(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プロテーゼコンポーネントが、湾曲した表面を含む脛骨トレイであって、該脛骨トレイの前記対応する形状の前記凸表面が、前記湾曲した表面を含み、前記カスタマイズされたプロテーゼ別ネガ形状の前記凹表面が、湾曲した面を含む、請求項1に記載の外科用器具。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の概念は様々な修正及び代替の形態の影響を受け易いが、本開示の特定の例示的実施形態が例として図面に示され、本明細書において詳細に記載される。ただし、本開示の概念を開示される特定の形態に限定することを何ら意図するものではなく、その逆に、本発明は、添付の「特許請求の範囲」において定義される発明の趣旨及び範囲に包含される全ての改変物、均等物、及び代替物を網羅することを意図するものである点は理解されるべきである。
【0024】
解剖学的参照を表す、前、後、内側、外側、上、下などの用語は、本明細書の全体を通じて、本明細書において述べられる整形外科用インプラント及び外科器具に関して、並びに患者の自然の解剖学的構造に関して使用され得る。これらの用語は、解剖学の研究及び整形外科学の分野のいずれにおいても広く理解された意味を有するものである。明細書及び特許請求の範囲におけるこれらの解剖学的基準を表す用語の使用は、特に断らないかぎりは、それらの十分理解されている意味と一貫性を有するものとする。
【0025】
図1を参照すると、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具を製作するためのアルゴリズム10が示されている。本明細書で用語「カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具」が意味するものは、特定の患者での使用が意図され、その使用のために構成された、整形外科手術の実施において外科医により使用される手術道具である。したがって、本明細書で使用されるとき、用語「カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具」は、様々な異なる患者での使用を意図され、いずれか特定の患者のために製造されていない、若しくはカスタマイズされていない、患者別ではない標準的な整形外科用手術器具(すなわち、患者共通の切断ブロックなど、「患者共通の器具」)とは区別されることを理解するべきである。加えて、本明細書で使用されるとき、用語「カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具」は、患者別なものであるか一般的なものであるかに関わらず、患者の身体内に外科的に埋め込まれる整形外科用プロテーゼ又はインプラントとは区別されることを理解するべきである。むしろ、整形外科医は、整形外科用プロテーゼの埋め込みを支援するために、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具を使用する。「カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具」の例には、カスタマイズされた患者別ドリル/ピンガイド、カスタマイズされた患者別頸骨切断ガイドブロック、カスタマイズされた患者別大腿骨切断ガイドブロック、及びカスタマイズされた患者別アライメントガイドが挙げられる。
【0026】
いくつかの実施形態において、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具は、患者の骨に対する予め計画された位置に、患者共通の器具を配置するために、患者共通の器具を調和させるよう構成され得る。カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具は、更に、器具が大腿骨及び/又は脛骨等の患者の1つ以上の骨に連結されるべき器具の場所に基づいて、特定の患者に対してカスタマイズされてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具は、患者の関連する骨の一部の形状に一致するか又はほぼ一致する凹の形状を有する、骨接触面又は骨に面する表面を有してもよい。したがって、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具は、患者の骨に対して固有の場所及び位置で患者の骨に連結されるよう構成されている。すなわち、骨接触表面のネガ形状は、患者の骨の一部の合致する形状表面を受容するよう構成され、これにより、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具を、患者の骨に対して固有の場所及び位置に配置する。
【0027】
以前埋め込まれた一次プロテーゼを外科的に除去し、置換プロテーゼを埋め込む補正外科手術手技において、このカスタマイズされた患者別整形外科用手術器具は、一次プロテーゼを除去する前に係合させてから、患者の1つ以上の骨に対して固有の場所及び位置に器具を配置するよう、カスタマイズすることができる。そのような実施形態において、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具は、埋め込まれた一次プロテーゼの一部の形状に合致するか又はほぼ合致するネガ形状を有する、プロテーゼ係合面又は接触面を含み得る。すなわち、プロテーゼ係合表面のネガ形状は、埋め込まれた一次プロテーゼの一部の合致する形状表面を受容するよう構成され、これにより、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具を、一次プロテーゼ及びしたがって患者の骨に対して固有の場所及び位置に配置する。カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具は、固有の場所及び位置において、前に埋め込まれたプロテーゼ及び患者の骨に接続されるよう構成されているため、整形外科用手術器具の配置に関して、整形外科医による当て推量及び/又は手術中の意思決定が低減される。
【0028】
例えば、整形外科医は、典型的には、外科医側で若干の推定を必要とする、整形外科用手術器具の配置を容易にするための患者の骨のランドマークを示す必要がない場合がある。むしろ、整形外科医は、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具を、固有の場所で患者の骨上に単に連結することができる。そのように連結される際、切断面、ドリル穴/ピン留め穴、ミリング穴、及び/又は他のガイドは、骨及び目的とする整形プロテーゼに対して適切な場所内で画定されている。カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具は、例えば、骨切断ブロック、ドリル/ピンガイド、ミリングガイド、又は患者の骨及び/若しくは埋め込まれた一次プロテーゼに連結されるよう構成された他の種類の整形外科用手術器具等の、任意の種類の整形外科用手術器具として具体化され得る。
【0029】
更に、いくつかの実施形態において、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具は、埋め込まれた一次プロテーゼの一部の形状に合致又は実質的に合致するネガ形状を有するプロテーゼ係合又はプロテーゼ接触表面と、患者の該当する骨の一部の形状に合致又は実質的に合致するネガ形状を有する骨係合又は骨に面する表面と、の両方を含み得ることが理解されよう。そのような実施形態において、プロテーゼ係合表面のネガ形状は、埋め込まれた一次プロテーゼの一部の合致する形状表面を受容するよう構成され、骨接触表面のネガ形状は、患者の骨の一部の合致する形状表面を受容するよう構成され、これにより、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具を、埋め込まれた一次プロテーゼ及び患者の骨に対して固有の場所及び位置に配置する。
【0030】
いくつかの実施形態において、1つ以上のカスタマイズされた患者別整形外科用手術器具は、
図2に示される一次膝関節プロテーゼ12のような、一次膝関節プロテーゼの1つ以上のプロテーゼコンポーネントに係合するようカスタマイズされ得る。一次膝関節プロテーゼ12は、患者の大腿骨18の遠位端16に固定された一次大腿骨プロテーゼコンポーネント14と、一次脛骨プロテーゼコンポーネント20と、を含む。図示の実施形態において、一次脛骨プロテーゼコンポーネント20は、患者の脛骨26の近位端24に固定された脛骨トレイ22、及び脛骨トレイ22と一次大腿骨プロテーゼコンポーネント14との間に配置された脛骨ベアリング28を含む。脛骨ベアリング28は、一次大腿骨プロテーゼコンポーネント14の、一対の対応する湾曲した凸状顆表面32、34に係合する、一対の湾曲した凹状ベアリング表面を含む。下記で詳しく述べるように、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具は、例えば、一次大腿骨プロテーゼコンポーネント14の顆表面32、34の一方又は両方と係合させて、患者の大腿骨18の遠位端16に、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具を配置するよう構成することができる。別のカスタマイズされた患者別整形外科用手術器具は、患者の脛骨26の近位端24に対して、患者別整形外科用手術器具を配置するために、脛骨トレイ22に係合するよう構成することができる。いくつかの実施形態において、このカスタマイズされた患者別器具は、脛骨トレイ22及び大腿骨プロテーゼコンポーネント14に係合するよう構成することができる。
【0031】
図1に戻って、アルゴリズム10は、プロセス工程38及び40を含み、整形外科医は、患者に実施するべき整形外科手術の手術前計画を実施する。プロセス工程38及び40は、任意の順序で、又は互いに同時に実施されてもよい。プロセス工程38において、患者の該当する部位の数多くの医用画像が生成されるが、これには、骨の解剖学的構造又は関節と、前に埋め込まれた一次プロテーゼの画像が含まれる。これらの画像は、例えば、患者の骨の前方部分の画像42が含まれ得るが、これは、
図3に示されるように、患者の大腿骨18の遠位端16にある一次大腿骨プロテーゼコンポーネント14と、患者の脛骨26の近位端24にある脛骨トレイ22の位置を示す。
【0032】
これを行うために、整形外科医又は他の医療提供者は、イメージングシステムを操作して医用画像を生成することができる。医用画像は、前に埋め込まれた患者のプロテーゼと、患者の骨の解剖学的構造及び関連関節の、3次元表現モデルの生成に使用することができる任意の数及び種類の医用画像として具体化され得る。例えば、医用画像は、任意の数のコンピュータ断層撮影(CT)画像、磁気共鳴断層撮影(MRI)画像、又は他の3次元医用画像として具体化され得る。加えて又は代替的に、プロセス工程44に関して以下に更に詳細に説明されるように、医用画像は、いくつかのX線画像又は他の2次元画像として具体化することができるが、これらの画像から患者の関連する骨の解剖学的構造の3次元表現モデルが生成され得る。
【0033】
