特許第6352642号(P6352642)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6352642
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】血管内異物除去用カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/3207 20060101AFI20180625BHJP
   A61B 17/22 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   A61B17/3207
   A61B17/22
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-18855(P2014-18855)
(22)【出願日】2014年2月3日
(65)【公開番号】特開2015-107301(P2015-107301A)
(43)【公開日】2015年6月11日
【審査請求日】2017年1月20日
(31)【優先権主張番号】61/911,022
(32)【優先日】2013年12月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000200035
【氏名又は名称】川澄化学工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】514030023
【氏名又は名称】山之内 大
(74)【代理人】
【識別番号】100090343
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 百合子
(74)【代理人】
【識別番号】100129160
【弁理士】
【氏名又は名称】古館 久丹子
(74)【代理人】
【識別番号】100177460
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 智子
(72)【発明者】
【氏名】山之内 大
【審査官】 中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0197277(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0239064(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0229645(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/3207
A61B 17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルーメンを有するチューブと、
該チューブの遠位端に設けられ、前記チューブの管軸に近付くように収縮した収縮状態と、前記管軸から離れるように拡張して捕捉チャンバを形成する拡張状態とをとり得る捕捉部と、を備える血管内異物除去用カテーテルであって、
前記ルーメンに配置され、前記チューブに対し相対回転可能な動力伝達部材と、
該動力伝達部材の遠位端に設けられ、前記捕捉部に流入した異物を切断する切断部と、をさらに備え、
前記捕捉チャンバは、該捕捉チャンバの遠位端開口部から該捕捉チャンバの近位端開口部に向かって開口面積が小さくなり、且つ、前記管軸に直交する断面において前記管軸に向けて凸となると共に前記管軸に近付くにつれて周方向の幅が狭くなる複数の突部が該捕捉チャンバの内周面に設けられることにより、前記内周面が周方向において凹凸をなす形状を有するように構成され、
前記切断部は、前記捕捉部の前記拡張状態において、前記捕捉チャンバの前記遠位端開口部よりも前記捕捉チャンバの前記近位端開口部側に配置され、前記内周面との間において前記異物をすり潰すことが可能である、
血管内異物除去用カテーテル。
【請求項2】
前記複数の突部は、前記遠位端開口部と前記近位端開口部との間において延びる稜線を前記内周面に構成する、請求項1に記載の血管内異物除去用カテーテル。
【請求項3】
前記切断部は、収縮した前記捕捉部内に収容されているときには収縮状態となり、前記捕捉部が拡張して前記捕捉チャンバを形成すると、前記内周面に向けて広がる拡張状態をとり得る、請求項1又は2に記載の血管内異物除去用カテーテル。
【請求項4】
前記切断部は、折り畳み可能なプロペラ状部材である、請求項3に記載の血管内異物除去用カテーテル。
【請求項5】
前記切断部は、拡張可能なメッシュ状部材である、請求項3に記載の血管内異物除去用カテーテル。
【請求項6】
前記動力伝達部材は、ルーメンを有する他のチューブであ
前記他のチューブのルーメンには、ガイドワイヤが挿通可能である請求項1〜5のいずれか1項に記載の血管内異物除去用カテーテル。
