることができる。
【0010】
更に、折曲装置は、折り曲げられたワイア脚のための係止面を有するアンビルと、ワイア脚を互いに押し当てて剪断するために前記ワイア脚に割り当てられたプレスローラとを含むことができる。
【0011】
ワイア部分が折り曲げられた後、クランプを更なるアンビル上に置くことによって、ワイア部分を平坦なクランプ面から外に反らせ、互いに向かって折り曲げることができる。これは、各脚の自由端が締めつけ動作の間に互いに触れないように、不完全な締めつけ動作及び不充分な保持につながり得るような長い脚を有するクランプの場合に特に有用となり得る。
【0012】
折曲装置のアンビルが、丸みを帯びた部分を有する対応した形状のクランプを製造できるように、ワイア部分のための部分円の形状の成形領域を有することも可能である。
【0013】
保持装置及びアンビルの均一かつ同期した運動のためには、保持装置が折曲装置のアンビルと着脱可能に連結できることが好都合である。
【0014】
供給装置は、詳細には、供給されるワイア用のホッパとしてのワイアロールを含み得る。これにより、小さなスペースに大量のワイアを供給することが可能である。
【0015】
ワイアロールからほどかれるワイアから湾曲を除去し、ワイアが真っ直ぐな形で切断パンチの領域に供給されるように、供給装置は、ワイアロールからほどかれるワイアを整列させるためにワイアの両側に配置された複数のガイドローラを有する直線化機構を含むことができる。
【0016】
やはりほどかれたワイアを真っ直ぐにするため、供給装置は、ワイアの前進方向に直線的に移動可能な2個のクランプ締め要素を有することができる。ワイアの一部分が、互いに対して離間した2個のクランプ締め要素によって締めつけられるようにして保持される。次に、直線移動の結果として、一方のクランプ締め要素が他方のクランプ締め要素から離れてわずかな距離だけ動かされることで、2個のクランプ締め要素の間の間隔が広がる。適用可能な場合、両方のクランプ要素が反対方向に動かされるようにしてもよい。その結果、クランプ締め要素の間に締めつけられたワイア部分が真っ直ぐになり、存在し得る湾曲が除去される。
【0017】
切断パンチは、いずれの場合にも、斜めの切断縁を好ましくは有することができる。その結果、ワイア部分は、ワイア部分の自由端が、対応する導入面を有するように切断され得る。したがって、ワイア部分の両端の更なる切断操作は必要ではない。
【0018】
切断縁の向きを簡単に変えることができるようにするために、切断パンチは、いずれの場合にも、ワイアの長手方向を向いた軸を中心として旋回可能であり、かつ/又はワイアの長手方向に対して180°回転するように配置することができるパンチガイドに取り付けられることが有利である。
【0019】
ワイア又はワイア部分の少なくとも1つの処理装置を、折曲装置の上流及び/又は下流に配置することができる。例えば、前記の位置でのこのような方法によるより簡単な折り曲げを可能とするために、折り曲げに先立ってワイアに材料脆弱部を導入することができる。完成したクランプの対応する要求条件の場合、ワイア部分の自由端に、例えば研磨、先鋭化、又は捻るといった処理を行うこともできる。処理装置は、例えばバーコード、日付コード、又は識別コードなどのマーキングを付与するために実現することもできる。この場合、マーキングは、例えばレーザ彫刻によって実施することができる。
【0020】
折り曲げられたワイア部分のための制御装置が設けられることが好都合であり得る。この場合、詳細には、折り曲げられたクランプの形及び/又はクランプ脚のばね力を確認することができる。
【0021】
好ましい一実施形態では、カートリッジ又はクランプ格納手段にクランプを導入するための装置が、そのクランプに対し、そのクランプ後部において作用するためのスライドを有する。その結果、クランプの最も影響を受けやすい部分であるクランプ脚の自由端に作用が働かないために、クランプが導入される際にクランプ脚の自由端の破損が確実に防止される。
【0022】
