特許第6352397号(P6352397)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6352397カプセル化可能な生成物を迅速調製する装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6352397
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】カプセル化可能な生成物を迅速調製する装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/20 20060101AFI20180625BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20180625BHJP
   C12G 3/04 20060101ALN20180625BHJP
【FI】
   B65D25/20 B
   A23L5/00 Z
   B65D25/20 C
   !C12G3/04
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-509584(P2016-509584)
(86)(22)【出願日】2014年4月23日
(65)【公表番号】特表2016-524571(P2016-524571A)
(43)【公表日】2016年8月18日
(86)【国際出願番号】IB2014060938
(87)【国際公開番号】WO2014174459
(87)【国際公開日】20141030
【審査請求日】2017年4月20日
(31)【優先権主張番号】20130101425
(32)【優先日】2013年4月26日
(33)【優先権主張国】AR
(73)【特許権者】
【識別番号】515285453
【氏名又は名称】パトリシオ ダルド フォラテリ
【氏名又は名称原語表記】FOLATELLI, Patricio Dardo
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100200920
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 孝浩
(72)【発明者】
【氏名】パトリシオ ダルド フォラテリ
【審査官】 新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−515778(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3094297(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3179810(JP,U)
【文献】 特開2005−231692(JP,A)
【文献】 特開平08−310531(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0163439(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 23/00 − 25/56
A23L 5/00
C12G 3/04
B65D 81/32 − 81/36
B65D 85/72
A61J 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル化可能な生成物を迅速調製する装置であって、
希釈すべき好適な所与の生成物(a)の濃縮ドースまたは正確な分量を含有するカプセル(10)と、所与の希釈用生成物(b)の一定量を収容するのに好適な容器(20)とを組み合わせて備え、
前記カプセル(10)は、取り外し可能な閉塞部材を備えた開口と、前記開口の前記閉塞部材に覆われた内側の内壁に配列して設けられている、連続した区画リブ(13)と、を有し、
前記容器は、連続した区画リブを配置することにより構成され、前記カプセル(10)の前記区画リブ(13)と協働する周縁部材(24)を備える、前記カプセルの前記開口と強固な気密接合を形成可能な相互連結手段を有する底部開口と、前記希釈用生成物を注入して前記計量済用量と前記希釈用生成物と含む混合物を調合するようにした上部開口とを有することを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記カプセルの前記開口は、前記開口の周長に沿って縁部まで封止したカバーシートによって閉塞することを特徴とする、カプセル化可能な生成物を迅速調製する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記容器の下部開口と前記カプセルの前記開口との間に固定気密封止を形成可能な前記相互連結手段は、環状シール部材を挿入した状態のねじであることを特徴とする、カプセル化可能な生成物を迅速調製する請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記カプセルの前記開口に固定気密シールを形成可能な前記相互連結手段は、環状シール部材を挿入した状態のねじであり、前記カプセルおよび前記容器の様々な直径に対応するアダプタ部として形成することを特徴とする、カプセル化可能な生成物を迅速調製する請求項1および3に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カプセル化可能な生成物、特に、液体類、スラリー類、またはペースト類として供給されるカプセル化可能な生成物を迅速調製する新規な装置に関する。