(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6352537
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】ダイヤモンド様炭素コーティングを有するシールを備えるプロセス圧力トランスミッタ
(51)【国際特許分類】
G01L 19/06 20060101AFI20180625BHJP
【FI】
G01L19/06 A
【請求項の数】28
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-521061(P2017-521061)
(86)(22)【出願日】2015年6月15日
(65)【公表番号】特表2017-520779(P2017-520779A)
(43)【公表日】2017年7月27日
(86)【国際出願番号】US2015035751
(87)【国際公開番号】WO2016003634
(87)【国際公開日】20160107
【審査請求日】2017年2月22日
(31)【優先権主張番号】201410306576.0
(32)【優先日】2014年6月30日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】14/483,301
(32)【優先日】2014年9月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597115727
【氏名又は名称】ローズマウント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】シャオアン,チャン
(72)【発明者】
【氏名】クライン,ヴィンセント
【審査官】
公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−523975(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0263678(US,A1)
【文献】
特開2008−234828(JP,A)
【文献】
特開2010−084821(JP,A)
【文献】
特表2011−521106(JP,A)
【文献】
特開平11−351991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 7/00−23/32
G01L 27/00−27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセス圧力トランスミッタハウジングと、
前記プロセス圧力トランスミッタハウジング内のプロセス圧力センサと、
前記プロセス圧力トランスミッタハウジング内のフランジ面と、
前記フランジ面上の分離ダイヤフラムと、
前記分離ダイヤフラムから前記プロセス圧力センサに第1の封入液を運ぶ第1の毛管路と、
工業用プロセスのプロセス流体に結合するように構成されたリモートシールのプロセスシールダイヤフラムと、
前記プロセスシールダイヤフラムを前記リモートシールのフランジ面に取り付ける溶接部と、
前記プロセスシールダイヤフラムから前記分離ダイヤフラムに第2の封入液を運ぶ第2の毛管路と、
前記プロセスシールダイヤフラム及び前記溶接部をコーティングするダイヤモンド様炭素(DLC)コーティングと、
を含む、プロセス圧力トランスミッタシステム。
【請求項2】
前記ダイヤモンド様炭素が、ta−Cを含む、請求項1に記載のプロセス圧力トランスミッタシステム。
【請求項3】
前記ダイヤモンド様炭素が、a−C:Hを含む、請求項1に記載のプロセス圧力トランスミッタシステム。
【請求項4】
前記DLCコーティングと前記プロセスシールダイヤフラムとの間の中間層を含む、請求項1に記載のプロセス圧力トランスミッタシステム。
【請求項5】
前記中間層が、チタンを含む、請求項4に記載のプロセス圧力トランスミッタシステム。
【請求項6】
前記中間層が、タンタルを含む、請求項4に記載のプロセス圧力トランスミッタシステム。
【請求項7】
前記中間層が、クロムを含む、請求項4に記載のプロセス圧力トランスミッタシステム。
【請求項8】
前記中間層が、セラミックを含む、請求項4に記載のプロセス圧力トランスミッタシステム。
【請求項9】
前記DLCコーティングが、前記プロセスシールダイヤフラムの外表面に付与される、請求項1に記載のプロセス圧力トランスミッタシステム。
