特許第6352568号(P6352568)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6352568
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/08 20060101AFI20180625BHJP
【FI】
   B65D77/08 B
【請求項の数】5
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-23352(P2018-23352)
(22)【出願日】2018年2月13日
(62)【分割の表示】特願2018-506641(P2018-506641)の分割
【原出願日】2017年10月2日
【審査請求日】2018年2月13日
(31)【優先権主張番号】特願2016-204042(P2016-204042)
(32)【優先日】2016年10月18日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2017-80429(P2017-80429)
(32)【優先日】2017年4月14日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515218255
【氏名又は名称】雨宮 克治
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 治
【審査官】 二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−178442(JP,A)
【文献】 特開2000−272674(JP,A)
【文献】 特開2013−158676(JP,A)
【文献】 特開2015−027677(JP,A)
【文献】 特開2015−188857(JP,A)
【文献】 特開2006−027617(JP,A)
【文献】 特表2013−530104(JP,A)
【文献】 特開平09−254998(JP,A)
【文献】 特開平09−221147(JP,A)
【文献】 特表2003−531781(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/082305(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/08
B65D 30/22
B65D 75/48
B65D 81/32
B01F 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物質を収容する内部空間を有する第一収容領域部及び第二収容領域部と、
前記物質が流通可能であり、前記第一収容領域部の内部空間と前記第二収容領域部の内部空間とを相互に連通させる連通路と、を備え、
前記第一収容領域部及び前記第二収容領域部は、外部からの圧力に応じて内部空間が縮小/拡大するよう構成されており、当該第一収容領域部及び第二収容領域部の内部空間の縮小/拡大に応じて前記物質が前記連通路を流通するよう構成されており、
前記連通路は、下流側の物質を収容する内部空間への流入箇所では通路の幅が他の箇所よりも小さく形成されており、
さらに、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間に連通し、当該内部空間から前記物質を排出する排出口を有する排出通路を備え、
前記排出通路の排出口が塞がれた状態から開口された状態に変化可能なよう構成されている、
包装体。
【請求項2】
複数の物質を収容する内部空間を有する第一収容領域部及び第二収容領域部と、
前記物質が流通可能であり、前記第一収容領域部の内部空間と前記第二収容領域部の内部空間とを相互に連通させる連通路と、を備え、
前記第一収容領域部及び前記第二収容領域部は、外部からの圧力に応じて内部空間が縮小/拡大するよう構成されており、当該第一収容領域部及び第二収容領域部の内部空間の縮小/拡大に応じて前記物質が前記連通路を流通するよう構成されており、
前記連通路は、前記第一収容領域部の内部空間から前記第二収容領域部の内部空間に向かって通路の幅が狭くなるよう構成されており、
さらに、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間に連通し、当該内部空間から前記物質を排出する排出口を有する排出通路を備え、
前記排出通路の排出口が塞がれた状態から開口された状態に変化可能なよう構成されている、
包装体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の包装体であって、
前記排出通路を複数備え、
前記排出通路の排出口の全てが包装体自体を形成する部材の外周形成部で塞がれた状態から、当該外周形成部を切断することで、前記排出通路の排出口が開口された状態に変化可能なよう構成されると共に、前記外周形成部を異なる切断箇所で切断することによって、前記排出口の開口数が異なる複数の状態に変化可能なよう構成されており、
前記第一収容領域部の内部空間に連通する所定数の前記排出通路である一方の排出通路と、前記第二収容領域部の内部空間に連通する所定数の前記排出通路である他方の排出通路と、を備え、
前記一方の排出通路と前記他方の排出通路とは、前記排出通路の数が異なり、
前記一方の排出通路が開口するよう前記外周形成部を切断する切断箇所と、前記他方の排出通路が開口するよう前記外周形成部を切断する切断箇所と、が異なる、
包装体。
【請求項4】
複数の物質が内部空間に収容された第一収容領域部と第二収容領域部とを交互に外部から押圧して、前記第一収容領域部の内部空間と前記第二収容領域部の内部空間とを交互に縮小/拡大させることにより、前記第一収容領域部の内部空間と前記第二収容領域部の内部空間とを相互に連通させる連通路に前記物質を流通させる際に、下流側の前記物質を収容する内部空間への流入箇所では通路の幅が他の箇所よりも小さく形成されている前記連通路に前記物質を流通させ、
