特許第6352410号(P6352410)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6352410
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】バルブ袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 30/24 20060101AFI20180625BHJP
【FI】
   B65D30/24 U
   B65D30/24 J
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-522314(P2016-522314)
(86)(22)【出願日】2014年6月24日
(65)【公表番号】特表2016-528113(P2016-528113A)
(43)【公表日】2016年9月15日
(86)【国際出願番号】EP2014001707
(87)【国際公開番号】WO2015000559
(87)【国際公開日】20150108
【審査請求日】2017年3月10日
(31)【優先権主張番号】202013005898.6
(32)【優先日】2013年7月1日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515302613
【氏名又は名称】ダイパック フェアパックング グスタフ デッカーホフ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エドゥアルト リセク
(72)【発明者】
【氏名】ゲーアハルト シュルテ
【審査官】 西山 智宏
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−024535(JP,U)
【文献】 特開2005−178818(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0008603(US,A1)
【文献】 特開2004−083057(JP,A)
【文献】 特開2002−104435(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/00−33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメント、石膏、粉質物、動物飼料等のようなバルク材のためのバルブ袋(10)であって、
起立ボトム(30)と
上記起立ボトム(30)に対向して配置されかつ上記バルブ袋(10)を満たすためにバルブホース(50)が差し込まれるバルブボトム(20)とを備え、
上記バルブホース(50)は、内側筒体を形成する熱材料(60)と該熱材料(60)を包んで外側筒体を形成する担体材料(70)とから形成されており、
上記熱材料(60)の面積比率は、上記担体材料(70)の面積比率よりも小さく、
上記バルブホース(50)は、上記担体材料(70)が上記熱材料(60)に対して突出している領域で折り重ねられて補強されていることにより、軸方向においてほぼ一定の強度を有している
ことを特徴とするバルブ袋。
【請求項2】
請求項1において、
軸バルブ方向における上記熱材料の部分は、上記担体材料の部分よりも短い
ことを特徴とするバルブ袋。
【請求項3】
請求項2において、
上記袋の内部に面する上記バルブホースの端部の領域における上記熱材料の部分は、上記担体材料(70)と比較して短くされている
ことを特徴とするバルブ袋。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項において、
上記担体材料(70)が、天然材料を含んでいる
ことを特徴とするバルブ袋。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項において、
上記担体材料(70)が、上記袋の内部に面するバルブ端部における全バルブ縁部において折り重ねられている
ことを特徴とするバルブ袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、起立ボトム、好ましくはクロスボトムまたはブロックボトムと、起立ボトムに対向して配置され、バルブ袋を満たすためにバルブホースが差し込まれるバルブボトムとを有し、当該バルブホースが熱材料および当該熱材料を包む担体材料から形成されている、例えばセメント、石膏、粉質物、動物飼料等のようなバルク材のためのバルブ袋に関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなバルブ袋が、典型的には紙から作られたものであって、一般に知られかつ例えばセメント、石膏、粉質物、動物飼料等のようなきめ細かいバルク材のために商業的に広く使用されている。この点において標準的なサイズは5kg、10kgおよび25kgである。