【請求項10】
前記DLCコーティングが、前記プロセスシールダイヤフラムの内表面に付与される、請求項1に記載のプロセス圧力トランスミッタシステム。
【請求項11】
前記プロセスシールダイヤフラムが、リモートシールに保持され、前記DLCコーティングが、前記リモートシールの前記フランジ面にわたって延伸する、請求項1に記載のプロセス圧力トランスミッタシステム。
【請求項12】
プロセス圧力トランスミッタを、工業用プロセス流体の圧力と結合させる方法であって、
プロセスシールダイヤフラムをプロセス圧力トランスミッタのリモートシールのフランジ面に取り付ける溶接部を付与することと、
前記プロセスシールダイヤフラム及び前記溶接部に、ダイヤモンド様炭素(DLC)コーティングを付与することと、
前記プロセスシールダイヤフラムを、工業用プロセス流体と接触させて配置することと、
前記工業用プロセス流体から前記プロセスシールダイヤフラムに加えられた圧力を、毛管路を通して分離ダイヤフラムと結合させることと、
前記分離ダイヤフラムに加えられた前記圧力を、第2の毛管路を用いて圧力センサと結合させることと、
前記圧力センサを用いて、前記プロセス圧力を測定することと、
を含む、方法。
【請求項13】
前記ダイヤモンド様炭素が、ta−Cを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ダイヤモンド様炭素が、a−C:Hを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記DLCコーティングと前記プロセスシールダイヤフラムとの間の中間層を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記中間層が、チタンを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記中間層が、タンタルを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記中間層が、クロムを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記中間層が、セラミックを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記DLCコーティングが、前記プロセスシールダイヤフラムの外表面に付与される、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
前記DLCコーティングが、前記プロセスシールダイヤフラムの内表面に付与される、請求項12に記載の方法。
【請求項22】
プロセス圧力トランスミッタをプロセス流体と結合させるためのリモートシールであって、
工業用プロセスの前記プロセス流体と結合するように構成されたプロセスシールダイヤフラムと、
前記プロセスシールダイヤフラムをリモートシールのフランジ面に取り付ける溶接部と、
前記プロセスシールダイヤフラムから遠位端に封入液を運ぶ毛管路と、
前記プロセスシールダイヤフラム及び前記溶接部をコーティングするダイヤモンド様炭素(DLC)コーティングと、
を含む、リモートシール。
【請求項23】
前記ダイヤモンド様炭素が、ta−Cを含む、請求項22に記載のリモートシール。
【請求項24】
前記DLCコーティングと前記プロセスシールダイヤフラムとの間の中間層を含む、請求項22に記載のリモートシール。
【請求項25】
前記中間層が、チタンを含む、請求項24に記載のリモートシール。
【請求項26】
前記DLCコーティングが、前記プロセスシールダイヤフラムの外表面に付与される、請求項22に記載のリモートシール。
【請求項27】
前記DLCコーティングが、前記プロセスシールダイヤフラムの内表面に付与される、請求項22に記載のリモートシール。
【請求項28】