この場合、スライドが、衝突領域においてワイア部分の形状に適合されていることが好都合である。これにより、スライドによってクランプの確実な案内が可能となる。
【0023】
スライドが、作用が働くワイア部分よりも衝突領域においてより薄いことが更に好都合であり得る。例えば、スライドは、ワイア部分よりも0.01mm〜0.1mmだけ薄くすることができる。その結果、スライドはそれ自体がカートリッジ又はクランプ格納部に衝突することなく、カートリッジ又はクランプ格納部内にクランプを押し込むことが可能である。
【0024】
好ましい一態様では、スライドを直線移動させるための駆動ユニットが設けられる。
【0025】
駆動ユニットは、力センサ、及びセンサ信号に応じてスライドを制御するための制御ユニットを含むことができる。駆動ユニットに作用する力が強すぎる場合、例えば、カートリッジ又はクランプ格納部に正しく導入することができない、誤って配置されたクランプを示し得る。そのような場合、駆動ユニットを制御ユニットによって停止させることで装置の破損を防止することができる。
【0026】
駆動ユニットが、力制御される連結ユニットを含むようにすることも可能である。作用する力が大きすぎる場合、スライドがそれ以上駆動されないように、連結ユニットが外れるようにすることができる。連結ユニットは、例えば、荷重が大きすぎる場合に滑るばね締めつけによって形成することができる。
【0027】
好ましい一態様では、クランプをカートリッジ又はクランプ格納部に導入するための装置は、スライドのためのガイドを有すると、いずれの場合にも、1つのクランプを挿入するための挿入開口部と、を有するハウジングを有することができる。
【0028】
クランプを導入するための装置によってクランプ格納部又はカートリッジ内の個々のクランプレシーバを次々に充填することができるためには、クランプ格納部又はカートリッジを位置決めするための位置決め装置が、カートリッジ又はクランプ格納部にクランプを導入するための装置の出力側の端部の上流に設けられることが好都合である。その結果、クランプ受容手段が、いずれの場合にも、固定装置の前にその都度位置決めされることで、いずれの場合にも、スライドによってクランプ受容手段に1つのクランプを導入することができる。
【0029】
装置の個々の構成要素(供給装置、切断装置、保持装置、折曲装置、及びカートリッジ又はクランプ格納部にクランプを導入するための装置)は、互いから間隔をおいて配置された個々の処理ステーションに配置することができる。しかしながら、好ましい一態様では、装置の個々の構成要素は、1つの共通の処理ステーションに配置される。これにより、装置全体をコンパクトかつ省スペースな形で設計することが可能である。
【0030】
方法に関しては、本発明は、ワイア部分がワイアから切断され、ワイア部分の自由端がワイア脚を形成するように折り曲げられることと、折り曲げられてクランプを形成したワイア部分が、カートリッジ又はクランプ格納部に導入されることと、ワイア部分が切断の前に把持され、切断及び折り曲げの間、常に保持されることとを特徴とする。
【0031】
本発明に基づく装置の説明において既に説明した利点がこの場合に得られる。
【0032】
ワイアは、好ましくはワイアロールからほどかれる。
【0033】
この場合、切断の前にワイアが整列され、かつ/又は引き伸ばされることが有利である。この結果、存在し得る湾曲が除去され、クランプを形成するための切断及び折り曲げの前に、ワイアが正確に真っ直ぐに整列され、その結果、クランプの所望の精度を実現することができる。
【0034】
クランプを形成するためのワイア部分の折り曲げは、切断されたワイア部分が、完成したクランプのクランプ後部を形成するその中央領域によって、アンビル上に置かれ、アンビルが2個の加圧されたプレスローラの間を通過させられる結果、アンビルを超えて突出するワイア領域が折り曲げられることで、効果的かつ正確に行うことができる。
【0035】
