(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記容量センサから、それぞれが前記プローブと前記容器の下の導電プレートとの間に形成される前記容量を示す、第2の容量測定値および第3の容量測定値を受信することと、
前記第2の容量測定値と前記第3の容量測定値との間の容量の変化を決定して、位置情報の変化に対する容量の変化を示す勾配を推定することと、
前記容量の変化に基づいて決定される第2の速度で、前記容器に向かって前記プローブを移動させるための前記運動制御エンジンに第2の信号を送信することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記容量センサが、前記プローブと、空気、前記容器中の前記流体、および前記容器を含む誘電体混合物を有する前記導電プレートとの間の前記容量を測定するように構成される、請求項1に記載の方法。
前記第1の容量測定値が、前記空の容器に向かう前記プローブの移動から得られる容量測定値に対する位置情報を含む測定データを表すべき級数関数に基づいて正規化される、請求項1に記載の方法。
前記第2の容量測定値および前記第3の容量測定値が、前記空の容器に向かう前記プローブの移動から得られる容量測定値に対する位置情報を含む測定データを表すべき級数関数に基づいて正規化される、請求項5に記載の方法。
前記容量センサが、励起源を前記プローブに提供し、かつ前記導電プレートから前記第1の容量測定値を読み取ることによって、前記第1の容量測定値を受け取るように構成される、請求項1に記載の方法。
前記容量センサが、励起源を前記導電プレートに提供し、かつ前記導電プレートから前記第1の容量測定値を読み取ることによって、前記第1の容量測定値を受け取るように構成される、請求項1に記載の方法。
前記容量センサが、前記導電プレートを接地し、励起源を前記プローブに提供し、かつ前記プローブから前記第1の容量測定値を読み取ることによって、前記第1の容量測定値を受け取るように構成される、請求項1に記載の方法。
前記第1の容量測定値が、前記空の容器に向かう前記プローブの移動から得られる容量測定値に対する位置情報を含む測定データを表すべき級数関数に基づいて正規化される、請求項14に記載のシステム。
流体を中に有する容器に向かうプローブの移動を制御するために命令が記憶された非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、少なくとも1つのプロセッサによって実行される場合、前記命令が、前記少なくとも1つのプロセッサに、
容量センサから、前記プローブと前記容器の下の導電プレートとの間の容量を示す第1の容量測定値を受信する動作と、
前記第1の容量測定値に基づいて決定される第1の速度で、前記容器に向かって前記プローブを移動させるための前記運動制御エンジンに第1の信号を送信する動作と、を実施させる、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明を実施するための形態】
【0019】
容量検知の理解
容量検知は、容量結合に基づく技術である。容量センサは、容量センサ近くの材料特性、例えば誘電体混合物の特性を検出することができる。材料は、導電性であっても、および/またはその周囲と異なる誘電性を有してもよい。容量検知は、多くの様々な種類のセンサにおいて使用され、それには、近接、位置または変位、湿度、流体レベル、および加速度を検出かつ測定するものが含まれる。容量の変化を検出するための容量センサがより精密かつ信頼性が高くなるにつれて、容量検知はより普及するようになった。例えば、容量センサは、多くのデバイス、例えばラップトップトラックパッド、デジタルオーディオプレーヤ、コンピュータディスプレー、携帯電話、モバイルデバイス、タブレットなどにおいて使用される。設計エンジニアは、それらの融通性、信頼性、およびロバスト性のために、ならびに機械的スイッチに対するコスト削減のために容量センサを選び続ける。本開示は、容器中の流体表面に向かって移動するプローブを制御するために容量検知を使用する方法、および、場合によっては、容器中の流体のレベルを決定する方法に注目する。
【0020】
容量検知システムは、典型的に、2つの十分な導電性物体、すなわち、導電性「プレート」を含むシステムにおいてコンデンサを提供する。特に、容量センサは、コンデンサの容量を確認するために、これらの導電物体のうちの1つ以上の表面電荷を測定することができる。容量は、2つの導電物体間に形成されるコンデンサ中の誘電体混合物のいくつかの指示を提供する。これらの十分な導電性物体の一方または両方は、電極(例えば、十分な導電性材料を使用して形成した)であってもよく、ここで電極が励起源によって刺激されて、電界を生成する。これらの十分な導電性物体の一方または両方は、十分な導電性物体上の表面電荷の量を決定するために容量センサ(例えば、容量デジタルコンバータ(CDC)を通じて)によって読み取られて、表面電荷測定、すなわち、容量測定は、システムによって形成されるコンデンサの2つの「プレート」間の容量の指示を提供する。
【0021】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、容量検知システムの高解像度容量デジタルコンバータ(CDC)の例示的な実施態様を示す。CDCは、コンデンサC
センサ、すなわち、検知電極を有するコンデンサと相互作用する。コンデンサのプレートのうちの1つは、励起源に接続され、これはコンデンサC
センサ全体に電圧Vを提供する。励起源(方形波励起信号の他に任意の好適な波形も提供することができる)により提供される電圧Vは、次に電荷入力をコンデンサに提供する。CDCは、検知電極上の表面電荷Qを測定する。Qは容量Cおよび電圧Vと直接関係があるために、これにより表面電荷の測定が容量測定値をもたらす。CDCは、C
センサを通過する電荷を連続的に試料採取することができる。
【0022】
いくつかの実施形態において、測定値は、インテグレータ、量子化のためのコンパレータ、およびデジタルフィルタ(組み合わせはCDCの特定の実施態様に依存し得る)に提供される。一般に、出力は、容量センサによって受け取られる容量測定値を表すデジタル信号を提供する。次に、デジタル信号は、さらなる処理のためにプロセッサに提供され得る。
【0023】
キュベットまたは容器中のレベル検知の異なる方法
診断機器は、小さい容器、例えば試験管、キュベット、および試薬瓶中の流体と連動すべきである。流体レベルは、試料吸引(すなわち、流体表面のすぐ下の試料を採取する)のための(移動)プローブと容器との間の適切な界面として知られていなければならない。典型的には、診断機器は、1mmの精度かつ0.5mm未満の解像度を必要とし得る。これらのシステムの課題は、移動プローブのための高速、環境感度、整合性、複雑性、およびコストを保つことを含む。
【0024】
容器の1つの種類はキュベットであり、これは一端が封止され、プラスチック、ガラス、または融解石英(紫外線用)からなり、かつ分光実験の試料を保持するように設計された、円形または平方断面の小さい管である。使い捨て可能なプラスチックキュベットは高速分光分析に多用され、この場合、速度が高精度よりも重要である。
【0025】