【請求項7】
前記動力伝達部材は、ルーメンを有する他のチューブであ
前記他のチューブのルーメンには、前記異物を前記捕捉チャンバに誘導する誘導部が挿通可能である請求項1〜6のいずれか1項に記載の血管内異物除去用カテーテル。
【請求項8】
前記動力伝達部材は、前記チューブに対し遠位端側にのみ相対移動可能である請求項1〜7のいずれか1項に記載の血管内異物除去用カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管内異物除去用カテーテルに関し、より詳細には、血管を塞栓及び血管壁に付着した血栓などの異物を捕獲・破砕し、カテーテルを介して効果的に体外に吸引除去することができる血管内異物除去用カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
アテローマプラークや血栓などによって狭窄又は閉塞を起こした血管を再灌流するため、血管内より閉塞物を取り除く必要がある。従来、環状ワイヤや網などの異物除去フィルタをカテーテルチューブ内に格納したバルーンカテーテルや、金属線をコイル状または3次元方向に膨らませ、この金属線によって血栓を絡め取るか、掻き取るようにして除去する各種装置が提案されている。このような異物除去フィルタを備えたカテーテルでも、血管壁から剥離したアテローマプラークや血栓の破片などの全てを捕捉することは難しく、また、血栓が大きい場合などはカテーテル内で詰まったり、カテーテル内に入らなかったりするなどの問題がある。このように回収できずに遊離した血栓が末梢血管に入ると、末梢血管閉塞を起こすなどの危険がある。そのため、バルーンなどで除去した血栓を確実且つ効率的に回収することができる装置の開発が熱望されていた。
【0003】
従来、血管に存在する血栓を吸引除去して、血栓による狭窄を治療する吸引用カテーテルとしては、外側チューブと内側チューブとを備え、内側チューブの近位側端部に吸引器を接続すると共に、遠位側端部に収縮状態と拡張状態とに変形可能に形成された弾性変形部を配置し、吸引口をテーパー状に拡張させた拡張状態の弾性変形部から、血栓などの異物を吸引器により吸引除去するようにした吸引用カテーテルが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、吸引装置を備えるカテーテルの遠位側端部に、カテーテル内で回転可能に支承されたプロペラを配置して、吸引装置により血栓がカテーテル先端部に吸引されたとき、プロペラで血栓を粉砕して吸引除去するようにした装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−66178号公報
【特許文献2】実開平2−61315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている吸引用カテーテルでは、内側チューブの開口部より大きい血栓は、良好に吸引除去することができないという問題があった。また、特許文献2のカテーテルは、吸い込んだ血栓をプロペラで粉砕するようにしているが、カテーテルの管軸に沿って見たときに、プロペラの端部の位置が、カテーテルの遠位側端部の位置と一致しているので、カテーテルの開口部より吸い込むことができない大きい血栓は、プロペラにより切断することができない。仮に、血栓の一部をカテーテル先端部に吸い込めたとしても、吸い込めた部分から順次切断処理するので、血栓全体の切断には多くの時間がかかる虞がある。
【0006】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、血栓などの生体内の異物を小塊化して、効果的に吸引除去することができる血管内異物除去用カテーテルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) ルーメンを有するチューブと、
該チューブの遠位端に設けられ、収縮した収縮状態と、拡張して捕捉チャンバを形成する拡張状態とをとり得る捕捉部と、を備える血管内異物除去用カテーテルであって、
前記ルーメンに配置され、前記チューブに対し相対回転可能な動力伝達部材と、
該動力伝達部材の遠位端に設けられ、前記捕捉部に流入した異物を切断する切断部と、をさらに備え、
前記捕捉チャンバは、該捕捉チャンバの遠位端開口部から該捕捉チャンバの近位端開口部に向かって開口面積が小さくなっており、
前記切断部は、前記捕捉部の前記拡張状態において、前記捕捉チャンバの前記遠位端開口部よりも前記捕捉チャンバの前記近位端開口部側に配置されることを特徴とする血管内異物除去用カテーテル。
(2) 前記動力伝達部材は、ルーメンを有する他のチューブであって、
該他のチューブのルーメンには、ガイドワイヤが挿通可能であることを特徴とする(1)に記載の血管内異物除去用カテーテル。