プロセス工程40では、整形外科医は、任意の追加の術前の制約データを決定することができる。制約データは、整形外科医の選好、患者の選好、患者の解剖学的様相、医療機関により確立されたガイドライン等に基づくものであってよい。例えば、制約データは、患者の骨の切除レベルに関する整形外科医の選好、補正プロテーゼの大腿骨回転、補正プロテーゼのサイズの選好、脛骨傾斜、並びに手術後のプライマリーケア及び監視中に観察される患者の異常の詳細が挙げられ得る。いくつかの実施形態において、整形外科医の選好は、整形外科医のプロファイルとして保存され、このプロファイルは、更なる手術計画のための初期設定制約値として使用することができる。
【0034】
いくつかの実施形態において、医用画像及び制約データは、存在する場合、整形外科用手術器具の業者又は製造者に送信され又は別様に提供され得る。医用画像及び制約データは、例えば、ネットワーク等の電子手段を介して、業者に送信することができる。ベンダーが医用画像及び制約データを受信した後、ベンダーはプロセス工程44で画像を処理し得る。他の実施形態において、画像はローカルで処理し得る。
【0035】
プロセス工程44において、以下で詳細に説明されるように、医用画像を処理して、骨切断面、インプラントの寸法決め、及びカスタマイズされた患者別整形外科用手術器具の製作を容易にする。例えば、プロセス工程46において、医用画像を変換して、3次元画像を生成することができる。例えば、医用画像が多数の2次元画像として具体化される実施形態において、好適なコンピュータアルゴリズムを使用して、この多数の2次元画像から1つ以上の3次元画像を生成することができる。加えて、いくつかの実施形態において、医用画像は、例えば、医用におけるデジタル画像と通信(Digital Imaging and Communications in Medicine)(DICOM)規格等の確立された規格に基づき生成することができる。エッジ検出、二値化、水域(watershead)、又は形状マッチングアルゴリズムを使用して、画像をコンピュータ支援設計用途又は他の画像処理用途にて許容可能なフォーマットに変換又は再構成することができる。更に、いくつかの実施形態において、アルゴリズムを使用して、生成した医用画像中で識別できない靱帯等の組織を明らかにすることができる。そのような実施形態において、患者別器具の任意の3次元モデル(例えば、以下のプロセス工程76を参照)を、そのようなアルゴリズムに従って変更して、器具の適合度及び機能を増大させることができる。
【0036】
プロセス工程48において、医用画像及び/又はプロセス工程46による変換/再構成された画像を処理して、患者の骨の解剖学的構造及び埋め込まれた膝関節プロテーゼの数多くのランドマークを決定することができる。これを行うために、業者は、任意の好適なアルゴリズムを使用して画像を処理することができる。外科手術手技に応じて、骨の解剖学的構造に含まれ得るランドマークには、例えば、患者の大腿骨上顆、大腿骨骨髄管、脛骨骨髄間、腓骨頭、脛骨結節、股関節中心、足関節中心、及び/又は患者の骨の解剖学的構造のその他の態様が挙げられる。患者の膝関節の一方の補正手術において、患者の他方の膝関節のジョイントラインも識別され得る。患者の骨の解剖学的構造に関して「ジョイントライン」が意味するのは、患者の大腿骨の遠位端と患者の脛骨の近位端との間の接触線である。
【0037】
加えて、埋め込まれた一次プロテーゼの数多くのランドマークを、医用画像及び/又は変換/再構成された画像から決定することができる。これらのランドマークには、例えば、一次大腿骨プロテーゼコンポーネントの最遠位内側点、最遠位外側点、最も前方の内側点、及び最も後方の外側点が挙げられ得る。脛骨プラトー点は更に、一次脛骨プロテーゼコンポーネント(例えば、埋め込まれた脛骨トレイ)の最近位内側点、最近位外側点、最も後方の内側点、及び最も前方の外側点に沿って決定され得る。
【0038】
プロセス工程50において、プロセス工程48で識別されたランドマークを使用して、患者の骨と、埋め込まれた一次プロテーゼと、のアライメントを決定することができる。例えば、
図4に示されるように、埋め込まれた一次プロテーゼのジョイントライン52は、患者の脚が伸展しているときに、一次大腿骨プロテーゼコンポーネントの最遠位内側点と最遠位外側点の位置を特定することにより、決定することができる。膝関節プロテーゼコンポーネントに関して、用語「ジョイントライン」とは、膝関節プロテーゼの人工大腿骨コンポーネントと人工脛骨ベアリングとの間の接触ラインを指す。
図4に示されるように、ジョイントライン52は、大腿骨プロテーゼコンポーネント14の最遠位内側点54及び最遠位外側点56により確立される。
【0039】
その他のランドマークを使用して、患者の骨における現在のアライメントの他の様相を確立することができる。例えば、足関節中心を使用して、患者の距骨の中心を特定及び画定することができ、この患者の距骨の中心を、一次脛骨トレイ22の向きと共に使用して、脛骨の機械的軸58を確立することができる。次に、患者の脛骨26の内反角60を決定することができる。
【0040】
同様に、股関節中心を使用して患者の大腿骨頭を確立することができるが、これを更に、一次大腿骨プロテーゼコンポーネント14の向きと共に使用して、大腿骨の機械的軸62を確立することができる。
図4に示されるように、次に、外反角64を決定することができる。加えて、大腿骨の解剖学的軸66の位置は、一次大腿骨プロテーゼコンポーネント14の遠位シャフト(図示なし)の中心を特定することによって、計算することができる。
図5に示すように、大腿骨内側及び外側上顆を使用して、上顆軸70を作成することができるが、これを使用して、一次大腿骨プロテーゼコンポーネント14の大腿骨回転を確立することができる。
【0041】
プロセス工程50において、一次整形外科用プロテーゼのデジタルテンプレート74は、例えば、
図6及び7に示されるように、1つ以上の処理済み医用画像の上に重ね合わせることができる。ベンダーは任意の好適なアルゴリズムを使用して、処理済み医用画像(例えば、画像内に画定された患者の骨のランドマーク)、及び/又は制約データに基づいて、患者の骨に関連した整形プロテーゼ(すなわち、デジタルテンプレート)の推奨場所及び配向を決定することができる。患者の骨の解剖学的構造の1つ以上の任意の他の様相を使用して、デジタルテンプレートの適切な位置決めを決定することができる。加えて、プロセス工程48で特定された一次整形外科用プロテーゼのランドマークを使用して、デジタルテンプレートの適切な位置決めを決定することができる。
【0042】
プロセス工程72において、手術計画が作成される。手術計画の一環として、患者の骨の切断面が決定され得る。計画された切断面は、整形外科手術中に使用される整形外科用プロテーゼの種類、寸法、及び位置に基づいて、画像で識別される特定のランドマーク等の処理画像に基づいて、またプロセス工程38及び40で供給された制約データに基づいて決定される。整形外科用プロテーゼの種類及び/又は寸法は、患者の解剖学的構造及び制約データに基づいて決定され得る。例えば、制約データは、整形外科用プロテーゼの種類、製造、モデル、寸法、又は他の特性を決定することができる。
【0043】
更に、整形外科用補正プロテーゼの選択は、医用画像に基づいて調整することができる。例えば、
図6及び7に示されるように、整形外科用補正プロテーゼのデジタルテンプレート74は、1つ以上の処理済み医用画像の上に重ね合わせることができる。デジタルテンプレート74は、整形外科用補正プロテーゼの3次元モデルであってよく、これは実際のプロテーゼの寸法を正確に複製し得る。このモデルは、そのような3次元モデルのライブラリに含まれ得る。ベンダーは任意の好適なアルゴリズムを使用して、処理済み医用画像(例えば、画像内に画定された患者の骨のランドマーク)、及び/又は制約データに基づいて、患者の骨に関連した整形プロテーゼ(すなわち、デジタルテンプレート)の推奨場所及び配向を決定することができる。加えて、患者の骨の解剖学的構造の1つ以上の任意の他の様相を使用して、デジタルテンプレートの適切な位置決めを決定することができる。このように、外科医及び/又はベンダーは、患者の骨の解剖学的構造と共に使用可能であり、かつ制約データ及び整形外科医の選好に合致した、整形外科用補正プロテーゼを選択することができる。
【0044】
外科的アライメントパラメータと共にデジタルテンプレートを使用して、手術計画文書を作成することができる。この文書には、大腿骨上顆、後方顆、並びに股関節、膝関節、及び/又は足関節の中心によって画定される機械的軸等の、骨のランドマークに対する補正インプラントの標的回転が含まれ得る。この文書には更に、整形外科用補正プロテーゼの計画された標的ジョイントライン、標的外反角、及び標的内反角が含まれ得る。
【0045】
その後、患者の骨に対して計画された切断面は、整形プロテーゼの決定された寸法、場所、及び配向に基づいて決定することができる。加えて、プロセス工程44で決定された患者の骨の解剖学的構造の他の様相を使用して、計画された切断面を決定するか、又は調整することができる。例えば、患者の関連する骨の決定された機械的軸、ランドマーク、及び/又は他の決定された様相を使用して、計画された切断面を決定することができる。
【0046】
プロセス工程76において、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具のモデルが生成される。いくつかの実施形態において、モデルは、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具の3次元表現として具体化される。他の実施形態において、モデルは、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具の原寸模型又は高速プロトタイプとして具体化されてもよい。モデルを作る、また製作されるべき整形外科用手術器具の特定の種類は、実施される整形外科手術、制約データ、及び/又は患者に埋め込まれる整形プロテーゼの種類に基づいて決定され得る。したがって、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具は、整形外科手術の実施における使用のための、任意の種類の整形外科用手術器具として具体化され得る。例えば、整形外科用手術器具は、骨切断ブロック、ドリル/ピン留めガイド、ミリングガイド、及び/又は任意の他の種類の整形外科用手術工具若しくは器具として具体化されてもよい。
【0047】
カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具の特定の形状は、患者の骨の解剖学的構造(及び、いくつかの実施形態においては、埋め込まれた一次プロテーゼ)に関連する整形外科用手術器具の計画された場所に基づいて決定される。カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具の場所は、整形外科手術中に使用される整形プロテーゼの種類及び決定場所に基づいて決定される。つまり、患者の骨の解剖学的構造に関連するカスタマイズされた患者別整形外科用手術器具の計画された場所は、一部において、工程72で決定される患者の骨の計画された切断面に基づいて選択され得る。
【0048】