DLCコーティングが、前記リモートシールのフランジ面にわたって延伸する、請求項22に記載のリモートシール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセス制御産業に関する。より具体的には、本発明は、プロセス制御機器をプロセスに結合するために用いられるタイプの分離ダイヤフラム又はシールに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかのタイプのプロセス制御機器、たとえば圧力トランスミッタは、封入液によって分離ダイヤフラムに流体的に結合される圧力センサを有する。分離ダイヤフラムは、「リモートシール」又は「ダイヤフラムシール」と呼ばれるサブアセンブリの一部を含み、圧力センサを、検知されている腐食性のプロセス流体から分離する。圧力は、実質的に非圧縮性であり、かつ両側のキャビティと、毛管(又は、機器に直接装着されている場合には貫通孔)とを充填する封入液を通して、分離ダイヤフラムからセンサに伝送される。管は、通常は可撓性であり、数メートルまで延伸し得る。プロセス媒体は、トランスミッタハウジング内に配設された圧力センサに、加えられた圧力を伝達するリモート分離ダイヤフラムに接触する。
【0003】
通常、分離ダイヤフラムと、リモートシールの任意のプロセス接液部とは、耐食材料で作られ、それによって、プロセス媒体がダイヤフラムを破損することがないようにする。また、分離ダイヤフラムにコーティングを付与して、プロセス流体との接触に起因する腐食から分離ダイヤフラムを保護することは、当技術分野において既知である。しかし、改善された分離ダイヤフラムの保護に対して、継続した要望がある。
【発明の概要】
【0004】
プロセス圧力トランスミッタシステムは、プロセス圧力トランスミッタハウジングと、プロセス圧力トランスミッタハウジング内のプロセス圧力センサと、プロセス圧力トランスミッタハウジング内のフランジ面と、フランジ面上の分離ダイヤフラムとを含む。第1の毛管路は、分離ダイヤフラムからプロセス圧力センサに、第1の封入液を運ぶ。プロセスシールダイヤフラムは、工業用プロセスのプロセス流体に結合する。第2の毛管路は、プロセスシールダイヤフラムから分離ダイヤフラムに、第2の封入液を運ぶ。ダイヤモンド様炭素(DLC)コーティングは、プロセスシールダイヤフラムをコーティングする。
【0005】
本概要及び要約は、以下の詳細な説明においてさらに説明される概念の選択を、簡略化された形式で紹介するために提供される。本概要及び要約は、特許請求の範囲に記載された主題の主要な特徴又は不可欠な特徴を特定することが意図されておらず、またそれらは、特許請求の範囲に記載された主題の範囲を決定することの支援として用いられることが意図されてもいない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明による、リモートシールを有するトランスミッタを示す簡略図である。
【
図2A】従来技術のリモートシールの、
図2Bにおける2A−2Aで表示された線に沿ってとられた側断表面図である。
【
図2B】
図2Aの従来技術のリモートシールの底表面図である。
【
図2C】
図2Aの従来技術のリモートシールの上表面図である。
【
図3】リモートシールに結合された圧力トランスミッタを含む圧力トランスミッタシステムを示す簡略図である。
【
図4A】分離ダイヤフラムに付与されたダイヤモンド様炭素(DLC)コーティング層の例示の構成を図示する断表面図である。
【
図4B】分離ダイヤフラムに付与されたダイヤモンド様炭素(DLC)コーティング層の例示の構成を図示する断表面図である。
【
図4C】分離ダイヤフラムに付与されたダイヤモンド様炭素(DLC)コーティング層の例示の構成を図示する断表面図である。
【
図5】ダイヤモンド様炭素(DLC)コーティング及び中間層を含むプロセスダイヤフラムの一部を示す、拡大断表面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、プロセス変数トランスミッタを工業用プロセス流体と結合させるためのダイヤフラムシールである。ダイヤフラムシールは、工業用プロセス流体との接触に起因する破損から分離ダイヤフラムを保護するために、ダイヤモンド様炭素(DLC)でコーティングされた分離ダイヤフラムを含む。
図1は、プロセス変数トランスミッタ11のリモートシール12を示す。リモートシール12は、ハウジング14内のトランスミッタダイヤフラムに接続される。リモートシール12は、ハウジング17を含み、プロセス流体16に結合されるように構成される。
【0008】
