(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0006】
定義
「吸収性物品」とは、身体排泄物を吸収及び収容するデバイスを指し、より詳細には、着用者の身体に接してあるいは、近接して配置されて、身体から排出される様々な排泄物を吸収し、収容するデバイスを指す。吸収性物品としては、おむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁下着、女性用衛生製品、胸パッド、ケアマット、よだれ掛け、創傷包帯製品、及び同種のものを挙げることができる。本明細書で使用するとき、用語「体液」又は「身体排出物」には、これらに限定されるものではないが、尿、血液、膣排泄物、母乳、汗及び糞便が含まれる。
【0007】
「吸収性コア」は、吸収性物品によって受け取られた液体を吸収し収容するために、吸収性物品のトップシートとバックシートとの間に通常配置される構造体を意味し、1つ以上の基材と、1つ以上の基材上に配置された吸収性ポリマー材料と、吸収性粒子状ポリマー材料を1つ以上の基材上に固定化するための、吸収性粒子状ポリマー材料上及び1つ以上の基材の少なくとも一部分上の熱可塑性組成物とを含んでもよい。
【0008】
「吸収性ポリマー材料」、「吸収性ゲル材料」、「AGM」、「超吸収体」及び「超吸収性材料」とは、本明細書で互換的に使用され、遠心分離保持容量試験(Edana 441.2−01)を使用して測定されたときに、0.9%食塩水溶液をその重量の少なくとも5倍吸収可能な架橋されたポリマー材料を指す。
【0009】
「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、及び「備える(comprises)」は、非限定的な用語であり、それぞれが、後に続くもの(例えば、構成要素)の存在を特定するが、他の特徴(例えば、当該技術分野において既知であるか、又は本明細書に開示される要素、工程、構成要素)の存在を除外するものではない。
【0010】
本明細書において「基本的に〜からなる」とは、例えば特許請求の範囲におけるような発明の主題の範囲を、特定の材料又は工程、及び発明の主題の基本的かつ新規な特徴に実質的に影響を及ぼさないものに限定するために使用される。
【0011】
「おむつ」とは、一般的に、幼児及び失禁症状のある人によって、着用者の腰部及び脚部を取り巻くように胴体下部の周りに着用され、かつ具体的には、尿及び糞便を受容し収容するように適合された吸収性物品を指す。「おむつ」という用語はまた、本明細書で使用する場合、以下で定義されている「パンツ」も含む。
【0012】
「繊維」及び「フィラメント」は、互換的に使用される。
【0013】
「不織布」は、一方向に又は不規則に配向され、摩擦、及び/又は粘着及び/又は接着により固着された繊維の製造されたシート、ウェブ、又はバットであるが、紙、及び追加的に縫製されているかどうかを問わず、織製、編製、タフト加工、結合糸若しくはフィラメントを組み込んだステッチボンド加工、又は湿式ミリングによるフェルト加工を受けた製品を除く。繊維は、天然由来のものであっても若しくは人工起源のものであってもよく、ステープル若しくは連続フィラメントであっても、又はその場で形成されたものであってもよい。市販の繊維は、約0.001mm未満〜約0.2mmを上回る範囲の直径を有し、いくつかの異なる形態、すなわち短繊維(ステープル又は細断繊維として知られる)、連続単繊維(フィラメント又はモノフィラメント)、撚り合わせていない連続フィラメントの束(タウ糸)、及び連続フィラメントの撚り束(編み糸)として提供されている。不織布は、メルトブローイング、スパンボンディング、溶剤紡糸、電界紡糸、及びカーディングなどの多くのプロセスによって形成することができる。不織布繊維の坪量は、通常、グラム毎平方メートル(gsm)で表される。
【0014】
「パンツ」又は「トレーニングパンツ」は、本明細書で用いられるとき、乳児又は成人の着用者に合わせて設計された腰部開口部と脚部開口部とを有する使い捨て衣類を指す。パンツは、着用者の脚を脚部開口部に挿入し、パンツを着用者の胴体下部の周囲位置にまでずらすことによって、着用者に対して定位置に置くことができる。パンツは、任意の好適な技術によって予備形成されてもよく、その例としては、再締結可能及び/又は再締結不可能な結合(例えば、シーム、溶接、接着、凝集結合、締結具等)を使用して、物品の一部分を一緒に接合することが挙げられるがこれらに限定されない。パンツは、物品の外周に沿った任意の位置において予備成形することができる(例えば、側面締着、前腰部締着)。用語「パンツ」が本明細書では使用されるが、パンツは、一般に「密閉型おむつ」、「事前締着型(prefastened)おむつ」、「プルオン型おむつ」、「トレーニングパンツ」、及び「おむつパンツ」とも呼ばれる。好適なパンツは、1993年9月21日Hasseらに発行の米国特許第5,246,433号、1996年10月29日Buellらに発行の米国特許第5,569,234号、2000年9月19日Ashtonに発行の米国特許第6,120,487号、2000年9月19日Johnsonらに発行の米国特許第6,120,489号、1990年7月10日Van Gompelらに発行の米国特許第4,940,464号、1992年3月3日Nomuraらに発行の米国特許第5,092,861号に開示される。
【0015】
「実質的に界面活性剤を含まない」とは、本明細書では、10重量%未満の界面活性剤若しくはその混合物、5重量%未満の界面活性剤、1重量%未満の界面活性剤を含有するか、界面活性剤を含有しないか、又はわずかに微量の界面活性剤を含有し、界面活性剤がアニオン性、カチオン性、非イオン性、両性であってよいか、又はその混合物を含んでよく、物品構成要素の表面(例えば、不織布材料の繊維又はフィルムの表面)との接触時に(米国特許第6,772,708号(Klofta)で開示される)合成尿の接触角を縮小することにより物品構成要素の湿潤性を増大させるように機能してもよい、ダスティング層等の物品構成要素を述べるのに使用される。
【0016】
着色剤
本発明で使用される湿り度表示用組成物は、少なくとも1つの永久着色剤と組み合わせた少なくとも1つの液体活性化着色剤を含む。着色剤は、染料、インク、色素、又はpHインジケータであってもよい。永久着色剤は、湿り度インジケータマトリックス中にある間いつでも、その色を実質的に変化させないものである。すなわち、永久着色剤は、特定の湿り度インジケータマトリックスの乾燥及び湿潤状態で実質的に同じ色であり、また初期状態及びその最終状態で実質的に同じ色として述べられるものである。永久着色剤は、例えば、色素若しくは染料、又は液体活性化pHインジケータ着色剤でさえあってもよい。pHインジケータ着色剤を永久着色剤として定義できるということは反直観的であるように映るが、それらはpH環境の関数として色を変化させるため、乾燥及び湿潤状態環境のpHをpHインジケータ着色剤の酸性範囲又は塩基性範囲のいずれにおいても維持できる場合、pHインジケータ着色剤の実質的に永久かつ一定の色を維持することが可能である。例えば、フロキシンB(D&Cレッド28としても既知)の使用を永久着色剤と見なす。フロキシンBは約2.9のpKaを有するため、環境pHが2.9未満のその酸性範囲にある場合、特にpHがフロキシンBのpKaより少なくとも1単位小さい場合、フロキシンは無色になることになる。環境pHが2.9というこのpKaを超える場合、特に、pHがフロキシンBのpKaを1単位以上超える場合、フロキシンpHインジケータ着色剤の色は、ピンクがかった紫色である。したがって、乾燥状態インジケータ及び湿潤流体の両方のpHを2.9というフロキシンのpKaを超えて維持できる場合、フロキシンBは、永久的にピンクがかった紫色のその塩基性色のままであることになる。これは、乾燥した湿り度インジケータ組成物の色がピンクがかった紫色であるように、フロキシンBを、脂肪酸のような弱カルボン酸系安定剤と共に乾燥状態で配合することによって達成され得る。pH約6で尿と接触すると、色は、実質的にピンクがかった紫色と同じままである。
【0017】
また、尿などの流体が導入されたときに、全ての着色剤が、それらが由来する湿り度インジケータマトリックス中に実質的にとどまることが重要である。介護者がバックシート上の色の変化を観察することができるように、着色剤が湿った後に、それが湿り度インジケータマトリックス中に実質的にとどまることが重要である。着色剤が湿り度インジケータマトリックスから実質的に浸出し、吸収性物品のコア中に拡散する場合、色の変化は、介護者によって検出するのがより困難になるか、又は最悪の場合、バックシートを通して浸出し、乳児の衣服又はベッドシートを汚す。
【0018】