(3) 前記動力伝達部材は、ルーメンを有する他のチューブであって、
該他のチューブのルーメンには、異物を前記捕捉チャンバに誘導する誘導部が挿通可能であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の血管内異物除去用カテーテル。
(4) 前記誘導部と前記切断部との距離を目視可能なX線不透過マーカーが設けられていることを特徴とする(3)に記載の血管内異物除去用カテーテル。
(5) 前記切断部は、折り畳み可能なプロペラ状部材であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の血管内異物除去用カテーテル。
(6) 前記捕捉チャンバの内面には、周方向において凹凸が形成されていることを特徴とする(5)に記載の血管内異物除去用カテーテル。
(7) 前記切断部は、拡張可能なメッシュ状部材であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の血管内異物除去用カテーテル。
(8) 前記動力伝達部材は、前記チューブに対し遠位端側にのみ相対移動可能であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の血管内異物除去用カテーテル。
【発明の効果】
【0008】
本発明の(1)に記載の血管内異物除去用カテーテルによれば、捕捉チャンバは、捕捉チャンバの遠位端開口部から捕捉チャンバの近位端開口部に向かって開口面積が小さくなっており、切断部は、捕捉部の拡張状態において、捕捉チャンバの遠位端開口部よりも捕捉チャンバの近位端開口部側に配置されるので、血栓などの異物は、捕捉チャンバにおいて、開口面積が大きい遠位端開口部から、開口面積が小さい近位端開口部に向かって誘導されて、近位端開口部側に効果的に凝集させることができる。そして、捕捉チャンバの近位端開口部側に凝集した異物を切断部で切断することで、効果的に異物を小塊化することができる。これにより、従来、カテーテル内に吸引できなかった大きな異物も小塊化して効果的に吸引除去することができる。さらに、切断部が捕捉チャンバの遠位端開口部よりも捕捉チャンバの近位端開口部側に配置されているので、切断時に切断部が血管内に露出することがなく、安全性を確保することができる。
【0009】
本発明の(2)に記載の血管内異物除去用カテーテルによれば、動力伝達部材は、ガイドワイヤが挿通可能なルーメンを有する他のチューブであるので、ガイドワイヤに案内させてカテーテルを異物発生部位まで確実に誘導することができる。
【0010】
本発明の(3)に記載の血管内異物除去用カテーテルによれば、動力伝達部材は、異物を捕捉チャンバに誘導する誘導部が挿通可能なルーメンを有する他のチューブであるので、誘導部によって、異物を効果的に捕捉チャンバに誘導して凝集させることができる。
【0011】
本発明の(4)に記載の血管内異物除去用カテーテルによれば、誘導部と切断部との距離を目視可能なX線不透過マーカーが設けられているので、切断部とバルーンとの接触を防止して、切断部による誘導部の破損を回避することができる。
【0012】
本発明の(5)に記載の血管内異物除去用カテーテルによれば、切断部は、折り畳み可能なプロペラ状部材であるので、異物をプロペラ状部材によって確実に切断して小塊化し、大きな異物でも吸引除去することができる。
【0013】
本発明の(6)に記載の血管内異物除去用カテーテルによれば、捕捉チャンバの内面は、周方向において凹凸が形成されているので、捕捉チャンバの内面に形成された凹凸とプロペラ状部材によって異物をすり潰すように破砕することができ、異物を効率的に小塊化することができる。
【0014】
本発明の(7)に記載の血管内異物除去用カテーテルによれば、切断部は、拡張可能なメッシュ状部材であるので、異物をメッシュ状部材によって確実に切断して小塊化し、大きな異物でも吸引除去することができる。
【0015】
本発明の(8)に記載の血管内異物除去用カテーテルによれば、動力伝達部材は、チューブに対し遠位端側にのみ相対移動可能であるので、異物の切断後に動力伝達部材をチューブに対し遠位側に移動させることで、捕捉チャンバの近位端開口部から小塊化した異物を効率よく吸引することができる。また、血管内への挿入時には動力伝達部材はチューブに対し近位端側への相対移動が規制されるので、チューブを挿入する際に動力伝達部材の位置が規制され容易に挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る血管内異物除去用カテーテルの第1実施形態の構成を示す説明図である。
図2図1に示す血管内異物除去用カテーテルの収縮状態の捕捉部及び捕捉部に収容された収縮状態の切断部の拡大斜視図である。
図3図2の上面図である。
図4】拡張状態の捕捉部及び切断部の拡大上面図である。
