(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記一端エッジ領域及び前記他端エッジ領域のそれぞれにおいて前記バスバーラインと前記配線材との結合力が、前記一端エッジ領域及び前記他端エッジ領域以外の領域における前記バスバーラインと前記配線材との結合力よりも小さい、請求項1に記載の太陽電池パネル。
前記一端エッジ領域に配置された前記電極部が、前記最外郭フィンガーラインよりも内側に位置する第1電極部と、前記第1電極部から前記第1電極部と交差する方向に沿って前記最外郭フィンガーラインと同一線上又はこれよりも外側まで延長される第2電極部と、を有し、
前記他端エッジ領域で前記電極部が、前記最外郭フィンガーラインと同一線上又はこれよりも外側に位置する第3電極部を有し、
前記配線材が前記一端エッジ領域で前記第1電極部及び前記第2電極部に位置し、
前記配線材が前記他端エッジ領域で前記第3電極部に位置する、請求項4に記載の太陽電池パネル。
前記配線材は、前記内側端部に位置する前記パッド部よりも外側に位置する前記一端エッジ領域又は前記他端エッジ領域まで延長される、請求項8に記載の太陽電池パネル。
前記一端エッジ領域に配置された前記電極部と前記他端エッジ領域に配置された前記電極部とが別個の形状を有するか、又は互いに対称の形状を有する、請求項17に記載の太陽電池。
前記一端エッジ領域に配置された前記電極部が、前記最外郭フィンガーラインよりも内側に位置する第1電極部と、前記第1電極部から前記第1電極部と交差する方向に沿って前記最外郭フィンガーラインと同一線上又はこれよりも外側まで延長される第2電極部と、を有し、
前記他端エッジ領域で前記電極部が、前記最外郭フィンガーラインと同一線上又はこれよりも外側に位置する第3電極部を有する、請求項19に記載の太陽電池。
前記一端エッジ領域又は前記他端エッジ領域において、前記最外郭パッド部から前記基板の端部までの距離は2.37〜21.94mmである、請求項17に記載の太陽電池。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例について詳しく説明する。ただし、本発明がそれらの実施例に限定されるものではなく、様々な形態に変形されてもよいことは勿論である。
【0014】
図面では、本発明を明確で簡略に説明するために、説明と無関係な部分の図示を省略しており、明細書全体を通じて同一又は極類似の部分には同一の参照符号を付する。なお、図面では、より明確な説明のために、厚さ、広さなどを拡大又は縮小して示しており、本発明の厚さ、広さなどが図面のものに限定されるわけではない。
【0015】
また、明細書全体を通じて、ある部分が他の部分を”含む”としたとき、特別な記載がない限り、更に他の部分を排除することを意味するのではなく、更に他の部分を含んでもよい。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の”上に”あるとしたとき、これは、他の部分の”直接上に”ある場合だけでなく、両者の間に更に他の部分が介在する場合をも含む。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の”直接上に”あるとしたときは、両者の間に更に他の部分が位置しないことを意味する。
【0016】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施例に係る太陽電池及びこれを含む太陽電池パネルを詳しく説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施例に係る太陽電池パネルを示す斜視図であり、
図2は、
図1のII−II線に沿う断面図である。
【0018】
図1及び
図2を参照すると、本実施例に係る太陽電池パネル100は、複数の太陽電池150と、複数の太陽電池150を電気的に連結する配線材142と、を含む。さらに、太陽電池パネル100は、複数の太陽電池150及びこれを連結する配線材142を包んでシールする密封材130と、密封材130の上で太陽電池150の前面に位置する前面基板110と、密封材130の上で太陽電池150の背面に位置する背面基板200と、を含む。これについてより詳しく説明する。
【0019】
まず、太陽電池150は、太陽電池を電気エネルギーに変換する光電変換部と、光電変換部に電気的に連結され、電流を収集して伝達する電極と、を含むことができる。そして、複数個の太陽電池150は配線材142によって電気的に直列、並列又は直並列に連結されてもよい。具体的に、配線材142は、複数個の太陽電池150のうち隣り合う2つの太陽電池150を電気的に連結する。
【0020】
そして、バスリボン145は、配線材142によって連結されて一つの列を形成する太陽電池150(すなわち、太陽電池ストリング)の配線材142の両端を交互に連結する。バスリボン145は、太陽電池ストリングの端部でそれと交差する方向に配置されてもよい。このようなバスリボン145は、隣り合う太陽電池ストリングを連結したり、太陽電池ストリングを電流の逆流を防止するジャンクションボックス(図示せず)に連結することができる。バスリボン145の物質、形状、連結構造などは様々に変形されてもよく、本発明がこれに限定されるものではない。
【0021】
密封材130は、太陽電池150の前面に位置する第1密封材131と、太陽電池150の背面に位置する第2密封材132と、を含むことができる。第1密封材131及び第2密封材132は、太陽電池150に悪影響を及ぼしうる水分や酸素を遮断し、太陽電池パネル100の各要素が化学的に結合できるようにする。背面基板200、第2密封材132、太陽電池150、第1密封材131、前面基板110を順に配置した状態で熱及び/又は圧力などを加えるラミネーション工程によって太陽電池パネル100として一体化することができる。
【0022】
このような第1密封材131及び第2密封材132には、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、ポリビニルブチラル、ケイ素樹脂、エステル系樹脂、オレフィン系樹脂などを使用することができる。ただし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、第1及び第2密封材131,132は、その他様々な物質を用いてラミネーション以外の他の方法によって形成されてもよい。このとき、第1及び第2密封材131,132は、光透過性を有し、背面基板200から入射する光又は背面基板200から反射される光などが太陽電池150に到達できるようにする。
【0023】
前面基板110は、第1密封材131上に設けられて太陽電池パネル100の前面を構成する。前面基板110は、外部の衝撃などから太陽電池150を保護できる強度、及び太陽光などの光を透過できる光透過性を有する物質から構成されてもよい。一例として、前面基板110は、ガラス基板などから構成されてもよい。このとき、強度を向上させ得るように、前面基板110を強化ガラス基板から構成することもでき、その他の様々な特性を向上させ得る様々な物質をさらに含んでもよいなど、様々な変形が可能である。又は、前面基板110が樹脂などから構成されるシート又はフィルムであってもよい。すなわち、本発明が前面基板110の物質に限定されるものではなく、前面基板110は様々な物質から構成されてもよい。
【0024】
背面基板200は、第2密封材132上に設けられ、太陽電池150の背面で太陽電池150を保護する層であって、防水、絶縁及び紫外線遮断の機能を果たすことができる。
【0025】
背面基板200は、外部の衝撃などから太陽電池150を保護し得る強度を有することができ、所望の太陽電池パネル100の構造に応じて光を透過又は反射する特性を有することができる。一例として、背面基板200から光が入射する構造では、背面基板200が投光性物質を有することができ、背面基板200で光が反射される構造では、背面基板200が非投光性物質又は反射物質などで構成されてもよい。一例として、背面基板200は、ガラスのような基板形態であってもよく、フィルム又はシートなどの形態であってもよい。例えば、背面基板200は、TPT(Tedlar/PET/Tedlar)タイプであってもよく、ポリエチレンテレフタレート(PET)の少なくとも一面に形成されたポリフッ化ビニリデン(poly vinylidene fluoride;PVDF)樹脂などで構成されてもよい。ポリフッ化ビニリデンは、(CH
2CF
2)n構造の高分子であって、ダブル(Double)フッ素分子構造を有するため、機械的性質、耐候性、耐紫外線性に優れている。本発明が背面基板200の物質などに限定されるものではない。
【0026】
図3を参照して、本発明の実施例に係る太陽電池パネルに含まれる太陽電池の一例を、より詳しく説明する。
【0027】
図3は、
図1の太陽電池パネルに含まれる太陽電池の一例を示す部分断面図である。
【0028】
図3を参照すると、本実施例に係る太陽電池150は、ベース領域10を含む半導体基板160と、半導体基板160に又は半導体基板160上に形成される導電型領域20,30と、導電型領域20,30に連結される電極42,44と、を含む。ここで、導電型領域20,30は、第1導電型を有する第1導電型領域20と、第2導電型を有する第2導電型領域30を含むことができ、電極42,44は、第1導電型領域20に連結される第1電極42と、第2導電型領域30に連結される第2電極44を含むことができる。そして、太陽電池150は、第1パッシベーション膜22、反射防止膜24、第2パッシベーション膜32などをさらに含むことができる。これについてより詳しく説明する。
【0029】
半導体基板160は、結晶質半導体から構成することができる。一例として、半導体基板160を単結晶又は多結晶半導体(一例として、単結晶又は多結晶シリコン)で構成することができる。特に、半導体基板160は単結晶半導体(例えば、単結晶半導体ウエハー、さらに具体的には、単結晶シリコンウエハー)で構成されてもよい。このように半導体基板160が単結晶半導体(例えば、単結晶シリコン)で構成されると、太陽電池150が、結晶性が高いため欠陥の少ない結晶質半導体で構成される半導体基板160をベースとするようになる。これによって、太陽電池150は、優れた電気的特性を有することができる。
【0030】
半導体基板160の前面及び/又は背面はテクスチャリング(texturing)されて凹凸を有することができる。凹凸は、一例として、外面が半導体基板160の(111)面で構成され、不規則的な大きさを有するピラミッド形状を有することができる。このようなテクスチャリングによって半導体基板160の前面などに凹凸が形成されて表面粗さが増加すると、半導体基板160の前面などから入射する光の反射率を下げることができる。したがって、ベース領域10と第1導電型領域20によって形成されたpn接合まで到達する光量を増加させることができ、光損失を最小化することができる。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、半導体基板160の前面及び背面にテクスチャリングによる凹凸が形成されなくてもよい。
【0031】
半導体基板160は、第2導電型ドーパントを相対的に低いドーピング濃度で含んで第2導電型を有するベース領域10を含むことができる。一例として、ベース領域10は、第1導電型領域20に比べて、半導体基板160の前面からより遠く離れて、又は背面により近づいて位置することができる。そして、ベース領域10は、第2導電型領域30に比べて、半導体基板160の前面により近づいて、又は背面からより遠く離れて位置することができる。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、ベース領域10の位置が変更されてもよいことは勿論である。
【0032】
ここで、ベース領域10は、第2導電型ドーパントを含む結晶質半導体で構成されてもよい。一例として、ベース領域10は、第2導電型ドーパントを含む単結晶又は多結晶半導体(一例として、単結晶又は多結晶シリコン)で構成されてもよい。特に、ベース領域10は、第2導電型ドーパントを含む単結晶半導体(例えば、単結晶半導体ウエハー、さらに具体的には、単結晶シリコンウエハー)で構成されてもよい。
【0033】
第2導電型はn型又はp型を有することができる。ベース領域10がn型を有する場合には、ベース領域10を、5族元素であるリン(P)、ヒ素(As)、ビズマス(Bi)、アンチモン(Sb)などがドープされた単結晶又は多結晶半導体で構成することができる。ベース領域10がp型を有する場合には、ベース領域10を、3族元素であるボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などがドープされた単結晶又は多結晶半導体で構成することができる。
【0034】
ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、ベース領域10及び第2導電型ドーパントは様々な物質で構成されてもよい。
【0035】
一例として、ベース領域10はn型であってもよい。この場合、ベース領域10とpn接合をなす第1導電型領域20はp型を有するようになる。このようなpn接合に光が照射されると、光電効果によって生成された電子が半導体基板160の背面側に移動して第2電極44によって収集され、正孔が半導体基板160の前面側に移動して第1電極42によって収集される。これによって、電気エネルギーが発生する。すると、電子に比べて移動速度の遅い正孔が半導体基板160の背面ではなく前面へ移動し、これによって変換効率を向上させることができる。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、ベース領域10及び第2導電型領域30がp型を有し、第1導電型領域20がn型を有することも可能である。
【0036】
半導体基板160の前面側には、ベース領域10とは反対の第1導電型を有する第1導電型領域20が形成されてもよい。第1導電型領域20はベース領域10とpn接合を形成し、光電変換によってキャリアを生成するエミッタ領域を構成する。
【0037】
本実施例では、第1導電型領域20が半導体基板160の一部を構成するドーピング領域で構成されてもよい。この場合、第1導電型領域20を、第1導電型ドーパントを含む結晶質半導体で構成することができる。一例として、第1導電型領域20を、第1導電型ドーパントを含む単結晶又は多結晶半導体(一例として、単結晶又は多結晶シリコン)で構成することができる。特に、第1導電型領域20は、第1導電型ドーパントを含む単結晶半導体(例えば、単結晶半導体ウエハー、さらに具体的には、単結晶シリコンウエハー)で構成されてもよい。このように第1導電型領域20が半導体基板160の一部を構成し、ベース領域10と第1導電型領域20との接合特性を向上させることができる。
【0038】
ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1導電型領域20が半導体基板160上に半導体基板160と別個として形成されてもよい。この場合、第1導電型領域20は、半導体基板160上に容易に形成され得るように、半導体基板160と異なる結晶構造を有する半導体層で構成することができる。例えば、第1導電型領域20を、蒸着などの様々な方法によって容易に製造され得る非晶質半導体、微結晶半導体、又は多結晶半導体(一例として、非晶質シリコン、微結晶シリコン、又は多結晶シリコン)などに第1導電型ドーパントをドーピングして形成することができる。その他の様々な変形も可能である。
【0039】