前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間に連通し、当該内部空間から前記物質を排出する排出口を有する排出通路の前記排出口を、塞がれた状態から開口された状態に変化させる、
物質混合排出方法。
【請求項5】
複数の物質が内部空間に収容された第一収容領域部と第二収容領域部とを交互に外部から押圧して、前記第一収容領域部の内部空間と前記第二収容領域部の内部空間とを交互に縮小/拡大させることにより、前記第一収容領域部の内部空間と前記第二収容領域部の内部空間とを相互に連通させる連通路に前記物質を流通させる際に、前記第一収容領域部の内部空間から前記第二収容領域部の内部空間に向かって通路の幅が狭くなるよう構成されている前記連通路に前記物質を流通させ、
前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間に連通し、当該内部空間から前記物質を排出する排出口を有する排出通路の前記排出口を、塞がれた状態から開口された状態に変化させる、
物質混合排出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装体にかかり、特に、収容されている物質を混合可能な包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
ナノバブルは、水などの溶媒中に存在するナノサイズ(例えば、粒径1000nm以下)の微小気泡であり、通常の気泡とは著しく異なった性質を有する。例えば、ナノバブルは、成長促進効果や抗酸化作用、殺菌作用など、人体に対しても優れた効果が期待されている。
【0003】
そして、上述したナノバブルの性質を利用して、様々な溶媒にナノバブルを含有させることも検討されている。例えば、化粧液や洗浄剤、薬剤、飲料物などを形成する溶媒にナノバブルを含有させることで、ナノバブルを人体に取り込むことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−120919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、ナノバブルは、溶媒中に微小気泡として存在するものであるため、溶媒に対する溶存量が時間の経過に伴って低下しうる。このため、例えば、体内にナノバブルを取り込むことを目的とする場合であっても、ナノバブルの溶媒に対する溶存期間が短く溶存量が低下することにより、効率よく取り込むことが困難である、という問題が生じる。
【0006】
ここで、特許文献1には、ある成分を含有する液体を安定して保持するための包装袋が開示されている。この包装袋は、アルミニウム層を有しており、遮光性、水分遮断性、ガスバリア性を確保して、ある成分が含有された液体を長期保存できるよう構成されている。
【0007】
しかしながら、上述したような包装袋であっても、ナノバブルが溶媒に含有されている状態のままでは、ナノバブルが減少しうる。つまり、液体と気体の混合物の混合状態を安定して保持することが困難である。このため、必要に応じてナノバブルの溶存量が多い溶媒を得ることが困難である、という問題が生じる。
【0008】
また、ナノバブルに限らず、上述した包装袋に、複数の物質の混合物を収容している場合に、かかる混合物の混合状態を安定して維持することも困難となりうる。このため、必要に応じて混合状態を維持した混合物を得ることが困難である、という問題が生じる。
【0009】
さらに、混合状態を維持した混合物は、包装袋から排出されると、かかる混合状態を維持することが困難となる。すると、包装袋を開けて一度に混合物を取り出してしまうと、すぐに使用する量の混合物については混合状態が維持されているが、すぐに使用しない量の混合物については混合状態を維持することができない。このため、混合物の用途に応じて、包装袋からの適量を排出する必要がある。
【0010】
以上により、本発明の目的は、上述した課題である、複数の物質の混合物を所望の混合状態を維持した状態で、適量を得ることが困難であること、を解決することができる包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一形態である包装体は、
複数の物質を収容する内部空間を有する第一収容領域部及び第二収容領域部と、
前記物質が流通可能であり、前記第一収容領域部の内部空間と前記第二収容領域部の内部空間とを相互に連通させる連通路と、を備え、
前記第一収容領域部及び前記第二収容領域部は、外部からの圧力に応じて内部空間が縮小/拡大するよう構成され、当該第一収容領域部及び第二収容領域部の内部空間の縮小/拡大に応じて前記物質が前記連通路を流通するよう構成されており、
前記物質のうち、少なくとも1つは気体であり、少なくとも他の1つは気体の気泡を含有可能な液体であり、
前記連通路は、前記物質が流通したときに、液体内で気体を微小気泡化させるよう構成されており、
さらに、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間に連通し、当該内部空間から前記物質を排出する排出口を有する排出通路を備え、
前記排出通路の排出口が塞がれた状態から開口された状態に変化可能なよう構成されている、
という構成をとる。
【0012】
上記構成によると、まず、第一収容領域部を外部から押して圧力をかけると、当該第一収容領域部の内部空間が縮小し、当該第一収容領域部の内部空間に収容されている物質が連通路を介して第二収容領域部の内部空間に流通し、これに応じて、当該第二収容領域部の内部空間が拡大する。その後、第二収容領域部を外部から押して圧力をかけると、当該第二収容領域部の内部空間が縮小し、当該第二収容領域部の内部空間に収容されている物質が連通路を介して第一収容領域部の内部空間に流通し、これに応じて、当該第一収容領域部の内部空間が拡大する。このような操作を繰り返し行うことで、連通路を介して第一収容領域部と第二収容領域部との間を流通した複数の物質が混合されることとなり、包装体内に混合物を生成することができる。その結果、かかる混合物を混合直後の状態で得ることができる。また、特に、収容される物質が液体と気体である場合に、液体と気体が混合されると共に、連通路を通過する際に、液体内で気体が微小気泡化される。これにより、微小気泡を含有した液体を得ることができる。