1つのプローブまたは複数のプローブが比較的高速で各キュベットの試料を採取するとともに、診断機器は多くの場合、多数のキュベットを移動させることができる。プローブは通常、管の中空を通じて流体の試料を持ち上げる尖端を有する中空管を備える。プローブによって、精密な量の流体の試料を容器から持ち上げる/吸引することができる。プローブは、容器中の入手可能な試料の使用を最大化する(十分ではあるが、過剰ではない試料)ために、流体表面下の所定の深さに位置するか、または実質的に所定の深さ近くに位置することが好ましい。このため、プローブの精密なレベル検知および制御は、有効な試料吸引システムを提供するために重要である。
【0026】
一般的に言えば、多くの機構を使用して、流体レベルを測定することができる。超音波、レーダ、およびレーザーソリューションは可能であるが、非常に高価になる可能性がある。インビトロ診断(IVD)システムは、流体表面に対するプローブ位置を決定するために、無線周波(RF)信号を使用することができる。このシステムは、相当にノイズが多いことが知られている。それはEMIエミッタであり、問題になる可能性がある。それは、外部電磁放射線からの干渉にも非常に影響を受けやすい。
【0027】
レベル検知における容量検知の1つの実施態様は、タンク内の不連続レベル(例えば、満タン、空タンク、および他の一定流体レベル)を検出するために、タンク内またはタンクの外側に不連続レベルで複数のセンサを配置することを含む。この実施態様は、寸法がかなり大きく、かつ永続的である(容易に使い捨てできない)容器にとって、また低解像度レベル測定が許容できる用途にとって実用的である。キュベットまたは類似の試験試料容器が使用される用途については、キュベットは、次々と所定位置に移動させられ、プローブが所与のキュベットに対して整合されない、またはキュベット側の容量センサが所与のキュベットに対して整合されないことは、比較的困難がない。また、この方法は、正確なモータ制御を行わずに絶対的な充填レベルを決定するのに優れているが、流体表面に対するプローブ位置を決定することは非常に困難である。
【0028】
レベル検知における容量検知の別の実施態様は、流体レベルの変化を監視するために、容器によって保持された流体中に2本の導電性プローブ(長さが容器の上部から容器の底部まで延在する)を配置することを含む。導電性プローブを容器中に固定して維持することができ、かつ全体の流体レベル監視動作の間、流体中に浸水させることができる場合、この実施態様は実用的である。流体内部にこのようなプローブを配置することは、診断機器の設定における汚染問題のため実用的ではない。プローブは、各試験後に廃棄または洗浄される必要がある。
【0029】
制御システムにおける改善された容量検知
制御システムの1つの目的は、容器中の流体表面と接触しつつあることを予測するために、流体表面に対するプローブの位置の十分な精度の測定値を有しながら、十分な速度によって、運動制御エンジンを使用して、プローブを移動させることである。制御システム(例えば、アプローチエンジンを含む)は、容量デジタルコンバータ(CDC)を使用して入力として、容量センサから容量測定値を受け取る。容量測定値および任意選択的に運動制御エンジンからのプローブの位置情報を使用して、制御システムのアプローチエンジンを有するプロセッサは、信号を運動制御エンジン(または運動制御エンジンに指示するための送信データ)に送信し、容器中の流体表面に向かってプローブを適切に移動させることができ、プローブが流体表面に達すると、プローブを停止する。
【0030】
CDCのデルタ−シグマ変調器がEMI感受性を除去する傾向があるため、容量検知がEMI感受性を被らないという理由から、容量検知の使用がRFレベル検知ソリューションよりも優れている。CDCは、電力線周波数での干渉を除去することもできる。
【0031】
検知される改善されたコンデンサ
本開示において、容量測定が行われるコンデンサは、2つの端子/プレート、流体を保持する容器の下に位置する導電プレートおよび移動プローブ自体を備える。励起信号は、コンデンサの一方の端子/プレートに適用され、他方の端子/プレートは、容量デジタルコンバータ(CDC)入力に接続される。測定された容量は、端子が励起信号またはCDC入力に接続されるにかかわらず、同じであり得る。測定された容量の絶対値は、プレートおよびプローブの波形率、誘電体の構造、プローブからプレートまでの距離、および他の環境要因に依存し得る。誘電体が(プローブからキュベットの下のプレートまでの順序で)空気、流体、および流体を保持するためのキュベットを含んでもよいことに留意されたい。本制御システムは、プローブがプレートに接近するにつれて、この誘電体混合物の変化する性質を利用する。
【0032】
その最も単純な形態において、コンデンサは、誘電体材料を間に有する2枚の平行プレートとして説明することができる。容量値は、他の要因の中でも、プレート寸法、他方のプレートに対する一方のプレートの配向、および誘電率によって変化する。これらの変数を利用することによって、容量センサは、他と異なるコンデンサの容量の変化値を測定して、流体表面に対するプローブ位置を決定することができる。
【0033】
制御システムにおける容量センサのためのコンデンサの設定は、特有なものであり、自明なことではない。本開示は、容量センサのコンデンサの2枚の「プレート」が、容器中の流体および容器の下の導電プレートに向かうプローブを移動させることによって形成される装置を利用する。有利には、このような設定は、容量測定のためにプローブ自体を組み込むことと、プローブの下に比較的邪魔にならない導電プレートを備えることとによって機械的システムの複雑性を低減させる。コンデンサの1つのプレートとしてプローブ自体を組み込むことは、有利には、流体表面に対するプローブの相対距離をより直接的に反映することができる、より良好な測定を可能にすることもできる。
【0034】
移動プローブは、高導電性(例えば、金属製)であってもよく、または十分な導電性(例えば、プローブを使い捨てできるようなプラスチックまたは複合物製)であってもよい。容器の下の導電プレートは、任意の好適な導電性材料で製造してもよい。導電プレートの形状および寸法は、用途によって変化し得る。好ましくは、導電プレートは、容器の底部の寸法および形状と一致する。
【0035】
改善された制御システム
本開示の制御システムは、容量センサ(例えば、CDCを含む)からの容量測定値、および任意選択的にモータ制御エンジンからのプローブの位置情報を含む入力に基づいて、容器に向かうプローブを移動させる。本制御システムは、プローブを移動させるための運動制御エンジンを制御するための信号を出力することができる。この制御システムにおいて、容量測定値および位置情報は、運動制御エンジンを調整するためのフィードバック情報とみなすことができる。
【0036】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、制御システムにおいて高解像度容量デジタルコンバータおよび運動制御エンジンをともに利用する例示的な構成を示す。制御システム200は、アプローチエンジン202を有するプロセッサ、容量デジタルコンバータ(CDC)204、運動制御エンジン206、およびメモリ208を含む。制御システム200は、容器214中に保持された流体212に向かう(および、から離れる)プローブ210の移動を制御するように構成される。流体212は、流体表面216を有することができる。
【0037】
