(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
他の制御装置が有線ネットワークに追加又は有線ネットワークから削除される場合に、前記取得手段は、前記チャネル及び通信タイミングに関する情報を有線ネットワークに接続される他の制御装置から再取得し、前記作成手段は、前記他の制御装置で行われる無線通信が混信しないチャネル及び通信タイミングの設定を再作成し、前記通知手段は、再作成されたチャネル及び通信タイミングの設定を前記スレーブとして設定された制御装置に再通知することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
前記有線ネットワークを介して接続されている情報処理装置から情報を要求された場合に、前記制御装置と無線通信を行う対向制御装置から当該対向制御装置が所有する所有情報を取得する第2取得手段と、
前記情報処理装置に当該取得した所有情報を送信する送信手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御装置。
前記スレーブの宛先、前記スレーブが管理している対向制御装置の情報、及び前記スレーブが管理している対向制御装置が属しているグループの情報を関連付けて保持する保持手段を備え、
前記第2取得手段は、前記情報処理装置が指示するグループに属している対向制御装置の所有情報を要求された場合に、前記グループに属している対向制御装置を管理しているスレーブから前記グループに属している対向制御装置の所有情報を取得し、
前記送信手段は、前記情報処理装置に当該取得した所有情報を送信することを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
前記スレーブが有線ネットワークに追加又は有線ネットワークから削除される場合に、前記取得手段は、前記チャネル及び通信タイミングに関する情報を有線ネットワークに接続されるスレーブから再取得し、前記作成手段は、前記複数の制御装置で行われる無線通信が混信しないチャネル及び通信タイミングの設定を再作成し、前記通知手段は、再作成されたチャネル及び通信タイミングの設定を前記スレーブとして設定された制御装置に再通知することを特徴とする請求項6又は7に記載の通信システム。
前記情報処理装置が、前記無線通信で使用するチャネル及び通信タイミングの再設定又は前記グループに属している対向制御装置の電力情報を前記スレーブに要求する場合、前記スレーブの第2送信手段は、前記マスタの宛先を利用して、前記無線通信で使用するチャネル及び通信タイミングの再設定又は前記グループに属している対向制御装置の電力情報を前記マスタへ要求するリダイレクト命令を前記情報処理装置に返信することを特徴とする請求項10に記載の通信システム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0016】
図2は、本実施の形態にかかる通信システムの構成図である。
図2に示すように、通信システム11は、クライアント端末12、制御装置14A〜14Eを備え、クライアント端末12は有線ネットワーク13(例えばLAN)を介して制御装置14A〜14Eに接続されている。また、制御装置14A〜14Eは、それぞれ電源制御装置16A〜16Eと無線通信する無線親機としての機能を有する。制御装置14A〜14Eは、無線通信を介して電源制御装置16A〜16Eにそれぞれ接続されている。制御装置14A〜14Eは、対向制御装置としての電源制御装置16A〜16Eからそれぞれ電力情報を取得する。電力情報は、電源制御装置16A〜16Eが所有する所有情報の一例である。電源制御装置16A〜16Eはそれぞれ負荷17A〜17Eに接続されている。負荷17A〜17Eは電化製品であり、例えば、コンピュータ、携帯電話、冷蔵庫又はテレビなどである。
【0017】
図3は、クラインアント端末12の構成を示すブロック図である。クラインアント端末12は、情報処理装置であり、例えばコンピュータである。クラインアント端末12は、装置全体を制御するCPU121と、所定のプログラムやデータなどを格納するメモリ122及びハードディスクドライブ123と、プログラムやデータなどを表示する表示部124と、キーボードやマウスのようにデータを入力する入力部125と、ローカルネットワークインターフェース(LAN IF)126とを備えている。