折り曲げられたワイア脚がクランプ面から外に折り曲げられ、互いに押し当てられて剪断されることが好都合である。詳細には、長い脚を有するクランプの場合、これにより、ワイア脚同士がそれらの端部において互いに触れること、ひいては、確実な締めつけを妨げることが確実に防止される。
【0036】
ワイア部分は、折り曲げ処理の上流及び/又は下流で処理することができる。例えば、ワイア部分に材料脆弱部を導入するか、又はワイア端部を研磨又は先鋭化することができる。ワイア部分にマーキングを付与することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明を、部分的に概略的に表される図面によって以下により詳細に説明する。
図1】直線化機構を有する供給装置、クランプ締め要素、及び切断装置を示す。
図2】切断パンチ及びパンチガイド手段を示す。
図3】いずれの場合にも、ワイア部分が保持されたワイア保持装置を示す。
図4】ワイア部分を処理するための処理装置を示す。
図5図4の処理装置において処理されたワイア部分を保持したワイア保持装置を示す。
図6】ワイア部分を折り曲げるための折曲装置の斜視図を示す。
図7】ワイア部分を折り曲げるための折曲装置の平面図を示す。
図8】折り曲げられたワイア部分を示す。
図9図7に基づいて折り曲げられたワイア部分の詳細図を示す。
図10】折り曲げられたワイア脚を切断するための折曲装置を示す。
図11】折り曲げられたワイア脚を切断するための折曲装置を示す。
図12】ワイア脚の切断の前後のクランプの側面図を示す。
図13】いずれの場合にも、カートリッジ又はクランプ格納部にクランプを導入するための装置を示す。
図14】いずれの場合にも、カートリッジ又はクランプ格納部にクランプを導入するための装置を示す。
図15】いずれの場合にも、カートリッジ又はクランプ格納部にクランプを導入するための装置を示す。
図16】いずれの場合にも、カートリッジ又はクランプ格納部にクランプを導入するための装置を示す。
図17】いずれの場合にも、カートリッジ又はクランプ格納部にクランプを導入するための装置を示す。
図18】前記装置の前方で位置決めすることが可能なカートリッジを有する、カートリッジにクランプを導入するための装置を示す。
図19】クランプが充填されたカートリッジを示す。
図20】クランプが充填されたクランプ格納部を示す。
図21】カートリッジにクランプを導入するための装置にクランプを供給するためのホッパとしてのクランプ格納部を示す。
図22】装置の個々の処理ステーションの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
ワイア部分2から折り曲げられたクランプ3を製造するための全体の参照符合1で示される装置は、図1によると、ワイア5を切断装置6に供給するための供給装置4を含んでいる。ワイアロール7は、矢印Pf1の方向にワイアロール7が回転される結果、そこからワイア5がほどかれ、供給部として設けられている。ワイアは、詳細には、チタン又はチタンアルミニウムバナジウム合金からなるものとすることができる。
【0039】
ほどかれたワイア5の湾曲を除去するため、供給装置4は、ワイア5の両側に配置された複数のガイドローラ9を有する直線化機構8を含む。ワイア5に存在し得る湾曲は、ワイア5の両側に交互に配置されたガイドローラ9をワイア5が通過する際に除去される。
【0040】
直線化機構8を通過した後、更に搬送されるワイア5は2個のクランプ締め要素10によって把持される。この場合、図1の左側のクランプ締め要素10がワイア5を保持する一方で、右側のクランプ締め要素10が、ワイアロール7から離れて右方向にわずかな距離だけ動かされる。その結果、ワイア5が各クランプ締め要素10の間の領域において引き伸ばされる結果、残留し得る湾曲はすべて除去される。
【0041】
この後、両方のクランプ締め要素10が、同期して右方向に動かされることにより、予め引き伸ばされたワイア5の部分がクランプ締め要素19の右側に、切断装置6の領域へと押される。次いで、クランプ締め要素10が開かれ、それらの始点位置に戻されることで、クランプ締め要素10が、予めガイドローラ9を通過したワイア5の更なる領域を締めつけるようにして保持することが可能となる。