永久着色剤は、乾燥状態又は尿のような流体と接触した後の変色状態のいずれにおいても湿り度インジケータ組成物の色相を変えるよう機能できる。油溶性永久着色剤のいくつかの例としては、D&CイエローNo.11、D&CレッドNo.17、D&CレッドNo.21、D&CレッドNo.27(酸フロキシンBとしても既知)、D&CバイオレットNo.2、D&CグリーンNo.6、及びD&CオレンジNo.5が挙げられる。更なる永久着色剤としては、ピグメントレッド146(CAS#5280−68−2)、ピグメントレッド122(CAS#980−26−7)、ピグメントオレンジ16(CAS#6505−28−8)、FD&CブルーNo.1、FD&CレッドNo.40、アナットー、リコピン、カルミン、エルダーベリージュース、赤ビーツ抽出物、及びβ−カロチンのような食品着色剤が挙げられる。これらの永久着色剤は、乾燥状態又は湿潤状態のいずれにおいても湿り度インジケータ組成物の色相を変化させることができるだけでなく、それらの多くが尿のような親水性液体中で低い溶解度を有するため、有利となり得る。したがって、それらの浸出が阻止され、それらが尿のような水性液体で湿潤した後に主に脂溶性湿り度インジケータ組成物中に結合されたままである可能性がより高い。特定の場合には、水のような極性溶媒への溶解度がより高い親水性着色剤も、永久着色剤として機能し得る。これは、着色剤と湿り度インジケータ組成物中の別の成分との間の強力な結合形成により、親水性着色剤が湿り度インジケータ組成物内に結合されるときに起こり得る。例えば、特定の場合において、親水性及びアニオン性着色剤は、カチオン性結合剤との強力な結合形成によって湿り度インジケータ組成物内に永久的に結合され得、親水性及びカチオン性着色剤は、アニオン性結合剤との強力な結合形成によって湿り度インジケータ組成物内に永久的に結合され得る。
【0019】
液体活性化着色剤は、尿のような流体によって汚された後に、湿り度インジケータ組成物内の色を変化させる着色剤である。簡単に言えば、液体活性化着色剤は、乾燥状態で1つの独特な色であり、かつ尿のような体液で湿潤された後に異なる独特な色である。したがって、液体活性化着色剤は、その初期の状態又は乾燥状態で第1の色であり、かつその最終状態又は湿潤状態で第2の色である。例えば、湿り度インジケータは、液体活性化着色剤がpHの関数として色を変化させるため、乾燥状態で黄色であり、かつ湿潤状態で青色に変化し得る。したがって、ブロモクレゾールグリーンのような液体活性化着色剤は、酸を含めて、そのpKa未満のpHで湿り度インジケータに配合され得る。乾燥した湿り度表示用組成物内でそのpKa未満であると、ブロモクレゾールグリーンは、その黄色の遊離酸型になる。ブロモクレゾールグリーンのpKaを超える、約6というより高いpHを有する尿のような体液によって汚された後、ブロモクレゾールグリーンの形態の液体活性化着色剤は、色が青緑色に変化する。pHの変化によって引き起こされるこの液体活性化色変化は、ハロクロミーと呼ばれる。
【0020】
液体活性化着色剤に対する色変化は、pHの変化のみではなく、流体内の他の成分によっても誘発され得る。例えば、尿内のカルシウム金属イオンは、二価カルシウムイオンのような特定の金属と反応する際に色を変化させる、液体活性化着色剤に対する液体活性化色変化を誘発し得る。これらの着色剤は、それらが異なる金属と結合する際に色を変化させるため、メタロクロミックと呼ばれる。また、異なる溶媒環境中にあるために色を変化させる着色剤もある。したがって、着色剤は、有機かつ親油性の湿り度インジケータ組成物中で1つの特定の色であり、かつ親水性の尿内で水によって汚された際に色を変化させ得る。これは、ソルバトクロミズムと呼ばれる。
【0021】
湿り度インジケータ組成物がこの目的で調合される場合、液体活性化着色剤が永久着色剤として挙動することができることに留意することが重要である。例えば、ソルバクロミック液体活性化着色剤は、ホットメルト接着剤組成物のような脂溶性結合マトリックス中で黄色であり、かつ尿のような親水性及び水性の体液がWI組成物と接触するときに青色になり得る。しかし、湿り度インジケータ結合マトリックスは、ソルバクロミックインジケータの色を青色にするために、高濃度のポリエチレングリコールのような親水性成分で調合され得る。したがって、高濃度の親水性ポリエチレングリコールを有するこの乾燥状態の湿り度インジケータ組成物の色は、青色であり、この青色は、尿のような親水性体液と接触した後に維持される。したがって、このソルバクロミック着色剤は、永久着色剤として挙動する。上記の通り、pH液体活性化着色剤のような他の液体活性化インジケータ着色剤は、湿り度インジケータマトリックス及び湿り度インジケータ組成物と接触する流体の両方のpHに応じて、液体活性化着色剤又は永久着色剤のいずれかとして挙動することができる。詳細な組成物に関して以下の実施例2を参照されたい。
【0022】
本発明の実施に使用できる液体活性化着色剤のいくつかの代表例として、マラカイトグリーン、ブリリアントグリーン、クリスタルバイオレット、エリトロシンB、メチルグリーン、メチルバイオレット2D、ピクリン酸、ナフトールイエローS、キナルジンレッド、エオシンY、メタニルイエロー、m−クレゾールパープル、チモールブルー、キシレノールブルー、塩基性フクシン、リトマス、エオシンB、4−p−アミノフェノール(アゾ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、クレゾールレッド、m−クレゾールレッド、m−クレゾールパープル、マルチウスイエロー、フロキシンB、酸フロキシンB、メチルイエロー、メチルイエロー、2,4−ジニトロフェノール、オレンジIV、ベンゾプルプリン4B、ブロモフェノールブルー(遊離酸及び共役塩基型)、コンゴレッド、メチルオレンジ、クリスタルバイオレットラクトン、エチルビス(2,4−ジニトロフェニル)アセテート、ブロモクロロフェノールブルー(水溶性又は遊離酸型)、エチルオレンジ、ブロモクレゾールグリーン(遊離酸及び共役塩基塩型)、クリソイジン、メチルレッド(酸及び塩基型)、アリザリンレッドS、コチニール、クロロフェノールレッド、ブロモクレゾールパープル(遊離酸及び共役塩基型)、アリザリン、ニトラジンイエロー、ブロモチモールブルー、ブリリアントイエロー、ニュートラルレッド、ロゾール酸(アウリンとしても既知)、フェノールレッド、3−ニトロフェノール、オレンジII、フェノールフタレイン、2,6−ジバニリルデンシクロヘキサノン、メタクレゾールパープル、4−ニトロフェノール、o−クレゾールフタレイン、ナイルブルーA、チモールフタレイン、アニリンブルーWS、アリザリンイエローGG、モルダントオレンジ、トロペオリンO、オレンジG、メチルブルー、インジゴスルホン酸ナトリウム、酸性フクシン、チアゾールイエローG、インジゴカルミン、クレゾールレッド、メチルレッド、p−ニトロフェノール、及びアリザリンイエローRが挙げられる。ある特定の場合には、着色剤の遊離酸型、遊離塩基型、若しくは金属塩型、又はこれらの混合物を使用することが有利である。また、かつ上述の通り、液体活性化着色剤の多くはまた、湿り度インジケータ組成物及び湿り度インジケータ組成物と最終的に接触する流体の両方の特性に応じて、永久着色剤として機能することができる。
【0023】
追加の親水性永久着色剤としては、FD&CブルーNo.1、FD&CブルーNo.2、FD&CグリーンNo.3、FD&CレッドNo.40、FD&CレッドNo.4、FD&CイエローNo.5、FD&CイエローNo.6、C.I.フードブルー5、及びC.I.フードレッド7、D&CイエローNo.10、D&CイエローNo.7、D&CイエローNo.2、D&CイエローNo.8、D&CオレンジNo.4、D&CレッドNo.22、D&CレッドNo.28(フロキシンBとしても既知)、D&CレッドNo.33、D&CグリーンNo.8、D&CグリーンNo.5、D&CブラウンNo.1、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられ得る。好ましくは、着色剤は、湿り度インジケータ組成物内で可溶性であるが、特定の場合に記述されるように、着色剤は、湿り度インジケータ組成物内にそれを均質に懸濁又は分散することによって、目的通りに機能することができる。
【0024】
追加の好適な流体着色剤としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、及び様々な溶媒可溶性永久着色剤等の水溶性永久着色剤が挙げられる。分散又は懸濁された色素着色剤もまた、これらの湿り度インジケータ組成物(液体活性化調合物)中に採用され得るが、色素のような分散粒子を均質に懸濁することはより困難であり得る。例としては、C.I.アシッドイエロー73、C.I.ソルベントイエロー94、C.I.アシッドイエロー74、C.I.ソルベントオレンジ32、C.I.ソルベントレッド42、C.I.アシッドオレンジ11、C.I.ソルベントレッド72、C.I.ピグメントオレンジ39、C.I.ソルベントオレンジ18、C.I.アシッドレッド87、C.I.ソルベントレッド43、C.I.ピグメントレッド90:1、C.I.ソルベントレッド44、C.I.ソルベントレッド45、C.I.ソルベントオレンジ16、C.I.アシッドレッド91、C.I.アシッドレッド98、C.I.アシッドレッド92、C.I.ソルベントレッド48、C.I.ピグメントレッド174、ピグメントレッド146(C.I.No.12485、CAS#5280−68−2))、ピグメントレッド122(CAS#980−26−7)、ピグメントレッド112(CAS#6535−46−2)、ピグメントレッド101(CAS#1309−37−1)、ピグメントオレンジ34(CAS#15793−73−4、ピグメントオレンジ16(CAS#6505−28−8)、ピグメントグリーン7(CAS#1328−53−6)、ピグメントブルー15:2(CAS#12239−87−1)、ピグメントブルー15(CAS#147−14−8)、ピグメントブラック7(CAS#1333−86−4)、ピグメントレッド176、ピグメントレッド200、ピグメントレッド254、ピグメントレッド48:1、ピグメントレッド48:2、ピグメントレッド48:3、ピグメントレッド52、ピグメントレッド52:1、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド63:1、ピグメントバイオレット19、ピグメントバイオレット23、ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー83、C.I.