(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6352384
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】支持チャネルアセンブリのためのフランジ
(51)【国際特許分類】
F16B 7/04 20060101AFI20180625BHJP
F16B 2/08 20060101ALI20180625BHJP
H02G 3/32 20060101ALI20180625BHJP
F16L 3/23 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
F16B7/04 301M
F16B2/08 Z
H02G3/32
F16L3/23
【請求項の数】15
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-501969(P2016-501969)
(86)(22)【出願日】2014年3月13日
(65)【公表番号】特表2016-512869(P2016-512869A)
(43)【公表日】2016年5月9日
(86)【国際出願番号】US2014025800
(87)【国際公開番号】WO2014151466
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2017年2月23日
(31)【優先権主張番号】61/790,584
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/205,537
(32)【優先日】2014年3月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507202736
【氏名又は名称】パンドウィット・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ロドニー・ルーロー
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス・バナスザーク
【審査官】
杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】
実開平05−071572(JP,U)
【文献】
実開昭61−204015(JP,U)
【文献】
特開2011−244579(JP,A)
【文献】
特開2004−007892(JP,A)
【文献】
特開2003−065313(JP,A)
【文献】
特開2001−355624(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 7/04
F16B 2/08
F16L 3/12
H02G 3/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
束を支持するための支持チャネルアセンブリであって、
底部及び2つの側を有する支持チャネルであって、それぞれの側が遠位端にフックを有する、支持チャネルと、
前記支持チャネルに係合する少なくとも1つのフランジであって、上部、底部、及び両側を有する少なくとも1つのフランジと、を備え、前記少なくとも1つのフランジの前記両側が、ロッキングタイを受容して前記束を固定するためのロッキングタイ受容領域を画定し、前記少なくとも1つのフランジの前記両側が、支持チャネル係合領域も画定し、
前記ロッキングタイ受容領域が、前記少なくとも1つのフランジの前記両側のうちの一方に位置する溝である、前記支持チャネルアセンブリ。
【請求項2】
前記少なくとも1つのフランジの前記両側が切欠ノッチをさらに備え、それぞれの切欠ノッチが上面及び窪みを画定する、請求項1に記載の前記支持チャネルアセンブリ。
【請求項3】
前記支持チャネルの前記両側の前記遠位端における前記フックが、前記窪み内に位置付けられる、請求項2に記載の前記支持チャネルアセンブリ。
【請求項4】
前記切欠ノッチが前記少なくとも1つのフランジを上方部材と下方部材に分割し、前記上方部材が前記支持チャネルの外に延在する、請求項2に記載の前記支持チャネルアセンブリ。
【請求項5】
前記ロッキングタイ受容領域が上方部材内にあり、前記支持チャネル係合領域が下方部材内にある、請求項4に記載の前記支持チャネルアセンブリ。
【請求項6】