【0018】
ハードディスクドライブ123は、制御装置14A〜14Eの一つをマスタに設定すると共に残りをスレーブに設定するための設定プログラムを格納している。CPU121は設定プログラムをメモリ122に呼び出して、起動し、入力部125からの指示に従って、制御装置14A〜14Eの一つをマスタに設定し、残りをスレーブに設定する。このマスタ及びスレーブの設定は、入力部125を介して編集可能である。本実施の形態では、制御装置14Aをマスタに設定し、制御装置14B〜14Eをスレーブに設定しているものとする。LAN IF126は、LANケーブルを介して有線ネットワーク13に接続されている。
【0019】
図4は、制御装置14Aの構成を示すブロック図である。なお、制御装置14B〜14Eも
図4の制御装置14Aと同じ構成を有する。
図5は、電源制御装置16Aの構成を示すブロック図である。なお、電源制御装置16B〜16Eも
図5の電源制御装置16Aと同じ構成を有する。
【0020】
図4の制御装置14Aは、ローカルネットワークインターフェース(LAN IF)141と、PHY(Physical Layer Chip)モジュール142と、CPU143と、メモリ144と、内蔵時計(リアルタイムクロック;RTC)145と、周波数変換部146と、アンテナ147とを有する。
【0021】
例えば、マスタである制御装置14AのLAN IF141及びCPU143は、取得手段、通知手段及び送信手段として機能する。マスタのCPU143は、例えば、作成手段として機能する。マスタの周波数変換部146、アンテナ147及びCPU143は、例えば、第2取得手段として機能する。マスタのメモリ144は、例えば、保持手段として機能する。例えば、スレーブである各制御装置14B〜14EのCPU143は、変更手段として機能する。スレーブの周波数変換部146、アンテナ147及びCPU143は、例えば、第3取得手段として機能する。スレーブのLAN IF141及びCPU143は、例えば、第2送信手段として機能する。
【0022】
図5の電源制御装置16Aは、アンテナ161と、周波数変換部162と、CPU163と、メモリ164と、電力計測部165と、プラグ166と、電力取得部167とを有する。
【0023】
図4において、LAN IF141はLANケーブルを介して有線ネットワーク13に接続されている。PHYモジュール142はデータと電気信号との間の変換を実行する。CPU143は制御装置全体の動作を制御する。メモリ144は、データ、情報等を保持する。RTC145は、時間を計時する。制御装置14A〜14Eの時刻はすべて一致しているものとする。周波数変換部146は、電源制御装置16Aとの通信に利用する周波数帯を変更する。アンテナ147は、電源制御装置16Aとの情報の送受信に利用される。
【0024】
図5において、アンテナ161は、制御装置14Aとの情報の送受信に利用される。周波数変換部162は、制御装置14Aとの通信に利用する周波数帯を変更する。CPU163は電源制御装置全体の動作を制御する。メモリ164は、データ、情報等を保持する。電力計測部165は、負荷(ここでは負荷17A)の消費電力、消費電流及び電圧等の電力情報を計測する。プラグ166は、接続された負荷に電力取得部167を介して電力を供給する。電力取得部167は、不図示の外部電源に接続され、負荷に供給される電力を当該外部電源から取得する。
【0025】
制御装置14Aと電源制御装置16Aとは、アンテナ147及び161ならびに周波数変換部146及び162を使用して無線通信による相互通信を行う。電源制御装置16Aは、プラグ166に接続された負荷に電力取得部167を介し電力を供給し、かつ負荷の消費電力、消費電流又は電圧等の電力情報を計測する。制御装置14A〜14EはLAN IF141及び有線ネットワーク13を介して、クライアント端末12と接続されており、httpプロトコルを使用して相互に通信する。なお、本実施の形態では、httpプロトコルに必要なヘッダ等については省略する。
【0026】