【0013】
さらに、第一収容領域部と第二収容領域部との少なくとも一方の排出通路を備え、当該排出通路の排出口が塞がれた状態から開口された状態に変化させることで、用途に応じた適量の混合物を、混合状態が維持されたまま排出させることができる。
【0014】
なお、上記包装体では、前記連通路の内壁面に凸部を設けた、という構成をとる。また、上記包装体では、前記連通路に、前記物質が流通可能な複数の孔を有する孔形成部材を設けた、という構成をとる。また、上記包装体では、前記連通路に設けられた前記孔形成部材に形成された複数の孔は、当該連通路内に配置された複数の多角形形状物の隙間にて形成されている、という構成をとる。これにより、効率よく、液体内で気体を微小気泡化させることができる。
【0015】
また、上記包装体では、
前記排出通路を複数備え、
いずれか1つ又は複数の前記排出通路の排出口を開口させることにより、当該排出通路からの前記物質の排出量が異なる複数の状態に変化可能なよう構成されている。
【0016】
また、上記包装体では、
前記排出通路の排出口が包装体自体を形成する部材の外周形成部で塞がれた状態から、当該外周形成部を切断することで、前記排出通路の排出口が開口された状態に変化可能なよう構成されると共に、
前記外周形成部を異なる切断箇所で切断することによって、前記排出通路からの前記物質の排出量が異なる複数の状態に変化可能なよう構成されている。
【0017】
また、上記包装体では、
前記排出通路を複数備え、
複数の前記排出通路の排出口が全て塞がれた状態から、当該排出口の開口数が異なる複数の状態に変化可能なよう構成されている。
【0018】
また、上記包装体では、
前記排出通路の排出口が包装体自体を形成する部材の外周形成部で塞がれた状態から、当該外周形成部を切断することで、前記排出通路の排出口が開口された状態に変化可能なよう構成されると共に、
前記外周形成部を異なる切断箇所で切断することによって、前記排出口の開口数が異なる複数の状態に変化可能なよう構成されている。
【0019】
また、上記包装体では、
前記第一収容領域部の内部空間に連通する所定数の前記排出通路である一方の排出通路と、前記第二収容領域部の内部空間に連通する所定数の前記排出通路である他方の排出通路と、を備え、
前記一方の排出通路と前記他方の排出通路とは、前記排出通路の数が異なり、
前記一方の排出通路が開口するよう前記外周形成部を切断する切断箇所と、前記他方の排出通路が開口するよう前記外周形成部を切断する切断箇所と、が異なる、
という構成をとる。
【0020】
また、上記包装体では、
前記第一収容領域部及び前記第二収容領域部の少なくとも一方の内部空間に連通する複数の前記排出通路を備え、
複数の前記排出通路は、少なくとも1つが他よりも長く形成されており、
第一切断箇所で前記外周形成部を切断することによって複数の前記排出通路のうち他よりも長く形成された少なくとも1つの前記排出通路を開口させ、前記第一切断箇所とは異なる第二切断箇所で前記外周形成部を切断することによって複数の前記排出通路を全て開口させるよう構成されている。
【0021】
また、上記包装体では、
異なる前記切断箇所毎に、当該切断箇所の切断位置を規定する切欠き部が、前記包装体の外縁に形成されている、
という構成をとる。
【0022】
また、上記包装体では、
柔軟性を有する2つのシート体の一部を貼り合わせて構成されており、
前記2つのシート体の間に、前記第一収容領域部の内部空間と、前記第二収容領域部の内部空間と、前記連通路と、前記排出通路と、を形成しており、
前記排出通路の排出口は、前記2つのシート体が貼り合わせられることによって塞がされた状態となり、
前記2つのシート体が貼り合わせられて前記第一収容領域部及び/又は前記第二収容領域部の周囲に形成された外周形成部を切断することによって、前記排出通路の排出口が開口するよう構成されている。
【0023】
上記構成により、包装体を異なる切断箇所で切断などすることにより、排出通路の開口数や物質の排出量が異なる複数の状態に変化させることができる。これにより、簡易な操作で、用途に応じた適量の混合物を、混合状態が維持されたまま排出させることができる。
【0024】
また、上記包装体では、
前記連通路を、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との間に複数設けた、
という構成をとる。
【0025】
また、上記包装体では、
前記連通路のうち、少なくとも1つは前記第一収容領域部の内部空間から前記第二収容領域部の内部空間に物質を流通させるよう構成され、少なくとも他の1つは記第二収容領域部の内部空間から前記第一収容領域部の内部空間に物質を流通させるよう構成されている、
という構成をとる。
【0026】
また、上記包装体では、
前記連通路のうち、少なくとも1つは前記第一収容領域部の内部空間から前記第二収容領域部の内部空間に向かって通路の幅が狭くなるよう構成され、少なくとも他の1つは記第二収容領域部の内部空間から前記第一収容領域部の内部空間に向かって通路の幅が狭くなるよう構成されている、
という構成をとる。
【0027】
上記構成によると、連通路を複数設けることで、第一収容領域部と第二収容領域部との間で流通させる物質の量を増加させることができる。また、連通路の物質が流通する方向を設定して構成することで、効率よく物質を流通させて混合させることができる。その結果、効率よく混合物を得ることができる。
【0028】
また、上記包装体では、
前記物質を収容する内部空間を有する他の収容領域部を、さらに1つ又は複数備え、
前記収容領域部は、前記第一収容領域部の内部空間及び/又は前記第二収容領域部の内部空間と、さらに連通路を介して連通されている、
という構成をとる。
【0029】