前記少なくとも1つのフランジが、前記フランジの前記底部から延在するばねをさらに備え、それにより、前記ばねが、前記フランジを前記支持チャネル内の初期位置から設置位置まで回転させることを可能にする、請求項1に記載の前記支持チャネルアセンブリ。
【請求項7】
前記少なくとも1つのフランジが、前記支持チャネルの外で部分的に延在する、請求項1に記載の前記支持チャネルアセンブリ。
【請求項8】
束を支持するための支持チャネルアセンブリであって、
底部、長側、及び短側を有する支持チャネルであって、前記長側及び前記短側がそれぞれ、遠位端でフックを有する、支持チャネルと、
前記支持チャネルに係合する少なくとも1つのフランジであって、上部、底部、第1の側、及び第2の側を有する、少なくとも1つのフランジと、を備え、前記上部がロッキングタイ受容領域を画定し、前記第1の側及び前記第2の側が支持チャネル係合領域を画定する、前記支持チャネルアセンブリ。
【請求項9】
前記少なくとも1つのフランジが、前記第1の側を上方側と下方側に分割する開口を前記第1の側に有する、請求項8に記載の前記支持チャネルアセンブリ。
【請求項10】
前記ロッキングタイ受容領域が、前記上部、前記上方側、及び前記開口によって画定された溝である、請求項9に記載の前記支持チャネルアセンブリ。
【請求項11】
前記支持チャネル係合領域が、突起との係合表面を含み、前記短側の前記遠位端における前記フックが、前記少なくとも1つのフランジの前記係合表面に係合する、請求項8に記載の前記支持チャネルアセンブリ。
【請求項12】
前記少なくとも1つのフランジの前記第2の側が、上方の第2の側及び角度のある第2の側を有し、前記角度のある第2の側が、前記底部から突起まで延在する、請求項8に記載の前記支持チャネルアセンブリ。
【請求項13】
前記第2の側が、前記突起及び前記上方の第2の側によって画定された窪みをさらに備え、前記支持チャネルの前記長側の前記遠位端における前記フックが、前記第2の側の前記窪みに係合する、請求項12に記載の前記支持チャネルアセンブリ。
【請求項14】
前記少なくとも1つのフランジが、前記フランジの前記底部から延在するばねをさらに備え、それにより、前記ばねが、前記フランジを前記支持チャネル内に設置することを可能にする、請求項8に記載の前記支持チャネルアセンブリ。
【請求項15】
前記少なくとも1つのフランジが、前記支持チャネル内に設置されている、請求項8に記載の前記支持チャネルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、支持チャネルに関し、より具体的には、束を支持チャネルに固定するために用いられるフランジに関する。
【発明の概要】
【0002】
本発明は、束を支持するように設計された支持チャネルアセンブリを対象とする。支持チャネルは、底部及び2つの側を有する。それぞれの側は、その側の遠位端でフックを含む。本アセンブリは、支持チャネルに係合するフランジも含む。フランジは、上部、底部、及び両側を有する。フランジの両側は、ロッキングタイを受容して束を固定するためのロッキングタイ受容領域を画定し、支持チャネルのフックを受容するための支持チャネル係合領域も画定する。
【0003】
本発明はまた、底部、長側、及び短側を有する支持チャネルを有する支持チャネルアセンブリに関する。支持チャネルの長側及び短側はそれぞれ、遠位端でフックを有する。フランジは、上部、底部、第1の側、及び第2の側を有する。フランジの上部は、ロッキングタイ受容領域を画定し、フランジの第1の側及び第2の側は、支持チャネルのフックを受容するための支持チャネル係合領域を画定する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】支持チャネル内に設置された外側のフランジに固定された束の前方斜視図である。
【
図2】
図1の支持チャネル内に設置された外側のフランジの後方斜視図である。
【
図3】
図2の外側のフランジ及び支持チャネルの正面図である。
【
図4】
図3の外側のフランジ及び支持チャネルのA−A線断面図である。
【
図5A】
図1の支持チャネルの上に位置付けられた外側のフランジの上面図である。
【
図5B】支持チャネルの上に位置付けられた
図5Aの外側のフランジの断面図である。
【
図6A】
図1の支持チャネル内に設置される位置に回転された外側のフランジの上面図である。
【
図6B】支持チャネル内に設置されるように位置付けられた
図6Aの外側のフランジの断面図である。
【
図7A】
図1の支持チャネル内に部分的に設置された外側のフランジの上面図である。