【0042】
切断装置6は、いずれの場合にも、パンチガイド手段12に取り付けられた2個の切断パンチ11を有し、ワイア5が、いずれの場合にも、パンチガイド手段12の開口部13(図2)に通されて案内される。
【0043】
ワイア5は切断装置6に供給された後、ワイア4は保持装置14によって2個の切断パンチ11の間で把持される。ここでようやく、切断パンチ11が作動される結果として、2個の切断パンチ11の間のワイア5の部分が、供給されたワイア5から切断される。切断パンチ11の切断縁15の形状のため(図2)、ワイア5は、図1の左側の切断パンチ11によって2回切断される。ワイア5が右側のパンチガイド12の切断パンチ11用の受容開口部16内にその自由端が配置されるだけ進められる場合には、ワイア5は、図1による、右側の切断パンチ11によって1箇所だけで切断される。その結果、切り屑による材料の損失が防止される。しかしながら、ワイア5が右側のパンチガイド12内に更に押し込まれると、ワイア5はやはり右側の切断パンチ11によって2箇所で切断される。しかしながら、これは切断されるワイア部分2(図3)の品質には悪影響を及ぼさない。左側の切断パンチ11の形状もまた、前記切断パンチ11の左側に残っているワイア5の切断縁が、続いて切断されるワイア部分2の所望の発展に既に対応するようなものとすることができる。これにより、右側の切断刃11を省略することが可能となる。しかしながら、これにより、切断されるワイア部分2に寸法誤差が生じ得る。
【0044】
ワイア5は、供給装置4の内部の更なるガイド要素(図示せず)により案内されてもよい。パンチガイド手段12、ひいては切断パンチ11の位置がワイア5の長手方向に調節できることで、一方で異なる長さのワイア部分2を切り取ることが可能であり、他方で、2個のパンチガイド手段12の間の領域からの切断されたワイア部分2の除去を妨げられることなく行うことができる。
【0045】
図2は、切断パンチ11を示しており、その楔形の切断縁が認識可能である。切断パンチ11用の受容開口部16及びワイア5用の開口部13を有するパンチガイド手段12が、他方の側に示されている。
【0046】
パンチガイド手段12は、いずれの場合にも、ホルダ17(図1)内に着脱可能に保持されている。パンチガイド手段12がホルダ17に挿入される側が変えられる結果、図3に示される2つのワイア部分2によって明らかであるように、切断されたワイア部分2の切断縁の向きを変えることができる。
【0047】
他の切断角度又は他の切断形態が望ましい場合、パンチガイド手段12を、対応する発展例と交換することができる。
【0048】
図3では、保持装置14がトング状のものとして実現されており、ワイア部分2を保持する保持領域を、引張ばね18の復元力に抗して、示される保持位置から開位置へと動かすことが可能であることが容易に理解される。
【0049】
ワイア部分は切断された後、保持装置14によって、やはり全体の装置1の構成部品である処理装置19(図4)に供給される。処理ステーション19において、インパクトウェッジ20によってワイア部分2(図5)に圧迫部又は材料脆弱部21が導入される。このため、インパクトウェッジ20は、図4の矢印Pf2に基づいて、対応したプレス力でワイア部分2に導入される。材料脆弱部21のために、ワイア部分2を上記の点でより効果的に折り曲げることができる。処理装置19は、例えば、ワイアの自由端を研磨又は先鋭化するための更なる処理ツール(図示せず)を更に有することもできる。これらの異なる処理プロセスは1基の処理装置19で行うか、又はワイア部分2が次々に配置される複数の処理装置19を設けることができる。
【0050】
