(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6352356
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】テールゲートを備える折畳み式ワゴン
(51)【国際特許分類】
B62B 3/02 20060101AFI20180625BHJP
【FI】
B62B3/02 B
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-189022(P2016-189022)
(22)【出願日】2016年9月28日
(65)【公開番号】特開2018-20754(P2018-20754A)
(43)【公開日】2018年2月8日
【審査請求日】2017年6月23日
(31)【優先権主張番号】15/226,653
(32)【優先日】2016年8月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515345713
【氏名又は名称】浙江泰普森休閑用品有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100104569
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正夫
(72)【発明者】
【氏名】楊宝慶
(72)【発明者】
【氏名】ロン マークル
【審査官】
林 政道
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第09073564(US,B2)
【文献】
実開昭54−066357(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0151771(US,A1)
【文献】
米国特許第02049683(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 1/00− 5/08
B62B 7/00−19/04
A47B 3/02,31/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張形状と折畳み形状の間で調整可能であるワゴンであって、
フレームと、
4つの車輪と、
柔軟性ライナとを備え、
前記フレームは、前壁と、2つの側壁と、後部テールゲートとを有し、当該前壁、側壁、及びテールゲートは、はさみバー組立体によって各々形成されており、
前記フレームは、前記前壁のはさみバー組立体が前記側壁の各々と交わる各交点に設けられ且つ垂直方向配置された伸縮式ポール組立体も有しており、
前記フレームは、前記側壁のはさみバー組立体の各後端部に連結された垂直方向の伸縮式ポール組立体と、前記テールゲートのはさみバー組立体の各側端部に設けられた伸縮式ポール組立体とをさらに有しており、
前記テールゲート及び当該テールゲートに取り付けられた前記伸縮式ポール組立体は、前記ワゴンが前記拡張形状にあるとき、略垂直方向配置から略水平方向配置に枢動するものであり、
前記フレームは、前記テールゲートが垂直方向配置にある状態で、前記ワゴンが当該ワゴンの前記拡張形状から当該ワゴンの折畳み形状に変わるにつれて、前記はさみバー組立体及び前記伸縮式ポール組立体の高さが増大し且つ前記はさみバー組立体の幅が低減するようになっており、
前記4つの車輪は、各々が前記伸縮式ポール組立体の対応する1つの底端部に取り付けられており、
前記柔軟性ライナは前記フレームに連結されており、且つ前記ワゴンが当該ワゴンの前記拡張形状にあるときに、前記ワゴンの内部の頂部開放型荷室を画定するワゴン。
【請求項2】
請求項1記載のワゴンにおいて、
前記折畳み形状と前記拡張形状の間で調整可能である伸縮式牽引ハンドルを備えるワゴン。
【請求項3】
請求項1記載のワゴンにおいて、
前記はさみバー組立体のうちの2つが、単一対の交差バーを各々備えており、
前記はさみバー組立体のうちの他の2つが、互いに連結された複数対の交差バーを各々備えているワゴン。
【請求項4】
請求項1記載のワゴンにおいて、
前記ワゴンが、折畳み式の底部支持組立体をさらに備えており、
当該底部支持組立体は、中央ハブ及び4本のバーを備え、前記4本のバーは、各々が前記中央ハブに枢結されており且つ前記伸縮式ポール組立体のうちの対応する1つの前記底端部に枢結されているワゴン。