上記構成によると、さらに多くの収容領域部を備えることで、それぞれに領域部に事前に異なる物質を収容させておくことができる。そして、いずれかの領域部を外部から押して圧力をかけることで、上述したように各物質が混合されることとなる。これにより、より多くの種類の物質を混合した混合物を混合状態で得ることができる。
【0030】
また、本発明の他の形態である包装体は、
複数の物質を収容する内部空間を有する、第一収容領域部、第二収容領域部及び第三収容領域部と、
前記物質が流通可能であり、前記第一収容領域部の内部空間と前記第三収容領域部の内部空間とを相互に連通させる第一連通路と、前記第二収容領域部の内部空間と前記第三収容領域部の内部空間とを相互に連通させる第二連通路と、を備え、
前記第一収容領域部及び前記第二収容領域部は、外部からの圧力に応じて内部空間が縮小/拡大するよう構成されており、当該第一収容領域部及び第二収容領域部の内部空間の縮小/拡大に応じて前記物質が前記第一連通路及び前記第二連通路を流通するよう構成されている、
という構成をとる。
【0031】
そして、上記包装体では、
前記物質のうち、少なくとも1つは気体であり、少なくとも他の1つは気体の気泡を含有可能な液体である場合に、
前記第一連通路及び前記第二連通路は、前記物質が流通したときに、液体内で気体を微小気泡化させるよう構成されている、
という構成をとる。
【0032】
上記構成の包装体であっても、第一収容領域部と第二収容領域部との間を、連通路を通じて第三収容領域部を介して物質が流通するため、複数の物質の混合物や微小気泡を含有した液体を生成することができる。
【0033】
また、本発明の他の形態である物質混合排出方法は、
少なくとも1つは気体であり少なくとも他の1つは気体の気泡を含有可能な液体である複数の物質が内部空間に収容された第一収容領域部と第二収容領域部とを交互に外部から押圧して、前記第一収容領域部の内部空間と前記第二収容領域部の内部空間とを交互に縮小/拡大させることにより、前記第一収容領域部の内部空間と前記第二収容領域部の内部空間とを相互に連通させる連通路に前記物質を流通させることで、当該連通路にて液体内で気体を微小気泡化させ、
前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間に連通し、当該内部空間から前記物質を排出する排出口を有する排出通路の前記排出口を、塞がれた状態から開口された状態に変化させる、
という構成をとる。
【0034】
そして、上記物質混合排出方法では、
複数の前記排出通路の排出口が全て塞がれた状態から、当該排出口の開口数又は前記排出通路からの前記物質の排出量、が異なる複数の状態に変化させる、
という構成をとる。
【0035】
また、上記物質混合排出方法では、
前記排出通路の排出口が包装体自体を形成する部材の外周形成部で塞がれた状態から、当該外周形成部を切断することで、前記排出通路の排出口が開口された状態に変化させると共に、前記外周形成部を異なる切断箇所で切断することによって、前記排出口の開口数又は前記排出通路からの前記物質の排出量、が異なる複数の状態に変化させる、
という構成をとる。
【0036】
上記物質混合排出方法であっても、第一収容領域部と第二収容領域部との間を、連通路を通じて物質が流通するため、複数の物質の混合物や微小気泡を含有した液体を生成することができる。そして、排出通路の排出口が塞がれた状態から開口された状態に変化させることで、用途に応じた適量の混合物を、混合状態が維持されたまま排出させることができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明は、以上のように構成されることにより、複数の物質の混合物を所望の混合状態を維持した状態で、適量を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明の第1の実施形態における包装体の構成を示す図である。
図2図1に開示した包装体の利用時の様子を示す図である。
図3図1に開示した包装体の利用時の様子を示す図である。
図4図1に開示した包装体の連通路の構成例を示す図である。
図5図1に開示した包装体の利用時の様子を示す図である。
図6】本発明である包装体の変形例を示す図である。
図7図6に開示した包装体の利用時の様子を示す図である。
図8図6に開示した包装体の利用時の様子を示す図である。
図9】本発明である包装体の変形例を示す図である。
図10】本発明である包装体の変形例を示す図である。
図11】本発明である包装体の変形例を示す図である。
図12】本発明である包装体の変形例を示す図である。
図13】本発明である包装体の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、図1乃至図4を参照して説明する。図1は、包装体の構成を示す図であり、図2乃至図3は包装体の利用時の様子を示す図である。図4は、包装体を構成する連通路の構成例を示す図である。
【0040】
図1に、本実施形態における包装体1の構成の一例を示す。図1(a)は、包装体1の平面図であり、図1(b)は、図1(a)の上下方向の任意の位置(連通路21が形成されている位置)で断面した包装体1の断面図である。
【0041】
本実施形態における包装体1は、2枚のシート体が積層された状態で、一部が貼り合わされて構成されている。シート体は、例えば、ポリエチレン製、アルミニウム製など、いかなる材質であってもよい。
【0042】
具体的に、包装体1は、2枚のシート体の間に、図1(a)の点線で示す外形の、2つの収容領域部11,12と、2つの連通路21,22と、複数の排出通路31,32と、を構成する空間を形成するよう、その他の部分が張り合わされて構成されている。つまり、包装体1は、図1(b)の断面図に示すように、積層された2枚のシート体が、2つの収容領域部11,12と、2つの連通路21,22と、複数の排出通路31,32と、を構成する箇所のみ張り合わされておらず、その他の箇所は張り合わされている。なお、2枚のシート体が相互に張り合わされている箇所は、例えば、熱圧着シーラーによって熱圧着されて張り合わされているが、いかなる方法で貼り合わせられていてもよい。