コンデンサの容量測定値(すなわち、プローブ210と容器の下の導電プレート224との間の容量218を示す測定値)をデジタル信号に変換するためのCDC204は、改良されたデルタ−シグマアナログデジタルコンバータ(ADC)を含んでもよい。デルタ−シグマADCは、基準電圧と比較して未知の入力電圧が存在する電荷平衡構成に基づく。各入力(未知および基準)は、同一のコンデンサに電荷を配置して、2つの比較を可能にする。この構造は、ADCがCDCとして使用される場合、わずかに変化する。この場合、デバイスは、既知の励起信号を提供し、それは(1)同軸接続220を介してプローブ、CDC、プローブに、または(2)同軸接続226を介して導電プレート224、CDCのいずれかに提供することができる。ここでは入力は既知であるので、電荷平衡構成は、既知の基準容量と比較して未知の入力容量の値を決定するために使用される。実際には、この方法は、アトファラド(aFまたは10^−18ファラド)程度の容量の差を見分けるために使用することができる。
【0038】
アプローチエンジン202(1つ以上のプロセッサに、またはそれとして実装され、かつ/または命令がメモリ208に記憶される1つ以上のプロセッサに実行されている命令によって提供される)は、CDC204の出力に連結して、CDC204から容量218を示す容量測定値を受信するように構成される。場合によって、測定値は、CDC204によってメモリ208に記憶することができ、アプローチエンジン202にアクセス可能になり得る(または、アプローチエンジン202によって読み取られ得る)。アプローチエンジン202は、測定値を使用して、運動制御エンジン206を制御する信号を決定することができる。アプローチエンジン202は、信号を運動制御エンジン206に送信し、流体および/または容器に向かうプローブを移動させることができる。運動制御エンジンに信号を送信することは、アプローチエンジン202によって信号(またはデータ)をメモリ208に記憶することと、プローブ210の移動を調整する(または、特定の距離かつ/または特定の速度で移動するためにプローブ210に命令する)ために信号を運動制御エンジン206にアクセス可能にすることとを含み得る。
【0039】
運動制御エンジン206は、特定の距離に従って(例えば、固定工程)、または、特定の速度に従って(例えば、メモリ208中の距離または速度を示すデータに従って)プローブを移動させるように構成される。プローブの位置情報および容器に向かうその移動は、運動制御エンジン206によって決定され、提供され得る。例えば、位置情報は、これまでの移動距離から導くことができる。別の例において、位置情報は、一定期間に対するこれまでの速度から導くことができる。場合によって、ステッピングモータについては、一定数程度を回転させるためのモータに送られるパルス数によって位置情報を導くことができる。度単位における角運動を直線距離に換算し、プローブの位置情報を提供することができる。運動制御エンジン206は、メモリ208に位置情報を書き込むことができ、位置情報は処理するためのアプローチエンジン202に利用可能となり得る。位置情報は制御システムの適正な動作に必要ではなく、制御システムを補助するまたは改善するためのフィードバック情報として使用され得ることに留意されたい。モータ制御エンジンにより提供される位置情報は、プローブの位置の推定値のみを提供し、必ずしもあまり精密または正確ではないことにさらに留意されたい。
【0040】
誘電体混合物の特徴付け
プローブの運動制御は、容量測定値および任意選択的に導電プレートに対するプローブの位置情報に基づくために、プローブがいつ流体表面に達するかを予測するために誘電体混合物の特徴を最初に理解しなければならない。誘電体混合物の特徴は、流体および容器自体の差が容量値に影響を及ぼすことがあるため、用途で使用する流体自体および容器に基づいて異なることがある。また、容量測定自体は、プローブおよび導電プレート次第であり得る。
【0041】
プローブがプレートに接近するにつれて、(場合によっては、プローブ位置情報またはデータが増減するにつれて)容量は増加する。この変化の性質は、べき級数関数(二次方程式)となることが観察された。しかしながら、このべき級数の係数は、プローブの経路における流体の存在下で変化する。流体は空気より非常に大きな誘電率を有するために、流体がプローブとプレートとの間のより高いパーセンテージの誘電体になるにつれて、容量はより急速に増加する。プローブが流体表面の極めて近くに接近する場合、測定された容量値は加速する。これは、流体表面への近接(すなわち、流体表面に対する相対距離、またはプローブが流体表面に対しどのくらい近いか)を決定するために使用することができる。また、使用者が、流体が存在しないシステムを特徴付けることができる場合、誘電体混合物および特にその混合物に対する流体の影響を反映するだけのような方法で、測定したデータを正規化することが可能である。本システムは、流体表面の実際のレベル/位置を決定するように構成することができる。
【0042】
基準データ:空のキュベット
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、(プローブが空のキュベットに接近する)容量に対するプローブ位置の例示的なプロットを示す。データは、空のキュベットに向かって約90mm移動するように構成されるプローブを示す。0mmは開始位置に相当し、90mmは空のキュベットにより近い終了位置および空のキュベットの下の導電プレートに相当する。プローブが空のキュベットおよび空のキュベットの下の導電プレートに向かってより近く移動するにつれて、プローブ位置値は増加する。設定次第で、スケールおよび可能な位置値は、異なる可能性がある。
【0043】
プローブが空の容器に接近するにつれて、プローブと空のキュベットとの間の距離が減少するために、容量は増加する。一般的に言えば、容量は、2枚の容量プレート間の距離に反比例する。距離がより小さくなるにつれて、容量はより大きくなる。したがって、
図3に示されるデータセットは、プローブが空のキュベットに接近するにつれて(すなわち、プローブ位置情報/測定値が増加するにつれて)、容量が増大することを示す。大きな寄与ではないが、プローブが空のキュベットに向かって接近し、容量の増加にわずかに寄与するために、誘電体混合物の一部としての空のキュベットの割合が増加する。さらに、データは、プローブが空のキュベットにますます近づくにつれて、勾配が増大することを示す。この基準データは、位置情報が既知の場合、容量測定値に対するキュベットの影響を取り除くために、キュベットが非空である設定で、容量測定値の正規化に使用することができる。
べき級数モデルおよび不連続性:非空のキュベット
【0044】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、(プローブ位置値が増加するにつれて、プローブが非空のキュベットに接近する)容量に対するプローブ位置の例示的なプロットを示す。この例では、キュベットは流体をその中に保持し、流体レベルはプローブの位置情報によって、およそ76.1mmで測定される。プロットから、流体/プローブ関係について特徴を記載することができる。プローブが流体と接触すると、容量曲線に不連続性が存在する。大きなジャンプ後の測定値は、接触する直前に測定された値の倍であるように見える。プローブが流体を通って移動するにつれて、測定値がほとんど変化しないことにさらに留意されたい。不連続性は非常に大きいので、所定の容量閾値(またはいくつかの他の好適なトリガ基準)は、不連続性(プローブが流体表面に達している、またはプローブが容器中の流体表面に触れた可能性があることを示す)をチェックするために使用することができる。この制御システムの目的は、流体に既知の、小距離でプローブを挿入することであるため、プローブがキュベットの下の導電プレートに向かって移動するのをいつ停止させるかを決定するためにそれを使用することができる場合、この挙動は制御システムに対して重要なものである。