アシッドレッド95、C.I.ソルベントレッド73、C.I.ピグメントレッド191、C.I.アシッドレッド51、C.I.フードレッド14、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ソルベントレッド140、C.I.アシッドレッド93、C.I.ソルベントレッド47、C.I.アシッドレッド94、C.I.ソルベントレッド141、C.I.モルダントバイオレット25、C.I.ソルベントオレンジ17、C.I.ソルベントレッド46、D&Cレッド27(C.I.45410:1)、D&Cオレンジ5(C.I.45370:2)、及びこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。より好ましい永久着色剤は、D&Cレッド27(酸フロキシンBとしても既知)、D&Cオレンジ5、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0025】
時に永久着色剤として機能し得、かつ他の時には液体活性化着色剤として機能し得る、追加の好適な着色剤としては、ブロモピロガロールレッド、ブロモキシレノールブルー、メチレンブルー、モノアゾ染料(例えば、アシッドアリザリンバイオレットN)、モノアゾピラゾリン染料(例えば、アシッドイエロー34)、ジアゾ染料(例えば、アシッドブラック24)、アントラキノン染料(例えば、アシッドブラック48)、両性アントラキノン染料(例えば、アシッドブルー45)、トリフェニルメタン染料(例えば、酸性フクシン)、フタレイン系染料(例えば、o−クレゾールフタレイン)、キサンテン染料(例えば、2’7’ジクロロフルオレセインエオシンB)、複素環式アクリジン芳香族(例えば、アクリジンオレンジ)、ジフェニルメタン染料(例えば、オーラミンO)、トリフェニルメタン染料(例えば、塩基性フクシン)、カチオン性チアジン染料(アズールC)、カチオン性アントラキノン染料(例えば、ベーシックブルー47)、フタロシアニン系染料(例えば、アストラゾンオレンジ(strazon orange)G)、アントラキノン系(例えば、アリザリン)、中性錯体染料(例えば、アズールAエオシネート)、テルペン系染料(例えば、トランス−β−カロチン)、並びに上記染料のうちの少なくとも1つを含む組み合わせが挙げられ得る。
【0026】
湿り度インジケータの環境に応じて、時に永久着色剤として機能し得、かつ他の時には液体活性化着色剤として機能し得る着色剤の例としては更に、有機染料、無機色素、着色巨大分子、着色ナノ粒子及び材料が挙げられるがこれらに限定されない。染料の例としては、アクリジン染料、アントラキノン染料、アリルメタン染料、アゾ染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、フタロシアニン染料、キノン−イミン染料、アジン(aazin)染料、インドフェノール染料、オキサジン染料、オキサゾン染料、チアゾール染料、キサンテン染料、フルオレン染料、フルオロン染料、ローダミン染料、並びにβ−カロチン、アナットー、コチニール、カラメル色素、赤ビーツ抽出物、ビーツ色素、リボフラビン、アントシアニン、カロテノイド、アポカロテナール及びパプリカ、のような天然染料が挙げられる。また、色を暗色化するために使用されるカラメル化成分も好適である。永久着色剤として最も典型的に使用される色素の例としては、カドミウム色素:カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムグリーン、カドミウムオレンジ、炭素色素:カーボンブラック(バインブラック、ランプブラックを含む)、アイボリーブラック(骨炭)、クロム色素:クロムイエロー及びクロムグリーン、コバルト色素:コバルトバイオレット、コバルトブルー、セルリアンブルー、オーレオリン(コバルトイエロー)、銅色素:アズライト(zzurite)、ハンパープル、ハンブルー、エジプシャンブルー、マラカイト、パリスグリーン、フタロシアニンブルーBN、フタロシアニングリーンG、緑青、ビリジアン、酸化鉄色素:サンギーヌ、カプットモータム、オキサイドレッド、レッドオーカー、ベネチアンレッド、プルシアンブルー、クレイアース色素(酸化鉄):イエローオーカー、ローシェンナ、バーントシェンナ、ローアンバー、バーントアンバー、鉛色素:リードホワイト、クレムニッツホワイト、ナポリイエロー、レッドリード、水銀色素:バーミリオン、チタン色素:チタンイエロー、チタンベージュ、チタンホワイト、チタンブラック、ウルトラマリン色素、ウルトラマリン、ウルトラマリングリーンシェード、亜鉛色素:ジンクホワイト、ジンクフェライトが挙げられる。その他の例としては、アリザリン、アリザリンクリムゾン、ガンボージ、コチニールレッド、ローズマダー、インジゴ、インディアンイエロー、チリアンパープル、有機キナクリドン、マゼンタ、フタログリーン、フタロブルー、ピグメントレッドが挙げられる。
【0027】
液体活性化着色剤(複数可)は、湿り度表示用組成物の約0.01重量%〜約20重量%であってもよい。いくつかの実施形態では、液体活性化着色剤(複数可)は、約0.02〜約15重量%、又は0.02〜約10重量%、又は約0.02〜約2重量%であってもよい。いくつかの実施形態では、液体活性化着色剤は、湿り度表示用組成物の約0.1重量%であってもよく、又は湿り度表示用組成物の約.01〜約5重量%であってもよい。永久着色剤は、約0.01重量%〜約20重量%、又は間の任意の整数範囲のレベルで湿り度表示用組成物中に含まれてもよい。
【0028】
結合剤
結合剤は、液体活性化着色剤、又は着色剤の組み合わせを、マトリックス内で固定化して着色剤がおむつのコア又は吸収性物品のその他の領域内に浸出するのを妨害するいかなる材料であってもよい。色のコントラスト及び鮮やかさを最適化するためには、尿等の液体と接触する前後に、着色剤をマトリックス内に「閉じ込める」ことが非常に好ましい。結合剤は、着色剤がマトリックスの外部へ浸出するのを妨害するだけでなく、湿り度表示用組成物全体が吸収性物品の構成要素に結合するのを助けることもできる。例えば、結合剤は、おむつバックシートの表面と湿り度表示用組成物との間に強力な結合を形成するのを助けることができる。本発明の湿り度表示用組成物のホットメルト結合マトリックス又は溶媒系結合マトリックス中の結合剤として使用するのに好適となり得る様々な材料が存在する。結合マトリックスは、尿のような体液によって汚された際に色を変化させる安全かつ効果的な湿り度表示用組成物をもたらすように着色剤と相互作用する成分の組み合わせである。結合マトリックスは、結合剤、粘着付与剤、界面活性剤、安定剤、酸化防止剤、UV−安定剤、可塑剤、ロジン、ポリマー及びワックスなどのホットメルト接着剤成分、湿潤剤、溶媒、並びに他の任意の成分のような成分からなる。
【0029】
一実施形態では、考えられる結合剤として、ロジン、ロジンエステル、重合ロジン、ペンタエリスリトールロジンエステル、変性スチレン−アクリルポリマー及びその塩、スチレン化テルペン、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。同じく結合剤として好適なものは、接着剤、第四級アンモニウム化合物、第四級ポリマー、ゴム、ラテックス及びラテックスエマルション、ワックス、界面活性剤、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、及びこれらの組み合わせである。
【0030】
好適なロジン混合物は、Arizona ChemicalのSylvatac RE98とEastmanのPoly−Pale(商標)の組み合わせであり得る。Sylvatac RE−98はペンタエリスリトールロジンエステルであり、Poly−Paleは重合ロジンである。どちらも安価なマトリックス成分であり、どちらも乾燥状態における暗色化に寄与することができ、どちらも効果的な粘着力及び接着力の維持に役立ち、これらの酸性は、着色剤を乾燥状態の色に保つのに役立つ。ロジンエステル、重合ロジン、及びペンタエリスリトールロジンエステルは、好適な結合剤であるのに加えて、これらの処方中の一部の他の成分に有効な可溶化剤でもあり得る。更に、理論に束縛されるものではないが、上述したように、一部のロジンエステル、重合ロジン、及びペンタエリスリトールロジンエステルの酸性は、限定されるものではないがpHインジケータ等の特定の染料の安定化に寄与すると考えられている。例えば、これらのロジンの一部は、ブロモクレゾールグリーンのような着色剤(遊離酸)を酸性の黄色の状態に維持するのに役立つ、酸性カルボキシレート基を含有する。遊離酸型のブロモクレゾールグリーンを使用する場合、この酸性黄色状態は、製品使用前の湿り度インジケータ組成物の乾燥状態に好ましい色である。
【0031】