【0043】
上記2つの収容領域部11,12は、第一収容領域部11及び第二収容領域部12からなる。これら収容領域部11,12の内部空間には、液体と気体とが収容されている。例えば、液体は化粧液であり、気体は水素ガスである。ここで、第一収容領域部11の内部空間には化粧液、第二収容領域部12の内部空間には水素ガス、というように、最初は液体と気体とが別々に収容されていてもよく、あるいは、液体と気体とが混在した状態でそれぞれの収容領域部11,12に収容されていてもよい。なお、各収容領域部11,12の内部空間に収容される物質として、液体と気体を例に挙げているが、異なる種類の液体同士や気体同士であってもよく、ゾルやゲル、さらには、粉末と言った固体であってもよい。なお、これら物質は、後述するように、連通路21,22を流通可能な流動性を有する物質である。
【0044】
上記2つの連通路21,22は、上記第一収容領域部11の内部空間と上記第二収容領域部12の内部空間との間を相互に連通させる通路である。このため、連通路21,22は、各収容領域部11,12に収容されている複数の物質が、各収容領域部11,12間を相互に行き来するよう流通可能である。但し、連通路21,22は、物質の流通方向を規定するよう構成されている。例えば、連通路22は、第一収容領域部11の内部空間から第二収容領域部12の内部空間に向かって通路の幅が狭くなるよう構成されている。このため、連通路22が弁として機能し、第一収容領域部11から第二収容領域部12に向かって物質が流通するよう構成されている。一方、連通路21は、第二収容領域部12の内部空間から第一収容領域部11の内部空間に向かって通路の幅が狭くなるよう構成されている。このため、連通路21が弁として機能し、第二収容領域部12から第一収容領域部11に向かって物質が流通するよう構成されている。但し、連通路21,22の流通方向は必ずしも規定されていなくてもよい。
【0045】
ここで、上述した第一収容領域部11と第二収容領域部12との内部空間は、柔軟性を有する2枚のシート体の間に形成されている空間であるため、外部からの圧力に応じて、内部空間自体が縮小あるいは拡大するよう構成されている。例えば、図2(b)の矢印に示すように、第一収容領域部11が外部から押されて圧力をかけられると、第一収容領域部11の内部空間が縮小する。すると、図2(a)の矢印に示すように、第一収容領域部11内の物質が、連通路22を流通して第二収容領域部12内に流入することとなり、これに応じて、第二収容領域部12の内部空間が拡大する。その後、図3(b)の矢印に示すように、第二収容領域部12を外部から押して圧力をかけると、当該第二収容領域部12の内部空間が縮小する。すると、図3(b)の矢印に示すように、第二収容領域部12内に収容されている物質が連通路21を介して第一収容領域部11内に流入し、これに応じて、第一収容領域部11の内部空間が拡大する。
【0046】
このとき、上述した各連通路21,22は、物質が流通したときに、液体内の気体を微小気泡化させるよう構成されている。例えば、連通路21,22は、下流側の収容領域部への流入箇所では通路の幅が極めて小さく形成されていることにより、液体と気体が混合された物質が流通すると、液体内の気体が微小気泡化されることとなる。
【0047】
また、連通路21,22は、図4に示すような構成であってもよい。例えば、図4(a)に示すように、連通路21の内壁面に凸部21aが設けられていてもよい。このように凸部21aが設けられた連通路21内を液体と気体とが混合された物質が流通することで、液体内の気体が微小気泡化されることとなる。ここで、生成される微小気泡は、例えば、粒径1000nm以下のナノサイズであると望ましい。なお、連通路22も同様の構成を有する。
【0048】
また、例えば、図4(b)の網掛け部分で示すように、連通路21に多孔質体21b(孔形成部材)を充填してもよい。この多孔質体21bは、例えば、綿状繊維素材で構成されており、多数の孔が形成されている。この多数の孔を液体と気体とが混合された物質が通過することで、液体内の気体が微小気泡化することとなる。なお、孔の大きさは、例えば径が1mm以下であると望ましい。また、多数の孔は、例えば、後述するようにハニカム構造のように、連通路22内に複数の多角形形状物が敷き詰められており、これら多角形形状物の隙間にて形成されていてもよい。このようにすることで、さらなる気泡サイズの微小化を効率よく行うことができる。
【0049】
以上のような構成において、図2図3に示すように、第一収容領域部11と第二収容領域部12に対する外部からの押圧を交互に繰り返すことで、第一収容領域部11の内部空間と第二収容領域部12の内部空間とが交互に縮小/拡大されることとなる。すると、第一収容領域部11の内部空間と第二収容領域部12の内部空間とに収容された液体と気体の混合物が、各連通路21,22内で流通を繰り返すこととなり、連通路21,22を流通した液体と気体の混合物は、液体内で気体が微小気泡化されることとなる。その結果、微小気泡化された気体を含有した液体を生成することができ、包装体を開けることで、かかる混合物を得ることができる。
【0050】
なお、上述した2つの収容領域部11,12内で、混合前では異なる物質が混合されることなく収容されていることが望ましい場合には、各収容領域部11,12内にそれぞれ別々に物質を収容した状態で、各連通路21,22をクリップなどで挟んで塞いでおいてもよい。そして、物質の混合が必要なときに、連通路21,22を挟んだ状態を解除して、上述したように物質の混合を行ってもよい。なお、連通路21,22を塞ぐ方法は、いかなる方法で行ってもよい。
【0051】