例えば、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具が、患者共通の切断ブロックと共に使用するためのドリルガイド/ピン刺しガイド(あるいは以下で単に「ピンガイド」)として具体化される実施形態において、整形外科用手術器具の位置は、患者共通の切断ブロックと共に使用するために骨内にガイドピンを配置するよう選択される。ガイドピンは、1つ以上のカスタマイズされたアライメントガイドと共に使用される場合、患者共通の切断ブロックの切断ガイドを、プロセス工程72で決定された1つ以上の計画された切断面に揃えることができる。加えて、整形外科用手術器具の計画された場所は、プロセス工程48及び50で特定された患者の骨の特定されたランドマークに基づくことができる。
【0049】
いくつかの実施形態において、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具の特定の形状及び構造は、患者の骨の解剖学的構造に関連する器具の計画された場所に基づいて決定されてもよい。つまり、整形外科用手術器具が、器具のための予め計画された場所に対応する固有の場所で患者の骨の解剖学的構造に連結されるように、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具は、患者の骨の解剖学的構造の一部の形状に合致するネガ形状を有する骨接触面を含むことができる。上述のように、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具は、患者の埋め込まれた一次プロテーゼの一部の形状に合致するネガ形状を有する、プロテーゼ係合表面を含み得る。カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具は、患者の骨に対する予め計画された位置に、患者共通の器具を配置するために、患者共通の器具を調和させるよう構成され得る。カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具が、固有の場所で、患者の骨の解剖学的構造、埋め込まれた一次プロテーゼ、及び/又は患者共通の器具に連結される際に、1つ以上のガイド(例えば、切断ガイド又はドリルガイド)を、上記のように骨切断面のうちの1つ以上と揃えることができる。
【0050】
図1に戻って参照すると、プロセス工程76で、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具のモデルが生成された後、プロセス工程78でモデルが検証される。モデルは、例えば、切断ガイド及び平面、ドリルガイド及び計画されたドリル点等の相関を検証するために患者の解剖学的構造の3次元モデルに連結されつつ、表現モデルを分析することによって検証され得る。加えて、モデルは、工程78にて生成したモデルを、再考のために整形外科医に送信し又は別様に提供することにより検証され得る。例えば、モデルが3次元表現モデルである実施形態において、モデルは、患者の関連する骨の3次元画像と共に、再考のために外科医に送信されてよい。モデルが物理的プロトタイプである実施形態では、モデルは、検証のために整形外科医に輸送されてもよい。
【0051】
プロセス工程78においてモデルが検証された後、プロセス工程80において、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具が製作される。カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具は、任意の好適な製作装置及び方法を用いて製作することができる。加えて、カスタマイズされた患者別整形外科用器具は、例えば、器具の使用目的によって、金属材料、プラスチック材料、又はこれらの組み合わせ等の任意の好適な材料から形成されてもよい。製作された、カスタマイズされた患者別整形外科用器具は、続いて整形外科医に輸送され、又は別様に提供される。プロセス工程82において、外科医は、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具を使用して、整形外科手術を実施する。上述したように、整形外科医は手術中に、典型的には、外科医側で、ある程度の推定を要する、整形外科用手術器具の適切な場所を決定する必要がないため、外科医側の当て推量及び/又は手術中の意志決定が低減される。
【0052】
ここで
図8〜10を参照すると、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具は、大腿骨ピンガイド100として示されている。図示の実施形態において、ピンガイド100は、患者の大腿骨18の遠位端16、及び一次膝関節プロテーゼ12の一次大腿骨プロテーゼコンポーネント14に連結されるよう構成されている。以下に更に詳細に記載されるように、大腿骨ピンガイド100は、特定の患者のために予め計画されカスタマイズされている大腿骨18の位置に、一対のガイドピン102を設置するために使用される。図示の実施形態において、ピンガイド100は、患者の大腿骨18の遠位端16の内側にガイドピン102が挿入されるように構成される。他の実施形態において、ピンガイド100は、患者の大腿骨18の外側又は前方にピン102が挿入されるよう構成され得ることが、理解されよう。
【0053】
図示の実施形態において、大腿骨ピンガイド100は切断ガイドを欠いている。よって、補正大腿骨プロテーゼコンポーネントを受容するように患者の大腿骨18の遠位端16を切除及び成形するには、他の切断ブロックが必要である。このような他の切断ブロックは、例えば、遠位切断ブロック104(
図11参照)及び4−in−1切断ブロック106(
図14参照)のような、患者共通の切断ブロックであり得る。下記で詳しく述べるように、例えば、アライメントブラケット108(
図11〜13参照)及びアライメントガイド110(
図14〜15参照)のような、他のカスタマイズされた患者別整形外科用手術器具を作成して、カスタマイズ位置のガイドピン102を係合させ、共通切断ブロックを予め計画された位置及び向きに配置することができる。かかる配置は、患者の骨格に対するガイドピン102の配置をカスタマイズすることによって、外科手術のある程度のカスタマイゼーションを可能にすると同時に、再利用可能な患者共通の切断ブロックの使用に関連してコストの利点を享受する。また、他の実施形態において、患者共通のガイドブロックがガイドピン102に直接取り付けられるようにガイドピン102を配置し得ることが理解されよう。更に別の実施形態において、各切断ガイドブロックは、ガイドピン102に取り付けるよう構成された、カスタマイズされた患者別切断ガイドブロックであり得る。
【0054】
図8に示すように、ピンガイド100は、一次膝関節プロテーゼ12の一次大腿骨プロテーゼコンポーネント14に係合するよう構成された本体112と、患者の大腿骨18の遠位端16の内側に連結するよう構成された支持体114と、を含む。ピンガイド100は更に、アーム116、118を含み、これらは本体112、114に接続されている。ピンガイド100は、プラスチック又は樹脂材料などの材料から形成され得る。いくつかの実施形態において、ピンガイド100は、光硬化性又はレーザー硬化性樹脂から形成され得る。特定の一実施形態において、ピンガイド100は、迅速プロトタイプ製作プロセスを使用して、Vero樹脂から形成される。他の実施形態において、ピンガイド100が他の材料から形成され得ることが理解されよう。例えば、別の特定の実施形態において、ピンガイド100は、Ultem樹脂等のポリイミド熱可塑性樹脂から形成される。本明細書に記載の図示の実施形態において、ピンガイド100はモノリシックの構造体として具体化される。
【0055】
ピンガイド100の本体112は、プロテーゼ係合表面120と、このプロテーゼ係合表面120の反対側の外面122と、を含む。外面122は、外科医又はその他のユーザーが握るための形状にされる。
図9に示すように、本体112のプロテーゼ係合表面120は、対応する形状を有する一次大腿骨コンポーネント14の内側顆126(
図2参照)の一部を受容するよう構成された、ネガ形状124を含む。図示の実施形態において、ピンガイド100のネガ形状124は、内側顆126の湾曲した顆表面32に合致するよう成形された、湾曲した内面128を含む。下記で詳しく述べるように、プロテーゼ係合表面120の、カスタマイズされた患者別ネガ形状124によって、ピンガイド100が、予め決定された固有の位置及び向きで、患者の一次大腿骨コンポーネント14(したがって、患者の大腿骨18)に配置され得る。
【0056】
他の実施形態において、カスタマイズされた患者別ピンガイドは、一次大腿骨プロテーゼコンポーネントの他の部分に係合するよう構成され得ることが理解されよう。例えば、ピンガイドは、一次大腿骨コンポーネントの外側顆の一部を受容するよう構成されたネガ形状を含み得、及び/又は一次大腿骨コンポーネントの滑車形状の一部を受容するよう構成されたネガ形状を含み得る。他の実施形態において、ピンガイドは、一次大腿骨コンポーネントの前方フランジの一部を受容するよう構成されたネガ形状を含み得る。
【0057】
ピンガイド100の支持体114は、骨接触面又は骨に面する表面140、及びこの骨に面する表面140に対向する外面142を含む。
図8に示すように、骨に面する表面140は、患者の大腿骨18の遠位端16の内側に向くよう構成された外側表面である。支持体114は、それを通って延在する多くのガイド穴144を有する。取り外し可能なドリルブッシング146は各ガイド穴144内に固定される。以下に更に詳細に記載されるように、取り外し可能なドリルブッシング146は、外科手術に使用するためにピンガイド100に設置され、次いでピンガイド100から取り外され得る。ピンガイド100は、それが使用される患者についてカスタマイズされ、その単回使用後に廃棄され得るのに対して、取り外されたドリルブッシング146は、殺菌され、後続の外科手術で再使用され得る。
【0058】
図9に示すように、支持体114の骨に面する表面140は実質的に平滑である。他の実施形態において、骨に面する表面140は、対応する形状を有する患者の大腿骨18の遠位端16の一部を受容するよう構成されたネガ形状を含み得ることが理解されよう。そのような実施形態において、骨に面する表面140のネガ形状は、プロテーゼ係合表面120のネガ形状124と組み合わせることにより、ピンガイド100を、予め決定された固有の位置及び向きで、患者の大腿骨18に配置することが可能になる。
【0059】
上述のように、一対の着脱可能ドリルブッシング146が、ピンガイド100に取り付けられ得る。
図8に示すように、各着脱可能ドリルブッシング146は、その中を通って延在する細長い孔148を含む。孔148はドリルを受容するような寸法であり、これによってガイドピン102の設置の前に、患者の大腿骨が予めドリルされ得る。図示の実施形態において、孔148の各端部は皿頭である。各着脱可能ドリルブッシング146は更に、外科医の指で握れる形状にされたヘッド150を含む。ドリルブッシングヘッド150上の皿頭開口部は、ドリル及びガイドピン102の孔148への挿入を容易にするための引き込みとして機能する。
【0060】
着脱可能ドリルブッシング146のポスト152は、ヘッド150から延在し、かつその外面上に形成された固定フランジ154を含む。固定フランジ154が使用されて、ピンガイド100のガイド穴144のうちの1つの中にポスト152を固定する。具体的には、