電源制御装置16A〜16Eは、それぞれ負荷17A〜17Eに対して電力を供給し、且つそれぞれの負荷17A〜17Eで消費した電力[W]を計測する。制御装置14A〜14Eは、それぞれ電源制御装置16A〜16Eと無線通信を行い、それぞれの電源制御装置より電力情報を取得する。ここで、電力情報は、各電源制御装置に接続された負荷の消費電力[W]の値である。なお、電力情報は、各電源制御装置に接続された負荷の消費電圧又は消費電流の値でもよい。また、制御装置14A〜14Eの各々のメモリ144は、各自が取得した電力情報をRTC145の時刻と併せて記憶する。
【0027】
図6は、制御装置14A〜14E、IPアドレス、各制御装置が管理している電源制御装置16A〜16E及び電源制御装置が所属しているグループのIDの関係を示す図である。
【0028】
電源制御装置16A〜16Eは、
図6に示すようにグループ分けされている。電源制御装置16AはグループID「g0003」のグループに属し、電源制御装置16B,CはグループID「g0001」のグループに属し、電源制御装置16D,16EはグループID「g0002」のグループに属する。
【0029】
マスタである制御装置14Aのメモリ144は、管理している電源制御装置の情報、当該電源制御装置が所属しているグループのグループID、スレーブに設定された制御装置のIPアドレス、各スレーブが管理している電源制御装置の情報、及び各スレーブが管理している電源制御装置が属しているグループのグループIDを保持する。尚、各スレーブの名称、各スレーブのIPアドレス、各スレーブが管理している電源制御装置の情報、及び各スレーブが管理している電源制御装置が属しているグループのIDは互いに関連付けされて、保持されている。
【0030】
具体的には、制御装置14Aのメモリ144は、電源制御装置16Aの情報、電源制御装置16Aが属しているグループID「g0003」、スレーブのIPアドレス「192.168.1.12」〜「192.168.1.15」、各スレーブが管理している電源制御装置16B〜16Eの情報、電源制御装置16B,16Cが属しているグループID「g0001」及び電源制御装置16D,16Eが所属しているグループID「g0002」を保持する。
【0031】
また、各スレーブのメモリ144はマスタのIPアドレスを保持する。すなわち、スレーブである制御装置14B〜14Eのメモリ144は、マスタのIPアドレス「192.168.1.11」を保持する。上述した情報のマスタおよび各スレーブへの登録は、ユーザがクライアント端末12を経由して実行する。
【0032】
図7は、制御装置14A(マスタ)の動作を示すフローチャートである。
図8は、制御装置14B〜14E(スレーブ)の動作を示すフローチャートである。ここでは、制御装置14Aがマスタに設定され、制御装置14B〜14Eがスレーブに設定されているものとする。
【0033】
まず、通信システム11の起動直後には、制御装置14A〜14Eと電源制御装置16A〜16Eは、無線通信で使用する周波数帯及び通信タイミングのネゴシエーションを行っていないため、混信する可能性がある。ここで、「周波数帯」は、データの送受信に必要な周波数の幅であるチャネルを示す。「通信タイミング」は、各制御装置が無線通信を開始する時刻及び周期を示す。無線通信を開始する時刻及び周期は、各制御装置のRTC145に従う。
【0034】
マスタである制御装置14Aは、自身を含めた全制御装置と全電源制御装置間の無線通信のチャネルおよび通信タイミングを、混信しない設定に変更する。その手順として、マスタのCPU143は、すべてのスレーブより有線ネットワーク13を介して無線通信で使用するチャネルと通信タイミングを取得する(
図7のステップS001)。具体的には、マスタCPU143は、以下のURL(1)で示すリクエスト(すなわちGETメソッド)をスレーブへ送信する。これがチャネルと通信タイミングのリクエストである。
http://<各スレーブIPアドレス>/nph.cgi/rfconfig.xml …(1)
【0035】
このリクエストを受信したスレーブのCPU143は、以下に示すような、httpメッセージ(2)を有線ネットワーク13を介して返信することで、自身で使用するチャネルと通信タイミングをマスタに通知する(
図8のステップS103でYES、S104)。
<channel>2</channel>
<start>5</start> …(2)
<interval>10</interval>
【0036】