ここで、上述した包装体1を用いて、液体中に微小気泡を発生させた実験結果を示す。実験では、液体中に発生した微小気泡の大きさと数をビデオ解析によって調べた。その結果、液体1cmあたり、1〜1000nmの気泡であるナノバブルが2〜14億個、発生していることが観測された。一般的な気泡発生装置を用いた場合には、液体1cmあたり微小気泡が3000〜5000万個程度しか発生しないことに対して、本発明における包装体1では、よりナノバブルの溶存量が多い液体を生成することができる。
【0052】
また、図1に示すように、包装体1は、2枚のシート体の間に、複数の排出通路31,32を形成している。具体的に、排出通路31,32は、包装体1自体を形成するシート体の外周を形成する外周形成部に形成されている。図1の例では、まず、第一収容領域部11の内部空間と連通し、当該第一収容領域部11に対して第二収容領域部12側とは反対側の外周側に、3本の所定の長さを有する一方の排出通路31が形成されている。また、第二収容領域部12の内部空間と連通し、当該第二収容領域部12に対して第一収容領域部11側とは反対側の外周側に、1本の所定の長さを有する他方の排出通路32が形成されている。このように、一方の排出通路31と他方の排出通路32とは、それぞれを構成する排出通路自体の本数が異なる。但し、一方の排出通路31と他方の排出通路32とは、同じ数の排出通路を有して構成されていてもよい。
【0053】
上記各排出通路31,32は、それぞれ所定の長さに形成されており、連通する各収容領域部11,12側とは反対側の端部となる排出口が、包装体1の外周形成部で塞がれた状態になっている。つまり、各排出通路31,32の排出口は、包装体1自体を構成する2枚のシート体が張り合わされていることで塞がれている。なお、各排出通路31,32は、同一の太さに設定されているよう図示されているが、太さはそれぞれ異なっていてもよい。
【0054】
また、上記排出通路31,32に対応して、当該排出通路31,32が形成された包装体1の外周形成部の切断箇所41a,42aが設定されており、かかる切断箇所を規定する切欠き41,42が、包装体1の外縁に形成されている。例えば、一方の排出通路31に対応して、3本の排出通路31を切断するような切断箇所41aが設定されており、当該切断箇所41aの切り口となって切断を容易とする切欠き41が形成されている。また、他の排出通路32に対応して、1本の排出通路32を切断するような切断箇所42aが設定されており、当該切断箇所42aの切り口となって切断を容易とする切欠き42が形成されている。
【0055】
そして、上述したように包装体1内に生成した微小気泡を含有する液体を利用する際には、上記排出通路31,32の排出口を開口させて、液体を排出させる。このとき、利用する液体の量に応じて、包装体1の切断箇所を変える。例えば、一度に排出させる量を少なくする場合には、図5(a)に示すように、1本の排出通路からなる他方の排出通路32側の切欠き42から切断して、他方の排出通路32を切断して排出口を開口させる。一方、一度に排出させる量を多くする場合には、図5(b)に示すように、3本の排出通路からなる一方の排出通路31側の切欠き41から切断して、一方の排出通路31を構成する3本全ての排出通路31を切断して排出口を開口させる。
【0056】
このように、本発明の包装体1では、外周形成部の切断箇所を変えることで、排出通路の開口数を変化させることができる。例えば、図5の例では、1本の排出通路32が開口した状態と、3本の排出通路31が開口した状態と、に変化させることができる。これにより、発生直後の微小気泡を含有する液体を、必要な量だけ得ることができるため、微小気泡の溶存量が多い液体を得ることができる。
【0057】
そして、例えば、化粧液と水素とを混合することで、水素の微小気泡の溶存量が多い化粧品を得ることができ、塗布する箇所に応じた量を排出させるよう、排出通路31,32を開口させることができる。なお、本発明の包装体では、いかなる物質を混合するために用いてもよい。例えば、洗浄剤、薬剤、飲料物といった液体と、酸素や水素などの気体と、を混合することに利用してもよい。これにより、酸素や水素のナノバブルが発生して含有された直後の混合物を得ることができ、かかる混合物を利用することで、ナノバブルによる成長促進効果や抗酸化作用、殺菌作用など、人体などの生物に対して優れた効果を期待することができる。なお、混合する物質は、液体同士や気体同士であってもよい。これにより、生成直後で効果のある混合物を、適量だけ得ることができる。
【0058】
なお、上記では、切断箇所毎にそれぞれ位置する排出通路31,32の本数を変えることで、微小気泡を含有する液体の排出量を変えているが、排出通路31,32の太さを変えることで排出量を変えてもよい。例えば、図5の例では、一方の排出通路31として3本、他方の排出通路32として1本、を装備しているが、一方及び他方の排出通路31,32がそれぞれ1本または同数で構成され、一方側が他方側よりも太い排出通路にて構成されていてもよい。このようにしても、一方の排出通路31が開口した状態と、他方の排出通路32が開口した状態とで、排出量を変化させることができる。
【0059】
次に、図6乃至図8を参照して、包装体1の他の構成例を説明する。この例では、上述した排出通路の形成位置が異なる。
【0060】
まず、図6(a)の例では、第一収容領域部11の内部空間に連通する3本の排出通路33,34が形成されている。そして、3本の排出通路のうち、中央の1本の排出通路34は、他よりも長く形成されている。換言すると、両端の2本の排出通路33は、中央の排出通路34よりも短く形成されている。
【0061】
そして、上記排出通路33,34に対応して、当該排出通路33,34が形成された包装体1の外周形成部の切断箇所43a,44aが設定されており、かかる切断箇所を規定する切欠き43,44が、包装体1の外縁に形成されている。例えば、他よりも長く形成された中央の排出通路34の長さに対応して、当該排出通路34のみを切断するような切断箇所44a(第一切断箇所)が設定されており、当該切断箇所44aの切り口となって切断を容易とする切欠き44が形成されている。また、短い2本の排出通路33の長さに対応して、当該2本の排出通路33及び中央の排出通路34を切断するような切断箇所43a(第二切断箇所)が設定されており、当該切断箇所43aの切り口となって切断を容易とする切欠き43が形成されている。