いくつかの実施形態において、湿り度インジケータ組成物の初期乾燥状態は、いかなる着色の徴候もない完全な白色であることが好ましい。これは、白色に合成できる合成成分を使用することによって達成できる。これは、最も一般的には木に由来する天然材料であるロジン及び重合ロジンの使用と逆である。この天然ロジンは、乾燥状態では黄色が強くなる傾向があり、白色ではない。ただし、特定の場合には、二酸化チタン又はケイ酸アルミニウムナトリウムのような白色乳白剤の添加が、天然材料の使用に由来する黄色の着色を隠す効果を果たし得る。概して、湿り度表示用組成物は、乳白剤を実質的に含まなくてもよく、又は乳白剤は、湿り度表示用組成物の約0〜0.5重量%であってもよい。湿り度表示用組成物はまた、ハイドロクロミックイオン化合物を実質的に含まなくてもよい。
【0032】
結合材料は、着色剤が最初の色の状態のときに着色剤を固定化してもよい。着色剤が最初の色の状態のときに結合材料が着色剤を固定化する方法は、結合材料及び着色剤の両方の種類によって異なる。例えば、第1の結合材料は、接着力、水素結合力、イオン力、極性結合力、ファンデルワールス力、双極子相互力、ロンドン分散力、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の力によって作用してもよい。
【0033】
結合剤は、組成物の約1重量%〜約90重量%、約10重量%〜約75重量%、及び約20重量%〜約65重量%を含む、第1の状態にある着色剤の固定化及び安定化に有効な濃度で組成物中に用いられてよい。いくつかの実施形態では、結合マトリックスは、湿り度インジケータ組成物の約25重量%〜約75重量%であってもよい。いくつかの実施形態では、結合マトリックスは、約25、30、35、40、45、若しくは50重量%〜約99、95、90、85、80、75、70、65、60、若しくは55重量%、又はその中の任意の組み合わせであってもよい。
【0034】
結合マトリックスは、第1及び第2の結合剤を含んでもよい。第2の結合剤は、着色剤が最終の色の状態のときに、着色剤を固定化し得る任意の物質であってよい。この固定化は、着色剤を湿り度インジケータ組成物内に結合し、着色剤がおむつコア等のおむつの他の領域に浸出するのを防止する効果がある。第1の結合剤と同様に、第2の結合剤が、湿り度インジケータ組成物の外部への着色剤の浸出を妨害するだけでなく、湿り度インジケータ組成物全体を吸収性物品内で対象の材料に結合するのを助けるように機能することができることに留意するべきである。例えば、第2の結合剤は、湿り度インジケータ組成物をおむつのバックシートに結合するのに役立つ場合がある。本発明の湿り度表示用組成物のための追加の結合剤としての使用に好適であり得る様々な材料が存在する。
【0035】
一実施形態では、結合剤は、米国特許第6,904,865号(Klofta)に開示される第2の結合剤から選択されてもよいが、これらに限定されない。
【0036】
本発明の任意の一実施形態では、結合剤は、第四級アンモニウム塩化合物、カチオン性粘土、ポリアクリル酸ポリマー、有機酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。好適な第四級アンモニウム化合物の例としては、ジメチル(2−エチルヘキシル水素化タローアルキル)アンモニウムメチルサルフェート、ココアルキルメチル[エトキシル化(15)]アンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ジココアルキルジメチルアンモニウムクロリド(dicocoalkyldimethly ammonium chloride)、ジ(水素化タローアルキル)ジメチルアンモニウムクロリド、及びジステアリルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられるがこれらに限定されない。
【0037】
第四級化合物又は1つ以上のカチオン性基を有する任意の結合剤に関連付けられる対アニオンは、特に塩化物イオンに限定されるわけではないことに留意するべきである。他のアニオンも用いることができ、非限定例としては硫酸メチル及び亜硝酸塩が挙げられる。同様に、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、プロトン、アンモニウム、置換アンモニウム等であるが、これらに限定されない、任意の好適な対カチオンが、1つ以上のアニオン性基を有する結合剤に関連付けられてよい。ポリエチレンイミン等のカチオン性ポリマーも、アニオン性着色剤の浸出を妨害し得る。ポリエチレンイミン(PEI)の一例は、BASFからのPEIのLupasol(商標)シリーズである。
【0038】
第2の結合材料は、着色剤が最終の色の状態にあるときに着色剤を固定化してもよい。着色剤が最終の色の状態にあるときに第2の結合材料が着色剤を固定化する方法は、第2の結合材料及び着色剤の両方の化学組成によって決まる。例えば、着色剤の最終の色の状態がアニオン性の長鎖分子のものであり、第2の結合材料がカチオン性分子である場合、形成される結合は、例えばイオン結合、共有結合等、又は関連する結合力の組み合わせとなり得る。別の例では、着色剤の最終の色の状態がカチオン性分子のものであり、第2の結合材料がアニオン性長鎖分子である場合、形成される結合は、例えばイオン結合、共有結合等、又は関連する結合力の組み合わせとなり得る。
【0039】
本発明の一実施形態では、第2の結合剤は、着色剤が最終の色の状態であるときに、共有結合、イオン結合、ファンデルワールス、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上によって着色剤を固定化する。
【0040】
理論に束縛されるものではないが、着色剤がその最終の色の状態においてアニオンであり、第2の結合剤がカチオンである場合、又は着色剤がその最終の色の状態においてカチオンであり、第2の結合剤がアニオンである場合、第2の結合剤は着色剤とイオン結合したコアセルベートを形成すると考えられる。例えば、着色剤の最終の色の状態に関連付けられた最終の状態が尿のpHである場合、着色剤が尿に接触すると、その最終の色の状態、すなわち、アニオンに着色剤を変化させ、これによりカチオンである第2の結合剤とのイオン結合を形成する。コアセルベート形成は、着色剤と第2の結合剤の反対の電荷間のクーロン力の強い相互作用によるものである。着色剤と第2の結合剤との間に形成されたコアセルベートは、両方の種類の電荷を中和し、水又は尿などの極性溶媒中のそれらの溶解度の両方を劇的に低減する一方で、この電荷中和及びコアセルベートのより親油性の性質のために、マトリックス中のコアセルベートの溶解度は高いままである。これらの効果の両方が、マトリックスからの着色剤の浸出を劇的に防止する。コアセルベートの親油性の増大は、コアセルベートとマトリックスの構成成分との間の分子間結合力の増大をもたらす。これらの分子間力は、水又は尿等の液体環境への着色剤の拡散及び移動性を更に制限し得る。
【0041】
本発明の特定の任意の実施形態では、第2の結合剤としてカチオン性第四級アンモニウム化合物、第四級ポリマー、及びこれらの組み合わせを使用することは、特定の着色剤、特にスルホンフタレイン系のpHインジケータに属する着色剤の色の変化を暗色化するか又は強めるためにも機能してよい。理論に束縛されるものではないが、この暗色化は、複数の考えられる要因:1)第四級アンモニウム原材料内のアルカリ不純物、2)コアセルベート形成を原因とする吸収の移動及び吸収係数の増大、並びに/又は3)最終の色の状態にある着色剤の形成の増大によるものであると考えられる。
【0042】
第2の結合剤は、組成物の約0.5重量%〜約20重量%、約0.5重量%〜約10重量%、及び約0.1重量%〜約5重量%を含む、その第2の状態の着色剤の固定化に有効であるレベルで組成物中に用いられてよい。
【0043】
いくつかの実施形態において、結合マトリックスは溶媒系結合マトリックスであり、考えられる結合剤としては、限定するものではないが、アクリル系溶媒、アルコール系溶媒、水性溶媒、有機溶媒、及びこれらの組み合わせが挙げられる。例としては、アクリレート/エチルヘキシルアクリレートコポリマー、アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン酸コポリマー、アクリレート/オクチルアクリレートコポリマー、アンモニウムポリアクリレートが挙げられ得る。有機溶媒の例としては、例えば、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、アミド、及び/又はラクトンのアルコール溶液(lactones with alcohol)が好ましい。有機溶媒は、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、ベンゼンン、トルエン及びアセトニトリルから選択されてもよい。極性溶媒が好ましい。メタノールが好ましい。その他の好適な結合剤としては、アクリレート/アクリルアミドコポリマー及びビニルピロリドンとジメチルアミノプロピルメタクリルアミドのコポリマー等が挙げられる。結合剤は、変性されているか又は市販のワニス材料又はその他の封入材料に組み込まれてもよい。
【0044】