【0003】
バルブボトムは、内面が熱溶融材料で被覆されていて熱作用により溶けてバルブホースを閉じ得るホースのような熱バルブを有している。熱材料は、しかしながら、バルブホースを充填プラントの充填ノズルに差し込めるほどの十分な剛性および強度をなんら提供しない。紙片が、この目的の補強のために熱材料の周囲に追加的に配置されている。
【0004】
対応するバルブボトムが図1に描かれている。同図は、バルブ袋1の前側に折り畳まれた、バルブ袋1のバルブボトム2を示している。バルブボトム2はバルブ構造を示すために開いている。全体的なバルブ袋1は、クロスボトム型の折り目を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バルブ5は、実質的に、バルブホースの内面を形成しかつ担体材料7に接着された熱材料6を有している。担体材料7に比べてより大きな面積比率を熱材料6がとっていることが確認され得る。特に、熱材料領域は、軸バルブ方向において、すなわち内側に配置されたバルブ端部の方向において、担体材料7の内側端を超えて突出している。したがって、熱材料6はバルブホース5の主な構成要素を形成しており、熱材料6の比較的高い単価はバルブホース5およびバルブ袋1の高い製造コストを招く。
【0006】
本発明の目的は、使用される材料のコスト比を最適化すること、および、熱バルブを有するバルブ袋の製造のための全体的なコストを低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1の特徴を備えたバルブ袋により達成される。バルブ袋の有利な実施形態は従属請求項の主題である。
【0008】
製造コストの低減は、必要とされる熱材料の低減によって実現されるだろう。本発明によると、熱材料の面積比率は、したがって、担体材料の面積比率に比べて小さくなるように選択される。
【0009】
熱材料の部分は、理想的には、軸バルブ方向において担体材料の部分よりも短い。結果として得られるバルブホースのより大きな材料比率は、それにより主に天然の担体材料、特に紙によって決定される。化学処理されかつ典型的に高コストな熱材料は、したがってより小さな材料比率をとるのみである。製造コストがそれにより低減され得、それは特に大容量の製品において顕著である。所望のバルブ特性、特にその気密性および取扱性は、個々のバルブ構成要素の材料比率の変更に関わらず保証され得る。
【0010】
特に好ましくは、熱材料は従来技術の実施形態に対して短くされ、一方で担体材料はその分拡張される。結果として得られる全バルブ長さは、バルブ材料の短縮/拡張の相殺によって維持される。このことは特に既存の充填プラントとの後方互換性に関して望ましい。
【0011】
熱材料の部分は、好ましくは、バルブホースの内側端部の近くで短くされている。熱材料の部分および担体材料の部分は、典型的には長さがバルブホースの縁部を規定しかつ幅がバルブ長さを決定する長方形状であるため、熱材料の短縮は熱材料の部分の幅、すなわち軸バルブ方向における低減によって行われる。面積比率は、特に、バルブ袋本体における内側に配置されたバルブホース端部の領域において低減される。
【0012】
結果として得られるバルブホースが軸方向においてほぼ一定の強度または剛性を有していることは特に有利である。一定の強度は、バルブホースを充填プラントの充填ノズルに差し込んだ後、および続いて起こる膨張可能なカフによる引っ張りの後に壊れないようにするために望ましくかつ必要である。
【0013】
一定の強度は、従来、熱材料をバルブホースの主な構成要素として使用することにより保証されていた。本発明に係る変形例において担体材料の突出領域をそれにも関わらず軸バルブ方向において一定の強度を保証できるように補強されたものとして設計することは適切である。
【0014】
突出領域に追加的な補強品を適用することが可能である。しかしながら、突出領域において、特に全幅にわたって、すなわち内側バルブ端部の全バルブ縁部にわたって担体材料を折り重ねることがより好ましい。この領域における強度が担体材料の折り重ねにより向上し、特に倍増する。おおむね一定の強度がそれによりバルブの全長にわたって特にシンプルな態様で実現される。加えて、既存の充填プラントとの後方互換性の向上がシンプルな態様で実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、従来技術に係るバルブ袋の概略図である。
図2図2は、本発明に係るバルブ袋の概略図である。