【請求項5】
請求項4記載のワゴンにおいて、
前記中央ハブは、前記底部支持組立体の前記4本のバーが前記中央ハブに対して下方に枢動できるようにしており、且つ前記4本のバーが前記中央ハブに対して水平よりも上方に枢動しないようにしているワゴン。
【請求項6】
請求項1記載のワゴンにおいて、
前記車輪のうちの2つが、共通固定軸を中心とした回転のみを行い、他の車輪が、前記共通固定軸に対して枢動可能な各軸を中心とした回転を行うように構成されているワゴン。
【請求項7】
請求項1記載のワゴンにおいて、
前記側壁の各々の前記はさみバー組立体の前記後端部に連結された前記伸縮式ポール組立体が、前記テールゲートの前記伸縮式ポール組立体のうちの対応する1つに、取り付け具によって連結されているゴン。
【請求項8】
請求項7記載のワゴンにおいて、
前記側壁の各々の前記はさみバー組立体の前記後端部に連結された前記伸縮式ポール組立体が、前記テールゲートの前記伸縮式ポール組立体のうちの前記対応する1つに、ブレース部材によって連結されており、
前記ブレース部材は、前記テールゲートが限界を超えて下方に枢動することを防止するワゴン。
【請求項9】
拡張形状と折畳み形状の間で調整可能なフレームと、
前記フレームの底に設けられた複数の車輪とを備え、
前記フレームは、前面部と、第1、第2の側面部と、後方のテールゲートとを有し、前記前面部、前記第1、第2の側面部及び前記テールゲートは、開閉可能なはさみバー組立体を各々含んでおり、前記前面部の前記はさみバー組立体及び前記第1、第2の側面部の前記はさみバー組立体は互いに連動して開閉可能となるように、前記前面部の前記はさみバー組立体の一対の上端部が前記第1、第2の側面部の前記はさみバー組立体の前側の上端部に回動可能に各々連結されると共に、前記前面部の前記はさみバー組立体の一対の下端部が前記第1、第2の側面部の前記はさみバー組立体の前側の下端部に回動可能に各々連結されており、
前記第1、第2の側面部は、伸縮可能な第1伸縮式ポール組立体を各々更に含み、前記第1の側面部の前記第1伸縮式ポール組立体には、前記第1の側面部の前記はさみバー組立体の後側の上端部及び下端部が回動自在に連結されており、前記第2の側面部の前記第1伸縮式ポール組立体には、前記第2の側面部の前記はさみバー組立体の後側の上端部及び下端部が回動自在に連結されており、前記第1伸縮式ポール組立体は、前記第1、第2の側面部の前記はさみバー組立体の閉開に応じて、伸縮するようになっており、
前記テールゲートは、伸縮可能な一対の第2伸縮式ポール組立体を更に含み、前記一対の第2伸縮式ポール組立体のうちの一方には、前記テールゲートの前記はさみバー組立体の一対の上端部及び下端部のうちの一方の上端部及び下端部が回動自在に連結されており、他方には、前記テールゲートの前記はさみバー組立体の他方の上端部及び下端部が回動自在に連結されており、前記一対の第2伸縮式ポール組立体は、前記テールゲートの前記はさみバー組立体の閉開に応じて、伸縮するようになっており、
前記一対の第2伸縮式ポール組立体の下端部が、前記第1伸縮式ポール組立体の下端部に各々回動自在に軸支されており、
前記テールゲートの前記はさみバー組立体は、前記第1、第2の側面部の前記はさみバー組立体の開閉に応じて、開閉する、ワゴン。
【請求項10】
請求項1記載のワゴンにおいて、
前記ワゴンが、前記テールゲートを前記略垂直方向配置で固定するように構成された選択的に解放可能な複数の固定部を備えているワゴン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手引き式ワゴンに関する。より詳細には、本発明は、最少の空間に格納可能なように折畳み式手引き式ワゴンに関する。さらにより詳細には、本発明は、テールゲートを有する折畳み式ワゴンであって、ワゴンを使用する際に当該テールゲートを略垂直方向又は略水平方向に配置可能である折畳み式ワゴンに関する。
【背景技術】
【0002】
手引き式ワゴンは、一般的に物(子供を含む)を収容し輸送するための頂部開放型の立方体状の荷室を有する。そのようなワゴンはまた、一般的にワゴンを表面から支持するための車輪を4つ備えている。一般的に、そのようなワゴンの車輪のうちの2つは、ワゴンが操縦可能になるように、残りの車輪に対して枢動することができる。そのようなワゴンはまた、一般的に人が引いてワゴンを移動し操縦するように構成された牽引ハンドルを備える。