図6、7及び9によれば、この後、ワイア部分2は折曲装置22に供給される。折曲装置22は、ワイア部分2のための成形要素としてのアンビル23を含む。アンビル23は、圧縮ばね24の復元力に抗してそれぞれ調節可能である2個のプレスローラ25の間で直線移動可能であるように取り付けられている。図6によれば、アンビル23は、この目的のためのガイドカートリッジ26とともにガイドレール27上に載置されている。ワイア部分2が折り曲げ操作の間に保持装置14によって更に保持され、保持装置14とアンビル23とが同期して動かされるように、保持装置14とアンビル23とは互いに着脱可能に連結することができる。この目的のため、保持装置14は、アンビル23の対応した逆輪郭形状を有する凹部に挿入可能である、輪郭形成された連結端部28(図9)を有している。
【0051】
図6に示されるように、ワイア部分2を保持した保持装置14は、プレスローラ25の上流に配置されたアンビル23に連結される。矢印23にしたがって、アンビル23は保持装置14とともにプレスローラ25の間を通過して引かれる。その結果、ワイア部分2が当接するアンビル23の端面を超えて突出したワイア部分2の両端は、プレスローラ25によって折り曲げられ、アンビル23の側壁に押し付けられる。アンビル23の形状及びワイア部分の材料特性のため、折り曲げられたワイア脚29は、プレスローラ25により引っ張られた後、再びわずかに跳ね返るが、これは図7、及び詳細には図9に基づく詳細図に分かりやすく示されている。アンビル23の端面に当接するワイア部分2の領域は、完成したクランプ3のクランプ後部30を形成する。
【0052】
図8は、折り曲げられる前の未折曲ワイア部分2を示す。
【0053】
図10及び11によれば、折曲装置22は、折り曲げられたワイア脚29のための係止面32を有する更なるアンビル31、及びワイア脚29を互いに押し当てて剪断するために前記折り曲げられたワイア脚に割り当てられたプレスローラ25を更に含むことができる。引き続き保持装置14によって保持された、折り曲げられたワイア脚29を有するワイア部分2は更なるアンビル31と連結され、この更なるアンビルが矢印Pf4にしたがって、圧縮ばね24が取り付けられたプレスローラ25を超えて動かされる。ワイア脚28にプレスローラ25が作用する結果、また、限界規定手段として機能するアンビル31の係止面32の展開の結果、ワイア脚29はそれらの最初の平面から外れて反対方向に曲げられる。ワイア脚29もまた、前記折り曲げ操作後に弾性的に跳ね返る。
【0054】
図12は、図10及び11に基づいた装置の折り曲げの前(左図)及び後(右図)の、折り曲げられてクランプ3を形成したワイア部分2の側面図を示す。ワイア脚28の折り畳みにより、クランプ3の自由端同士が締めつけ操作の間にぶつかることが防止される。
【0055】
図13〜17は、いずれの場合にも、カートリッジ34(図19)又はクランプ格納部35(図20)にクランプ3を導入するための装置33を示している。この場合、装置33は、ベースプレート37、カバープレート38、及びそれらの間に配置された中間プレート39を有するハウジングを有する。中間プレート39は、ハウジング36内で長手方向に移動可能であるように取り付けられたスライド40用の側部ガイド手段を形成している。クランプ3は、開口部41(図13)によって装置33内に配置される。この場合、クランプ3は、保持装置14によって依然保持された状態である。ベースプレート37及びカバープレート38は、いずれの場合にも、ハウジング33の端面端に保持装置14を受容するための凹部42を有する。クランプ3が保持装置14とともに開口部41から装置33内に導入されると、クランプ3はベースプレート37上に位置し、中間プレート39によって側面で案内される。保持装置14が矢印Pf5(図14)の方向に動かされる結果、クランプ3はクランプ後部によりカバープレート38の下に引き込まれ、これにより、クランプ3はベースプレート37とカバープレート38との間においても固定される。
【0056】
図14〜17は、全体的に見やすくなるように部分的に切欠いて示されたカバープレート38を示している。
【0057】