このhttpメッセージ(2)では、channelタグは使用しているチャネルを示し、startタグは無線通信を開始する秒値を示し、intervalタグは無線通信の周期を秒値で示している。上記例では、チャネルが2、無線通信の開始時刻の秒値が5、周期10秒となる。「秒値が5、周期10秒」とは、毎時毎分5秒、15秒、25秒、35秒、45秒及び55秒のときに無線通信を開始することを意味する。また、無線通信のデータ転送時間は、例えば、1回あたり1秒間である。無線通信のデータ転送時間は、ユーザがクライアント端末12を介して変更可能である。
【0037】
マスタのCPU143は、すべてのスレーブより取得された無線通信で使用するチャネル及び通信タイミングと、マスタが無線通信で使用するチャネル及び通信タイミングとに基づいて、
図9に示すような、無線通信が混信しない設定を作成する(ステップS002)。
図9では、4つのチャネルが使用可能であり、開始時刻は5又は10であり(初期値は5である)、周期は10秒である例を示す。チャネルの個数、開始時刻及び周期は
図9の値に限定されるものではない。
図9の例では、周期は10秒に固定されているが、無線通信が混信しない限り、周期を変更してもよい。
図9では、制御装置14A、14B,14Cおよび14Dは互いに異なるチャネルを使用している。そのため、それぞれの制御装置の開始時刻の秒値はおなじ「5」に設定してよい。一方、制御装置14Eは制御装置14Aと同じチャネル1を使用するため、制御装置14Aの開始時刻の秒値と制御装置14Eの開始時刻は5秒間ずらしている。
【0038】
無線通信が混信しない設定を作成するため、マスタのCPU143はすべての制御装置の無線通信の設定について、
図10の処理を行う。
図10の処理は
図7のステップS002内で実行される。ここで、
図10の処理を説明する。
【0039】
マスタのCPU143は、まず、無線通信の開始時刻及び周期を初期化する(ステップS201)。ここでは、各制御装置の開始時刻を初期値として5を設定し、周期を10秒に設定する。次に、マスタのCPU143は使用可能であり且つ未使用のチャネルがあるか否かを判別する(ステップS202)。使用可能であり且つ未使用のチャネルがある場合には(ステップS202でYES)、マスタのCPU143は、設定対象である制御装置が使用するチャネルを、検出したチャネル(つまり使用可能であり且つ未使用のチャネル)に変更し(ステップS203)、本処理を終了する。
【0040】
使用可能であり且つ未使用のチャネルがない場合には(ステップS202でNO)、マスタのCPU143は、設定対象である制御装置が使用するチャネルを、割り当てられている制御装置が少ないチャネルに変更する(ステップS204)。さらに、マスタのCPU143は、設定対象である制御装置の無線通信の開始時刻を、割り当てられている制御装置が少ない開始時刻に変更して(ステップS205)、本処理を終了する。
【0041】
例えば、スレーブである制御装置14Bのチャネルを決める場合、すでに、制御装置14Aが使用するチャネルはチャネル1に決められているが、チャネル2〜4は使用可能であり且つ未使用のチャネルである。従って、この場合、制御装置14Bが使用するチャネルはチャネル2に変更される。また、例えば、スレーブである制御装置14Eのチャネルを決める場合、すでに、チャネル1〜4は制御装置14A〜14Dに割り当てられているので、ステップS202では、使用可能であり且つ未使用のチャネルがないと判定される。この場合、マスタのCPU143は、制御装置14Eが使用するチャネルを、割り当てられている制御装置が少ないチャネルに変更する(ステップS204)。
図9では、チャネル1〜4は制御装置14A〜14Dに割り当てられているので、割り当てられている制御装置が少ないチャネルは、チャネル1〜4のいずれか1つである。さらに、マスタのCPU143は、無線通信の開始時刻を、割り当てられている制御装置が少ない開始時刻(即ち、秒値が10)に変更する(ステップS205)。
【0042】
図10の処理によれば、無線通信が混信しない設定(即ち、チャネル及び通信タイミング)をすべての制御装置に割り当てることができる。尚、ステップS205では、無線通信の開始時刻を変更しているが、無線通信が混信しない限り、無線通信の開始時刻に代えて又は無線通信の開始時刻に加えて、周期を変更してもよい。