図10に示すように、固定スロット156は、ガイド穴144のそれぞれの近位のピンガイドの支持体114に形成される。図示の実施形態において、着脱可能なドリルブッシング146と固定スロット156が、カムロック配列を利用して、ブッシング146を支持体114に固定する。
【0061】
図9に示すように、固定スロット156は、ガイド穴144の反対側に配置された2本の細長いチャネル158と、支持体114内に形成された環状凹部160と、を含む。チャネル158の外端は、支持体114の外面142に開き、チャネル158の内端は、環状凹部160に向かって開いている。肩部162は、固定スロットの環状凹部160の外側を画定する。図示の実施形態において、肩部162は角度付きのカム面として具体化される。以下に記載のように,取り外し可能なドリルブッシング146の固定フランジ154は、カム面を係合し、取り外し可能なドリルブッシング146をピンガイド100に固定する。
【0062】
固定フランジ154は、そのポスト152の反対側から外向きに延在する一対のタブ164として具体化される。タブ164は、ピンガイドの固定スロット156の対応するチャネル158内に受容されるような寸法であり、かつそのように位置決めされる。とりわけ、取り外し可能なドリルブッシング146をピンガイド100に固定するために、タブ164のそれぞれはまず、チャネル158のうちの1つと揃えられ、その後チャネル158内に前進させられる。タブ164が、肩部162を通過するのに十分遠いチャネル158内に前進されたとき、取り外し可能なドリルブッシング146のヘッド150は、約90°回転され、これによってタブ164を回転させることができる。タブ164のかかる回転は、チャネル158との整列からタブを取り外し、これによって環状凹部160内にタブ164が把持される。そのような回転によって更に、タブ164のカム面166が、肩部162のカム面と係合して、取り外し可能なドリルブッシング146をピンガイド100に固定する。
【0063】
取り外し可能なドリルブッシング146をピンガイド100から取り外すために、取り外し可能なドリルブッシング146のヘッド150は、タブ164がチャネル158と揃う位置まで、配置中にそれが回転された方向と反対に回転されてもよい。いったんタブ164がかかる方式で整列されると、取り外し可能なドリルブッシング146のポスト152は、ガイド穴144から除去されてもよく、これによって取り外し可能なドリルブッシング146をピンガイド100から外す。
【0064】
他の実施形態において、着脱可能ドリルブッシング146と固定スロット156は、他の固定配列を利用して、ブッシング146を支持体114に固定できることが、理解されよう。例えば、ブッシング146は、固定スロット156にねじ係合する外側ねじを含み得る。
【0065】
ここで
図11〜14を参照して、患者共通の遠位切断ブロック104が、別のカスタマイズされた患者別整形外科用手術器具108と共に示されている。図示の実施形態において、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具108は、アライメントガイド又はブラケット108として具体化されており、これが、カスタマイズ位置のガイドピン102と係合して、遠位切断ブロック104を、予め計画された位置及び向きに配置する。
図11に示されているように、遠位切断ブロック104は、遠位切断ブロック104が配置されたときに大腿骨18の前方表面に対向する後方側壁170を含む。遠位切断ブロック104はまた、後方側壁170の反対側に配置される前方側壁172を含む。数多くのガイドピン穴174が、側壁170、172を通って延在する。図示の実施形態において、遠位切断ブロック104は、異なる4対のガイドピン穴174を含む。
【0066】
遠位切断ブロック104は、患者の大腿骨18の遠位端16の切除をガイドするのに使用することができる、たくさんの遠位切断ガイド176、178、180を含む。図示の実施形態において、各切断ガイド176は、把持された切断ガイドとして具体化され(すなわち、中に鋸刃を把持するために全ての側面が閉じている)、内側/外側方向に延在する細長いスロットを含む。
図11に示すように、遠位切断ブロック104は、側壁170、172を通って延在する3つの遠位切断ガイド176、178、180を有する。各遠位切断ガイドは、切除面182を画定するが、これは、遠位切断ブロック104がその上に配置されるとき、患者の大腿骨18の遠位端16を通って延在する。各遠位切断ガイド176、178、180は、外科用鋸の刃(図示なし)又はその他の切断器具を受容し、整形外科手術中に患者の大腿骨の遠位表面を切除するように鋸刃を向ける、大きさ及び形状を有する。このようにして、切断ガイド176、178、180は、患者の大腿骨の切除の際に、より具体的には、患者の大腿骨18の遠位表面の切除の際に、整形外科医が使用することができる。切断ガイド176、178、180は患者の大腿骨の遠位表面を切除するのに使用されるため、各切断ガイドにより除去される分量は、整形外科用補正プロテーゼのジョイントラインの位置に影響する。
【0067】
例えば、切断ブロック104の切断ガイド176は、ベースライン又は「ゼロ」設定である。整形外科用補正プロテーゼのジョイントラインの引き上げ(又はプロテーゼ増強コンポーネントの使用)を外科医が望む場合、ゼロ設定の使用により除去されるよりも多くの骨を、大腿骨18の遠位端16から除去することができる。これを行うには、外科医は、切断ガイド178を使用することができ、これは図示の実施形態において、切断ガイド176から約4ミリメートル間隔をあけて離れている。切断ガイド178はよって、図示の実施形態において、「+4mm」設定である。外科医が、更に多くの骨を除去したい(したがって、ジョイントラインを更に引き上げたい)と考える場合、外科医は、切断ガイド180を使用することができ、これは、切断ガイド176から約4ミリメートル間隔をあけて離れており、よって、「+8mm」設定である。他の実施形態では、遠位切断ブロック104は、4ミリメートル超又はそれ未満の量で離隔配置され得る、任意の数の切断ガイドを含んでよい。
【0068】
上述のように、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具108(すなわち、アライメントブラケット108)は、予め計画された位置及び向きに切断ブロック104を配置するために、遠位切断ブロック104及びカスタマイズ位置のガイドピン102に係合するよう構成される。図示の実施形態において、アライメントブラケット108は、遠位切断ブロック104の切断ガイド176、178、180のうち1つの受容するよう構成されたガイドピン102及び取り付けフランジ192に係合するよう構成された、L字型本体190を有する。アライメントブラケット108は、例えば、プラスチック又は樹脂材料などの材料から形成され得る。いくつかの実施形態において、アライメントブラケット108は、光硬化性又はレーザー硬化性樹脂から形成され得る。特定の一実施形態において、アライメントブラケット108は、迅速プロトタイプ製作プロセスを使用して、Vero樹脂から形成される。他の実施形態において、アライメントブラケット108が他の材料から形成され得ることが理解されよう。例えば、別の特定の実施形態において、アライメントブラケット108は、Ultem樹脂等のポリイミド熱可塑性樹脂から形成される。本明細書に記載の図示の実施形態において、アライメントブラケット108はモノリシックの構造体として具体化される。
【0069】
図12に示されるように、アライメントブラケット108の本体190は、前方アーム194、及び前方アーム194から延在する内側アーム194を含んでいる。前方アーム194は、遠位切断ブロック104に面する内面198と、その内面198に相対して配置された外面200と、を有する。内面198は、遠位切断ブロック104の対応する形状に合致するよう形成された、ネガ形状202を含む。図示の実施形態において、アライメントブラケット108の形状202は、遠位切断ブロック104の前方側壁172の湾曲した部分に合致するよう湾曲している。
【0070】
アライメントブラケット108の取り付けフランジ192は、前方アーム194の内面198に取り付けられている底面204と、底面204から離間している先端206と、を有する。
図13に示されているように、取り付けフランジ192は、一対の実質的に平坦な表面210と212との間に画定される厚さ208を有する。図示の実施形態において、厚さ208は、遠位切断ブロック104の切断ガイド176、178、180の各開口部214よりもわずかに大きい。こうすることで、アライメントブラケット108のフランジ192が切断ガイド176、178、180のうち1つに挿入されると、表面210、212が切断ガイドの壁と係合して、その中にフランジ192を保持し、これによってアライメントブラケット108を切断ブロック104に固定する。他の実施形態において、取り付けフランジ192及び/又は本体190は、切断ブロック104をアライメントブラケット108に固定するためのタブ、突起、又はその他の形状を有する。
【0071】
図12〜13に示されているように、アライメントブラケット108の内側アーム196は、前方アーム194から後方に延在している。内側アーム196は、アライメントブラケット108が切断ブロック104に固定されていて、切断ブロック104が患者の大腿骨18に対して適切に配置されているときに、ガイドピン102に係合するような寸法になっている。
図12に示すように、内側アーム部分196は、前方アーム194に取り付けられた前方端216、及び後方端218を有する。内側アーム196は、端216と218との間に画定される長さ220を有するが、これは、内側アーム196が一対のカスタマイズ位置のガイドピン102に係合できるよう選択され、これは、患者の大腿骨18の遠位端16の前後幅に対応する。
【0072】
図13に示すように、内側アーム196は、ガイドピン102に係合するよう構成された下表面222と、下表面222に相対して配置された上表面224と、を有する。図示の実施形態において、表面222、224は、実質的に平坦である。アライメントブラケット108は、下表面222と、取り付けフランジ192の下表面210との間に画定される距離226を有する。距離226は、整形外科用補正プロテーゼのジョイントラインの計画位置に基づいて、特定の患者用にカスタマイズされる。整形外科用補正プロテーゼのジョイントラインの高さが高いほど(すなわち、大腿骨の遠位端16でより大きな遠位切断が計画されているとき)、距離226は小さくなる。例えば、切断ブロック104の切断ガイド180(すなわち、「+8mm」設定)を使用してジョイントラインを上げたい場合、距離226は、取り付けフランジ192を下表面222に近づけて配置するよう設定することができ、これによってフランジ192が切断ガイド180に受容され得る。
【0073】
他の実施形態において、整形外科用補正プロテーゼのジョイントラインを下げたい場合があり得る。そのような実施形態において、距離226をより大きくして、大腿骨18の遠位端16から除去される材料を少なくすることができる。よって、切断ブロックの切断ガイド176(すなわち「ゼロ」設定)を使用したい場合、距離226は、取り付けフランジ192を下表面222からより離れた位置に設定することができる。そのようにして、フランジ192は切断ガイド176に受容され、アライメントブラケット108を切断ブロック104に固定することができる。