水溶性樹脂も、結合剤として作用し、着色剤を基材に接着させることから、好ましい場合がある。例としては、ポリアミド、セルロース誘導体、アクリルポリマー又はポリオール、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、アクリル酸をベースとするポリマー(ホモポリマー及びコポリマー)、メタクリル酸をベースとするポリマー(ホモポリマー及びコポリマー)、アクリルアミドをベースとするポリマー(ホモポリマー及びコポリマー)及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される水溶性樹脂が挙げられる。いくつかの有機可溶性樹脂結合剤として、アクリル、アルキド、アミド、エポキシ、ニトロセルロース、フェノール、ポリエステル、ポリウレタン、及びビニルのモノマー、オリゴマー、及びポリマーをベースとする結合剤が挙げられる。
【0045】
本発明の変色組成物の結合剤として好適なその他のインク基剤は、ニトロセルロース化合物をベースとするワニス、エチルセルロースをベースとするワニス、ポリウレタンをベースとする結合系又はフェノール変性共溶媒型ポリアミド樹脂をベースとするワニスのような、ワニスベースであってもよい。インク基剤は、変色組成物の安定性を助けると考えられる。インク基剤は、変色組成物の基材への接着を改良するとも考えられる。
【0046】
一般的に、溶媒系の結合マトリックスは、液体活性化処方物の約5重量%〜約75重量%であってもよい。
【0047】
ホットメルト接着剤
いくつかの実施形態では、結合剤はホットメルト接着剤であってもよく、いくつかの実施形態では、溶媒系結合マトリックスであってもよい。ホットメルト接着剤結合マトリックスの追加成分としては、ベースポリマー、粘着付与剤、ワックス、ゴム、溶媒、湿潤剤、及び/又は酸化防止剤が挙げられる。ホットメルト接着剤中で使用されるベースポリマーの例としては、商標名ElvaxでDuPont Incorporatedによって販売されるようなエチレン−ビニルアセテート(EVA)コポリマー;Kraton Incorporatedからのようなスチレンブロックコポリマー、それらのAC−5120エチレン/アクリル酸を含むHoneywell Incorporatedによって販売される商標ACのようなエチレン/アクリル酸コポリマー、AshlandのS−630ポリビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマーのようなポリビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー、BASF Incorporatedによって販売されるもの及びLuviskolの商標名で販売されるものなどのポリピロリドンホモポリマー、ビニルピロリドンホモポリマー、ポリアミド;クレイトンポリマー、エチレン/アクリル酸コポリマー、エチレン−アクリレートコポリマー;エチレン−ビニルアセテート−無水マレイン酸ターポリマー;エチレン−アクリレート−無水マレイン酸ターポリマー;低密度及び高密度ポリエチレンなどのポリオレフィン、アタクチックポリプロピレン、酸化ポリエチレン、ポリブテン−1;非晶性アタクチックプロピレン(APP)のような非晶性ポリオレフィン、非晶性プロピレン/エチレン(APE)、非晶性プロピレン/ブタン(APB)、非晶性プロピレン/ヘキサン(APH)、及び非晶性プロピレン/エチレン/ブタン;ポリアミド、スチレンブロックコポリマー(SBC);スチレン/アクリルポリマー及び変性スチレン/アクリルポリマー;ポリカーボネート、シリコーンゴム;ポリピロール系ポリマー;天然及び合成ポリイソプレンのような熱可塑性エラストマー、ポリブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、ポリアクリルゴム、ポリエーテルブロックアミド;アクリレートのポリマー、アルキド樹脂、アミド、アミノ樹脂、EVAなどのエチレンco−ターポリマー樹脂、エポキシ樹脂、フルオロポリマー、炭化水素樹脂、フェノール、ポリエステル、オレフィン、ポリウレタン、シリコーン、及び官能化シリコーン、ポリスチレン及びポリビニルが挙げられ得る。
【0048】
ホットメルト接着剤に好適な粘着付与剤としては、コーパルガムのようなコーパル、ダンマル、マスチック、及びサンダラックのような天然樹脂;Eastman ChemicalのForal AX−E水素化ロジンのようなロジン及びそれらの誘導体;テルペン及び変性テルペン;C5脂肪族樹脂、C9芳香族樹脂、及びC5/C9芳香族/脂肪族樹脂のような脂肪族、脂環式、及び芳香族樹脂、水素化炭化水素樹脂、並びにそれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
【0049】
ホットメルト接着剤に好適なワックスとしては、パラフィン及び微結晶ワックスのようなミネラルワックス;ポリエチレンワックス;商標Carbowaxとして商標登録されたようなポリエチレングリコール系ワックス;酸化ポリエチレンワックス;ポリメチレンワックス、Lonza IncorporatedからAcrawaxとして商標登録されたN,N’−エチレンビスステアルミドのようなビスステアルミド、Baker HughesからのVybar(商標)のような高分岐ポリマーワックス;脂肪酸アミド;蜜ろう、ソイワックス、カルナウバ、オゾケライト、セレシンのような天然及び合成ワックス;フィッシャー・トロプシュ及びチーグラー・ナッタプロセスの両方から得られるワックス;水溶性ワックス、ポリアルキレンワックス、ポリエチレンワックス、及びシリコーンワックスが挙げられるがこれらに限定されない。
【0050】
接着剤及びホットメルト接着剤のための追加の添加剤としては、グリセリルトリベンゾエート、EastmanのBenzoflex 9−88、安息香酸C12〜15アルキル、安息香酸C2〜C22アルキルのような安息香酸アルキル、(アルキル基は、直鎖若しくは分岐鎖、又はこれらの混合物である)、クエン酸アルキル、フタル酸塩、フタル酸エステル、パラフィン油、及びポリイソブチレンのような可塑剤;UV安定剤;殺生物剤及び抗菌性保存剤;BHT、ホスファイト(phospite)及びホスフェートのような酸化防止剤;帯電防止剤;ロジン及びそれらの誘導体;ポリヒドロキシステアリン酸、ポリグリセリル−4イソステアレート、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピルのようなエステル、炭酸プロピレン、イソノナン酸イソノニル、ベヘン酸/エイコサン二酸グリセリル、トリヒドロキシステアリン、安息香酸C12〜15アルキル、安息香酸C2〜C22アルキル(アルキル基は、直鎖若しくは分岐鎖、又はこれらの混合物である)、トリエトキシカプリリシラン(triethoxycaprylysilane)、ヒマシ油のような色素、粒子、及び粉末湿潤剤;並びに粘度調整剤が挙げられる。湿潤剤は、イソノナン酸イソノニルのようなエステルとポリヒドロキシステアリン酸のような界面活性剤との組み合わせであってよい。任意追加的に、鉱物油、イソパラフィン、ヘキサン等のアルカン、シリコーン流体、エステル、アルコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、グリコール、及び水のような溶媒を、組成物の粘度を減少させるか若しくは他の成分の溶解度を増大させるため、又は湿り度インジケータ組成物のその他の戦略的特性を変更するために、添加することができる。
【0051】
追加成分
追加成分としては、例えば、安定剤、界面活性剤、可塑剤(複数可)、構造補助剤、及び/又は溶媒が挙げられ得る。存在する場合、このような追加成分は、典型的には、例えば組成物の約0.001重量%〜約50重量%、約0.1重量%〜約40重量%、又は約1重量%〜約35重量%のような、成分の効果をもたらすのに有効な濃度で組成物中に用いられる。接着剤及びホットメルト接着剤のための追加の添加剤としては、グリセリルトリベンゾエート、安息香酸アルキル、安息香酸C12〜15アルキル、安息香酸C2〜C22アルキル(アルキル基は、直鎖若しくは分岐鎖、又はこれらの混合物である)、クエン酸アルキル、フタル酸塩、フタル酸エステル、パラフィン油、及びポリイソブチレンのような可塑剤;UV安定剤;殺生物剤及び抗菌性保存剤;BHT、ホスファイト(phospite)及びホスフェートのような酸化防止剤;帯電防止剤;ロジン及びそれらの誘導体;ポリヒドロキシステアリン酸、ポリグリセリル−4イソステアレート、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピルのようなエステル、炭酸プロピレン、イソノナン酸イソノニル、ベヘン酸/エイコサン二酸グリセリル、トリヒドロキシステアリン、安息香酸C12〜15アルキル、安息香酸C2〜C22アルキル(アルキル基は、直鎖若しくは分岐鎖、又はこれらの混合物である)、トリエトキシカプリリシラン(triethoxycaprylysilane)、ヒマシ油のような色素、粒子、及び粉末湿潤剤;並びに粘度調整剤が挙げられる。湿潤剤は、イソノナン酸イソノニルのようなエステルとポリヒドロキシステアリン酸のような界面活性剤との組み合わせであってよい。任意追加的に、鉱物油、イソパラフィン、ヘキサン等のアルカン、シリコーン流体、エステル、アルコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、グリコール、及び水のような溶媒を、組成物の粘度を減少させるか若しくは他の成分の溶解度を増大させるため、又は湿り度インジケータ組成物のその他の戦略的特性を変更するために、添加することができる。溶媒としては、液体、ゲル又は半固体材料が挙げられる。溶媒は、水、揺変性材料、ペースト、アルコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、鉱物油、エステル、シリコーン流体、イソパラフィン、ヘキサン等のアルカン、トルエン、キシレン、PEG−200のような低分子量ポリエチレングリコール、グリセリン、グリコール、不燃性溶媒、接着剤、又はその他の有機種であってもよい。好ましい非水性溶媒は、アルコール、アセテート、及びこれらの組み合わせを含んでもよい。アルコール溶媒は、好ましくは、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、エタノール、メタノール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。同様に、好適なアセテート溶媒としては、イソプロピルアセテート、n−プロピルアセテート、及びこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。