第1導電型はp型又はn型を有することができる。第1導電型領域20がp型を有する場合には、第1導電型領域20を、3族元素であるボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などがドープされた単結晶又は多結晶半導体で構成することができる。第1導電型領域20がn型を有する場合には、第1導電型領域20を、5族元素であるリン(P)、ヒ素(As)、ビズマス(Bi)、アンチモン(Sb)などがドープされた単結晶又は多結晶半導体で構成することができる。一例として、第1導電型領域20は、ボロンがドープされた単結晶又は多結晶半導体であってもよい。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、様々な物質が第1導電型ドーパントとして用いられてもよい。
【0040】
図面では、第1導電型領域20が全体的に均一なドーピング濃度を持つ均一な構造(homogeneous structure)を有する例を示した。ただし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、他の実施例として、
図4に示すように、第1導電型領域20が選択的構造(selective structure)を有することもできる。
【0041】
図4を参照すると、選択的構造を有する第1導電型領域20は、第1電極42に隣接して形成されて第1電極42に接触する第1部分20aと、第1部分20a以外の部分に形成される第2部分20bと、を含むことができる。
【0042】
第1部分20aは、ドーピング濃度が高いため、相対的に低い抵抗を有し、第2部分20bは、第1部分20aに比べてドーピング濃度が低いため、相対的に高い抵抗を有することができる。そして、第1部分20aの厚さを第1部分20aよりも厚くすることができる。すなわち、第1部分20aのジャンクション深さ(junction depth)が第2部分20bのジャンクション深さよりも大きくてもよい。
【0043】
このように、本実施例では、光が入射する第1電極42以外の部分には、相対的に高い抵抗の第2部分20bを形成して浅いエミッタ(shallow emitter)を具現する。これによって、太陽電池150の電流密度を向上させることができる。このように、第1電極42に隣接する部分に、相対的に低い抵抗の第1部分20aを形成することで、第1電極42との接触抵抗を低減させることができる。これによって効率を最大化することができる。
【0044】
第1導電型領域20の構造、形状などには、その他にも様々な構造、形状などが適用されてもよい。
【0045】
再び
図3を参照すると、半導体基板160の背面側には、ベース領域10と同じ第2導電型を有するとともに、ベース領域10よりも高いドーピング濃度で第2導電型ドーパントを含む第2導電型領域30が形成されてもよい。第2導電型領域30は後面電界(back surface field)を形成し、半導体基板160の表面(さらに正確にいうと、半導体基板160の背面)で再結合によってキャリアが損失することを防止する後面電界領域を構成する。
【0046】
本実施例では、第2導電型領域30を、半導体基板160の一部を構成するドーピング領域で構成することができる。この場合、第2導電型領域30を、第2導電型ドーパントを含む結晶質半導体で構成することができる。一例として、第2導電型領域30を、第2導電型ドーパントを含む単結晶又は多結晶半導体(一例として、単結晶又は多結晶シリコン)で構成することができる。特に、第2導電型領域30は、第2導電型ドーパントを含む単結晶半導体(例えば、単結晶半導体ウエハー、さらに具体的には、単結晶シリコンウエハー)で構成されてもよい。このように第2導電型領域30が半導体基板160の一部を構成することにより、ベース領域10と第2導電型領域30との接合特性を向上させることができる。
【0047】
ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、第2導電型領域30が半導体基板160上に半導体基板160と別個として形成されてもよい。この場合、第2導電型領域30は半導体基板160上に容易に形成され得るように、半導体基板160と異なる結晶構造を有する半導体層で構成されてもよい。例えば、第2導電型領域30を、蒸着などの様々な方法によって容易に製造され得る非晶質半導体、微結晶半導体、又は多結晶半導体(一例として、非晶質シリコン、微結晶シリコン、又は多結晶シリコン)などに第2導電型ドーパントをドーピングして形成することができる。その他の様々な変形も可能である。
【0048】
第2導電型はn型又はp型を有することができる。第2導電型領域30がn型を有する場合には、第2導電型領域30を、5族元素であるリン(P)、ヒ素(As)、ビズマス(Bi)、アンチモン(Sb)などがドープされた単結晶又は多結晶半導体で構成することができる。第2導電型領域30がp型を有する場合には、第2導電型領域30を、3族元素であるボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などがドープされた単結晶又は多結晶半導体で構成することができる。一例として、第2導電型領域30は、リンがドープされた単結晶又は多結晶半導体であってもよい。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、様々な物質が第2導電型ドーパントとして用いられてもよい。そして、第2導電型領域30の第2導電型ドーパントは、ベース領域10の第2導電型ドーパントと同じ物質であってもよく、異なる物質であってもよい。
【0049】
本実施例では第2導電型領域30が全体的に均一なドーピング濃度を有する均一な構造(homogeneous structure)を有する例を示した。ただし、本発明がこれに限定されるわけではない。したがって、他の実施例として、第2導電型領域30が選択的構造(selective structure)を有してもよい。選択的構造では、第2導電型領域30のうち、第2電極44と隣接した部分では、高いドーピング濃度、大きいジャンクション深さ及び低い抵抗を有し、その他の部分では低いドーピング濃度、小さいジャンクション深さ及び高い抵抗を有することができる。第2導電型領域30の選択的構造は、
図4に示した第1導電型領域20の選択的構造と類似又は同一であるため、
図4を参照して説明した選択的構造の第1導電型領域20に関する説明を第2導電型領域30に適用することができる。更に他の実施例として、
図4に示すように、第2導電型領域30が局部的構造(local structure)を有してもよい。
【0050】
図4を参照すると、局部的構造を有する第2導電型領域30が、第2電極44と連結される部分で局部的に形成される第1部分30aから構成されてもよい。この場合、第2電極44と連結される部分では第2導電型領域30が位置して第2電極44との接触抵抗が低減し、フィルファクタ(fill factor;FF)特性を高く維持することができる。一方、第2電極44と連結されない部分ではドーピング領域から構成される第2導電型領域30を形成せず、ドーピング領域で発生しうる再結合を低減し、短絡電流密度(short−circuit current;Jsc)及び開放電圧を向上させることができる。また、第2導電型領域30が形成されない部分では優れた内部量子効率(internal quantum efficiency;IQE)の値を有するので、長波長の光に対する特性に非常に優れる。したがって、ドーピング領域が全体的に形成された均一な構造及び選択的構造に比べて、長波長の光に対する特性を大きく向上させることができる。このように局部的構造の第2導電型領域30は、太陽電池150の効率に関係するフィルファクタ、短絡電流密度及び開放電圧を全て高く維持し、太陽電池150の効率を向上させることができる。
【0051】
その他にも、第2導電型領域30の構造には様々な構造が適用されてもよい。
【0052】
再び
図3を参照すると、半導体基板160の前面上に、さらに正確には、半導体基板160に又はその上に設けられた第1導電型領域20上に、第1パッシベーション膜22及び反射防止膜24が順に形成され、第1電極42が第1パッシベーション膜22及び反射防止膜24を貫通して(すなわち、開口部102を通して)第1導電型領域20に電気的に連結(さらに具体的には、接触)されている。
【0053】
第1パッシベーション膜22及び反射防止膜24は、第1電極42に対応する開口部102を除いて、実質的に半導体基板160の前面全体に形成されている。
【0054】
第1パッシベーション膜22は、第1導電型領域20に接触して形成され、第1導電型領域20の表面又はバルク内に存在する欠陥を不動化させる。これによって、少数キャリアの再結合サイトを除去し、太陽電池150の開放電圧(Voc)を増加させることができる。反射防止膜24は、半導体基板160の前面に入射される光の反射率を減少させる。これによって、半導体基板160の前面から入射する光の反射率を下げ、ベース領域10及び第1導電型領域20によって形成されたpn接合まで到達する光量を増加させることができる。これによって、太陽電池150の短絡電流(Isc)を増加させることができる。このように第1パッシベーション膜22及び反射防止膜24によって太陽電池150の開放電圧及び短絡電流を増加させ、太陽電池150の効率を向上させることができる。
【0055】
第1パッシベーション膜22は、様々な物質で形成することができる。一例として、パッシベーション膜22は、シリコン窒化膜、含水素シリコン窒化膜、シリコン酸化膜、シリコン酸化窒化膜、アルミニウム酸化膜、MgF
2、ZnS、TiO
2及びCeO
2からなる群から選ばれるいずれか1つの単一膜又は2つ以上の膜が組み合わせられた多層膜の構造を有することができる。一例として、第1パッシベーション膜22は、第1導電型領域20がn型を有する場合には、固定正電荷を有するシリコン酸化膜、シリコン窒化膜などを含むことができ、第1導電型領域20がp型を有する場合には、固定負電荷を有するアルミニウム酸化膜などを含むことができる。
【0056】
放射防止膜24は、様々な物質で形成することができる。一例として、反射防止膜24は、シリコン窒化膜、含水素シリコン窒化膜、シリコン酸化膜、シリコン酸化窒化膜、アルミニウム酸化膜、MgF
2、ZnS、TiO
2及びCeO
2からなる群から選ばれるいずれか1一つの単一膜又は2つ以上の膜が組み合わせられた多層膜の構造を有することができる。一例として、反射防止膜24はシリコン窒化物を含むことができる。
【0057】
ただし、本発明はこれに限定されず、第1パッシベーション膜22及び反射防止膜24が様々な物質を含んでもよいことは勿論である。また、第1パッシベーション膜22及び反射防止膜24のいずれか一方が反射防止の役割及びパッシベーションの役割を兼ね、いずれか他方は設けられなくてもよい。又は、第1パッシベーション膜22及び反射防止膜24以外の様々な膜が半導体基板160上に形成されてもよい。その他にも様々な変形が可能である。
【0058】
第1電極42は、第1パッシベーション膜22及び反射防止膜24に形成された開口部102を通して(すなわち、第1パッシベーション膜22及び反射防止膜24を貫通して)第1導電型領域20に電気的に連結される。このような第1電極42は、電気伝導度に優れた物質(一例として、金属)などで構成することができる。第1電極42は光を透過できるように特定のパターンを有してもよいが、その具体的な形状については
図9を参照して後述する。
【0059】
半導体基板160の背面上に、さらに正確には、半導体基板160に形成された第2導電型領域30上に、第2パッシベーション膜32が形成され、第2電極44が第2パッシベーション膜32を貫通して(すなわち、開口部104を通して)第2導電型領域30に電気的連結(一例として、接触)される。
【0060】
第2パッシベーション膜32は、第2電極44に対応する開口部104を除いて、実質的に半導体基板160の背面全体に形成されている。
【0061】
第2パッシベーション膜32は、第2導電型領域30に接触して形成され、第2導電型領域30の表面又はバルク内に存在する欠陥を不動化させる。これによって少数キャリアの再結合サイトを除去し、太陽電池150の開放電圧(Voc)を増加させることができる。
【0062】
第2パッシベーション膜32は、様々な物質で形成することができる。一例として、第2パッシベーション膜32は、シリコン窒化膜、含水素シリコン窒化膜、シリコン酸化膜、シリコン酸化窒化膜、アルミニウム酸化膜、MgF
2、ZnS、TiO
2及びCeO
2からなる群から選ばれるいずれか1一つの単一膜又は2つ以上の膜が組み合わせられた多層膜の構造を有することができる。一例として、第2パッシベーション膜32は、第2導電型領域30がn型を有する場合には、固定正電荷を有するシリコン酸化膜、シリコン窒化膜などを含むことができ、第2導電型領域30がp型を有する場合には、固定負電荷を有するアルミニウム酸化膜などを含むことができる。
【0063】
ただし、本発明はこれに限定されず、第2パッシベーション膜32が様々な物質を含んでもよいことは勿論である。又は、第2パッシベーション膜32以外の様々な膜が半導体基板160の背面上に形成されてもよい。その他にも様々な変形が可能である。
【0064】
第2電極44は、第2パッシベーション膜32に形成された開口部104を通して第2導電型領域30に電気的に連結される。このような第2電極44は、電気伝導度に優れた物質(一例として、金属)などで構成することができる。第2電極44は、光を透過できるように特定のパターンを有してもよいが、その具体的な形状については後述する。
【0065】
このように、本実施例では、太陽電池150の第1及び第2電極42,44が一定のパターンを有するため、太陽電池150は、半導体基板160の前面及び背面から光が入射し得る両面受光型(bi−facial)構造を有する。これによって、太陽電池150で使われる光量を増加させ、太陽電池150の効率向上に寄与することができる。
【0066】
ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、第2電極44が半導体基板160の背面側で全体的に形成される構造を有することも可能である。また、第1及び第2導電型領域20,30、及び第1及び第2電極42,44が、半導体基板160の一面(一例として、背面側)に共に位置することも可能であり、第1及び第2導電型領域20,30のうち少なくとも一つが半導体基板160の両面にわたって設けられてもよい。すなわち、上述した太陽電池150は一例として提示したものに過ぎず、本発明がこれに限定されるわけではない。
【0067】
上述した太陽電池150は、配線材142によって隣り合う太陽電池150と電気的に連結されるが、これについては、
図1及び
図2と共に
図5を参照してより詳しく説明する。
【0068】
図5は、
図1の太陽電池パネル100において配線材142によって連結される第1太陽電池151及び第2太陽電池152を概略的に示す斜視図である。
図5では、太陽電池150を半導体基板160及び電極42,44を中心に簡略に示している。また、
図6は、
図1に示した太陽電池150の電極42,44に付着される前の配線材142を示す斜視図及び断面図であり、
図7は、
図1に示した太陽電池150の電極42,44のパッド部(
図9の参照符号422)に付着された配線材142を示す断面図である。また、
図8は、
図5のA部分の概略的な断面図である。簡略な図示及び説明のために、
図7ではパッド部422及び配線材142だけを示している。
図8では、第1太陽電池151と第2太陽電池152とを連結する配線材142を中心に示している。
【0069】
図5を参照すると、複数個の太陽電池150のうち、隣り合う2つの太陽電池150(一例として、第1太陽電池151と第2太陽電池152と)が配線材142によって連結されている。このとき、配線材142は、第1太陽電池151の前面に設けられている第1電極42と、第1太陽電池151の一側(図面上、左側下部)に位置している第2太陽電池152の背面に設けられている第2電極44とを連結する。そして、他の配線材1420aが、第1太陽電池151の背面に設けられている第2電極44と、第1太陽電池151の他側(図面上、右側上部)に位置する他の太陽電池の前面に設けられている第1電極42とを連結する。また、他の配線材1420bが、第2太陽電池152の前面に設けられている第1電極42と、第2太陽電池152の一側(図面上、左側下部)に位置する更に他の太陽電池の背面に設けられている第2電極44とを連結する。これによって、複数個の太陽電池150を配線材142,1420a,1420bによって一列に連結することができる。以下、配線材142に関する説明は、隣り合う2つの太陽電池150を連結するいずれの配線材142にも適用可能である。