【0045】
実施例:3つの異なる流体レベルの容量値
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、(3つの異なる流体レベルで、それぞれが非空のキュベットに接近している3本のプローブに対応する3つの異なる一連のデータの)容量に対するプローブとプレートとの間の距離の例示的なプロットを示す。プローブと導電プレートとの間の距離が減少するにつれて(すなわち、プローブ位置情報値が増加するにつれて)、同様に
図4のプロットにおいて観察されるように、容量は増加する。3つの一連のデータを示すこのプロットは、流体レベルに関する容量の差を例証する。種々の流体レベルおよびプローブ位置情報の既知のデータは、既知のデータによって示されるスプレッドに従って正確な流体レベルを決定するために使用することができる。プローブと導電プレートとの間の同じ距離で、容量は、(例えば、77.1mmの流体レベルを有する)より満ちたキュベットに対して最大であり、容量は、(例えば、85.2mmの流体レベルを有する)より少なく満ちたキュベットに対してより小さく、容量は、(例えば、89.2mmの流体レベルを有する)さらにより少なく満ちたキュベットに対して最小であることを示すことができる。
【0046】
実施例:3つの異なる流体レベルの正規化された容量値
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、(3つの異なる流体レベルで、それぞれが非空のキュベットに接近している3本のプローブに対応する3つの異なる一連のデータの)空のキュベットからのデータに基づき正規化された容量に対する、プローブとプレートとの間の距離の例示的なプロットを示す。本開示に関する正規化は、同じプローブ位置情報を有する空のキュベットによって観察される対応する容量値に基づいて測定された/生の容量値を減算するかまたは除算することを含み得る。データを正規化することによって、差またはスプレッドが観察されることで正規化された容量値は、より低い流体レベルに対しとりわけより小さい。プロットに示すように、正規化された容量測定値は、77.1mm(より満ちた)で流体レベルに対して最大、85.2mm(より少なく満ちた)で流体レベルに対してより低く、89.2mm(最も少なく満ちた)で流体レベルに対して最小であると評価する。これは、流体表面がキュベットの底部に極めて近いかどうかを測定するのに有用であり得るため、底部によってプローブを駆動しないように注意すべきである。
図6に示すように、曲線間のスプレッドは、明らかであり(
図5に示される生データより明らかである、このため、スプレッドによる正確な流体レベルを決定するために、種々の流体レベルおよびプローブ位置情報の既知のデータとして使用することができる。曲線の勾配が生データの勾配よりも正規化されたデータに対して大きいことにさらに留意されたい。より急激な勾配の変化は、位置の変化に対する容量の変化の勾配または推定勾配での閾値を設定するためにより有用/有益であり得る。
【0047】
実施例:3つの異なる流体レベルのプローブ位置に関する容量値の勾配
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、(3つの異なる流体レベルで、それぞれが非空のキュベットに接近している3本のプローブに対応する3つの異なる一連のデータの)
図6に示す正規化されたデータセットの容量における変化に対するプローブとプレートとの間の距離の例示的なプロットを示す。容量測定値の生の値を使用する以外に、流体に向かうプローブの運動を制御するために、本制御システムは、勾配の増加、すなわちプローブ位置の変化に対する容量の変化を加えて、または代わりに利用することができる。勾配によって、制御システムが、プローブが流体表面にどれくらい近いかを予測することができ、プローブが流体表面に達しているかどうかを検出するために容量の不連続性を検出することができる。プロットに示すように、プローブが容器中の流体表面の近くに到達しているかどうかを決定するために、所定の勾配閾値(またはいくつかの他の好適なトリガ基準)を使用することができる。
【0048】
勾配は、異なる方法で決定することができる(または推定することができる)。勾配は、容量の変化を位置情報の変化で除算することによって決定することができる。しかしながら、位置情報は、必ずしも利用できない。このように、勾配は、動作の間、(プローブが読み取りの間ほぼ同じ距離で移動する間、規則的な/周期的な間隔で非常に急速に行われる)容量測定での連続的な読み取り、または、非常に短い時間間隔内(例えば、プローブが移動している間のミリ秒内)で行われた近くの容量読み取りの間の容量の変化に単に基づいて推定することができる。1つの例示的なシステムは、容量の読み取りが行われる際の実質的に一定の速度でプローブを移動させるとともに、読み取り間の非常に短い時間間隔で83Hzと同程度の速さの容量測定値を得ることができる。1つの例示的なシステムの測定は、50ms以上の間隔があるが、プローブが実質的に一定の速度で移動しているために、別の例示システムについては、間隔は5ms以下であってもよい。
【0049】
実施例:アプローチプロット
図8は、本開示のいくつかの実施形態による、容量に対する読み取り回数の例示的なアプローチプロットを示す。このアプローチプロットは、周期的な間隔で異なる読み取りで容量の挙動を例証する(しかしながら、プローブがどれくらい速く容器に向かって移動しているかは、示されない)。示されるアプローチプロファイルは、改質された指数関数移動平均を使用して除去されたデータを例証する。任意の種類の好適なフィルタ、例えば、他の移動平均フィルタ、またはスムージング機能は、容量測定におけるノイズを除去するための動作の間、データをフィルタリングするために使用することができる。第1の一連の読み取り(例えば、1〜23)は、容量の急速な上昇を示し、これは初期に補う移動平均のアーチファクトであり、実際の生の容量測定値の急勾配の増加の結果ではない。除去したデータの最後の一連の読み取りは、垂直線(例えば、793前方)、容量の急勾配の増加を示し、これは生の容量測定値における実際のジャンプを表す。
【0050】
実施例:容量表示値に基づくレベル決定
図9は、本開示のいくつかの実施形態による、容量に対する流体表面接触時のプローブ位置の例示的なプロットを示す。このプロットは、正規化される場合、制御システムがプローブが流体表面に達したかを検出する場合の容量測定値は、(