図15によれば、保持装置14はその開位置に動かされ、クランプ3から外されている。スライド40は、スライド40がクランプ3のクランプ後部30に作用するまで、矢印Pf6にしたがってクランプ3の方向に移動される(図16)。この場合、スライド40の衝突端43はクランプ後部30の形状に適合されているため、クランプ3にいかなる破損のリスクを伴わずに作用を働かせ、移動させることができる。
【0058】
スライド40が直線的に更に移動される結果、クランプ3はハウジング36及び装置33から外に押し出され(図17)、図19によるカートリッジ、又は図20によるクランプ格納部内に押し込まれる。
【0059】
保持装置14が、示される図に対して90°上向きに旋回されるように、保持装置14がクランプ3に保持された実施形態も考えられる。これにより、ベースプレート37及びカバープレート38を、凹部42を設けることなく実現することができる。
【0060】
図13〜17においてハウジング36の左側からクランプ3を導入し、後でこの側面からやはりスライド40によってクランプ3をハウジング36から外に押し出すことも考えられる。このような実施形態では、カバープレート38の開口部41は必要ではない。しかしながら、この場合、クランプ3がハウジング36に挿入される際に前進する方向の前方にあるクランプ3の自由端を破損することがないように、クランプ3が正確に案内されるように注意を払う必要がある。
【0061】
クランプ3をカートリッジ34に押し込む様子が図18にも示されている。クランプ3を受容するための複数のクランプ受容手段45を有するカートリッジ34が、クランプ3を導入するための装置33の下方に配置されている。クランプ受容手段45のそれぞれは,位置決め装置44によって装置33の前方で位置決めすることができる。クランプ締め装置46によって位置決め装置44上に着脱可能に固定されたカートリッジ34は、多軸システムとして実現されている位置決め装置44によって平面内で位置決めすることが可能である。これにより、いずれの場合にも、1つのクランプ受容手段45を装置33の前方に動かすことによって、カートリッジ34のすべてのクランプ受容手段45を、いずれの場合にも1つクランプ3で次々と充填することができる(図19)。
【0062】
図18によれば、スライド40を移動させるために駆動モータ47の回転運動を直線運動に変換する駆動ユニット46が設けられている。駆動ユニット46は、スライド40の領域に力センサ48を含む。カートリッジ34が間違って位置決めされた場合、又はクランプ3が誤って若しくは間違って位置決めされた場合、力センサ48において力の増大が生じる。更なる破損を防止するために、制御ユニット(図示せず)によって駆動ユニット46を停止させることができる。
【0063】
図19は、例えば創傷をクランプ留めするために医療機関において使用することができる、クランプ3で充填されたカートリッジ34を示す。
【0064】
これに代わるものとして、クランプ3は図20によるクランプ格納部35に挿入することもできる。クランプ3は、後で使用するためにこのようなクランプ格納部35に格納することができる。
【0065】
例えば、図21に示されるようなクランプ格納部35は、それ自体を、カートリッジ34にクランプ3を導入するための装置33用の供給ホッパとして使用することができる。圧力(矢印Pf7)が作用するスライドピン49が、クランプ格納部35内に配置されたクランプ3を下方に押し下げ、いずれの場合にも、1つのクランプ3をハウジング36の挿入開口部41内に案内し、ここでクランプ3はスライド40によって把持され、図21には示されていないカートリッジ内に挿入される。
【0066】
図22は、上記に述べた個々の処理工程及び個々の処理ステーションによる処理シークエンスの概略図を示す。この場合、中央制御手段50が、個々の処理ステーション51におけるシークエンスを制御する。例えば、ワイア部分を切断するための、又はワイア部分を折り曲げるための個々の処理ステーション51は、この場合、図22に示されるように、互いから空間的に間隔をおいて配置される必要はなく、1つの共通の空間的にコンパクトな処理ステーションとして統合されてもよい。