【0070】
本実施例で配線材142は、第1太陽電池151の前面で第1電極42(さらに具体的には、第1電極42のバスバーライン42b)に連結された状態で第1縁161からこれと反対の第2縁162に向かって延長される第1部分1421と、第2太陽電池152の背面で第2電極44(さらに具体的には、第2電極44のバスバーライン44b)に連結された状態で第1縁161からこれと反対の第2縁162に向かって延長される第2部分1422と、第1太陽電池151の第2縁162の前面から第2太陽電池152の背面まで延長されて第1部分1421と第2部分1422とを連結する第3部分1423と、を含むことができる。これによって、配線材142が第1太陽電池151の一部領域で第1太陽電池151を横切ってから第2太陽電池152の一部領域で第2太陽電池152を横切って位置することができる。このように、配線材142が第1及び第2太陽電池151,152よりも小さい幅を有し、第1及び第2太陽電池151,152の一部(一例として、バスバー電極42b)に対応する部分でのみ形成されるため、小さな面積によっても第1及び第2太陽電池151,152を効果的に連結することができる。
【0071】
一例として、配線材142は、第1及び第2電極42,44においてバスバーライン42b上でバスバーライン42bに接触しながらバスバーライン42bに沿って長く延びるように配置することができる。これによって、配線材142と第1及び第2電極42,44とが連続的に接触するようにし、電気的連結特性を向上させることができる。ただし、本発明がこれに限定されるわけではない。バスバーライン42bを備えなくてもよく、この場合には、配線材142がフィンガーライン42aと交差する方向に複数個のフィンガーライン42aを横切って複数個のフィンガーライン42aに接触及び連結されるように配置されてもよい。ただし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0072】
各太陽電池150の一面を基準にすれば、配線材142は複数個設けられ、隣り合う太陽電池150の電気的連結特性を向上させることができる。特に、本実施例では配線材142が、既存に使われた相対的に広い幅(例えば、1mm乃至2mm)を有するリボンよりも小さい幅を有するワイヤーで構成され、各太陽電池150の一面を基準に、既存のリボンの個数(例えば、2個乃至5個)よりも多い個数の配線材142を使用する。
【0073】
本実施例で配線材142は、
図6に示すように、コア層142aを含み、コア層142aの表面に薄い厚さでコートされたコーティング層142bを含むことができる。コア層142aは、優れた電気伝導度を有するワイヤーなどで構成されて電流を実質的に伝達し、コーティング層142bは、コア層142aを保護したり、配線材142の付着特性などを向上させる等の様々な役割を担うことができる。一例として、コーティング層142bはソルダー物質を含み、熱によって溶融されて配線材142を容易に電極42,44に付着する役割を担うことができる。これによって、別途の接着剤などを使用せず、電極42,44に配線材142を配置した後に熱を加えるだけで、ソルダリング(soldering)によって配線材142を電極42,44に容易に付着することができる。その結果、タビング(tabbing)工程を単純化することができる。
【0074】
このとき、タビング工程は、配線材142にフラックスを塗布し、フラックスが塗布された配線材142を電極42,44上に配置した後に熱を加えることによって行うことができる。フラックスは、ソルダリングを妨害する酸化膜の形成を防止するためのものであり、必ずしも使用されるものではない。
【0075】
コア層142aは、優れた電気伝導度を有し得る物質(例えば、金属、さらに具体的には、Ni、Cu、Ag、Al)を主要物質(一例として、50wt%以上含まれる物質、さらに具体的には、90wt%以上含まれる物質)として含むことができる。コーティング層142bがソルダー物質を含む場合に、コーティング層142bは、Pb、Sn、SnIn、SnBi、SnPb、SnPbAg、SnCuAg、SnCUなどの物質を主要物質として含むことができる。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、コア層142a及びコーティング層142bが様々な物質を含んでもよい。
【0076】
他の例として、配線材142を別の導電性接着体を用いて電極42,44に付着させてもよい。この場合、配線材142は、コーティング層142bを有してもよく、有さなくてもよい。導電性接着剤としては、エポキシ系合成樹脂又はシリコン系合成樹脂に、Ni、Al、Ag、Cu、Pb、Sn、SnIn、SnBi、SnP、SnPbAg、SnCuAg、SnCuなどの導電性粒子(conductive particle)が含まれる物質であって、液相の形態で存在するが、熱を加えると熱硬化する物質を使用することができる。このような導電性接着剤を使用する場合には、電極42,44上に導電性接着剤を配置し、その上に配線材142を配置した後に熱を加えたり、又は、配線材142の表面に導電性接着剤を塗布又は配置した後、これを電極42,44上に置いて熱を加えることによって、配線材142を電極42,44に付着することもできる。
【0077】
このように、既存のリボンに比べて小さい幅を有するワイヤーを配線材142として用いることにより、材料コストを大きく低減することができる。また、配線材142がリボンに比べて小さい幅を有するため、十分な個数の配線材142を備え、キャリアの移動距離を最小化することによって、太陽電池、パネル100の出力を向上させることができる。
【0078】
また、本実施例に係る配線材142を構成するワイヤーは、円形又は楕円形の断面、曲線の断面、又は丸い断面(round cross−section)を有し、反射又は乱反射を誘導することができる。これによって、配線材142を構成するワイヤーの丸い面で反射された光が、太陽電池150の前面又は背面に設けられている前面基板110又は背面基板200などに反射又は全反射されて太陽電池150に再入射するようにすることができる。これによって、太陽電池パネル100の出力を効果的に向上させることができる。ただし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、配線材142を構成するワイヤーは、四角形などの多角形の形状を有してもよく、その他の様々な形状を有してもよい。
【0079】
本実施例で、配線材142は、250μm乃至500μmの幅W1を有することができる。このような幅を有するワイヤー形態の配線材142によって、太陽電池150で生成した電流を、外部回路(例えば、バスリボン又はジャンクションボックスのバイパスダイオード)又は他の太陽電池150に効率的に伝達することができる。本実施例では、配線材142が別個の層、フィルムなどに挿入されない状態で太陽電池150の電極42,44上にそれぞれ位置して固定されている。このため、配線材142の幅W1が250μm未満であれば、配線材142の強度が不十分になる恐れがあり、電極42,44の連結面積が非常に少ないため、電気的連結特性が良子でなく、付着力が低くなりうる。配線材142の幅W1が500μmを超えると、配線材142の材料コストが増加し、配線材142が太陽電池150の前面に入射する光の入射を妨害し、光損失(shading loss)が増加しうる。また、電極42,44から離れる方向に配線材142に加えられる力が増加するため、配線材142と電極42,44との付着力が低く、電極42,44又は半導体基板160に亀裂などの問題が発生しうる。一例として、配線材142の幅W1は、350μm乃至450μm(特に、350μm乃至400μm)であってもよい。この範囲にすることにより、電極42,44との付着力を高めながら出力を向上させることができる。
【0080】
ここで、タビング工程の前に、配線材142においてコーティング層142bの厚さT2はコア層142aの幅の10%以下(一例として、20μm以下、例えば、7μm乃至20μm)と小さくなっている。このとき、コーティング層142bの厚さが7μm未満であれば、タビング工程が円滑になされない虞がある。一方、コーティング層142bの厚さが20μmを超えると、材料コストが増加し、コア層142aの幅が減少して配線材142の強度が低下しうる。そして、タビング工程によって配線材142が太陽電池150に付着された後には、
図7に示すように、コーティング層142bが溶けて流れ、配線材142と太陽電池150との間(さらに正確には、配線材142と電極42,44のパッド部422との間)に厚く形成され、コア層142aの他の表面上には相対的に薄く形成される。そして、配線材142と太陽電池150との間に形成された部分は、配線材142のコア層142aの直径と同一であるか、それよりも大きい幅W7を有することができる。配線材142と電極42,44のパッド部422との間でコーティング層142bは11μm乃至21μmの厚さT1を有することができ、コア層142aの他の部分における表面でコーティング層142bは2μm以下(一例として、0.5μm乃至1.5μm)の極めて薄い厚さT2を有することができる。これを考慮して、本明細書でいう配線材142の幅W1とは、配線材142の中心を通るとともに太陽電池150の厚さ方向と垂直な面におけるコア層142aの幅又は直径を意味することができる。このとき、コア層142aの中心に位置した部分でコーティング層142bが非常に薄い厚さを有するため、コーティング層142bが配線材142の幅に殆ど影響を与えず、配線材142の幅W1は、コア層142aの中心を通るとともに太陽電池150の厚さ方向と垂直な面におけるコア層142a及びコーティング層142bの幅の和又は直径を意味してもよい。
【0081】
このようにワイヤー形態の配線材142を具備すると、出力向上の効果を奏することができる。ところが、本実施例では、従来に比べて薄い幅を有する配線材142を用いて隣り合う太陽電池150を電気的に連結しているため、配線材142と電極42,44との付着面積が少なく、付着力が足りなくなりうる。しかも、配線材142が円形、楕円形又は曲線の丸い断面を有すると、電極42,44との付着面積はより一層小さくなるため、電極42,44との付着力が不十分となりうる。また、配線材142が円形、楕円形又は曲線の丸い断面を有すると、相対的に配線材142の厚さが大きくなり、太陽電池150又は半導体基板160が一層曲がりやすくなる。
【0082】
特に、第1太陽電池151と第2太陽電池152との間では、配線材142が第1太陽電池151の前面上から第2太陽電池152の背面上まで連結されなければならないが、この部分で配線材142が曲がりうる。すなわち、
図8に示すように、配線材142の第1部分1421は、第1太陽電池151の第1電極42上でそれに付着(一例として、接触)された状態を維持し、配線材142の第2部分1422は、第2太陽電池152の第2電極44上でそれに付着(一例として、接触)された状態を維持する。配線材142の第3部分1423は、上述の第1部分1421と上述の第2部分1422とを折り曲がらないように繋がなければならない。このため、第3部分1423は、第1太陽電池151の縁付近で第1太陽電池151と一定の距離を有するように前面側に膨らんだ弧状を有するように曲がる部分1423aと、上述した部分1423aと変曲点を有しながら連結され、第2太陽電池152の縁付近で第2太陽電池152と一定の距離を有するように背面側に膨らんだ弧状を有するように曲がる部分1423bと、を含むことができる。
【0083】
このように第3部分1423の曲がる部分1423a,1423bは、第1部分1421又は第2部分1422との連結部分(すなわち、第1太陽電池151の縁部分又は第2太陽電池152の縁部分)で第1又は第2太陽電池151,152から次第に遠ざかる方向に向かう部分を有する。これによって、太陽電池150の縁部分で配線材142は、電極42,44から遠ざかる方向に力を受ける。
【0084】
第1部分1421と第3部分1423との境界又は第2部分1422と第3部分1423との境界(すなわち、配線材142と電極42,44との最後の連結部分)が太陽電池150の縁に近づくほど弧の曲率半径が小さくなる。このため、太陽電池150の縁に近接した配線材142が、太陽電池150から遠ざかる方向に受ける力が大きくなり、配線材142と電極42,44との付着力が低下しうる。したがって、本実施例のようにワイヤー形態の配線材142を具備する場合には、太陽電池150の縁に隣接し、配線材142が連結される電極42,44の部分(特に、配線材142が広い面積、大きい結合力で付着されるパッド部422)と太陽電池150の縁との間が一定の距離以上離隔されるようにすることによって、十分な結合力又は付着力で配線材142と電極42,44とを付着することができる。
【0085】
これを考慮して本実施例では太陽電池150の電極42,44を形成するが、これについて
図9を参照して詳細に説明する。以下では、
図9を参照して第1電極42を基準に詳細に説明した後、第2電極44を説明する。
【0086】
図9は、
図1の太陽電池パネルに含まれた太陽電池とこれに連結されたリボンを示す平面図である。
【0087】
図9を参照すると、本実施例で太陽電池150(又は半導体基板160)が電極領域EAとエッジ領域PAとに区画されている。このとき、太陽電池150(又は半導体基板160)は、一例として、フィンガーライン42aと平行な第1及び第2縁161,162と、フィンガーライン42aに交差(一例として、直交又は斜めに交差)する第3及び第4縁163,164を有することができる。第3及び第4縁163,164はそれぞれ、第1及び第2縁161,162と実質的に直交し、第3又は第4縁163,164の大部分を占める中央部163a,164aと、中央部163a,164aから傾斜して第1及び第2縁161,162にそれぞれ繋がる傾斜部163b,163bと、を含むことができる。これによって、例えば、平面からみて、太陽電池150は略八角形の形状を有することができる。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、太陽電池150の平面形状は様々な形状を有することができる。
【0088】
本実施例で、電極領域EAは、互いに平行に形成されるフィンガーライン42aが均一なピッチPで配置される領域であってもよい。電極領域EAは、配線材142によって区画される複数の電極領域EAを含むことができる。そして、エッジ領域PAは、隣接した2つの電極領域EAの間を含み、半導体基板160又は太陽電池150の縁(すなわち、配線材142又はバスバーライン42bの長さ方向に位置する縁又は配線材142又はバスバーライン42bと交差(一例として、直交)する縁)に隣接して位置する領域であってもよい。このとき、エッジ領域PAは、電極領域EAのフィンガーライン42aの密度よりも低い密度で電極部424a,424bが位置する領域であってもよく、電極部424a,424bが位置しない領域であってもよい。
【0089】
本実施例で電極領域EAは、バスバーライン42b又は配線材142を基準に区画される複数個の電極領域EAを有することができる。さらに具体的には、電極領域EAは、隣り合う2つのバスバーライン42b又は配線材142の間に設けられた第1電極領域EA1と、配線材142と太陽電池150の第3及び第4縁163,164との間にそれぞれ設けられた2つの第2電極領域EA2と、を含むことができる。本実施例では配線材142が太陽電池150の一面を基準に複数個(一例として、6個以上)設けられるため、第1電極領域EA1も複数個(すなわち、配線材142の個数よりも1つ少ない個数)設けられている。