【0052】
有効となり得るその他の好適な溶媒としては、水、水性洗剤溶液、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、イソプロパノール、エタノール、メチルエチルケトン、アセトン、トルエン、ヘキサン、エチル15アセテート、酢酸(酢)、セチルアルコール(脂肪族アルコール)、ジメチコーンシリコーン、イソプロピルラノレート、ミリステート、パルミテート、ラノリン、ラノリンアルコール及び油、オクチルドデカノール、オレイン酸(オリーブ油)、パンテノール(ビタミンB−錯体誘導体)、ステアリン酸及びステアリルアルコール、ブチレングリコール及びプロピレングリコール、シクロメチコン(揮発性シリコーン)、グリセリン、アロエ、ワセリン等が挙げられる。有用な接着剤としては、例えば、アルキド、動物性にかわ、カゼインにかわ、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エポキシ樹脂、フラン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル、ポリアクリル酸エチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸塩化ビニル、ポリビニリデンコポリマー、シリコーン、デンプン系植物性にかわ、ウレタン、アクリロニトリルゴム、ポリブテンゴム、塩素化ゴム、スチレンゴム等をベースとするものが挙げられる。ワックス、例えばポリオレフィンワックス、蜜蝋等、及びゲル、例えば、グリコールジメタクリレート、キトサン、ポリアクリレート、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン等も、変色をもたらすのに有効な場合がある。本発明に好適である界面活性剤としては、例えば、タージトール,エトキシル化アルコール、脂肪族アルコール、高分子量アルコール、CrodaからのTween(商標)40のようなエトキシル化ソルビタンエステル、New Phase Inc.からのperformathox(商標)450のようなエトキシ化パレス活性剤、当該技術分野において既知のエステル、ポリマー、並びに他の天然及び合成ワックス又はオレフィン性材料;アニオン性及びカチオン性界面活性剤、PEG−20ステアレートなどのアルコキシル化アルキレート、末端キャップされたアルコキシル化アルコール、PEG−30グリセリルステアレートなどのアルコキシル化グリセリル及びポリグリセリルアルキレート、グリセリルステアレートなどのグリセリルアルキレート、アルコキシル化水添ヒマシ油、アルコキシル化ラノリン及び水添ラノリン、アルコキシル化ソルビタンアルキレート、アルキルグリコシド及び糖エステルのような糖誘導界面活性剤、ポロキサマー、ポリソルベート、並びにスルホコハク酸アルキルエステルが挙げられ得る。更なる例としては、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤、並びにこれらの任意の組み合わせ;UniqemaからMONOWET MOE75として入手可能な特定のジエチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、Cytec Inc.からのAerosol(商標)OT−100のようなジオクチルスルホコハク酸ナトリウム界面活性剤シリーズが挙げられる。別の例は、4−1−アミノエチルフェノールポリオキシエチレン脂肪エーテル、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、TWEEN、及びポリオキシエチレン脂肪酸エステルである。
【0053】
その他の好適な界面活性剤は、中性のブロックコポリマー界面活性剤であってもよく、これはポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマー、ポリ[ポリ(エチレンオキシド)−ブロック−ポリ(プロピレンオキシド)]コポリマー又はプロピレングリコール−エチレングリコールブロックコポリマーから選択できる。好適な非イオン性界面活性剤としては、CrodaからのTWEEN界面活性剤、例えばTWEEN 20界面活性剤、TWEEN 40界面活性剤及びTWEEN 80界面活性剤、並びにSigma−Aldrich,Incorporatedから入手可能なTRITON X−100界面活性剤が挙げられる。その他の好適な中性界面活性剤としては、ポリエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコールソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ポリプロピレングリコールソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシプロピレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシプロピレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシプロピレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシプロピレンソルビタン、モノラウリン酸ポリアルキングリコールソルビタン、モノパルミチン酸ポリアルキングリコールソルビタン、モノステアリン酸ポリアルキングリコールソルビタン、モノオレイン酸ポリアルキングリコールソルビタン、トリオレイン酸ポリアルキングリコールソルビタン、及びこのような中性界面活性剤の混合物が挙げられる。
【0054】
中性のブロックコポリマーをベースとする界面活性剤としては、FLURONICシリーズのブロックコポリマー、例えばPLURONIC P84又はFLURONIC P85界面活性剤が挙げられ、これらはBASF Corporationから入手できる。DupontのCapstone(商標)シリーズのフッ素系界面活性剤及びSiltechのSilsurf(商標)A008シリコーン超湿潤剤のような超湿潤界面活性剤も、低濃度で好適である。
【0055】
その他の好適な中性ブロックコポリマーをベースとする界面活性剤としては、ノニルフェノールエトキシレート、直鎖アルキルアルコールエトキシレート、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロックコポリマー、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマー、ポリアルキレンオキシドブロックコポリマー、ポリアルキレンオキシドブロックコポリマー及びプロピレングリコール−エチレングリコールブロックコポリマーが挙げられる。
【0056】
着色剤がpHインジケータであるとき、及び吸収性物品が高温多湿の状況下で保管されることがあるとき、安定剤を含むことが望ましくあり得る。安定剤を含むことは、インク調合物内の着色剤の色変化を時期尚早に活性化させてしまう可能性がある物質及び/又は化学物質が存在する場合の新しいおむつの設計にとって特に重要でもある。
【0057】
本発明の一実施形態では、安定剤は酸性安定剤である。本発明の別の実施形態では、安定剤は塩基性安定剤である。理論に束縛されるものではないが、安定剤を含むことは、本系が高湿度及び/又はおむつのある特定の構成成分に曝露された場合でも、着色剤の周囲で、酸性安定剤を有する低pH環境等の安定したpHを維持することによって、高湿度環境及び/又はおむつのある特定の構成成分への曝露を原因とする予定よりも早期の変化に対して着色剤を安定化させるのに役立つと考えられる。このように安定したpH環境を維持することにより、特に着色剤がpHインジケータであるとき、着色剤をその初期の乾燥した色の状態に保持する。乾燥剤も、湿り度インジケータ組成物を時期尚早に活性化する可能性のある遊離水を捕捉することによって組成物を安定化することができる。好適な乾燥剤の例としては、シリカゲル、ベントナイト粘土、活性アルミナ、硫酸カルシウム、硫酸銅(II)、及び硫酸マグネシウムが挙げられる。
【0058】