図7に示すことができるスプレッドを例証する)流体レベルを推論するために使用することができることを例証する。プローブが流体レベルに近いことを単に検出する代わりに、流体レベルの絶対的な高さは、正規化されたデータのこのプロットを使用して決定することができる。これにより、制御システムが取得されるさらなる試料に対して、流体レベルが非常に低くなる場合を検出することができ、かつ吸引がキュベットに対して繰り返されようとする場合、キュベットの底部に非常に近いプローブを駆動することを回避することができる。あるいは、位置情報(利用できる場合)は、位置が所定位置の閾値に達し、キュベットの底部に非常に近いプローブを駆動することを回避する場合、プローブを停止するための別々または追加のチェックとして使用することができる。
【0051】
アプローチ方法
図10は、本開示のいくつかの実施形態による、容器に向かうプローブを移動させる制御システムによって、使用可能な方法の例示的な流れ図を示す。例示的な方法1000は、容量測定値および任意選択的に位置情報を考慮に入れながら、容器の流体表面に向かってプローブを移動させるための機構を提供する。この方法は、プローブが可能な限り急速に流体表面に向かって移動することができるが、プローブが流体表面に近づくと、プローブを減速させる。この方法はまた、プローブが流体表面に達するか、または流体表面の下の所定距離に到達すると、プローブを停止する。
【0052】
流体を中に有する容器に向かうプローブの移動を制御する方法をこの図に例証する。プローブは、第1の速度、例えば、毎秒Xミリメートルで前もって移動することができる。(ボックス1002)。アプローチエンジンは、モータ制御エンジンから、位置情報を(任意選択的に)受信することができ(ボックス1004)、容量デジタルコンバータ(CDC)から、容量測定値を受信することができる(ボックス1006)。これらの工程の順序は、異なってもよい。データ帯域幅に応じて、位置情報は利用できないが、容量測定値は利用でき、容量測定値は利用できないが、位置情報は利用できることが可能である。
【0053】
アプローチエンジンは、容量測定値が所定の容量閾値を超えるかどうかをチェックすることができる(チェック1008)。容量測定値が所定の容量閾値を超える(または、満たすもしくは超える)場合、プローブが流体表面に達した可能性があることが決定される。これによって、アプローチエンジンは、プローブに移動を停止させる(ボックス1010)。これによって、表面侵入(例えば、システム構成パラメータによる表面の下のわずか0.05〜0.25mm)後、プローブを極めて迅速に停止させることができる。容量測定値が所定の容量閾値を超えなかった場合、この方法は継続する。
【0054】
アプローチエンジンは、位置情報に関する容量測定値の勾配が所定の勾配閾値を超えるか(または、満たすかもしくは超える)どうかをチェックすることができ(チェック1012)、プローブが容器中の流体表面の近くに到達していることを示すことができる(例えば、測定の精度および速度に応じて、流体表面から5〜10mm離れている、またはさらに小さく、例えば流体表面から1〜2mm離れている)。位置情報に関する容量測定値の勾配が所定の勾配閾値を超える場合、アプローチエンジンはプローブに第2の速度(例えば、Ymm/s)で勾配を移動することによって減速させる(ボックス1014)。位置情報に関する容量測定値の勾配が所定の閾値を超えない場合、この方法は継続し、例えば、折り返して1004に戻る。
【0055】
本方法を例証するために、以下の節は、流体を中に有する容器に向かうプローブの移動を制御するための例示的な方法を記載する。本方法は、容量センサからプローブと容器の下の導電プレートとの間の容量を示す第1の容量測定値をアプローチエンジンで受信することを含む。有利には、アプローチエンジンは、容量測定値からプローブが流体表面にどれくらい近いかを推論することができる。容量測定値に基づいて、アプローチエンジンはプローブを移動させるために適切な第1の速度を決定することができ、アプローチエンジンは、第1の速度で容器に向かってプローブを移動させるための運動制御エンジンに、第1の信号を送信することができる。例えば、容量測定値に応じて、アプローチエンジンは、容器中の流体に向かうそのアプローチにおいてプローブを加速させるまたは減速させることができる。
【0056】
いくつかの実施形態において、本方法は、運動制御エンジンから第1の位置情報を受信することをさらに含み得、第1の位置情報の測定値は、導電プレートに対するプローブの位置を示す。第1の速度は、第1の位置情報にさらに基づいて決定され得る。例えば、位置情報は、プローブが次の試料吸引でキュベットに行き過ぎるのを防止するために、正規化、プローブを減速するための勾配決定、および/またはレベル決定において使用され得る。
【0057】
いくつかの実施形態において、第1の容量測定値が所定の容量閾値を超える場合、第1の速度がゼロであり、容器に向かうプローブの移動を停止することをさらに含み得る。これによって、容量測定値において大規模な不連続性が検出されると、アプローチエンジンがプローブの移動を停止することができ、これは所定の容量閾値が、プローブが容器中の流体表面に達した可能性があることを示すためである。
【0058】
いくつかの実施形態において、本方法は、容量センサから第2の容量測定値および第3の容量測定値を受信するアプローチエンジンをさらに含み得る。第2の容量測定値および第3の容量測定値はそれぞれ、プローブと容器の下の導電プレートとの間に形成される容量を示す。容量測定(すなわち、連続的な読み取りの容量測定または短い時間間隔内で行われる容量測定)により、位置情報に関する容量測定値の勾配が推定可能になる(位置情報が利用できない場合であっても)。勾配を決定するために、アプローチエンジンは、第2の容量測定値と第3の容量測定値との間の容量の変化を決定する(または計算する)。読み取り間の容量の変化に基づいて、勾配を推定することができる。
【0059】
いくつかの実施形態において、アプローチエンジンは、運動制御エンジンから第2の容量測定値および第3の容量測定値を受信し、第2の容量測定値および第3の容量測定値はそれぞれ、導電プレートに対するプローブの位置を示す。第2および第3の容量測定値ならびに位置情報により、位置情報に対する容量測定値の勾配が決定可能になる(容量測定値のみから推定されるのではない)。勾配を決定するために、アプローチエンジンは、第2の容量測定値と第3の容量測定値との間の容量の変化を決定し(または計算する)、第2の位置情報と第3の位置情報との間の位置の変化を決定する。2つの変化に基づいて、勾配を決定することができる。
【0060】
勾配は、プローブが移動すべきである速度で影響を及ぼすことができる。このため、アプローチエンジンは、勾配(または推定勾配)に基づいて決定される第2の速度で、容器に向かうプローブを移動させるための運動制御エンジンに第2の信号を送信することができる。勾配(または、推定勾配)が所定の勾配閾値を超える場合、プローブの移動を減速するために、第2の速度は、第1の速度より遅くなるように設定される。この状態は、プローブが容器中の流体表面の近くに到達している可能性があることを示す。
【0061】
場合によっては、容量デジタルコンバータと連動するか、またはその中にある容量センサは、プローブと、空気、容器中の流体、および容器を含む誘電体混合物を有する導電プレート(プローブから導電プレートまでこの順序で)との間の容量を測定するように構成される。基準測定が利用できる場合(例えば、
図3に示されるデータなど)、基準データは、容量に対する容器の寄与のモデルを提供するために使用することができる。