【0090】
このとき、第1電極領域EA1の幅W2が第2電極領域EA2の幅W3よりも小さくてもよい。本実施例では配線材142又はバスバーライン42bが複数個設けられている。このため、第2電極領域EA2の幅W3を相対的に大きくすることにより、第3又は第4縁163,164の傾斜部163b,164bを第2電極領域EA2内に位置させることができ、これによって、バスバーライン42b又は配線材142が第3又は第4縁163,164に位置することを防止することができる。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1電極領域EA1の幅W2と第2電極領域EAの幅W3は様々な値を有してもよい。
【0091】
また、エッジ領域PAは、配線材142が位置する部分に対応し、フィンガー電極42aの間に位置する第1エッジ領域PA1と、第1エッジ領域PA1以外の部分であって、最外郭フィンガー電極42aと半導体基板160の第1乃至第4縁161,162,163,164との間で一定の距離離れる第2エッジ領域PA2と、を含むことができる。第1エッジ領域PA1は、配線材142が位置している部分において太陽電池150の縁に隣接した部分にそれぞれ位置することができる。第1エッジ領域PA1は、配線材142が十分な結合力で第1電極42に付着され得るように、第1パッド部422aを太陽電池150の縁から離隔させるために形成された領域である。
【0092】
このとき、エッジ領域PAは、隣接した2つの電極領域EAの間において、半導体基板160の第1縁161に隣接したバスバーライン42bの一端部に位置する一端エッジ領域PA3と、半導体基板160の第2縁162に隣接したバスバーライン42bの他端部に位置する他端エッジ領域PA4と、を含むことができる。さらに具体的には、一端エッジ領域PA3は、第1縁161に隣接したそれぞれの第1エッジ領域PA1と共に、これに対応する第2エッジ領域PA2の一部(すなわち、第2エッジ領域PA2において第1エッジ領域PAと第1縁161との間に位置している部分)を含むことができる。そして、他端エッジ領域PA4は、第2縁162に隣接したそれぞれの第1エッジ領域PA1と共に、これに対応する第2エッジ領域PA2の一部(すなわち、第2エッジ領域PA2において第1エッジ領域PAと第2縁162との間に位置している部分)を含むことができる。
【0093】
ここで、一端エッジ領域PA3は、半導体基板160の第1縁161に隣接して位置し、配線材142の端部が位置する領域であってもよい。配線材142は、他端エッジ領域PA4と半導体基板160の第2縁162を通って他の太陽電池150又は外部回路に延長されてもよい。明細書においていう”一端”,”他端”などの用語は区別のためのものに過ぎず、本発明がこれに限定されるわけではない。
【0094】
第1電極42は、電極領域EA内でそれぞれ一定の幅W5及びピッチPを有し、互いに離れて設けられる複数のフィンガーライン42aを含むことができる。図面では、フィンガーライン42aが第1方向に互いに並んで設けられ、太陽電池150のメイン縁(特に、第1及び第2縁161,162)と平行になっている例を示しているが、本発明がこれに限定されるものではない。このとき、複数のフィンガーライン42aは、半導体基板160の縁(さらに具体的には、第1及び第2縁161,162)に最も隣接して位置する最外郭フィンガーライン421a,422aを含むことができる。
【0095】
一例として、第1電極42のフィンガーライン42aは、35μm乃至120μmの幅W5を有することができる。また、第1電極42のフィンガーライン42aは、1.2mm乃至2.8mmのピッチPを有することができる。また、フィンガーライン42aと交差する方向において、フィンガーライン42aの個数は、55個乃至130個であってもよい。このような幅W5及びピッチPは、やさしい工程条件で形成可能であるとともに、光電変換によって生成された電流を効果的に収集する一方で、フィンガーライン42aによる光損失(shading loss)を最小化するように限定されたものである。そして、フィンガーライン42aの厚さは5μm乃至50μmであってもよい。このようなフィンガーライン42aの厚さは、工程時に容易に形成可能であり、所望の比抵抗を有し得る範囲である。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、フィンガーライン42aの幅、ピッチ、厚さなどは、工程条件の変化、太陽電池150の大きさ、フィンガーライン42aの構成物質などによって様々に変更してもよい。
【0096】
このとき、配線材142の幅W1は、フィンガーライン42aのピッチPよりも小さく、フィンガーライン42aの幅よりは大きくてもよい。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0097】
また、第1電極42は、少なくとも電極領域EA内でフィンガーライン42aと交差する第2方向に設けられてフィンガーライン42aを連結するバスバーライン42bを含むことができる。そして、本実施例でバスバーライン42bは、第1エッジ領域PA1内に位置して配線材142と重なるように位置する電極部424a,424bをさらに含む。
【0098】
一例として、バスバーライン42bは、電極領域EA内で、第1縁161に隣接した部分から第2縁162に隣接した部分まで連続して設けられてもよい。前述したように、バスバーライン42bは、隣り合う太陽電池150との連結のための配線材142が位置する部分に対応するように位置することができる。このようなバスバーライン42bは、配線材142に一対一で対応するように設けられてもよい。これによって、本実施例において太陽電池150の一面を基準に、バスバーライン42bが配線材142と同じ個数で設けられてもよい。本実施例でいうバスバーライン42bは、配線材142と隣接した部分に位置し、フィンガーライン42aと直交又は傾斜する方向に設けられ、配線材142に連結されたり、接触したり、又は重なる電極部を意味することができる。
【0099】
バスバーライン42bは、電極領域EA内で配線材142が連結される方向に沿って相対的に狭い幅で長く延びるライン部421と、ライン部421よりも広い幅を有し、配線材142との連結面積を増加させるパッド部422と、を含むことができる。狭い幅のライン部421によって、太陽電池150に入射する光を遮断する面積を最小化することができ、広い幅のパッド部422によって、配線材142とバスバーライン42bとの付着力を向上させ、接触抵抗を減らすことができる。パッド部422はライン部421に比べて広い幅を有し、実質的に配線材142が付着される領域である。ライン部421には配線材142が付着されてもよく、ライン部421に配線材142が付着されず、ただ置かれた状態であってもよい。
【0100】
パッド部422は、電極領域EAにおけるライン部421の端部(すなわち、第1電極42と配線部142が連結された部分、又は一端又は他端エッジ領域PA3,PA4の内側端部)に位置する第1パッド部422aと、第1パッド部422a以外の、バスバーライン42bの内部領域に位置する第2パッド部422bと、を含むことができる。上述したように、ライン部421の端部又は第1パッド部422aでは、配線材142に、第1電極42から遠ざかる方向(半導体基板160から遠ざかる方向)に力が与えられうる。このため、当該領域で第1パッド部422aの面積を第2パッド部422aよりも大きくし、配線材142と第1電極42とが強い付着力で付着されるようにしてもよい。このとき、第1パッド部422aの幅を第2パッド部422bの幅よりも大きくしても、配線材142との付着力を向上させるには大きく寄与せず、よって、第1パッド部422aの長さ(配線材142の長さ方向における長さL1)を、第2パッド部422bの長さ(配線材142の長さ方向における長さL2)よりも大きくすればよい。
【0101】
パッド部422の幅(さらに具体的には、第1パッド部422a及び第2パッド部422bのそれぞれの幅)は、ライン部421、縁部423及び電極部424a,424b、並びにフィンガーライン42aのそれよりも大きくてもよい。バスバーライン42bのピッチはフィンガーライン42aのピッチよりも大きくてもよい。
【0102】
本実施例では配線材142に対応するようにバスバーライン42bのライン部421が設けられる例を示した。さらに具体的には、従来は、配線材142に対応して、フィンガーライン42aに比べて非常に大きい幅を有するバスバー電極が設けられたが、本実施例では、バスバー電極に比べて非常に小さい幅を有するバスバーライン42bのライン部421が設けられる。本実施例で、ライン部421は、複数のフィンガーライン42aを連結し、一部のフィンガーライン42aが断線される場合にキャリアが迂回できる経路を提供することができる。
【0103】
本明細書でいうバスバー電極とは、リボンに対応するようにフィンガーラインに交差する方向に設けられ、フィンガーラインの幅の12倍以上(通常、15倍)以上の幅を有する電極部を指す。バスバー電極は相対的に大きい幅を有するので、通常、2個乃至3個の個数が設けられる。そして、本実施例でいうバスバーライン42bのライン部421は、配線材142に対応するようにフィンガーライン42aと交差する方向に設けられ、フィンガーライン42aの幅の10倍以下の幅を有する電極部のことを指すことができる。
【0104】
一例として、ライン部421の幅W4をフィンガーライン42aの幅W5の0.5倍乃至10倍とすることができる。この比率が0.5倍未満であれば、ライン部421の幅が小さくなって、ライン部421による効果を十分に得ることができない。上記比率が10倍を超えると、ライン部421の幅が大きくなって光損失が増加しうる。特に、本実施例では多数の配線材142を具備するので、ライン部421も多数個具備しなければならず、光損失がより一層増加しうる。さらに具体的には、ライン部421の幅W4は、フィンガーライン42aの幅W5の0.5倍乃至7倍であってもよい。このように比率を7倍以下にすることで、光損失をより一層減らすことができる。一例として、光損失を参照すると、ライン部421の幅W4はフィンガーライン42aの幅W5の0.5倍乃至4倍であってもよい。さらに具体的には、ライン部421の幅W4はフィンガーライン42aの幅W5の0.5倍乃至2倍であってもよい。この範囲にすることで、太陽電池150の効率を大きく向上させることができる。
【0105】
又は、ライン部42bの幅W4が配線材142の幅W1と等しいか又は小さくてもよい。配線材142が円形、楕円形又は丸い断面形状を有する場合、配線材142の下部においてライン部42bに接触する幅又は面積が大きくなく、結果としてライン部42bの幅W4を配線材142の幅W1と等しくするか又は小さくすることができるためである。このようにライン部42bの幅W4を相対的に小さくすれば、第1電極42の面積を減らし、第1電極42の材料コストを低減することができる。
【0106】
一例として、配線材142の幅W1:ライン部42bの幅W4の比を1:0.07乃至1:1とすることができる。この比率が1:0.07未満であれば、ライン部42bの幅が小さすぎ、電気的特性などが低下しうる。上記比率が1:1を超えると、ライン部42bとの接触特性などは大きく向上しないのに、第1電極42の面積は増加し、光損失の増加、材料コストの上昇などの問題につながる。一例として、光損失、材料コストなどをさらに考慮すれば、上記比率は、1:0.1乃至1:0.5、さらに具体的には、1:0.1乃至1:0.3であってもよい。
【0107】
又は、ライン部421の幅W4は35μm乃至350μmであってもよい。ライン部421の幅W4が35μm未満であれば、ライン部42bの幅が小さすぎ、電気的特性などが低下しうる。ライン部421の幅W4が350μmを超えると、ライン部42bとの接触特性などは大きく向上しないのに、第1電極42の面積は増加し、光損失の増加、材料コストの上昇などの問題につながる。一例として、光損失、材料コストなどをさらに考慮すれば、ライン部421の幅W4は、35μm乃至200μm、さらに具体的には35μm乃至120μmであってもよい。このとき、電気的特性をさらに考慮すれば、パッド部422とパッド部422とを連結するライン部421の幅W4は、75μm乃至120μmであってもよい。
【0108】
ただし、本発明がこれに限定されるわけではない。したがって、ライン部421の幅W4は、光電変換によって生成された電流を効果的に伝達しながらも光損失を最小化する範囲内で様々な変形が可能である。
【0109】
また、パッド部422の幅W6は、ライン部421の幅W4よりも大きく、配線材142の幅W1と等しいか又は大きくてもよい。パッド部422は、配線材142との接触面積を増やして配線材142との付着力を向上させるための部分であり、ライン部421よりも大きい幅を有し、配線材142と等しいか又は大きい幅を有するわけである。
【0110】
一例として、配線材142の幅W1:パッド部422の幅W6の比率を、1:1乃至1:5とすることができる。この比率が1:1未満であれば、パッド部422の幅W6が十分でなく、パッド部422と配線材142との付着力が不十分となりうる。上記比率が1:5を超えると、パッド部422によって光が損失される面積が増え、光損失が大きくなりうる。付着力、光損失などをさらに考慮すれば、上記比率は1:2乃至1:4(さらに具体的には、1:2.5乃至1:4)であってもよい。
【0111】
又は、一例として、パッド部422の幅W6は0.25mm乃至2.5mmであってもよい。パッド部422の幅W6が0.25mm未満であれば、配線材142との接触面積が十分でなく、パッド部422と配線材142との付着力が不十分となりうる。パッド部422の幅W6が2.5mmを超えると、パッド部422によって光が損失される面積が増え、光損失が大きくなりうる。一例として、パッド部422の幅W6は、0.8mm乃至1.5mmであってもよい。
【0112】
例えば、パッド部422の長さL1、L2は、0.2mm乃至30mmであってもよい。パッド部422の長さL1、L2が0.2mm未満であれば、配線材142との接触面積が十分でなく、パッド部422と配線材142との付着力が不十分となりうる。パッド部422の長さが30mmを超えると、パッド部422によって光が損失される面積が増え、光損失が大きくなりうる。
【0113】
このとき、相対的に大きい力が加えられる第1パッド部422aの長さL1が第2パッド部422bの長さL2よりも大きくてもよい。さらに具体的には、第1パッド部422aの長さL1は0.4mm乃至30mmであってもよく、光損失をさらに考慮すれば、第1パッド部422aの長さL1は0.4mm乃至5mmであってもよい。第2パッド部422bの長さL2は0.02mm乃至1mmであってもよく、さらに具体的には、0.3mm乃至1mmであってもよい。これによって、大きい力が加えられる第1パッド部422aの付着力をさらに向上させることができる他、第2パッド部422bの面積を減らして光損失、材料コストなどを低減することができる。
【0114】
一例として、パッド部422は、0.5mm乃至2.0mmの幅を有することができ、0.2mm乃至5mmの長さを有することができる。このとき、上述したように、第1パッド部422aの面積を第1パッド部422bよりも大きくするために、第1パッド部422aと第2パッド部422bの幅を互いに同一又は類似にし(一例として、10%以内の差を有するようにし)、第1パッド部422aの長さを第2パッド部422bの長さよりも大きくすることができる。これによって、第1パッド部422aは、長さが幅と等しいか又は大きく(一例として、長さが幅よりも大きく)なり、第2パッド部422bは、幅が長さと等しいか又は大きく(一例として、幅が長さよりも大きく)なってもよい。一例として、第1パッド部422aは、幅が1.0mm乃至1.5mmで、長さが3.5mm乃至4.5mmであってもよく、第2パッド部422bは、幅が1.0mm乃至1.5mmで、長さが0.3mm乃至0.5mmであってもよい。このような範囲にすることによって、第1及び第2パッド部422a,422bによる効果を最大化することができる。