【0074】
図14に示されているように、アライメントブラケット108は、取り付けフランジ192の位置を示すインジケータ228を有する。図示の実施形態において、インジケータ228は、前方アーム194から延在するタブ又はポインタ230である。アライメントブラケット108が切断ブロック104に固定されているとき、ポインタ230は、取り付けフランジ192が受容されている切断ガイドスロットを示す。
【0075】
ここで
図15〜16を参照して、患者共通の4−in−1切断ブロック106が、別のカスタマイズされた患者別整形外科用手術器具110と共に示されている。図示の実施形態において、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具110は、アライメントガイド110として具体化されており、これが、カスタマイズ位置のガイドピン102と係合して、4−in−1切断ブロック106を、予め計画された位置及び向きに配置する。
図15に示すように、4−in−1切断ブロック106は、外面240と、外面240に相対して配置される骨係合表面242と、表面240と242との間に延在する内側側壁244と、内側側壁244の反対側に配置された外側側壁246と、を有する本体238を含む。図示の実施形態において、4−in−1切断ブロック106の骨係合表面242は、大腿骨18の遠位表面に対向している。
【0076】
4−in−1切断ブロック106は、その前端250付近に形成された前方切断ガイド248、及び後端254付近に形成された後方切断ガイド252を有する。前方切断ガイド248は、内側/外側方向に延在する細長いスロットであり、把持された切断ガイドとして具体化される(すなわち、中に鋸刃を把持するために全ての側面が閉じている)。前方切断ガイド248は、4−in−1切断ブロック106の全厚さを通って延在する。すなわち、前方切断ガイド248は、切断ブロックの外面240とその骨係合面242を通って延在する。切断ガイド248は、切除面256を画定し、これは、切断ブロック106がその上に配置されるとき、患者の大腿骨18の遠位端16を通って延在する。前方切断ガイド248は、外科用鋸の刃(図示なし)又はその他の切断器具を受容し、整形外科手術中に患者の大腿骨の前面を切除するように鋸刃を配向する、大きさ及び形状を有する。
【0077】
各後方切断ガイド252は、内側/外側方向に延在する一対の細長いスロットを含む。このそれぞれが、部分的に把持された切断ガイドとして具体化されている(すなわち、それぞれが中に鋸刃を把持するために3つの側面が閉じている)。各後方切断ガイド252は、4−in−1切断ブロック106の全厚さを通って延在する。すなわち、後方切断ガイド252は、切断ブロックの外面240とその骨係合面242を通って延在する。各切断ガイド252は、切除面258を画定するが、これは、切断ブロック106がその上に配置されるとき、患者の大腿骨18の遠位端16を通って延在する。各切断ガイド252は、外科用鋸の刃(図示なし)又はその他の切断器具を受容し、整形外科手術中に患者の大腿骨の後面を切除するように鋸刃を配向する、大きさ及び形状を有する。
【0078】
4−in−1切断ブロック106は、その中間付近に形成された一対の面取り切断ガイド260、262を有する。具体的には、面取り切断ガイド260、262は、前方切断ガイド248の後方かつ後方切断ガイド252の前方に位置する。
図15に示すように、面取り切断ガイド260は、内側/外側方向に延在する一対の細長いスロットを含む。面取り切断ガイド260は、部分的に把持された切断ガイドとして具体化されている(すなわち、中に鋸刃を把持するために3つの側面が閉じている)。面取り切断ガイド260は、4−in−1切断ブロック106の全厚さを通って延在する。すなわち、面取り切断ガイド260は、切断ブロックの外面240とその骨係合面242を通って延在する。面取り切断ガイド260は、切除面264を画定するが、これは、切断ブロック106がその上に配置されるとき、患者の大腿骨18の遠位端16を通って延在する。面取り切断ガイド260は、外科用鋸の刃(図示なし)又はその他の切断器具を受容し、整形外科手術中に患者の大腿骨の前側面取り切断を行うように鋸刃を配向する、大きさ及び形状を有する。
【0079】
同様に、面取り切断スロット262は、内側/外側方向に延在する一対の細長いスロットを含む。面取り切断ガイド262は、部分的に把持された切断ガイドとして具体化されている(すなわち、中に鋸刃を把持するために3つの側面が閉じている)。面取り切断ガイド262は、4−in−1切断ブロック106の全厚さを通って延在する。すなわち、面取り切断ガイド262は、切断ブロックの外面240とその骨係合面242を通って延在する。面取り切断ガイド262は、切除面266を画定するが、これは、切断ブロック106がその上に配置されるとき、患者の大腿骨18の遠位端16を通って延在する。面取り切断ガイド262は、外科用鋸の刃(図示なし)又はその他の切断器具を受容し、整形外科手術中に患者の大腿骨の後側面取り切断を行うように鋸刃を配向する、大きさ及び形状を有する。
【0080】
4−in−1切断ブロック106は更に、4−in−1切断ブロック106の本体238に対して可動であるブッシング270を含む。
図15に示すように、ブッシング270は、前後方向に延在する細長いスロット272内に配置される。細長いスロット272は、4−in−1切断ブロック106の全厚さを通って延在する。すなわち、細長いスロット272は、切断ブロックの外面240とその骨係合面242を通って延在する。ブッシング270は、スロット272内に受容される寸法の円筒形本体274を有し、スロット272の前端と後端との間でスロット272の長手方向軸276に沿って動くことができる。ブッシング270は更に、円筒形本体274を通って延在する孔278を含む。以下でより詳細に記載されるように、孔278は、骨髄内シャフト310に受容される寸法である(
図29参照)。4−in−1切断ブロック106は更に、スロット272の軸276に沿った任意の位置でブッシング270をロックするよう構成されたロック機構(図示なし)を含む。他の実施形態において、可動ブッシング270を除去することができ、ブッシング270をブロック106と共に一体成形するか、又は他の方法でブロックに固定できることが、理解されよう。
【0081】
上述のように、カスタマイズされた患者別整形外科用手術器具110(すなわち、アライメントガイド110)は、予め計画された位置及び向きに切断ブロック106を配置するために、4−in−1切断ブロック106及びカスタマイズ位置のガイドピン102に係合するよう構成される。図示の実施形態において、アライメントガイド110は、ガイドピン102に係合するよう構成された本体280と、本体280から外側に延在する一対のポスト282、284とを含む。アライメントガイド110は、例えば、プラスチック又は樹脂材料などの材料から形成され得る。いくつかの実施形態において、アライメントガイド110は、光硬化性又はレーザー硬化性樹脂から形成され得る。特定の一実施形態において、アライメントガイド110は、迅速プロトタイプ製作プロセスを使用して、Vero樹脂から形成される。他の実施形態において、アライメントガイド110が他の材料から形成され得ることが理解されよう。例えば、別の特定の実施形態において、アライメントガイド110は、Ultem樹脂等のポリイミド熱可塑性樹脂から形成される。本明細書に記載の図示の実施形態において、アライメントガイド110はモノリシックの構造体として具体化される。
【0082】
ガイド110の本体280は、骨に面する表面286、及びこの骨に面する表面286に対向する外面288を含む。図示の実施形態において、骨に面する表面は、本体280の外側表面であり、及び外面288は、内側表面である。アライメントガイド110は、本体280の全厚さを通って延在する一対のガイドピン穴290を有する。すなわち、各穴290は、切断ブロックの外面288及び骨に面する表面286を通って延在する。ガイドピン穴290は、カスタマイズ位置のガイドピン102を受容するような寸法及び配置にされ、これにより、本体280は、整形外科手術中にガイドピン102上に配置され得る。
【0083】
図16に示すように、アライメントガイド110のポスト282は、本体280から先端292まで延在する。同様に、ガイド110のポスト284は、本体280から先端294まで延在する。先端292、294は、それぞれブロックに面する表面296又はブロック係合表面298を有し、これらは4−in−1切断ブロック106の内側側壁244に係合するよう構成されている。下記で詳しく述べるように、ポスト282、284は協働して切断ブロック106の大腿骨回転を画定し、これにより予め計画された補正大腿骨コンポーネントの回転を画定する。
【0084】
アライメントガイド110は更に、4−in−1切断ブロック106の予め計画された前後位置を示すマーキング300を含む。
図16に示すように、マーキング300は、本体280の前面304から外側に延在している細長いタブ302として具体化されている。下記で詳しく述べるように、アライメントガイド110がカスタマイズ位置のガイドピン102上に配置され、切断ブロック106と係合しているとき、外科医は、面取り切断ガイド260、262の前方開口部306をマーキング300に合わせて、予め計画された前後位置に切断ブロック106を配置することができる。
【0085】
ここで
図17〜32を参照して、外科医はカスタマイズされた患者別大腿骨ピンガイド100を使用して、特定の患者のためにカスタマイズされている一対のガイドピン102を大腿骨18上の位置に設置することができる。カスタマイズされた患者別アライメントブラケット108は、患者共通の遠位切断ブロック104に固定され、カスタマイズ位置のピン102と係合して、患者の大腿骨18に対して固有の予め計画された向き及び位置に、遠位切断ブロック104を位置決めすることができる。この後、遠位切断ブロック104は、患者の大腿骨18の遠位表面を切除するために使用され得る。カスタマイズされた患者別アライメントガイド110は、患者共通の4−in−1切断ブロック106に固定され、カスタマイズ位置のピン102に取り付けられて、患者の大腿骨18に対して固有の予め計画された向き及び位置に、4−in−1切断ブロック106を位置決めすることができる。この後、4−in−1切断ブロック106は、患者の大腿骨18の前方、後方、及び面取り表面を切除するために使用され得る。かかる配置は、患者の骨格に対するガイドピン102の配置をカスタマイズすることによって、外科手術のある程度のカスタマイゼーションを可能にすると同時に、再利用可能な患者共通の切断ブロックの使用に関連してコストの利点を享受する。
【0086】
図17で示されるように、外科手術はカスタマイズされた患者別の外科用器具100を準備テーブル又は手術室の他の部分上で組み立てることから始まる。そうするためには、外科医はまず、外科医によって治療される特定の患者のために製造された、カスタマイズされた患者別のピンガイド100を入手する。ピンガイド100、アライメントブラケット108、及びアライメントガイド110は、