図11は、本開示のいくつかの実施形態による、容量測定値に対する位置情報の例示的なべき乗法の推定を示す。具体的には、基準容量測定値の例示的なべき級数法(例えば、逆xべき乗法)が示され、これは観測位置情報に基づいて基準容量寸法を挿入するために使用することができる。モデル、第1の容量測定値、第2の容量測定値、および/または第3の容量測定値を使用して、空の容器に向かうプローブの移動から得られる容量測定値に対する位置情報を含む測定データを表すべき級数関数に基づいて正規化することができる。有利には、プローブは流体表面に対してより近くを移動する場合、正規化された容量測定値の勾配の変化は、生の容量測定値の勾配の変化より顕著である。これによって、システムが、プローブが流体表面に非常に近いときを精密に決定するまたは確認するためのよりロバストな所定の勾配閾値(またはいくつかの他のトリガ基準)を有することができる。
【0062】
端子、接地、および励起源の構成
図12A〜Bは、本開示のいくつかの実施形態による、容量を測定するために制御システムで使用可能な、2つの例示的な容量デジタルコンバータ(CDC)を示す。
図12Aにおいて、示されるシステムは、検知されているコンデンサの両方の端子/プレートが接地から分離される浮動容量センサを使用するCDCの例示的なブロック図に対応する。
図12Bにおいて、示されるシステムは、検知されているコンデンサの1つの端子/プレートが接地に接続されるシングルエンド型または差動容量型センサを使用するCDCの例示的なブロック図に対応する。
【0063】
本明細書において開示される方法および装置が両種類のCDCと使用可能であることに留意されたい。励起するための端子/プレート、および(すなわち、プローブまたは容器の下の導電プレート)から読み取るための端子/プレートの選択は、用途次第であり得る。一般的に言えば、浮動デュアルエンド型容量センサは、シングルエンド型容量センサより感度が高くなり得る(より良好な容量測定値を得ることができる)。複雑性の理由のために、より単純な設計が望まれる場合、本適用例は代わりにシングルエンド型容量センサを使用してもよい(例えば、プローブおよび導電プレートの両方が信号接続性を有することを回避する)。
【0064】
一実施形態において、容量センサ(CDC)は、励起源をプローブに提供し、かつ導電プレートから第1の容量測定値を読み取ることによって第1の容量測定値を受け取るように構成される。別の実施形態において、容量センサ(CDC)は、励起源を導電プレートに提供し、かつ導電プレートから第1の容量測定値を読み取ることによって第1の容量測定値を受け取るように構成される。これらの実施形態は、
図12Aに示される例示的なシステムを使用して実施することができる。
【0065】
一実施形態において、容量センサ(CDC)は、導電プレートを接地することと、励起源をプローブに提供することと、プローブから第1の容量測定値を読み取ることとによって、第1の容量測定値を受け取るように構成される。あるいは、容量センサ(CDC)は、プローブを接地することと、励起源を導電プレートに提供することと、導電プレートから第1の容量測定値を読み取ることとによって、第1の容量測定値を受け取るように構成される。これらの実施形態は、
図12Bに示される例示的なシステムを使用して実施することができる。
【0066】
システムおよび方法の変種
上記本実施形態の考察において、コンデンサ、クロック、DFF、除算器、誘導器、抵抗器、増幅器、スイッチ、デジタルコア、トランジスタ、および/または他の構成部品は、容易に交換できるか、取り換えることができるか、あるいは別の方法で、特定の回路ニーズに適応するために修正することができる。さらに、相補型電子デバイス、ハードウェア、ソフトウェアなどの使用が、本開示の教示を実施するための同等に実行可能な選択肢を与えることに留意されたい。
【0067】
1つの例示的実施形態において、図の容器に向かうプローブの移動を制御するためのシステムを提供するための任意の数の電気回路および構成部品は、関連電子デバイスのボード上に実装することができる。ボードは、電子デバイスの内部の電子システムの種々の構成部品を保持することができ、かつさらにコネクタを他の周辺機器に提供することができる汎用回路基板であり得る。より具体的には、ボードは、システムの他の構成部品を電気的に連通させることができる電気的接続を提供することができる。任意の好適なプロセッサ(デジタル信号プロセッサ、マイクロプロセッサ、支持チップセットなどを含む)、コンピュータ可読非一時的メモリ素子などは、特定の構成ニーズ、処理要求、コンピュータ設計などに基づいてボードに適切に連結することができる。他の構成部品、例えば外部記憶装置、追加センサ、オーディオ/ビデオディスプレイ用コントローラ、および周辺装置は、プラグインカードとして、ケーブルを介してボードに接続することができ、またはボード自体に集積することができる。
【0068】
別の例示的な実施形態において、図の電気回路および構成部品は、独立型モジュール(例えば、特定の用途または機能を実施するように構成された関連構成部品および回路を有するデバイス)として実装することができ、または電子デバイスの特定用途向けハードウェアへのプラグインモジュールとして実装することができる。本開示の特定の実施形態は、一部または全体のいずれかでシステムオンチップ(SOC)パッケージに容易に含まれ得ることに留意されたい。SOCは、コンピュータまたは他の電子システムの構成部品をシングルチップに集積するICを表す。それは、デジタル、アナログ、混合信号、および多くの場合、無線周波数機能を含み得、それらのすべてをシングルチップ基板上に備えることができる。他の実施形態は、単一の電子パッケージ内に位置する複数の別個のICを有し、電子パッケージによって互いに密接に相互作用するように構成されたマルチチップ−モジュール(MCM)を含み得る。種々の他の実施形態において、増幅機能は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、および他の半導体チップ中の1つ以上のシリコンコアにおいて実装することができる。
【0069】
本明細書において概説される仕様、次元、および関係のすべて(例えば、プロセッサの数、論理演算など)が、実施例および教示のみのために提供されているにすぎないことにも留意されたい。このような情報は、本開示の趣旨または添付の特許請求の範囲の範囲を逸脱することなく、相当に変更されてもよい。本明細書は、1つの非限定例にのみあてはまり、したがって、それらはこのように解釈されなければならない。前述において、例示的な実施形態は、特定のプロセッサおよび/または構成部品配置に関して記載されている。種々の修正および変更は、添付の特許請求の範囲の範囲を逸脱することなく、このような実施形態に対して行うことができる。このため、説明および図面は限定的な意味ではなく、例示とみなされる。
【0070】
特定の状況において、本明細書において述べられる特徴は、医用システム、科学的計装、食品加工、化学処理、および流体表面に向かうプローブ状の物体の運動の制御が要求される任意の用途に適用することができる。さらに他の実施例のシナリオにおいて、本開示の教示は、生産性、効率性、および信頼性の推進を補助する、流体表面に向かうプローブの運動制御を伴うプロセス制御システム、を含む工業市場に適用することができる。
【0071】