【0115】
又は、一例として、フィンガーライン42aの幅W5:パッド部422の長さL1、L2の比率は、1:1.1乃至1:20であってもよい。このような範囲内でパッド部422と配線材142との付着面積を増加させ、パッド部422aと配線材142との付着力を向上させることができる。
【0116】
又は、一例として、配線材142の幅W1:パッド部422の長さL1、L2の比率は、1:1乃至1:10であってもよい。この比率が1:1未満であれば、パッド部422の長さL1、L2が十分でなく、パッド部422と配線材142との付着力が不十分となりうる。上記比率が1:10を超えると、パッド部422によって光が損失される面積が増え、光損失が大きくなりうる。付着力、光損失などをさらに考慮すれば、上記比率は1:3乃至1:6であってもよい。
【0117】
一つのバスバーライン42bにおいてパッド部422を6個乃至24個(一例として、12個乃至22個)配置することができる。複数個のパッド部422は等間隔で配置されてもよい。例えば、パッド部422を2個乃至10個のフィンガーライン42aごとに配置することができる。これによれば、バスバーライン42bと配線材142との接着面積が増加する部分を規則的に具備し、バスバーライン42bと配線材142との付着力を向上させることができる。又は、2つのパッド部422間の距離を別々にして複数個のパッド部422を配置してもよい。特に、他の部分(すなわち、バスバーライン42bの中央部分)に比べて大きな力が作用するバスバーライン42bの端部の部分においてパッド部422を高密度で配置することができる。その他の様々な変形も可能である。
【0118】
再び
図7を参照すると、配線材142の幅W1:パッド部422に隣接した部分でコーティング層142b(配線材142とパッド部422とを付着するために別個の接着層(例えば、ソルダリング層)が位置する場合には、パッド部422との間に位置する接着層)の幅W7の比率は、1:1乃至1:3.33であってもよい。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、上記比率は様々な値を有してもよい。
【0119】
また、パッド部422の幅W6が、パッド部422に隣接した部分におけるコーティング層142bの幅W7と等しいか又は大きくてもよい。一例として、パッド部422に隣接した部分におけるコーティング層142bの幅W7:パッド部422の幅W6の比率は、1:1乃至1:4.5であってもよい。この比率が1:1未満であれば、配線材142とパッド部422との接着特性が不十分となりうる。上記比率が1:4.5を超えると、パッド部422の面積が大きくなり、光損失の増加及び製造コストの上昇につながりうる。
【0120】
ただし、本発明がこれに限定されるわけではない。パッド部422の幅W6及び長さL1、L2が配線材142との接触面積を増加させて配線材142との付着力を向上できる範囲内で様々な値を有してもよい。また、パッド部422を別に備えなくてもよい。
【0121】
再び
図9を参照すると、第1電極42は、電極領域EAと第1エッジ領域PA1とを区画する縁部423をさらに含むことができる。縁部423は、ライン部421の端部(又はパッド部422)から延長されて、一端エッジ領域PA3に隣接した複数のフィンガーライン42aの端部を経て最外郭フィンガーライン421a,422aの端部に到達することができる。縁部423は、一端エッジ領域PA3に隣接したフィンガーライン42aの端部を連結することができる。縁部423を具備すると、一端エッジ領域PA3に隣接したフィンガーライン42aの一部に断線などが発生しても、キャリアの流れる経路を提供することができる。また、一端エッジ領域PA3内に位置している電極部424a,424bを縁部423を介してフィンガーライン42aに連結することができる。こうすると、電極領域EAにおいて一端エッジ領域PA3に隣接した部分に位置しているフィンガーライン42aによって収集された電流が縁部423を経由して電極部424a,424bから配線材142に伝達される。これによって、一端エッジ領域PA3に隣接した電極領域EAで生成された電流を効果的に電極部424a,424bに伝達することができる。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1エッジ領域PA1内の電極部424a,424bが縁部423を介さずに直接フィンガーライン42aに連結されてもよい。その他の様々な変形も可能である。
【0122】
縁部423は、太陽電池150の第1又は第2縁161,162側に向かって第1エッジ領域PA1の幅が次第に広くなるように、フィンガーライン42a及びバスバーライン42bに傾斜するように配置されてもよい。一例として、第1エッジ領域PA1が略三角形の形状を有することができ、第1エッジ領域PA1を区画する2つの縁部423が略”V字”の形状を有することができる。これによって、第1エッジ領域PA1に隣接した2つの電極領域EAにおいてフィンガーライン42aの外側端部が次第に遠ざかるように配置されてもよい。また、第1エッジ領域PA1は、2つの電極領域Eの間において太陽電池150の第1又は第2縁161,162に近づくほど幅が広くなる形状を有することができる。これによって、第1エッジ領域PA1に隣接した電極領域EAの端部の幅が他の部分に比べて小さくなる。一例として、第1エッジ領域PA1は二等辺三角形の形状を有することができ、それぞれの電極領域EAは略八角形の形状を有することができる。
【0123】
これによって、配線材142が縁部423に付着しながらも、第1エッジ領域PA1内に安定して位置することができる。本実施例で、他の太陽電池150に連結されない配線材142の端部が、ライン部421の端部を通って第1エッジ領域PA1の内部まで延長されて第1エッジ領域PA1又は一端エッジ領域PA3の内部に位置している。これによって、配線材142をライン部421の端部に安定して固定でき、第1パッド部422aによる十分な付着力で第1電極42に固定することができる。これに対し、配線材142の端部がライン部421の端部に位置したり、又はライン部421の端部に到達しないと、配線材142の端部がライン部421の端部に位置している第1パッド部422aに安定して付着されない虞がある。又は、配線材142の端部が第2エッジ領域PA2まで延長されると、不要なショートなどの問題が発生しうる。
【0124】
一例として、第1エッジ領域PA1において、第1エッジ領域PA1内に位置した配線材142の長さが配線材142が位置しない部分の長さよりも大きくてもよい。すなわち、第1エッジ領域PA1の長さL3:第1エッジ領域PA1内に位置する配線材142の長さL4の比率が1:0.5乃至1:1であってもよい。これによって、配線材142を第1パッド部422aに安定して付着することができる。さらに具体的には、第1エッジ領域PA1の長さL3:第1エッジ領域PA1内に位置する配線材142の長さL4の比率は1:0.6乃至1:0.9であってもよい。この範囲にすることで、配線材142を第1パッド部422aに安定して付着することができ、第2エッジ領域PA2まで延長されることを防止することができる。ただし、本発明がこれに限定されるわけではない。
【0125】
また、配線材42の他の端部は、第1エッジ領域PA1(又は他端エッジ領域PA4)を通って半導体基板160の外部まで延長されてもよい。すなわち、配線材42は、一端エッジ領域PA3からこれに隣接した第1パッド部422aを通って他端エッジ領域PA4に隣接した第1パッド部422aまで延長され、続いて第1パッド部422aと他端エッジ領域PA4を通って半導体基板160の外部まで延長される。
【0126】
このとき、配線材142はパッド部422に構造的に結合又は付着された状態で位置する。また、配線材142は、ライン部421及び/又は一端及び他端エッジ領域PA3,PA4内の電極部424a,424bには構造的に結合又は付着されてもよく、構造的に結合又は付着されない状態で位置してもよい。配線材142がライン部421及び/又は一端及び他端エッジ領域PA3,PA4内の電極部424a,424bに構造的に結合又は付着されなくても、ライン部421及び/又は電極部424a,424bと重なってコンタクトすることによってそれらに連結(例えば、電気的連結)され得る。これは、配線材142においてソルダー物質を含むコーティング層142bは、相対的に広い幅を有するパッド部422にはよく付着されるが、相対的に狭い幅を有するバスバーライン42bのライン部421及び/又は電極部424a,424bには付着されないこともあるためである。
【0127】
このため、一端エッジ領域PA3及び他端エッジ領域PA4におけるバスバーライン42bと配線材142との結合力が、一端エッジ領域PA3及び他端エッジ領域PA4以外の領域におけるバスバーライン42bと配線材142との結合力よりも小さくてもよい。特に、一端エッジ領域PA3及び他端エッジ領域PA4における、バスバーライン42bの電極部424a,424bと配線材142との結合力が、パッド部422(特に、第1パッド部422a)と配線材142との結合力よりも小さくてもよい。これによって、パッド部422によって十分の結合力を実現することができ、一端エッジ領域PA3及び他端エッジ領域PA4では小さい電極面積によって円滑な電気的連結を実現することができる。
【0128】
最外郭フィンガーライン421a,422aの間に位置した第1エッジ領域PA1の幅(又は一端又は他端エッジ領域PA3,PA4の幅)W8は、配線材142の幅W1よりも大きくてもよい。これによって、配線材142が安定して第1エッジ領域PA1内に位置することができる。特に、配線材142の付着工程中に配線材142が第1エッジ領域PA1で左右に曲がる場合などにも配線材142を第1エッジ領域PA1内に位置させることができる。
【0129】
上記第1エッジ領域PA1の幅W8は、0.73mm乃至3.8mmであってもよい。一例として、第1エッジ領域PA1の幅W8は0.73mm乃至2mmであってもよい。又は、配線材142の幅W1:第1エッジ領域PA1の幅W8の比率は、1:1.46乃至1:15.2(一例として、1:1.46乃至1:5)であってもよい。このような範囲において安定して配線材142が第1エッジ領域PA1内に位置することができる。
【0130】
又は、第1エッジ領域PA1の幅W8をL、エッジ距離DをDとするとき、LとDは次の式1を満たすことができる。ここで、エッジ距離Dとは、最外郭フィンガーライン421a,422aよりも内側に位置する第1エッジ領域PA1の内側端部(又は、この部分に位置したパッド部422)と太陽電池150の縁(さらに詳細には、第1又は第2縁161,162)との間の距離を意味する。
【0132】
これは、エッジ距離Dが大きくなるほど配線材142が曲がるなどの現象が多く発生し、エッジ距離Dが大きくなるほど第1エッジ領域PA1の幅W8を十分に確保しなければならないためである。ただし、本発明がこれに限定されるわけではない。
【0133】
縁部423の幅はライン部421の幅よりも小さい。一例として、ライン部421の幅が縁部423の幅の2倍以上の値を有することができる。すると、ライン部421から2つに分岐される部分において2つの縁部423の幅の和がライン部421の幅と等しいか又は小さくなる。これによって、縁部423の幅を最小化し、ライン部421と2つの縁部423とが連結される部分においてバスバーライン42bの幅が広くなることを防止することができる。一例として、ライン部421の幅W4は、縁部423の幅の2倍乃至10倍であってもよい。又は、一例として、縁部423の線幅は、35μm乃至120μmであってもよい。
【0134】
又は、縁部423の幅がフィンガーライン42aの幅よりも小さいか、又はフィンガーライン42aの幅と類似又は同一であってもよい。一例として、縁部423の幅がフィンガーライン42aの幅の2倍以下(一例として、0.5倍乃至2倍)であってもよい。これによって、縁部423による効果を実現しながら、縁部423による光損失の増加などの問題を防止することができる。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、縁部423の幅は、フィンガーライン42aを連結して電流が流れ得るような範囲の幅を有すれば足りる。
【0135】
そして、本実施例でバスバーライン42bは、一端エッジ領域PA3及び他端エッジ領域PA4にそれぞれ位置する電極部424a,424bを含むことができる。一端エッジ領域PA3及び他端エッジ領域PA4内に位置する電極部424a,424bには、配線材142が重なって接触したり、配線材142が電気的に連結される。これによって電極部424a,424bは配線材142に電流が流れ得る経路となるため、電極部424a,424bはバスバーライン424bの一部を構成するといえる。
【0136】
本実施例では、一端エッジ領域PA3及び他端エッジ領域PA4に位置した電極部424a,424bを介して、一端エッジ領域PA3及び他端エッジ領域PA4に隣接した電極領域EAの部分で生成された電流を配線材142に伝達することができる。これによって、一端エッジ領域PA3及び他端エッジ領域PA4に隣接した部分に位置している電極領域EAの部分(すなわち、フィンガーライン42aと平行な方向で並んで設けられた2つの一端エッジ領域PA3の間に位置している電極領域EAの部分及び/又はフィンガーライン42aと平行な方向で並んで設けられた2つの他端エッジ領域PA3の間に位置している電極領域EAの部分)で生成された電流を、電極部424a,424bによって配線材142に効果的に伝達することができる。これによって、配線材142の接着力又は結合力を向上させるために第1エッジ領域PA1(又は、一端エッジ領域PA3、他端エッジ領域PA4)を具備した場合にも、これによって発生しうる効率低下などを防止することができる。したがって、太陽電池150の効率を向上させ、太陽電池パネル100の出力を向上させることができる。
【0137】
本実施例と違い、一端エッジ領域PA3及び他端エッジ領域PA4に電極部424a,424bを具備しない場合には、一端エッジ領域PA3及び他端エッジ領域PA4に隣接した電極領域EAの部分で生成された電流が第1パッド部422aに集まった後に配線材142に伝達される。このため、一端エッジ領域PA3及び他端エッジ領域PA4に隣接した電極領域EAの部分で生成された電流を効果的に集めることが難しい。
【0138】
このとき、本実施例において電極部424a,424bは、フィンガーライン42a、バスバーライン42b又は配線材142に連結され得る形状を有すれば足りる。これによって、電極部424a,424bは、電極領域EAのフィンガーライン42aよりも少ない密度で一端エッジ領域PA3及び他端エッジ領域PA4に位置するようになる。
【0139】
さらに具体的には、一端エッジ領域PA3と他端エッジ領域PA4は、半導体基板160の中心線(すなわち、フィンガーライン42aと平行な中心線)を基準に対称に形成されてもよい。このように、本実施例では半導体基板160の両側縁(すなわち、第1及び第2縁161,162)にそれぞれ一端エッジ領域PA3及び他端エッジ領域PA4を具備し、半導体基板160の両側縁の部分で発生しうる配線材142との付着力低下を効果的に防止することができる。
【0140】
本実施例では、一端エッジ領域PA3に位置している電極部424aが内部に開口部を有し、電極部424aの最外側端部がこれに隣接した最外郭フィンガーライン421aと同一線上まで位置したり、又はこれよりも外側に(すなわち、半導体基板160の第1縁161にさらに近づいて)位置してもよい。これと同様に、他端エッジ領域PAに位置している電極部424bが内部に開口部を有し、電極部424bの最外側端部がこれに隣接した最外郭フィンガーライン422aと同一線上まで位置したり、これよりも外側に(すなわち、半導体基板160の第2縁162にさらに近づいて)位置してもよい。これによって、電極部424a,424bを配線材142と安定して連結することができる。これによって、一端及び他端エッジ領域PA3,PA4に隣接した電極領域EAの部分で生成された電流をより安定的に配線材142に伝達することができる。