本発明の目的は、所与の生成物およびこの第1の生成物の希釈物としての生成物の濃縮ドース(concentrated dose)または正確な分量をその組成中に含む、様々な種類の生成物を得ることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
ここに提案する装置構成(constructive arrangement)により、別の濃縮生成物または希釈すべき生成物に添加することになるものの比率を厳密に算出するという課題を解決する。また、ある生成物について、その配合法、割合、および必須の原材料を明らかにする必要がある場合に、その調製を簡便化するものである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本質的に、本発明の目的は、所与の生成物についての濃縮ドースまたは正確な分量を含有するカプセルと、第1の生成物を希釈すべき第2の所与の生成物を含有する調合用容器との組み合わせを提供するものである。調合用容器は、カプセルと連結するように構成した第1の開口と、加工処理済みの生成物を放出するのに必要な手段を備える第2の開口とを備える。
【0004】
上記の特定の目的を達成するため、カプセル化可能な生成物の迅速調製用の装置を提供する。本装置は、所与の生成物(a)についての希釈すべき濃縮ドースまたは正確な分量を含有するカプセル(10)と、所与の希釈用生成物(b)の一定量を収容するのに好適な容器(20)とを、組み合わせて備え、前記カプセル(10)は、着脱可能な閉塞手段(12)を備えた放出孔(11)を有し、前記容器(20)は、カプセル(10)の開口(11)との強固な気密接合を形成可能な相互連結手段(22)を有する底部開口(21)と、希釈用生成物(b)を収容して、前記計量済用量(a)および希釈用生成物(b)を含む混合物(c)を調合するように構成した上部開口(23)とを有することを特徴とするものである。
【0005】
本装置によれば、最終生成物を、その配合の適正性について高い信頼性を有しつつ、経済的、実用的、および簡易な形で得ることが可能となる。
【0006】
カプセル内に含有する生成物は、天然物、濃縮物、または冷凍物とすることができる。
【0007】
ここに提案する装置は、様々な分野において使用される。すなわち、食品分野における、アルコールカクテル類、カクテル用のフルーツ濃縮物類、果物類、エナジードリンク類、ホットおよびコールドドリンク類、ビール、果汁、スープ、乳類および乳生成物類、および「レディ・トゥ・ドリンク」等の飲料類全般の調製に使用される。
【0008】
健康分野において、本発明の新規な装置を使えば、栄養補助食品類、鉱物塩調合器(integrator)、調合器類全般、可溶性薬物、および可溶性生成物類全般を調製することができる。
【0009】
クリーニング分野においては、特に、洗浄剤および洗剤の調製に使用する。
【0010】
調合用容器は、前述した様々な分野における用途に応じて、生成物に好適な任意の形状とすることができる。例えば、レディ・トゥ・ドリンク飲料類を調製する場合には、プレート、カップ、ボウル、またはウィスク(泡立て器)等の形状、濃縮添加物類の入ったミルクの場合には、適合する乳首を有する哺乳瓶形状、クリーニング用生成物を調製するためには、スプレーノズル付きボトル型容器の形状とする。
【0011】
本発明におけるその他の特徴および利点を、以下の記載において説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】計量済生成物を含有するカプセルおよび調合用容器を備える本発明の一実施形態を示す斜視図であり、閉状態のカプセルと、調合用容器としてのカップとを別々に示す図である。
図2】計量済生成物を含むカプセルのみを示す別の斜視図であり、その閉塞部材の一部を取り外した状態のカプセルの開口を示す図である。
図3図1に示す実施形態の別の斜視図であり、使用位置に組み付けたカプセルおよび調合用容器を示し、該容器中に希釈用生成物および角氷を加えて混合することにより得られる最終生成物の調製を示す図である。
図4図3の縦断面図であり、既に混合済みであり、消費可能な状態になっている生成物を示す図である。
図5】種々のカプセルおよびそれぞれに対応する調合用容器間連結用のアダプタ部の斜視図である。
