【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一形態である包装体は、
複数の物質を収容する内部空間を有する第一収容領域部及び第二収容領域部と、
前記物質が流通可能であり、前記第一収容領域部の内部空間と前記第二収容領域部の内部空間とを相互に連通させる連通路と、を備え、
前記第一収容領域部及び前記第二収容領域部は、外部からの圧力に応じて内部空間が縮小/拡大するよう構成され、当該第一収容領域部及び第二収容領域部の内部空間の縮小/拡大に応じて前記物質が前記連通路を流通するよう構成されており、
前記物質のうち、少なくとも1つは気体であり、少なくとも他の1つは気体の気泡を含有可能な液体であり、
前記連通路は、前記物質が流通したときに、液体内で気体を微小気泡化させるよう構成されており、
さらに、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間に連通し、当該内部空間から前記物質を排出する排出口を有する排出通路を備え、
前記排出通路の排出口が塞がれた状態から開口された状態に変化可能なよう構成されている、
という構成をとる。
【0012】
上記構成によると、まず、第一収容領域部を外部から押して圧力をかけると、当該第一収容領域部の内部空間が縮小し、当該第一収容領域部の内部空間に収容されている物質が連通路を介して第二収容領域部の内部空間に流通し、これに応じて、当該第二収容領域部の内部空間が拡大する。その後、第二収容領域部を外部から押して圧力をかけると、当該第二収容領域部の内部空間が縮小し、当該第二収容領域部の内部空間に収容されている物質が連通路を介して第一収容領域部の内部空間に流通し、これに応じて、当該第一収容領域部の内部空間が拡大する。このような操作を繰り返し行うことで、連通路を介して第一収容領域部と第二収容領域部との間を流通した複数の物質が混合されることとなり、包装体内に混合物を生成することができる。その結果、かかる混合物を混合直後の状態で得ることができる。また、特に、収容される物質が液体と気体である場合に、液体と気体が混合されると共に、連通路を通過する際に、液体内で気体が微小気泡化される。これにより、微小気泡を含有した液体を得ることができる。
【0013】
さらに、第一収容領域部と第二収容領域部との少なくとも一方の排出通路を備え、当該排出通路の排出口が塞がれた状態から開口された状態に変化させることで、用途に応じた適量の混合物を、混合状態が維持されたまま排出させることができる。
【0014】
なお、上記包装体では、前記連通路の内壁面に凸部を設けた、という構成をとる。また、上記包装体では、前記連通路に、前記物質が流通可能な複数の孔を有する孔形成部材を設けた、という構成をとる。また、上記包装体では、前記連通路に設けられた前記孔形成部材に形成された複数の孔は、当該連通路内に配置された複数の多角形形状物の隙間にて形成されている、という構成をとる。これにより、効率よく、液体内で気体を微小気泡化させることができる。
【0015】
また、上記包装体では、
前記排出通路を複数備え、
いずれか1つ又は複数の前記排出通路の排出口を開口させることにより、当該排出通路からの前記物質の排出量が異なる複数の状態に変化可能なよう構成されている。
【0016】
また、上記包装体では、
前記排出通路の排出口が包装体自体を形成する部材の外周形成部で塞がれた状態から、当該外周形成部を切断することで、前記排出通路の排出口が開口された状態に変化可能なよう構成されると共に、
前記外周形成部を異なる切断箇所で切断することによって、前記排出通路からの前記物質の排出量が異なる複数の状態に変化可能なよう構成されている。
【0017】
また、上記包装体では、
前記排出通路を複数備え、
複数の前記排出通路の排出口が全て塞がれた状態から、当該排出口の開口数が異なる複数の状態に変化可能なよう構成されている。
【0018】
また、上記包装体では、
前記排出通路の排出口が包装体自体を形成する部材の外周形成部で塞がれた状態から、当該外周形成部を切断することで、前記排出通路の排出口が開口された状態に変化可能なよう構成されると共に、
前記外周形成部を異なる切断箇所で切断することによって、前記排出口の開口数が異なる複数の状態に変化可能なよう構成されている。
【0019】
また、上記包装体では、
前記第一収容領域部の内部空間に連通する所定数の前記排出通路である一方の排出通路と、前記第二収容領域部の内部空間に連通する所定数の前記排出通路である他方の排出通路と、を備え、
前記一方の排出通路と前記他方の排出通路とは、前記排出通路の数が異なり、
前記一方の排出通路が開口するよう前記外周形成部を切断する切断箇所と、前記他方の排出通路が開口するよう前記外周形成部を切断する切断箇所と、が異なる、
という構成をとる。
【0020】
また、上記包装体では、
前記第一収容領域部及び前記第二収容領域部の少なくとも一方の内部空間に連通する複数の前記排出通路を備え、
複数の前記排出通路は、少なくとも1つが他よりも長く形成されており、
第一切断箇所で前記外周形成部を切断することによって複数の前記排出通路のうち他よりも長く形成された少なくとも1つの前記排出通路を開口させ、前記第一切断箇所とは異なる第二切断箇所で前記外周形成部を切断することによって複数の前記排出通路を全て開口させるよう構成されている。
【0021】
また、上記包装体では、
異なる前記切断箇所毎に、当該切断箇所の切断位置を規定する切欠き部が、前記包装体の外縁に形成されている、
という構成をとる。
【0022】
また、上記包装体では、
柔軟性を有する2つのシート体の一部を貼り合わせて構成されており、
前記2つのシート体の間に、前記第一収容領域部の内部空間と、前記第二収容領域部の内部空間と、前記連通路と、前記排出通路と、を形成しており、