図5】(a)は収縮状態の第2実施形態の切断部の斜視図、(b)は拡張状態の切断部の斜視図である。
図6】拡張状態の第2実施形態の捕捉部及び切断部の拡大上面図である。
図7】(a)は収縮状態の第3実施形態の切断部の斜視図、(b)は拡張状態の切断部の斜視図である。
図8】拡張状態の第3実施形態の捕捉部及び切断部の拡大上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る血管内異物除去用カテーテルの各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態である血管内異物除去用カテーテルの構成図である。図1に示すように、血管内異物除去用カテーテル10は、シース11と、捕捉部12と、切断部13と、を備える。
【0018】
シース11は、第1ルーメン22を有する第1チューブ21と、第2ルーメン24を有する第2チューブ23とを備えており、第2チューブ23が、第1チューブ21の第1ルーメン22に挿通されて、第1ルーメン22内で第1チューブ21の軸線方向に移動自在とされたダブルルーメン構造となっている。
【0019】
第1及び第2チューブ21,23は、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリイミド、ポリイミドエラストマー、或いはこれらの共重合体や、シリコンゴム、天然ゴムなどの弾性変形可能な材料で成形されており、長手方向に渡ってほぼ均等な外径を有する。また、第1及び第2ルーメン22,24も、その内径は長手方向に渡ってほぼ均等に形成されている。
【0020】
第2チューブ23の近位端側には、操作部30が設けられている。操作部30には、第1ポート25及び第2ポート26が設けられている。第1ポート25は、第2ルーメン24に連通してシース11(第2チューブ23)の軸線上に設けられており、開口部がシリコンゴムなどで形成された不図示の弁体により液密に閉鎖されている。第1ポート25には、後述する第3チューブ41が、弁体を貫通して第2ルーメン24に挿通される。
【0021】
第2ポート26は、第2ルーメン24に連通して、第2チューブ23からシース11の軸線に対して交差する方向へ延出して形成されている。第2ポート26には、シリンジなどの他のデバイス(図示せず)が接続されて第2ルーメン24へ吸引力を付与することで、血管1内に形成された血栓等の異物2を、第2ポート26を介して体外へ吸引除去する。
【0022】
図2から図4も参照して、捕捉部12は、第2チューブ23の遠位端に設けられており、第1ルーメン22に収容された収縮状態(図2図3参照)と、自己の復元力により略傘状に展開して捕捉チャンバ12Aを形成する拡張状態(図1図4参照)と、に変形可能となっている。
【0023】
捕捉部12は、拡張状態を形状記憶させた形状記憶合金(例えば、Ni−Ti合金)からなる略三角柱状の複数本(図に示す実施形態では16本)の骨部31と、隣接する骨部31同士を連結する膜状に形成され、骨部31の拡張に伴って傘状に展開可能な複数(図に示す実施形態では16枚)のシート部32とを備える。
【0024】
骨部31は、周方向に略等間隔で配置されており、骨部31の近位端側31aが第2チューブ23の先端外周に固定されると共に骨部31の遠位端側31bが開放されて、軸方向に延設する。各骨部31は、第1ルーメン22に収容された収縮状態では、各骨部31の外周面が第1チューブ21の内周面(第1ルーメン22)に当接して拘束されることで、形状記憶合金の拡張しようとする復元力に抗して押し縮められている。即ち、収縮状態における捕捉部12は、複数本の骨部31の遠位端側31bが円周上に整列して略円筒を形成する。収縮状態の骨部31は、第2チューブ23の軸方向に沿う3本の稜線の内の1つの稜線31cが円筒の内面側に突出するように配置されている。これにより、捕捉部12の内面には、周方向において凹凸が形成される。また、第1ルーメン22による拘束が開放された自然状態の骨部31は、自身の持つ復元力により展開して拡張状態となる。
【0025】
シート部32は、折畳み可能な柔軟性を有し、第2チューブ23の軸方向に延びるとともに隣接する骨部31の側面に固定される。また、シート部32の近位端側が第2チューブ23の先端外周に固定されている。折り畳まれたシート部32は、骨部31が拡張状態となったとき傘状に展開して、隣接する骨部31間を膜状に覆う。
【0026】
このように、捕捉部12は、第1ルーメン22に収容された収縮状態(図2図3参照)では、形状記憶合金の持つ復元力に抗して複数の骨部31の遠位端側31bが円周状に寄せ集められると共に、シート部32が折り畳まれて略円筒状となっている。そして、第1ルーメン22内に収縮状態で収容されていた捕捉部12が、第1ルーメン22の遠位端の開口部22aから押し出されると、第1ルーメン22による拘束が開放されて、複数の骨部31は、自身の復元力により遠位端側31bが互いに離間して略傘状に展開して捕捉チャンバ12Aを形成する(図4参照)。