【0003】
前述に加えて、折畳み可能に構成されたワゴンもある。たとえば、そのような折畳み式ワゴンは、2015年に7月7日に発行された、参照によって全体的に本明細書に組み込まれる米国特許第9,073,564号に開示されている。折畳み式ワゴンは、一般的に、折畳み式フレームと、ワゴンの荷室を形成する柔軟性ライナとを有する。このようなワゴンが折り畳まれる際には、フレームが折り畳まれるにつれて、柔軟性ライナが潰れるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第9,073,564号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、閉及び開の向きに交互に配置可能であるテールゲートを備える折畳み式ワゴンに関する。
【0006】
本発明の1つの態様では、ワゴンは、拡張形状と折畳み形状の間で調整可能である。ワゴンは、フレームと、4つの車輪と、柔軟性ライナとを備える。フレームは、前壁と、2つの側壁と、後部テールゲートとを有する。前壁、側壁、及びテールゲートは、はさみバー組立体によって各々形成される。フレームは、前壁のはさみバー組立体が側壁の各々と交わる各交点に設けられ且つ垂直方向配置された伸縮式ポール組立体も有している。フレームは、側壁のはさみバー組立体の各後端部に連結された垂直方向の伸縮式ポール組立体と、テールゲートのはさみバー組立体の各側端部に設けられた伸縮式ポール組立体とをさらに有している。テールゲート及びこれに取り付けられた伸縮式ポール
組立体は、ワゴンが拡張形状にあるとき、略垂直方向配置から略水平方向配置に枢動するものである。フレームは、テールゲートが垂直方向配置にある状態で、ワゴンがこのワゴンの拡張形状からワゴンの折畳み形状に変わるにつれて、はさみバー組立体及び前記伸縮式ポール組立体の高さが増大し且つ前記はさみバー組立体の幅が低減するようになっている。各車輪は、伸縮式ポール組立体の対応する1つの底端部に取り付けられている。柔軟性ライナはフレームに連結されており、且つワゴンがその拡張形状にあるときに、ワゴンの内部の頂部開放型荷室を画定する。
【0007】
本発明のさらなる特徴及び利点、ならびに本発明の動作について、添付の図を参照して、以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係るワゴンの斜視図であって、テールゲートが閉じた拡張形状を示す図である。
【
図2】
図1に示すワゴンの斜視図であって、テールゲートが部分的に開いた拡張形状を示す図である。
【
図3】前記ワゴンの斜視図であって、拡張形状のワゴンの底側を示す図である。
【
図4】前記ワゴンの後方斜視図であって、柔軟性ライナが省略され、且つフレームが拡張形状であってテールゲートが開の向きである状態を示す図である。
【
図5】前記ワゴンの側面図であって、柔軟性ライナが省略され、且つフレームが拡張形状であってテールゲートが開の向きである状態を示す図である。
【
図6】前記ワゴンの斜視図であって、柔軟性ライナが省略され、且つワゴンが折り畳まれた状態を示す図である。
【
図7】前記ワゴンの側面図であって、柔軟性ライナが省略され、且つワゴンが折り畳まれた状態を示す図である。 記述された明細書内及び図面内の参照番号は、対応するアイテムを示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る折畳み式ワゴン10の好ましい一実施形態を、
図1〜3に全体的に示す。折畳み式ワゴン10は、フレーム12と、複数の車輪14と、牽引ハンドル16と、柔軟性ライナ18とを備える。
【0010】
ワゴン10のフレーム12は、6つの伸縮式ポール組立体20と、4つのはさみバー組立体22とを含む。6つの伸縮式ポール組立体20は、好ましくは、各々が下側管部材内に摺動可能に挿入される上側管部材を備えており、この上側管部材が下側管部材内に部分的に格納可能になっている。こうして、各伸縮式ポール組立体20は、拡張形状(延びた状態)と折畳み形状(縮んだ状態)との間で調整可能(伸縮可能)になっている。以下、ワゴンの最も前方に配置される2つの伸縮式ポール組立体を伸縮式ポール組立体20a、20bとも称し、ワゴンの後方に配置される他の2つの伸縮式ポール組立体を伸縮式ポール組立体20c、20dとも称し、後記するようにテールゲート24の一部を構成する残り二つの伸縮式ポール組立体を伸縮式ポール組立体20e、20fとも称する。