一実施形態に従うと、トランスミッタ11は、プロセス媒体16の圧力を測定する。リモートシール12は、プロセス媒体16に接触する薄い可撓性ダイヤフラム18を含む。シール12は、ダイヤフラム18とともにキャビティ20を画定するバックプレート19をさらに含む。毛管22は、キャビティ20を、トランスミッタハウジング14内に配設された圧力センサ28に結合し、そのような結合は、トランスミッタハウジングダイヤフラム25と、ダイヤフラム25をセンサ28と接続させるシールされた流体システムとを介してなされる。シールされた流体システムに加えて、キャビティ20及び毛管22は、プロセス圧力をセンサ28に伝送するために好適な流体で充填される。流体は、シリコーン、油、グリセリン及び水、プロピレングリコール及び水、又は好ましくは実質的に非圧縮性である任意の他の好適な流体を含み得る。
【0009】
プロセス媒体16からプロセス圧力が与えられると、ダイヤフラム18は、流体を移動させ、それによって、プレート19の通路を通して、かつ管22を通して、リモートシール12から圧力センサ28に、測定された圧力を伝送する。結果として得られた、容量ベースの圧力セルであることができる圧力センサ28に与えられた圧力は、そのような静電容量を、媒体16における圧力に応じて変化させる。さらに、センサ28は、他の既知の検知原理で、たとえばひずみゲージ技術で動作することができる。トランスミッタハウジング14内部の回路機構は、静電容量を、プロセス圧力と関連している対線30を経由して、線形の4−20mAトランスミッタ出力信号に電子的に変換する。任意の適切な通信プロトコルを用いてもよく、デジタル情報が4−20mA電流上に変調されるHART(登録商標)通信プロトコル、Foundationフィールドバス又はProfibus通信プロトコル等を含む。また、プロセス制御ループ30は、無線通信手法を用いて実施されてもよい。無線通信手法の一例は、IEC62591に準拠した無線HART(登録商標)通信プロトコルである。
【0010】
図2Aは、リモートシール50の側断表面図であり、
図2Bは、その底表面図であり、
図2Cは、その上表面図である。リモートシール50は、「フランジ型面一設計」と称され、シールハウジング52を含む。リモートシール50は、作動液(封入液)充填ポート54と、機器接続部56と、TIG溶接60によって溶接された可撓性ダイヤフラム58とをさらに含む。環状形状であり、ダイヤフラム58の周囲に延伸する表面62が設けられる。ボルト穴64は、ハウジング52を、たとえばプロセス流体で充填されたタンクに結合するために用いられる。
【0011】
通常、ハウジング52は、ステンレス鋼から形成され、およそ1インチの厚さを有する。ハウジング52は、円形の金属ダイヤフラム58に溶接されるような方法で機械加工される。また、ガスケット表面62が、ハウジング52上に機械加工される。ダイヤフラム58は、通常は、ダイプレスで切削されて形成され得る箔ダイヤフラムである。
【0012】
図3は、プロセス圧力センサ28がプロセス圧力トランスミッタハウジング14内部に位置付けられた、圧力トランスミッタシステム10を示す簡略ブロック図である。
図3に図示されるように、分離ダイヤフラム25は、ハウジング14のフランジ面80上に保持される。第1の毛管路82は、分離封入液を運び、ダイヤフラム25から圧力センサ28に延伸する。プロセスダイヤフラムシール18は、プロセス流体に結合し、第2の毛管路22は、第2の封入液を運び、プロセスシールダイヤフラム18から分離ダイヤフラム25に延伸する。ダイヤフラム18に圧力が加えられると、ダイヤフラム18が曲がる。これによって、圧力が、第2の封入液を通って分離ダイヤフラム25に伝えられる。次に、分離ダイヤフラム25が曲がって、毛管路82内の封入液に圧力が伝えられる。これは、既知の手法に従った圧力センサ28によって検知されることができる。トランスミッタ電子機器88を用いて、加えられた圧力を検知し、加えられた圧力に関する情報を、他の場所宛てに通信する。
【0013】
図4A、
図4B及び
図4Cは、シール12の例示の構成を示す側断面図である。
図4A及び4Bでは、ダイヤフラム18の外表面に、ダイヤモンド様炭素(DLC)コーティング90が付与されている。
図4Aの構成では、DLCコーティング90は、ダイヤフラム18のみを被覆している。本構成は、ダイヤフラム18を摩耗から保護する。そのような構成は、コストを低減させ、製造を簡略にし得る。さらに、本構成では、ダイヤフラム18をリモートシール12のフランジ面94に溶接するために用いられる溶接92は、コーティング手順が生じた後に行われてもよい。これは、製造プロセスを簡略にする。