【0141】
このように一端エッジ領域PA3及び他端エッジ領域PA4に位置している電極部424a,424bがそれぞれ開口部(電極が形成されていない部分)を有するため、電極領域EAに位置している電極部分に比べて低い密度の電極部424a,424bが形成されながらもフィンガーライン42aとの連結は円滑になされるようにすることができる。そして、電極部424a,424bの最外側端部(すなわち、第2電極部4242の外側端部、第2電極部4243の外側端部)が最外郭フィンガーライン42aと同一線上になるか、又はこれよりも外側に位置するので、外側に隣接したフィンガーライン42a側で収集された電流が残留せず、配線材142に効果的に伝達されるようにすることができる。
【0142】
また、本実施例では、一端エッジ領域PA3による電極部424aと他端エッジ領域PA4に位置した電極部424bとを異なる形状(すなわち、非対称の形状)にしている。このため、一端エッジ領域PA3に位置した電極部424aの開口部と他端エッジ領域PA4に位置した電極部424bの開口部も互いに異なる形状又は配置を有することができる。上述したように、一端エッジ領域PA3には配線材142の端部が位置し、他端エッジ領域PA4では配線材142が半導体基板160の外部まで延長される。このため、一端エッジ領域PA3に位置する配線材142の長さと、他端エッジ領域PA4に位置する配線材142の長さが互いに異なる。さらに具体的には、一端エッジ領域PAに位置する配線材142の長さよりも他端エッジ領域PA4に位置する配線材142の長さが大きい。これを考慮して一端エッジ領域PA3による電極部424aと他端エッジ領域PA4に位置した電極部424bを別個の形状にしたわけである。
【0143】
さらに具体的には、一端エッジ領域PA3で電極部424aが、最外郭フィンガーライン421aよりも内側に位置する第1電極部4241、及び第1電極部4241から第1電極部4241と交差する方向に最外郭フィンガーライン421aと同一線上又はこれよりも外側まで延長される第2電極部4242を含むことができる。
【0144】
このとき、第1電極部4241がフィンガーライン42aと平行であるか、バスバーライン42bのライン部421と交差(一例として、直交)しながら、一端エッジ領域PA3の両側に位置する電極領域EAの部分内に位置したフィンガーライン42aに連結(直接連結又は縁部423を介して連結)されてもよい。これによって、第1電極部4241は、一端エッジ領域PA3の両側に位置する電極領域EAの部分内に位置しているフィンガーライン42aに連結され、当該電極領域EAの部分で生成された電流が第1電極部4241に伝達され得る。これによって、第1電極部4241、内側端部に位置した第1パッド部422a、縁部423の間に開口部が設けられる。
【0145】
また、第2電極部4242はフィンガーライン42aと交差(一例として、直交)したり、又はバスバーライン42bのライン部421と平行に設けられてもよい。第2電極部4242は、バスバーライン42bの第1パッド部422aとは離隔された位置である第1電極部4241から延長されるため、第1パッド部422aによって配線材142との結合力を高めることに不要な干渉を起こすことを防止することができ、電極面積を減らして材料コストを低減することができる。また、第2電極部4242は、第1電極部4241の中央を通るように位置し、配線材142との連結面積又は確率を大きく増加させることができる。これによって、第1電極部4241を介して伝達された電流を配線材142に安定的に伝達することができる。
【0146】
これによって、第1電極部4241の一側(図面の左側)、第1電極部4241の一側に隣接した第2電極部4242、及び第1縁161の間に一種の開口部が形成される。また、第1電極部4241の他側、第1電極部4241の他側に隣接した第2電極部4242、及び第1縁161の間にも一種の開口部が形成される。
【0147】
このとき、一例として、第1エッジ領域PA1内で、ライン部421に平行な方向で第1電極部4241の位置が、第1エッジ領域PA1の内側端部よりも最外郭フィンガーライン42bに近づいて位置してもよい。すなわち、ライン部421に平行な方向において、第1エッジ領域PA1の長さL3:第1電極部4241と第1パッド部422aとの間の距離は、1:0.5乃至1:1であってもよい。さらに具体的には、第1エッジ領域PA1の長さL3:第1電極部4241と第1パッド部422との間の距離は、1:0.6乃至1:0.9であってもよい。この場合、配線材142が第1電極部4241を横切って第2電極部4242上に位置すると、配線材142が安定的に第1パッド部422aを通るように付着され得る。また、配線材142が第2エッジ領域PA2まで延びて位置することを防止することができる。ただし、本発明がこれに限定されるわけではない。
【0148】
他端エッジ領域PA4では電極部424bが、最外郭フィンガーライン422aと同一線上又はこれよりも外側に位置する第3電極部4243を含むことができる。これによって、配線材142が第3電極部4243を横切って半導体基板160の外部まで延長され得る。このとき、第3電極部4243がフィンガーライン42aと平行であるか、バスバーライン42bのライン部421と交差(一例として、直交)する方向に設けられ、他端エッジ領域PA4の両側に位置する電極領域EAの部分内に位置しているフィンガーライン42aに連結(直接連結又は縁部423を介して連結)されてもよい。
【0149】
このように、第3電極部4243が、他端エッジ領域PA4の両側に位置する電極領域EAの部分内に位置しているフィンガーライン42aに連結される。これによって、当該電極領域EAの部分で生成された電流が第3電極部4243を介して第1電極部4241に安定的に伝達されるようにすることができる。他端エッジ領域PA4では、配線材142が半導体基板160の外部まで延長されるため、第3電極部4243だけを具備してもフィンガーライン42aと安定的に連結され得る。これを考慮して、他端エッジ領域PA4では電極部424bの構造を単純化して製造コストを低減し、製造工程を単純化することができる。これによって、第3電極部4243、内側端部に位置した第1パッド部422a、縁部423の間に開口部が設けられる。このとき、第3電極部4243とこれに隣接した第1パッド部422aとの間の距離が、第1電極部4241とこれに隣接した第1パッド部422aとの間の距離よりも大きい。これによって、他端エッジ領域PA4に位置し、第1パッド部422aと第3電極部4243との間に形成された開口部の面積は、一端エッジ領域PA3に位置し、第1パッド部422aと第1電極部4241との間に形成された開口部の面積よりも大きくてもよい。
【0150】
図面では電極部424a,424bが最外郭フィンガーライン421a,422aと同一線上に位置したり、又は同一線上まで延長されることを例示した。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、
図13乃至
図15に示すように、電極部424a,424bが最外郭フィンガーライン421a,422aよりも突出するように延長されてもよい。その詳細については後述する。
【0151】
このように本実施例では、一端エッジ領域PA3では、ライン部421と平行な方向の第2電極部4242が最外郭フィンガーライン421aと同一線上又はこれよりも外側に位置し、他端エッジ領域PA4では、ライン部421と交差する方向の第3電極部4243が最外郭フィンガーライン422aと同一線上に位置したり、又はこれよりも外側に位置することを例示している。これは、一端エッジ領域PA3内に配線材142の端部が位置し、他端エッジ領域PA4を横切って配線材142が外部まで延長されることを考慮したものである。これによれば、配線材142の配置が変更されても配線材142と電極部424a,424bとを安定的に連結することができる。
【0152】
エッジ領域PA内に位置した電極部424a,424bの幅は、フィンガーライン42aの幅よりも大きいか、又はフィンガーライン42aと類似又は同一であり、フィンガーライン42aのピッチよりも小さくてもよい。一例として、電極部424a,424bの幅がフィンガーライン42aの幅の2倍以下(一例として、0.5倍乃至2倍)であってもよい。又は、配線材142の幅が電極部424a,424bの幅よりも大きくてもよい。又は、電極部424a,424bの幅と他の電極部分、配線材142の幅、ピッチなどとの距離比率などは、フィンガーライン42aと他の電極部分、配線材142の幅、ピッチなどとの距離比率をそのまま適用することができる。これによって、電極部424a,424bによる効果を実現しながら、電極部424a,424bによる光損失の増加などの問題を防止することができる。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、電極部424a,424bは電流が円滑に流れ得る範囲の幅を有すれば足りる。
【0153】
本実施例でバスバーライン42bの厚さは3μm乃至45μmであってもよい。このようなバスバーライン42bの厚さは、工程時に容易に形成でき、所望の比抵抗を有し得る範囲であってもよい。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、バスバーライン42bの厚さなどは、工程条件の変化、太陽電池150の大きさ、バスバーライン42bの構成物質などによって様々に変更されてもよい。
【0154】
本実施例でフィンガーライン42aとバスバーライン42bは別個の層で構成されてもよい。すなわち、フィンガーライン42aは、バスバーライン42bを構成するライン部421、パッド部422及び電極部424a,424bと異なる層で構成されてもよい。縁部423は、フィンガーライン42aの一部を構成してフィンガーライン42aと同じ層で構成されてもよく、バスバーライン42bの一部を構成してバスバーライン42bと同じ層で構成されてもよい。例えば、
図9の上部の拡大円で示すように、バスバーライン42bをまず形成した後、フィンガーライン42aをバスバーライン42bの少なくとも一部上に乗せられるように形成することができる。本実施例で、バスバーライン42bを基準にして、一側(例えば、図面の左側)に位置したフィンガーライン42aと他側(例えば、図面の右側)に位置したフィンガーライン42aとが離れて位置する。このようにバスバーライン42b上でフィンガーライン42aが形成されない部分があると、フィンガーライン42aの製造コストを最小化することができる。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、フィンガーライン42aがバスバーライン42bの全体を横切って位置することも可能である。
【0155】
フィンガーライン42aとバスバーライン42bは互いに同じ物質で構成されてもよく、異なる物質で構成されてもよい。一例として、フィンガーライン42aとバスバーライン42bが印刷にて形成される場合には、バスバーライン42bを形成するためのペーストが相対的に低い粘度を有し、フィンガーライン42aを形成するためのペーストが相対的に高い粘度を有することができる。このため、焼成後に、バスバーライン42bの厚さよりもフィンガーライン42aの厚さが高くてもよい。したがって、上述したように、バスバーライン42bをまず形成した後、フィンガーライン42aを形成すると、より安定して形成することができる。
【0156】
一例として、フィンガーライン42aを形成するためのペーストの金属(例えば、銀)の含量が、バスバーライン42bを形成するためのペーストの金属(例えば、銀)の含量よりも大きくてもよい。これによって、キャリア収集に直接関連するフィンガーライン42aの抵抗を減らし、キャリア収集効率を向上させることができ、バスバーライン42bの金属の含量を減らして製造コストを低減することができる。
【0157】
このとき、第1電極42のフィンガーライン42aがパッシベーション膜22及び反射防止膜24を貫通して形成され、バスバーライン42bがパッシベーション膜22及び反射防止膜24上に形成されてもよい。この場合には、開口部(
図3の参照符号102)が、バスバーライン42bが位置しない部分でフィンガーライン42aに対応する形状で形成され、バスバーライン42bが位置した部分には形成されなくてもよい。このとき、第1導電型領域20は、開口部102が形成された部分に対応する形状を有することができる。すなわち、第1導電型領域20が電極領域EA内でフィンガーライン42aに対応する形状を有するように形成され、バスバーライン42bに対応する部分には形成されなくてもよい。この場合、バスバーライン42bを構成するライン部421、パッド部422及び電極部424a,424b(縁部423がバスバーライン42bの一部を構成する場合には、縁部423も含む。)がパッシベーション膜22及び反射防止膜24上に形成され、これに対応する部分には第1導電型領域20が形成されなくてもよい。すると、バスバーライン42bを構成するライン部421、パッド部422(縁部423がバスバーライン42bの一部を構成した場合には、縁部423も含む。)がフローティング(floating)電極を構成することができる。
【0158】
しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、フィンガーライン42aをまず形成した後にバスバーライン42bを形成することも可能である。又は、
図9の下部の拡大円で示すように、フィンガーライン42aとバスバーライン42bが一つの工程によって共に形成され、同一の物質からなる同一層として構成されてもよい。その他の様々な変形も可能である。
【0159】
また、第1電極42は、フィンガーライン42aの端部に連結されて、第3及び第4縁163,164に隣接した部分で電極領域EAと第2エッジ領域PA2とを区画する縁ライン42cを含むことができる。縁ライン42cは、第3及び第4縁163,164に隣接した部分で第3及び第4縁163,164から均一な間隔で離隔され、第3及び第4縁163,164と同一又は類似の形状を有することができる。このとき、縁ライン42cは、第3及び第4縁163,164に隣接したフィンガーライン42aの端部同士を連結する。
【0160】
第3及び第4縁163,164と縁ライン42cとの間、そして第1及び第2縁161,162と最外郭フィンガーライン42aとの間にそれぞれ、均一な幅を有し、額縁状に形成される第2エッジ領域PA2が位置してもよい。第2エッジ領域PA2の幅W9は、0.5mm乃至1.5mmであってもよい。第2エッジ領域PA2の幅W9が0.5mm未満であれば、不要なシャントなどの問題が発生しうる。第2エッジ領域PA2の幅が1.5mを超えると、非有効領域の面積が増加して太陽電池150の効率が低下しうる。ただし、本発明がこれに限定されるわけではない。
縁ライン42cの幅はフィンガーライン42aの幅と類似又は同一であってもよい。フィンガーライン42aの幅、厚さ、他の電極部分及び配線材142との関係などは、縁ライン42cにもそのまま適用することができる。縁ライン42cは、例えば、フィンガーライン42aの一部を構成してもよい。
【0161】
本実施例で、配線材142の幅W1をW、エッジ距離DをDとすれば、上記W及び上記Dは次の式2を満たすことができる。
【0163】
前述したように、配線材142が位置する第1電極42の第1パッド部422aでは太陽電池150と遠ざかる方向に配線材142に力が加えられ、配線材142と第1電極42間の付着力が低下しうる。すなわち、
図10に示すように、配線材142の幅W1が大きくなると、太陽電池150又は半導体基板160が曲がる程度が増加する。参考として、