【0011】
各はさみバー組立体22は、互いに軸着された交差バーを少なくとも1対備えている。好ましくは、はさみバー組立体22のうちの2つは、各々が単一対の交差バーを備える一方、他の2つのはさみバー組立体は、各々が2対の取付けられた交差バーを備える。2対の交差バーは、隣り合う上端部同士が回動自在に連結され、隣り合う下端部同士が回動自在に連結されている。
図1〜
図7では、ワゴンの前壁(前面部)、ワゴンの後壁(テールゲート24(後面部))に配置される2つのはさみバー組立体をはさみバー組立体22a、22bとも称し、ワゴンの両側壁(第1、第2の側面部)に配置される残り2つのはさみバー組立体をはさみバー組立体22c、22dとも称する。はさみバー組立体22a、22bは、単一対の交差バーを備えている。はさみバー組立体22c、22dは、2対の交差バーを備えている。
【0012】
各はさみバー組立体22は、両端の上側角部(一対の上端部)と、両端の下側角部(一対の下端部)とを有する。概して大半のはさみバー組立体で一般的であるように、各はさみバー組立体22は、拡張形状(開状態)と折畳み形状(閉状態)の間で調整可能(開閉可能)である。各はさみバー組立体が拡張形状にあるとき(
図1〜5に図示)、折畳み形状(
図6及び7に示すように)と比較して、当該各はさみバー組立体22の両上側角部は、その対応する下側角部により近い。同様に、各はさみバー組立体が折畳み形状にあるとき、拡張形状と比較して、当該各はさみバー組立体22の両上側角部が互いにより近い。
【0013】
最も前方の2つの伸縮式ポール組立体20の各々の上端部が、はさみバー組立体22のうちの1つの左上側角部に枢結されており、且つはさみバー組立体の別の1つの右上側角部に枢結されている。同様に、最も前方の2つの伸縮式ポール組立体20の各々の下端部は、対応するはさみバー組立体22の左下側角部に枢結されており、且つ他の対応するはさみバー組立体の右下側角部に枢結されている。伸縮式ポール組立体20のうちの2つは、ワゴン10の各側壁のはさみバー組立体22の後端に連結されている。残りの2つの伸縮式ポール組立体20は、ワゴン10の後壁の両側に取り付けられ、これらは総称して、後述するテールゲート24となる。
【0014】
図1〜
図7では、伸縮式ポール組立体20及びはさみバー組立体22は以下のような構成となっている。はさみバー組立体22aの左上側角部及びはさみバー組立体22cの前上側角部が、伸縮式ポール組立体20aの上端部に連結具を介して枢結されている。はさみバー組立体22aの右上側角部及びはさみバー組立体22dの前上側角部が伸縮式ポール組立体20bの上端部に連結具を介して枢結されている。はさみバー組立体22aの左下側角部及びはさみバー組立体22cの前下側角部が伸縮式ポール組立体20aの下端部に連結具を介して枢結されている。はさみバー組立体22aの右下側角部及びはさみバー組立体22dの前下側角部が伸縮式ポール組立体20bの下端部に連結具を介して枢結されている。はさみバー組立体22cの後上側角部が伸縮式ポール組立体20cの上端部に連結具を介して枢結されている。はさみバー組立体22dの後上側角部が伸縮式ポール組立体20dの上端部に連結具を介して枢結されている。はさみバー組立体22cの後下側角部が伸縮式ポール組立体20cの下端部に連結具を介して枢結されている。はさみバー組立体22dの後下側角部が伸縮式ポール組立体20dの下端部に連結具を介して枢結されている。残りの2つの伸縮式ポール組立体20e、20fは、ワゴン10の後壁の両側に配置されている。
【0015】
テールゲート24は、そのベースがワゴン10の残りの部分に枢結されており、テールゲートを起こしたり(閉状態、
図1に図示)降ろしたり(開状態、
図2に図示)できる。テールゲート24は、伸縮式ポール組立体20e、20fと、はさみバー組立体22bと、一対のブレース26とを有している。はさみバー組立体22bの両上側角部が伸縮式ポール組立体20e、20fの上端部に連結具を介して各々枢結されており、はさみバー組立体22bの両下側角部が伸縮式ポール組立体20e、20fの下端部に連結具を介して各々枢結されている。伸縮式ポール組立体20e、20fの下端部が、伸縮式ポール組立体20c、20dの下端部に取り付け具60を介して各々回動可能に連結されている。これにより、テールゲート24が閉状態と開状態との間を回動自在となっている。また、伸縮式ポール組立体20e、20fの下端部が、伸縮式ポール組立体20c、20dの下端部に連結されているため、はさみバー組立体22bは、はさみバー組立体22a、22c及び22dの開閉に伴って開閉する。