前記排出通路の排出口は、前記2つのシート体が貼り合わせられることによって塞がされた状態となり、
前記2つのシート体が貼り合わせられて前記第一収容領域部及び/又は前記第二収容領域部の周囲に形成された外周形成部を切断することによって、前記排出通路の排出口が開口するよう構成されている。
【0023】
上記構成により、包装体を異なる切断箇所で切断などすることにより、排出通路の開口数や物質の排出量が異なる複数の状態に変化させることができる。これにより、簡易な操作で、用途に応じた適量の混合物を、混合状態が維持されたまま排出させることができる。
【0024】
また、上記包装体では、
前記連通路を、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との間に複数設けた、
という構成をとる。
【0025】
また、上記包装体では、
前記連通路のうち、少なくとも1つは前記第一収容領域部の内部空間から前記第二収容領域部の内部空間に物質を流通させるよう構成され、少なくとも他の1つは記第二収容領域部の内部空間から前記第一収容領域部の内部空間に物質を流通させるよう構成されている、
という構成をとる。
【0026】
また、上記包装体では、
前記連通路のうち、少なくとも1つは前記第一収容領域部の内部空間から前記第二収容領域部の内部空間に向かって通路の幅が狭くなるよう構成され、少なくとも他の1つは記第二収容領域部の内部空間から前記第一収容領域部の内部空間に向かって通路の幅が狭くなるよう構成されている、
という構成をとる。
【0027】
上記構成によると、連通路を複数設けることで、第一収容領域部と第二収容領域部との間で流通させる物質の量を増加させることができる。また、連通路の物質が流通する方向を設定して構成することで、効率よく物質を流通させて混合させることができる。その結果、効率よく混合物を得ることができる。
【0028】
また、上記包装体では、
前記物質を収容する内部空間を有する他の収容領域部を、さらに1つ又は複数備え、
前記収容領域部は、前記第一収容領域部の内部空間及び/又は前記第二収容領域部の内部空間と、さらに連通路を介して連通されている、
という構成をとる。
【0029】
上記構成によると、さらに多くの収容領域部を備えることで、それぞれに領域部に事前に異なる物質を収容させておくことができる。そして、いずれかの領域部を外部から押して圧力をかけることで、上述したように各物質が混合されることとなる。これにより、より多くの種類の物質を混合した混合物を混合状態で得ることができる。
【0030】
また、本発明の他の形態である包装体は、
複数の物質を収容する内部空間を有する、第一収容領域部、第二収容領域部及び第三収容領域部と、
前記物質が流通可能であり、前記第一収容領域部の内部空間と前記第三収容領域部の内部空間とを相互に連通させる第一連通路と、前記第二収容領域部の内部空間と前記第三収容領域部の内部空間とを相互に連通させる第二連通路と、を備え、
前記第一収容領域部及び前記第二収容領域部は、外部からの圧力に応じて内部空間が縮小/拡大するよう構成されており、当該第一収容領域部及び第二収容領域部の内部空間の縮小/拡大に応じて前記物質が前記第一連通路及び前記第二連通路を流通するよう構成されている、
という構成をとる。
【0031】
そして、上記包装体では、
前記物質のうち、少なくとも1つは気体であり、少なくとも他の1つは気体の気泡を含有可能な液体である場合に、
前記第一連通路及び前記第二連通路は、前記物質が流通したときに、液体内で気体を微小気泡化させるよう構成されている、
という構成をとる。
【0032】
上記構成の包装体であっても、第一収容領域部と第二収容領域部との間を、連通路を通じて第三収容領域部を介して物質が流通するため、複数の物質の混合物や微小気泡を含有した液体を生成することができる。
【0033】
また、本発明の他の形態である物質混合排出方法は、
少なくとも1つは気体であり少なくとも他の1つは気体の気泡を含有可能な液体である複数の物質が内部空間に収容された第一収容領域部と第二収容領域部とを交互に外部から押圧して、前記第一収容領域部の内部空間と前記第二収容領域部の内部空間とを交互に縮小/拡大させることにより、前記第一収容領域部の内部空間と前記第二収容領域部の内部空間とを相互に連通させる連通路に前記物質を流通させることで、当該連通路にて液体内で気体を微小気泡化させ、
前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間に連通し、当該内部空間から前記物質を排出する排出口を有する排出通路の前記排出口を、塞がれた状態から開口された状態に変化させる、
という構成をとる。
【0034】
そして、上記物質混合排出方法では、
複数の前記排出通路の排出口が全て塞がれた状態から、当該排出口の開口数又は前記排出通路からの前記物質の排出量、が異なる複数の状態に変化させる、
という構成をとる。
【0035】
また、上記物質混合排出方法では、
前記排出通路の排出口が包装体自体を形成する部材の外周形成部で塞がれた状態から、当該外周形成部を切断することで、前記排出通路の排出口が開口された状態に変化させると共に、前記外周形成部を異なる切断箇所で切断することによって、前記排出口の開口数又は前記排出通路からの前記物質の排出量、が異なる複数の状態に変化させる、
という構成をとる。
【0036】
上記物質混合排出方法であっても、第一収容領域部と第二収容領域部との間を、連通路を通じて物質が流通するため、複数の物質の混合物や微小気泡を含有した液体を生成することができる。そして、排出通路の排出口が塞がれた状態から開口された状態に変化させることで、用途に応じた適量の混合物を、混合状態が維持されたまま排出させることができる。