適切に機能する湿り度インジケータの重要な特性の1つは、尿との接触後に妥当な時間内にまだ顕著な色の変化を示す一方で、様々な保管及び梱包状況中にその乾燥状態の色を維持することである。また着色剤は、おむつ内に存在し得る様々な化学物質及び物質に対して安定した状態を保つ必要がある。マトリックスの一部としてロジン中に存在する酸性部分は、乾燥状態の色の保持に役立つことができるが、おむつ内の高pH構成成分が着色剤の望ましくない、かつ時期尚早な変色活性化をもたらし得る一部の新しいおむつの設計には、追加の安定剤成分が必要であることが判明している。着色剤を酸性の乾燥状態の色に維持するには、好適な強度の酸を追加する必要がある。好適な強度は、着色剤及び色を変化させるpH範囲によって規定される。着色剤のpKa値は、選択した安定剤の特性を評価する際に特に重要である。
【0059】
3.8〜5.4のpHで変色するブロモクレゾールグリーンを含むスルホンフタレイン類のようなpHインジケータ着色剤(「The Sigma−Aldrich Handbook of Stains,Dyes and Indicators」、Floyd J.Green著、Aldrich Chemical Co.(Milwaukee,WI)参照)の場合、安定剤は、適切に強酸性の部分に寄与して、ブロモクレゾールグリーンをマトリックス内でその黄色状態に保つべきである。硫酸及び塩化水素酸等の多くの強酸はこれを達成するために好適な低pHを有するが、それらの溶解度は、これらの無水マトリックスにおいて低い。更に、これらの強い酸性は、湿潤組成物及びおむつ内に存在する構成成分の一部の構造を化学的に分解し得る。前述したように、ロジン又は重合ロジン等のマトリックス成分中に存在するカルボン酸部分も着色剤をその酸性の色の状態に維持するのに役立つことができるが、カルボン酸は、典型的には弱すぎて、高湿度及び/又は新しいおむつの設計内の高pH構成成分に曝露された場合には、ブロモクレゾールグリーンの乾燥した黄色の状態を維持できない。カルボン酸の強度を増大するために、分子のカルボン酸部分と別の部分との間に電子求引性基を追加できる。ステアリン酸等の脂肪酸は、乾燥状態の色を保持するのに役立つことができるが、カルボン酸基とアルキル鎖との間にポリオキシエチレン基を挿入してそれをより強力な酸にすることによって、それをより効果的にすることができる。これらの種類の分子はエーテルカルボン酸塩と呼ばれ、これらの酸分子は、ブロモクレゾールグリーン等pHインジケータ着色剤の乾燥状態の酸性型を維持するのに効果的となり得る。更に、これらのエーテルカルボン酸塩中に存在するアルキル基は、湿り度インジケータマトリックス中でそれらの溶解度を増大させる。最後に、エーテルカルボン酸塩の界面活性は、尿の接触を受けた後で、湿り度インジケータ組成物の色の変化を活性化させるための反応速度の増大に役立ち得る。
【0060】
他の好適な安定剤は、遊離酸型のモノアルキルリン酸塩及び遊離酸型のジアルキルリン酸塩の安定剤である。リン酸塩の酸性部分はカルボン酸基よりも強酸であり、したがって、pHインジケータ着色剤をその乾燥酸性状態に保つために必要な低pH環境を維持するのにより効果的となり得る。これらのアルキルリン酸塩の遊離酸は、高湿度又は新しいおむつの設計に存在する不安定化物質及び/若しくは化学物質を原因とする時期尚早な活性化を防止してブロモクレゾールグリーン着色剤の乾燥状態の色を保つのに特に有効であることが判明している。特に有効な遊離酸型のアルキルリン酸塩は、遊離酸型のステアリルリン酸塩、遊離酸型のセチルリン酸塩、及び遊離酸型のセテアリルリン酸塩である。したがって、リン酸塩は、pHインジケータ着色剤をその酸性の乾燥状態の形態に保つために好適な強酸であり、脂溶性アルキル部分は、湿り度インジケータ組成物内のその溶解度を増大させるのに役立つ。加えて、アルキルリン酸塩の遊離酸の界面活性の性質は、湿り度インジケータ組成物が尿の接触を受けた後の色の変化の反応速度を加速するのに役立ち得る。
【0061】
高湿度又はおむつ内の不安定構成成分に対して湿り度インジケータ調合物を安定させるのに特に有効である他の酸性安定剤としては、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、乳酸、グリコール酸、グルコン酸、フマル酸、シュウ酸、アジピン酸、アスコルビン酸、及びサリチル酸等の低分子量酸等であるがこれらに限定されない有機酸;クエン酸エステル(例えば、クエン酸モノステアリル及びクエン酸モノセチル)、グリコール酸エステル、乳酸エステル等の酸エステル;リン酸モノステアリル及びリン酸モノセチル等の有機酸含有リン;エーテルカルボン酸;N−アシルサルコシン酸;N−アシルグルタミン酸;N−アシルエチレンジアミン三酢酸;アルカンスルホン酸;α−オレフィンスルホン酸;α−スルホン酸脂肪酸メチルエステル;硫酸エステル;リン酸等の無機酸;並びにこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。好適な塩基性安定剤の例としては、モノエタノールアミン;ジエタノールアミン;トリエタノールアミン;ジプロピレントリアミン;ジイオソプロピルアミン(diiosopropyl amine);1,3−ビス(メチルアミン)−シクロヘキサン、1,3−ペンタンジアミン等であるがこれらに限定されない有機ジアミン;水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、及びこれらの組み合わせ等であるがこれらに限定されない無機塩基が挙げられるがこれらに限定されない。
【0062】
安定剤は、存在する場合には、典型的には、組成物の約0.001重量%〜約30重量%、約0.1重量%〜約15重量%、及び約1重量%〜約10重量%の、着色剤を安定化するのに有効なレベルで組成物中に用いられる。
【0063】
本発明は、HLB(親水性親油性バランス)調整剤、粘度調整剤、硬化剤、湿潤剤、酸化防止剤、抗浸出助剤、及び/又は着色剤可溶化剤のような構造補助剤を包含してもよい。好適な構造補助剤としては、ゴム分子の両端にポリスチレンブロックを有するブロックコポリマーのような高分子増粘剤、上記のエチレンと酢酸ビニルのコポリマー(EVA)、硬化ヒマシ油、ポリマー、脂肪酸の金属塩、シリカ及び/又は誘導体化されたシリカ、変性及び未変性ヘクトライト及びベントナイトのような有機粘土、変性ラポナイト粘土のような変性粘土、ジベンジリデンソルビトール(dibenylidene sorbitol)、アルキルガラクトマンナン、ステアリン酸水酸化アルミニウムマグネシウム/油ブレンド並びにラウロイルグルタミン酸ジブチルアミドが挙げられる。硬化剤としては、上記のワックス、C14〜22脂肪族アルコール、C14〜22脂肪酸、C23〜60カルボン酸、硬化植物油、ポリマー、ソルビタンエステル及びその他の高分子量エステルが挙げられる。
【0064】
湿潤剤は、界面活性剤又は界面活性剤の混合物であることができる。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤でもイオン性界面活性剤でもよい。イオン性界面活性剤は、正又は負のいずれかに帯電していてもよく、又はカチオン性とアニオン性の両方の電荷を有してもよい(このような分子構造は両性と呼ばれる)。非イオン性界面活性剤の例としては、アルキルポリ(エチレンオキシド)、例えばポリ(エチレンオキシド)とポリ(プロピレンオキシド)のコポリマー(商業的にポロキサマー又はポロキサミンと呼ばれる)、アルキルポリグルコシド、例えばオクチルグルコシド及びデシルマルトシド、脂肪族アルコール、例えばセチルアルコール、オレイルアルコール、コカミドMEA及びコカミドDEAが挙げられる。イオン性界面活性剤の例としては、アニオン性(例えば、サルフェート、スルホネート、又はカルボキシレートアニオンをベースとする)界面活性剤、例えば、s(SDS)、ラウリル硫酸アンモニウム、及び他のアルキル硫酸塩、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)としても既知のラウレス硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸塩、石鹸、又は脂肪酸塩;並びにカチオン性(例えば、第四級アンモニウムカチオンをベースとする)界面活性剤、例えば、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)、別名臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、及び他のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化セチルピリジニウム(CPC)、ポリエトキシル化タローアミン(POEA)、塩化ベンザルコニウム(BAC)、塩化ベンゼトニウム(BZT);又は双性イオン性(両性)界面活性剤、例えばドデシルベタイン、ドデシルジメチルアミンオキシド、コカミドプロピルベタイン、ココアンホグリシネートが挙げられる。あるいは、湿潤剤は親水性分子であってもよい。親水性分子は、スクロース、グルコース及びグリセロールのような小分子であってもよい。親水性分子は、ポリエチレングリコール及びそのコポリマーのようなポリマーであってもよい。
【0065】
基材及び吸収性物品