【0043】
図7に戻り、マスタのCPU143は、有線ネットワーク13を介して各スレーブに各無線通信で使用するチャネル及び通信タイミングを以下のURLリクエスト(3)で通知する(
図7のステップS003)。
http://<各スレーブIPアドレス>/nph.cgi?channel=2&start=5&interval=10 …(3)
【0044】
スレーブが上記URLリクエスト(3)を受信した場合、即ち、マスタから無線通信で使用するチャネル及び通信タイミングの変更要求がある場合(
図8のステップS105でYES)、スレーブは、URLリクエスト(3)の内容に従い自身の無線通信で使用するチャネル及び通信タイミングを変更する(
図8のステップS106)。例えば、
図9の制御装置14Bでは、チャネルが初期値から2に変更され、無線通信の開始時刻の秒値が初期値から5に変更され、周期が初期値から10秒に変更される。尚、各初期値が変更されない場合には、初期値が維持される。
【0045】
各制御装置は、RTC145が上記通信タイミングで指定された時刻になったことを確認した後、上記設定されたチャネルを使用した無線通信経由で、対応する電源制御装置から電力情報を取得する(
図7のステップS004及びS005、
図8のステップS101及びS102)。
図7のステップS005では、マスタは無線通信する電源制御装置(ここでは電源制御装置16A)から電力情報を取得する。
図8のステップS102では、スレーブは当該スレーブと無線通信する電源制御装置から電力情報を取得する。
【0046】
また、スレーブの追加又は削除により、無線通信で使用するチャネルと通信タイミングを再設定する場合、クライアント端末12はマスタに対して以下のURLリクエスト(4)を使って無線通信で使用するチャネル及び通信タイミングの再設定を要求する。
http://<マスタIPアドレス>/nph.cgi/dorfconfig=1 …(4)
【0047】
上記URLリクエスト(4)を受信したマスタのCPU143は、すべての無線通信で使用するチャネル及び通信タイミングを再設定する(
図7のステップS006でYES)。この場合、無線通信で使用するチャネルと通信タイミングの取得(ステップS001)、無線通信が混信しないチャネルと通信タイミングの設定の作成(ステップS002)、及び作成されたチャネルと通信タイミングの各スレーブへの通知(ステップS003)が再度実行される。
【0048】
ユーザはクライアント端末12を使用して、各制御装置に、対応する電源制御装置の電力情報を要求する。クライアント端末12は、各制御装置に対して、以下のURLリクエスト(5)を使って電力情報を要求する。
http://<制御装置IPアドレス>/nph.cgi/data.csv …(5)
【0049】
上記URLリクエスト(5)を受信した制御装置のCPU143は、クライアント端末12に対して、
図11のように、自身が記憶している電力情報及び電力情報の取得時刻を返信する(
図7のステップS007及びS008、
図8のステップS107及びS108)。
【0050】
ユーザは、クライアント端末12を使用して、グループ毎の電力情報をマスタに要求することができる。例えば、クライアント端末12は、マスタに対して以下のURLリクエスト(6)を使って、グループIDが「g0001」に属する電源制御装置の電力情報を要求する。
http://<マスタIPアドレス>/nph.cgi/g0001_data.csv …(6)
【0051】
マスタのCPU143が上記URLリクエスト(6)を受信した場合、即ち、クライアント端末12グループに属する電源制御装置の電力情報が要求された場合(
図7のステップS009でYES)、マスタのCPU143は、以下のURLリクエスト(7)、(8)を使って、グループに属する電源制御装置を管理しているすべてのスレーブに対して、電力情報と電力情報の取得時刻を要求し、取得する(
図7のステップS010)。複数のスレーブが存在する場合、マスタのCPU143は複数のスレーブに順番に電力情報と電力情報の取得時刻を要求し、取得する。ここでは、グループIDが「g0001」に属する電源制御装置を管理しているすべてのスレーブは、
図6より制御装置14B及び14Cである。