本明細書に提供される多数の実施例により、2、3、4個以上の電気構成部品に関して相互作用が説明され得ることに留意されたい。しかしながら、これは、明確化および例示のためにのみ行われる。本システムは、任意の好適な方法で統合することができることを理解すべきである。類似の設計代案に沿って、任意の例証される構成部品、モジュール、および図の要素を種々の可能な構成に組み合わせることができ、そのすべては明らかに本明細書の広範な範囲内である。ある場合において、所与の一連のフローの1つまたは複数の相関関係を限定数の電気要素を参照するのみによって説明することは容易であり得る。図およびその教示の電気回路が容易に拡張可能であり、多数の構成部品、ならびにより複雑な/精巧な配置および構成を適応させることができることを理解すべきである。したがって、提供された例は、無数の他の構築に潜在的に適用されるものとして、範囲を限定するものではなく、または電気回路の広汎な教示を阻害するものではない。
【0072】
本明細書において、「一実施形態」、「例示的な実施形態」、「実施形態」、「別の実施形態」、「いくつかの実施形態」、「種々の実施形態」、「他の実施形態」、「代替的な実施形態」などに含まれる種々の特徴(例えば、要素、構造、モジュール、構成部品、工程、動作、特性など)の参照は、任意のこのような特徴が本開示の1つ以上の実施形態に含まれるが、同じ実施形態に必然的に組み込まれ得るまたは組み込まれ得ないことを意味するよう意図されていることに留意されたい。
【0073】
多数の他の変化、代用、変数、変更、および修正を当業者は確認することができ、本開示は、添付したクレームの範囲内にあるとして、すべてのこのような変化、代用、変数、変更、および修正を包含するよう意図される。本明細書に添付の特許請求の範囲を解釈する上で米国特許商標庁(USPTO)、さらに本願に公表するあらゆる特許の任意の読者を補助するために、出願人は、本出願人が(a)用語「手段」、または「工程」が特定の特許請求の範囲において具体的に使用される場合を除き、本明細書の出願日に存在しているものとして、添付の特許請求の範囲のいずれも米国特許法第112条第6項に訴えることを意図しない、および(b)本明細書のいかなる表現によっても、添付の特許請求の範囲中に別の方法で反映されない、任意の方法において本開示を限定するようには意図されていないことを留意することを望む。
【0074】
他の注記、実施例、および実施態様
実施例1は、流体を中に有する容器に向かうプローブの移動を制御する方法であって、容量センサからプローブと容器の下の導電プレートとの間の容量を示す第1の容量測定値を受信することと、第1の容量測定値に基づいて決定される第1の速度で、容器に向かってプローブを移動させるための運動制御エンジンに第1の信号を送信することと、を含む、方法である。
【0075】
実施例2において、実施例1による方法は、任意選択的に、運動制御エンジンから、導電プレートに対するプローブの位置を示す第1の位置情報を受信することを含んでもよく、第1の速度が、第1の位置情報にさらに基づいて決定される。
【0076】
実施例3において、実施例1〜2のいずれか1つによる方法は、任意選択的に、第1の容量測定値が所定の容量閾値を超える場合、第1の速度がゼロであり、容器に向かうプローブの移動を停止することを含んでもよい。
【0077】
実施例4において、実施例1〜3のいずれか1つによる方法は、任意選択的に、プローブが容器中の流体表面に達した可能性があることを示す所定の容量閾値を含んでもよい。
【0078】
実施例5において、実施例1〜4のいずれか1つによる方法は、任意選択的に、容量センサから、それぞれがプローブと容器の下の導電プレートとの間に形成される容量を示す、第2の容量測定値および第3の容量測定値を受信することと、第2の容量測定値と第3の容量測定値との間の容量の変化を決定し、位置情報の変化に対する容量の変化を示す勾配を推定することと、容量の変化に基づいて決定される第2の速度で、容器に向かってプローブを移動させるための運動制御エンジンに第2の信号を送信することと、を含んでもよい。
【0079】
実施例6において、実施例1〜5のいずれか1つによる方法は、任意選択的に、容量の変化が所定の勾配閾値を超えて、プローブの移動を減速させる場合、第2の速度が第1の速度未満であることを含んでもよい。
【0080】
実施例7において、実施例1〜7のいずれか1つによる方法は、任意選択的に、プローブが容器中の流体表面の近くに到達していることを示す所定の容量閾値を含んでもよい。
【0081】
実施例8において、実施例1〜7のいずれか1つによる方法は、任意選択的に、容量センサが、プローブと、空気、容器中の流体、および容器を含む誘電体混合物を有する導電プレートとの間の容量を測定するように構成されることを含んでもよい。
【0082】
実施例9において、実施例1〜8のいずれか1つによる方法は、任意選択的に、第1の容量測定値が、空の容器に向かうプローブの移動から得られる容量測定値に対する位置情報を含む測定データを表すべき級数関数に基づいて正規化されることを含んでもよい。
【0083】
実施例10において、実施例1〜9のいずれか1つによる方法は、任意選択的に、第2の容量測定値および第3の容量測定値が、空の容器に向かうプローブの移動から得られる容量測定値に対する位置情報を含む測定データを表すべき級数関数に基づいて正規化されることを含んでもよい。
【0084】
実施例11において、実施例1〜10のいずれか1つによる方法は、任意選択的に、容量センサが、励起源をプローブに提供し、かつ導電プレートから第1の容量測定値を読み取ることによって第1の容量測定値を受け取るように構成されることを含んでもよい。
【0085】
実施例12において、実施例1〜11のいずれか1つによる方法は、任意選択的に、容量センサが、励起源を導電プレートに提供し、かつ導電プレートから第1の容量測定値を読み取ることによって第1の容量測定値を受け取るように構成されることを含んでもよい。
【0086】
実施例13において、実施例1〜12のいずれか1つによる方法は、任意選択的に、導電プレートを接地することと、励起源をプローブに提供することと、プローブから第1の容量測定値を読み取ることとによって第1の容量測定値を受け取るように構成されることと、を含んでもよい。
【0087】
実施例14は、流体を中に有する容器に向かうプローブの移動を制御するためのシステムであって、容量センサからの測定値を容量性デジタル信号に変換するための容量デジタルコンバータと、容器に向かってプローブを移動させるための運動制御エンジンと、容量デジタルコンバータの出力に連結するアプローチエンジンと、を備え、容量デジタルコンバータが、容量センサからプローブと容器の下の導電プレートとの間の容量を示す第1の容量測定値を受信し、第1の容量測定値に基づいて決定される第1の速度で、容器に向かってプローブを移動させるための運動制御エンジンに第1の信号を送信するように構成される、システムである。
【0088】
実施例15において、実施例14によるシステムは、任意選択的に、第1の容量測定値が所定の容量閾値を超える場合、第1の速度がゼロであり、容器に向かうプローブの移動を停止することを含んでもよい。
【0089】
実施例16において、実施例14〜15のいずれか1つによるシステムは、任意選択的に、アプローチエンジンが、容量センサから、それぞれがプローブと容器の下の導電プレートとの間に形成される容量を示す、第2の容量測定値および第3の容量測定値を受信し、第2の容量測定値と第3の容量測定値との間の容量の変化を決定して、位置情報の変化に対する容量の変化を示す勾配を推定し、容量の変化に基づいて決定される第2の速度で、容器に向かうプローブを移動させるための運動制御エンジンに第2の信号を送信するようにさらに構成されることを含んでもよい。