本発明の一実施形態では、本発明の湿り度表示用組成物は、基材上及び/又は基材中にあってもよい。基材上に存在する場合、湿り度インジケータ調合物は、典型的に、水、尿、経血、血液などの液体によって接触される基材上及び/又は基材中にある。基材としては、限定するものではないが、構造成分、例えば、織布、不織布、フィルム、スポンジ、及びこれらの組み合わせが挙げられる。基材は、合成材料及び/又は天然材料を含んでよい。本発明の一実施形態では、任意の基材は、連続不織布のようにそれ自体で物品であってよい。本発明の別の実施形態では、湿り度表示用組成物が適用され得る、又は別様に付着され得る基材は、バックシート、トップシート、締結具、吸収材料などが挙げられるがこれらに限定されない吸収性物品の構造要素の任意の1つ又は組み合わせを含むか、又は製品に追加若しくは適用される別個の要素であってもよい。本発明の任意の一実施形態では、湿り度表示用組成物は、吸収性物品に全体として適用される。いくつかの実施形態では、湿り度表示用組成物は単一層である。このような単一層は、基材又は構造成分に適用されてもよい。いくつかの実施形態では、単一層処方は、バックシートと吸収性コアとの間に配置されてもよく、他の実施形態では、トップシートと吸収性コアとの間に配置されてもよい。
【0066】
この表示用材料は、前記基材の表面上に、a)単色カラースキームのみ、二色、又は多色、b)様々な形状及びサイズ、c)模様の画像又は英数字記号及び単語、又はこれらの組み合わせとしてコーティングされてもよい。色遷移は、a)着色から無着色へ、b)無着色から着色へ、c)着色から別の着色へ、又はd)a)とb)とc)との組み合わせ、のいずれかであってもよい。
【0067】
以下の考察は調合の便宜のためのものであり、本明細書で用いられる基材の種類を限定することを意図するものではない。
【0068】
本発明の一実施形態では、吸収性物品は使い捨ておむつである。
図1は、本発明のおむつ20の平らに広げられた状態の平面図であり、構造の一部分が切り欠かれておむつ20の構造をより明瞭に示している。おむつ20の着用者に面する部分が手前に向いている。
図1に示されるように、おむつ20は、好ましくは、液体透過性トップシート24と、液体不透過性バックシート26と、好ましくはトップシート24及びバックシート26の少なくとも一部分の間に位置付けられる吸収性コア28と、サイドパネル30と、伸縮性レグカフ32と、弾性腰部特徴34と、概して40に指定される固定システムとを備える。おむつは、湿り度インジケータ60を有する。おむつ20は、第1の腰部区域36と、第1の腰部区域36に対向する第2の腰部区域38と、第1の腰部区域36と第2の腰部区域38との間に位置する股部区域37とを有するように
図1に示される。おむつ20の周辺は、おむつ20の外側縁部によって画定されており、長手方向縁部50が、おむつ20の長手方向中心線100に対して概ね平行に延び、末端縁部52が、おむつ20の横方向中心線110に対して概ね平行に長手方向縁部50の間を延びている。
【0069】
一実施形態では、物品の対向する側面を縫い合わせるか、又は溶着させて、パンツを形成してよい。これにより、この物品が、トレーニングパンツ等のプルオン型おむつとして使用可能になる。使い捨ておむつの構成、組み立て、並びに様々な構成要素(バックシート、除塵層、上部及び下部被覆シート、及びウェブを含む)に関する更なる例示的であるが限定的ではない情報は、米国特許第3,860,003号(Buell)、米国特許第5,151,092号(Buell)、米国特許第5,221,274号(Buell)、米国特許第5,554,145号(Roeら、1996年9月10日)、米国特許第5,569,234号(Buellら)、米国特許第5,580,411号(Neaseら)、米国特許第6,004,306号(Roblesら)、米国特許第5,938,648号(LaVonら)、米国特許第5,865,823号(Curro)、米国特許第5,571,096号(Dobrinら)、第7,318,820号(LaVonら)、第6,962,578号(LaVon)、第7,377,914号(LaVon)に見られる。
【0070】
本発明の代替の一実施形態では、トップシートの一部又は全部、バリアレグカフの一部又は全部等吸収性物品の一部分は、当該技術分野において既知のようにローションで任意にコーティングされてよい。好適なローションの例としては、米国特許5,607,760号(Roe)、米国特許第5,609,587号(Roe)、米国特許第5,635,191号(Roeら)、米国特許第5,643,588号(Roeら)、及び米国特許第5,968,025号(Roeら)に記載されるローションが挙げられるがこれらに限定されない。
【実施例】
【0071】
本発明を以下の実施例によって例示するが、これは例示のみを目的とし、本発明の範囲又は本発明を実施できる方法を限定するものとみなしてはならない。特に指示がない限り、部及び百分率は重量で示される。実施例1に関して、ブロモクレゾールグリーン(遊離酸)は、セチルリン酸の強酸安定剤を含むことによって、この緩衝状態の湿り度インジケータ組成物中で黄色である液体活性化着色剤である。永久着色剤は、色が永久的に赤色であり、かつブロモクレゾールグリーン(遊離酸)からの黄色及びD&CレッドNo.17からの赤色の組み合わせがオレンジの色相をもたらすため、最終湿り度インジケータ組成物にオレンジ色を与える、D&CレッドNo.17である。尿のような体液で湿った後、ブロモクレゾールグリーンは、尿のpHがブロモクレゾールグリーンのpKaよりも高いため、その共役塩基を形成する結果としてのその共役の変化によって、色が青緑色になる。液体活性化ブロモクレゾールグリーンからの青緑色及びD&CレッドNo.17の永久着色剤からの赤色の組み合わせは、尿のような体液によって湿った後に紫色をもたらす。
【0072】
(実施例1)
【0073】
【表1】
【0074】
実施例1では、ポリヒドロキシステアリン酸、Tween 20、microwax W835、イソノナン酸イソノニル、ブロモクレゾールグリーン(遊離酸)及びD&CレッドNo.17を、均質になるまで混合及び80℃まで加熱する(この混合物をAと呼ぶ)。別個に、ステアレス−20、セチルリン酸、及びステアリルアルコールを、均質になるまで混合及び60℃まで加熱する(この混合物をBと呼ぶ)。80℃まで加熱しながら溶融混合物Aを溶融混合物Bにゆっくりと添加し、均質になるまで混合する。80℃でドローダウンワイヤを用いてフィルムを作製し、フィルムを試験前に冷却する。
【0075】
(実施例2)
実施例2では、乾燥状態の湿り度インジケータ組成物内に、ブロモフェノールブルーをその黄色の酸性状態に酸性化するエチレンアクリル酸が含まれるため、液体活性化ブロモフェノールブルーは色が黄色である。湿り度インジケータ組成物及び最終的に湿り度インジケータ組成物と接触する流体のpHに応じて、フロキシンBは、液体活性化着色剤又は永久着色剤のいずれかとして機能することができる。この実施例2では、フロキシンBは、エチレンアクリル酸安定剤がフロキシンBの無色遊離酸を形成するほどの強酸ではないため、永久着色剤として機能する。代わりに、フロキシンBのピンクがかった紫色の共役塩基が形成され、フロキシンBからのピンクがかった紫色及びブロモフェノールブルー(遊離酸)からの黄色のこの組み合わせが、乾燥状態の湿り度インジケータ内でオレンジの色相をもたらす。尿のような体液によって湿った際、フロキシンBという永久着色剤に由来するピンクがかった紫色が維持される一方で、尿によるpHの上昇は、ブロモフェノールブルーの青色の共役塩基を形成させる。ブロモフェノールブルーからの青色及びフロキシンBからのピンクがかった紫色のこの組み合わせは、尿のような体液によって湿った後に紫色という最終の色をもたらす。
【0076】
【表2】
【0077】
実施例2に関して、エチレンビニルアセテート及びエチレンアクリル酸、並びにPerformathox 450及びPerfomathox 480及びIrganox 1010を、均質になるまで混合及び120℃まで加熱する。混合及び120℃までの加熱を維持しながら、全てが120℃で溶解するまで、ブロモフェノールブルー(遊離酸)及びフロキシンB及びイソノナン酸イソノニルを添加する。加熱を維持して、ドローダウンワイヤを用いてフィルムを注意深く、かつ安全に作製するか、又は混合物を今後の使用のために室温で固める。
【0078】
本明細書で開示する寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限られるとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0079】
あらゆる相互参照又は関連特許若しくは関連出願を含む、本明細書に引用される全ての文献は、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような発明すべてを教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と競合する程度に、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0080】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を行うことができることは当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。