図3a図3aは、本発明に係るバルブ袋の担体材料の折り重ねの第1例を示す図である。
図3b図3bは、本発明に係るバルブ袋の担体材料の折り重ねの第1例を示す図である。
図4a図4aは、本発明に係るバルブ袋の担体材料の折り重ねの第2例を示す図である。
図4b図4bは、本発明に係るバルブ袋の担体材料の折り重ねの第2例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明のさらなる利点および特性を、図面に示す実施形態を参照して説明する。
【0017】
図2は、使用される熱材料の本発明に係る短縮を伴う本発明に係るバルブ袋10を示している。変更されたバルブホースと比べて、バルブ袋の設計は従来技術から知られている解決策に実質的に対応している。
【0018】
同図は、前方へ折り畳まれた起立ボトム20を下端部に、バルブボトム30を上端部に有する本発明に係るバルブ袋10を示している。両ボトム20,30は、前面40および図示しない後面を介して互いに接続されていて、クロスボトムの態様で折り畳まれている。バルブボトム20は、折り畳まれて閉じておらず、バルブ構造を示すために開いている。
【0019】
従来技術と同様の態様において、バルブホース50は、左方のバルブボトム側においてバルブボトム20の上側端および下側端を超えて突出している。バルブホース50は、また、熱材料60、例えば溶着可能なプラスチック材料と、担体材料70、例えば紙とから構成されており、熱材料60はバルブホース50の内面を形成し、担体材料70は熱材料60を包んでいる。このバルブホース50により、バルブ袋10は充填のために充填機械の充填ノズルに差し込まれ得る。充填プロセスの後、熱バルブ50は例えば超音波エネルギーの効果により溶かされ、それによりバルブホース50が確実に閉じられる。
【0020】
使用されるバルブ材料60,70の比率は、製造されるバルブ袋10あたりの単価を低減するために、図1の既知の実施形態に対して変更されている。本発明によると、バルブホースの主な構成要素は天然の担体材料70により形成されている。一般に溶着可能なプラスチック材料である化学処理された熱材料60の大きな材料比率は低減されている。
【0021】
担体材料70および熱材料60の両方が、長辺がバルブホース50の軸方向に対して交差するように延びる長方形状を有している。図2は、開いた状態のバルブボトム20を示している。バルブホース50は、バルブボトム20を折り畳むことによって長さ方向にわたって折り畳まれる長方形状の材料60,70によって形作られる。
【0022】
製品コストを節約するために、熱材料60の幅は短くされ、そしてまた担体材料は拡張されている。全バルブ長さYは、バルブ材料60,70の等しい短縮/拡張のため変化していない。それでも、熱材料60のかなりの部分が節約され、そのことは経済的な点における利点をもたらすのみでなく、例えば熱材料の製造において必要とされるエネルギーおよびその廃棄量が低減されるため、生態的な点においても理にかなっている。
【0023】
バルブホース50の強度を全バルブ長さYにわたって可能な限り一定にするのを確実にできるように、担体材料70の突出領域Xは、補強に寄与する熱材料60がこの領域では存在しないので、有利には補強されている。図2の特定の実施形態では、担体材料70の突出領域Xはこの目的のために当該領域において十分な強度を実現するように折り重ねられている。熱材料60と担体材料70との積層領域とほぼ同じ強度を有する二重層の担体材料70が、熱材料で被覆されていない領域を折り重ねることによって得られる。担体層70は、もちろんまた、複数回にわたって折り重ねられてもよい。
【0024】
図3a、図3b、図4aおよび図4bは、上述した担体材料70の折り重ねの実施の可能性を例として示している。図3bは、図3aにおけるA−A線に沿った担体材料70および熱材料60の断面を示している。図3bに示すように、担体材料70は担体材料の突出領域Xにおいて下側に、すなわち熱材料60から離れる側に折り重ねられている。担体材料は二枚重ねになっていて、それにより突出領域Xにおいて折り重ねによって補強されている。
【0025】
図4aおよび図4bは折り重ねの異なる実施形態を示しており、図4bは図4aのA−A線に沿った断面を再び示している。図4bに見られるように、担体材料70は突出領域Xにおいて上側に、すなわち熱材料60に面する側に折り重ねられている。同時に、折り重ねは熱材料60の下にわずかに重なる態様で描かれている。担体材料と熱材料60とが当接する態様で折り重ねることや、あるいは熱材料60にわずかに重なる態様で折り重ねることも代替的にまた可能である。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b