図10で、300wireは、配線材142の幅W1が300μmである場合を、330wireは、配線材142の幅W1が330μmである場合を、400wireは、配線材142の幅W1が400μmである場合を表す。このように配線材142の幅W1が大きくなると、第1電極42の第1パッド部422aにおいて配線材142に太陽電池150と遠ざかる方向にさらに大きい力が作用し、これによって第1電極42との付着力が減少しうる。このような付着力の低下を防止するために、本実施例ではエッジ距離Dを十分に確保し、第1電極42に加えられる応力を最小化する。
【0164】
すなわち、本発明者等は、配線材142の幅W1が増加するに伴ってエッジ距離Dも増加する場合にのみ、配線材142と第1電極42との付着力が十分な値を有することを見出し、配線材142の幅W1によるエッジ距離Dの範囲を式2のように提示した。ここで、前述したように、配線材142は第1パッド部422aと十分の面積及び十分の結合力で連結されるため、第1パッド部422aと半導体基板160の縁との間の距離をエッジ距離Dとしたわけである。
【0165】
さらにいうと、本発明者等は、配線材142の幅W1とエッジ距離Dを変化させながら第1電極42の第1パッド部422aで配線材142との付着力を測定した。このとき、付着力が一定以上の値(例えば、1.5N以上(より好ましくは、2N以上)の値)を有する場合を見つけてそれを
図11にx表示で表した。そして、
図11に示すように、x表示が位置した部分を含み得るように、配線材142の幅W1によるエッジ距離Dの範囲が含まれる部分を見つけ、エッジ距離の下限線及び上限線に対する上述の式2を導出した。
【0166】
これによって、配線材142の幅W1が一定の値を有するとき、エッジ距離Dが上述の式2の範囲内に属すると、ワイヤー形態を有する配線材142が第1電極42の端部に安定して付着された状態を維持することができる。したがって、本実施例によれば、ワイヤー形態を有する配線材142を使用してそれによる様々な効果を実現する一方で、エッジ距離Dを調節して配線材142との付着力を向上させることができる。
【0167】
このとき、配線材142の幅W1が250μm乃至500μmであるため、エッジ距離Dは2.37mm乃至21.94mmの値を有することができる。さらに具体的には、配線材142の幅W1が250μm以上、300μm未満であるとき、エッジ距離Dが2.37mm乃至9.78mmを有することができる。配線材142の幅W1が300μm以上、350μm未満であるとき、エッジ距離Dが3.99mm乃至12.94mmであってもよい。配線材142の幅W1が350μm以上、400μm未満であるとき、エッジ距離Dが5.06mm乃至15.98mmであってもよい。配線材142の幅W1が400μm以上、450μm未満であるとき、エッジ距離Dが5.69mm乃至18.96mmであってもよい。配線材142の幅W1が450μm乃至500μmであるとき、エッジ距離Dが5.94mm乃至21.94mmであってもよい。このような範囲で上述の式2を満たし、優れた付着力を有することができる。
【0168】
一例として、配線材142の幅W1が250μm以上、300μm未満であるとき、エッジ距離Dが4mm乃至9.78mmであってもよい。配線材142の幅W1が300μm以上、350μm未満であるとき、エッジ距離Dが6mm乃至12.94mmであってもよい。配線材142の幅W1が350μm以上、400μm未満であるとき、エッジ距離Dが9mm乃至15.98mmであってもよい。配線材142の幅W1が400μm以上、450μm未満であるとき、エッジ距離Dが10mm乃至18.96mmであってもよい。配線材142の幅W1が450μm乃至500μmであるとき、エッジ距離Dが12mm乃至21.94mmであってもよい。このような範囲でより一層安定的に十分の付着力を有することができる。特に、本実施例では、配線材142の幅W1が350μm以上、400μm未満であるとき、エッジ距離Dが9mm乃至15.98mmであってもよい。この場合、太陽電池パネル100の出力を最大化することができる。ただし、本発明がこれに限定されるわけではない。
【0169】
このとき、本実施例で配線材142が位置するバスバーライン42bの端部にそれぞれ第1パッド部422aが位置するので、第1パッド部422aと太陽電池150の第1又は第2縁161,162との間のエッジ距離Dが上述の式2及び範囲を満たすことができる。
【0170】
本発明者は、太陽電池150の一面に位置する配線材142の個数(又はバスバーライン42bの個数)が配線材142の幅W1と一定の関係を有することも見出した。
図12は、配線材142の幅W1と個数を変化させながら測定した太陽電池パネル100の出力を示すグラフである。250μm乃至500μmの幅W1を有する配線材142が6個乃至33個設けられると、太陽電池パネル100の出力が優れた値を有することが分かる。このとき、配線材142の幅W1が増加すると、必要な配線材142の個数を減らしてもよいことが分かる。
【0171】
例えば、配線材142の幅W1が250μm以上、300μm未満であるとき、配線材142の個数(太陽電池150の一面を基準にした配線材142の個数)が15個乃至33個であってもよい。配線材142の幅W1が300μm以上、350μm未満であるとき、配線材142の個数が10個乃至33個であってもよい。配線材142の幅W1が350μm以上、400μm未満であるとき、配線材142の個数が8個乃至33個であってもよい。配線材142の幅W1が400μm乃至500μmであるとき、配線材142の個数が6個乃至33個であってもよい。そして、配線材142の幅W1が350μm以上であれば、配線材142の個数が15個を超えても太陽電池パネル100の出力はそれ以上増加し難い。また、配線材142の個数が多くなるほど太陽電池150には負担となりうる。これを考慮して、配線材142の幅W1が350μm以上、400μm未満であるとき、配線材142の個数は8個乃至15個とすることができる。配線材142の幅W1が400μm乃至500μmであるとき、配線材142の個数が6個乃至15個であってもよい。このとき、太陽電池パネル100の出力をさらに向上させるために、配線材142の個数を10個以上(一例として、12個乃至13個)にしてもよい。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、配線材142の個数及びこれによるバスバーライン42bの個数は様々な値を有してもよい。
【0172】
このとき、配線材142のピッチ又はバスバーライン42bのピッチを4.75mm乃至26.13mmにすることができる。これは、配線材142の幅W1及び個数を考慮したものである。例えば、配線材142の幅W1が250μm以上、300μm未満であるとき、配線材142のピッチが4.75mm乃至10.45mmであってもよい。配線材142の幅W1が300μm以上、350μm未満であるとき、配線材142のピッチが4.75mm乃至15.68mmであってもよい。配線材142の幅W1が350μm以上、400μm未満であるとき、配線材142のピッチが4.75mm乃至19.59mmであってもよい。配線材142の幅W1が400μm乃至500μmであるとき、配線材142のピッチが4.75mm乃至26.13mmであってもよい。さらに具体的には、配線材142の幅W1が350μm以上、400μm未満であるとき、配線材142のピッチが10.45mm乃至19.59mmであってもよい。配線材142の幅W1が400μm乃至500μmであるとき、配線材142の個数が10.45mm乃至26.13mmであってもよい。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、配線材142のピッチ及びこれによるバスバーライン42bのピッチは様々な値を有してもよい。
【0173】
本実施例では、第1電極42、配線材142、電極領域EA、エッジ領域PAなどが左右方向(フィンガーライン42aと平行な方向)及び上下方向(バスバーライン42b又は配線材142と平行な方向)で互いに対称に位置してもよい。これによって、電流の流れを安定して実現することができる。ただし、本発明がこれに限定されるわけではない。
【0174】
以上では
図9乃至
図12を参照して第1電極42を中心に説明した。第2電極44は、第1電極42のフィンガーライン42a、バスバーライン42b、縁ライン42cにそれぞれ対応するフィンガーライン、バスバーライン、縁ラインを含むことができる。第1電極42のフィンガーライン42a、バスバーライン42b、縁ライン42cに関する内容はそのまま第2電極44のフィンガーライン、バスバーライン、縁ラインにも適用することができる。このとき、第1電極42に関連する第1導電型領域20に関する説明は、第2電極44に関連する第2導電型領域30に関する説明であってもよい。そして、第1電極42に関連する第1パッシベーション膜22及び反射防止膜24、及び開口部102に関する説明は、第2電極44に関連する第2パッシベーション膜30、及び開口部104に関する説明であってもよい。
【0175】
このとき、第1電極42のフィンガーライン42a、バスバーライン42bのライン部421及びパッド部442の幅、ピッチ、個数などはそれぞれ、第2電極44のフィンガーライン44a、バスバーライン44bのライン部及びパッド部の幅、ピッチ、個数などと同一であってもよい。又は、第1電極42のフィンガーライン42a、バスバーライン42bのライン部421及びパッド部442の幅、ピッチ、個数などはそれぞれ、第2電極44のフィンガーライン44a、バスバーライン44bのライン部及びパッド部の幅、ピッチ、個数などと異なってよい。一例として、相対的に光の入射が少ない第2電極44の電極部分の幅が、これに対応する第1電極42の電極部分の幅よりも大きくてもよく、第2電極44のピッチが、これに対応する第1電極42の電極部分のピッチよりも小さくてもよい。その他の様々な変形も可能である。ただし、第1電極42のバスバーライン42bの個数及びピッチはそれぞれ、第2電極44のバスバーラインの個数及びピッチと同一であればよい。また、第1電極42と第2電極44の平面形状が互いに異なってもよく、その他の様々な変形も可能である。一例として、半導体基板10の背面に位置するパッド部422の長さが、半導体基板10の前面に位置するパッド部422の長さよりも大きくてもよい。これは、半導体基板10の前面では光損失の負担から長さを大きくし難いが、背面では光損失の負担が相対的に少ないためである。
【0176】
本実施例によれば、ワイヤー形態の配線材142を使用し、乱反射などによって光損失を最小化することができ、配線材142のピッチを減らし、キャリアの移動経路を減少させることができる。これによって、太陽電池150の効率及び太陽電池パネル100の出力を向上させることができる。このとき、配線材142の幅によって第1パッド部422aのエッジ距離Dを限定し、ワイヤー形態を有する配線材142と第1電極42との付着力を向上させることができる。これによって、配線材142が第1電極42から分離される際に発生しうる太陽電池150の損傷などを防止し、太陽電池150は優れた電気的特性及び優れた信頼性を有することができる。また、配線材142の幅W1によって配線材142の個数を限定し、太陽電池パネル100の出力を最大化することができる。
【0177】
本実施例では、一端エッジ領域PA3及び他端エッジ領域PA4において電極部424a,424bが最外郭フィンガーライン421a,422aと同一線上又はこれよりも外側に位置し、配線材142との連結構造を安定して形成することができる。一端エッジ領域PA3及び他端エッジ領域PA4に位置している電極部424a,424bを介して、一端エッジ領域PA3及び他端エッジ領域PA4に隣接した電極領域EAの部分で生成された電流を、配線材142に効果的に伝達することができる。これによって、一端エッジ領域PA3及び他端エッジ領域PA4に隣接した部分に位置している電極領域EAの部分で生成された電流が電極部424a,424bによって配線材142に効果的に伝達される。したがって、配線材142の接着力又は結合力を向上させるために第1エッジ領域PA1(又は、一端エッジ領域PA3及び他端エッジ領域PA4)を具備した場合にも、これによって発生しうる効率の低下などを防止することができる。これによって、太陽電池150の効率を向上させ、太陽電池パネル100の出力を向上させることができる。
また、一端エッジ領域PA3に位置した電極部424aと他端エッジ領域PA4に位置した電極部424bの形状を別個にし、配線材142の連結構造を安定的に形成しながらも電極構造を単純化することができる。
【0178】
以下、添付の図面を参照して、本発明の他の実施例に係る太陽電池及びこれを含む太陽電池パネルを詳しく説明する。上述した説明と同一又は極めて類似する部分には上述の説明をそのまま適用することができるので、その詳細な説明を省略し、異なる部分についてのみ詳しく説明する。そして、上述した実施例又はこれを変形した例と以下の実施例又はこれを変形した例を組み合わせたものも本発明の範囲に属する。また、以下では第1電極を取り上げて説明するが、第2電極にも同様の図示及び説明を適用することができる。
【0179】
図13は、本発明の他の実施例に係る太陽電池の部分前面平面図である。
図13の(a)には一端エッジ領域PA3を示し、
図13の(b)には他端エッジ領域PA4を示している。
【0180】
図13の(a)を参照すると、一端エッジ領域PA3で第2電極部4242が最外郭フィンガーライン421aよりも第1縁161に向かってさらに突出している。これによれば、配線材142との連結面積又は確率をさらに向上させることができる。
【0181】
図13の(b)を参照すると、他端エッジ領域PAで第3電極部4243が、最外郭フィンガーライン422aよりも第2縁162に向かってさらに突出した部分を含んでいる。すなわち、第3電極部4243が最外郭フィンガーライン422aと連結されながら、最外郭フィンガーライン422aよりも外部に向かって突出した形状を有することができる。本実施例では、一例として、第3電極部4243の中央部分が最外郭フィンガーライン422aと平行であり、第3電極部4243の量端部が最外郭フィンガーライン422aと傾斜した例を示している。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、第3電極部4243が様々な形状を有してもよい。
【0182】
図14は、本発明の更に他の実施例に係る太陽電池の部分前面平面図である。
【0183】
図14を参照すると、第3電極部4243が最外郭フィンガーライン422aよりも厚い厚さを有し、第3電極部4243の外側縁が最外郭フィンガーライン422aよりも第2縁162に向かって突出した形状を有している。このように、第3電極部4243の厚さを相対的に大きくすると、他端エッジ領域PA4で配線材142との連結面積を増加させることができる。
【0184】
図15は、本発明の更に他の実施例に係る太陽電池の部分前面平面図である。
【0185】
図15を参照すると、第3電極部4243が最外郭フィンガーライン422aよりも厚い厚さを有し、第3電極部4243の外側縁が最外郭フィンガーライン422aと同一線上に位置し、第3電極部4243の内側縁が最外郭フィンガーライン422aよりも内側に位置している。このように第3電極部4243の厚さを相対的に大きくすると、他端エッジ領域PA4で配線材142との連結面積を増加させることができる。
【0186】
図16は、本発明の更に他の実施例に係る太陽電池パネルの部分前面平面図である。
【0187】
図16の(a)及び(b)を参照すると、本実施例では、一端エッジ領域PA3に位置した電極部424aと他端エッジ領域PA4に位置した電極部424bとが対称の形状を有している。さらに具体的には、太陽電池150の中心を通るとともにフィンガーライン42aと平行な仮想線を基準に、一端エッジ領域PA3に位置した電極部424aと他端エッジ領域PA4に位置した電極部424bとが対称になっている。これによって、一端エッジ領域PA3に位置した電極部424aの開口部と他端エッジ領域PA4に位置した電極部424bの開口部も互いに対称の形状又は配置を有することができる。