図6】カプセルおよび対応する調合用容器間の連結部に、図5の実施形態に係るアダプタ部を挿入した様子を示す部分的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上述の目的およびその他の関連する目的を踏まえて本発明が備える構成の詳細および部品の組み合わせについては、添付の図面を参照して行う以下の説明によって理解されよう。
【0014】
各図面において、同様または対応する部分には同じ参照番号を付して示す。
【0015】
本発明は、カプセル化可能な生成物を迅速調製する装置を提供するものである。本発明は、本質的に、調製しようとする最終生成物(c)の一成分(a)を含有するカプセル(10)と、カプセル(10)を連結する手段を有する「特別な(アドホック)(ad hoc)」調合用容器(20)で構成する。槽(vessel)(20)は、成分生成物(b)の別成分を含む容器であり、その内部で生成物(a)の濃縮成分を希釈する。
【0016】
本発明の例示として選択した実施形態において、正確かつ確定した分量の成分(a)は、所与のアルコール飲料の液体濃縮物であり、成分(b)は、容器(20)(ここではコップ)内に入れた炭酸飲料である。
【0017】
本実施例によれば、一貫して、限定はしないが、容器すなわち槽(20)は、槽の底部を構成する壁部内に形成した底部開口(21)を有する。底部開口(21)は、「半ねじ」と称するクイックカップリング型の構成部品を形成する、連続した区画リブを配置することにより構成した周縁部材(24)を備える円筒状のリム(22)を有する。
【0018】
容器(20)の上端部には、槽の開口すなわち口部(23)を形成する。
【0019】
本実施例において、限定はしないが、カプセル(10)は、コップの底部を形成するよう設計したボウルであり、該ボウルは、正確かつ確定した分量(a)の成分を含有するものであり、該成分は液体または粉体の濃縮物である。カプセル(10)は、連続した区画リブ(13)を配列して設けた上部開口すなわち口部(11)を有しており、該リブは槽の各部材(24)と協働して、組み付けるために該装置のこれら2つの部品間にクイックカップリングを形成する。好ましくは、連結部をOリング(25)で封止して、閉塞の気密性を確保する。
【0020】
カプセル(10)は、それぞれ、生成物(a)の適正量を有し、カプセルの開口(11)は、好適な閉塞部材を有する。好ましくは、周長に沿って封止した、取り外し用のフランジ(12’)を設けた着脱可能なシート(12)を有する。
【0021】
本発明によれば、付属部品(accessory part)(30)を設けて、種々のカプセル(10)と種々の調合用容器(20)とを連結する。
【0022】
好適な実施態様において、前記付属部品(30)は、低背の管状セグメント形状をした本体(31)であり、カプセル(10)と容器(20)とを連結する間の把持を行う、ファセットした周縁肩部(32)を有する。本体(31)は、連続した区画周縁リブ(33)を設けた、「半ねじ」と称するクイックカップリング型を形成し、カプセル開口に設けた同様の部材(13)と協働する(図6)。また、その反対側において、本体(31)は、容器の底部にある各部材(24)と協働する内部結合部材(34)を有する。
【0023】
ここに提案する本実施例において、特に、図3および図4を参照すると、カプセル(10)からシート(12)を取り除き、カプセル(10)を槽(20)の下端(24)に固定すると、槽の底部において、開口(21)を介して生成物(a)が露出する。この状態で、希釈用生成物(b)およびその他の添加物、例えば角氷(d)を、容器の開口から投入することができる。ブレード(e)等の好適な部材を用いて内容物を手動で撹拌し、生成物(a)および(b)を混合して、レディ・トゥ・ドリンクである最終生成物(c)を得る。
【符号の説明】
【0024】
(a)濃縮用および計量済生成物
(b)希釈用生成物
(c)生成物(a)および生成物(b)の混合物である最終生成物
(d)角氷
(e)混合/ウィスクパレット
(10)生成物(a)を含有するカプセル
(11)カプセル(10)の放出開口
(12)開口(11)における、着脱可能な閉塞封止シート
(12’)シート(12)取り外し用フランジ
(13)カプセル(10)の開口における、「半ねじ」型(クイックカップリング)締結手段
(20)調合用容器
(21)容器(20)の下部開口
(22)カプセル(10)の開口と連結する(20)の下部リム
(23)容器(20)の上部開口
(24)容器(20)における「半ねじ」型(クイックカップリング)締結手段
(25)環状シール部材(Oリング)
(30)種々のカプセル(10)および様々な調合用容器(20)間連結用のアダプタ部
(31)アダプタ部(30)の管状セグメント形状の本体
(32)アダプタ部(30)の連結用ファセットフランジ
(33)アダプタ部(30)の「半ねじ」型雄連結/係止部材
(34)アダプタ部(30)の「半ねじ」型雌連結/係止部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6