【0016】
一対のブレース26により、テールゲート24の伸縮式ポール組立体20e、20fが、側壁の後方伸縮式ポール組立体20c、20dに連結されている。ブレース26は、好ましくは、伸縮式ポール組立体20c、20dに枢動可能にピン留めされており、テールゲート24の伸縮式ポール組立体20e、20f上のピン30が摺動する細長いスロット28を含み、こうして、テールゲート24が全開している際に(
図5に図示)、ブレース26のみでテールゲートを支持する。
【0017】
以上の構成であるため、伸縮式ポール組立体20a〜20fは、はさみバー組立体22a〜22dが折畳み形状から拡張形状に調整するにつれて、拡張形状から折畳み形状に調整しており、各伸縮式ポール組立体20a〜20fは、はさみバー組立体22a〜22dが拡張形状から折畳み形状に調整するにつれて、他の伸縮式ポール組立体に向けて移動する。換言すると、はさみバー組立体22a〜22dが上記閉状態から上記開状態へ開くと、伸縮式ポール組立体20a〜20fが上記延びた状態から上記縮んだ状態へ垂直方向に縮むと共に、伸縮式ポール組立体20a〜20fが互いに離れる。はさみバー組立体22a〜22dが開状態から閉状態へ閉じると、伸縮式ポール組立体20a〜20fが縮んだ状態から延びた状態へ垂直方向に延びると共に、伸縮式ポール組立体20a〜20fが互いに近づく。こうして、ワゴン10が展開されるとき、伸縮式ポール組立体20は、はさみバー組立体22と共に高さが低減され、ワゴン10が折り畳まれるとき、伸縮式ポール組立体20は、はさみバー組立体22と共に高さが増す。
【0018】
ワゴン10は、複数の固定部50を更に備えていても良い。固定部50は、テールゲート24を閉状態で固定するように構成されており且つ選択的に開放可能である。例えば、固定部50は、伸縮式ポール組立体20c〜20fに設けられた構成とすることが可能である。テールゲート24の閉状態で、伸縮式ポール組立体20cの固定部50と、伸縮式ポール組立体20eの固定部50とが互いに着脱可能に固定されており、伸縮式ポール組立体20dの固定部50と、伸縮式ポール組立体20fの固定部50とが互いに着脱可能に固定されている。このように固定部50により、伸縮式ポール組立体20cの固定部50と伸縮式ポール組立体20eとが固定されることによって、伸縮式ポール組立体20c、20eの伸縮が連動しやすくなる。同様に、別の固定部50により、伸縮式ポール組立体20dと伸縮式ポール組立体20fとが固定されることによって、伸縮式ポール組立体20d、20fの伸縮が連動しやすくなる。
【0019】
ワゴン10のフレーム12はまた、好ましくは、折畳み式底部支持組立体32を備える。底部支持組立体は、好ましくは、4本のバー34を備えており、各バーが中央ハブ36に枢結されて当該中央ハブ36から延びている。4本のバー34はまた、各々が伸縮式ポール組立体20a〜20dのそれぞれ1つの底端部に枢結されている。ワゴン10が折り畳まれるとき、中央ハブ36は上方に移動する。中央ハブ36は、好ましくは、バー34が中央ハブに対して枢動可能な範囲を限定するように構成されており、中央ハブが、底部支持組立体32のバー34と面一になる状態より下方には、移動できないようになっている。換言すると、中央ハブ36は、バー34が中央ハブ36に対して相対的に下方に枢動できるようにしており、且つバー34が中央ハブ36に対して相対的に水平よりも上方に枢動しないようにしている。したがって、ワゴン10が拡張形状にあるとき、底部支持組立体32が下方向にかかる負荷を支持することができる。したがって、ワゴン10内に置かれた荷物の全負荷を、ライナ18にかける必要がなくなる。
【0020】
ワゴン10の各車輪14は、伸縮式ポール組立体20a〜20dのそれぞれ1つの下部に取り付けられる。好ましくは、牽引ハンドル16に最も近い2つの車輪14は、(水平軸上で回転可能なことに加えて)垂直方向軸を中心として枢動可能である。他の2つの車輪14は、好ましくは、枢動不可能である。又は、車輪14のうちの2つが、共通固定軸を中心とした回転のみを行い、他の車輪14が、共通固定軸に対して枢動可能な各軸を中心とした回転を行うように伸縮式ポール組立体20a〜20dのそれぞれ1つの下部に取り付けられていても良い。