【0188】
さらに具体的に、
図16の(a)を参照すると、一端エッジ領域PA3で電極部424aが、最外郭フィンガーライン421aよりも内側に位置する第1電極部4241、及び第1電極部4241から、第1電極部4241と交差する方向に最外郭フィンガーライン421aと同一線上又はこれよりも外側まで延長される第2電極部4242を含むことができる。一端エッジ領域PA3における電極部424aの形状は、
図9を参照して説明した一端エッジ領域PA3における電極部424aの形状と同一又は極めて類似するので、詳細な説明を省略する。
【0189】
また、
図16の(b)を参照すると、他端エッジ領域PA4で電極部424bが、最外郭フィンガーライン421aよりも内側に位置する第1電極部4241、及び第1電極部4241から、第1電極部4241と交差する方向に最外郭フィンガーライン421aと同一線上又はこれよりも外側まで延長される第2電極部4242を含むことができる。他端エッジ領域PA3における電極部424bの形状は、
図9を参照して説明した一端エッジ領域PA3における電極部424aの形状と対称である形状と同一又は極めて類似するので、詳細な説明を省略する。
【0190】
これによって、一端エッジ領域PA3に位置した第1電極部4241と他端エッジ領域PA4に位置した第1電極部4241とが互いに対称の位置で互いに同一又は極めて類似な形状、長さ及び幅を有するように位置し、一端エッジ領域PA3に位置した第2電極部4242と他端エッジ領域PA4に位置した第2電極部4242とが互いに対称の位置で互いに同一又は極めて類似な形状、長さ及び幅を有するように位置することができる。
【0191】
ただし、本発明がこれに限定されるわけではない。例えば、一端エッジ領域PA3に位置した電極部424aと他端エッジ領域PA4に位置した電極部424bとが互いに対称の位置に設けられるが、その形状、長さ、幅などは異なってもよい。又は、一端エッジ領域PA3に位置した電極部424aと他端エッジ領域PA4に位置した電極部424bが正確に対称の位置に設けられるものではないが、その形状、長さ、幅のうち少なくとも一つが互い同一又は極めて類似してもよい。その他に様々な変形が可能である。
【0192】
本実施例では、一端エッジ領域PA3に位置した電極部424a及び他端エッジ領域PA4に位置した電極部424bを互いに対称に形成することで、構造を単純化し、電流の流れを全体的に均一にさせることができる。
【0193】
図16では、一端エッジ領域PA3及び他端エッジ領域PAにそれぞれ位置した各電極部424a,424bが、第1電極部4241及び第2電極4242を具備することを例示した。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、一端エッジ領域PA3及び他端エッジ領域PAに位置した電極部424a,424bが様々な形状を有してもよい。これを、
図17を参照して説明する。
【0194】
図17は、本発明の更に他の実施例に係る太陽電池パネルの部分前面平面図である。
【0195】
図17の(a)及び(b)を参照すると、本実施例では、
図16と同様に、一端エッジ領域PA3に位置した電極部424aと他端エッジ領域PA4に位置した電極部424bとが対称の形状を有している。
【0196】
一例として、
図17の(a)を参照すると、一端エッジ領域PA3で電極部424aが、最外郭フィンガーライン421aよりも内側に位置する第1電極部4241と、第1電極部4241から、第1電極部4241と交差する方向に最外郭フィンガーライン421aと同一線上又はこれよりも外側まで延長される第2電極部4242と、最外郭フィンガーライン422aと同一線上又はこれよりも外側に位置する第3電極部4243とを含んでいる。第2電極部4242が第3電極部4243に到達して第2電極部4242と第3電極部4243とが連結されている。また、第3電極部4243は、一端エッジ領域PA3の両側に位置した最外郭フィンガーライン421aを互いに連結している。
【0197】
また、
図17の(b)を参照すると、他端エッジ領域PA4で電極部424bが、最外郭フィンガーライン421aよりも内側に位置する第1電極部4241と、第1電極部4241から、第1電極部4241と交差する方向に最外郭フィンガーライン421aと同一線上又はこれよりも外側まで延長される第2電極部4242と、最外郭フィンガーライン422aと同一線上又はこれよりも外側に位置する第3電極部4243とを含んでいる。第2電極部4242が第3電極部4243に到達して第2電極部4242と第3電極部4243とが連結されている。また、第3電極部4243は、他端エッジ領域PA4の両側に位置した最外郭フィンガーライン421aを互いに連結している。
【0198】
本実施例では、一端エッジ領域PA3及び他端エッジ領域PA4のそれぞれにおいて、第1電極部4241、第2電極部4242、第3電極部4243、及び縁部423によって形成された閉空間内に開口部が設けられる。一例として、開口部は、縁部423と向かい合う第2電極部4242の両側にそれぞれ一つずつ位置し、第1電極部4241と縁部423の間に一つ位置することができる。
【0199】
図面では、一端エッジ領域PA3に位置した第1電極部4241と他端エッジ領域PA4に位置した電極部4241とが互いに対称となる位置で互いに同一又は極めて類似な形状、長さ及び幅をもって位置している。そして、一端エッジ領域PA3に位置した第2電極部4242と他端エッジ領域PA4に位置した第2電極部4242とが互いに対称となる位置で互いに同一又は極めて類似な形状、長さ及び幅をもって位置している。また、一端エッジ領域PA3に位置した第3電極部4243と他端エッジ領域PA4に位置した第3電極部4243とが互いに対称となる位置で互いに同一又は極めて類似な形状、長さ及び幅をもって位置している。
【0200】
ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、例えば、一端エッジ領域PA3に位置した電極部424aと他端エッジ領域PA4に位置した電極部424bが互いに対称となる位置に形成されるが、その形状、長さ、幅などは異なってもよい。又は、一端エッジ領域PA3に位置した電極部424aと他端エッジ領域PA4に位置した電極部424bが正確に対称となる位置に形成されるものではないが、その形状、長さ、幅のうち少なくとも一つが同一又は極めて類似してもよい。その他にも様々な変形が可能である。
【0201】
第1乃至第3電極部4241,4242,4243の具体的な説明は、
図9を参照した第1乃至第3電極部4241,4242,4243の説明と同一又は極めて類似するので、詳細な説明を省略する。本発明は、
図9で一端エッジ領域PA3に位置した電極部424aの形状が、
図17の(a)に示す形状を有する実施例をさらに含んでもよい。
【0202】
本実施例では、一端エッジ領域PA3及び他端エッジ領域PA4に位置した電極部424a,424bが両方とも、第1乃至第3電極部4241,4242,4243を含み、電流の流れ得る経路を多様化し、電流がより円滑に流れるようにすることができる。
【0203】
図18は、本発明の更に他の実施例に係る太陽電池パネルの部分前面平面図である。
【0204】
図18を参照すると、本実施例では、隣接した2つのバスバーライン42bの間に位置するフィンガーライン42aが連続してつながらないで一部が断線した断線部Sを有してもよい。
【0205】
このとき、断線部Sは、第1電極領域EA1に位置したフィンガーライン42aに形成され、第2電極領域EA2に位置したフィンガーライン42aには形成されなくてもよい。第1電極領域EA1ではフィンガーライン42aが断線部Sを有しても、フィンガーライン42aが一つのバスバーライン42b又は配線材142に連結されるため、電流が円滑に流れ得る。これによって、第1電極領域EA1で電流の流れを妨害しない一方で、第1電極42の面積を減らし、製造コスト及び光損失を低減することができる。第2電極領域EA2では、一側にのみバスバーライン42b又は配線材142が連結されるため、断線部Sを具備せず、一側に位置したバスバーライン42b又は配線材142までに電流が円滑に流れ得るようにする。
【0206】
フィンガーライン42aの断線部Sは、隣接した2つのバスバーライン42bの間の中央部分に設けられてもよい。これによって、電流移動経路を最小化することができる。
【0207】
断線部Sの幅は、フィンガーライン42aのピッチの0.5倍以上、バスバーライン42bのピッチの0.5倍以下であってもよい。断線部Sの幅がフィンガーライン42aのピッチの0.5倍未満であれば、断線部Sの幅が狭いため、断線部Sによる効果が不十分となりうる。断線部Sの幅がバスバーライン42bのピッチの0.5倍を超えると、断線部Sの幅が大きいため、電気的特性が低下しうる。一例として、断線部Sの幅は1.5mm乃至3.2mmであってもよい。このような範囲内で断線部Sによる効果を最大化することができる。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、断線部Sの幅は様々な値を有してもよい。
【0208】
各第1電極領域EA1で、バスバーライン42bと平行な方向で測定したフィンガーライン42aの個数に対する、断線部Sを具備したフィンガーライン42aの個数の比率が、0.33倍乃至1倍であってもよい。このような範囲内で断線部Sによる効果を最大化することができる。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、上述した個数の比率は変更されてもよい。
【0209】
図面では、第1電極領域EA1のそれぞれに断線部Sを具備した例を示したが、本発明がこれに限定されるわけではない。複数の第1電極領域EA1のうち、一部には断線部Sが設けられ、他の部分には断線部Sが設けられなくてもよい。また、一つのフィンガーライン42aに断線部Sが複数個(すなわち、2個以上)設けられてもよく、断線部Sの位置がフィンガーライン42a別に異なってもよい。また、図面では、第1電極領域EA1には断線部Sが設けられ、第2電極領域EA2には断線部Sが設けられていない例を示したが、本発明がこれに限定されるわけではない。したがって、第1及び第2電極領域EA1,EA2にそれぞれ断線部Sが設けられてもよく、第2電極領域EA2にのみ断線部Sが設けられてもよい。また、図面及び上述の説明では第1電極42を基準に図示及び説明したが、この説明は第2電極44にもそのまま適用することができる。
【0210】
図19は、本発明の更に他の実施例に係る太陽電池の部分前面平面図である。
【0211】
図19を参照すると、本実施例で隣接した2つのバスバーライン42bの間に位置するフィンガーライン42aが、異なる線幅の部分を含んでいる。フィンガーライン42aが、相対的に狭い幅の狭幅部S1、及び相対的に広い幅の広幅部S2を有することができる。
【0212】
一例として、本実施例では、第1電極領域EA1に位置したフィンガーライン42aが狭幅部S1及び広幅部S2を含み、第2電極領域EA2に位置したフィンガーライン42aが均一な幅(一例として、広幅部S2と同じ幅)で形成されている。第1電極領域EA1ではフィンガーライン42aが隣接した2つのバスバーライン42b又は配線材142に連結されるため、電流が円滑に流れ得る。これによって、第1電極領域EA1で電流の流れを妨害しない一方で、第1電極42の狭幅部S1によって第1電極42の面積を減らし、製造コスト及び光損失を低減することができる。第2電極領域EA2では一側にのみバスバーライン42b又は配線材142が連結されるため、狭幅部S1を具備しないで均一な幅とし、一側に位置したバスバーライン42b又は配線材142まで電流が円滑に流れ得るようにする。
【0213】
本実施例で、フィンガーライン42aの狭幅部S1は、隣接した2つのバスバーライン42bの間の中央部分に位置し、2つのバスバーライン42bのそれぞれに向かってフィンガーライン42aの幅が次第に増加している。これによって、電流の流れを円滑にすることができる。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、狭幅部S1及び広幅部S2を具備するフィンガーライン42aが様々な形状を有してもよい。
【0214】
各第1電極領域EA1で、バスバーライン42bと平行な方向で測定したフィンガーライン42aの個数に対する、狭幅部を具備したフィンガーライン42aの個数の比率は、0.33倍乃至1倍であってもよい。このような範囲内で狭幅部による効果を最大化することができる。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、上述した個数の比率は変更してもよい。
【0215】
図面では、第1電極領域EA1のそれぞれに狭幅部S1が設けられた例を示しているが、本発明がこれに限定されるわけではない。複数の第1電極領域EA1のうち一部には狭幅部S1が設けられ、他の部分には狭幅部S1が設けられなくてもよい。また、一つのフィンガーライン42aに狭幅部S1が複数個(すなわち、2個以上)形成されてもよく、狭幅部S1の位置がフィンガーライン42a別に異なってもよい。また、図面では、第1電極領域EA1には狭幅部S1が設けられ、第2電極領域EA2には狭幅部S1が設けられない例を示しているが、本発明がこれに限定されるわけではない。したがって、第1及び第2電極領域EA1,EA2にそれぞれ狭幅部S1が設けられてもよく、第2電極領域EA2にのみ狭幅部S1が設けられてもよい。また、このような様々な変形例に、
図18に示す断線部Sが併せて位置してもよい。また、図面及び上述した説明では、第1電極42を基準に図示及び説明したが、このような説明は第2電極44にもそのまま適用することができる。
【0216】
以下、本発明の実験例を参照して、本発明をより詳しく説明する。以下の実験例は、参照のために提示したものに過ぎず、本発明がこれに限定されるわけではない。
【0218】
円形の断面を有するとともに、幅が300μmである配線材を、エッジ距離が7.5mmである太陽電池に付着した。実験装置(一例として、引張試験装置)によって配線材を引っ張りながら付着力を測定した。測定した付着力は
図20に示した。
【0219】
図20で、横軸が距離を表し、縦軸が付着力を表す。このとき、横軸を3つの区間に区別することができる。第1区間Iは、実験装置が起動し、配線材を引っ張り始めてワイヤが張り切る前までの区間であり、第2区間IIは、実験装置が実際にワイヤを引っ張る区間であり、第3区間III は、ワイヤがパッド部から分離された後の区間を表す。したがって、実際の付着力は、第2区間IIから確認することができる。
【0220】
第1区間Iは、距離が小さい区間であって、実際、第1区間Iでは配線材に何ら力が加えられない。
【0221】
第2区間IIでは、実験装置が配線材を引っ張っているため、距離が増加するに比例して、配線材に加えられる応力も増加する。このため、グラフは、最高点に向かって漸次上昇する様子を示す。より具体的には、付着力が、第2区間IIで上昇し、2.058Nを最高点にして急に下降する。
【0222】
第3区間III は、付着力の最高点以降の区間であり、配線材が第1パッド部から分離されるため、配線材に加えられていた応力が急に減少する。
【0223】
このように、本実施例では、配線材の付着力が2.058Nと非常に優れた値を有することがわかる。
【0224】
上述したような特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施例に含まれ、必ずしも一つの実施例にのみ限定されるものではない。さらに、各実施例で例示した特徴、構造、効果などは、実施例の属する分野における通常の知識を有する者によって、他の実施例に対しても組み合わせ又は変形して実施可能である。したがって、このような組み合わせ及び変形に係わる内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。