【
図7B】支持チャネル内に部分的に設置された
図7Aの外側のフランジの断面図である。
【
図8A】
図1の支持チャネル内に部分的に設置された外側のフランジの上面図である。
【
図8B】支持チャネル内に部分的に設置された
図8Aの外側のフランジの断面図である。
【
図9A】
図1の支持チャネル内に設置された外側のフランジの上面図である。
【
図9B】支持チャネル内に設置された
図9Aの外側のフランジの断面図である。
【
図10】代替の支持チャネル内に設置された内側のフランジの斜視図である。
【
図11】
図10の支持チャネル内に設置された内側のフランジの端面図である。
【
図12】
図10の支持チャネル内に設置されるように位置付けられた内側のフランジの端面図である。
【
図13】
図10の支持チャネル内に部分的に設置された内側のフランジの端面図である。
【
図14】
図10の支持チャネル内に部分的に設置された内側のフランジの端面図である。
【
図15】
図10の支持チャネル内に部分的に設置された内側のフランジの端面図である。
【
図16】
図10の支持チャネル内に設置された内側のフランジの端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1〜4は、本発明の支持チャネルアセンブリ30のための外側のフランジを図解する。外側のフランジ32は支持チャネル60内に設置される。束160は、クッションスリーブ152で金属ロッキングタイ150を介して外側のフランジ32に固定される。支持チャネル60は、底部62及び2つの側64を有するU字形である(
図4参照)。両側64のそれぞれの遠位端は、フック66を含む。
図1及び2に図解されるように、支持チャネル60は、支持チャネル60のそれぞれの端に位置付けられた端板68を含む。
【0006】
外側のフランジ32は、上部38、両側40、及び両側40の1つで画定された溝42を含む。
図4に図解されるように、溝42は、クッションスリーブ152及び金属ロッキングタイ150を受容する。外側のフランジ32はまた、それぞれの側40及び底部50において切欠ノッチ44を含む。それぞれの切欠ノッチ44は、上面46及び窪み48を画定する。
図4に図解されるように、窪み48は、支持チャネル60の両側64の遠位端でフック66を受容する。ばね52は、外側のフランジ32の底部50の中心から延在する。
【0007】
図5A〜9Bは、支持チャネル60内への外側のフランジ32の設置を図解する。5A〜5Bに図解されるように、外側のフランジ32は、支持チャネル60内に設置されるように位置付けられる。次に、外側のフランジ32は、90°で回転され(6A〜6B参照)、支持チャネル60内に配置される(7A〜7B参照)。次いで、ばね52は、圧縮されて、外側のフランジ32が、その元々の位置に90°戻って回転することを許容する(
図8A及び8B参照)。外側のフランジ32がその元の位置に回転された時点で、外側のフランジ32が解放され、ばね52が拡張し、外側のフランジ32がフック66に向かって上昇することを許容する。その結果、支持チャネル60の両側64の遠位端におけるフック66は、外側のフランジ32の窪み48内に位置付けられる(
図9A及び9B参照)。
【0008】
外側のフランジ32が支持チャネル60内に設置されると、金属ロッキングタイ150及びクッションスリーブ152は、固定されている束160の周りに巻きつけられる。金属ロッキングタイ150は、便利な位置に回転されて、金属ロッキングタイツール(図示せず)によって張力をかけられる。
【0009】
設置時間が減らされて、部品の数が減らされたので、支持チャネルアセンブリのための外側のフランジは、デバイスに接続する他の束に比べての改良である。外側のフランジは、広範囲にわたる導管、パイプ、またはケーブル直径を収容し得る。外側のフランジは、支持チャネルに沿って任意の点に再配置され得、外側のフランジは、共通チャネル支持システムと互換性を有する。外側のフランジは、耐タンパー性で、従来の締結方法より薄型を提供する。
【0010】
図10〜16は、支持チャネルアセンブリ80のための代替の内側のフランジを図解する。
図10及び11に図解されるように、内側のフランジ82はJ字形の支持チャネル120内に設置される。クッションスリーブ152を有する金属ロッキングタイ150は、支持チャネル120内に設置された内側のフランジ82に束160を固定する。
【0011】