図1〜7に関連して上述されたように製作される。いったんカスタマイズ患者特有のピンガイド100が入手されると、外科医は次いで一対の殺菌済みの取り外し可能なドリルブッシング146をとり、それらをピンガイド100に設置する。具体的には、外科医は前の処置(殺菌された後)から一対の取り外し可能なドリルブッシング146を、又は(製造メーカーの殺菌パッケージから)新しいドリルブッシング146を入手し得る。次に、外科医はドリルブッシング146のうちの1つのポスト152を、ピンガイド100に形成されたガイド穴144のうちの1つに挿入し、ドリルブッシング146のヘッド150を回転させ、これによって、上述のように、タブ164が、環状凹部160内に把持される。外科医は次いで、他のドリルブッシング146を入手し、同様な方式で、ピンガイドの他のガイド穴144にそれを設置する。
【0087】
図18〜19に示されるように、組み立てられた、カスタマイズされた患者別ピンガイド100は次いで、患者の大腿骨18の遠位端16にある一次大腿骨プロテーゼコンポーネント14に連結される。ピンガイド100のプロテーゼ係合表面120はネガ形状124を含んでいるため、ピンガイド100は、予め計画された固有の位置及び向きにある一次大腿骨プロテーゼコンポーネント14(したがって、患者の大腿骨18)に連結される。
図19に示されるように、一次大腿骨コンポーネント14の内側顆126は、ピンガイド100の本体112内に把持される。そのように連結されているとき、アーム116、118が患者の大腿骨18の遠位端16の周りに延在して、患者の大腿骨18の内側に支持体114を配置する。
図18に示すように、ドリルブッシング146の細長い孔148は、患者の大腿骨18の内側表面から離間して内側/外側方向に延在する。
【0088】
外科医は次いでガイドピン102を設置する。そうするために、外科医はまず、ドリルブッシング146のそれぞれのガイド穴148を通じてドリル(図示せず)を前進させることによって、患者の大腿骨に案内穴をドリルする。外科医は次いで、ドリルブッシング146のそれぞれのガイド穴148を通じてガイドピン102を、ドリルされた案内穴に挿入する。
図20に示すように、ガイドピン102は、カスタマイズされた患者別ピンガイド100の使用によって作られた、カスタマイズされた患者別位置において患者の大腿骨に設置される。ガイドピン102がタッピングネジである場合、患者の大腿骨の事前のドリルは不要であることが理解されよう。
【0089】
図21に示されるように、いったんガイドピン102が、カスタマイズされた患者別位置において、ピンガイド100の使用によって、患者の大腿骨18に設置されると、ドリルブッシング146は取り外される。具体的には、外科医は最初に、着脱可能ドリルブッシング146のヘッド150を握り、これを、設置時の回転とは逆方向に回転させる。外科医は、タブ164がチャネル158に揃う位置までヘッド150を回転させる。いったんタブ164がかかる方式で整列されると、取り外し可能なドリルブッシング146のポスト152は、ガイド穴144から除去されてもよく、これによって取り外し可能なドリルブッシング146をピンガイド100から外す。外科医は次いで、同様の方式でピンガイドの他のガイド穴144から他のドリルブッシング146を取り外す。図示の実施形態において、ドリルブッシング146は廃棄されず、他の患者のために製造された、カスタマイズされた患者別ピンガイド100と組み合わせて後続の外科手術において使用するために保持及び殺菌される。
【0090】
図22及び23に示されるように、ドリルブッシング146が取り外された状態で、次にピンガイド100は、一次大腿骨コンポーネント14、したがって患者の大腿骨18から外され、取り出される。そうすることによって、ガイドピン102は、ピンガイド100の使用によって作られた、カスタマイズされた患者別位置において患者の大腿骨18に取り残される。外科医は次に、管リーミングツール(図示なし)又はブローチ(図示なし)を患者の大腿骨18の遠位端16に挿入して、骨髄内管を準備することができる。これらの術式を行う1つの代表的な方法が、DePuy Orthopaedics,Inc.から2008年に出版された「SIGMA(登録商標) Revision and M.B.T.Revision Tray Surgical Technique」に示され記述されており、これは参照により明示的に本明細書に組み込まれる。外科医は次に、
図24に示すように、骨髄内管内に骨髄内シャフト310を配置することができる。
【0091】
図25に示されるように、外科医は次に、大腿骨配置デバイス312をシャフト310に取り付けることができる。アルゴリズム10で作成された手術計画を用いて、外科医は、配置デバイス312を用いて、予め計画された外反角及び左右の膝指標を設定することができる。外科医は次に、
図26に示すように、遠位切断ブロック104を配置デバイス312上に配置することができる。
【0092】
外科医は、切断ブロック104が配置デバイス312上に配置される前又は後に、遠位切断ブロック104にアライメントブラケット108を取り付けることができる。そのために、取り付けフランジ192は、
図26に示すように、遠位切断ブロック104の望ましい切断ガイドに揃えられる。図示の実施形態において、望ましい切断ガイドとは、遠位切断ブロック104の「+8mm」設定の切断ガイド180である。アライメントブラケット108は次に、切断ブロック104に向かって動かされ、取り付けフランジ192の先端206を、切断ガイド180の前方開口部214内に前進させ、ブロック104の前方側壁172を、ブラケット108のネガ形状202内に配置することができる。上述のように、取り付けフランジ192の表面210、212は、切断ガイド180の壁と係合させて、その中にフランジ192を保持し、これにより、
図27に示すように、アライメントブラケット108を切断ブロック104に固定する。
【0093】
骨髄内シャフト310は、患者の大腿骨18の解剖学的軸314に沿って延在する。配置デバイス312(したがって、切断ブロック106)は次に、患者の大腿骨18の遠位端16に向かい、シャフト310(したがって、軸314)に沿って前進させることができる。アライメントブラケット108の下表面222がカスタマイズ位置のガイドピン102に係合すると、遠位切断ブロック104が、患者の大腿骨18に対して予め計画された位置に配置される。
図28に示すように、追加のガイドピン316を遠位切断ブロック104のガイドピン穴174内に前進させて、ブロック104を患者の大腿骨18の遠位端16に固定することができる。
【0094】
ブロック104が大腿骨18に固定されているとき、アライメントブラケット108は除去することができる。外科医は、遠位切断ブロック104を使用して、患者の大腿骨18の遠位表面を切除することができる。そうするために、外科医は切断ガイド180内に骨鋸刃を前進させ、大腿骨を切断する。上述のように、遠位切断ブロック104で除去される骨の量は、整形外科用補正プロテーゼのジョイントラインの最終位置又は高さを決定する。必要な場合、外科医は、ガイドピン穴の別の一対を使用することにより、ガイドピン316上の切断ブロック104を再配置し、第2の切断を実施し、更に骨を取り除いてもよい。いったん患者の大腿骨18の遠位表面が切断されると、外科医は次いで外科手術を続けることができる。
【0095】
図29に示されるように、配置デバイス312、遠位切断ブロック104、及び追加のガイドピン316は、遠位切断を実施した後に除去することができる。そのためには、カスタマイズ位置のガイドピン102が患者の大腿骨18内に残される。外科医は次に、4−in−1切断ブロック106を骨髄内シャフト310に配置することができる。そのためには、外科医は、ブロックのブッシング270の孔278をシャフト310に揃え、ブロック106を患者の大腿骨18に向かって、骨係合表面242が患者の大腿骨18の遠位表面に接触するまで前進させる。
【0096】
外科医は、ガイドピン穴290をガイドピン102に揃え、ガイド110の本体280をガイドピン102の上に前進させることにより、アライメントガイド110を、カスタマイズ位置のガイドピン102上に設置することができる。
図30に示すように、アライメントガイド110がガイドピン102に沿って前進し、ポスト282、284の先端292、294が、切断ブロック106の内側側壁244に係合する。ガイド110の先端292、294と、ブロック106のガイド110及び側壁244との間の係合により、ブロック106が、
図31の矢印318で示される方向に、シャフト310を中心に回転する。側壁244はこれにより、先端292、294のブロック係合表面296、298と同一面になる。シャフト310を中心としたブロック106の回転量は、補正大腿骨コンポーネントの予め計画された大腿骨回転に対応する。
【0097】
外科医は次に、シャフト310(したがって大腿骨18)に対して、
図31の矢印320に示される前後方向に、4−in−1切断ブロック106を動かすことができる。そのために、外科医はブロック106を握り、ブッシング270に対してブロック106を動かす。面取り切断ガイド260、262の前方開口部306がアライメントガイド110のマーキング300に揃ったとき、切断ブロック106は予め計画された前後位置に配置されており、この位置でロックすることができる。次に、アライメントガイド110を除去することができ、外科医は切断ブロック106を使用して、患者の大腿骨18の前方、後方、及び面取り表面を切除することができる。そのために、外科医は骨鋸刃を、前方切断ガイド248、前方面取りガイド260、後方面取りガイド262、及び望ましい後方切断ガイド252内に前進させ、大腿骨を切断する。
図32に示すように、患者の大腿骨18の遠位端16が切断されると、外科医は次いで、整形外科用補正プロテーゼを埋め込む外科手術を続けることができる。
【0098】
ここで
図33〜35を参照して、大腿骨ピンガイド(以下、ピンガイド400)の別の実施形態が示される。ピンガイド100と同様、ピンガイド400は、患者の大腿骨18の遠位端16、及び一次膝関節プロテーゼ12の一次大腿骨プロテーゼコンポーネント14に連結されるよう構成されている。大腿骨ピンガイド400は、特定の患者のために予め計画されカスタマイズされている大腿骨18の位置に、一対のガイドピン102を設置するために使用される。図示の実施形態において、ピンガイド400は、患者の大腿骨18の遠位端16の前方側にガイドピン102が挿入されるように構成される。大腿骨ピンガイド400は切断ガイドを欠いている。よって、ピンガイド100と同様、補正大腿骨プロテーゼコンポーネントを受容するように患者の大腿骨18の遠位端16を切除及び成形するには、他の切断ブロックが必要である。
【0099】
図33に示すように、ピンガイド400は、一次膝関節プロテーゼ12の一次大腿骨プロテーゼコンポーネント14に係合するよう構成された本体402を含む。ピンガイド400は、プラスチック又は樹脂材料などの材料から形成され得る。いくつかの実施形態において、ピンガイド400は、光硬化性又はレーザー硬化性樹脂から形成されてもよい。特定の一実施形態において、ピンガイド400は、迅速プロトタイプ製作プロセスを使用して、Vero樹脂から形成される。他の実施形態において、ピンガイド400が、他の実施形態において他の材料から形成され得ることが理解されよう。例えば、別の特定の実施形態において、ピンガイド400は、Ultem樹脂等のポリイミド熱可塑性樹脂から形成される。本明細書に記載の図示の実施形態において、ピンガイド400はモノリシックの構造体として具体化される。