【0062】
そして、上述したように包装体1内に生成した微小気泡を含有する液体を利用する際には、上記排出通路33,34の排出口を開口させて、液体を排出させる。このとき、利用する液体の量に応じて、包装体1の切断箇所を変える。例えば、一度に排出させる量を少なくする場合には、図7(a)に示すように、長い1本の排出通路34に対応した切欠き44から切断して、当該1本の排出通路34のみを切断して排出口を開口させる。一方、一度に排出させる量を多くする場合には、図8(a)に示すように、短い排出通路33に対応する切欠き43から切断して、全ての排出通路33,34を切断して当該全ての排出通路33,34の排出口を開口させる。
【0063】
このように、本発明の包装体1では、外周形成部の切断箇所を変えることで、排出通路の開口数を変化させることができる。例えば、図6(a)の例では、1本の排出通路34が開口した状態と、3本の排出通路33,34が開口した状態と、に変化させることができる。これにより、発生直後の微小気泡を含有する液体を、必要な量だけ得ることができるため、微小気泡の溶存量が多い液体を得ることができる。
【0064】
なお、図6(b)は、上述した図6(a)に対して排出通路33,34の周囲の形状が異なる例である。つまり、図6(b)では、排出通路33,34が形成されている箇所が、第一収容領域部11の周囲からさらに外部方向に突出して形成されている。そして、突出して形成された部位の外縁に、上述同様に長さの異なる各排出通路33,34に対応して形成された切断箇所43a,44aの切り口となる切欠き43,44が形成されている。これら切欠き43,44をそれぞれ図7(b)、図8(b)に示すように切断することで、1本の排出通路34が開口した状態と、3本の排出通路33,34が開口した状態と、に変化させることができる。
【0065】
なお、上述した図6の例では、3本の排出通路33,34を形成し、1本だけが長い排出通路34に形成されている場合を説明したが、排水通路33,34の本数は上記に限定されない。例えば、他よりも長い排水通路34が複数形成されていてもよい。
【0066】
さらに、本発明の変形例を、図9乃至図13を参照して説明する。まず、図示していないが、本発明における包装体1は、図1等に示すように2つの連通路に限らず、さらに多くの連通路を備えていてもよい。
【0067】
また、包装体1は、さらに多くの収容領域部を備えてもよい。例えば、図示していないが、第一収容領域部11及び第二収容領域部12の他に、第三収容領域部を備えてもよい。これに伴い、第三収容領域部から第一収容領域部11に向かって物質を流通させる連通路と、第一収容領域部11から第三収容領域部に向かって物質を流通させる連通路と、を備えてもよい。また、場合によっては、第二収容領域部と第三収容領域部との間には連通路を設けてもよい。
【0068】
そして、各収容領域部には、予めそれぞれ異なる物質が収容されてもよい。例えば、第一収容領域部には、液体が収容され、第二収容領域部と第三収容領域部には、それぞれ異なる気体が収容されるようにしてもよい。以上のような構成において、各収容領域部に対する押圧を繰り返すことで、各収容領域部内の物質を混合させることができる。
【0069】
また、上記では、一対の収容領域部間に複数の連通路を備えた構成を示したが、本発明の包装体1は、図示していないが、一対の収容領域部11,12間に、連通路を1つのみ備えていてもよい。かかる構成であっても、収容領域部11,12間を連通路25を介して物質を流通させることができ、物質を混合させたり、液体内に気体の微小気泡を含有させることもできる。
【0070】
このとき、上記連通路は、例えば、内部にハニカム構造物が充填されていてもよい。具体的には、連通路内に複数の六角形形状物のような多角形形状物を敷き詰め、これら多角形形状物の隙間を物質が流通するよう、連通路を構成してもよい。なお、連通路内の多角形形状物は、例えば、包装体1を形成する2枚のシート体を多角形に熱圧着して形成してもよく、あるいは、多角形形状物を敷き詰めてもよい。
【0071】
ここで、上記では、包装体1の外形が長方形であり、2つの収容領域部11,12もそれぞれ長方形に形成された形状を例示したが、包装体1や収容領域部11,12の形状はいかなる形状であってもよい。例えば、外形が図9に示すようにハート型や、ひし形、楕円形状であってもよい。このとき、収容領域部11,12は、これら包装体1自体の外形をほぼ二分割した形状であってもよい。
【0072】
図9の例では、外形がハート型であり、各収容領域部11,12はハート型を中央で左右に二分割した形状に形成されており、それらの下端部分がそれぞれ延設されて排出通路35が形成されている。そして、排出通路35の先端付近を切断する切断箇所45aが設定されており、当該切断箇所45aの切り口となる切欠き45が形成されている。この切欠き45をそれぞれ図9(b)に示すように切断することで、排出通路35が開口した状態となる。
【0073】
本発明の包装体1は、第一収容領域部11及び第二収容領域部12は、必ずしも同一形状であることに限定されない。例えば、図10(a)に示すように、包装体1の外形が長方形であって、第一収容領域部11が四角形、第二収容領域部12が三角形、というように、各収容領域部11,12の形状が異なっていてもよい。そして、三角形の第二収容領域部12の先端部分が延設されて2本の排出通路36が形成されている。これに対応して、排出通路36の先端付近を切断する切断箇所46aが設定されており、当該切断箇所46aの切り口となる切欠き46が形成されている。この切欠き46を図10(b)に示すように切断することで、排出通路36が開口した状態となる。
【0074】