支持チャネル120は、概して、底部122、短側124、及び長側128を有するJ字形である。それぞれの側124、128の遠位端は、それぞれ、フック126、130を含む。支持チャネル120は、他方より短い側を用いて設計され、支持チャネル120内への金属ロッキングタイ150の配置を可能にし、一方では、束160は、より長い側128上で静止する。金属ロッキングタイ150は、金属ロッキングタイツール(図示せず)を介して張力をかけられ、支持チャネル120に対して堅固に束160を固定する。
【0012】
内側のフランジ82は、上部84、第1の側86、底部94、及び第2の側104を含む。第1の側86は、第1の側86を上方の第1の側90と下方の第1の側92に分割する開口88を含む。内側のフランジ82はまた、上部84、上方の第1の側90、及び開口88によって画定された溝98を含む。溝98は、クッションスリーブ152及び金属ロッキングタイ150を受容する。内側のフランジ82はまた、突起102との上部係合表面100を含む。
図11に図解されるように、内側のフランジ82がJ字形の支持チャネル120内に設置されるとき、短側124の遠位端におけるフック126は、内側のフランジ82の上部係合表面100に係合する。
【0013】
第2の側104は、上方の第2の側106及び角度のある第2の側108を含む。角度のある第2の側108は、底部94から突起110まで延在する。第2の側104はまた、突起110及び上方の第2の側106によって画定される窪み112を含む。
図11に図解されるように、内側のフランジ82がJ字形の支持チャネル120内に設置されるとき、長側128の遠位端におけるフック130は、第2の側104の窪み112に係合する。
【0014】
底部94は、底部94の中心に取り付けられたばね96を含む。下で考察されるように、ばね96は、内部のフランジ82が支持チャネル120内に設置されることを可能にする。
【0015】
図12〜16は、J字形の支持チャネル120内への内側のフランジ82の設置を図解する。
図12は、支持チャネル120内に挿入されるように位置付けられた内側のフランジ82を図解する。下方の第1の側92は、支持チャネル120の短側124の遠位端において、フック126の外面に接触する。
図13及び14は、回転されて、下向きに押されて、内側のフランジ82の底部94に取り付けられたばね96を圧縮する内側のフランジ82を図解する。
図15は、ばね96が完全に圧縮されて、内側のフランジ82が支持チャネル120内に位置付けられるまで、下向きに押される内側のフランジ82を図解する。内側のフランジ82が解放されると、ばね96が拡張して、内側のフランジ82を設置位置まで上昇させる。
図16は、設置位置内の内側のフランジ82を図解する。短側124の遠位端におけるフック126は、上部係合表面100に係合する。長側128の遠位端におけるフック130は、窪み112に係合する。内側のフランジ82は、金属ロッキングタイ150が設置されるまで、ばね96によって適所に保持される。
【0016】
設置時間が減らされて、部品の数が減らされたので、支持チャネルアセンブリのための内側のフランジはまた、デバイスに接続する他の束に比べての改良である。内側のフランジは、広範囲にわたる導管、パイプ、またはケーブル直径を収容し得る。内側のフランジは、支持チャネルに沿って任意の点に再配置され得る。内側のフランジは、耐タンパー性で、従来の締結方法より薄型を提供する。
【0017】
必要であれば、束が追加の指示のために設置されたあと、内部のフランジは、支持チャネルに追加され得る。J字形の支持チャネルは、従来のU字形のチャネルより少ない鋼で製造される。このように、J字形のチャネルは、従来の支持チャネルより高価でなくて、より軽量である。
【0018】
さらに、本発明の特定の好ましい実施形態を示して説明してきたが、本発明の教示から逸脱することなく、変更及び修正を加えることができることは、当業者には明らかであろう。前述の説明に記載された事項及び添付の図面は、限定するものとしてではなく、単なる例示として提供される。
【符号の説明】
【0019】
30 支持チャネルアセンブリ
32 フランジ
38 上部
40 両側
42 溝
44 切欠ノッチ
46 上面
48 窪み
50 底部
52 ばね
60 支持チャネル
64 側
66 フック
68 端板
80 支持チャネルアセンブリ
82 フランジ
84 上部
88 開口
94 底部
98 溝
150 ロッキングタイ
152 クッションスリーブ
160 束