【0090】
実施例17において、実施例14〜16のいずれか1つによるシステムは、任意選択的に、第1の容量測定値が、空の容器に向かうプローブの移動から得られる容量測定値に対する位置情報を含む測定データを表すべき級数関数に基づいて正規化されることを含んでもよい。
【0091】
実施例18において、任意選択的に、実施例14〜17のいずれか1つによるシステムは、アプローチエンジンが、運動制御エンジンから、導電プレートに対するプローブの位置を示す第1の位置情報を受信し、第1の速度が、第1の位置情報にさらに基づいて決定されるようにさらに構成されることを含んでもよい。
【0092】
実施例19において、実施例14〜18のいずれか1つによるシステムは、任意選択的に、プローブが容器中の流体表面に達した可能性があることを示す所定の容量閾値を含んでもよい。
【0093】
実施例20において、実施例14〜19のいずれか1つによるシステムは、任意選択的に、容量の変化が所定の勾配閾値を超えて、プローブの移動を減速する場合、第2の速度が第1の速度未満であることを含んでもよい。
【0094】
実施例21において、実施例14〜20のいずれか1つによるシステムは、任意選択的に、プローブが容器中の流体表面の近くに到達していることを示す所定の容量閾値を含んでもよい。
【0095】
実施例22において、実施例14〜21のいずれか1つによるシステムは、任意選択的に、容量センサが、プローブと、空気、容器中の流体、および容器を含む誘電体混合物を有する導電プレートとの間の容量を測定するように構成されることを含んでもよい。
【0096】
実施例23において、実施例14〜22のいずれか1つによるシステムは、任意選択的に、第2の容量測定値および第3の容量測定値が、空の容器に向かうプローブの移動から得られる容量測定値に対する位置情報を含む測定データを表すべき級数関数に基づいて正規化されることを含んでもよい。
【0097】
実施例24において、実施例14〜23のいずれか1つによるシステムは、任意選択的に、容量センサが、励起源をプローブに提供し、かつ導電プレートから第1の容量測定値を読み取ることによって第1の容量測定値を受け取るように構成されることを含んでもよい。
【0098】
実施例25において、実施例14〜24のいずれか1つによるシステムは、任意選択的に、容量センサが、励起源を導電プレートに提供し、かつ導電プレートから第1の容量測定値を読み取ることによって第1の容量測定値を受け取るように構成されることを含んでもよい。
【0099】
実施例26において、実施例14〜25のいずれか1つによるシステムは、任意選択的に、導電プレートを接地することと、励起源をプローブに提供することと、プローブから第1の容量測定値を読み取ることとによって第1の容量測定値を受け取るように構成されることを含んでもよい。
【0100】
実施例Iは、流体を中に有する容器に向かうプローブの移動を制御するための命令が記憶された非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、少なくとも1つのプロセッサによって実施される場合、命令が、少なくとも1つのプロセッサに、容量センサからプローブと容器の下の導電プレートとの間の容量を示す第1の容量測定値を受信する動作と、第1の容量測定値に基づいて決定される第1の速度で、容器に向かうプローブを移動させるための運動制御エンジンに第1の信号を送信する動作と、を実施させる、非一時的コンピュータ可読記憶媒体である。
【0101】
実施例IIにおいて、実施例Iによる媒体は、任意選択的に、第1の容量測定値が所定の容量閾値を超える場合、第1の速度がゼロであり、容器に向かうプローブの移動を停止することを含んでもよい。
【0102】
実施例IIIにおいて、実施例IまたはIIによる媒体は、任意選択的に、少なくとも1つのプロセッサが、容量センサから、それぞれがプローブと容器の下の導電プレートとの間に形成される容量を示す、第2の容量測定値および第3の容量測定値を受信する動作と、第2の容量測定値と第3の容量測定値との間の容量の変化を決定して、位置情報の変化に対する容量の変化を示す勾配を推定する動作と、容量の変化に基づいて決定される第2の速度で、容器に向かってプローブを移動させるための運動制御エンジンに第2の信号を送信する動作と、を実施するようにさらに構成されることを含んでもよい。
【0103】
実施例Aは、実施例1〜13のいずれか1つの方法を実施するための手段を含む装置である。
【0104】
実施例Bにおいて、実施例Aの装置は、任意選択的に、プロセッサおよびメモリを含む方法を実施するための手段を含んでもよい。
【0105】
実施例Cにおいて、実施例Bの装置は、任意選択的に、実行される場合、装置に方法を実施させる機械可読命令を含むメモリを含んでもよい。
【0106】
実施例Dにおいて、請求項37〜39のいずれか1つの装置は、コンピューティングシステムである。
【0107】
実施例Eは、実行される場合、実施例1〜13のいずれか1つの方法を実施するか、または実施例14〜26およびA〜Dのいずれか1つの装置またはシステムを実現する命令を含む少なくとも1つのコンピュータ可読媒体を含む。
【0108】
上述の装置のすべての任意選択的特徴はまた、本明細書に記載の方法またはプロセスに関して実施することができ、実施例における詳細は、1つ以上の実施形態のどこにでも使用することができることに留意されたい。
【0109】
第1の実施例において、制御システムが提供され(任意の好適な回路、除算器、コンデンサ、抵抗器、誘導器、ADC、DFF、論理ゲート、ソフトウェア、ハードウェア、リンクなどを含んでもよい)、これは、任意のタイプのコンピュータの一部であってもよく、複数の電子部品に連結する回路基板をさらに含んでもよい。このシステムは、マクロクロックである第1のクロックを使用して、マクロの第1のデータ出力へ、デジタルコアからのデータをクロッキングするための手段と、物理インターフェースクロックである第2のクロックを使用して、物理インターフェースにマクロの第1のデータ出力からのデータをクロッキングするための手段と、マクロクロックを使用して、マクロのリセット出力へデジタルコアからの第1のリセット信号をクロッキングするための手段であって、第1のリセット信号出力が、第2のリセット信号として使用される手段と、サンプリングされたリセット信号を生成するために、第2のクロックのレートより大きいクロックレートを提供する第3のクロックを使用して、第2のリセット信号をサンプリングするための手段と、サンプリングされたリセット信号の遷移に応答して物理インターフェースにおける所定の状態に第2のクロックをリセットするための手段とを含んでもよい。
【0110】
(上記の)これらの場合において、「の手段」は、任意の好適なソフトウェア、回路、ハブ、コンピュータコード、論理回路、アルゴリズム、ハードウェア、コントローラ、インターフェース、リンク、バス、通信経路などに加えて、本明細書において述べられる任意の好適な構成部品を使用することを含んでもよい(が、これらに限定されない)。第2の実施例において、本システムは、実行される場合、システムに上述の任意の活動を実施させる機械可読命令をさらに含む非一時的コンピュータ可読メモリを含む。