http://<制御装置14BのIPアドレス>/nph.cgi/data.csv …(7)
http://<制御装置14CのIPアドレス>/nph.cgi/data.csv …(8)
【0052】
上記URLリクエスト(7)及び(8)を受信したスレーブのCPU143は、マスタに対して各々が記憶している電力情報と電力情報の取得時刻を返信する(
図8のステップS107及びS108)。その後、マスタは、クライアント端末12に対して取得した電力情報と電力情報の取得時刻を返信する(
図7のステップS011)。
【0053】
一方、ユーザがクライアント端末12を経由して、スレーブに対して「制御装置が無線通信で使用するチャネルと通信タイミングの再設定」又は「グループ毎の電力情報」を要求する場合(
図8のステップS107でNO)、スレーブのCPU143は、既知であるマスタのIPアドレスを利用して、「制御装置が無線通信で使用するチャネルと通信タイミングの再設定」又は「グループ毎の電力情報」をマスタへ要求するリダイレクト命令をクライアント端末12に返信する(
図8のステップS109)。
【0054】
なお、複数台の電源制御装置の電力情報をクライアント端末12に返信する場合、ユーザがクライアント端末12を経由して応答フォーマットをマスタに対して予め設定する。
図12は、電源制御装置16A及び16Bから取得した電力情報のフォーマットの一例を示す図である。
【0055】
図13は、上述したグループID「g0001」に属する電源制御装置の電力情報を取得する処理を示すシーケンス図である。
【0056】
まず、クライアント端末12がグループID「g0001」に属する電源制御装置の電力情報をマスタ(制御装置14A)に要求する(ステップS301)。この場合、クライアント端末12は上述したURLリクエスト(6)をマスタに送信する。
【0057】
マスタのCPU143は、グループID「g0001」に属する電源制御装置16Bを管理するスレーブ(制御装置14B)に電力情報と電力情報の取得時刻を要求する(ステップS302)。この場合、マスタのCPU143は上述したURLリクエスト(7)をスレーブ(制御装置14B)に送信する。スレーブ(制御装置14B)のCPU143は、自身が記憶している電力情報と電力情報の取得時刻をマスタに返信する(ステップS303)。具体的には、スレーブ(制御装置14B)のCPU143は、電源制御装置16Bから取得した電力情報と電力情報の取得時刻をマスタに返信する。
【0058】
次に、マスタのCPU143は、グループID「g0001」に属する電源制御装置16Cを管理するスレーブ(制御装置14C)に電力情報と電力情報の取得時刻を要求する(ステップS304)。この場合、マスタのCPU143は上述したURLリクエスト(8)をスレーブ(制御装置14C)に送信する。スレーブ(制御装置14C)のCPU143は、自身が記憶している電力情報と電力情報の取得時刻をマスタに返信する(ステップS305)。具体的には、スレーブ(制御装置14C)のCPU143は、電源制御装置16Cから取得した電力情報と電力情報の取得時刻をマスタに返信する。
【0059】
マスタのCPU143は、スレーブ(制御装置14B及び14C)から取得した電力情報と電力情報の取得時刻をクライアント端末12に返信する(ステップS306)。
【0060】
図14は、クライアント端末12がスレーブ(制御装置14B)にグループID「g0001」に属する電源制御装置の電力情報を要求した場合の処理を示すシーケンス図である。
【0061】
まず、クライアント端末12がグループID「g0001」に属する電源制御装置の電力情報をスレーブ(制御装置14B)に要求する(ステップS401)。この場合、クライアント端末12は下記のURLリクエスト(9)をスレーブ(制御装置14B)に送信する。
http://<制御装置14BのIPアドレス>/nph.cgi/g0001_data.csv …(9)
【0062】
スレーブ(制御装置14B)のCPU143は、既知であるマスタのIPアドレスを利用して、マスタへ「グループID「g0001」の電力情報」を要求するリダイレクト命令(10)をクライアント端末12に返信する(ステップS402)。例えば、リダイレクト命令(10)は、下記のような命令である。