【0027】
なお、骨部31は、拡張状態を形状記憶させた形状記憶合金である必要はなく、シート部32をバルーンとしてもよい。この場合、バルーンに流体が導入されていない状態では、バルーンは折り畳まれているとともに骨部31も縮められて捕捉部12は収縮状態を呈し、バルーンに流体が導入された状態では、バルーンが膨らむことで骨部31もバルーンの拡張に伴って展開して捕捉部12は捕捉チャンバ12Aを形成する。
【0028】
図1に示すように、捕捉チャンバ12Aは、捕捉チャンバ12Aの遠位端開口部33から捕捉チャンバ12Aの近位端開口部34に向かって次第に開口面積が小さくなっている。なお、図に示す捕捉チャンバ12Aの形状は、骨部31の形状が直線であり、テーパー状に形成されているが、これに限定されず、骨部31の軸方向中間部が、血管1の内壁に向かって凸、または凹状に形成されたものであってもよく、この場合、捕捉チャンバ12Aの形状は、椀状、またはラッパ状となる。
【0029】
切断部13は、捕捉チャンバ12Aに流入した異物2を、切断、破砕、或いはすり潰して小塊化するためのものであり、図1から図4に示すように、第3チューブ41の遠位端に設けられて、捕捉チャンバ12A内の遠位端開口部33よりも近位端開口部34側に配置されている。なおここで言う小塊化とは、血栓などの異物2を切断、粉砕、或いはすり潰して、第2ルーメン24を介して詰まることなく吸引除去可能な大きさにすることである。
【0030】
第3チューブ41は、第3ルーメン42を有し、第1ポート25の弁体(図示せず)を貫通して第2ルーメン24に挿通され、第2チューブ23に対して相対回転可能、且つ所定の距離だけ遠位端側にのみ軸方向移動可能に配設されている。第3チューブ41の近位端側には、切断部13を操作するためのスピニングロッド43が設けられており(図1参照)、スピニングロッド43を回転、または軸方向に押し引きすることで、切断部13が第2チューブ23に対して相対回転、または直線移動する。即ち、第3チューブ41は、切断部13を回転及び移動させる動力伝達部材としての機能を有する。
【0031】
本実施形態の切断部13は、近位端側の一端44aが第3チューブ41の遠位端に固定されると共に遠位端側の他端44bが開放されて、周方向に略等間隔にプロペラ状に配置されて軸方向に延設する複数(図に示す実施形態では8枚)のブレード44を備える。
【0032】
各ブレード44は、外側、換言すれば、捕捉チャンバ12Aの内周面に向かって凸となる円弧状の断面形状を有し、拡張状態を形状記憶させた形状記憶合金(例えば、Ni−Ti合金)により形成されている。ブレード44は、自然状態では形状記憶合金の持つ復元力によりブレード44の遠位端側の他端44bが互いに離間する方向、即ち、各ブレード44が径方向に広がるように付勢されている。そして、捕捉部12内に収容されると、各ブレード44の外周面が骨部31に当接して拘束され、形状記憶合金の持つ復元力に抗して遠位端側の他端44bが円周上に整列する収縮状態(図2及び図3参照)となる。
【0033】
即ち、ブレード44は、収縮した捕捉部12内に収容されているときには収縮状態であり、複数のブレード44が、円筒状に整列している(図2参照)。また、捕捉部12が拡張して捕捉チャンバ12Aを形成すると、ブレード44も骨部31による拘束が開放されて形状記憶合金の持つ復元力により広がって展開状態となる(図4参照)。
【0034】
図1に示すように、第3チューブ41の第3ルーメン42には、先端部に誘導部であるバルーン52が配設されたガイドワイヤ50が挿通される。バルーン52は、異物2を捕捉チャンバ12Aに誘導する機能を有し、ガイドワイヤ50のルーメン51から供給される液体(造影剤など)により膨縮可能である。なお、ガイドワイヤ50にバルーン52が配設されたものである必要はなく、ガイドワイヤ50とは異なる、バルーン付きカテーテルを用いてもよい。
【0035】
バルーン52は、ポリアミドエラストマーなどの一般的な材料により形成されている。バルーン52は、バルーン52をブレード44などから保護する保護部材である線材53により外表面が覆われている。線材53は、X線透視下で生体内における位置を体外より確認できるように、X線造影性を有するNi―Ti合金などで形成されており、X線不透過マーカーとしての機能を有することが好ましい。ただし、線材53は、必ずしも金属製である必要はなく、樹脂製であってもよい。
【0036】
また、ブレード44もX線造影性を有するNi―Ti合金などの合金で形成してX線不透過マーカーとすることが望ましい。これにより、バルーン52とブレード44の位置を体外から確認することができ、後述するバルーン52で血栓などの異物2を捕捉チャンバ12A内に凝縮しながらブレード44で小塊化する際に、バルーン52とブレード44との干渉を防止することができる。