【0067】
個々の処理ステーションは同時に実施されてもよく、例えば、新たなワイア部分2が切断され、折り曲げられるのと同時にクランプ3をカートリッジ34に挿入することができる。
【0068】
個々の処理工程が複数の装置上で行われる2台の機械も考えられる。
【0069】
〔実施の態様〕
(1) ワイア部分(2)から折り曲げられるクランプ(3)、詳細には外科用クランプを製造するための装置(1)であって、前記装置が、ワイア部分(2)を折り曲げるための折曲装置(22)を有し、ワイア(5)の供給装置(4)に、供給される前記ワイア(5)からワイア部分(2)を切断するための切断装置(6)が設けられていることと、前記切断装置(6)が、前記ワイア(5)を切断するための2個の切断パンチ(11)を有することと、前記ワイア部分(2)を切断する前に、前記2個の切断パンチ(11)の間に前記ワイア部分(2)を把持及び保持し、前記切断されたワイア部分(2)を折曲装置(22)上に配置し、かつ折り曲げられて前記クランプ(3)を形成した前記ワイア部分を、カートリッジ(34)又はクランプ格納部(35)に前記クランプ(3)を導入するための装置(33)に供給するための保持装置(14)が提供されることと、を特徴とする、装置(1)。
(2) 前記保持装置(14)がトング状の形で実現され、復元力に抗して保持位置から開位置へと動くことが可能な保持領域を有することを特徴とする、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記折曲装置(22)が、復元力に抗してそれぞれ調節可能な2個のプレスローラ(25)の間に直線的に移動可能な形で取り付けられた、前記ワイア部分(2)のための成形要素としてのアンビル(23)を含むことを特徴とする、実施態様1又は2に記載の装置。
(4) 前記折曲装置(22)が、折り曲げられたワイア脚(29)のための係止面(32)を有するアンビル(31)と、前記ワイア脚(29)を互いに押し当てて剪断するために前記ワイア脚に割り当てられたプレスローラ(25)と、を含むことを特徴とする、実施態様1〜3のいずれかに記載の装置。
(5) 前記折曲装置(22)の前記アンビル(23)が、前記ワイア部分(2)のための部分円の形状の成形領域を有することを特徴とする、実施態様3に記載の装置。
【0070】
(6) 前記保持装置(14)が、前記折曲装置(22)の前記アンビル(23、31)と着脱可能に連結することが可能であることを特徴とする、実施態様3〜5のいずれかに記載の装置。
(7) 前記供給装置(4)が、供給される前記ワイア(5)の供給部としてのワイアロール(7)を含むことを特徴とする、実施態様1〜6のいずれかに記載の装置。
(8) 前記供給装置(4)が、前記ワイアロール(7)からほどかれた前記ワイア(5)を整列させるために前記ワイア(5)の両側に配置された複数のガイドローラ(9)を有する直線化機構(8)を含むことを特徴とする、実施態様1〜7のいずれかに記載の装置。
(9) 前記供給装置(4)が、前記ワイアの前進方向に直線的に移動可能な2個のクランプ締め要素を含むことを特徴とする、実施態様1〜8のいずれかに記載の装置。
(10) 前記切断パンチ(11)が、いずれの場合にも、斜めの切断縁(15)を有することを特徴とする、実施態様1〜9のいずれかに記載の装置。
【0071】
(11) 前記切断パンチ(11)が、いずれの場合にも、前記ワイアの長手方向を向いた軸を中心として旋回可能であり、かつ/又は前記ワイアの前記長手方向に対して180°回転するように配置することができるパンチガイド(12)に取り付けられることを特徴とする、実施態様1〜10のいずれかに記載の装置。
(12) 前記ワイア(5)又は前記ワイア部分(2)のための少なくとも1つの処理装置(19)が、前記折曲装置(22)の上流及び/又は下流に配置されることを特徴とする、実施態様1〜11のいずれかに記載の装置。