Location: http://<マスタIPアドレス>/nph.cgi/g0001_data.csv…(10)
【0063】
その後、クライアント端末12は、グループID「g0001」に属する電源制御装置の電力情報をマスタに要求する(ステップS403)。この場合、クライアント端末12は下記のURLリクエスト(11)をマスタに送信する。
http://<マスタIPアドレス>/nph.cgi/g0001_data.csv …(11)
【0064】
図14の処理により、ユーザは、任意のグループIDに属する電源制御装置の電力情報をスレーブに要求しても、マスタに要求し直すことになるので、ユーザが期待した結果が得られる。換言すれば、スレーブで対応できない要求を正確な要求先であるマスタに導くことができる。
【0065】
以上説明したように、本実施の形態によれば、マスタとして設定された制御装置14AのCPU143が、有線ネットワーク13を介してスレーブとして設定された制御装置14B〜14Eから無線通信で使用するチャネル及び通信タイミングに関する情報を取得し(ステップS001)、マスタが無線通信で使用するチャネル及び通信タイミングに関する情報と、当該取得された無線通信で使用するチャネル及び通信タイミングに関する情報とに基づいて、制御装置14A〜14Eと電源制御装置16A〜16Eとの間で行われる無線通信が混信しないチャネル及び通信タイミングの設定を作成し(ステップS002)、当該作成されたチャネル及び通信タイミングの設定を有線ネットワーク13を介してスレーブとして設定された制御装置14B〜14Eに通知する(ステップS003)。従って、複数の制御装置が複数の電源制御装置と無線通信を行う場合に、自動的に無線通信が混信しないチャネル及び通信タイミングが複数の制御装置(マスタ及びスレーブ)に設定される。よって、ユーザに負荷をかけずに無線通信の干渉を回避することができる。
【0066】
また、スレーブが追加又は削除される場合には(ステップS006でYES)、チャネル及び通信タイミングに関する情報が再取得され(ステップS001)、無線通信が混信しないチャネル及び通信タイミングの設定が再作成され(ステップS002)、再作成されたチャネル及び通信タイミングの設定をスレーブに再通知される(ステップS003)。よって、スレーブが追加又は削除される場合にも、無線通信の干渉を回避することができる。
【0067】
また、マスタは、有線ネットワーク13を介して接続されているクライアント端末12から電力情報を要求された場合に(ステップS007でYES)、マスタと無線通信を行う電源制御装置から電力情報を取得し(ステップS005)、クライアント端末12に当該取得した電力情報を送信する(ステップS008)。従って、マスタと無線通信を行う電源制御装置の電力情報をクライアント端末12に送ることができる。
【0068】
さらに、マスタは、スレーブのIPアドレス(宛先)、スレーブが管理している電源制御装置の情報、及びスレーブが管理している電源制御装置が属しているグループのIDを関連付けて保持するメモリ144を備えている。マスタのCPU143は、クライアント端末12からグループに属している電源制御装置の電力情報を要求された場合に(ステップS009)、グループに属している電源制御装置を管理しているスレーブからグループに属している電源制御装置の電力情報を取得し(ステップS010)、クライアント端末12に当該取得した電力情報を送信する(ステップS011)。よって、スレーブが管理している、グループに属している電源制御装置の電力情報をクライアント端末12に送ることができる。
【0069】
本実施の形態では、制御装置14A〜14Eは、無線通信を介して電源制御装置16A〜16Eにそれぞれ接続され、電源制御装置16A〜16Eからそれぞれ電力情報を取得する。しかし、制御装置14A〜14Eの接続対象は電源制御装置16A〜16Eに限定されず、制御装置14A〜14Eと無線通信ができるコンピュータや家電などでもよい。また、制御装置14A〜14Eが接続対象の装置から取得する情報は、電力情報に限定されるものではなく、例えば、接続対象の装置の属性情報(例えば、製造年月日、型番、又は製品名)などでもよい。
【0070】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。