【0037】
なお、X線不透過マーカーは、線材53やブレード44に限定されず、X線造影性を有する材料で形成したリング(図示せず)などを適宜の位置に配置するようにしてもよい。
【0038】
なお、Ni―Ti合金は、いずれもX線造影性を有するAu―Cd合金、Cu―Al−Ni合金、Ni―Ti―Co合金又はNi―Ti―Cu合金などといった超弾性合金とすることもできる。
【0039】
また、ガイドワイヤ50の先端部に配設する誘導部は、バルーン52に限定されるものではなく、例えば、コイル状に形成された線材からなる血栓捕獲器(特開2010−188068号公報参照)などを用いてもよい。
【0040】
次に、血管内異物除去用カテーテル10の使用方法について説明する。
先ず、図1に示すように、血管1内にガイドワイヤ50を挿通し、ガイドワイヤ50の先端部に配設された収縮状態のバルーン52を、血栓などの異物2が存在する治療対象箇所を越える位置まで挿入する。
【0041】
続いて、収縮状態の捕捉部12が第1ルーメン22内に収容され、且つ収縮状態の切断部13が捕捉部12内に収容された状態の第1、第2、及び第3チューブ21,23,41を、ガイドワイヤ50に沿って血管1内に挿入し、第1、第2、及び第3チューブ21,23,41の遠位端、即ち、いずれも第1ルーメン22内に収容されて収縮状態にある捕捉部12及び切断部13を異物2の手前に位置させる。
【0042】
第2チューブ23の操作部30、及び第3チューブ41のスピニングロッド43を操作して捕捉部12及び切断部13を第1チューブ21の遠位端から押し出すと、図1及び図4に示すように、捕捉部12が、形状記憶合金からなる骨部31の復元力により略傘状に展開して捕捉チャンバ12Aを形成すると共に、切断部13が、形状記憶合金からなるブレード44の復元力により広がって展開状態となる。
【0043】
次いで、ガイドワイヤ50のルーメン51から流体を供給してバルーン52を膨張させた後、ガイドワイヤ50を引き込んで、血栓などの異物2をバルーン52で捕捉チャンバ12A内に誘導する。捕捉チャンバ12Aは、捕捉チャンバ12Aの遠位端開口部33から捕捉チャンバ12Aの近位端開口部34に向かって次第に開口面積が小さくなっているので、異物2は、効率的に捕捉チャンバ12Aの近位端開口部34側、即ち、ブレード44の近傍に凝縮する。
【0044】
ここで、スピニングロッド43を回転させると、異物2は、回転するブレード44により切断されると共に、捕捉チャンバ12Aの骨部31とブレード44との間ですり潰されて小塊化する。捕捉チャンバ12Aの内面には、三角柱状の骨部31の稜線31cにより凹凸が形成されているので、凹凸により異物2に抵抗が付与され、異物2がブレード44と共に回転することなく確実に小塊化される。なお、スピニングロッド43の回転は、手動で回転させてもよいが、モータなどの動力で回転させてもよい。
【0045】
ブレード44で異物2を小塊化した後、第2ポート26に接続したシリンジなどの他のデバイスを作動させて第2ルーメン24内を陰圧として、小塊化された異物2を第2ポート26から体外へ吸引除去する。このとき、スピニングロッド43を操作してブレード44を遠位端方向に移動させて第2ルーメン24の遠位端側開口部とブレード44との隙間を拡げることで、比較的大きな異物2も効率良く吸引除去することができる。
【0046】
また、他の方法として、ブレード44を第2チューブ23の根元(第1ポート25付近)まで移動させて、異物を第2ポート26から吸引除去してもよい。この場合、第3チューブ41は、第2チューブ23に対して近位端側にも軸方向移動可能に配設されている必要がある。
【0047】
異物2の吸引除去が終了した後、拡張状態の捕捉部12(捕捉チャンバ12A)及び切断部13を、それぞれの復元力に抗して第1チューブ21の第1ルーメン22内に引き込んで収縮状態とし、第1、第2、及び第3チューブ21,23,41を血管1から抜き取り、更に、バルーン52を収縮させてガイドワイヤ50をバルーン52と共に血管1から抜き取る。
【0048】
なお、上記の説明では、バルーン52により血栓などの異物2を捕捉チャンバ12A内に誘導するようにしたが、バルーン52を用いずに、第2ポート26からの吸引だけで異物2を捕捉チャンバ12Aに誘導することもできる。この場合、バルーン52は不要であり、また、ガイドワイヤ50も省略することができる。
【0049】