【0021】
好ましくは、牽引ハンドル16は、伸縮式に取り付けられた2つの部分を備えている。好ましくは、伸縮式牽引ハンドル16は、2つの連結部材38を介して、最も近い2つの伸縮式ポール組立体20の各下部に連結されている。各連結部材38は、対応する伸縮式ポール組立体20の底端部に枢結された第1端部と、伸縮式牽引ハンドル16に枢結された反対側の第2端部とを有している。連結部材38は、対応する伸縮式ポール組立体20の底部から伸縮式牽引ハンドル16まで上り傾斜するように延びており、ワゴン10が折り畳まれるときに、連結部材の第2端部が伸縮式ポール組立体の底端部に対して上方に移動する。ワゴン10が折り畳まれたとき、伸縮式牽引ハンドル16もまた、ワゴンのフレーム12より上側には延びないように畳むことが可能である。
【0022】
ワゴンが拡張されて、ワゴンの頂部開放型内部荷室70が形成されるとき、ワゴン10の柔軟性ライナ18がフレーム12内に載置される。柔軟性ライナの各上隅は、対応する伸縮式ポール組立体20の上部に取り付けられる。また、好ましくは、柔軟性ライナ18はループ状ファスナー(Velcro(登録商標)等)であるストラップ40を備え、このストラップ40により、柔軟性ライナ18の底がフレーム12のバー34及び中央ハブ36に固定される。好ましくは、柔軟性ライナ18は、一対の逆さポケット42をさらに有している。逆さポケット42は、側方の各はさみバー組立体22c、22dの上側中心部を挿入して、そこから柔軟性ライナ18を支持するように構成されている(
図1に図示)。柔軟性ライナ18はまた、図示するようにテールゲート24に取り付けられた部分を含んでいる。
【0023】
以上のことから、本発明には、従来技術に対する利点がいくつかあることを理解されたい。
【0024】
本明細書において記載し例示された構造及び方法に対して、本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな改変を行ってもよく、よって前述の記載に含まれる事項、又は添付の図に示される事項は、全て限定的ではなく例示的であると解釈されるものとする。したがって、本発明の広がり及び範囲は、上記した例示的な実施形態のいずれによっても限定されてはならず、本明細書に付属する以下の特許請求の範囲及びその均等物によってのみ定義されなければならない。
【0025】
上記ワゴンのフレームは、その長手方向及び幅方向の何れか一方のみに折り畳み可能な構成とすることが可能である。この場合、折り畳み不能な方向に沿って配置されるはさみバー組立体は省略される。上記伸縮式ポール組立体20a、20b、20c及び/又は20dは省略可能である。上記テールゲート24は、伸縮式ポール組立体20e、20f及びはさみバー組立体22bの何れか一方を省略可能である。はさみバー組立体22bが省略される場合、伸縮式ポール組立体20e、20fは、伸縮不能とすることが可能である。
【0026】
特許請求の範囲において又は本発明の例示的な実施形態の上記記載において本発明の要素を導入する際、「備える」、「含む」、及び「有する」という用語は、非限定的であることを意図しており、且つ挙げられた要素以外に追加される要素がある可能性があるという意味である。また、「部」という用語は、これが修飾する項目又は要素の一部又は全てを意味するものとして解釈しなければならない。さらに、第1、第2、及び第3などの識別子を用いている場合、限定事項間に何らかの相対的位置又は時系列が課されると解釈されてはならない。さらに、下記のいずれかの方法クレームのステップが提示される順序は、そのような順序が固有のものでない限り、そのステップを実施しなければならない順序を限定すると解釈されてはならない。
【符号の説明】
【0027】
10:折畳み式ワゴン
12:フレーム
14:車輪
16:伸縮式牽引ハンドル
18:柔軟性ライナ
20(20a〜20f):伸縮式ポール組立体
22(22a〜22d):はさみバー組立体
24:テールゲート
26:ブレース
28:スロット
30:ピン
32:折畳み式底部支持組立体
34:バー
36:中央ハブ
38:連結部材
40:ストラップ
42:ポケット
50:固定部
60:取り付け具
70:荷室