【0100】
ピンガイド400の本体402は、後方表面404、及びこの後方表面404の反対の外面406を含む。
図34に示されるように、後方表面404は、プロテーゼに面する表面又は係合表面408と、骨に面する表面又は係合表面410と、を含む。プロテーゼ係合表面408は、対応する形状を有する一次大腿骨コンポーネント14の内側顆126の一部を受容するよう構成されたネガ形状412と、対応する形状を有する一次大腿骨コンポーネント14の外側顆416(例えば、
図37参照)の一部を受容するよう構成されたネガ形状414と、を含む。図示の実施形態において、ピンガイド400のネガ形状412、414は、外側顆416の内側顆126の湾曲した顆表面32、34に合致するよう成形された、それぞれ湾曲した内面418、420を含む。
【0101】
ピンガイド400の骨係合表面410は、対応する形状426を有する患者の大腿骨18の一部を受容するよう構成されたネガ形状424を含む。図示の実施形態において、ネガ形状424は、患者の大腿骨18の対応する骨形状426の、対応する複数の隆起及び陥凹に合致する、固有の複数の陥凹及び隆起428を含み得る。同様に、骨係合表面410のネガ形状424は、プロテーゼ係合表面408のネガ形状412、414と組み合わせることにより、
図35に示すように、ピンガイド100を、予め決定された固有の位置及び向きで、患者の大腿骨18に配置することが可能になる。
【0102】
ピンガイド400は更に、本体402に固定される一対の金属製ブッシング430を有する。
図33〜35に示すように、各ブッシング430は、本体402の厚さを通って延在する。すなわち、各ブッシング430は、ピンガイドの後方表面404と外面406を通って延在する。
図35に示すように、各ブッシング430は、中を貫通して延在する細長い孔432を含む。孔432はドリルを受容するような寸法であり、これによってガイドピン102の設置の前に、患者の大腿骨が予めドリルされ得る。各孔432は更に、
図35に示すように、対応するガイドピン102を受容するような寸法である。他の実施形態において、ピンガイド400は、大腿骨ピンガイド100に関して上述したものと同様の、着脱可能ドリルブッシングと共に使用するよう構成され得る。
【0103】
本明細書に記載の金属コンポーネントは、多くの異なる仕方でポリマー製のピンガイドに固定され得る。例えば、金属コンポーネントをポリマー製のピンガイドにオーバーモールドするか、別の何らかの方法で、ピンガイドの成形プロセスの一環としてそれに固定することができる。また、金属製部品は、ピンガイドに溶接するか、又は接着剤でピンガイドに固定されてもよい。金属コンポーネントを固定する他の方法もまた使用され得る。
【0104】
ここで
図36〜37を参照して、大腿骨ピンガイド(以下、ピンガイド500)の別の実施形態が示される。ピンガイド100及び400と同様、ピンガイド500は、患者の大腿骨18の遠位端16、及び一次膝関節プロテーゼ12の一次大腿骨プロテーゼコンポーネント14に連結されるよう構成されている。大腿骨ピンガイド500は、特定の患者のために予め計画されカスタマイズされている大腿骨18の位置に、一対のガイドピン102を設置するために使用される。図示の実施形態において、ピンガイド500は、患者の大腿骨18の遠位端16の外側にガイドピン102が挿入されるように構成される。
図36に示すように、大腿骨ピンガイド500は、患者の大腿骨18の切除に使用可能な切断ガイド502を含む。
【0105】
図36に示すように、ピンガイド500は、患者の大腿骨18に係合するよう構成された本体504と、一次膝関節プロテーゼ12の一次大腿骨プロテーゼコンポーネント14に係合するよう構成されたアーム506と、を含む。ピンガイド500は、プラスチック又は樹脂材料などの材料から形成され得る。いくつかの実施形態において、ピンガイド500は、光硬化性又はレーザー硬化性樹脂から形成されてもよい。特定の一実施形態において、ピンガイド500は、迅速プロトタイプ製作プロセスを使用して、Vero樹脂から形成される。他の実施形態において、ピンガイド500が、他の実施形態において他の材料から形成され得ることが理解されよう。例えば、別の特定の実施形態において、ピンガイド500は、Ultem樹脂等のポリイミド熱可塑性樹脂から形成される。本明細書に記載の図示の実施形態において、ピンガイド500はモノリシックの構造体として具体化される。
【0106】
ピンガイド500の本体504は、骨に面する表面又は骨係合表面508、及びこの骨係合表面508に対向する外面510を含む。ピンガイド500の骨係合表面508は、対応する形状514を有する患者の大腿骨18の一部を受容するよう構成されたネガ形状512を含む(
図37参照)。図示の実施形態において、ネガ形状512は、患者の大腿骨18の対応する骨形状514の、対応する複数の隆起及び陥凹に合致する、固有の複数の陥凹及び隆起516を含み得る。ピンガイド500は更に、本体504に固定されるたくさんの金属製ブッシング518を有する。
図36〜37に示すように、各ブッシング518は、本体504の厚さを通って延在する。すなわち、各ブッシング518は、ピンガイドの骨係合表面508と外面510を通って延在する。
図37に示すように、各ブッシング518は、中を貫通して延在する細長い孔520を含む。孔520はドリルを受容するような寸法であり、これによってガイドピン102の設置の前に、患者の大腿骨が予めドリルされ得る。各孔518は更に、
図37に示すように、対応するガイドピン102を受容するような寸法である。他の実施形態において、ピンガイド500は、大腿骨ピンガイド100に関して上述したものと同様の、着脱可能ドリルブッシングと共に使用するよう構成され得る。
【0107】
本体504は、その遠位端524付近に形成された切断ガイドスロット522を有する。切断ガイドスロット522は、前後方向に延在する細長いスロットである。切断ガイドスロット522は、本体504の全厚さを通って延在し、よって、骨係合表面508と外面510との両方に開口している。
図36に見られるように、金属製切断ガイド502は、本体504の切断ガイドスロット522内に固定されている。切断ガイド502は、切断ガイドスロット522に並んで配置され、把持された切断ガイドとして具体化されており(すなわち、中に鋸刃を把持するために全ての側面が閉じている)、これには、実質的に平坦な切断ガイド表面526が含まれる。切断ガイド502は、外科用鋸の刃(図示なし)又はその他の切断器具を受容し、整形外科手術中に患者の大腿骨の遠位表面を切除するように鋸刃を配向する、大きさ及び形状を有する。図示の実施形態において、切断ガイド502は、外科医が、患者の大腿骨に一次大腿骨プロテーゼコンポーネントがまだ取り付けられている状態で切除を開始できるように、配置される。
【0108】
図36に示すように、ピンガイド500のアーム506は、プロテーゼに面する表面又は係合表面530、及びこのプロテーゼに面する表面530に対向する外面532を含む。プロテーゼ係合表面530は、対応する形状を有する一次大腿骨コンポーネント14の外側顆416の一部を受容するよう構成された、ネガ形状534を含む。図示の実施形態において、ピンガイド500のネガ形状534は、外側顆416の湾曲した顆表面34に合致するよう成形された、湾曲した内面536を含む。同様に、骨係合表面508のネガ形状512は、プロテーゼ係合表面530のネガ形状534と組み合わせることにより、
図37に示すように、ピンガイド500を、予め決定された固有の位置及び向きで、患者の大腿骨18に配置することが可能になる。
【0109】
ここで
図38〜41を参照すると、本明細書に記載のカスタマイズされた患者別器具は、カスタマイズされた患者別頸骨ピンガイド600として具体化されてもよい。脛骨ピンガイド600は、埋め込まれた一次脛骨トレイ22、したがって患者の脛骨26に連結するよう構成される。以下に更に詳細に記載されるように、ピンガイド600は、特定の患者のために予め計画されカスタマイズされている脛骨26の位置に、一対のガイドピン102を設置するために使用される。図示の実施形態において、ピンガイド600は、患者脛骨26の近位端24の外側にガイドピン102が挿入されるように構成される。他の実施形態において、ピンガイド600は、患者脛骨26の内側又は前方にピン102が挿入されるよう構成され得ることが、理解されよう。大腿骨ピンガイド100と同様に、脛骨ピンガイド600は切断ガイドを欠いている。よって、補正脛骨プロテーゼコンポーネントを受容するように患者の大腿骨18の遠位端16を切除及び成形するには、他の切断ブロックが必要である。
【0110】
図38に示すように、ピンガイド600は、一次膝関節プロテーゼ12の一次脛骨トレイ22に係合するよう構成された本体612と、患者脛骨26の外側に連結するよう構成された支持体614と、を含む。ピンガイド600は、プラスチック又は樹脂材料などの材料から形成され得る。いくつかの実施形態において、ピンガイド600は、光硬化性又はレーザー硬化性樹脂から形成されてもよい。特定の一実施形態において、ピンガイド600は、迅速プロトタイプ製作プロセスを使用して、Vero樹脂から形成される。他の実施形態において、ピンガイド600が他の材料から形成され得ることが理解されよう。例えば、別の特定の実施形態において、ピンガイド600は、Ultem樹脂等のポリイミド熱可塑性樹脂から形成される。本明細書に記載の図示の実施形態において、ピンガイド600はモノリシックの構造体として具体化される。
【0111】
ピンガイド600の本体612は、プロテーゼ係合表面620と、このプロテーゼ係合表面620の反対側の外面622と、を含む。
図39に示すように、本体112のプロテーゼ係合表面620は、対応する形状を有する一次脛骨トレイ22のプラットフォーム626(
図38参照)の一部を受容するよう構成された、ネガ形状624を含む。図示の実施形態において、ピンガイド600のネガ形状624は、プラットフォーム626の湾曲した凸状表面630に合致するよう成形された、湾曲した内面628を含む。
【0112】
ピンガイド600は更に、脛骨トレイ22に成形されたステム孔634内に受容されるような寸法のシャフト632を含む。
図38に示すように、シャフト632は、本体612から延在する。シャフト632は、ピンガイド600が、脛骨トレイ22に対して固有の位置及び向きに配置されるように配置される。
【0113】
ピンガイド100の支持体614は、骨接触面又は骨に面する表面640、及びこの骨に面する表面640に対向する外面642を含む。
図40に示されるように、骨に面する表面640は、対応する形状646を有する患者脛骨26の一部を受容するよう構成されたネガ形状644を含む。図示の実施形態において、ネガ形状644は、患者脛骨26の対応する骨形状646の、対応する複数の隆起及び陥凹に合致する、固有の複数の陥凹及び隆起648を含み得る。骨に面する表面640のネガ形状644は、プロテーゼ係合表面620及びシャフト632のネガ形状624と組み合わせることにより、ピンガイド600を、予め決定された固有の位置及び向きで、患者脛骨26に配置することが可能になる。他の実施形態において、骨に面する表面640のネガ形状644は除去され得る。