以上説明したように、本実施形態の血管内異物除去用カテーテル10によれば、第2チューブ23の遠位端には、捕捉部12が設けられており、捕捉部12は、収縮状態と、遠位端開口部33から近位端開口部34に向かって開口面積が小さくなる捕捉チャンバ12Aを形成する拡張状態と、に変形可能である。第2ルーメン24には、第2チューブ23に対して相対回転可能な第3チューブ41と、第3チューブ41の遠位端に設けられ、捕捉チャンバ12Aの近位端開口部34側に配置されて捕捉チャンバ12Aに捕捉された異物2を切断する切断部13と、が配置されているので、血栓などの異物2は、開口面積が大きい遠位端開口部33から、開口面積が小さい近位端開口部34に向かって誘導されて、近位端開口部34に効果的に凝集させることができる。そして、捕捉チャンバ12Aの近位端開口部34に凝集した異物2を切断部13で切断、或いはすり潰すことで、効果的に異物2を小塊化することができる。これにより、従来、カテーテル内に吸引できなかった大きな異物2も効果的に吸引除去することができる。さらに、切断部13が捕捉チャンバ12Aの遠位端開口部33よりも捕捉チャンバ12Aの近位端開口部34側に配置されているので、切断時に切断部13が血管1内に露出することがなく、安全性を確保することができる。
【0050】
また、動力伝達部材は、ガイドワイヤ50が挿通可能な第3ルーメン42を有する第3チューブ41であるので、ガイドワイヤ50に案内させて血管内異物除去用カテーテル10を異物発生部位まで確実に誘導することができる。
【0051】
また、第3チューブ41には、異物2を捕捉チャンバ12Aに誘導するバルーン52が挿通可能であるので、バルーン52によって、異物2を効果的に捕捉チャンバ12Aに誘導して凝集することができる。なお、このバルーン52は、上記したように、ガイドワイヤ50に配設されたものでもよいし、ガイドワイヤ50に代えてバルーンを有しない他のガイドワイヤを用いたうえで、通常のバルーン付きカテーテルを用いてもよい。
【0052】
また、バルーン52と切断部13との距離を目視可能なX線不透過マーカーとして、線材53及びブレード44がX線造影性を有する材料で形成されることで、バルーン52及びブレード44の位置を体外から確認しながら操作することができ、切断部13とバルーン52との接触を防止して、切断部13によるバルーン52の破損を回避することができる。
【0053】
また、切断部13は、折り畳み可能な複数のブレード44であるので、異物2をブレード44によって切断して小塊化し、大きな異物2でも確実に吸引除去することができる。
【0054】
また、捕捉チャンバ12Aの内面には、三角柱状の骨部31によって周方向において凹凸が形成されているので、捕捉チャンバ12Aの内面に形成された凹凸とブレード44によって異物2をすり潰すように破砕することができ、異物2を効率的に小塊化することができる。
【0055】
また、第3チューブ41は、第2チューブ23に対し遠位端側にのみ相対移動可能とすることで、異物2を小塊化した後に第3チューブ41を第2チューブ23に対し遠位側に移動させることで、捕捉チャンバ12Aの近位端開口部34から小塊化した異物2を効率よく吸引することができる。また、血管1内への挿入時には第3チューブ41は第2チューブ23に対し近位端側への相対移動が規制されるので、第2チューブ23を血管1内に挿入する際に第3チューブ41の位置が規制され容易に挿入することができる。なお、第3チューブ41は、第2チューブ23に対し遠位端側及び近位端側に相対移動可能としてもよい。
【0056】
(第2実施形態)
次に、血管内異物除去用カテーテルの第2実施形態を図5及び図6を参照して説明する。なお、以後の各実施形態の血管内異物除去用カテーテルは、切断部のみが第1実施形態の血管内異物除去用カテーテルと異なり、その他の部分については、本発明の第1実施形態の血管内異物除去用カテーテルと同様であるので、切断部のみを図示して説明する。
【0057】
図5(a)は収縮状態の第2実施形態の切断部の斜視図、図5(b)は拡張状態の切断部の斜視図、図6は拡張状態の第2実施形態の捕捉部及び切断部の拡大上面図である。
【0058】
図5及び図6に示すように、第2実施形態の血管内異物除去用カテーテル10の切断部13は、第3チューブ41の遠位端に固定された円筒状基部61と、円筒状基部61の外周面に周方向に等間隔で設けられた複数(図に示す実施形態では4枚)のプロペラ62を備える。
【0059】
プロペラ62は、円筒状基部61から径方向外方に延設された拡張状態を形状記憶させた形状記憶合金で形成されており、図5(a)に示すように、捕捉部12に拘束されて収容され、円筒状基部61の外周面に沿って折り畳まれた収縮状態と、図5(b)に示すように、形状記憶合金の持つ復元力により、径方向に展開した拡張状態と、に変形可能である。なお、プロペラ62は、X線造影性を有する弾性材料で形成して、X線不透過マーカーの機能を付与することが望ましい。
【0060】