さらに、図10の例では、第一収容領域部11及び第二収容領域部12の形状が線対称となるような中心線Cで折り畳むことで、図10(c)のように、第一収容領域部11及び第二収容領域部12の半分が折り重なった状態となる。このため、第一収容領域部11及び第二収容領域部12を押圧しやすくなり、排出通路36から液体を排出させやすくなる。さらに、図10(c)のように折り畳むことにより、包装体1自体の強度が高まり、排出通路36の排出口から土などに差し込むことができる。これにより、植物の栄養剤を供給することにも利用することができる。
【0075】
また、上記では、2枚のシート体を貼り合わせて包装体1を構成する場合を例示したが、包装体1はいかなる構造であってもよい。例えば、上記各収容領域部を容器で構成し、上記連通路をチューブや貫通孔で構成してもよい。包装体1の他の構成例として、図11に示す構成の包装体1を説明する。この図に示す包装体1は、柔軟性があり内部空間を有する略円柱形状の2つ収容領域部11,12が、これら収容領域部11,12よりも外形が絞られて形成された中間領域14を介して連結している。そして、中間領域14は、中央部分14aで包装体1の外表面を形成する部材が貼り合わせられており、当該中央部分14aが塞がれた状態となっている。これによって、中央部分14aの周囲に位置する当該中央部分14aと外表面との間に形成される空間が、第一収容領域部11と第二収容領域部12との内部空間を連通させる連通路28となる。この連通路28は、上述同様に、極めて小さく形成されているため、液体が流通したときに、当該液体内の気体を微小気泡化させるよう構成されている。また、第一収容領域部11の先端は、外部に開口された排出通路が形成されており、開口端である排出口はキャップ30で塞がれている。なお、連通路28は、必ずしも上述した構成であることに限定されない。例えば、第一収容領域部11と第二収容領域部12とがある中間部材を介して連結されており、かかる中間部材に第一収容領域部11と第二収容領域部12とを連通する連通路が形成されていてもよい。
【0076】
上記構成の包装体1では、第一収容領域部11と第二収容領域部12とを交互に握るなどすることで、各収容領域部11,12内の気体を含有する液体が連通路28を流通することとなる。これにより、上述同様に、微小気泡を含有した液体を生成することができる。そして、キャップ30を外して排出通路の排出口を開口させることで、微小気泡を含有した液体を排出させることができる。例えば、液体が植物栽培用の液体肥料である場合には、図11に示す包装体1を排出口側から鉢やプランターの土に刺しておくことで、微小気泡を含有した液体肥料を植物に与えることができる。
【0077】
また、本発明の包装体1は、図12に示すように、各収容領域部11,12と、これらの間を連通させる連通路23と、をゴムなどの弾性部材で形成してもよい。そして、図12の例では、連通路23内がハニカム構造となっている。さらに、図12の例では、第二収容領域部12の内部に連通する排出通路37が形成されており、当該排出通路37の開口端となる排出口にキャップ37aが設けられている。かかる構成により、各収容領域部11,12を手や脚で交互に踏みつけるなど押圧することで、大量に微小気泡を含有した液体を生成することができる。このように大量に生成する液体は、例えば、農薬などとして利用することができる。
【0078】
なお、上記では2つの収容領域部11,12が直接連通している場合を例示したが、図13に示すように、第一収容領域部11と第二収容領域部12との間に中間収容領域部15を設けてもよい。そして、第一収容領域部11と中間収容領域部15とを連通させる1つ又は複数の第一連通路24と、第二収容領域部12と中間収容領域部15とを連通させる1つ又は複数の第二連通路25と、を備える。さらに、いずれかの収容領域部11,12,15に連通する排出通路を形成する。かかる構成では、両端の第一収容領域部11と第二収容領域部12だけを押圧することで、物質が中間収容領域部15を介して各連通路24,25を流通し、より効率よく微小気泡を生成することができる。そして、排出通路から微小気泡を含有する液体を排出することで、必要な量の液体を排出させることができる。
【0079】
以上、上記実施形態等を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【0080】
なお、本発明は、日本国にて2016年10月18日に特許出願された特願2016−204042の特許出願、及び、日本国にて2017年4月14日に特許出願された特願2017−080429の特許出願、に基づく優先権主張の利益を享受するものであり、当該特許出願に記載された内容は、全て本明細書に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0081】
1 包装体
11 第一収容領域部
12 第二収容領域部
14 中間領域
15 中間収容領域部
21〜25 連通路
21a 凸部
21b 多孔質体
30,37a キャップ
31〜37 排出通路
41〜46 切欠き
41a〜46a 切断箇所
【要約】      (修正有)
【課題】複数の物質の混合物を所望の混合状態を維持した状態で、適量を得ることができる包装体を提供する。
【解決手段】本発明である包装体1は、複数の物質を収容する第一収容領域部11及び第二収容領域部12と、物質が流通可能であり第一収容領域部11と第二収容領域部12とを相互に連通させる連通路21,22と、を備える。そして、第一収容領域部11及び第二収容領域部12は、外部からの圧力に応じて縮小/拡大するよう構成されており、当該第一収容領域部11及び第二収容領域部12の縮小/拡大に応じて物質が連通路21,22を流通するよう構成されている。さらに、また、連通路は、物質が流通したときに、液体内で気体を微小気泡化させるよう構成されている。さらに、第一収容領域部と第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間に連通し、当該内部空間から物質を排出する排出口を有する排出通路を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図10
図11
図12
図13