【0114】
他の実施形態において、カスタマイズされた患者別ピンガイドは、一次脛骨プロテーゼコンポーネントの他の部分に係合するよう構成され得ることが理解されよう。例えば、ピンガイドは、一次脛骨トレイの後方縁の一部を受容するよう構成されたネガ形状を含み得る。他の実施形態において、ピンガイドは、一次脛骨トレイのロッキングフランジに係合するよう構成されたネガ形状を含み得る。
【0115】
ピンガイド600は更に、本体614に固定されるたくさんの金属製ブッシング650を有する。各ブッシング650は、本体614の厚さを通って延在する。すなわち、各ブッシング650は、ピンガイドの骨係合表面640と外面542を通って延在する。
図41に示すように、各ブッシング650は、中を貫通して延在する細長い孔652を含む。孔652はドリルを受容するような寸法であり、これによってガイドピン102の設置の前に、患者の頸骨が予めドリルされ得る。各孔652は更に、
図41に示すように、対応するガイドピン102を受容するような寸法である。他の実施形態において、脛骨ピンガイドは、大腿骨ピンガイド100に関して上述したものと同様の、着脱可能ドリルブッシングと共に使用するよう構成され得る。
【0116】
図面及び上記の説明において本開示を詳細に例証し説明してきたが、かかる例証及び説明は、例示であって特性を限定するものとは見なされないものとし、単なる例示的実施形態が図示されかつ説明されており、本開示の趣旨の範囲内にある全ての変更及び修正が保護されることを望むものであることを理解されたい。
【0117】
本開示は、本明細書において述べた方法、装置、及びシステムの様々な特徴に基づく複数の利点を有するものである。本開示の方法、装置、及びシステムの代替的実施形態は、本明細書に述べた特徴の全てを含むわけではないが、こうした特徴の利点の少なくとも一部から利益を享受するものである点に留意されたい。当業者であれば、本発明の1つ以上の特徴を取り入れた、特許請求の範囲において定義される本開示の趣旨及び範囲に包含される方法、装置、及びシステムの独自の実施を容易に考案することが可能である。
【0118】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
(i)第1表面、(ii)骨に面する表面、(iii)該第1表面及び該骨に面する表面の反対側に配置された第2表面、及び(iv)該第2表面と該骨に面する表面との間に延在するガイドピン穴を含む、カスタマイズされた患者別ガイドブロック(customized patient-specific guide block)を含み、
該第1表面は、プロテーゼコンポーネントの対応する形状に合致するよう成形された、カスタマイズされたプロテーゼ別ネガ形状(customized prosthesis-specific negative contour)を有し、該カスタマイズされたプロテーゼ別ネガ形状は、該プロテーゼコンポーネントの該対応する形状の凸表面に合致するよう成形された、凹表面を含む、外科用器具。
(2) 前記骨に面する表面が、前記ガイドブロックの外側表面を含み、前記第2表面が、前記ガイドブロックの内側表面を含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記プロテーゼコンポーネントが、大腿骨プロテーゼコンポーネントであって、該大腿骨プロテーゼコンポーネントの前記対応する形状の前記凸表面が、内側顆表面を含み、前記カスタマイズされたプロテーゼ別ネガ形状の前記凹表面が、内側凹表面を含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(4) 前記骨に面する表面が、前記ガイドブロックの後方表面を含み、前記第2表面が、前記ガイドブロックの前方表面を含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(5) 前記ガイドブロックの前記骨に面する表面が、患者の大腿骨の対応する骨形状に合致するよう成形された、カスタマイズされた患者別ネガ形状を有し、
該カスタマイズされた患者別ネガ形状は、該患者の該大腿骨の該対応する骨形状の、対応する複数の隆起及び陥凹に合致する、固有の複数の陥凹及び隆起を含む、実施態様1に記載の外科用器具。
【0119】
(6) 前記ガイドブロックが更に、前記骨に面する表面と前記第2表面との間に延在する、実質的に平面的な切断ガイド表面を含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(7) 前記プロテーゼコンポーネントが、湾曲した表面を含む脛骨トレイであって、該脛骨トレイの前記対応する形状の前記凸表面が、前記湾曲した表面を含み、前記カスタマイズされたプロテーゼ別ネガ形状の前記凹表面が、湾曲した内面を含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(8) 整形外科手術を行う方法であって、
カスタマイズされた患者別ガイドブロックを、患者の骨の端に埋め込まれた第1プロテーゼコンポーネントに揃えることと、
該カスタマイズされた患者別ガイドブロックを、該第1プロテーゼコンポーネントに、該骨の該端上で、固有の位置及び向きで取り付けることと、
該カスタマイズされた患者別ガイドブロックが該第1プロテーゼコンポーネント上に配置されているときに、該カスタマイズされた患者別ガイドブロックのガイドピン穴を通して該骨内までガイドピンを前進させることと、
該骨に固定された該ガイドピンを残したまま、該カスタマイズされた患者別ガイドブロックを、該第1プロテーゼコンポーネントと該骨の該端から外すことと、
該第1プロテーゼコンポーネントを該骨の該端から除去することと、
アライメントブロックを該ガイドピンと係合させて、該骨上に切断ブロックを配置することと、
切除をガイドする該切断ブロックを用いて該骨の該端を切除することと、
を含む、方法。
(9) 前記カスタマイズされた患者別ガイドブロックを、前記固有の位置及び向きで前記第1プロテーゼコンポーネント上に配置することが、前記カスタマイズされた患者別ガイドブロックの、カスタマイズされたプロテーゼ別ネガ形状を、該第1プロテーゼコンポーネントの対応する形状に係合させることを含み、該カスタマイズされたプロテーゼ別ネガ形状は、該第1プロテーゼコンポーネントの該対応する形状に合致するよう成形されている、実施態様8に記載の方法。
(10) 前記第1プロテーゼコンポーネントが、ベアリング表面に係合するよう構成された一対の湾曲した顆表面を有する大腿骨プロテーゼコンポーネントを含み、
前記カスタマイズされた患者別ガイドブロックの前記カスタマイズされたプロテーゼ別ネガ形状を、前記第1プロテーゼコンポーネントの前記対応する形状に係合させることが、前記カスタマイズされた患者別ガイドブロックの凹表面を、前記大腿骨プロテーゼコンポーネントの内側顆表面に係合させることを含む、実施態様9に記載の方法。
【0120】
(11) 前記アライメントブロックを前記切断ブロックに固定することを更に含み、該アライメントブロックを前記ガイドピンと係合させることは、該切断ブロックを前記骨の解剖学的軸に沿って前進させて、該アライメントブロックを前進させ該ガイドピンに接触させることを含む、実施態様8に記載の方法。
(12) 前記アライメントブロックが、第2プロテーゼコンポーネントの標的ジョイントラインのインジケータを含む、実施態様8に記載の方法。
(13) (i)第1の取り外し可能なドリルブッシングを、カスタマイズされた患者別ピンガイドの第1の穴内に固定すること、及び(ii)第2の取り外し可能なドリルブッシングを、該カスタマイズされた患者別ピンガイドの第2の穴内に固定することによって、前記カスタマイズされた患者別ガイドブロックを組み立てることを更に含む、実施態様8に記載の方法。
(14) 前記切断ブロックが、遠位切断ガイドを有する患者共通の切断ブロックを含む、実施態様8に記載の方法。
(15) 前記アライメントブロックを前記ガイドピンと係合させて、前記骨上に前記切断ブロックを配置することが、
該ガイドピンを、該アライメントブロックのガイドピン穴に配置することと、
該アライメントブロックを前進させ、該切断ブロックに接触させることと、
該切断ブロックを該骨に係合させることと、
該切断ブロックを、該アライメントブロック上に画定されたインジケータに揃えることであって、該インジケータが該切断ブロックの標的前後位置に対応する、ことと、
を含む、実施態様8に記載の方法。
【0121】
(16) 前記カスタマイズされた患者別ガイドブロックが前記第1プロテーゼコンポーネント上に配置されているときに、該カスタマイズされた患者別ガイドブロックの切断ガイド表面に沿って骨鋸を前進させることを更に含む、実施態様8に記載の方法。
(17) 前記カスタマイズされた患者別ガイドブロックを前記第1プロテーゼコンポーネントに取り付けることが、前記患者の前記骨の対応する形状に合致するよう成形された、カスタマイズされた患者別ネガ形状を、該患者の該骨と係合させることを含み、該カスタマイズされた患者別ネガ形状は、該患者の該骨の該対応する形状の、対応する複数の隆起及び陥凹に合致する、固有の複数の陥凹及び隆起を含む、実施態様8に記載の方法。
(18) カスタマイズされた患者別ガイドブロックの製作方法であって、
患者の骨の解剖学的構造、及び該患者の骨の解剖学的構造に固定されて埋め込まれたプロテーゼコンポーネントの画像を生成することと、
該患者の骨の解剖学的構造及び該プロテーゼコンポーネント上のランドマークを識別することと、
該画像及び該ランドマークに基づいて補正外科用器具を選択することと、
該埋め込まれたプロテーゼコンポーネントの対応する形状に合致するよう成形された、カスタマイズされたプロテーゼ別ネガ形状を含む、該カスタマイズされた患者別ガイドブロックを製作することであって、該カスタマイズされたプロテーゼ別ネガ形状は、該埋め込まれたプロテーゼコンポーネントの前記対応する形状の凸表面に合致するよう成形された凹表面を含む、ことと、
を含む、方法。
(19) 前記補正外科用器具を選択することが、前記患者の骨の解剖学的構造に対する前記補正外科用器具の計画位置を示す、第2の画像を生成することを含む、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記補正外科用器具の前記計画位置に基づいて、第2のカスタマイズされた患者別ガイドブロックを製作することを更に含み、該第2のカスタマイズされた患者別ガイドブロックが、該計画位置のインジケータを含む、実施態様19に記載の方法。
【0122】
(21) 前記画像及び前記ランドマークに基づいて、整形外科用補正プロテーゼを選択することを更に含む、実施態様18に記載の方法。
(22) 前記整形外科用補正プロテーゼを選択することが、
複数の整形外科用補正プロテーゼから、第1整形外科用補正プロテーゼを選択することと、
該第1整形外科用補正プロテーゼのデジタルテンプレートを該画像に重ね合わせて、前記患者の骨に埋め込まれた該第1整形外科用補正プロテーゼを示す第2の画像を生成することと、
該第2の画像に基づいて、該複数の整形外科用補正プロテーゼから第2整形外科用補正プロテーゼを選択することと、
を含む、実施態様21に記載の方法。