【0014】
図4Bは、DLCコーティング90が、面94を含む接液面全体にわたって延伸する別の例示の構成を示す。これは、プロセス流体に接触し得るシール12の表面のすべてに対して耐食性を提供する。
【0015】
図4Cは、DLCコーティング90がダイヤフラム18の内表面に設けられた、別の例示の構成である。本構成は、ダイヤフラム18を通した水素透過を防止するために有用である。そのような構成では、コーティング90は、ダイヤフラム18をフランジ面94に溶接する前に、ダイヤフラム18に付与される。
【0016】
DLCコーティング90は、任意の適切な手法を用いて蒸着させることができる。たとえば、コーティングは、物理的蒸着手法を用いて蒸着させることができる。たとえば、フィルタ型カソーディック真空アーク(FCVA)蒸着器を用いて、DLCコーティング90を蒸着させることができる。そのようなデバイスでは、カソード材料に電気的アークを与えて、材料の蒸発及び電離を発生させる。磁気フィルタ場を用いて、蒸気をろ過し、磁気集束場を用いて、結果として得られた炭素プラズマを、真空チャンバ内のダイヤフラム18の表面上に集束させる。さまざまなタイプのダイヤモンド様炭素を、所望のように蒸着させてもよい。
【0017】
図5は、ダイヤフラム18の一部の拡大断面図である。
図5に図示されるように、中間層100は、ダイヤフラム18とDLC層90との間に蒸着される。中間層は、DLC層90のダイヤフラム18への付着を促進するように選択されることができる。中間層100は、ダイヤフラム18の表面粗さを改善することに加えて、ダイヤフラム18の熱膨張係数とDLCコーティング90との間の熱膨張係数を有する遷移層を提供するように構成されることができる。さらに、中間層100は、蒸着プロセス中にダイヤフラム18の材料を保護し、最終的な構造体の耐食性を改善させることができる。たとえば、DLC層90は、ピンホールが現れる場合がある。同様に、蒸着プロセス中に、ダイヤフラム18にピンホールが現れる場合がある。中間層100は、このプロセス中のダイヤフラム18を保護する。中間層100は、所望のように選択してもよい。1つの構成では、層100は、チタンで構成される。しかし、別の材料の例は、タンタル、クロム、又はセラミック材料を含む。
【0018】
異なるタイプのダイヤモンド様炭素コーティングを用いて、層90を製造してもよい。実施形態の一例では、DLC層90は、a−C:Hダイヤモンド様炭素で構成されるダイヤモンド様炭素コーティングを含む。別の好ましい実施形態では、コーティングは、ta−CDLCで構成される。
【0019】
好ましい実施形態を参照して本発明を説明してきたが、当業者においては、本発明の本質及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細に変更がなされてもよいことが認識されよう。リモートシールは、本明細書で特に例証されたもの以外の構成であってもよい。例には、面一型フランジシール、延伸型フランジシール、又は平型シール等のフランジシールタイプが含まれる。他の構成は、ねじ式シール(RTW)、ユニオン接続シール、ケミカルティーシール、ねじ式パイプマウントシール、サドル及びフロースルーシール等を含む。毛管路22は、たとえば
図1に図示されるもののように長くされてもよく、又は、別の例の構成では、比較的短くして、それによってトランスミッタがシールに直接装着されるようにしてもよい。1つの構成では、ダイヤフラム18は、ステンレス鋼で構成される。別の例の材料は、Hastelloy(登録商標)、タンタル、チタン、ニッケル200/201、合金400(Mone(商標))、合金625及び600(Inconel(商標))、スーパー二相ステンレス鋼2507、ジルコニウム、金、銀、プラチナ、ニッケル基合金、耐熱金属、及び貴金属を含む。1つの構成では、DLCコーティングを蒸着する前に、任意の溶接が行われる。このことは、溶接プロセスによってDLCコーティングを破損することがないことを保証する。DLCコーティングの厚さは、所望のように選定してもよい。たとえば、厚さは、0.5〜5μmの間でもよい。いくつかの構成では、適用要件を満たす限りにおいて、より薄い層が好ましい。単一の中間層が図示されているが、任意の数の中間層を所望のように用いてもよい。