図6に示すように、第1ルーメン22の遠位端の開口部22aから押し出された捕捉部12が拡張して捕捉チャンバ12Aを形成すると、収縮状態で捕捉部12に収容されていたプロペラ62は、形状記憶合金の持つ復元力により広がり、拡張状態となる。
【0061】
そして、スピニングロッド43を操作してプロペラ62を回転させることで、捕捉チャンバ12Aに凝集された血栓などの異物2が切断されて小塊化し、第2ポート26から体外へ吸引除去される。
【0062】
以上説明したように、本実施形態の血管内異物除去用カテーテル10によれば、切断部13は、折り畳み可能なプロペラ62であるので、異物2をプロペラ62によって確実に切断して小塊化し、大きな異物2でも確実に吸引除去することができる。
【0063】
(第3実施形態)
次に、本発明の血管内異物除去用カテーテルの第3実施形態を図7及び図8を参照して説明する。
図7及び図8に示すように、本実施形態の切断部13は、メッシュ状部材65によって形成されている。メッシュ状部材65は、第3チューブ41の遠位端に固定されて、軸方向に延設される複数本の線材66と、複数本の線材66に所定の間隔で結合されたリング状線材67と、から構成されている。なお、リング状線材67の長さは、線材66の端部側に配置されるリング状線材67が最も短く、線材66の軸方向中間部に向かうに従って次第に長くなるように設定されている。
【0064】
線材66は、自然状態では略楕円型となるように形状記憶された形状記憶合金で形成されており、図7(a)に示すように、線材66が直線状態となってメッシュ状円筒を形成する収縮状態と、図7(b)に示すように、形状記憶された線材66の復元力により、軸方向中間部が径方向外方に膨らんだ拡張状態と、に変形可能である。なお、メッシュ状部材65は、X線造影性を有する弾性材料で形成して、X線不透過マーカーの機能を付与することが望ましい。
【0065】
捕捉部12が第1ルーメン22の遠位端の開口部22aから押し出されると、第1ルーメン22による拘束が開放されて、メッシュ状部材65を構成する複数本の線材66は、自身の復元力により中間部が径方向外方に膨らんで略楕円型に変形し、捕捉チャンバ12Aを形成する。
【0066】
そして、スピニングロッド43を操作してメッシュ状部材65を回転させることで、捕捉チャンバ12Aに凝集された血栓などの異物2はメッシュ状部材65により切断されて小塊化し、第2ポート26から体外へ吸引除去される。
【0067】
以上説明したように、本実施形態の血管内異物除去用カテーテル10によれば、切断部13は、拡張可能なメッシュ状部材65であるので、メッシュ状部材65によって異物2を確実に切断して小塊化し、大きな異物2でも確実に吸引除去することができる。
【0068】
尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、振動発生部材が捕捉部12や切断部13、バルーン52等に配設されており、使用者の操作によって、振動発生部材が振動を発生するように構成されていてもよい。この場合、振動発生部材の振動によって、捕捉チャンバ12Aに流入した異物に振動を与え、異物をより細かくし流れやすくすることができる。
【0069】
また、シース11は、必ずしも、第1ルーメン22を有する第1チューブ21と、第2ルーメン24を有する第2チューブ23とを備える必要はなく、第2ルーメン24を有する第2チューブ23のみにより構成され、第1ルーメン22を有する第1チューブ21に相当する部材が、別途、手術時に用意されていればよく、他の処置に使用されるガイディングカテーテルと兼用することもできる。これによれば、例えば、異物を除去した後に、ステント等を留置する際に、ガイディングカテーテルを残したまま作業することができる。
【0070】
より具体的に説明すると、シース11の第1チューブ21の代わりにガイディングカテーテルを用いる場合、シース11の抜き取りの際、ガイディングカテーテルはそのままにして第2、及び第3チューブ23,41を抜き取る。その状態で、ステント等を留置するための留置用カテーテルを血管内に挿入し、ガイディングカテーテル内部を通過して留置位置まで到達させた後、ステント等を留置することとなる。
【符号の説明】
【0071】
2 異物
10 血管内異物除去用カテーテル
11 シース
12 捕捉部
12A 捕捉チャンバ
13 切断部
21 第1チューブ
22 第1ルーメン
22a 開口部
23 第2チューブ(チューブ)
24 第2ルーメン
33 遠位端開口部
34 近位端開口部
41 第3チューブ(動力伝達部材)
42 第3ルーメン
44 ブレード(切断部、プロペラ状部材)
50 ガイドワイヤ
52 バルーン(誘導部)
53 線材(保護部材)
62 プロペラ(切断部、プロペラ状部材)
65 メッシュ状部材(切断部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8