(13) 前記折り曲げられたワイア部分(2)のための制御装置が設けられることを特徴とする、実施態様1〜12のいずれかに記載の装置。
(14) カートリッジ(34)又はクランプ格納部(35)に前記クランプ(3)を導入するための前記装置(33)が、前記クランプ(3)に対し、そのクランプ後部(30)において作用するためのスライド(40)を有することを特徴とする、実施態様1〜13のいずれかに記載の装置。
(15) 前記スライド(40)が、衝突領域において前記ワイア部分(2)の形状に適合されていることを特徴とする、実施態様14に記載の装置。
【0072】
(16) 前記スライド(40)が、作用が働く前記ワイア部分(2)よりも前記衝突領域においてより薄いことを特徴とする、実施態様14又は15に記載の装置。
(17) 前記スライド(40)を直線移動させるための駆動ユニット(46)が設けられることを特徴とする、実施態様14〜16のいずれかに記載の装置。
(18) 前記駆動ユニット(46)が、力センサ(48)、及びセンサ信号に応じて前記スライド(40)を制御するための制御ユニットを含むことを特徴とする、実施態様17に記載の装置。
(19) 前記駆動ユニット(46)が、力制御される連結ユニットを含むことを特徴とする、実施態様17に記載の装置。
(20) カートリッジ(34)又はクランプ格納部(35)に前記クランプ(3)を導入するための前記装置(33)が、前記スライド(40)のためのガイドと、いずれの場合にも、1つの前記クランプ(3)を挿入するための挿入開口部(41)と、を有するハウジング(36)を有することを特徴とする、実施態様1〜19のいずれかに記載の装置。
【0073】
(21) カートリッジ(34)又はクランプ格納部(35)に前記クランプ(3)を導入するための前記装置(33)の出力側の端部の前方にクランプ格納部(35)又はカートリッジ(34)を位置決めするための位置決め装置(44)が設けられることを特徴とする、実施態様1〜20のいずれかに記載の装置。
(22) 前記装置(1)の個々の構成要素が、共通の処理ステーションに配置されることを特徴とする、実施態様1〜21のいずれかに記載の装置。
(23) クランプ(3)、詳細には外科用クランプを製造するための方法であって、真っ直ぐなワイア部分(2)の自由端が折り曲げられてワイア脚(29)を形成し、前記ワイア部分(2)がワイア(5)から切断され、前記ワイア部分(20)の自由端が折り曲げられてワイア脚(29)を形成することと、折り曲げられてクランプを形成した前記ワイア部分(2)がカートリッジ(34)又はクランプ格納部(35)に導入されることと、前記ワイア部分(2)が切断の前に把持され、前記切断及び前記折り曲げの間、常に保持されることと、を特徴とする、方法。
(24) 前記ワイア(5)が、ワイアロール(7)からほどかれることを特徴とする、実施態様23に記載の方法。
(25) 前記切断の前に、前記ワイア(5)が整列されかつ/又は引き伸ばされることを特徴とする、実施態様23又は24に記載の方法。
【0074】
(26) 前記切断されたワイア部分(2)が、前記完成したクランプ(3)のクランプ後部(30)を形成する、前記ワイア部分(2)の中央領域によって、アンビル(23)上に置かれ、前記アンビル(23)が2個の加圧されたプレスローラ(25)の間を通過させられる結果、前記アンビル(23)を超えて突出するワイア領域が折り曲げられることを特徴とする、実施態様23〜25のいずれかに記載の方法。
(27) 前記折り曲げられたワイア脚(29)がクランプ面から外に折り曲げられ、互いに押し当てられて剪断されることを特徴とする、実施態様23〜26のいずれかに記載の方法。
(28) 前記ワイア部分(2)が、前記折り曲げ処理の前及び/又は後で処理されることを特徴とする、実施態様23〜27のいずれかに記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22